JP2001226696A

JP2001226696A - 洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP2001226696A
Application number: JP2000033587A
Authority: JP
Inventors: Goro Yamamoto; 五郎山本; Kimiyoshi Naniwa; 公義浪波
Original assignee: Asahi Denka Kogyo KK
Current assignee: Adeka Corp
Priority date: 2000-02-10
Filing date: 2000-02-10
Publication date: 2001-08-21

Abstract

(57)【要約】【課題】有機成分を溶解する溶剤としての特性を有し
ながら、アルカリ剤としても機能する成分を使用する洗
浄剤を提供すること。【解決手段】本発明は、水に、（Ａ）成分としてシク
ロヘキシルアミンアルキレンオキサイド付加物、（Ｂ）
成分として塩基、及び（Ｃ）成分として脂肪酸を含有し
てなる洗浄剤組成物である。（Ａ）成分は、シクロヘキ
シルアミン１モルに対してアルキレンオキサイドを２〜
５モル付加したものが好ましい。（Ａ）成分が有機成分
に対する溶剤としての作用と共に、アルカリ剤としても
作用し、優れた洗浄作用を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄剤組成物に関
する。

【０００２】

【従来の技術】様々な汚れを除去する洗浄剤は、主に、
アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等の界面
活性剤；水酸化ナトリウムやアルカノールアミン等のア
ルカリ剤；エチレンジアミンテトラアセテート（ＥＤＴ
Ａ）塩等のキレート剤、その他の成分を水に配合して調
製される。このような洗浄剤に更に配合される成分とし
て、界面活性剤等の有機成分を水に溶解させ易くする目
的、又は、洗浄対象に付着している有機成分を除去する
目的で、溶剤を配合する場合がある。前者の目的を主と
するものとしては、エタノール等の低級アルコール、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン
等のポリオールがあり、後者の目的を主とするものとし
ては、メトキシエタノール（メチルセロソルブ）、ブト
キシエタノール（ブチルセロソルブ）、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル等の低級アルコールにアルキ
レンオキサイドを付加したもの等が挙げられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】特に、これらの溶剤
の、後者の目的、即ち有機汚染成分を洗浄対象から除去
する目的の溶剤に求められる特性としては、有機成分を
これらの溶剤に溶解（洗浄）する特性、有機成分を溶解
した溶液を水に溶解させる溶解性という特性、有機汚れ
に浸透して軟化させ、剥離しやすくする特性等がある。
本発明者等は、これらの特性を有しながら、更に、アル
カリ剤としても機能する溶剤としてシクロヘキシルアミ
ンの誘導体に着目し、これをアニオン性界面活性剤であ
る脂肪酸塩と併用することで、シクロヘキシルアミン誘
導体が一部は脂肪酸の対イオンとして機能し、且つ、通
常の溶剤としても機能し得る洗浄剤組成物を開発するに
至った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、水に、
（Ａ）成分として、シクロヘキシルアミンアルキレンオ
キサイド付加物；（Ｂ）成分として、塩基；及び（Ｃ）
成分として、脂肪酸を含有してなる洗浄剤組成物であ
る。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の洗浄剤組成物の（Ａ）成
分は、シクロヘキシルアミンアルキレンオキサイド付加
物である。これは、シクロヘキシルアミンに適当なアル
キレンオキサイドを付加させれば得ることができる。ア
ルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テ
トラヒドロフラン（１，４−ブチレンオキサイド）、長
鎖α−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド等が
挙げられる。アルキレンオキサイドとしては、エチレン
オキサイド又はプロピレンオキサイドが最も好ましい。

【０００６】付加させるアルキレンオキサイドの重合形
態は特に限定されず、１種類のアルキレンオキサイドの
単独重合、２種類以上のアルキレンオキサイドのランダ
ム状共重合、ブロック状共重合又はランダム／ブロック
状共重合等の何れであってよい。２種類以上のアルキレ
ンオキサイドを共重合させる場合は、ランダム状共重合
又は一部にランダム状共重合を有する重合形態が好まし
い。アルキレンオキサイドの付加モル数は特に限定され
ないが、好ましくは、シクロヘキシルアミン１モルに対
して２〜５モルである。本発明の洗浄剤組成物の（Ａ）
成分の含有量は特に限定されないが、好ましくは洗浄剤
組成物全量に対して０．１〜２０重量％、より好ましく
は０．５〜１５重量％の範囲である。

