JP2001227383A - 内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents
内燃機関の燃料供給制御装置Info
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Abstract
ルカットを制御することにより、燃費を良好に維持しな
がら排気ガスの浄化率を向上させることができ、その結
果、排気ガス特性を向上させることができる内燃機関の
燃料供給制御装置を提供する。 【解決手段】エンジン3の排気管12に設けられた触媒
コンバータ13と、触媒コンバータ13に蓄積されてい
る酸素蓄積量OSCを推定する酸素蓄積量推定手段2
(ステップ1〜29)と、エンジン3の減速運転状態を
検出する減速運転状態検出手段2(ステップ35、3
6)と、減速運転状態検出手段2が減速運転状態を検出
したときに、燃料供給を遮断する燃料供給遮断手段2
(ステップ41)と、酸素蓄積量推定手段2によって推
定された酸素蓄積量OSCに応じて、燃料供給遮断手段
2を制御する制御手段2(ステップ31、32、40お
よび41)と、を備えている。
Description
された排気ガスを浄化する触媒コンバータの酸素の蓄積
量に応じて、内燃機関への燃料の供給およびその遮断を
制御する内燃機関の燃料供給制御装置に関する。
蓄積量に応じて内燃機関に供給する混合気の空燃比を制
御する空燃比制御装置を、例えば特願平5−32978
0号(特開平7−151002号)において、また内燃
機関の減速運転時に燃料供給の遮断(フューエルカッ
ト)を実行する燃料供給制御装置を、例えば特願平7−
270736号(特開平9−86227号)において、
既に提案している。
ンバータの上流側および下流側に、排気ガス中の酸素濃
度を検出する2つのO2センサ(酸素センサ)がそれぞ
れ設けられており、これらのO2センサの検出結果に基
づいて、酸素蓄積量を推定している。そして、推定した
酸素蓄積量に基づいて目標空燃比を算出し、混合気の空
燃比が目標空燃比となるように空燃比のフィードバック
制御を行い、これによって、触媒コンバータの浄化率が
最大となるように空燃比を制御している。一方、上記燃
料供給制御装置では、運転性などを向上させるために、
内燃機関の減速時において、フューエルカットの実行条
件の成立時から所定時間経過後にフューエルカットを実
行し、特に、減速シフトの実行の際には上記所定時間を
短縮することで、条件成立後、早期にフューエルカット
を実行している。
よる空燃比制御と、上記燃料供給制御装置によるフュー
エルカット制御は、それぞれの目的を達成できるもの
の、互いに無関係にそれぞれ独立して行われている。こ
のため、例えば、触媒コンバータの酸素蓄積量が多いと
して空燃比を理論空燃比よりもリッチに制御している場
合に、フューエルカットを行うと、触媒コンバータの酸
素蓄積量が更に増加し、触媒コンバータによる排気ガス
の浄化率が低下するおそれがある。
めになされたものであり、排気浄化手段の酸素蓄積量に
応じてフューエルカットを制御することにより、燃費を
良好に維持しながら排気ガスの浄化率を向上させること
ができ、その結果、排気ガス特性を向上させることがで
きる内燃機関の燃料供給制御装置を提供することを目的
とする。
燃料供給制御装置は、内燃機関3への燃料の供給を制御
するための内燃機関の燃料供給制御装置1であって、内
燃機関の排気系(例えば、実施形態における(以下、本
項において同じ)排気管12)に設けられた排気浄化手
段(触媒コンバータ13)と、排気浄化手段に蓄積され
ている酸素の蓄積量OSCを推定する酸素蓄積量推定手
段(ECU2、図2のステップ1〜29)と、内燃機関
の減速運転状態を検出する減速運転状態検出手段(EC
U2、図7のステップ35、36)と、減速運転状態検
出手段が減速運転状態を検出したときに、燃料供給を遮
断する燃料供給遮断手段(ECU2、図7のステップ4
1)と、酸素蓄積量推定手段によって推定された酸素蓄
積量OSCに応じて、燃料供給遮断手段を制御する制御
