JP2001223435A - 半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ及びその製造方法

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JP2001223435A
JP2001223435A JP2000030486A JP2000030486A JP2001223435A JP 2001223435 A JP2001223435 A JP 2001223435A JP 2000030486 A JP2000030486 A JP 2000030486A JP 2000030486 A JP2000030486 A JP 2000030486A JP 2001223435 A JP2001223435 A JP 2001223435A
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Hajime Okuda
田 肇 奥
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低しきい値で高温領域においても従来よりも
安定して自励発振が可能な半導体レーザ及びその製造方
法を提供することを目的とする。 【解決手段】 可飽和吸収層を電流ブロック層の直下に
配置し、電流ブロック層よりも十分にエッチング速度が
低い材料で形成することにより、半導体レーザの素子構
成を簡略化しつつ、電流ブロック層の加工を容易且つ確
実なものとし且つ別体のエッチングストップ層を設けた
場合において生じうる不必要な光吸収を防ぐことができ
る。また、可飽和吸収層を多重量子井戸により構成する
ことにより、ウエル層のバンドギャップエネルギを活性
層から放出される光のエネルギと略同一のものとして可
飽和吸収を安定して生じさせるとともに、バリア層の組
成を調節することにより、ウエル層の格子定数の「ず
れ」を緩和することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ及び
その製造方法に関する。より具体的には、本発明は、光
ディスク記録再生用の光源などに用いて好適な自励発振
型の半導体レーザ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザは、小型軽量であり、効率
が高く、応答速度が速いなどの特徴を有し、光記録再生
システム、光通信、バーコード読み取りシステム、レー
ザプリンタなどの各種の分野に応用されている。これら
の応用用途のうちで、CD(Compact Disc)やDVD
(Digital Versatile Disc)などの光記録再生システム
の光ピックアップに用いられる半導体レーザは、光ディ
スクから情報を読みとる際の「戻り光」によって光出力
が変動することにより生ずる雑音が問題となる。
【0003】半導体レーザの発振モードとしては、「単
一(シングル)縦モード発振」と「複数(マルチ)縦モ
ード発振」とがある。「単一縦モード発振」の場合に
は、通常の発振状態においては雑音が小さいが、戻り光
があると光出力が大きく変動して雑音が増加する。この
ために、光ピックアップにおいて単一縦モード型の半導
体レーザを用いる際には、高周波重畳回路を付設してわ
ざわざ複数モード発振を生じさせるようにしていた。
【0004】一方、複数縦モード発振型の半導体レーザ
は、戻り光による雑音の増加は比較的少ないが、発光点
の非点隔差のために、ビームスポット径を小さくするこ
とが困難である。
【0005】これに対して、自励発振を利用した半導体
レーザが提案されている。
【0006】図7は、従来の自励発振型の半導体レーザ
の構造を概念的に表す断面図である。すなわち、同図に
例示した半導体レーザは、InGaAlP系材料を使用して、
赤色の波長帯において発振する自励発振型半導体レーザ
である。
【0007】その構造を製造手順に沿って説明すると、
まず、n型GaAs基板101の上には、n型InGaAlPクラッ
ド層102、アンドープInGaA1P光ガイド層103、多
重量子井戸構造(multiple-quantum well:MQW)による
活性層104、アンドープInGaAlP光ガイド層105、p
型InGaAlP第1クラッド層106、p型InGaPエッチング
ストップ層108、p型InGaAlP第2クラッド層111、
p型InGaP中間バンドギャップ層112が順次エピタキシ
ャル成長される。次に、InGaP中間バンドギャップ層1
12からInGaAlP第2クラッド層111までリッジ状に
ストライプが形成され、そのリッジの両側にn型GaAs電
流ブロック層116がエピタキシャル成長され、その後
全面にp型GaAsキャップ層113がエピタキシャル成長
される。このキャップ層111の上にはp型オーミック
電極114が形成され、基板101の裏面にはn型オー
ミック電極115が形成される。
【0008】なお、活性層104は、例えばInGaPウェ
ル層とInGaAlPバリア層とを交互に積層させたMQW構造と
することができる。
【0009】図7に例示した半導体レーザにおいて、リ
ッジ状に形成された第2クラッド層111の下に流れる
電流の幅よりも光の分布の方が広くなると、この電流幅
よりも外側にはみ出した光の分布した箇所が、光の吸収
が大きい「可飽和吸収領域」として作用する。その結果
として、自励発振を生じさせることができる。このよう
な自励発振は、可干渉性が低いために、戻り光が入射し
ても戻り光の位相に反応せず、雑音が増加しにくいとい
う特徴を有する。このために、光記録再生システムの光
ピックアップ部に用いて好適な特性を有する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図7に例示し
