JP2001233022A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2001233022A
JP2001233022A JP2000377661A JP2000377661A JP2001233022A JP 2001233022 A JP2001233022 A JP 2001233022A JP 2000377661 A JP2000377661 A JP 2000377661A JP 2000377661 A JP2000377661 A JP 2000377661A JP 2001233022 A JP2001233022 A JP 2001233022A
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maximum
bead
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JP2000377661A
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Kiyoshi Kamiyoko
清志 上横
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化を達成しながら耐久性を向上させる。 【解決手段】 タイヤ断面幅点P1からフランジとの離
間点P3との間のタイヤ外表面の輪郭線Yは、基準円弧
R0よりも突出する凸状部10と凹む凹状部11とを含
む。凸状部10の最大突出点Q1の高さh1は、カーカ
ス折返し部外端6eの高さh0の0.85〜1.15
倍、最大凹み点Q2の高さh2は、前記高さh1よりも
小かつ高さh0の0.30〜0.90倍。最大突出高さ
q1、及び最大凹み深さq2は、夫々タイヤ断面幅Wの
0.001〜0.040倍とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性を向上させ
ながら軽量化を達成した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特許第2837840号に
おいて、ビード耐久性を向上させながら軽量化を達成す
るタイヤを提案している。この提案のタイヤでは、図5
に略示する如く、従来の重荷重用タイヤでは、サイドウ
ォール部aからビード部bに至るタイヤ外表面の輪郭形
状が、タイヤの断面幅点p1からフランジとの離間点p
2にのびる円弧cに沿って形成されているのに対し、前
記離間点p2側に、前記円弧cよりもタイヤ軸方向内方
に凹む凹状部dを設けている。
【0003】これにより前記提案のタイヤでは、前記凹
状部dによるゴムボリューム低下によって、タイヤの変
形領域を増加せしめ、その屈曲歪みの分散効果と発熱性
の低減効果との相乗作用によってビード耐久性を大巾に
向上させ得たのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案のタイヤ或いは従来のタイヤでは、カーカス折返し部
eの外端付近の輪郭形状が前記円弧cからなるため、生
産時のバラツキ等に伴うサイドウォールゴムの厚みの変
動、或いはカーカス折返し部eの高さの変動等によっ
て、前記ゴム厚さtが薄くなりすぎる場合が発生しやす
い。このゴム厚さtが過小となると、インフレート→負
荷転動による繰り返しによるサイドウォール部aの変形
の為、前記カーカス折返し部eの外端の応力歪みによっ
てゴム破壊が発生するなど、タイヤ更生困難なタイヤ主
損傷を引き起こす原因となってしまう。
【0005】従って、最低限のゴム厚さtを確保するた
めには、全体的に厚い分布のサイドウォールゴム材料を
使用せざるを得なくなり、特に前記提案のタイヤでは、
ビード部の軽量化及び耐久性向上の効果が充分に達成さ
れなくなるという問題がある。
【0006】なお、局部的にゴム厚さtを厚くすること
は、カーカス本体部が最適ラインからはずれてタイヤ内
側を通ることになり、逆にビード耐久性を著しく低下さ
せる原因になる。
【0007】そこで本発明は、前記円弧cに相当する基
準円弧よりもタイヤ軸方向外側に突出しかつその最大突
出点を折返し部の外端高さ近傍に位置させた略三角形状
の凸状部を形成することを基本として、ゴムボリュウム
の増加を最低限度に止めながら必要なゴム厚さtを安定
して確保することが可能となり、ビード部の軽量化及び
耐久性の向上をいっそう効果的に発揮しうる空気入りタ
イヤの提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォ
ール部をへてビード部のビードコアに至る本体部に、前
記ビードコアで折り返す折返し部を連設したカーカスプ
