JP2001220623A - かさ歯車を製造する方法 - Google Patents

かさ歯車を製造する方法

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JP2001220623A JP2000397785A JP2000397785A JP2001220623A JP 2001220623 A JP2001220623 A JP 2001220623A JP 2000397785 A JP2000397785 A JP 2000397785A JP 2000397785 A JP2000397785 A JP 2000397785A JP 2001220623 A JP2001220623 A JP 2001220623A
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Roland C Smith
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸炭又は機械加工又はこれ等の両方を必要と
しないかさ歯車を製造する方法を提供することにある。 【解決手段】 所望の製品歯車の歯形及び歯寸法を持つ
かさ歯車先行物が得られるまで、少なくとも０．４重量
％の炭素含量を持つ鋼素材を鍛造し、各歯の機械加工を
行わないで誘導加熱により、かさ歯車先行物の歯１２を
焼入れする。初めの鍛造品１０は歯をさらに機械加工す
る必要がないように十分に精密である。この場合鍛造品
１０にＡＧＭＡ第６級の公差が必要である。この歯車は
次いで所望の硬さ輪郭が得られるように、先ずたとえば
１０ＫＨｚで予熱し、次いでたとえば５０ＫＨｚで誘導
加熱することにより誘導加熱焼入れを行う。この結果ロ
ックウェルＣスケールで少なくとも５０なるべくは６０
の表面２２硬さと、ロックウェルＣ４５を越えないなる
べくはロックウェル２５ないしロックウェル４０のコア
２４の硬さとを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、歯車を調製し（ｐｒｅ
ｐａｒｅ）又このようにして得られる歯車を作る方法、
ことに誘導加熱焼入れした鍛造歯車（ｉｎｄｕｃｔｉｏ
ｎ ｈａｒｄｅｎｅｄ ｆｏｒｇｅｄ ｇｅａｒ）と、
このような歯車を調製する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】典型的には約０．２重量％の炭素を含む
低炭素鋼の熱処理品を鍛造し機械加工することから成る
歯車の前処理を行う方法はよく知られている。この種の
低炭素鋼を使う場合の不利な点は二通りある。第１に、
このような低炭素鋼で出発するときは通常十分な硬さが
得られないから、浸炭熱処理（ｃａｒｂｕｒｉｚｉｎｇ
ｈｅａｔ ｔｒｅａｔｍｅｎｔ）が必要である。第２に
約０．２重量％の炭素を含む低炭素鋼は、誘導加熱処理
（ｉｎｄｕｃｔｉｏｎ ｈｅａｔ ｔｒｅａｔｉｎｇ）
によっては熱処理することができない。
【０００３】トラックのような重荷重自動車用のリング
・ギヤは約０．０５重量％ないし０．４重量％の炭素を
含む低炭素鋼ないし中炭素鋼で出発して実質的に前記し
たような方法により作ることができるのは従来報告され
ている。さらに鋼材は精密鍛造して（ｐｒｅｃｉｓｉｏ
ｎ ｆｏｒｇｅｄ）、仕上げの熱処理後にもはや歯形
（ｔｏｏｔｈ ｐｒｏｆｉｌｅ）の形削り（ｓｈａｐｉ
ｎｇ）を必要としないようにできることが報告されてい
る。しかしこの方法では浸炭熱処理を使う必要がある。
【０００４】鍛造とこの鍛造により得られる鍛造品の機
械加工と誘導加熱とを含む、自動車用リング・ギヤを製
造する方法も知られている。この方法では素材は各歯車
歯の側壁からわずかに約０．０７０インチの金属材を除
くだけでよいように鍛造したアニア・ネット＠（Ａｎｅ
ａｒ・ｎｅｔ＠）である。得られる鍛造品を、次いで機
械加工し、高炭素鋼を使うときは、最後にリング・ギヤ
面を高周波輪郭焼入れする（ｃｏｎｔｏｕｒ ｉｎｄｕ
ｃｔｉｏｎ ｈａｒｄｅｎｅｄ）ことができる。この方