手段(ECU2、図7のステップ31、32、40およ
び41)と、を備えていることを特徴とする。
態を検出したときに内燃機関への燃料の供給を遮断する
燃料供給遮断手段が、酸素蓄積量推定手段によって推定
した排気浄化手段の酸素蓄積量に応じて制御される。こ
のように、酸素蓄積量に応じて、燃料供給遮断手段によ
る内燃機関への燃料供給の遮断(フューエルカット)を
制御することにより、燃費を良好に維持しながら、排気
浄化手段による排気ガスの浄化率を向上させることがで
き、その結果、排気ガス特性を向上させることができ
る。例えば、フューエルカットの実行条件の成立後、フ
ューエルカットを実行するまでの時間(以下、本項にお
いて「遅延時間」という)を、推定した酸素蓄積量が少
ないときには短くし、早期にフューエルカットを実行す
ることにより、酸素蓄積量を増加させることができ、逆
に、酸素蓄積量が多いときには遅延時間を長くし、フュ
ーエルカットの実行を遅らせることにより、酸素蓄積量
の増加を抑制することができる。あるいは、フューエル
カットの実行中において、酸素蓄積量がある程度多くな
ったときにそれを中断することで、酸素蓄積量が過大と
なることを防止することができる。このように、内燃機
関の減速時に、フューエルカットを積極的に活用するこ
とで、排気浄化手段の実際の酸素蓄積量を制御すること
ができ、これにより、燃費を良好に維持しながら、排気
浄化手段による排気ガスの浄化率を向上させることがで
きる。
明の一実施形態による内燃機関の燃料供給制御装置につ
いて説明する。図1は、本発明を適用した燃料供給制御
装置の概略構成を示している。同図に示すように、この
燃料供給制御装置1は、ECU2(酸素蓄積量推定手
段、減速運転状態検出手段、燃料供給遮断手段、制御手
段)を備えており、このECU2は、内燃機関(以下、
単に「エンジン」という)3の運転状態に応じて、後述
する触媒コンバータ13の酸素蓄積量OSCを推定する
とともに、推定した酸素蓄積量OSCに応じて、エンジ
ン3への燃料の供給およびフューエルカットを制御す
る。
どのものであり、エンジン3の本体には、サーミスタな
どで構成された水温センサ4が取り付けられている。水
温センサ4は、エンジン3のシリンダブロック内を循環
する冷却水の温度であるエンジン水温TWを検出し、そ
の検出信号をECU2に送る。また、エンジン3には、
クランク角センサ5が設けられている。クランク角セン
サ5は、マグネットロータおよびMREピックアップを
組み合わせたものであり、エンジン3の図示しないクラ
ンクシャフトの回転に伴い、所定のクランク角ごとに、
パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU
2に出力する。ECU2は、このCRK信号に基づき、
エンジン3のエンジン回転数NEを算出する。TDC信
号は、エンジン3の各気筒におけるピストン(図示せ
ず)の吸気行程開始時の上死点付近の所定タイミングで
発生し、例えばクランクシャフトが180度回転するご
とに、1パルスがECU2に出力される。
トル弁7が設けられており、このスロットル弁7にスロ
ットル弁開度センサ8が取り付けられている。スロット
ル弁開度センサ8は、スロットル弁7の開度(スロット
ル弁開度)θTHを検出し、その検出信号をECU2に
送る。排気管6のスロットル弁7とエンジン3との間に
は、インジェクタ9および吸気圧センサ10が取り付け
られている。インジェクタ9は、その燃料噴射時間TO
UTがECU2からの駆動信号によって制御されること
で、燃料を吸気管6内に噴射し、これにより、燃料供給
量が制御される。一方、吸気圧センサ10は、吸気管6
内の絶対圧(吸気管内絶対圧)PBAを検出し、その検
出信号をECU2に送る。また、ECU2には、エンジ
ン3を搭載した車両の走行速度(車速)VPを検出する
車速センサ11が電気的に接続され、その検出信号が送
られる。
ジン3から排出された排気ガス中のHC、COおよびN
Oxなどを、酸化・還元作用によって浄化するための触