ライを有するカーカスを具える空気入りタイヤであっ
て、正規のリムに装着し正規の内圧を充填した標準状態
において、タイヤ軸方向に最外側となるタイヤの断面幅
点P1から前記リムのフランジとの離間点P3との間の
タイヤ外表面のタイヤ子午線断面における輪郭線は、前
記タイヤ断面幅点P1を通るタイヤ軸方向線上に中心を
有しかつ前記タイヤ断面幅点P1を通って前記フランジ
に内接する基準円弧に対して、この基準円弧よりもタイ
ヤ軸方向外方に突出する略三角形状の凸状部と、該凸状
部の半径方向内側に連なり前記基準円弧よりもタイヤ軸
方向内方に凹む凹状部とを含むとともに、前記凸状部の
前記基準円弧からタイヤ軸方向に最も離れる最大突出点
のビードベースラインからの高さh1は、前記折返し部
の半径方向外端のビードベースラインからの高さh0の
0.85〜1.15倍、かつ凹状部の前記基準円弧から
タイヤ軸方向に最も離れる最大凹み点のビードベースラ
インからの高さh2は、前記高さh1よりも小であって
前記高さh0の0.30〜0.90倍とするとともに、
最大突出点の前記基準円弧からの突出高さq1、及び最
大凹み点の前記基準円弧からの最大凹み深さq2は、夫
々タイヤ断面幅Wの0.001〜0.040倍としたこ
とを特徴としている。
【0009】また請求項2の発明では、前記最大突出高
さq1、及び最大凹み深さq2は、夫々タイヤ断面幅W
の0.003〜0.020倍としたことを特徴としてい
る。
【0010】また請求項3の発明では、前記最大凹み点
の高さh2は、前記高さh0の0.4〜0.8倍とした
ことを特徴としている。
【0011】また請求項4の発明では、正規のリムに装
着しかつ50kpaの内圧を充填した状態において、前
記輪郭線は、前記タイヤ断面幅点と前記最大突出点との
間を直線状としたことを特徴としている。
【0012】また請求項5の発明では、正規のリムに装
着しかつ50kpaの内圧を充填した状態において、前
記輪郭線は、最大突出点と最大凹み点との間を、傾きを
前記折返し部と略平行の直線状としたことを特徴として
いる。
【0013】また請求項6の発明では、前記輪郭線は、
前記凹状部の半径方向内方に、前記リムとの離間点に連
なり前記基準円弧をタイヤ軸方向外方に越えて張り出す
外凸の張出し部を具えることを特徴としている。
【0014】ここで、本明細書では各用語を次のように
定義する。先ず「正規のリム」とは、タイヤが基づいて
いる規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎
に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リ
ム、TRAであれば "DesignRim" 、或いはETRTO
であれば "Measuring Rim"となる。また、「正規の内
圧」とは、前記規格によってタイヤ毎に定められている
空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRA
であれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLDINFLAT
ION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば
"INFLATION PRESSURE" であり、タイヤが乗用車用であ
る場合には一律に180(kPa)としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1は、本発明の空気入りタイ
ヤ1(以下タイヤ1という)が、トラック・バス用など
の重荷重用タイヤとして形成され、しかも正規のリムに
装着されかつ正規の内圧が充填された標準状態における
子午断面を示している。
【0016】図において、タイヤ1は、トレッド部2
と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサ
イドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に
位置するビード部4とを具えるとともに、該ビード部
4、4間にはカーカス6が架け渡される。
【0017】前記カーカス6は、ナイロン、レーヨン、
ポリエステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維コード又
はスチールコードを用いたカーカスコードをタイヤ赤道
COに対して70〜90°の角度で配列した1枚以上の
カーカスプライ6Aからなる。本例では、スチールコー
ドをタイヤ赤道COに対して90°の角度で配列した1
枚のカーカスプライ6Aから形成された場合を例示して
いる。
