JP2001226252A

JP2001226252A - 皮膚用化粧料

Info

Publication number: JP2001226252A
Application number: JP2000077228A
Authority: JP
Inventors: Takuya Ubusawa; 拓也生澤
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 2000-02-15
Filing date: 2000-02-15
Publication date: 2001-08-21

Abstract

(57)【要約】【解決手段】メントール誘導体の中から選ばれる１種
もしくは２種以上及びシリコーンオイルの１種もしくは
２種以上を０．１から３．０質量％含有、更には粒子径
１μｍから１００μｍの水不溶性球状粉体を含有するこ
とを特徴とする皮膚化粧料。【効果】本発明の皮膚化粧料は、メントール誘導体と
シリコーンオイルを０．１から３．０質量％含有するこ
とにより、清涼感をより効果的に発揮させ、更に、水不
溶性球状粉体を配合することにより、清涼感の持続力が
より向上した皮膚化粧料を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、清涼感の効果及び
その効果の持続性に優れた皮膚化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、化粧料の清涼感を得るために、
カンファー、メントール、ユーカリ油、及びスペアミン
ト、ペパーミント等のミント類等の清涼剤が配合され
る。しかし、これらのものは、一次的には清涼感を得る
ことができるが、すぐに効果は薄れてしまう。すなわ
ち、これらの清涼剤では、清涼効果を制御し、長時間清
涼感を持続させることは困難であった。そこで清涼感に
遅効性を有するメントール誘導体が見いだされた（特開
昭６０−２５９０８号公報）。また、更にグリセリルエ
ーテルを配合することにより、清涼感の効果が持続する
ことも見い出された（特開昭６３−２０８５０５号公
報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このメントール誘導体
は、清涼感に遅効性を有するが、清涼感はメントールと
比較すると乏しいものであった。そこで、メントール誘
導体と他の清涼剤、例えば多価アルコール類との併用
（特開平１０−１９４９２６号公報）、又はメントー
ル、カンファー、ミント、ユーカリ油等との併用（特開
平０６−３２９５２８号公報）、又は、エタノール及び
イソプロピルアルコールとの併用（特開平１０−２３１
２３８号公報）により高い清涼感を得る工夫がされた。
しかしながら、これらのものは十分な清涼感を持続させ
るには至らなかった。

【０００４】本発明は、メントール誘導体を用いて、高
い清涼感を長時間持続させることができる皮膚用化粧料
を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、シリコーンオイルを配合することにより、メントー
ル誘導体を皮膚表面に効率よく付着させ、清涼感をより
効果的に発揮させることができることを知見した。更
に、水不溶性球状粉体を配合することにより、清涼感の
持続力がより向上することを知見し、本発明をなすに至
ったものである。

【０００６】以下、本発明の構成について詳しく説明す
る。本発明で用いられるメントール誘導体としては、メ
ンチルラクテート、メントキシプロパンジオール、メン
チルヒドロキシブチレート、メントキシフラン、メンチ
ルグルコシド等をあげることができる。これらのものの
配合量としては０．００１から１０．０質量％が好まし
い、更に好ましくは０．０１から３．０質量％が好まし
い。

【０００７】配合量が０．００１％未満では、通常の使
用条件では使用者が清涼感を認知することは困難であ
る。また１０．０％を越えると、清涼感は快感ではな
く、熱さを感じるに至る場合がある。

【０００８】本発明で用いられるシリコーンオイルとし
ては、オクタメチルポリシロキサン、メチルポリシロキ
サン、高重合メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリ
シロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、トリメチ
ルシロキシケイ酸、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、デカメチルテトラシロキサン、デカメチルシクロペ
ンタシロキサン、メチルポリシクロシロキサン、ポリオ
キシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ
（オキシエチレン・オキシプロピレン）メチルポリシロ
キサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシ
ロキサン共重合体等である。好ましくは、メチルポリシ
ロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン、メチルポリシクロシロ
キサン等で、粘度が１０ｃＳｔ以下のものが好ましい。
すなわち、皮膚上での伸びが優れている低粘度のシリコ
ーンオイルが好ましい。

【０００９】シリコーンオイルの配合量は、シリコーン
オイルの種類及び製品形態により異なるが、０．１から
３．０質量％が好ましい。０．１質量％未満では、メン
トール誘導体を含む製剤を皮膚表面に展着させる効果は
認められず、また３．０質量％を超えて配合した場合、
ほとんどの製品形態のもので、べとつき感や、きしみ感
といった使用感の悪さを生じる。