たような自励発振型の半導体レーザは、高温において安
定した自励発振を生じさせることが容易でないという問
題を有する。
【0011】すなわち、図7の半導体レーザにおいて自
励発振を生じさせるには、リッジ111の下に流れる電
流幅よりも光分布の方が広くなり、この電流幅の外側に
光が分布している部分が「可飽和吸収領域」を形成する
必要がある。
【0012】これを実現するためには、活性層104の
光閉じ込め係数と、第1クラッド層106の厚さhと第
2クラッド層111のストライプ幅Wとを最適化する必
要がある。本発明者による実験の結果、活性層104を
構成するウエル層の厚さが8.5ナノメータ、ウエル層
の数が4、第1クラッド層106の厚さが0.33μ
m、幅Wが4μmの場合がほぼ最適であることが判った。
【0013】しかしながら、この構造パラメータによる
と温度上昇と共に電流経路に変化が起こるために、可飽
和吸収領域での光吸収量に変化が起こる。特に、動作温
度が60℃を越えるとこの光吸収量が大きく変化するた
めに、自励発振が不安定になったり、停止してしまう。
つまり、半導体レーザの動作温度範囲の上限が60℃程
度に制限されるという問題があった。
【0014】また、上述した各寸法が少しでもばらつく
と、室温においても自励発振しないことも多々発生して
いた。その結果として、製造歩留まりが低下しやすいと
いう問題もあった。
【0015】さらに、電流ブロック層116をn型GaAs
により形成しているために、このブロック層で光吸収ロ
スが生じ、発振しきい値が80mA以上と大きくなってし
まい、これも高温動作を阻害していた。
【0016】また、非点隔差についても、GaAsブロック
層116において光吸収が生ずるために、20μm程度
と大きかった。
【0017】本発明は、かかる種々の問題点の認識に基
づいてなされたものである。すなわち、その目的は、低
しきい値で高温領域においても従来よりも安定して自励
発振が可能な半導体レーザ及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の構成を説明する
に先立って、本発明者が本発明に至る過程で試作した発
明レーザの構造を簡単に説明する。
【0019】図8は、本発明者が本発明に至る過程で試
作した半導体レーザの構造を概念的に表す断面図であ
る。
【0020】すなわち、この半導体レーザは、n型GaAs
基板201の上にn型InGaAlPクラッド層202(厚さ:
1μm)、アンドープInGaAlP光ガイド層203(厚さ:
30nm)、MQW活性層204、アンドープInGaAlP光ガイ
ド層205(厚さ:30nm)、p型InGaAlP第1クラッド
層206(厚さ:0.1μm)、p型InGaP可飽和吸収層
207(厚さ:5nm)、p型InGaAlP第2クラッド層20
6(厚さ:0.05μm)、p型InGaAlPエッチングスト
ップ層208(厚さ:5nm)がその順に積層され、この
上に、ストライプ状に開口されたn型GaAs電流ブロック
層209(厚さ:1μm)が形成される。
【0021】さらに、この上には、p型InGaAlP第2クラ
ッド層211(厚さ:0.85μm)、p型InGaP中間層
212(厚さ:0.05μm)、p型GaAsキャップ層21
3(厚さ:3μm)が積層されている。そして、p型GaAs
キャップ層213の上にp側電極214が形成され、n型
GaAs基板の裏面にはn側電極215が形成されている。
【0022】なお、活性層204は、例えば、アンドー
プInGaPのウェル層(厚さ:4nm)とアンドープInGaAlP
のバリア層(厚さ:4nm)とを交互に積層(ウエル層数
5、バリア層数4)させたMQW構造とすることができ
る。
【0023】図9は、図8の半導体レーザの伝導帯エネ
ルギバンド構造を表す概念図である。同図からも分かる
ように、可飽和吸収層207は活性層204よりバンド
ギャップを小さくしている。活性層204で発生した光
はこの可飽和吸収層207で吸収されるが、吸収量があ
るレベルになるとその吸収が飽和するために自励発振が
生ずる。
【0024】図10は、図8の半導体レーザの製造プロ
セスを表す概略工程断面図である。
【0025】まず、図10(a)に表したように、減圧
MOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:有
機金属化学気相成長)法によって、基板201の上に、
クラッド層202〜ブロック層209までを連続的にエ
ピタキシャル成長させる。
【0026】次に、図10(b)に表したように、ブロ
ック層209の上に、ストライプ状の開口を有するマス
ク210を形成する。マスク210の材料としては、例
えば、酸化シリコン(SiO2)を用いることができる。
【0027】次に、図10(c)に表したように、マス
ク210の開口部のブロック層209をエッチングし、
エッチングストップ層208が露出するまでエッチング
する。ここで、InGaPエッチングストップ層208は、G
aAsブロック層209に対してエッチング速度が低く、
エッチングの終端を規定するために用いられる。
【0028】次に、図10(d)に表したように、マス
ク210を除去し、第2クラッド層211〜キャップ層
213を順次エピタキシャル成長させる。この後、キャ
ップ層213の表面と基板201の裏面にそれぞれ電極
214、215を形成することにより、半導体レーザが
完成する。
【0029】以上説明したように、図8に表した半導体
レーザは、InGaAlP可飽和吸収層207を設けることに
より、安定した自励発振を可能とし、さらにInGaPエッ
チングストップ層208を設けることにより、GaAsブロ
