JP2001212119A - 画像取得装置及び画像取得方法 - Google Patents

画像取得装置及び画像取得方法

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JP2001212119A JP2000028207A JP2000028207A JP2001212119A JP 2001212119 A JP2001212119 A JP 2001212119A JP 2000028207 A JP2000028207 A JP 2000028207A JP 2000028207 A JP2000028207 A JP 2000028207A JP 2001212119 A JP2001212119 A JP 2001212119A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 散乱線除去グリッドを使用してX線を曝射し
た際に散乱線除去グリッドに起因する画像中の縞を必要
に応じて除去することができる画像取得装置を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 本発明の画像取得装置は、散乱線除去グ
リッド(11)を使用してX線を曝射し、被写体(2)
のX線透過分布を2次元的に所望の間隔でサンプリング
して画像を取得する画像取得手段(3)と、取得した画
像中から散乱線除去グリッドに起因する縞を画像処理に
より除去する画像処理手段(12)と、画像処理手段に
より散乱線除去グリッドに起因する縞を除去するか否か
の選択を可能にする選択手段(13)とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像取得技術に関
し、特に被写体のX線透過分布に応じた画像を取得する
画像取得装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療用X線画像はデジタル化が進
み、X線強度の空間分布をデジタル画像として取得可能
になっている。たとえば、輝尽性蛍光体にX線エネルギ
ーにより潜像を作り、レーザによる励起光分布により画
像を取得する方式や、X線強度分布を光強度分布(蛍
光)に変換し、直接複数の画素を持つ面センサで電気信
号に変換した後デジタル画像に変換する方式や、X線強
度分布を直接電荷の分布に変換する方式などがある。
【0003】X線画像をデジタル化することの利点は、 ・保存、転送の効率化。 ・デジタル画像処理により最適な画像が簡単に作り出せ
る(撮影時失敗を回復できる)。 ・診断の高効率化。 ・診断の低コスト化。 など、数々あげられる。
【0004】しかし、X線が被写体を通過する時に発生
する散乱X線の問題はいまだに充分解決されておらず、
散乱X線の影響をなくし、コントラストの高い画像を得
るためには従来銀塩フィルムでおこなわれて来たと同様
の多数の鉛板を等方向にならべた散乱線除去グリッドを
用いるのが最良の手段となっている。
【0005】図10はグリッドを使用する場合の断面図
を模式的に示したものであり、81がX線管球のX線が
発生する点(X線焦点)であり、82が被写体、83が
グリッドであり、84がX線強度分布を光強度もしくは
電荷量に変換するエネルギー変換部分を示し、85がそ
の分布を空間的にサンプリングするセンサ部分である。
83にはX線管球から直接到来するX線の他に被写体か
ら発せられる散乱X線も到達するが、81のX線焦点に
向った鉛によるグリッド83のためにその大半はカット
される。
【0006】グリッド83の欠点は、散乱X線をカット
する一方、直接X線の一部も遮断する。その遮断の形態
はグリッドの鉛の配置に従い、通常縞状の損傷を画像に
残すことになる。X線画像は、(1)フィルムスクリー
ン系(アナログ画像)→(2)輝尽性蛍光体による潜像
をレーザスキャンで読み取りデジタル化→(3)X線量
の2次元空間分布を2次元空間で直接サンプリング(フ
ラットパネルセンサ)、と発展し、グリッド83に使用
する鉛に起因する画像上の縞模様(グリッド像)に対す
る対策も変って来ている。
【0007】上述の(1)のフィルムスクリーン系では
グリッド像を除去もしくは観察の邪魔にならないように
する方法に、以下の2つがある。 (a)X線曝射中にグリッドそのものを移動させ、散乱
線を除去しながらグリッド像を形成させないようにす
る。 (b)グリッド縞の空間周波数を高め、グリッド像が画
像上に形成されたとしても、人眼には感知困難な状態に
するか、画像情報の周波数成分と重ならないようにす
る。
【0008】X線画像取得のあらゆる場合に、上述の
(a)のグリッドそのものを移動させる手段は有効であ
る。しかし、移動にかかる駆動系などのコスト上昇・装
置の大型化、駆動タイミングとX線曝射タイミングの関
係、駆動速度の関係などの調整制御の手間などから、な
かなか採用できない。
【0009】また、(b)のグリッド縞の空間周波数を
高める手段にも限界がある。その理由はグリッド像を形
成されないような高空間周波数にグリッド縞の周波数を
設定すると、散乱線を遮断するための鉛板厚さはほぼ固
定されているため、直接線の通過する領域が狭まり、X
線量の利用効率が極端に低くなり、良好に撮影が行えな