【００１０】本発明で用いられる水不溶性球状粉体とし
ては、ポリエチレン末、ポリスチレン末、ナイロン末、
セルロース末、酢酸セルロース末、ポリメタクリル酸メ
チル等の有機粉体、及びシリコーンゴムパウダー、シリ
コーンレジンパウダー、シリコーン複合パウダー、ポリ
メチルシリセスキオキサン末、アルギン酸カルシウムパ
ウダー、マグネシアシリカ、無水ケイ酸等の無機粉体等
である。好ましくは、ポリエチレン末、ポリスチレン
末、ナイロン末、セルロース末、酢酸セルロース末、ポ
リメタクリル酸メチル、シリコーン系パウダーが好まし
い。すなわち、これらのものは、粉体内部に含浸するこ
となく、粉体表面に清涼剤を含む製剤を担持するのに優
れ、清涼剤を効果的に皮膚上に供給する働きをするもの
と考えられる。

【００１１】水不溶性球状粉体の平均粒子径は１〜１０
０μｍが好ましい。１μｍ未満のものでは、十分製剤を
担持することはできず、また、１００μｍを超えるもの
では、粉体自体の、ざらつき感や、きしみ感といった使
用感を生じる場合がある。

【００１２】本発明の皮膚用化粧料は、化粧水、乳液、
ジェル、クリーム、ミスト、エアゾールスプレー、ロー
ルオン等、種々の剤型に調製し得、それに応じた公知の
成分を配合し、常法により各種皮膚用化粧料を調製する
ことができる。

【００１３】本発明の皮膚用化粧料には、香料が配合さ
れ得るが、香料としては、脂肪族炭化水素、テルペン炭
化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコ
ール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアル
コール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテ
ル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等の
オキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒ
ド、水素化芳香族アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族
アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペン
ケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪族環状ケトン、非ベ
ンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、ア
セタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエ
ーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香
族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド
類、脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラク
トン、水素化芳香族ラクトン、芳香族ラクトン等のラク
トン類、脂肪族エステル、フラン系カルボン酸族エステ
ル、脂肪族環状カルボン酸エステル、シクロヘキシルカ
ルボン酸族エステル、テルペン系カルボン酸エステル、
芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムス
ク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピ
ロール、インドール等の含窒素化合物等の合成香料及び
動物、植物からの天然香料、天然香料及び／又は合成香
料を含む調合香料の１種又は２種以上を混合し使用する
ことができる。例えば、１９９６年化学工業日報社刊印
藤元一著「合成香料化学と商品知識」、１９６９年ＭＯ
ＮＴＣＬＡＩＲ，Ｎ．Ｊ．刊ＳＴＥＦＦＥＮＡＲＣＴ
ＡＮＤＥＲ著“ＰｅｒｆｕｍｅａｎｄＦｌａｖｏｒ
Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ”等に記載の香料が使用できる。具
体的には後述する実施例に示した香料処方Ａ〜Ｃを適用
できる。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、メントール誘導体の清
涼感を、より効果的に且つ長時間持続させて発揮し得る
ことができる。

【００１５】

【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。尚、下記の例において％は全て質量％、部
は全て質量部を示す。

【００１６】〔清涼感の持続性の官能評価試験〕試験者
（専門パネラー３０名）は室温２５度、湿度６０％の室
内に入室して３０分経過後、実施例１〜６及び比較例１
〜６の処方の化粧料を、試験者の首まわり部位（約１０
×１５ｃｍ^２の範囲）に、ミストタイプのスプレーを使
用して、皮膚表面から１０ｃｍ離れところから、皮膚面
に対して垂直に向け３回噴霧した。尚、ミストタイプの
スプレーには、噴口径０．３ｍｍ、平均噴霧量０．３５
ｇ／１回噴霧のものを使用した。噴霧直後、噴霧１時間
後における、清涼感、べとつき感を以下の判断基準に基
づいて評価した。（清涼感評価基準） ◎：非常に清涼感を感じる。 ○：少し清涼感を感じる。 △：かすかに清涼感を感じる。 ×：清涼感を感じない。 ●：冷涼感が非常に強く、部分的に痛みを感じる。（べとつき感評価基準） ○：べとつき感を感じない。 ×：べとつき感を感じる。

【００１７】（実施例１〜６、比較例１〜６）表１に示
す処方の実施例１〜６及び比較例１〜６の化粧料を調製
し、前述の官能評価試験を行った。結果を表１に示す。
尚、評価結果は３０名の平均評価を表わしている。

