JP2001212603A - オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法

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JP2001212603A
JP2001212603A JP2000025157A JP2000025157A JP2001212603A JP 2001212603 A JP2001212603 A JP 2001212603A JP 2000025157 A JP2000025157 A JP 2000025157A JP 2000025157 A JP2000025157 A JP 2000025157A JP 2001212603 A JP2001212603 A JP 2001212603A
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stainless steel
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austenitic stainless
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JP2000025157A
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English (en)
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Toshiki Hiruta
敏樹 蛭田
Yukihiro Matsubara
行宏 松原
Shinzo Uchimaki
信三 内牧
Kunio Yoshida
邦雄 吉田
Hideya Furusawa
英哉 古澤
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラブの幅方向両端部を充分に変形させるこ
とができ、かつエッジシーム疵回り込み量を減少可能な
オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 カリバー溝の側壁で形成されたスラブの
コーナー部の幅方向切欠き長さを20〜40mmとし、かつカ
リバー溝の側壁で形成されたスラブのコーナー部の厚み
方向切欠き長さを幅プレス前のスラブ厚みの10〜15%に
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーステナイト系
ステンレス鋼板の製造方法に関し、特に、オーステナイ
ト系ステンレス鋼スラブを熱間圧延する過程で、鋼板の
板幅方向のエッジ近くに発生する圧延方向に長い表面欠
陥( 以下、エッジシーム疵と呼ぶ。) を防止するオース
テナイト系ステンレス鋼板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼板は、所
定の成分に調整された溶鋼を連続鋳造してスラブとし、
このスラブを加熱炉で加熱した後、プレス金型による幅
プレスと、竪ロールによる幅圧下と水平ロールによる厚
み圧下とを施し、巻き取って熱延鋼板とし、熱延鋼板に
焼鈍・酸洗、冷間圧延等を施して製造されている。
【0003】オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方
法において、プレス金型による幅プレスは、連続鋳造す
るスラブ幅を統合でき、コスト削減効果が大きいので、
オーステナイト系ステンレス鋼のスラブには、普通幅プ
レスが施され、熱延鋼板とされている。しかしながら、
幅プレスを施した熱延鋼板には、図9に示すように、圧
延方向に長く延びたエッジシーム疵が発生する場合があ
った。
【0004】オーステナイト系ステンレス鋼板は、厨房
製品、建材等表面性状を重視する製品に多く用いられて
いる。このため、熱延鋼板にエッジシーム疵が発生した
場合には、コイルグランインダーによる表面研削や再酸
洗を施したり、もしくは熱延鋼板の耳切量を増大してエ
ッジシーム疵を除去しなければならず、鋼板の歩留りが
低下する。そこで、オーステナイト系ステンレス鋼板を
製造する際には、エッジシーム疵の発生を抑制すること
が強く要求されている。
【0005】たとえば、特公平4-33521 号公報には、幅