ック層209の加工を容易且つ確実なものとする。
【0030】本発明者は、以上説明した構造をさらに進
歩させて、以下に詳述する半導体レーザを発明するに至
った。
【0031】すなわち、本発明の第1の半導体レーザ
は、第1導電型の第1のクラッド層と、前記第1のクラ
ッド層の上に設けられた活性層と、前記活性層の上に設
けられた第2導電型の第2のクラッド層と、前記第2の
クラッド層の上に設けられ前記活性層から放出される光
に対して可飽和吸収を生ずる可飽和吸収層と、前記可飽
和吸収層の上に設けられ、ストライプ状の開口を有し、
前記活性層から放出される光に対して実質的に透明な第
1導電型の電流ブロック層と、前記電流ブロック層及び
前記ストライプ状の開口における前記可飽和吸収層の上
に設けられた第2導電型の第3のクラッド層と、を備
え、前記可飽和吸収層は、前記電流ブロック層に前記ス
トライプ状の開口を形成する際のエッチングストップ層
を兼ねるように前記電流ブロック層と接して設けられた
ことを特徴とする。
【0032】また、本発明の第2の半導体レーザは、第
1導電型の第1のクラッド層と、前記第1のクラッド層
の上に設けられた活性層と、前記活性層の上に設けられ
た第2導電型の第2のクラッド層と、前記第2のクラッ
ド層の上に設けられたエッチングストップ層と、前記エ
ッチングストップ層の上に設けられ、ストライプ状の開
口を有し、前記活性層から放出される光に対して実質的
に透明な第1導電型の電流ブロック層と、前記電流ブロ
ック層及び前記ストライプ状の開口における前記エッチ
ングストップ層の上に設けられ、前記活性層から放出さ
れる光に対して可飽和吸収を生ずる可飽和吸収層と、前
記可飽和吸収層の上に設けられた第2導電型の第3のク
ラッド層と、を備えたこと特徴とする。
【0033】また、本発明の第3の半導体レーザは、第
1導電型の第1のクラッド層と、前記第1のクラッド層
の上に設けられた活性層と、前記活性層の上に設けられ
た第2導電型の第2のクラッド層と、前記第2のクラッ
ド層の上に設けられ前記活性層から放出される光に対し
て可飽和吸収を生ずる第1の可飽和吸収層と、前記可飽
和吸収層の上に設けられ、ストライプ状の開口を有し、
前記活性層から放出される光に対して実質的に透明な第
1導電型の電流ブロック層と、前記電流ブロック層及び
前記ストライプ状の開口における前記第1の可飽和吸収
層の上に設けられ、前記活性層から放出される光に対し
て可飽和吸収を生ずる第2の可飽和吸収層と、前記第2
の可飽和吸収層の上に設けられた第2導電型の第3のク
ラッド層と、を備え、前記第1の可飽和吸収層は、前記
電流ブロック層に前記ストライプ状の開口を形成する際
のエッチングストップ層を兼ねるように前記電流ブロッ
ク層に接して設けられたことを特徴とする。
【0034】ここで、前記第1乃至第3の半導体レーザ
の前記活性層は、InGaPとInGaAlPの少なくともいずれか
を含み、前記可飽和吸収層は、InGaPからなるものとす
ると、InGaAlP系の高性能な自励発振型半導体レーザを
実現することができる。
【0035】または、本発明の第4の半導体レーザは、
前記した第1乃至第3の半導体レーザにおいて、前記可
飽和吸収層は、前記活性層から放出される光に対して可
飽和吸収を生ずるウエル層と、前記ウエル層よりも大き
なバンドギャップエネルギを有するバリア層とを交互に
積層させた多重量子井戸構造を有することを特徴とす
る。
【0036】前記第4の半導体レーザにおいて、前記活
性層は、InGaPとInGaAlPの少なくともいずれかを含み、
前記可飽和吸収層の前記ウエル層はInGaPからなり、前
記可飽和吸収層の前記バリア層はInGaAlPからなること
を特徴とする。
【0037】さらに前述したいずれかの半導体レーザに
おいて、前記第1乃至第3のクラッド層は、InGaAlPか
らなり、前記電流ブロック層は、InAlPまたはInGaAlPか
らなることを特徴とする。
【0038】一方、本発明の半導体レーザの製造方法
は、基板の上に第1導電型の第1のクラッド層を形成す
る工程と、前記第1のクラッド層の上に活性層を形成す
る工程と、前記活性層の上に第2導電型の第2のクラッ
ド層を形成する工程と、前記第2のクラッド層の上に、
前記活性層から放出される光に対して可飽和吸収を生ず
る可飽和吸収層を形成する工程と、前記可飽和吸収層の
上に、前記活性層から放出される光に対して実質的に透
明な第1導電型の電流ブロック層を形成する工程と、前
記電流ブロック層の上にストライプ状の開口を有するマ
スクを形成する工程と、前記可飽和吸収層のエッチング
速度が前記電流ブロック層のエッチング速度よりも小さ
くなるエッチング条件において、前記マスクの前記開口
に露出する前記電流ブロック層をエッチングし前記可飽
和吸収層を露出させる工程と、前記マスクを除去する工
程と、前記電流ブロック層及び前記開口に露出している
前記可飽和吸収層の上に第2導電型の第3のクラッド層
を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0039】または、本発明の半導体レーザの形成方法
は、基板の上に第1導電型の第1のクラッド層を形成す
る工程と、前記第1のクラッド層の上に活性層を形成す
る工程と、前記活性層の上に第2導電型の第2のクラッ
ド層を形成する工程と、前記第2のクラッド層の上に、
前記活性層から放出される光に対して可飽和吸収を生ず
る第1の可飽和吸収層を形成する工程と、前記可飽和吸
収層の上に、前記活性層から放出される光に対して実質
的に透明な第1導電型の電流ブロック層を形成する工程
と、前記電流ブロック層の上にストライプ状の開口を有
するマスクを形成する工程と、前記第1の可飽和吸収層