媒コンバータ(三元触媒)13(排気浄化手段)が設け
られている。この触媒コンバータ13は、酸素を吸着し
た状態で蓄積するように構成されており、内部を通過す
る排気ガスの組成などに応じて、酸素を吸着あるいは放
出する。なお、酸素蓄積量OSCの最大値(最大蓄積量
OSCMAX)は、触媒コンバータ13の内部の容積な
どに応じて定まる。また、排気管12の触媒コンバータ
13の上流側および下流側には、排気ガス中の酸素濃度
を検出する酸素センサ14、15がそれぞれ設けられて
いる。上流側の酸素センサ14は、ジルコニア素子およ
び白金電極などで構成されており、触媒コンバータ13
によって浄化される前の排気ガス中の酸素濃度をリニア
に検出し、その出力値VLAFをECU2に送る。な
お、以下の説明では、この上流側の酸素センサ14を
「LAFセンサ14」という。一方、下流側の酸素セン
サ15は、上記LAFセンサ14とほぼ同様に構成され
ており、触媒コンバータ13によって浄化された後の排
気ガス中の酸素濃度を検出し、理論空燃比よりもリッチ
な場合には所定値SVREFよりも高い検出値SVO2
を、リーンな場合には所定値SVREFよりも低い検出
値SVO2を、ECU2に出力する。なお、以下の説明
では、この下流側の酸素センサ15を「O 2センサ1
5」という。
PU、RAMおよびROMなどからなるマイクロコンピ
ュータで構成されており、RAMは、バックアップ電源
により、記憶したデータをエンジン3の停止時にも保持
するようになっている。上述した各種センサからの検出
信号はそれぞれ、I/OインターフェースでA/D変換
や整形がなされた後、CPUに入力される。CPUは、
上述した各種センサからの検出信号に応じ、ROMに記
憶された制御プログラムなどに従って、エンジン3の運
転状態を判別するとともに、判別した運転状態に応じ、
触媒コンバータ13に蓄積されている酸素の酸素蓄積量
OSCを推定する。そして、推定した酸素蓄積量OSC
に応じて、エンジン3への燃料の供給およびフューエル
カットを制御する。
OSCの推定処理を示すフローチャートである。本処理
は、クランク角センサ5からのTDC信号がECU2に
入力されるのに同期して実行される。この処理ではま
ず、ステップ1(「S1」と図示する。以下同じ)にお
いて、フューエルカット実行フラグF_FCが「1」で
あるか否かを判別する。このフューエルカット実行フラ
グF_FCは、エンジン3においてフューエルカットが
実行されたときに「1」がセットされ(図7のステップ
42参照)、逆に、燃料供給が行われたときに「0」が
セットされるものである(図7のステップ34参照)。
ステップ1の判別結果がYes、すなわちフューエルカ
ットが実行されていることにより、エンジン3が吸入し
た空気がそのまま触媒コンバータ13に流れているとき
には、前回推定した酸素蓄積量OSCに加算項γを加算
して、今回の酸素蓄積量OSCとし(ステップ2)、本
プログラムを終了する。この加算項γは、例えば、フュ
ーエルカット時における排気ガス量を表す空間速度SV
に所定の係数K3(例えば3)を乗算することで算出さ
れる(γ=SV×K3)。なお、この加算項γは、後述
する減算項αおよび加算項βよりも大きな値に設定され
る。
わちフューエルカットが実行されていないと判別された
ときには、触媒コンバータ13によって浄化された後の
排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ15の検出
値SVO2が、反転したか否か、すなわち理論空燃比に
対してリッチ側とリーン側との間で変動したか否かを判
別する(ステップ3)。
ちO2センサ15の検出値SVO2が反転しなかったと
きには、その検出値SVO2が所定値SVREF以下で
あるか否か、すなわち検出値SVO2がリーン側の値を
示しているか否かを判別する(ステップ4)。このステ
ップ4の判別結果がYes、すなわち検出値SVO2が
リーン側の値を示しているときには(例えば図3の時刻
t1〜t2間)、今回の酸素蓄積量OSCを、前回推定
