JP2001235709A - 光学ローパスフィルタとその製造方法 - Google Patents
光学ローパスフィルタとその製造方法Info
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Abstract
わせた光学ローパスフィルタであって、従来より少ない
作業工程で厚みの少ない光学ローパスフィルタ及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 ニオブ酸リチウムからなる複数枚の複屈
折板(基板)の貼り合わせ面を親水化処理し表面活性化
状態とすると接着剤を使用しないで複屈折板同士の接合
が可能となり、従来よりも薄い光学ローパスフィルタを
容易に作製できる。
Description
貼り合せて構成する光学ローパスフィルタに関し、特に
複屈折板同士の接合に接着剤を使用しないで全体の厚み
を薄くした光学ローパスフィルタ及びその製造方法に関
する。
ビデオカメラ等を始めとしてCCD(固体撮像素子)を
具備するほとんどの撮像機器には、モアレ状の疑似信号
の発生を防止するため光学ローパスフィルタが設けられ
ている。光学ローパスフィルタの代表的な例としては、
水晶、レンチキュラーマイクロレンズ、ノイズフィルタ
及び位相回転格子等がある。なかでも水晶からなる複屈
折板は、貼り合わせ方により様々な特性を実現できる
他、性能も安定しているという特徴を有しているので、
近年ほとんどの光学ローパスフィルタに使用されてい
る。
学ローパスフィルタとして使用する場合、入射光が常光
線と異常光線とに分かれて同強度で平行に射出され、そ
れにより二重像が作られる。このとき光学ローパスフィ
ルタの機能上重要な因子の一つとして、常光線と異常光
線とのなす角度θがある。この角度θは屈折率異方性が
大きいほど大きいが、水晶の場合、最も高い値を有する
石英でもこの値が0.009 (波長632.8nm の場合)と低
く、このため光路長dを長くとらなければならなくな
り、素子が大型化してしまう。また水晶の研磨等の製造
工程が必要であり、大量生産には不向きであったり、石
英を使用する場合には、原材料自体が高価であるといっ
た問題もある。
複屈折率を有するニオブ酸リチウムの単結晶板が注目を
集めている。例えば特開平11-218612 号は、水晶板の両
面あるいは片面に高複屈率を持つニオブ酸リチウムの複
屈折板を貼り合わせた複数枚からなる光学ローパスフィ
ルタを開示している。この光学ローパスフィルタは、水
晶と結晶構造を異にするニオブ酸リチウムを用いること
により複屈折板の板厚みを薄くでき水晶板との組合せに
より光学ローパスフィルタ全体の板厚みの削減を可能と
した。
れ、接合面には基板間の反射を防ぐための反射防止膜を
設ける必要があるため、板厚みの削減には限界があり、
作業工程が多くなるといった問題を有する。
ないで基板同士を直接貼り合わせた光学ローパスフィル
タであって、従来より少ない作業工程で厚みの少ない光
学ローパスフィルタ及びその製造方法を提供することで
ある。
の結果、本発明者は、ニオブ酸リチウムからなる複数枚
の複屈折板(基板)の貼り合わせ面を親水化処理し表面
活性化状態とすると接着剤を使用しないで基板同士の接
合が可能となり、従来よりも薄い光学ローパスフィルタ
を容易に作製できることを発見し本発明に想到した。
は複屈折板同士が複数枚貼り合わされたもので、前記複
数枚の複屈折板の少なくとも一方の面が親水化処理され
て貼り合わされていることを特徴とする。
り合わされた複数枚の複屈折板の上下面に反射防止膜が
設けられており、その複屈折板がニオブ酸リチウムから
なるのが好ましい。
は、前記複屈折板の表面のうち貼り合わせる面を親水化
処理し、前記親水化処理した面を貼り合わせ、熱処理し
て、複数枚の前記複屈折板を接合することを特徴とす
る。
方法における親水化処理は、過酸化水素水とアンモニア
水と純水の混合溶液中に前記複屈折板を浸漬し、純水で
洗浄し、乾燥する工程からなるのが好ましい。さらに熱
処理が窒素雰囲気下、100 〜400 ℃でされているのが好
ましい。さらにまた貼り合わされた複数の複屈折板の上
下面に反射防止膜を設けるのが好ましい。
り合わされてなる。複屈折板の複屈折性を利用すること
により、物体の像を2つ以上に分離して、高周波の像を
カットする光学ローパスフィルタにおいて、十分なロー
パス効果を得るには互いの複屈折板の結晶方向の向きを
変えて貼り合わせる必要がある。従って、少なくとも2
枚の複屈折板が必要となる。
例を示す。図1(a) に示す光学ローパスフィルタ1は、
2枚の複屈折板2が接着剤を介さず直接接合した構成と
なっている。図1(b) に示す光学ローパスフィルタ1は
接合した2枚の複屈折板の上下面に反射防止膜3が設け
られている。
ル酸リチウム、水晶、四ホウ酸リチウム、方解石等の結
晶基板を使用する。なかでもニオブ酸リチウムを基板と
するとその板厚が薄くても、一般的に使用される水晶の
基板より疑似信号の発生を低減できる。
来の光学ローパスフィルタ5は、図3に示すように、複
屈折板2の上下面に反射防止膜3を設け、その反射防止
膜3上に接着剤4を塗布し、水晶からなる複屈折板6の
両面に貼り合わせた構成となっている。ニオブ酸リチウ
ムの複屈折板は屈折率が2.2 と非常に高いため、現行の
接着剤ではこれと同等のものは存在しない。そのため、
基板間の反射を防止するために反射防止膜3が設けられ
る。従って、このような反射防止膜3を必ず設けなけれ
ばならない従来の光学ローパスフィルタ5では厚みの削
減に限界があり、作業工程も複雑になってしまう。
は接着剤を介して基板同士を接合するものではないた
め、従来のように接合面に反射防止膜3を設ける必要は
ない。従って厚みの削減が可能となり、素子の小型化が
容易となる。また作業工程の短縮化も可能となる。
る場合も貼り合わせ面を親水化処理して貼り合わせれ
ば、容易に、かつ高い密着性を維持させながら、複屈折
板2同士を直接接合させることができる。
アンモニア水と純水の混合溶液中に10〜15分間浸漬させ
る。ここで混合溶液中の過酸化水素水の濃度は1〜20%
とし、アンモニア濃度は1〜10%とするのが好ましい。
複屈折板2の貼り合わせ面を浸漬後、純水でリンスし、
スピンドライ等で乾燥後、複屈折板2同士を貼り合わせ
る。
が活性の高い状態となる。この活性の高い状態について
は、必ずしも明らかではないが、親水化処理により複屈
折板2の表面に活性の高い原子層が生成した状態と考え
られる。そして、この表面活性原子層を有する複数枚の
複屈折板2を重ね合わせると、原子間の結合によって複
屈折板2同士が接合すると考えられる。