【００１８】

【表１】

【００１９】

【表２】

【００２０】表１の結果より明らかなように、シリコー
ンオイルの配合により、清涼感が高められた。また、パ
ウダーの配合により、メントール誘導体の清涼感が効果
的に発揮されるようになり、効果が持続した。

【００２１】更に、下記処方の皮膚用化粧料も、良好な
清涼感を有するものであった。尚、下記の例で、香料Ａ
〜Ｃは下記の処方を有する。

【００２２】

【表３】

【００２３】

【表４】

【００２４】

【表５】

【００２５】［実施例１２］クール化粧水タイプ配合量３−Ｌ−メントキシプロパン−１，２−ジオール１．５メチルフェニルポリシロキサン１．０グリセリン５．０１，３−ブチレングリコール５．０カルボキシビニルポリマー０．５（分子量１００万〜１５０万）水酸化カリウム微量酢酸トコフェノール０．２コレウス抽出液０．３モノイソステアリン酸デカグリセリル１．０エタノール１．０ＰＯＥ（４０）硬化ひまし油０．５トリメチルグリシン３．０ベンクレーＳＬ＊５０．２香料Ａ微量精製水バランス合計１００．０％＊５：水澤化学工業社製（平均粒径１００μｍ）

【００２６】［実施例７］クール乳液タイプ配合量Ｌ−メンチルラクテート０．３デカメチルシクロペンタシロキサン（粘度４ｃＳｔ）０．５ポリメチルシルセスキオキサン粉末＊６２．０球状シリコーンゴムパウダー＊７１．０モンモリロナイト１．０デカグリセリルトリイソステアレート０．５デカグリセリルモノステアレート１．６ＰＯＥ（２０）ソルビタンモノオレエート３．０グリチルレチン酸ステアリル０．２酸化型コエンザイムナトリウム塩０．３クレアチニン０．２植物性スクワラン５．０ホホバ油３．０アルモンド油０．５ヒマワリ油０．５レシチン０．８ステアリルアルコール１．０グリセリン１０．０ジプロピレングリコール５．０トリメチルグリシン０．５カルボキシビニルポリマー０．１（分子量１００万〜１５０万）キサンタンガム（分子量１００万〜１５０万）０．１メチルパラベン０．３プロピルパラベン０．１酢酸トコフェノール０．２アルギニン０．１ダービリアエキス０．２エタノール２．０香料Ｂ微量精製水バランス合計１００．０％＊６トスパール２０００Ｂ：東芝シリコーン社製（平均粒子径６．０μｍ）＊７ＫＭ−９７２９：信越化学工業社製（平均粒子径５．０μｍ）

【００２７】［実施例８］クールジェルタイプ配合量Ｌ−メンチルグルコシド０．５Ｌ−メントール０．０１オクタメチルポリシロキサン０．６トリエタノールアミン０．２５イソプロピルメチルフェノール０．５トリクロサン０．２ＰＯＥ（１７）ステアリルアルコール０．３カルボキシビニルポリマー０．２（分子量１００万〜１５０万）シラカバエキス０．１シャクヤクエキス０．１オキシベンゾスルホン酸ナトリウム０．１メチルパラベン０．１香料Ａ０．２精製水バランス合計１００．０％

【００２８】［実施例９］制汗エアゾールスプレータイプ配合量３−Ｌ−メントキシプロパン−１，２−ジオール１．２メチルポリシロキサン（粘度１０ｃＳｔ）１．０デカメチルペンタシロキサン２．０クロルヒドロキシアルミニウム２４．４マグネシアシリカ（平均粒径７μｍ）１８．０無水珪酸（平均粒径１２μｍ）５．０トリイソステアリン酸ＰＯＥ（２０）グリセリル１８．５トリクロサン０．２グリチルリチン酸ステアリル０．０２イソプロピルメチルフェノール０．１シラカバエキス０．１植物性スクワラン０．１香料Ｂ微量ミリスチン酸イソプロピルバランス合計１００．０％上記組成物を原液とし、噴射剤として０．１５Ｍｐａ
（２０℃）の液化石油ガスを用いてスプレーとした。原
液／噴射剤の構成比は７／９３とした。

【００２９】［実施例１０］制汗エアゾールスプレータイプ配合量Ｌ−メンチルラクテート３．０デカメチルペンタシロキサン３．０クロルヒドロキシアルミニウム１９．５マグネシアシリカ（平均粒径７μｍ）８．０無水珪酸（平均粒径１２μｍ）５．０トリイソステアリン酸ＰＯＥ（２０）グリセリル１８．５トリクロサン０．２グリチルリチン酸ステアリル０．０２シラカバエキス０．１植物性スクワラン０．１香料Ｃ微量ミリスチン酸イソプロピルバランス合計１００．０％上記組成物を原液とし、噴射剤として、ノルマルブタン
／イソペンタン混合ガス（混合比６０／４０）を用いて
スプレーとした。原液／噴射剤の構成比は５／９５とし
た。