法は又０．０５％炭素ないし０．６％炭素を含む中炭素
鋼に応用できるものとして述べられている。
【０００５】現在知られている歯車製造方法は、自動車
用のリング・ギヤのように運動伝達誤差（ＭＴＭ）の低
い歯車又は自動車用のデフ・ギヤ[ｄｉｆｆｅｒｅｎｔ
ｉａｌ ｇｅａｒ]（たとえばピニオン組合いギヤ［ｐ
ｉｎｉｏｎ ｍａｔｅ ｇｅａｒ］又はサイド・ギヤ
［ｓｉｄｅ ｇｅａｒ］）のようなアハイ（Ａｈｉｇ
ｈ）ＭＴＭ＠歯車を作るのに使うか、或は芝刈り機及び
ゴルフ・カート等のような軽車両用の歯車を作るのに使
うかのいずれの場合にも、一般に浸炭又は機械加工或は
これ等の両方を必要としている。さらにこのような作業
は製作費用がかなり加算される。さらにこれ等の段階を
必要とするこのような方法は高ＭＴＭトルク・ギヤの製
造には不必要である。
【０００６】
【発明の要約】本発明は、自動車デフ・ギヤ（たとえば
ピニオン組合いギヤ又はサイド・ギヤ）のような高ＭＴ
Ｍ歯車とゴルフ・カート及び芝刈り機のような小形車両
用の歯車との安価な製法を提供する。この歯車はすぐば
かさ歯車（ｓｔｒａｉｇｈｔｂｅｖｅｌ ｇｅａｒ）又
はまがりばかさ歯車（ｓｐｉｒａｌ ｂｅｖｅｌ ｇｅ
ａｒ）のいずれでもよい。自動車デフ・ギヤは通常すぐ
ばかさ歯車型である。この場合作られるその他の歯車は
すぐばかさ歯車又はまがりばかさ歯車型のいずれかであ
る。
【０００７】本発明方法は、所望の製品歯車の歯形（ｔ
ｏｏｔｈ ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ）及び歯寸法を
実質的に持つかさ歯車先行物（ｂｅｖｅｌ ｇｅａｒ
ｐｒｅｃｕｒｓｏｒ）が得られるまで少なくとも約０．
４重量％の炭素含量を持つ鋼素材を鍛造することにより
歯を持つかさ歯車を形成し、次いでたとえばロックウェ
ルＣ５０又はそれ以上の比較的高い表面硬さと、約ロッ
クウェルＣ４５又はそれ以下のロックウェル硬さを持つ
一層軟らかいコアとを持つ歯車が得られるように、前記
のようにして得られる先行物（ｐｒｅｃｕｒｓｏｒ）を
誘導加熱焼入れ（ｉｎｄｕｃｔｉｏｎ ｈａｒｄｅｎｉ
ｎｇ）によって焼入れすることから成る。
【０００８】本発明は、ピニオン組合いギヤ及びサイド
・ギヤのようなデフ・ギヤと低いＭＴＭ（４０マイクロ
・ラジアン以下）で作らなくてもよいその他のギヤとに
とくに適し機械加工及び浸炭熱処理の費用のかかる段階
をなくす安価な製造方法を提供する。
【０００９】
【実施例】以下本発明をその良好かつ好適な実施例を含
む各例について詳細に説明する。とくに本説明では自動
車ディファレンシャル用のすぐばかさ歯車の形成に関し
て述べる。このすぐばかさ歯車はピニオン組合いギヤ又
はサイド・ギヤでよい。これ等の歯車は共に通常デフ・
ケース内に位置させる。前記したように本発明は又、軽
車両たとえば芝刈り機及びゴルフ・カートに使われるよ
うなその他のアハイ・ＭＴＭ＠歯車の製作に応用でき
る。
【００１０】本発明方法用の出発材料は、少なくとも約
０．４重量％の炭素なるべくは少なくとも約０．４５重
量％炭素を含む鋼合金表面を持つ歯車素材（ｇｅａｒ
ｂｌａｎｋ）である。好適な炭素含量は０．５重量％で
ある。とくに好適な出発鋼材は、０．５重量％の炭素含
量を持つＳＡＥ１０５０である。他の適当な合金鋼は同
様に０．５重量％の炭素含量を持つＡＩＳＩ８６５０で
ある。
【００１１】図１で段階（ｓｔｅｐ）Ａとした第１の段
階は、外周面に複数の歯１２を持ち又ウエブ１４及び中
心穴１６を持つ歯車鍛造品１０を得ることである。段階
Ａで得られる鍛造品すなわち歯車先行物（ｇｅａｒ ｐ
ｒｅｃｕｒｓｏｒ）は、歯車歯の機械加工又は仕上げ研
削をもはや必要としないように実質的に最終製品歯車に
必要な形状及び寸法に鍛造することにより形成される歯
１２を持つ。この精度の得られる鍛造法はよく知られて
いる。最大の絶対的な好適とする偏差は米国歯車製造業
者協会（ＡＧＭＡ）第６級の公差による。
【００１２】本発明方法の第２の段階は、図１の段階Ｂ
として示され歯車１０の歯のない区域に機械加工するこ