プレス時のスラブのコーナー部における過冷を防止し、
水平圧延による割れを防止することを目的とした、台形
状のカリバー溝を有するプレス金型が開示されている。
ここで、特公平4-33521 号公報に開示されているプレス
金型は、図6、図7に示すプレス金型230A、230Bにおい
て、上下側壁310 の傾斜角度θを8〜45°とし、溝深さ
Dを5〜20mm、溝底の間隔C1 をスラブ100 の最小厚み
1 より15〜5mm小さく、かつ溝開口の間隔C2 をスラ
ブ100 の最大厚みd2 より10〜25mm大きくしている。
【0006】そして、特公平4-33521 号公報に開示され
ているプレス金型においては、スラブ厚がH0 の場合、
図7に示すようにスラブ100 のコーナー部をカリバー溝
の側壁310 に当接し、図8に示すように、側壁310 の傾
斜がスラブ100 のコーナー部に形成されるまで幅方向に
幅プレスしている。しかしながら、特公平4-33521 号公
報に記載のプレス金型でスラブを幅プレスした場合に
は、カリバー溝の溝深さDが最大20mmであるため、カリ
バー溝の側壁310 で形成されるスラブのコーナー部の幅
方向の最大切欠き長さは20mm未満となり、幅方向両端部
の上下面のコーナー部に充分な変形量を加えることがで
きず、オーステナイト系ステンレス鋼板のエッジシーム
疵回り込み量を減少できないという問題があった。
【0007】一方、特開平5−23703 号公報には、表面
疵の1種である「小山へげ」と称する微小な割れの少な
いオーステナイト系ステンレス熱延鋼板を製造すること
を目的とし、スラブの表面温度が1230℃以上になってか
らの保持時間を90分以下とし、かつ下記(1)〜(2)
の内のいずれか1つ以上の対策を施すことが開示されて
いる。(1)素材のスラブとしてオシレーションマーク
の平均深さが0.2 mm以下のスラブを用いる。(2)加熱
後、スラブの両側面の厚み中央部にスラブ厚の2〜15%
の深さの窪みをスラブ長手方向にわたって付与する。
(3)熱間圧延の初期の3パス以上をロール径が1000mm
以下の小径ロールにて圧延を行う。
【0008】しかしながら、特開平5−23703 号公報に
記載されているオーステナイト系ステンレス鋼板の製造
方法においては、所定のカリバー溝を有するプレス金型
で幅プレスしていなかったので、オーステナイト系ステ
ンレス鋼板のエッジシーム疵回り込み量を減少できない
という問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の上記問題点を解消することにあり、スラブの幅方
向両端部の上下面のコーナー部を充分に変形させること
ができ、かつエッジシーム疵回り込み量を減少可能なオ
ーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、連続鋳造されたオーステナイト系ステンレス鋼のス
ラブを加熱し、カリバー溝を有するプレス金型で幅プレ
スし、次いで、竪ロールでの幅圧下と水平ロールでの厚
み圧下とを複数回施して鋼板とするオーステナイト系ス
テンレス鋼板の製造方法において、前記カリバー溝の側
壁で形成されたスラブのコーナー部の幅方向切欠き長さ
を20〜40mmとし、かつ前記カリバー溝の側壁で形成され
たスラブのコーナー部の厚み方向切欠き長さを幅プレス
前のスラブ厚みの10〜15%にすることを特徴とするオー
ステナイト系ステンレス鋼板の製造方法である。
【0011】請求項2記載の本発明は、前記竪ロールで
の少なくとも最初の幅圧下量を20〜40mmとすることを特
徴とする請求項1に記載の発明である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のオーステナイト
系ステンレス鋼板の製造方法について、図1〜図5を用
いて詳細に説明する。図1は、本発明に用いて好適な熱
間圧延設備の1例の配置図であり、21は加熱炉、22はデ
スケーリング装置、23は幅プレス装置(これのみ平面
図)、24は粗圧延機列、25は仕上圧延機列、26はコイラ
である。粗圧延機列24は、竪ロール27(E1 、E2、E3、E
4)と水平ロール28(R1、R2、R3、R4)を有する4基の
粗圧延機を備え、仕上圧延機列25は7基の仕上げ圧延機
を備えている。
【0013】また、図2(a)、図2(b)は、本発明