のエッチング速度が前記電流ブロック層のエッチング速
度よりも小さくなるエッチング条件において、前記マス
クの前記開口に露出する前記電流ブロック層をエッチン
グし前記第1の可飽和吸収層を露出させる工程と、前記
マスクを除去する工程と、前記電流ブロック層及び前記
開口に露出している前記第1の可飽和吸収層の上に、前
記活性層から放出される光に対して可飽和吸収を生ずる
第2の可飽和吸収層を形成する工程と、前記第2の可飽
和吸収層の上に第2導電型の第3のクラッド層を形成す
る工程と、を備えたことを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。
【0041】(第1の実施の形態)まず、本発明の第1
の実施の形態に係る半導体レーザについて説明する。
【0042】図1は、本実施形態に係る発明レーザの構
造を概念的に表す断面図である。すなわち、同図の半導
体レーザは、InGaAlP系の実屈折率構造自励発振型半導
体レーザであり、n型GaAs基板11の上に、n型InGaAlP
クラッド層12(厚さ:1μm)、アンドープInGaAlP光
ガイド層13(厚さ:30nm)、MQW活性層14、アン
ドープInGaAlP光ガイド層15(厚さ:30nm)、p型In
GaAlP第1クラッド層16(厚さ:0.15μm)、p型I
nGaP可飽和吸収層17(厚さ:5nm)がその順に積層さ
れ、この上に、ストライプ状に開口されたn型InAlP電流
ブロック層19(厚さ:1μm)が形成される。
【0043】ここで、活性層14は、例えば、アンドー
プInGaPのウェル層(厚さ:4nm)とアンドープInGaAlP
のバリア層(厚さ:4nm)とを交互に積層(ウエル層数
5、バリア層数4)させたMQW構造とすることができ
る。
【0044】さらに、この上には、p型InGaAlP第2クラ
ッド層21(厚さ:0.85μm)、p型InGaP中間層2
2(厚さ:0.05μm)、p型GaAsキャップ層23(厚
さ:3μm)が積層されている。そして、p型GaAsキャッ
プ層23の上にp側電極24が形成され、n型GaAs基板の
裏面にはn側電極25が形成されている。
【0045】本実施形態の半導体レーザにおいては、電
流ブロック層19をInAlPにより形成することにより発
振波長に対して透明になり、いわゆる「実屈折率構造」
を実現することができる。
【0046】図2は、本実施形態の半導体レーザの伝導
帯エネルギバンドの構造を表す概念図である。可飽和吸
収層17のバンドギャップは、活性層14のバンドギャ
ップよりも小さい。活性層14で発生した光はこの可飽
和吸収層17で吸収されるが、ある量になるとその光吸
収が飽和するために自励発振が得られる。
【0047】本実施形態においても、このように、可飽
和吸収層17を設けたことにより安定した自励発振が可
能となる。
【0048】さらに、本実施形態によれば、可飽和吸収
層17をInGaPにより形成し、ブロック層19の直下に
設けることによって、エッチングストップ層としても作
用させることができる。
【0049】図3は、本実施形態に係る半導体レーザの
製造プロセスを表す概略工程断面図である。
【0050】まず、図3(a)に表したように、減圧MO
CVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:有機
金属化学気相成長)法によって、基板11の上に、クラ
ッド層12〜ブロック層19までを連続的にエピタキシ
ャル成長させる。
【0051】次に、図3(b)に表したように、ブロッ
ク層19の上に、ストライプ状の開口を有するマスク2
10を形成する。マスク210の材料としては、例え
ば、酸化シリコン(SiO2)を用いることができる。
【0052】次に、図3(c)に表したように、マスク
210の開口部のブロック層19をエッチングし、可飽
和吸収層17が露出するまでエッチングする。ここで、
可飽和吸収層17の材料としてInGaPを用いると、InAlP
ブロック層19に対してエッチング速度を十分に低くす
ることができ、エッチングストップ層として作用させる
ことができる。この場合に、例えばエッチング方法とし
て、リン酸系のエッチャントを用いて温度約55℃で約
1分間程度のウエットエッチングを施すことができる。
【0053】次に、図3(d)に表したように、第2ク
ラッド層21〜キャップ層23を順次エピタキシャル成
長させる。この後、キャップ層23の表面に電極24を
形成し、基板11の裏面にそれぞれ電極25を形成する
ことにより、半導体レーザが完成する。
【0054】以上説明したように、本実施形態の半導体
レーザは、可飽和吸収層17を設けることにより、安定
した自励発振を可能とすることができる。つまり、独立
した可飽和吸収層17を設けることにより、その層厚や
活性層14からの距離を精密に制御することができ、可
飽和吸収量を正確に制御することができる。その結果と
して、温度の変動に対しても安定した自励発振を得るこ
とができる。
【0055】さらに、本実施形態によれば、可飽和吸収
層17を電流ブロック層19の直下に配置し、電流ブロ
ック層よりも十分にエッチング速度が低い材料で形成す
ることにより、半導体レーザの素子構成を簡略化しつ
つ、電流ブロック層19の加工を容易且つ確実なものと
することかできる。
【0056】さらに、本実施形態によれば、電流ブロッ
ク層19を発振波長に対して透明な材料により形成する
ことにより、「実屈折率構造」を採用し、従来の半導体
レーザと比較して動作電流を低減することができる。
【0057】本発明者の試作の結果によれば、図1に表
した構造の半導体レーザをヒートシンク上にマウントし
て動作特性を調べた結果、発振しきい値は40mAであ