【００３０】［実施例１１］制汗ミストタイプ配合量３−Ｌ−メントキシプロパン−１，２−ジオール０．８Ｌ−メントール０．１ナイロン末（平均粒径１０μｍ）０．１ｐ−フェノールスルホン酸亜鉛２．５デカメチルシクロペンタシロキサン（粘度４ｃＳｔ）２．５トリクロサン０．２メチルパラベン０．３マロメロエキス０．１エタノール７５．０香料Ａ微量精製水バランス合計１００．０％

【００３１】［実施例１２］クリームタイプ配合量Ｌ−メンチルヒドロキシブチレート１．５デカメチルテトラシロキサン２．０酢酸セルロース末＊８０．５ベントナイト０．５テトラグリセリルモノイソステアレート１．０ヘキサグリセリルモノステアレート０．８グリセリルモノステアレート１．５ＰＯＥ（４０）グリセリルモノステアレート１．５グリチルレチン酸ステアリル０．１酸化型コエンザイムＡナトリウム塩０．２クレアチニン０．３パルミチン酸セチル１．０パルミチン酸イソプロピル１．０スクワラン８．０ホホバ油３．０ローズヒップ油０．０５セトステアリルアルコール３．０ベヘニルアルコール０．５グリセリン１．０１，３−ブチレングリコール５．０カルボキシビニルポリマー０．０５（分子量１００万〜１５０万）キサンタンガム（分子量１００万〜１５０万）０．３プロピルパラベン０．１メチルパラベン０．３ビタミンＥ０．２クエン酸微量クエン酸ナトリウム微量エデト酸２ナトリウム０．１ダービリアエキス０．２トリイソプロパノールアミン０．１香料Ｃ微量精製水バランス合計１００．０％＊８セルフローＴ−２５：チッソ株式会社製（平均粒径８．０μｍ）

【００３２】［実施例１３］制汗ロールオンタイプ配合量３−Ｌ−メントキシプロパン−１，２−ジオール１．０ナイロン末（平均粒子径１０μｍ）１．０デカメチルシクロテトラシロキサン３．０クロルヒドロキシアルミニウム５０％水溶液４０．０ＰＯＰ（１７）ブチルエーテル１．５塩化ベンザルコニウム液（ＡＩ１０％）１．０ヒドロキシプロピルセルロース１．０ β−グリチルレチン酸０．０５エタノール４５．０ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末＊９０．１５香料Ａ０．２精製水バランス合計１００．０％＊９ＤＣグリッターシルバーＣ：株式会社ダイヤケムコ社製（平均長径０．１ｍｍ）

【００３３】［実施例１４］スティックタイプ配合量３−Ｌ−メントキシプロパン−１，２−ジオール１．０シリコーン複合パウダー＊１０２．０クロルヒドロキシアルミニウム２４．０タルク８．０硬化ひまし油４．０マイクロクリスタリンワックス１．０ステアリルアルコール１５．０デカメチルシクロテトラシロキサン４４．７ＰＯＰ（１７）ブチルエーテル３．０香料Ｃ０．２合計１００．０％＊１０ＫＳＰ−１０１：信越化学（平均粒径１２μｍ）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 4C083 AA112 AA122 AB032 AB052 AB172 AB192 AB332 AB382 AB432 AB442 AC022 AC072 AC082 AC102 AC122 AC171 AC172 AC182 AC212 AC302 AC351 AC352 AC402 AC422 AC442 AC472 AC482 AC532 AC542 AC582 AC692 AC792 AC812 AC832 AC841 AC842 AD072 AD092 AD112 AD151 AD152 AD191 AD262 AD352 AD532 AD551 AD552 AD572 AD662 CC02 DD23 EE06

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】メントール誘導体の中から選ばれる１種
もしくは２種以上及びシリコーンオイルの１種もしくは
２種以上を０．１から３．０質量％配合することを特徴
とする皮膚化粧料。
【請求項２】メントール誘導体がメンチルラクテー
ト、メントキシプロパンジオール、メンチルヒドロキシ
ブチレート、メントキシフラン、メンチルグルコシドで
ある請求項１に記載の皮膚化粧料。
【請求項３】粒子径１μｍから１００μｍの水不溶性
球状粉体を含有する請求項１及び２に記載の皮膚化粧
料。