における幅プレス後のスラブのコーナー形状を示す断面
を含む斜視図および部分拡大図であり、図3は、本発明
に用いるプレス金型の一例を示す縦断面図である。図4
は、本発明における幅プレスを説明する平面図であり、
図5は、本発明における幅プレス中のスラブ厚みを示す
断面図である。
【0014】なお、10はスラブ、11は側面、L1 は幅方
向切欠き長さ、L2 は厚み方向切欠き長さであり、23A
、23B はプレス金型、30は溝底、31は側壁、32は入側
傾斜部、33は平行部である。また、C1 は溝底の間隔、
2 は溝開口の間隔、Dは溝深さ、θは側壁の傾斜角
度、W0 は幅プレス前のスラブ幅、W1 は幅プレス後の
スラブ幅、H0 は幅プレス前のスラブ厚みである。
【0015】本発明のオーステナイト系ステンレス鋼板
は、所定の成分に調整された溶鋼を連続鋳造してスラブ
とし、このスラブを図1に示す熱間圧延設備の加熱炉21
で加熱した後、幅プレス装置23に設けられたカリバー溝
を有するプレス金型で幅プレスを施し、次いで、竪ロー
ル27による幅圧下と水平ロール28による厚み圧下とを複
数回施し、仕上圧延機列25で仕上圧延し、コイラ26で巻
き取って熱延鋼板とし、この熱延鋼板に焼鈍・酸洗、冷
間圧延等を施して製造されている。なお、加熱炉21内で
生成したスケールは、デスケーリング装置22で除去され
る。
【0016】本発明のオーステナイト系ステンレス鋼板
の製造方法においては、図2(a)、図2(b)に示す
ように、カリバー溝の側壁で形成されたスラブのコーナ
ー部の幅方向切欠き長さを20〜40mmとし、かつカリバー
溝の側壁で形成されたスラブのコーナー部の厚み方向切
欠き長さを幅プレス前のスラブ厚みの10〜15%にするこ
とを特徴としている。
【0017】先ず、スラブ10の幅方向両端の上下コーナ
ー部を、図2(a)、図2(b)に示すように、カリバ
ー溝の側壁で形成することによって、エッジシーム疵回
り込み量が減少する理由について説明する。本発明のオ
ーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法においては、
図3に示すようなカリバー溝を有するプレス金型を用い
て、図4に示すように加熱されたスラブ10に幅プレスを
施している。すなわち、加熱されたスラブ10をプレス金
型23A 、23B で挟み、プレス金型23A 、23B にそれぞれ
設けられた入側傾斜部32および平行部33でスラブ10を幅
方向に押圧している。このプレス金型23A 、23B による
幅プレスを、スラブ10の長さ方向に繰り返すことによ
り、スラブ10の幅を全長にわたって、スラブ幅W0 から
スラブ幅W1 に縮小している。
【0018】ここで、本発明に用いるプレス金型23A 、
23B の入側傾斜部32および平行部33には、図3、図4に
示すように、溝底30に向かって上下の側壁31の間隔を狭
くしたカリバー溝が設けてある。図3においては、幅プ
レス装置23の一方側の金型23A を示しているが、図4に
示す他方側の金型23B にも同様なカリバー溝が設けてあ
る。
【0019】そこで、カリバー溝を有するプレス金型23
A 、23B で幅プレスすると、図5に示すように、スラブ
10の幅方向両端部の上コーナー部は、傾斜角度θの上側
壁31によりスラブ10の幅方向の内側に向かってそれぞれ
変形し、スラブ10の幅方向両端部における下コーナー部
は、傾斜角度θの下側壁31によりスラブ10の幅方向の内
側に向かってそれぞれ変形する。
【0020】よって、幅プレス後のスラブのコーナー部
は、図2(a)、図2(b)に示すように、切欠き形状
となる。そして、スラブ10のコーナー部は、切欠き形状
となっており、コーナー部は部分的に大きな変形を受け
るため、スラブ10の幅方向両端部の上下面のコーナー部
における結晶粒を微細にする効果があり、皺の凹凸量を
小さくでき、エッジシーム疵回り込み量を抑制できるの
である。
【0021】カリバー溝の側壁31で形成されたスラブの
コーナー部の幅方向切欠き長さL1を20〜40mmとし、か
つカリバー溝の側壁31で形成されたスラブのコーナー部
の厚み方向切欠き長さL2 を幅プレス前のスラブ厚みH
0 の10〜15%にするカリバー溝の形状について、以下に
説明する。カリバー溝の形状は、図5に示した溝底30に