り、出力5mWの駆動条件で温度80℃まで安定した自励
発振が得られた。また、非点隔差も1μm程度であり、
極めて微小なビームを形成することができた。
【0058】このようにして得られた半導体レーザは、
例えば、光ディスクの読み取り光源として極めて好適な
ものである。
【0059】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。
【0060】図4は、本発明の第2の実施の形態に係る
半導体レーザの構造を概念的に表す断面図である。同図
については、図1乃至図3に関して前述した部分と同一
の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0061】本実施形態においては、第1クラッド層1
6の上にエッチングストップ層18が形成され、その上
にストライプ状の開口を有する電流ブロック層19が積
層されている。さらに、これらの上に可飽和吸収層17
が積層され、その上に、第2クラッド層21、中間層2
2、キャップ層23が順次積層されている。
【0062】ここで、エッチングストップ層18は、電
流ブロック層19よりもエッチング速度が十分に低い材
料により形成することが望ましい。このような材料でエ
ッチングストップ層18を形成することにより、図3
(c)に関して前述したようにブロック層19の選択的
なエッチングを確実且つ容易に実施することができる。
【0063】一方、可飽和吸収層17は、活性層14か
ら放出される光に対する吸収率が十分に高い材料により
形成することが望ましい。
【0064】例えば、エッチングストップ層18はIn
Ga1−xPにより形成し、可飽和吸収層17はIn
Ga1−yP(ここでx<yとする)により形成すれ
ば、エッチングストップ層18における光の吸収を押さ
えつつ、可飽和吸収層17における可飽和吸収を生じさ
せることができる。
【0065】また、エッチングストップ層18は、In
GaAlPにより形成し、可飽和吸収層17は、InG
aPにより形成すれば、エッチングストップ層18にお
ける光の吸収を最小源に押さえることができ、可飽和吸
収層17における可飽和吸収を確実に生じさせることが
できる。この場合に、エッチングストップ層18にアル
ミニウム(Al)を添加することにより、可飽和吸収層
17とのエッチング速度差を大きくすることかできる。
本発明者の試作実験の結果によれば、実用的なエッチン
グ速度差を得るためには、エッチングストップ層18の
組成式In(Ga1−xAl1−yPにおいて、
組成比xを概ね0<x<0.1程度の範囲とすれば良
い。
【0066】本実施形態によれば、可飽和吸収層17を
電流ブロック層19の上に設けることにより、まず第1
に、自励発振を安定させることができる。すなわち、本
実施形態によれば、可飽和吸収領域がエッチングされた
ストライプの幅で決定されるため、電流経路の変化ある
いは光分布の変化が生じたとしても、可飽和吸収領域に
おける光吸収量を一定にすることができる。その結果と
して、安定した自励発振を高い温度まで持続させること
ができる。
【0067】第2に、特性の「ばらつき」を抑えること
ができる。すなわち、エッチングストップ層18を可飽
和吸収層17として用いるものとすると、エッチング条
件によっては、リン酸エッチングの際に、わずかではあ
るが可飽和吸収層17もエッチングされる場合がある。
このために、ウェーハ毎に可飽和吸収層17の層厚に
「ばらつき」が発生し、光吸収量も変動することがあり
得る。これに対して、本実施形態によれば、可飽和吸収
層17の層厚が変動する心配はなく、安定した特性の自
励発振型レーザを高い歩留まりで製造することができ
る。
【0068】本発明者の試作の結果によれば、図4に表
した構造の半導体レーザをヒートシンク上にマウントし
て動作特性を調べた結果、発振しきい値は約40mAであ
り、出力5mWの駆動条件で温度85℃まで安定した自励
発振が得られた。また、非点隔差も1μm程度であり、
極めて微小なビームを形成することができた。
【0069】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。
【0070】図5は、本実施形態に係る半導体レーザの
構造を概念的に表す断面図である。同図については、図
1乃至図4に関して前述した部分と同一の部分には同一
の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0071】本実施形態においては、第1クラッド層1
6の上に第1の可飽和吸収層17Aが形成され、その上
にストライプ状の開口を有する電流ブロック層19が積
層されている。さらに、これらの上に第2の可飽和吸収
層17Bが積層され、その上に、第2クラッド層21、
中間層22、キャップ層23が順次積層されている。
【0072】ここで、第1の可飽和吸収層17Aと第2
の可飽和吸収層17Bの材料として、例えばInGaPを用
いると、第1の可飽和吸収層17Aをエッチングストッ
プ層としても作用させることができる。つまり、可飽和
吸収層17A、17Bの材料として、活性層14から放
出される光を吸収し、且つ電流ブロック層19よりもエ
ッチング速度が十分に低い材料を用いれば良い。
【0073】本実施形態によれば、可飽和吸収層をブロ
ック層の上下に分割して配置することによわって、格子
歪みを軽減できる。すなわち、可飽和吸収層をInGaPに
より形成した場合に、その組成によっては他の層との格
子整合が良くない場合が生ずるが、本実施形態のように
分割すれば、格子不整合による歪みを分散させて低減す
ることができる。
【0074】本発明者の試作の結果によれば、図5に表
した構造の半導体レーザをヒートシンク上にマウントし