施す。熱処理は酸化による基板表面の不活性化を防止す
るため窒素雰囲気下で行う。この処理により、複屈折板
2同士の接合はより強固となる。
後の複屈折板2の上下面に図1に示すように反射防止膜
3を設けると、本発明の光学ローパスフィルタ1が製造
される。
密着性が保たれる。また本発明の方法では、接着剤を使
用しないため接合面に反射防止膜3を設ける必要がなく
作業工程を削減させることできる。
明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。
の貼り合わせ面を十分に洗浄した後、親水化処理を行っ
た。親水化処理は、30%過酸化水素水溶液、25%アンモ
ニア水溶液、純水を1:1:6(体積比)で調製し、こ
の混合溶液に複屈折板の貼り合わせ面を10分間浸漬して
行った。
ピンドライで乾燥後、ニオブ酸リチウムの複屈折板同士
を貼り合わせ、窒素雰囲気下300 ℃で熱処理を施し、光
学ローパスフィルタを作製した。
ィルタについて分光光度計により透過率を測定した。ま
た比較のため貼り合わせを行わない1枚だけの複屈折板
の透過率も測定した。結果を図2に示す。図2(a) は、
貼り合わせを行った複屈折板(本実施例で作製した光学
ローパスフィルタ)であり、図2(b) は、貼り合わせを
行っていない複屈折板の結果である。これらを比較する
と透過率に違いは見られなかった。従って、本発明の光
学ローパスフィルタでは、基板間の反射がなく基板間界
面で接合が生じていることがわかった。
パスフィルタは、接着剤を使用しないで複屈折板同士を
直接貼り合わせるため、構造が単純で素子の小型化が可
能であり、複屈折板の間に反射防止膜を設ける必要がな
いため、作業工程を短縮させることができる。
す側面図であり、(a)は複屈折板同士が直接接合されて
いる例を示し、(b) は複屈折板の上下面に反射防止膜が
設けられている例を示す。
の結果を示す図であり、(a) は、貼り合わせを行った複
屈折板であり、(b) は、貼り合わせを行っていない複屈
折板である。
図である。
タの光学特性を示すための説明図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 複屈折板同士が複数枚貼り合わされてな
る光学ローパスフィルタにおいて、前記複数枚の複屈折
板の少なくとも一方の面が親水化処理されて貼り合わさ
れていることを特徴とする光学ローパスフィルタ。 - 【請求項2】 請求項1に記載の光学ローパスフィルタ
において、前記貼り合わされた複数枚の複屈折板の上下
面に反射防止膜が設けられていることを特徴とする光学
ローパスフィルタ。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光学ローパスフ
ィルタにおいて、前記複屈折板がニオブ酸リチウムから
なることを特徴とする光学ローパスフィルタ。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の光学ロ
ーパスフィルタの製造方法において、前記複屈折板の表
面のうち貼り合わせる面を親水化処理し、前記親水化処
理した面を貼り合わせ、熱処理して、複数枚の前記複屈
折板を接合することを特徴とする方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の光学ローパスフィルタ
の製造方法において、前記親水化処理が過酸化水素水と
アンモニア水と純水の混合溶液中に前記複屈折板を浸漬
し、純水で洗浄し、乾燥する工程からなることを特徴と
する方法。 - 【請求項6】 請求項4又は5に記載の光学ローパスフ
ィルタの製造方法において、前記熱処理が窒素雰囲気
下、100 〜400 ℃でされていることを特徴とする方法。 - 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載の光学ロ
ーパスフィルタの製造方法において、前記貼り合わされ
た複数枚の複屈折板の上下面に反射防止膜を設けること
を特徴とする方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000042772A JP2001235709A (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | 光学ローパスフィルタとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000042772A JP2001235709A (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | 光学ローパスフィルタとその製造方法 |
Publications (1)
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---|---|
JP2001235709A true JP2001235709A (ja) | 2001-08-31 |
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Family Applications (1)
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JP2000042772A Withdrawn JP2001235709A (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | 光学ローパスフィルタとその製造方法 |
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JP (1) | JP2001235709A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100420981C (zh) * | 2003-05-02 | 2008-09-24 | 精工爱普生株式会社 | 光学低通滤波器的制造方法 |
-
2000
- 2000-02-21 JP JP2000042772A patent/JP2001235709A/ja not_active Withdrawn
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CN100420981C (zh) * | 2003-05-02 | 2008-09-24 | 精工爱普生株式会社 | 光学低通滤波器的制造方法 |
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