【0018】又前記カーカス6は、トレッド部2からサ
イドウォール部3をへて前記ビード部4のビードコア5
に至る本体部6aと、前記ビードコア5の廻りで内側か
ら外側に折り返される折返し部6bとを一体に具え、前
記本体部6aの外側かつトレッド部2内方にはベルト層
7を配置している。
【0019】前記ベルト層7は、2枚以上のベルトプラ
イから形成され、本例では、スチールコードを用いたベ
ルトコードをタイヤ赤道COに対して例えば50±15
°程度の角度で配列した最内のベルトプライ7Aと、タ
イヤ赤道COに対して30°以下の小角度で配列したベ
ルトプライ7B、7C、7Dとの4層構造の場合を例示
しており、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇
所を1箇所以上設けて重置している。なおベルトコード
として、必要に応じてナイロン、ポリエステル、レーヨ
ン、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードを用いること
ができる。
【0020】又前記ビード部4には、カーカスの本体部
6aと折返し部6bとの間に、前記ビードコア5からタ
イヤ半径方向外側に先細状にのびるビードエーペックス
ゴム8が配される。このビードエーペックスゴム8は、
デュロメータA硬さが60〜99°のゴムからなり、そ
のタイヤ軸方向の内側面は、前記本体部6aと略平行な
略直線状をなすとともに、外側面は、凹円弧状に形成し
ている。
【0021】又前記ビードエーペックスゴム8の外端8
eのビードベースラインBLからの高さhaは、タイヤ
断面高さH(図1に示す)の6〜31%、より好ましく
は8〜22%である。このようにビードエーペックスゴ
ム8を小型化することにより、折返し部6bに生じる圧
縮歪みを軽減でき、折返し部6bの耐久性を高めうると
ともに、ビード発熱を抑制しうる。なお前記「ビードベ
ースラインBL」とは、JATMA、TRA及びETR
TOの規格で定められるリム径を通るタイヤ軸方向線を
意味する。
【0022】又カーカス6の前記折返し部6bは、前記
ビードエーペックスゴム8を越えて半径方向外方にのび
ることにより前記本体部6aと近接してのびる近接領域
Gを形成するとともに、この折返し部6Bの外端6e
は、サイドウォール部3がタイヤ軸方向に最外側となる
タイヤ断面幅点P1よりも半径方向内方で終端してい
る。すなわちビードベースラインBLからの前記外端6
eまでの高さhoは、タイヤ断面幅点P1までの高さh
cより小である。
【0023】なおこの近接領域Gは、図2に示すよう
に、ビードエーペックスゴム8の前記外端8e近傍に、
折返し部6bと本体部6aとの間のカーカスコード間距
離Tが最小値Tmin となる最近接部分Xを有する。この
最小値Tmin は、前記カーカスコードの直径の0.15
〜5.0倍の範囲であり、0.15倍を下回ると、前記
外端8e近傍での変形に対するゴム強力が不足しがちと
なり、逆に5.0倍を超えると発熱が大きく、前記外端
8e近傍がセパレーションの起点となりやすい。従っ
て、前記最小値Tmin は、カーカスコードの直径の0.
5〜3.5倍、さらに好ましくは0.8〜2.5倍とす
るのがよい。
【0024】前記最近接部分Xは、局部的であってもよ
いが、本例の如く、前記カーカスコード間距離Tが最小
値Tmin をなしつつ連続することにより、前記本体部6
aと折返し部6bとが実質的に平行にのびる平行域G1
を形成することが好ましい。このような平行域G1は、
この部分に働くせん断力に基づく発熱を効果的に分散で
き、ビードエーペックスゴム8の外端8e近傍にて生じ
るゴム割れの抑制効果をより向上しうる。なおこの平行
域G1では、前記折返し部6bと本体部6aとは直線状
に延在している。
【0025】又前記近接領域Gには、本例では、前記最
近接部分Xのタイヤ半径方向の外側に(本例では前記平
行域G1に続けて)、前記カーカスコード間距離Tが前
記折返し部6bの外端6eまで漸増する漸増域G2を形
成している。この漸増域G2を設けることにより、折返
し部6bの外端6eの位置では、本体部6aとの間のプ
ライ間ゴムの厚さを前記最近接部分Xに相対して増大で
き、この外端6e近傍でのゴム割れを長期に亘って抑制
しうる。即ち、折返し部6bの外端6e近傍およびビー
ドエーペックスゴム8の外端8e近傍の双方に亘ってセ
パレーションの起点となるゴム割れを抑制できる。
【0026】なお本例では、漸増域G2としては、外端
6e、8e間の距離(h0−ha)の0.1〜0.9倍
の長さhbで形成することが好ましく、本例では、0.
2倍の場合を例示している。又外端6eでのカーカスコ
ード間距離Tmax は、前記最小値Tmin の1.5〜4.