て動作特性を調べた結果、発振しきい値は約40mAであ
り、出力5mWの駆動条件で温度80℃まで安定した自励
発振が得られた。また、非点隔差も1μm程度であり、
極めて微小なビームを形成することができた。
【0075】(第4の実施の形態)次に、本発明の第4
の実施の形態について説明する。本実施形態において
は、前述した第1乃至第3の実施形態において、可飽和
吸収層17(あるいは17A、17B)を多重量子井戸
構造(MQW)とする。
【0076】図6(a)は、本実施形態に係る半導体レ
ーザの構造の一例を概念的に表す断面図であり、図6
(b)は、その可飽和吸収層17の伝導帯エネルギバン
ド構造を表す概念図である。同図については、図1乃至
図5に関して前述した部分と同一の部分には同一の符号
を付して詳細な説明は省略する。
【0077】図6(a)に例示した半導体レーザは、第
1実施形態に関して前述したものと同様の構成を有す
る。但し、可飽和吸収層17は、図6(b)に表したよ
うに、ウエル層17aとバリア層17bとを交互に積層
させた多重量子井戸構造を有する。ウエル層17aの材
料としては、例えばInGaPを用いることができ、バリア
層17bの材料としては、例えばInGaAlPを用いること
ができる。
【0078】一般に、可飽和吸収層は、活性層14から
放出される光に対して十分に高い吸収率を有することが
必要とされる。可飽和吸収層が活性層からの光に対して
透明であると光吸収が不十分となり、自励発振が生じな
いからである。本発明者の試作評価の結果によれば、自
励発振を安定して生じさせるためには、可飽和吸収層の
バンドギャップエネルギは、活性層から放出される光の
エネルギと同等であるか、或いはそれよりも小さいこと
が望ましいことが分かった。
【0079】しかし、可飽和吸収層のバンドギャップエ
ネルギを活性層から放出される光に合わせて調節する
と、他の半導体層との間の格子定数の「ずれ」が大きく
なる。例えば、可飽和吸収層としてInGaPの3元混晶を
用いる場合には、バンドギャップエネルギと格子定数と
を独立して調節することができない。その結果として、
可飽和吸収層のバンドギャップを活性層からの光に合わ
せて調節すると、格子不整合が大きくなり、結晶欠陥が
発生して半導体レーザの初期特性や信頼性が劣化すると
いう問題が生ずる場合がある。
【0080】これに対して、本実施形態においては、可
飽和吸収層17を多重量子井戸により構成し、格子不整
合による格子歪みを緩和することができる。つまり、図
6(b)に例示したように、可飽和吸収層17のウエル
層17aのバンドギャップエネルギを活性層14から放
出される光のエネルギと略同一のものとし、可飽和吸収
を安定して生じさせる。また、バリア層17bの組成を
調節することにより、ウエル層17aの格子定数の「ず
れ」を緩和する。例えば、ウエル層17aにおいて生ず
る格子定数の「ずれ」をキャンセルするように、逆方向
の歪みを印加するようにバリア層17bの組成を調節す
れば、MQW構造全体としてみた時に、格子歪みを緩和す
ることができる。
【0081】その結果として、ウエル層17aにおいて
確実に可飽和吸収を生じさせ、安定した自励発振をさせ
つつ、結晶欠陥の発生も確実に抑制して初期特性や信頼
性を改善することができる。
【0082】本発明者の試作結果の一例を挙げると、例
えば、活性層14を構成するMQWのバリア層を膜厚5nm
のIn0.5(Al0.5Ga0.5)0.5P、ウエル層を膜厚10nmのIn
0.55Ga0 .45Pとした時には、可飽和吸収層17を構成す
るMQWのバリア層は膜厚5nmのIn0 .5(Al0.7Ga0.3)0.5Pと
し、ウエル層は膜厚10nmのIn0.55Ga0.45P〜In0.62Ga
0.38Pとすると格子歪みを緩和しつつ、安定した可飽和
吸収を生じさせることができる。具体的には、発振しき
い値は約40mAであり、出力5mWの駆動条件で温度80
℃まで安定した自励発振が得られた。また、非点隔差も
1μm程度であり、極めて微小なビームを形成すること
ができた。
【0083】また、本実施形態は、図6に例示したもの
には限定されず、第2実施形態や第3実施形態に関して
前述した半導体レーザにおいても同様に適用することが
できる。つまり、これらの実施形態における可飽和吸収
層を本実施形態に従ってMQW構造とすることにより、前
述した具体例と同様の効果を得ることができる。
【0084】以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の
形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体
例に限定されるものではない。例えば、前述した具体例
においては、n型電流ブロック層19をInAlPとしている
が、InGaAlPとしても良い。また、活性層や可飽和吸収
層のMQW構造やその他の各層の組成、層厚あるいは導電
型などに関しても、当業者が適宜設計変更して同様の効
果を得ることができる。
【0085】
【発明の効果】本発明は、以上に説明した形態で実施さ
れ、以下に説明する効果を奏する。
【0086】まず、本発明によれば、独立した可飽和吸
収層を設けることにより、安定した自励発振を可能とす
ることができる。つまり、活性層などとは別に可飽和吸
収層を設けることにより、その層厚や活性層からの距離
を精密に制御することができ、可飽和吸収量を正確に制
御することができる。その結果として、温度の変動に対
しても安定した自励発振を得ることができる。
【0087】さらに、本発明によれば、可飽和吸収層を
電流ブロック層の直下に配置し、電流ブロック層よりも
十分にエッチング速度が低い材料で形成することによ