【０００７】本発明の洗浄剤組成物の（Ａ）成分は、溶
剤としての効果及びアルカリ剤としての効果を兼ね備え
ている。即ち、溶剤として、他の有機成分（例えば界面
活性剤等）の洗浄液中での溶解安定性及び洗浄対象が有
機物汚れである場合の洗浄力を向上させ、且つ、アルカ
リ剤として洗浄液のｐＨを調整し、洗浄対象が無機物汚
れである場合の洗浄力を向上させることができ、その一
部は（Ｃ）成分である脂肪酸と塩を形成する場合もあ
る。

【０００８】本発明の洗浄剤組成物の（Ｂ）成分は、塩
基である。塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸リチウム、重炭酸ナ
トリウム、重炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪
酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム等の無機塩；アンモニ
ア；メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジ
エチルアミン、（イソ）プロピルアミン、ジ（イソ）プ
ロピルアミン、モノエタノールアミン、Ｎ−メチルモノ
エタノールアミン、Ｎ−エチルモノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロ
パノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノ
ールアミン、２−アミノ−２−メチル−１−プロパノー
ル、２−アミノ−２−メチル−１，３−プロパンジオー
ル、アミノエチルエタノールアミン、Ｎ，Ｎ，Ｎ’，
Ｎ’−テトラキス（ヒドロキシエチル）エチレンジアミ
ン、Ｎ，Ｎ，Ｎ’，Ｎ’−テトラキス（２−ヒドロキシ
プロピル）エチレンジアミン等のアミン等が挙げられ
る。本発明の洗浄剤組成物の（Ｂ）成分の含有量は特に
限定されないが、好ましくは洗浄剤組成物全量に対して
０．１〜２０重量％、より好ましくは０．５〜１５重量
％の範囲である。

【０００９】本発明の洗浄剤の（Ｃ）成分は、脂肪酸で
ある。脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、
酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン酸、２−エチルヘ
キサン酸、ペラルゴン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、ガド
レン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セラコレイン
酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラス
チン酸、リシノレイン酸、ヒドロキシステアリン酸等が
挙げられる。又、これらの脂肪酸を含有する天然油脂由
来の混合脂肪酸でもよい。天然油脂としては、例えば、
アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ
脂、カポック油、白カラシ油、ゴマ油、コメヌカ油、サ
フラワー油、シアナット油、シナキリ油、大豆油、茶実
油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム
核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油、木ロ
ウ、落花生油等の植物性油脂；馬脂、牛脂、牛脚脂、牛
酪脂、豚脂、山羊脂、羊脂、乳脂、魚油、鯨油等の動物
性油脂が挙げられる。本発明の洗浄剤の（Ｃ）成分の脂
肪酸としては、これらのうちでヘキサン酸、オクタン
酸、２−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、デカン酸、
ラウリン酸等の炭素数６〜１２の脂肪酸が好ましい。本
発明の洗浄剤組成物の（Ｃ）成分の含有量は特に限定さ
れないが、好ましくは洗浄剤組成物全量に対して０．０
５〜１５重量％、より好ましくは０．１〜１０重量％の
範囲である。

【００１０】本発明の洗浄剤組成物は、更に、（Ｄ）成
分として界面活性剤を含有することができる。界面活性
剤としては、例えば、アルコールエトキシレート、アル
キルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシ
ド、脂肪酸アルカノールアミド等の非イオン性界面活性
剤；アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェ
ート、アルキルエーテルサルフェート、α―オレフィン
スルホネート、アシル化イセチオネート、アシル化アミ
ノ酸、アルキルエーテルカルボキシレート、モノアルキ
ルエーテルホスフェート等のアニオン性界面活性剤；塩
化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリ
メチルアンモニウム、塩化ポリジメチルジアリルアンモ
ニウム等のカチオン性界面活性剤；アルキルカルボベタ
イン、アルキルアミドプロピルカルボベタイン、イミダ
ゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤；アルキルアミ
ンオキサイド等の半極性界面活性剤等が挙げられる。本
発明の洗浄剤組成物の（Ｄ）成分の含有量は特に限定さ
れないが、好ましくは洗浄剤組成物全量に対して０．１
〜２０重量％、より好ましくは０．５〜１５重量％の範
囲である。