垂直な縦断面から明らかなように、幅プレス量(W0
1 )を50mmから300 mmの範囲とした場合、幅方向切欠
き長さL1 が厚み方向切欠き長さL2 とtan θとの積に
等しく、厚み方向切欠き長さL2 が(H0 −C1 )/2
に等しいこと、およびスラブのコーナー部の幅方向切欠
き長さL1 を20〜40mmとすることから、カリバー溝の溝
底の間隔C1 は(1)式、カリバー溝の上下側壁の傾斜
角度θは(2)式、カリバー溝の溝深さDは20mmを超え
るようにする。
【0022】 C1 =(1−2×α)×H0 ・・・・・(1) θ=tan -1(L1 /(α×H0 )) ・・・・(2) ただし、α=0.10〜0.15、L1 =20〜40mm ここで、スラブ10のコーナー部の幅方向切欠き長さL1
を20〜40mmとし、かつ厚み方向切欠き長さL2 を幅プレ
ス前のスラブ厚みH0 の10〜15%にする理由について、
以下の実験1〜3により説明する。 (実験1)厚さ 200mm、幅 1300mm の連続鋳造されたオ
ーステナイト系ステンレス鋼(C:0.05mass%, Si:0.35
mass%, Mn:0.2 mass%, Cr:18.5mass%, Ni:8.2 ma
ss%)のスラブを図1に示す加熱炉21に装入し、1280℃
×2hr均熱した。
【0023】均熱したスラブを、図1に示す熱間圧延設
備列のライン上に抽出し、デスケーリング装置22で脱ス
ケールし、幅プレス装置23において、表1に示すコーナ
ー形状にプレスするプレス金型でそれぞれ幅プレスを施
し、粗圧延機列24に送給し、粗圧延のR1リバース圧延
(1、2、3パス)およびR2、R3、R4の一方向圧延
(4、5、6パス)を施し、シートバーとした。なお、
幅プレス後、初めの竪ロールでの幅圧下量は、10mmとし
た。
【0024】このシートバーの定常部から幅方向両端部
の試料を切り出し、光学顕微鏡観察によりエッジシーム
疵廻り込み量を調査した。シートバーの定常部における
エッジシーム疵廻り込み量は、表1下欄に示すように評
価し、この結果を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】(実験2)厚さ 200mm、幅 1300mm の、実
験1に用いたスラブと同じ成分のオーステナイト系ステ
ンレス鋼スラブを用い、実験1と同じ条件で加熱後、実
験1で用いたプレス金型でそれぞれ幅プレスを施し、幅
プレス後、初めの竪ロールにおける幅圧下量を20mmと
し、初めの竪ロールにおける幅圧下量を20mmとした以外
は、実験1と同様にしてシートバーを得、エッジシーム
疵廻り込み量を評価した。
【0027】エッジシーム疵廻り込み量の評価結果を表
2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】(実験3)厚さ 200mm、幅 1300mm の、実
験1に用いたスラブと同じ成分のオーステナイト系ステ
ンレス鋼スラブを用い、実験1と同じ条件で加熱後、実
験1で用いたプレス金型でそれぞれ幅プレスを施し、幅
プレス後、初めの竪ロールにおける幅圧下量を40mmと
し、初めの竪ロールにおける幅圧下量を40mmとした以外
は、実験1と同様にしてシートバーを得、エッジシーム
疵廻り込み量を評価した。
【0030】エッジシーム疵廻り込み量の評価結果を表
3に示した。
【0031】
【表3】
【0032】以上の表1〜表3に示したエッジシーム疵
廻り込み量の評価結果からわかるように、スラブ10のコ
ーナー部の幅方向切欠き長さL1 を20〜40mmとし、かつ
厚み方向切欠き長さL2 を幅プレス前のスラブ厚みH0
の10〜15%にした場合には、スラブ10の幅方向両端部の
上下面のコーナー部における変形量を部分的に大きくで
きるため、この範囲を外れた場合よりもエッジシーム疵
の評価が良好となっている。
【0033】よって、幅方向切欠き長さL1 を20mm〜40
mm、厚み方向切欠き長さL2 をスラブ厚みの10〜15%に
するのである。ここで、スラブのコーナー部の幅方向切
欠き長さL1 を10mm未満、またはスラブのコーナー部の
厚み方向切欠き長さL2 をスラブ厚みの10%未満とした
場合には、上下面のコーナー部における変形量が不足
し、スラブのコーナー部の微細化の程度が不十分である
ため、エッジシーム疵回り込み量の評価が劣り、一方、