り、半導体レーザの素子構成を簡略化しつつ、電流ブロ
ック層の加工を容易且つ確実なものとすることかでき
る。
【0088】さらに、本実施形態によれば、電流ブロッ
ク層を発振波長に対して透明な材料により形成すること
により、「実屈折率構造」を採用し、従来の半導体レー
ザと比較して動作電流を低減することができる。
【0089】また、本発明によれば、電流ブロック層の
直下に可飽和吸収層を設け、この可飽和吸収層にエッチ
ングストップ層としての役割も持たせることにより、構
造を簡略化し、且つ別体のエッチングストップ層を設け
た場合において生じうる不必要な光吸収を防ぐことがで
きる。
【0090】また、本発明によれば、可飽和吸収層を電
流ブロック層の上下に分割して設けることにより、エッ
チングストップ層を不要とし、可飽和吸収を確実に生じ
させることができる。
【0091】また、本発明によれば、可飽和吸収層を多
重量子井戸により構成することにより、ウエル層のバン
ドギャップエネルギを活性層から放出される光のエネル
ギと略同一のものとして可飽和吸収を安定して生じさせ
るとともに、バリア層の組成を調節することにより、ウ
エル層の格子定数の「ずれ」を緩和することができる。
その結果として、ウエル層において確実に可飽和吸収を
生じさせ、安定した自励発振をさせつつ、結晶欠陥の発
生も確実に抑制して初期特性や信頼性を改善することが
できる。
【0092】以上説明したように、本発明によれば、安
定した自励発振を確実に生ずる半導体レーザを提供する
ことが可能となり、特に、発振特性を改善し動作温度範
囲の上限を拡大することができるようになる。その結果
として、各種の光ディスク記録読み取りシステムを自動
車搭載などの用途において安定して動作させることが可
能となり、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発明レーザの構造
を概念的に表す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の半導体レーザの伝導帯
エネルギバンドの構造を表す概念図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る半導体レーザの製
造プロセスを表す概略工程断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザ
の構造を概念的に表す断面図である。
【図5】図5は、本発明の第3の実施の形態に係る半導
体レーザの構造を概念的に表す断面図である。
【図6】図6(a)は、本発明の第4の実施の形態に係
る半導体レーザの構造の一例を概念的に表す断面図であ
り、図6(b)は、その可飽和吸収層17のエネルギバ
ンド構造を表す概念図である。
【図7】従来の自励発振型の半導体レーザの構造を概念
的に表す断面図である。
【図8】本発明者が本発明に至る過程で試作した半導体
レーザの構造を概念的に表す断面図である。
【図9】図8の半導体レーザの伝導帯エネルギバンド構
造を表す概念図である。
【図10】図8の半導体レーザの製造プロセスを表す概
略工程断面図である。
【符号の説明】
11、101、201 基板 12、102、202 n型クラッド層 13、15、103、105、203、205 光ガイ
ド層 14、104、204 活性層 16、106、206 p型クラッド層 1 7、207 可飽和吸収層 19、116、209 電流ブロック層 2 1 p型クラッド層 22、112、212 中間層 23、113、213 キャップ層 24、114、214 p側電極 25、115、215 n側電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型の第1のクラッド層と、 前記第1のクラッド層の上に設けられた活性層と、 前記活性層の上に設けられた第2導電型の第2のクラッ
    ド層と、 前記第2のクラッド層の上に設けられ前記活性層から放
    出される光に対して可飽和吸収を生ずる可飽和吸収層
    と、 前記可飽和吸収層の上に設けられ、ストライプ状の開口
    を有し、前記活性層から放出される光に対して実質的に
    透明な第1導電型の電流ブロック層と、 前記電流ブロック層及び前記ストライプ状の開口におけ
    る前記可飽和吸収層の上に設けられた第2導電型の第3
    のクラッド層と、 を備え、 前記可飽和吸収層は、前記電流ブロック層に前記ストラ
    イプ状の開口を形成する際のエッチングストップ層を兼
    ねるように前記電流ブロック層と接して設けられたこと
    を特徴とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】第1導電型の第1のクラッド層と、 前記第1のクラッド層の上に設けられた活性層と、 前記活性層の上に設けられた第2導電型の第2のクラッ
    ド層と、 前記第2のクラッド層の上に設けられたエッチングスト
    ップ層と、 前記エッチングストップ層の上に設けられ、ストライプ
    状の開口を有し、前記活性層から放出される光に対して
    実質的に透明な第1導電型の電流ブロック層と、 前記電流ブロック層及び前記ストライプ状の開口におけ
    る前記エッチングストップ層の上に設けられ、前記活性
    層から放出される光に対して可飽和吸収を生ずる可飽和
    吸収層と、 前記可飽和吸収層の上に設けられた第2導電型の第3の
    クラッド層と、 を備えたこと特徴とする半導体レーザ。
  3. 【請求項3】第1導電型の第1のクラッド層と、 前記第1のクラッド層の上に設けられた活性層と、 前記活性層の上に設けられた第2導電型の第2のクラッ