した酸素蓄積量OSCから減算項αを減算した値とする
(ステップ5)。これは、O2センサ15の検出値SV
O2がリーン側を示しているときには、後述するように
空燃比のリッチ化制御が行われているので、排気ガス中
の酸素が少なく、その排気ガスが触媒コンバータ13で
浄化される際には、それに蓄積されている酸素が消費さ
れることにより、酸素蓄積量OSCが減少するからであ
る。
(1)により算出される。 α=0.02×SV×K1…(1) ここで、SVは、例えば、検出されたエンジン回転数N
eと吸気管内絶対圧PBAとの積によって算出される、
排気ガスの容積を表す空間速度であり、K1はその係数
である。なお、係数K1は、0.5以上、1.5以下の
範囲の値となるように設定される。
とにより、酸素蓄積量OSCは減算項αずつ次第に減少
するように推定される(図3の時刻t1〜t2間)。
した酸素蓄積量OSCのリミットチェックを行う。すな
わち、ステップ6において、その酸素蓄積量OSCが0
よりも小さいか否かを判別する。ステップ6の判別結果
がNo、すなわち酸素蓄積量OSCが0以上であるとき
には、そのまま本プログラムを終了する。一方、ステッ
プ6の判別結果がYes、すなわち酸素蓄積量OSCが
0よりも小さいときには(図3の時刻t2)、酸素蓄積
量OSCを0に設定するとともに(ステップ7)、酸素
蓄積量OSCの減量分である減算項αが大き過ぎるとし
て、その係数K1を、前回の係数K1から補正値△K1
(例えば0.05)を減算した値に補正して(ステップ
8)、本プログラムを終了する。
すなわちO2センサ15の検出値SVO2がリッチ側の
値を示しているときには(図3の時刻t2〜t3間)、
後述するように空燃比のリーン化制御が行われているの
で、今回の酸素蓄積量OSCを、前回推定された酸素蓄
積量OSCに加算項βを加算した値とする(ステップ
9)。これは、空燃比のリーン化制御が行われること
で、排気ガス中の酸素が多く、触媒コンバータ13によ
る排気ガスの浄化で消費されない酸素が、触媒コンバー
タ13に蓄積されることにより、酸素蓄積量OSCが増
加するからである。
より算出される。 β=0.02×SV×K2…(2) ここで、SVは上述した空間速度であり、K2はその係
数である。なお、係数K2も、上記係数K1と同じ範囲
の値となるように設定される。
とにより、酸素蓄積量OSCは加算項βずつ次第に増加
するように推定される(図3の時刻t2〜t3間)。
定した酸素蓄積量OSCのリミットチェックを行う。す
なわち、酸素蓄積量OSCが最大蓄積量OSCMAXよ
りも大きいか否かを判別する。ステップ10の判別結果
がNo、すなわち酸素蓄積量OSCが最大蓄積量OSC
MAX以下であるときには、そのまま本プログラムを終
了する。一方、ステップ10の判別結果がYes、すな
わち酸素蓄積量OSCが最大蓄積量OSCMAXよりも
大きいときには、酸素蓄積量OSCを最大蓄積量OSC
MAXに設定するとともに(ステップ11)、酸素蓄積
量OSCの増量分である加算項βが大き過ぎるとして、
その係数K2を、前回の係数K2から補正値△K2(例
えば0.05)を減算した値に補正して(ステップ1
2)、本プログラムを終了する。
わちO2センサ15の検出値SVO2が反転したときに
は、ステップ21において、その反転がリーン側からリ
ッチ側であるか否かを判別する。このステップ21の判
別結果がNo、すなわち検出値SVO2がリッチ側から
リーン側に反転したときには(図3の時刻t1)、空燃
比補正係数KCMDSO2を、値1に所定の補正値△K
CMDSO2(例えば0.03)を加算した値に設定す
る(ステップ22)。
述する目標空燃比係数KCMDを算出するための補正係
数であり、酸素蓄積量OSCに基づいて算出される。こ
の算出は、ROMに記憶された図4に示すようなテーブ
ルを用いて行われる。このテーブルでは、空燃比補正係
数KCMDSO2は、酸素蓄積量OSCが多いほど、よ
り大きな値となるようにリニアに設定されている。より
具体的には、酸素蓄積量OSCが値0であるときには、