とである。機械加工されるこれ等の歯のない区域は、た
とえばウエブ１４、穴１６、取付け肩部およびＡＩＤ＠
（内径）スプライン（サイド・ギヤに必要である）を備
える。前記したように、これ等は仕上がり製品に必要な
精度内に鍛造してあるから、歯車歯１２の機械加工は必
要がない。
【００１３】次の段階は、図１に段階Ｃとして示すよう
に歯車歯を焼入れするために誘導加熱（ｉｎｄｕｃｔｉ
ｏｎ ｈｅａｔｉｎｇ）により歯車を加熱することであ
る。この歯車の他の区域も又必要に応じこのときに焼入
れする。このことは、先ず歯車を予熱するように、この
歯車に約１０キロヘルツ（ＫＨｚ）の比較的低い周波数
を加え次いで歯車全体を加熱し所望の硬さ輪郭が得られ
るように５０ＫＨｚの一層高い周波数を加える多周波数
誘導加熱機（ｍｕｌｔｉｐｌｅ ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ
ｉｎｄｕｃｔｉｏｎ ｈｅａｔｉｎｇ ｍａｃｈｉｎ
ｅ）２０で誘導加熱を実施することにより行われる。な
お一般的に、一層低い周波数は約３ないし約２０ＫＨｚ
なるべくは約３ないし約１０ＫＨｚである。一層高い周
波数は約４０ないし約２５０ＫＨｚなるべくは約４０な
いし約６０ＫＨｚであり５０ＫＨｚが最もよい。この用
途に適当な誘導加熱機（ｉｎｄｕｃｔｉｏｎ ｈｅａｔ
ｉｎｇ ｍａｃｈｉｎｅ）は米国オハイオ州クリーブラ
ンドのアジャクス・マグネサーミック（Ａｊａｘ Ｍａ
ｇｎｅｔｈｅｒｍｉｃ）社製のアジャクス実験機（ラボ
ラトリ）である。好適な硬さ輪郭（ｈａｒｄｎｅｓｓ
ｐｒｏｆｉｌｅ）は、ロックウェルＣスケールで少なく
とも５０（ロックウェルＣ５０）なるべくはロックウェ
ルＣ６０の表面硬さ（ｓｕｒｆａｃｅ ｈａｒｄｎｅｓ
ｓ）と、ロックウェルＣ４５を越えないなるべくはロッ
クウェルＣ２５ないしロックウェルＣ４０のコア硬さ
（ｃｏｒｅ ｈａｒｄｎｅｓｓ）とを備える。
【００１４】先ず比較的低い周波数たとえば１０ＫＨｚ
で先ず予熱し、歯車をコアから外方に表面に向かい加熱
する。一層高い周波数たとえば５０ＫＨｚ誘導加熱によ
り歯車を表面から内方に向かい加熱する。５０ＫＨｚの
誘導加熱後の歯車の最終温度は約１７００ＥＦのオース
テナイト化温度以上でなければならい。
【００１５】この歯車の炭素含量は誘導加熱の前後両方
と実質的に同じである。第１に浸炭ふん囲気は使わな
い。第２に誘導加熱は、浸炭処理中に生ずるような炭素
転移に対して短かすぎる。
【００１６】誘導加熱歯車は、適当な焼入液（ｑｕｅｎ
ｃｈｉｎｇ ｍｅｄｉｕｍ）で焼入れされる。工業用の
ポリマー水焼入液を使えばよい。このような焼入液の使
用により急冷作用が生じ、従ってオーステナイトや金学
的組織がマルテンサイト組織に変換する。得られる焼入
れ歯車は所望の表面硬さすなわち少なくとも約ロックウ
ェルＣ５０なるべくは少なくとも約ロックウェルＣ６０
の硬さを持つ。水による焼入れは強すぎるので焼入液と
して水の使用は避ける。空気冷却は、この冷却が遅すぎ
て、所望の表面特性を持たない望ましくないや金学的組
織（たとえばマルテンサイト）に歯車が戻るので使用さ
れない。
【００１７】最後に段階Ｃで得られる誘導加熱焼入れの
鍛造歯車は所望により仕上げ処理（図１には示してな
い）を行う。この段階は随意であり多くの場合省かれ
る。
【００１８】図２は歯車１０の中心軸線に沿って見た部
分図であり、３個の逐次の歯車歯１２を示す。各歯車歯
１２は焼入れした表面区域２２と硬さの一層低いコア２
４とを持つ。焼入れ表面区域２２すなわち層は少なくと
もロックウェルＣ５０なるべくは少なくともロックウェ
ルＣ６０の硬さを持ち、又コア２４は前記したようにロ
ックウェルＣ４５を越えないなるべくはロックウェルＣ
２５ないしロックウェルＣ４０の硬さを持つ。
【００１９】本発明方法をとくにすぐばかさ歯車の製造
に関して述べた。しかし本発明方法は又図３に示したま
がりばかさ歯車３０のようなまがりばかさ歯車の製造に
も使うことができる。まがりばかさ歯車３０の構造は普
通のものであるから詳細には述べない。