いことにある。
【0010】上述の(2)の輝尽性蛍光体による潜像を
レーザスキャンで読み取りデジタル化する時代になると
グリッド像を除去する方法にサンプリング前のアンチエ
リアシングフィルタと言う考え方を取り入れるようにな
る。輝尽性蛍光体による潜像をレーザスキャンで読み取
りデジタル化する場合は、レーザで1次元方向にスキャ
ンし、一旦ビデオ信号のような形状にして、時間軸上で
サンプリングを行う。グリッド縞の周波数をある程度高
くし、レーザスキャンをグリッド縞に直交する方向に行
い、グリッド縞をビデオ信号上での周期信号にする。こ
のビデオ信号の状態の時のアナログ信号の状態で低域通
過フィルタリングを行った後、時間軸でサンプリングを
行う通常のアンチエリアシングフィルタの考え方で、グ
リッドを除去できる。これに類するものとして特許第2
507659号では、グリッド像の存在および周波数を
予備的にサンプリングした画像をフーリエ変換すること
でもとめ、その結果に応じた低域通過フィルタを選択す
ることで、グリッド像を除去するものが開示されてい
る。
【0011】さらに、アナログによる低域通過フィルタ
ではなく、時間軸のサンプリングを所望の間隔より短く
サンプリングし、グリッド縞情報のエリアシングを無く
し画像情報と分離した後に、デジタル的な低域通過フィ
ルタリングを行い、その後、デジタル的に間引いて(再
サンプリング)所望のサンプリング間隔による画像を得
るものも考えられた。これに類するものとして、特許第
2754068号、特開平8−088765が公開され
ている。
【0012】さらに時代が進み、上述の(3)のX線量
の2次元空間分布を2次元空間で直接サンプリング(フ
ラットパネルセンサ)でデジタルX線画像を得るように
なると、上述のアンチエリアシングフィルタリングが使
えなくなって来る。すなわち、フラットパネルセンサの
2次元空間サンプリングピッチは、半導体による複数の
画素で構成され、そのピッチは技術的にもコスト的にも
必要以上に細かくできない。したがって、上述のアンチ
エリアシングフィルタリングの考え方が適応できない。
この2次元空間で直接サンプリングでデジタルX線画像
を得るものに対して、グリッド縞をとることを目的とす
るものに、特開平9−75332があり、グリッド鉛の
間隔とサンプリングピッチを完全に一致させ、グリッド
縞による直接X線を遮断する領域と画素の隙間を一致さ
せグリッド縞を画像に出さないようにするものが開示さ
れている。
【0013】また、特開平9−78970およびU.
S.Patent5801385においては、グリッド
鉛間隔をサンプリングピッチより小さくし、1画素の持
つ受光部の開口の幅と同じくするか近づけグリッド縞の
コントラストを低減する方法が開示されている。また、
U.S.Patent5,050,198においては、
複数の条件でグリッド像を撮影・記憶しておき、実際に
グリッドを用いて撮影した場合に、記憶してあるグリッ
ド像中でその条件にあったグリッド像にて除算を行うこ
とでグリッド像を除去する方法が開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の2次元空間でフ
ラットパネルセンサにて直接2次元空間におけるサンプ
リングでデジタルX線画像を得るものに対応するものと
して、特開平9−75332のグリッド鉛間隔とサンプ
リングピッチを完全に一致させることは非常に困難であ
るという問題がある。また、特開平9−78970およ
びU.S.Patent5,801,385におけるグ
リッド鉛の間隔をサンプリングピッチより細かくし、1
画素の持つ受光部の開口の幅と同じくするか近づけるの
は有効であるが、フラットパネルセンサが高精細化し、
サンプリングピッチが0.1mm以下になると、グリッ
ド鉛の間隔も1mmあたり10本以上という非常に細か
なものが要求されるようになる。このような細かなもの
になると、散乱線を遮断するための鉛板厚さはほぼ固定
されているため、直接線の通過する領域が狭まり、X線
量の利用効率が極端に低くなり、良好に撮影が行えなく
なるという欠点がある。
【0015】本発明の目的は、散乱線除去グリッドを使
用してX線を曝射した際に散乱線除去グリッドに起因す
る画像中の縞を必要に応じて除去することができる画像
取得装置及び画像取得方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、散乱線除去グリッドを使用してX線を曝射し、被写
体のX線透過分布を2次元的に所望の間隔でサンプリン
グして画像を取得する画像取得手段と、前記取得した画
像中から前記散乱線除去グリッドに起因する縞を画像処
理により除去する画像処理手段と、前記画像処理手段に
より前記散乱線除去グリッドに起因する縞を除去するか
否かの選択を可能にする選択手段とを有することを特徴
とする画像取得装置が提供される。
【0017】本発明の他の観点によれば、(a)散乱線
除去グリッドを使用してX線を曝射し、被写体のX線透
過分布を2次元的に所望の間隔でサンプリングして画像
を取得するステップと、(b)前記取得した画像中から
前記散乱線除去グリッドに起因する縞を除去するか否か
を選択するステップと、(c)前記選択に応じて前記散