空燃比補正係数KCMDSO2が値1.0よりも若干小
さな0.98に設定され、それにより、若干リーンな混
合気がエンジン3に供給されるとともに、酸素蓄積量O
SCが最大蓄積量OSCMAXであるときには、空燃比
補正係数KCMDSO2が値1.0よりも若干大きな
1.02に設定され、それにより、若干リッチな混合気
が供給される。
DSO2を用いて、下記数式(3)により、目標空燃比
係数KCMDが算出される。 KCMD=KCMDTW×KCMDSO2…(3) この目標空燃比係数KCMDは、燃料噴射時間TOUT
を算出する際に、基本燃料量に乗算される係数の一つで
ある。また、目標空燃比係数KCMDは、空燃比A/F
の逆数、すなわち燃空比F/Aに比例し、混合気が理論
空燃比であるときに、1.0の値をとる。
度補正係数であり、エンジン水温TWに基づいて算出さ
れる。この温度補正係数KCMDTWは、ROMに記憶
された図5に示すようなテーブルを用いて算出される。
このテーブルでは、低水温時において暖機を早めるため
に、温度補正係数KCMDTWはエンジン水温TWが低
いときに、より大きな値となるように設定されている。
具体的には、エンジン水温TWが−20℃以下または4
0℃以上であるときには、温度補正係数KCMDTWが
それぞれ1.05または1.0の一定値に設定される一
方、エンジン水温TWがこれらの間の値であるときに
は、温度補正係数KCMDTWが1.0と1.05との
間でリニアに設定されている。以上の設定により、エン
ジン水温TWが40℃よりも低いときには、目標空燃比
係数KCMDが理論空燃比よりもリッチ側となるように
算出される。
KCMDSO2の設定により、図3(b)に示すよう
に、O2センサ15の検出値SVO2がその後リッチ側
に反転するまでの間(図3の時刻t1〜t2間)は、空
燃比補正係数KCMDSO2が1+△KCMDSO2に
保たれ、それにより目標空燃比係数KCMDに応じて決
定される混合気の空燃比は、リッチ化するように制御さ
れる。
es、すなわち検出値SVO2の反転がリーン側からリ
ッチ側であるときには(図3の時刻t2)、空燃比補正
係数KCMDSO2を、1から上記と同じ補正値△KC
MDSO2(例えば0.03)を減算した値に設定する
(ステップ23)。これにより、図3(b)に示すよう
に、検出値SVO2がその後リーン側に反転するまでの
間(図3の時刻t2〜t3間)は、空燃比補正係数KC
MDSO2が1−△KCMDSO2に保たれ、それによ
り混合気の空燃比は、リーン化するように制御される。
は、最大蓄積量と酸素蓄積量との偏差(OSCMAX−
OSC)に応じて、蓄積量補正係数nOSCを算出す
る。この蓄積量補正係数nOSCは、上述したステップ
9における酸素蓄積量OSCの加算項βの係数K2を補
正するためのものである。この算出は、ROM2dに記
憶された図6に示すようなテーブルを用い、上記偏差
(OSCMAX−OSC)に応じて行われる。このテー
ブルでは、上記偏差(OSCMAX−OSC)が大きい
ほど、より大きな値となるようにリニアに設定されてい
る。
数nOSCを用い、酸素蓄積量OSCの加算項βの係数
K2を補正するとともに(ステップ25)、酸素蓄積量
OSCを最大蓄積量OSCMAXに設定して(ステップ
26)、本プログラムを終了する。
VO2がリッチ側からリーン側に反転したときには、そ
れまでの空燃比のリーン化制御により、酸素蓄積量OS
Cが最大蓄積量OSCMAXになっているとして、ステ
ップ26で酸素蓄積量OSCを最大蓄積量OSCMAX
に設定し直す。また、そのときまでに得られている酸素
蓄積量OSCが最大蓄積量OSCMAXに達していない
場合には(図3の時刻t3)、酸素蓄積量OSCの加算
項βが小さ過ぎるとして、その係数K2を、上記偏差
(OSCMAX−OSC)に応じて決定した蓄積量補正
係数nOSCで補正し、より大きな値に補正することに
より、以降の酸素蓄積量OSCの推定を適切に行うこと
ができる。
おいては、上記図6のテーブルを用い、酸素蓄積量OS
Cに応じて蓄積量補正係数nOSCを算出する。この場