【００１１】本発明の洗浄剤組成物には、上記の各成分
の他、例えば、エタノール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、イソプレングリコール、１，３−ジ
メチル−２−イミダゾリジノン、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコ
ールアルキルエーテル、パラトルエンスルホン酸等のハ
イドロトロープ剤；エチレンジアミン４酢酸塩（ＥＤＴ
Ａ）、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸（Ｈ
ＥＤＴＡ）、ニトリロトリ酢酸（ＮＴＡ）、ジエチレン
トリアミンペンタ酢酸（ＤＴＰＡ）、アスパラギン酸−
Ｎ，Ｎ−ジ酢酸、Ｎ−ヒドロキシエチルイミノジ酢酸又
はこれらの塩等のアミノカルボン酸類、クエン酸、グル
コン酸、グリコール酸、酒石酸又はこれらの塩等のオキ
シカルボン酸類等の金属イオン封鎖剤（キレート剤）；
ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム−オ
レフィン共重合体等の分散剤；防腐剤、増粘剤、酵素、
抗菌剤、保湿剤、香料、色素等を含有することができ
る。

【００１２】以上のように本発明の洗浄剤は、（Ａ）成
分のシクロヘキシルアミンアルキレンオキサイド付加物
と共に、（Ｂ）成分の塩基及び（Ｃ）成分の脂肪酸を併
用することによって、シクロヘキシルアミンアルキレン
オキサイド付加物の有機汚れ成分との溶解性を高めて、
同時にアルカリ剤として組成物のｐＨを調整し、種々の
有機物系、無機物系の汚れに対して優れた洗浄力を発揮
する。

【００１３】本発明の洗浄剤組成物の洗浄対象は特に限
定されない。例えば、衣服等を洗浄する衣料用洗浄剤；
頭髪、皮膚、爪、目等を洗浄する頭髪用又は身体用洗浄
剤；食器、調理器具、野菜等を洗浄する台所用洗浄剤；
壁、床、畳、家具、天井、屋根等を洗浄する住居用洗浄
剤；トイレ、浴槽、浴室、換気扇、レンジ周り、流し台
周り、パイプ周り等を洗浄する硬質表面洗浄剤；自動食
器洗浄機用洗浄剤；自動車、航空機、船舶、車両、機械
部品等の工業製品を洗浄する工業用洗浄剤等として使用
することができる。

【００１４】

【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。尚、以下の実施例中、部及び％は特に記載が無
い限り重量基準である。又、「ＥＯ」はエチレンオキサ
イドの、「ＰＯ」はプロピレンオキサイドの略である。

【００１５】下記の表１及び表２に示す組成（％）から
成る本発明の実施例又は比較例の洗浄剤組成物を調製
し、これらの洗浄剤組成物について、液の状態を目視で
観察し、以下の方法で洗浄力の評価を行なった。尚、こ
れらの洗浄剤組成物の（Ａ）成分は以下の３種である。（Ａ−１）シクロヘキシルアミンＥＯ２．２モル付
加物（Ａ−２）シクロヘキシルアミンＥＯ１．５モル／
ＰＯ１．０モルランダム状付加物（Ａ−３）シクロヘキシルアミンＥＯ２．０モル／
ＰＯ１．５モルランダム状付加物界面活性剤１２級Ｃ₁₂〜Ｃ₁₄アルコールＥＯ７モル
付加物界面活性剤２２級Ｃ₁₂〜Ｃ₁₄アルコールＥＯ１２モ
ル付加物ＥＤＴＡ３Ｎａ塩エチレンジアミンテトラアセテー
ト３ナトリウム塩