5倍とするのがよい。
【0027】この漸増域G2では、前記カーカスコード
間距離Tを漸増するために、前記本体部6aと折返し部
6bとの間に、カーカスプライ6Aのトッピングゴムよ
りも低いモジュラスを有するインシュレーションゴム2
0を介在させることが好ましい。特に、このインシュレ
ーションゴム20を、100%モジュラスが5〜30k
gf/cm2 のゴムで形成し、かつその厚さをトッピング
ゴムの厚さより大に設定するのが好ましい。これは、前
記折返し部6bの外端6e近傍でコードルースが発生し
た場合でも、この低いモジュラスのインシュレーション
ゴム20が、動的な動きに対してクッションの役割を果
たし、前記本体部6aと折返し部6bとの間の歪みを吸
収することによって、前記コードルースがセパレーショ
ンへ進行するのを抑制できるからである。
【0028】次に、タイヤ1は前記標準状態において、
図3に示すように、前記タイヤ断面幅点P1からフラン
ジFとの離間点P3までの間のタイヤ外表面の輪郭線Y
は、前記タイヤ断面幅点P1を通るタイヤ軸方向線WL
上に中心を有しかつ前記タイヤ断面幅点P1を通って前
記フランジFに内接する基準円弧R0に対して、この基
準円弧R0よりもタイヤ軸方向外方に突出する凸状部1
0と、該凸状部10の半径方向内側に連なり前記基準円
弧R0よりもタイヤ軸方向内方に凹む凹状部11とを含
んで形成される。
【0029】前記凸状部10は、図4に拡大して示すよ
うに、その半径方向外方点K1と内方点K2は前記基準
円弧R0上に位置するとともに、この点K1、K2間に
前記基準円弧R0からタイヤ軸方向に最も離れる最大突
出点QAを設けている。この最大突出点QAは、前記タ
イヤ断面幅点P1を通るタイヤ半径方向線NL上、或い
はこのタイヤ半径方向線NLよりもタイヤ軸方向内方に
位置している。
【0030】又凸状部10における前記外方点K1と最
大突出点QAとの間の上辺10U、及び最大突出点QA
と内方点K2との間の下辺10Lは、タイヤが正規のリ
ムに装着されかつ50kpaの内圧が充填された状態
(50kpa内圧状態)において、夫々直線状に形成さ
れる。本例では、前記上辺10Uが基準円弧R0の接線
として形成される好ましい場合を例示しており、又前記
外方点K1は、前記タイヤ断面幅点P1或いはその近傍
に配される。
【0031】前記凹状部11は、その半径方向外方点K
3と内方点K4が、前記基準円弧R0上に位置するとと
もに、この点K3、K4間に基準円弧R0からタイヤ軸
方向に最も離れる最大凹み点QBを設けている。又前記
凹状部11における前記外方点K3と最大凹み点QBと
の間の上辺11Uは、前記内方点K2と外方点K3とが
同一点であることによって、前記下辺10Lと滑らかに
連結する。特に本例では、前記50kpa内圧状態にお
いて、この上辺11Uと下辺10Lとが、前記折返し部
6bと略平行な1本の直線Jとして形成される好ましい
場合を例示している。
【0032】ここで、前記50kPa内圧状態のタイヤ
形状は、タイヤが金型内で加硫成形されている状態での
タイヤ形状に実質的に一致しており、タイヤの内部歪み
が少なく変形が最も小さい状態でのタイヤ形状である。
従って、本例では、金型内において、上辺10U及び下
辺10Lが夫々直線状をなす、或いは前記上辺11Uと
下辺10Lとが一本の直線Jをなすように、タイヤ或い
は金型が形成されているのである。
【0033】また前記最大凹み点QBと内方点K4との
間の凹状部11の下辺11Lは、前記離間点P3に連な
りかつ前記基準円弧R0をタイヤ軸方向外方に越えて張
り出す略円弧状の外凸の張出し部12に滑らかに連結し
ている。
【0034】このように、フランジFとの離間点P3側
に凹状部11を形成しているため、タイヤの変形領域を
増加せしめ、その屈曲歪みの分散効果と発熱性の低減効
果との相乗作用によってビード耐久性を向上させうる。
【0035】さらに、前記折返し部6bの外端6eの高
さ位置近傍に、最大突出点QAを有する略三角形状の凸
状部10を形成しているため、ゴムボリュームの増加を
最低限に抑えながら、前記外端6eとタイヤ外表面との
間に、必要なゴム厚さtを安定して確保することが可能
となる。従って、前記凹状部11の形成による軽量化及
び耐久性向上効果を、より有効に発揮させながら、前記
外端6eを起点としたタイヤ主損傷を効果的に抑制しう
るのである。
【0036】ここで、前記最大突出点QAのビードベー
スラインBLからの高さh1を、前記折返し部6bの高
さh0の0.85〜1.15倍とすることが重要であ
る。もし、高さh1が前記範囲外となる場合には、前記
ゴム厚さtの確保がなされなくなり、サイドウォールの