スラブのコーナー部の幅方向切欠き長さL1 が40mmを超
えた場合、もしくはスラブのコーナー部の厚み方向切欠
き長さL2 がスラブ厚みの15%を超えた場合には、カリ
バー溝の側壁で変形を受けるスラブコーナー部の範囲が
広くなり、スラブコーナー部が部分的に増厚し、続く水
平パスでヘゲ状のエッジシーム疵となり、エッジシーム
疵回り込み量の評価が劣るものと考えられる。
【0034】また、本発明におけるオーステナイト系ス
テンレス鋼板の製造方法においては、竪ロールでの少な
くとも最初の幅圧下量を20〜40mmとするのが好ましい。
この理由は、幅圧下量を20mm未満とした場合には、表1
〜表3に示したエッジシーム疵廻り込み量の評価結果か
らわかるように、竪ロールによる圧下が不足し、スラブ
の幅方向両端における結晶粒の微細化の程度が不十分と
なり、エッジシーム疵回り込み量を十分に抑制できな
い。
【0035】一方、幅プレス後、竪ロールによる幅圧下
量が40mmを超えた場合には、竪ロール圧延時の尾端での
座屈、ねじれが発生しやすく問題となる。よって、本発
明の製造方法においては、竪ロールでの少なくとも最初
の幅圧下量を20〜40mmとするのが好ましいのである。
【0036】
【実施例】厚さ 200mm、板幅 1300mm の連続鋳造された
オーステナイト系ステンレス鋼(C:0.05mass%, Si:0.
35mass%, Mn:0.2 mass%, Cr:18.5mass%, Ni:8.2
mass%)のスラブを、図1に示す加熱炉21に装入し、12
80℃×2hr均熱した。均熱したスラブを、図1に示す熱
間圧延設備列のライン上に抽出し、デスケーリング装置
22で脱スケールし、幅プレス装置23において、表5に示
す異なったコーナー形状にプレス金型でそれぞれ幅プレ
スを施し、粗圧延機列24に送給し、粗圧延のR1リバース
圧延(1、2、3パス)およびR2、R3、R4の一方向圧延
(4、5、6パス)を施し、30mmのシートバーとした。
このシートバーを仕上圧延機列25に送給して、厚み4mm
に仕上圧延し、コイラー26に巻き取って熱延コイルを
得、得られた熱延コイルの酸洗・焼鈍後のエッジシーム
疵回り込み量を測定した。
【0037】なお、発明例においては、前記幅プレス
後、E1の堅ロールでは5〜40mmの幅圧下を行った。ま
た、堅ロールの使用は、E1のみとした。これは、エッ
ジシーム疵回り込み量は、E2以降のパスにおける堅ロ
ールでの幅圧下量を増減しても、エッジシーム疵回り込
み量は変わらなかったからである。粗圧延機列での厚み
圧下スケジュールを表4に示した。
【0038】スラブ番号A11〜A14の従来例として、幅
プレス装置23において、表5に示すコーナー形状に幅プ
レスし、E1の堅ロールによる幅圧下量を0〜30mmの範
囲で変化させ、その他は発明例と同様とした。また、ス
ラブ番号A21の従来例として、スラブの厚さ方向中央部
に凸形状を付与したプレス金型(凸高さ20mm、上底長さ
100mm、下長さ 200mm)で幅プレスを施し、E1の堅ロ
ールによる幅圧下量を20mmとし、その他は発明例と同様
とした。
【0039】また、比較例として、スラブのコーナー部
の幅方向切欠き長さL1 が40mmを超えて幅プレス(スラ
ブ番号B26 )し、もしくはスラブのコーナー部の厚み方
向切欠き長さL2 がスラブ厚みの15%を超えて(スラブ
番号B27 )し、その他は発明例と同様とした。発明例、
比較例および従来例のエッジシーム疵回り込み量を、合
わせて表5に示した。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】表5に示したエッジシーム疵回り込み量か
ら、カリバー溝の側壁で形成されたスラブのコーナー部
の幅方向切欠き長さを20〜40mmとし、かつ前記カリバー
溝の側壁で形成されたスラブのコーナー部の厚み方向切
欠き長さを幅プレス前のスラブ厚みの10〜15%にした発
明例においては、幅方向両端部における変形量を大きく
できるので、この範囲を外れた場合に比し、エッジシー
ム疵回り込み量が減少することがわかる。
【0043】また、竪ロールでの少なくとも最初の幅圧
下量を20〜40mmとした発明例(スラブ番号B21 〜B25 )
においては、最初の幅圧下量を20mm未満とした発明例
(スラブ番号B11 〜B14 )よりもエッジシーム疵回り込