    ド層と、 前記第2のクラッド層の上に設けられ前記活性層から放
    出される光に対して可飽和吸収を生ずる第1の可飽和吸
    収層と、 前記可飽和吸収層の上に設けられ、ストライプ状の開口
    を有し、前記活性層から放出される光に対して実質的に
    透明な第1導電型の電流ブロック層と、 前記電流ブロック層及び前記ストライプ状の開口におけ
    る前記第1の可飽和吸収層の上に設けられ、前記活性層
    から放出される光に対して可飽和吸収を生ずる第2の可
    飽和吸収層と、 前記第2の可飽和吸収層の上に設けられた第2導電型の
    第3のクラッド層と、 を備え、 前記第1の可飽和吸収層は、前記電流ブロック層に前記
    ストライプ状の開口を形成する際のエッチングストップ
    層を兼ねるように前記電流ブロック層に接して設けられ
    たことを特徴とする半導体レーザ。
  4. 【請求項4】前記活性層は、InGaPとInGaAlPの少なくと
    もいずれかを含み、 前記可飽和吸収層は、InGaPからなることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体レーザ。
  5. 【請求項5】前記可飽和吸収層は、前記活性層から放出
    される光に対して可飽和吸収を生ずるウエル層と、前記
    ウエル層よりも大きなバンドギャップエネルギを有する
    バリア層とを交互に積層させた多重量子井戸構造を有す
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載
    の半導体レーザ。
  6. 【請求項6】前記活性層は、InGaPとInGaAlPの少なくと
    もいずれかを含み、 前記可飽和吸収層の前記ウエル層はInGaPからなり、前
    記可飽和吸収層の前記バリア層はInGaAlPからなること
    を特徴とする請求項5記載の半導体レーザ。
  7. 【請求項7】前記第1乃至第3のクラッド層は、InGaAl
    Pからなり、 前記電流ブロック層は、InAlPまたはInGaAlPからなるこ
    とを特徴とする請求1〜6のいずれか1つに記載の半導
    体レーザ。
  8. 【請求項8】基板の上に第1導電型の第1のクラッド層
    を形成する工程と、 前記第1のクラッド層の上に活性層を形成する工程と、 前記活性層の上に第2導電型の第2のクラッド層を形成
    する工程と、 前記第2のクラッド層の上に、前記活性層から放出され
    る光に対して可飽和吸収を生ずる可飽和吸収層を形成す
    る工程と、 前記可飽和吸収層の上に、前記活性層から放出される光
    に対して実質的に透明な第1導電型の電流ブロック層を
    形成する工程と、 前記電流ブロック層の上にストライプ状の開口を有する
    マスクを形成する工程と、 前記可飽和吸収層のエッチング速度が前記電流ブロック
    層のエッチング速度よりも小さくなるエッチング条件に
    おいて、前記マスクの前記開口に露出する前記電流ブロ
    ック層をエッチングし前記可飽和吸収層を露出させる工
    程と、 前記マスクを除去する工程と、 前記電流ブロック層及び前記開口に露出している前記可
    飽和吸収層の上に第2導電型の第3のクラッド層を形成
    する工程と、 を備えたことを特徴とする半導体レーザの形成方法。
  9. 【請求項9】基板の上に第1導電型の第1のクラッド層
    を形成する工程と、 前記第1のクラッド層の上に活性層を形成する工程と、 前記活性層の上に第2導電型の第2のクラッド層を形成
    する工程と、 前記第2のクラッド層の上に、前記活性層から放出され
    る光に対して可飽和吸収を生ずる第1の可飽和吸収層を
    形成する工程と、 前記可飽和吸収層の上に、前記活性層から放出される光
    に対して実質的に透明な第1導電型の電流ブロック層を
    形成する工程と、 前記電流ブロック層の上にストライプ状の開口を有する
    マスクを形成する工程と、 前記第1の可飽和吸収層のエッチング速度が前記電流ブ
    ロック層のエッチング速度よりも小さくなるエッチング
    条件において、前記マスクの前記開口に露出する前記電
    流ブロック層をエッチングし前記第1の可飽和吸収層を
    露出させる工程と、 前記マスクを除去する工程と、 前記電流ブロック層及び前記開口に露出している前記第
    1の可飽和吸収層の上に、前記活性層から放出される光
    に対して可飽和吸収を生ずる第2の可飽和吸収層を形成
    する工程と、 前記第2の可飽和吸収層の上に第2導電型の第3のクラ
    ッド層を形成する工程と、 を備えたことを特徴とする半導体レーザの製造方法。
  10. 【請求項10】前記活性層は、InGaPとInGaAlPの少なく
    ともいずれかを含み、 前記可飽和吸収層は、InGaPからなることを特徴とする
    請求項8または9のいずれかに記載の半導体レーザの製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006148006A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Sharp Corp 半導体レーザ素子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006148006A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Sharp Corp 半導体レーザ素子

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