合の蓄積量補正係数nOSCは、前述したステップ5に
おける酸素蓄積量OSCの減算項αの係数K1を補正す
るためのものである。そして、算出した蓄積量補正係数
nOSCを用い、酸素蓄積量OSCの減算項αの係数K
1を補正するとともに(ステップ28)、酸素蓄積量O
SCを値0に設定して(ステップ29)、本プログラム
を終了する。
O2がリーン側からリッチ側に反転したときには、それ
までの空燃比のリッチ化制御により、酸素蓄積量OSC
が値0になっているとして、ステップ29で酸素蓄積量
OSCを値0に設定し直す。また、そのときまでに得ら
れている酸素蓄積量OSCが値0に達していない場合に
は、酸素蓄積量OSCの減算項αが小さ過ぎるとして、
その係数K1を、酸素蓄積量OSCに応じて決定した酸
素量補正係数nOSCで補正し、より大きな値に補正す
ることにより、以降の酸素蓄積量OSCの推定を適切に
行うことができる。
積量OSCに応じて燃料の供給およびフューエルカット
を制御する制御処理について、図7のフローチャートを
参照しながら説明する。本処理も、上記酸素蓄積量OS
Cの推定処理と同様に、クランク角センサ5からのTD
C信号がECU2に入力されるのに同期して実行され
る。この処理では、ステップ31、35、36および3
8において、フューエルカットの実行条件が成立してい
るか否かを判別する。すなわち、まずステップ31にお
いて、上記酸素蓄積量OSC推定処理によって推定され
た酸素蓄積量OSCが、最大蓄積量OSCMAX以上で
あるか否かを判別する。この判別は、酸素蓄積量OSC
が最大蓄積量OSCMAX以上であるときには、酸素蓄
積量OSCがそのような過大の状態が続くのを回避する
ために、フューエルカットの実行を禁止するためのもの
である。したがって、ステップ31の判別結果がYe
s、すなわち酸素蓄積量OSCが最大蓄積量OSCMA
X以上であるときには、フューエルカットを実行すべき
でないとして、ステップ32に進む。
遅延時間TFCDLYをダウンカウントタイマに設定し
た後、エンジン3に燃料の供給を行うとともに(ステッ
プ33)、フューエルカット実行フラグF_FCを
「0」にセットして(ステップ34)、本プログラムを
終了する。
DLYは、後述するように、フューエルカットの実行条
件がすべて成立した後、実際にフューエルカットを実行
するまでの時間を表すものであり、図8に示すようなテ
ーブルを用いて、酸素蓄積量OSCに応じて設定され
る。このテーブルでは、酸素蓄積量OSCが少ないほ
ど、フューエルカット実行遅延時間TFCDLYが短く
なるように設定されている。具体的には、フューエルカ
ット実行遅延時間TFCDLYは、酸素蓄積量OSCが
比較的少ない酸素蓄積量OSC1以下であるときには、
短い時間TFC1(例えば5秒)に設定される一方、酸
素蓄積量OSCが比較的多い酸素蓄積量OSC2以上で
あるときには、時間TFC1よりも長い時間TFC2
(例えば25秒)に設定され、酸素蓄積量OSCがこれ
らの間の値であるときには、リニアに設定されている。
o、すなわち酸素蓄積量OSCが最大蓄積量OSCMA
Xよりも少ないときには、ステップ31に続くステップ
35において、車速VPが所定のフューエルカット実行
判定速度VPREF(例えば、5km/h)よりも小さ
いか否かを判別する。この判別結果がYes、すなわち
車速VPが低速のフューエルカット実行判定速度VPR
EFよりも遅いときには、エンジン3がエンストを生じ
るおそれがあるため、フューエルカットを実行すべきで
ないとして、上記ステップ32に進み、フューエルカッ
ト実行遅延時間TFCDLYを設定する。その後、燃料
供給を行うとともに(ステップ33)、フューエルカッ
ト実行フラグF_FCを「0」にセットして(ステップ
34)、本プログラムを終了する。
車速VPがフューエルカット実行判定速度VPREF以
上であるときには、ステップ35に続くステップ36に
おいて、スロットル弁開度θTHがほぼ0度、すなわち
スロットル弁7が全閉状態であるか否かを判別する。こ