【００１６】（洗浄力試験１）アマニ油に活性炭を５％
加え、よく混合した後５０ｍＬのビーカーに一杯になる
まで加えた。このビーカーに入れた油を全て捨て、ビー
カーを伏せて１２０℃で４時間加熱してテストピースと
した。このテストピース中に洗浄剤を一杯に加え、５時
間後に水洗乾燥し、脱脂率を測定した。

【００１７】（洗浄力試験２）アマニ油に活性炭を５％
加え、よく混合した後、ＪＩＳ−Ｇ−３３０３に規定さ
れたブリキ板（０．３×５０×１５０ｍｍ）に塗り付け
た。十分油を切った後、１２０℃で４時間加熱してテス
トピースとした。このテストピースを洗浄剤中に浸漬
し、５時間後に水洗乾燥し、脱脂率を測定した。これら
の結果を表１及び表２に示す。

【００１８】

【表１】

【００１９】

【表２】

【００２０】この結果からわかるように、本発明の洗浄
剤は液の状態も安定で、ガラス面、金属面の何れの汚れ
に対しても優れた洗浄力を示すが、シクロヘキシルアミ
ンアルキレンオキサイド付加物を使用しない比較例１及
び２では洗浄力、特に金属面の汚れに対する洗浄力が著
しく劣り、又、脂肪酸を使用しない比較例３では溶液の
安定性が悪く、洗浄力も十分でない。

【００２１】次に、同様にして表３及び表４に示す組成
（％）から成る洗浄剤組成物を調製し、これらの洗浄剤
組成物について、液の状態を目視で観察し、以下の方法
で洗浄力の評価を行なった。（洗浄力試験３）工業用グリース（協同油脂製）０．２
ｇを５０×１００×８ｍｍのモルタル板の片側に均一に
塗りテストピースとした。表３又は表４の組成の洗浄剤
組成物の３０％水溶液１５０ｇを加えた２００ｍＬビー
カー中にこのテストピースを浸漬し、１８時間後引き上
げ、軽くブラッシングしながら水洗した後乾燥させ、グ
リースの残存具合を目視で観察し以下の基準で評価し
た。 ◎：全く残存していない △：所々に残存している ×：殆ど残存している（洗浄力試験４）工業用グリースを、オイルレッド０．
３％を溶解させた日石Ｂマシン油（日石三菱製）に代え
た以外は洗浄力試験３と同様に試験を行い、油の残存具
合を目視で観察し以下の基準で評価した。 ◎：全く残存していない △：所々に残存している ×：殆ど残存しているこれらの結果を表３及び表４に示す。

【００２２】

【表３】

【００２３】

【表４】

【００２４】これらの結果からも、本発明の洗浄剤は液
の状態も安定で、グリース、鉱油系の何れの汚れに対し
ても優れた洗浄力を示すが、シクロヘキシルアミンアル
キレンオキサイド付加物を使用しない比較例４及び５で
は洗浄力が悪く、又、脂肪酸を使用しない比較例６では
溶液の安定性が悪く、洗浄力も十分でない。

【００２５】

【発明の効果】本発明の効果は、溶剤としての効果及び
アルカリ剤としての効果を兼ね備えた成分を配合して優
れた洗浄力を発揮せしめたことを特徴の１つとする新規
な洗浄剤組成物を提供したことにある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 4H003 AB03 AC09 AC13 BA12 DA01 DA02 DA04 DA05 DA06 DA07 DA08 DA13 DA14 DA17 DA19 EA15 EB07 EB14 EB16 ED02 ED29

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水に、（Ａ）成分として、シクロヘキシ
ルアミンアルキレンオキサイド付加物；（Ｂ）成分とし
て、塩基；及び（Ｃ）成分として、脂肪酸を含有してな
る洗浄剤組成物。
【請求項２】更に、（Ｄ）成分として、界面活性剤を
含有してなる請求項１に記載の洗浄剤組成物。
【請求項３】脂肪酸の炭素数が、６〜１２である請求
項１又は２に記載の洗浄剤組成物。
【請求項４】シクロヘキシルアミンアルキレンオキサ
イド付加物のアルキレンオキサイドの付加モル数が、シ
クロヘキシルアミン１モルに対して２〜５モルである請
求項１乃至３の何れか１項に記載の洗浄剤組成物。