亀裂によるプライルース等のタイヤ主損傷の原因となっ
たり、又タイヤ外表面に外端6eの凹凸が露出し、外観
不良等の問題が発生する。
【0037】なお本例の如く、前記上辺11Uと下辺1
0Lとが、前記折返し部6bと略平行な1本の直線Jと
して形成される場合には、生産時のバラツキ等に伴う折
返し部6bの高さ変動等によってもゴム厚さtが安定す
るため好ましい。又凸状部10が三角形状をなすため、
剛性変化が滑らかであり負荷転動の繰り返しによる応力
が広く分散される。従って外端6eを起点とした前記損
傷だけでなく、この凸状部10自体の形成による新たな
亀裂損傷も抑制できる。特に前記上辺10Uが基準円弧
R0の接線である場合には、剛性変化がより滑らかであ
るため好ましい。
【0038】又前記最大突出点QAの前記基準円弧R0
からの最大突出高さq1、及び最大凹み点QBの前記基
準円弧R0からの最大凹み深さq2が、夫々前記タイヤ
断面幅Wの0.001〜0.040倍であることも重要
である。
【0039】もし最大突出高さq1が、0.001×W
未満では、前記ゴム厚さtの確保が不十分となり、前記
外端6eの応力歪みによるゴム破壊が発生し、サイドウ
ォールの亀裂によるプライルース等のタイヤ主損傷の原
因となったり、又タイヤ外表面に外端6eの凹凸が露出
し、外観不良等の問題が発生する。逆に0.04×Wを
越えると、不必要な重量増加を招くだけでなく、前記凹
状部11による耐久性の向上効果を阻害する。従って、
最大突出高さq1は、0.003×W〜0.020×W
の範囲が好ましい。
【0040】又最大凹み深さq2が、0.001×W未
満では、軽量化及び低発熱化による耐久性の向上効果が
充分に発揮されない。逆に0.04×Wを越えると、折
返し部6bのカーカスコードからのゴム厚さが過小とな
り、負荷転動の繰り返しによるサイドウォールゴムの応
力歪みによってゴム破壊が発生し、サイドウォールゴム
の亀裂によるプライルース等のタイヤ主損傷に至った
り、タイヤ外表面にカ-カスコ‐ドの凹凸が露出し外観
不良等の問題が発生する。従って、最大凹み深さq2
は、0.003×W〜0.020×Wの範囲が好まし
い。
【0041】又前記最大凹み点QBのビードベースライ
ンBLからの高さh2を、前記高さh1よりも小かつ前
記高さh0の0.30〜0.90倍とすることも重要で
ある。もし0.3×h0未満では、タイヤとフランジF
との締め代が過小となって、タイヤ転動時のビード部4
の動きが大きくなり、ビード部4の温度が上昇する結
果、ビード耐久性を著しく低下させる。又0.90×h
0を越えると、外端6eと最大凹み点QBとが近接し過
ぎ、この最大凹み点QBに応力歪みが集中してゴム破壊
が発生してしまう。従って、高さh2は、0.4×h0
〜0.8×h0が好ましい。
【0042】以上、本発明の特に好ましい実施形態につ
いて詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定される
ことなく、例えば、軽トラック、小型トラックなどの他
のカテゴリーのタイヤにも適応でき、またチューブ付き
タイヤのほかチューブレスタイヤとして形成しうるな
ど、種々の態様に変形して実施しうる。
【0043】
【実施例1】タイヤサイズが10.00R20であり図
1に示す構造の重荷重用タイヤを表1、2の仕様に基づ
き試作し、試供タイヤの耐久性、外観性能、リムチェー
フィング(リムずれ)性能をテストするとともに、その
テスト結果を同表に記載する。なおカーカス、ベルト層
等の仕様は、表3に示す如く同一としている。なお表
中、GLは、近接領域Gの長さ(図1に示す)である。
【0044】(1)耐久性:試供タイヤを7.00×2
0のリムに装着して内圧800kPaを充填し、荷重9
000kg、速度20km/hでドラム上を走行させ、
外観目視にて確認可能な損傷が発生した時点で走行を終
了し、損傷発生距離を従来例を100とする指数で比較
した。数値が大きい方が優れている。
【0045】(2)外観性能:試供タイヤに内圧800
kPaを充填し、カーカスの外端やカーカスコードに起
因するタイヤ外表面での凹凸の露出状態を目視確認し、
従来例を100とする指数で比較した。数値が大きい方
が優れている。
【0046】(3)リムチェーフィング性:前記耐久性
のテストの終了後、リムチェーフィングの程度を目視確
認し、従来例を100とする指数で比較した。数値が大
きい方が優れている。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】表1、2に示す如く、実施例のタイヤは、
軽量化を図りながら耐久性を大巾に向上しうるのが確認
できる。又同時に、リムチェーフィングを軽減でき、か