の判別結果がNo、すなわちスロットル弁7が全閉状態
でないときには、エンジン3の出力を必要としているの
で、フューエルカットを実行すべきでないとして、上記
ステップ32、33および34を実行して、本プログラ
ムを終了する。一方、ステップ36の判別結果がYe
s、すなわちスロットル弁7が全閉状態であるときに
は、このステップに続くステップ37に進む。以上のス
テップ35および36によって、エンジン3が減速運転
状態にあるか否かが判別される。
じて、フューエルカットを実行すべきか否かを判別する
ためのエンジン回転数(フューエルカット実行判定回転
数)NFCTを算出する。この算出は、ROMに記憶さ
れた図9に示すようなテーブルを用い、エンジン水温T
Wに基づいて行われる。このテーブルでは、低水温時で
のフューエルカットの実行によるエンストを回避するた
めに、フューエルカット実行判定回転数NFCTは、エ
ンジン水温TWが低いときに、より大きな値となるよう
に設定されている。より具体的には、フューエルカット
実行判定回転数NFCTは、フューエルカット実行回転
数NFCT1と、フューエルカット復帰回転数NFCT
2とからなり、同じエンジン水温TWに対して、所定の
回転数差を持って設定されている。したがって、フュー
エルカットが実行されていない場合(後述するフューエ
ルカット実行フラグF_FCが「0」であるとき)は、
フューエルカット実行判定回転数NFCTをフューエル
カット実行回転数NFCT1とし、フューエルカットが
実行されている場合(後述するフューエルカット実行フ
ラグF_FCが「1」であるとき)は、フューエルカッ
ト実行判定回転数NFCTをフューエルカット復帰回転
数NFCT2とすることにより、フューエルカット実行
のハンチングを回避する。
上記ステップ37で算出したフューエルカット実行判定
回転数NFCTよりも大きいか否かを判別する。ステッ
プ38の判別結果がNo、すなわちエンジン回転数NE
がフューエルカット実行判定回転数NFCT以下である
ときには、フューエルカットの実行により、エンストを
生じるおそれがあるので、フューエルカットを実行すべ
きでないとして、上記ステップ32、33および34を
実行して、本プログラムを終了する。
すなわちエンジン回転数NEがフューエルカット実行判
定回転数NFCTよりも大きく、上記ステップ31、3
5、36および38によりフューエルカットの実行条件
が成立していると判定されたときには、上記フューエル
カット実行フラグF_FCが「1」であるか否か、すな
わちフューエルカットが実行されているか否かを判別す
る(ステップ39)。この判別結果がNo、すなわちフ
ューエルカットが実行されていないときには、ステップ
40に進み、上記ステップ32で設定されたダウンカウ
ントタイマのタイマ値TFCDLYが、値0であるか否
かを判別する。このステップ40の判別結果がNo、す
なわちフューエルカットの実行条件の成立後、フューエ
ルカット実行遅延時間TFCDLYが未だ経過していな
いときには、フューエルカットを実行せず、上述したよ
うに、エンジン3に燃料の供給を行うとともに(ステッ
プ33)、フューエルカット実行フラグF_FCを
「0」にセットして(ステップ34)、本プログラムを
終了する。
ちフューエルカットの実行条件の成立後、フューエルカ
ット実行遅延時間TFCDLYが経過したときには、フ
ューエルカットを実行するとともに(ステップ41)、
フューエルカット実行フラグF_FCを「1」にセット
して(ステップ42)、本プログラムを終了する。
きには、上記ステップ40をスキップし、フューエルカ
ットを実行するとともに(ステップ41)、フューエル
カット実行フラグF_FCを「1」にセットして(ステ
ップ42)、本プログラムを終了する。ステップ42
で、フューエルカット実行フラグF_FCが「1」に一
旦設定された後は、ステップ39の判別結果がYesと
なるので、フューエルカットの実行条件が不成立になら
ない限り、フューエルカットが継続して実行されること
になる。
給制御装置1によれば、酸素蓄積量OSCによる実行条