み量をさらに減少させることができる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、所定のカリバー溝を有
するプレス金型で幅プレスしたので、幅方向両端部の上
下面のコーナー部における変形量を充分に大きくでき、
エッジシーム疵回り込み量を減少させることができる。
この結果、オーステナイト系ステンレス鋼板の歩留りを
向上できるという産業上有益な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に用いて好適な熱間圧延設備の
配置図である。
【図2】図2(a)、図2(b)は、本発明における幅
プレス後のスラブのコーナー形状を示す断面を含む斜視
図および部分拡大図である。
【図3】図3は、本発明に用いるプレス金型の一例を示
す縦断面図である。
【図4】図4は、本発明における幅プレスを説明する平
面図である。
【図5】図5は、本発明における幅プレス中のスラブ厚
みを示す断面図である。
【図6】図6は、従来の幅プレスを説明する平面図であ
る。
【図7】図7は、従来のプレス金型と幅プレス前のスラ
ブの位置関係を示す縦断面図である。
【図8】図8は、従来のプレス金型で幅プレス中のスラ
ブを示す断面図である。
【図9】図9は、エッジシーム疵を模式的に示す鋼板表
面の平面図である。
【符号の説明】
21 加熱炉 22 デスケーリング装置 23 幅プレス装置 24 粗圧延機列 25 仕上圧延機列 26 コイラ 27 竪ロール(幅圧延機) 28 水平ロール(水平圧延機) L1 幅方向切欠き長さ L2 厚み方向切欠き長さ C1 溝底の間隔 C2 溝開口の間隔 D 溝深さ θ 側壁の傾斜角度 H0 幅プレス前のスラブ厚み W0 幅プレス前のスラブ幅 W1 幅プレス後のスラブ幅 dES エッジシーム疵回り込み量 10 スラブ 11 側面 23A 、23B プレス金型 30 溝底 31 側壁 32 入側傾斜部 33 平行部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内牧 信三 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 吉田 邦雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 古澤 英哉 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造されたオーステナイト系ステン
    レス鋼のスラブを加熱し、カリバー溝を有するプレス金
    型で幅プレスし、次いで、竪ロールでの幅圧下と水平ロ
    ールでの厚み圧下とを複数回施して鋼板とする、オース
    テナイト系ステンレス鋼板の製造方法において、前記カ
    リバー溝の側壁で形成されたスラブのコーナー部の幅方
    向切欠き長さを20〜40mmとし、かつ前記カリバー溝の側
    壁で形成されたスラブのコーナー部の厚み方向切欠き長
    さを幅プレス前のスラブ厚みの10〜15%にすることを特
    徴とするオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記竪ロールでの少なくとも最初の幅圧
    下量を20〜40mmとすることを特徴とする請求項1に記載
    のオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
JP2000025157A 2000-02-02 2000-02-02 オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 Pending JP2001212603A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008264986A (ja) * 2007-03-29 2008-11-06 Nippon Steel Corp スラブの研削方法及び研削装置
CN102189104A (zh) * 2011-04-08 2011-09-21 攀钢集团钢铁钒钛股份有限公司 冷轧无取向电工钢边部起皮缺陷控制方法

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