つ外観性能を高く維持することができる。
【0051】
【発明の効果】叙上の如く本発明は構成しているため、
ゴムボリュウムの増加を最低限度に止めながら、カーカ
ス外端における必要なゴム厚さを安定して確保すること
が可能となり、軽量化を達成しながら耐久性の向上をよ
り発揮しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】ビード部を拡大して示す断面図である。
【図3】輪郭線を説明する線図である。
【図4】その凸状部及び凹状部を拡大して示す線図であ
る。
【図5】従来タイヤのビード部の輪郭形状を示す線図で
ある。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6a 本体部 6b 折返し部 10 凸状部 11 凹状部 12 張出し部 BL ビードベースライン F フランジ QA 最大突出点 QB 最大凹み点 R0 基準円弧 Y 輪郭線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアに至る本体部に、前記ビードコアで
    折り返す折返し部を連設したカーカスプライを有するカ
    ーカスを具える空気入りタイヤであって、 正規のリムに装着し正規の内圧を充填した標準状態にお
    いて、タイヤ軸方向に最外側となるタイヤの断面幅点P
    1から前記リムのフランジとの離間点P3との間のタイ
    ヤ外表面のタイヤ子午線断面における輪郭線は、 前記タイヤ断面幅点P1を通るタイヤ軸方向線上に中心
    を有しかつ前記タイヤ断面幅点P1を通って前記フラン
    ジに内接する基準円弧に対して、この基準円弧よりもタ
    イヤ軸方向外方に突出する略三角形状の凸状部と、該凸
    状部の半径方向内側に連なり前記基準円弧よりもタイヤ
    軸方向内方に凹む凹状部とを含むとともに、 前記凸状部の前記基準円弧からタイヤ軸方向に最も離れ
    る最大突出点のビードベースラインからの高さh1は、
    前記折返し部の半径方向外端のビードベースラインから
    の高さh0の0.85〜1.15倍、 かつ凹状部の前記基準円弧からタイヤ軸方向に最も離れ
    る最大凹み点のビードベースラインからの高さh2は、
    前記高さh1よりも小であって前記高さh0の0.30
    〜0.90倍とするとともに、 最大突出点の前記基準円弧からの突出高さq1、及び最
    大凹み点の前記基準円弧からの最大凹み深さq2は、夫
    々タイヤ断面幅Wの0.001〜0.040倍としたこ
    とを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記最大突出高さq1、及び最大凹み深さ
    q2は、夫々タイヤ断面幅Wの0.003〜0.020
    倍としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】前記最大凹み点の高さh2は、前記高さh
    0の0.4〜0.8倍としたことを特徴とする請求項
    1、2記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】正規のリムに装着しかつ50kpaの内圧
    を充填した状態において、前記輪郭線は、前記タイヤ断
    面幅点と前記最大突出点との間を直線状としたことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイ
    ヤ。
  5. 【請求項5】正規のリムに装着しかつ50kpaの内圧
    を充填した状態において、前記輪郭線は、最大突出点と
    最大凹み点との間を、傾きを前記折返し部と略平行の直
    線状としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】前記輪郭線は、前記凹状部の半径方向内方
    に、前記リムとの離間点に連なり前記基準円弧をタイヤ
    軸方向外方に越えて張り出す外凸の張出し部を具えるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入
    りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006188222A (ja) * 2004-12-30 2006-07-20 Goodyear Tire & Rubber Co:The 高い折り返し部と、固定されたビード構造を備えた空気入りタイヤ
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