件(ステップ31)を含む、フューエルカットの実行条
件の成立後、フューエルカット実行遅延時間TFCDL
Yが経過した後、フューエルカットを実行する。上述し
たように、このフューエルカット実行遅延時間TFCD
LYは、推定した酸素蓄積量OSCが少ないときには短
くなるため、早期にフューエルカットが実行されること
で、酸素蓄積量OSCを増加させることができる。逆
に、酸素蓄積量OSCが多いときにはフューエルカット
実行遅延時間TFCDLYが長くなるため、フューエル
カットの実行を遅らせることで、酸素蓄積量OSCの増
加を抑制することができる。
積量OSCMAXに代えてそれよりも小さな値により、
酸素蓄積量OSCに応じたフューエルカットの実行の可
否を判別するようにすることで、フューエルカットの実
行中にそれを中断することにより、酸素蓄積量OSCが
過大な最大蓄積量OSCMAXになることを防止するこ
とができる。
ューエルカットを積極的に活用することにより、触媒コ
ンバータ13の実際の酸素蓄積量OSCを制御すること
ができ、これにより、燃費を良好に維持しながら触媒コ
ンバータ13による排気ガスの浄化率を向上させること
ができ、その結果、排気ガス特性を向上させることがで
きる。
限定されることなく、種々の態様で実施することができ
る。例えば、フューエルカットの実行を遅延させている
とき、すなわち、フューエルカットの実行条件が成立
後、フューエルカットを実行するまでの間は、より一層
の燃費の向上を図るために、フューエルカットの実行条
件成立前よりもリーンな混合気をエンジン3に供給する
ようにしてもよい。また、通常、フューエルカット中に
実行される故障診断(例えば、LAFセンサ14や図示
しないEGR制御弁などの故障診断)が、エンジン3の
始動後、未だ実行されていな場合には、早期にフューエ
ルカットを実行することで、故障診断を実行し易くする
ようにしてもよい。
の燃料供給制御装置は、排気浄化手段の酸素蓄積量に応
じてフューエルカットを制御することにより、燃費を良
好に維持しながら排気ガスの浄化率を向上させることが
でき、その結果、排気ガス特性を向上させることができ
るなどの効果を有する。
概略構成を示すブロック図である。
ートである。
の一例を示すタイムチャートであり、(b)は、(a)
に対応する空燃比補正係数KCMDSO2の設定の一例
を示すタイムチャートであり、(c)は、(a)に対応
する推定した酸素蓄積量OSCの推移の一例を示すタイ
ムチャートである。
SO2との関係を示すテーブルである。
Wとの関係を示すテーブルである。
の関係、および最大蓄積量と酸素蓄積量との偏差(OS
CMAX−OSC)と、蓄積量補正係数nOSCとの関
係を示すテーブルである。
フローチャートである。
時間TFCDLYとの関係を示すテーブルである。
回転数NFCTとの関係を示すテーブルである。
手段、燃料供給遮断手段、制御手段) 3 エンジン(内燃機関) 13 触媒コンバータ(排気浄化手段) OSC 酸素蓄積量 OSCMAX 最大蓄積量 TW エンジン水温 NE エンジン回転数 θTH スロットル弁開度 VP 車速 TFCDLY フューエルカット実行遅延時間
Claims (1)
- 【請求項1】 内燃機関への燃料の供給を制御するため
の内燃機関の燃料供給制御装置であって、 前記内燃機関の排気系に設けられた排気浄化手段と、 前記排気浄化手段に蓄積されている酸素の蓄積量を推定
する酸素蓄積量推定手段と、 前記内燃機関の減速運転状態を検出する減速運転状態検
出手段と、 前記減速運転状態検出手段が前記減速運転状態を検出し
たときに、燃料供給を遮断する燃料供給遮断手段と、 前記酸素蓄積量推定手段によって推定された前記酸素蓄
積量に応じて、前記燃料供給遮断手段を制御する制御手
段と、 を備えていることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御
装置。
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