【００２０】本製法は、自動車ディファレンシャル用の
ピニオン組合いギヤ及びサイド・ギヤのように重トルク
荷重は支えないギヤと共に芝刈り機及びゴルフ・カート
のような軽車両用のギヤとの前記したような製造にとく
に適した安価な経済的方法である。本発明方法により得
られる歯車は、このような歯車に必要な寸法上及び保守
上の全部の要求に適応し現用の公知の寸法を使ってでき
るよりもはるかに安い費用で得られる。
【００２１】以上本発明を好適な実施例について詳細に
説明したがこれ等の説明は単に例示しただけであり本発
明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明方法の逐次の段階Ａ、Ｂ、Ｃにおける加
工歯車の軸断面図である。
【図２】焼入れ区域を示す歯車歯部分の拡大横断面図で
ある。
【図３】本発明方法により調製できるまがりばかさ歯車
の正面図である。
【符号の説明】
１０ 歯車鍛造品 １２ 歯車歯 ２２ 表面 ２４ コア
【手続補正書】
【提出日】平成１３年３月１６日（２００１．３．１
６）
【手続補正１】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図１】
【図２】
【図３】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロウランド、ジー、スミス アメリカ合衆国インディアナ州46542、ミ ルフォード、エヌ・キャマラット・トレイ ル 12321番

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 （ａ）実質的に所望の製品歯車の歯形及
    び歯寸法を持つかさ歯車先行物が得られるまで、少なく
    とも約０．４重量％の炭素含量を持つ金属素材を鍛造す
    ることにより歯を持つかさ歯車用の先行物を形成する段
    階と、 （ｂ）前記歯の機械加工は行わないで誘導加熱焼入れに
    より前記かさ歯車先行物の各歯を焼入れする段階と、を
    包含する、かさ歯車を製造する方法。
  2. 【請求項２】 前記かさ歯車が、すぐばかさ歯車である
    請求項１のかさ歯車を製造する方法。
  3. 【請求項３】 前記かさ歯車が、まがりばかさ歯車であ
    る請求項１のかさ歯車を製造する方法。
  4. 【請求項４】 前記かさ歯車が、自動車用デフ・ギヤで
    ある請求項１のかさ歯車を製造する方法。
  5. 【請求項５】 前記鋼素材が、少なくとも約０．４５重
    量％の炭素含量を持つ、請求項１のかさ歯車を製造する
    方法。
  6. 【請求項６】 前記鋼素材が、少なくとも約０．５重量
    ％の炭素含量を持つ、請求項１のかさ歯車を製造する方
    法。
  7. 【請求項７】 前記誘導加熱焼入れが、約３ないし約２
    ０ＫＨｚの第１の周波数で次いで約４０ないし約２５０
    ＫＨｚの第２の周波数で加熱することを含む請求項１の
    かさ歯車を製造する方法。
  8. 【請求項８】 前記製品歯車が、少なくとも約ロックウ
    ェルＣ５０の表面硬さと、約ロックウェルＣ４５より高
    くないコア硬さとを持つ、請求項１のかさ歯車を製造す
    る方法。
  9. 【請求項９】 請求項１の方法により作った歯車。
  10. 【請求項１０】 前記歯車が、少なくとも約ロックウェ
    ルＣ５０の表面硬さと、約ロックウェルＣ４５より高く
    ないコア硬さとを持つ、請求項９の歯車。
  11. 【請求項１１】 前記歯車が、自動車用デフ・ギヤであ
    る請求項９の歯車。
  12. 【請求項１２】 前記歯車が、デフ・ピニオン組合い歯
    車である請求項９の歯車。
  13. 【請求項１３】 前記歯車が、デフ・サイド・ギヤであ
    る請求項１１の歯車。
  14. 【請求項１４】 前記歯車がすぐばかさ歯車である請求
    項９の歯車。
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