乱線除去グリッドに起因する縞を画像処理により除去す
るステップとを有することを特徴とする画像取得方法が
提供される。
【0018】本発明によれば、画像中から散乱線除去グ
リッドに起因する縞の除去を行うか否かの選択が可能で
あるので、必要な場合にのみ散乱線除去グリッドに起因
する縞の除去を行い、適切な画像を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、実施
例に沿って図面に基づいて説明する。 (第1の実施例)本発明の第1の実施例による画像取得
装置では、取得した画像を再生する場合、グリッド像が
存在し、しかも画像成分にある程度干渉していても観察
者に対しては違和感を与え難い周波数の縞になるようグ
リッド鉛の間隔を設定することで、従来技術による問題
点を解決した。
【0020】以下解説を行う。サンプリングされたデジ
タル画像において、グリッドによる画像のアーチファク
トを以下の2つに分類する。 (A)低空間周波数のグリッド像 (B)低空間周波数のグリッド像をサンプリングしたこ
とによるビート像
【0021】図7は、上述の(A)、(B)のアーチフ
ァクトを説明するためにアーチファクトの様子を模式的
に示したものである。以下説明上、グリッド縞の2倍高
調波以上は、解像しないものとして、基本波長のみで説
明する。
【0022】図7(1−a)は、上述の(A)のアーチ
ファクトの一例を周波数領域(正領域のみ)での様子を
示したものであり、61で示した領域が画像の成分の領
域であり、実質的な最高周波数をfiで示している。6
2がサンプリングにより数学的に生じる画像の高調波成
分である。ここでサンプリング周波数はfsであり、ナ
イキスト周波数fnq=fs/2である。63の線スペ
クトルが周波数fgをもつグリッド縞の成分であり、図
のように画像の成分61と重なり、画像に損傷を与えて
いるとともに低周波であるため、観察者にとって縞模様
が違和感を与える。
【0023】図7(1−b)はサンプリングの様子を1
次元的に示したものであり、●(黒丸)がサンプリング
された点を示す。すなわち、この事からグリッド縞の周
波数fgと画像の持つ周波数fi(fi<fs/2)の
関係は、 fg > fi ・・・(1) でなければならないことが分かる。
【0024】図7(2−a)は、上述の(A)のアーチ
ファクトの他の例を周波数軸上(正領域のみ)での様子
を示したものであり、61で示した領域が画像の成分の
領域であり、最高周波数をfiで示している。サンプリ
ング周波数fsの1/2であるナイキスト周波数fnq
よりグリッドの周波数fgが大きいため、エリアシング
であるfs−fgの周波数成分64が現れている。さら
に、図7(2−a)の場合、このエリアシングの周波数
成分64が画像成分61に重なり、画像に損傷を与えて
いるとともに観察者にとって縞模様が違和感を与える。
図7(2−b)はサンプリングの様子を1次元的に示し
たものであり、●(黒丸)がサンプリングされた点を示
し、破線は、サンプリングされる前の信号形状を示す。
すなわち画像成分に損傷を与えないためには、グリッド
縞の周波数fgと画像の持つ周波数fi(fi<fs/
2)の関係を、 fs−fg > fi ・・・(2) としなければならないことが分かる。
【0025】(1)式と(2)式によりグリッド縞の周
波数fgは画像の持つ最高周波数成分fiとサンプリン
グ周波数fsとの関係で、 fi < fg < fs−fi (fi<fs/2)・・・(3) という関係式の中にいれなければならない。しかし、こ
の場合でも上述の(B)のアーチファクトが発生してし
まう場合がある。
【0026】図7(3−a)は、(3)式の条件を満た
すような空間周波数領域にグリッド縞の周波数を設定し
た場合の空間周波数上での様子を示したものである。図
7(3−b)は、サンプリングの様子を1次元的に示し
たものであり、●(黒丸)がサンプリングされた点を示
し、破線は、サンプリングされる前の信号形状を示す。
【0027】図7(3−a)では、画像周波数成分61
とグリッド像成分63が重ならないため、画像へ与える
損傷はなく、違和感もないように見受けられる。しか
し、図7(3−b)で示すような、ビート状の振幅の変
動成分が画像情報の周波数成分に重なる場合には、画像
の観察者には画像に損傷を与えるアーチファクトとして
認識され観察者にとって縞模様が違和感を与える。この
振幅変動の周波数は|fs/2−fg|である。画像へ
の何らかの非線形変換が行われると、実際に画像成分へ
損傷を与えるアーチファクトになる可能性もある。
【0028】理想的にはすべてのアーチファクトの周波
数が画像の周波数fi外にあれば問題はない。この場
合、fiを画像の最高周波数であるとしたが、画像を再
生した場合(ハードコピー、モニター表示など)に観察
者に対し違和感を与えなくなる周波数であるととらえて
も構わない。そこで、(3)式の関係と|fs/2−f
g|>fiの両方の関係を同時に満たさなければならな
い。これは、たとえばfs>fg>fs/2の関係の位
置にfgを設定すると仮定すると、 fi+fs/2 < fg < fs−fi ・・・(4) の条件の関係式が出る。この条件を満たすには、さらに
必然的にfi<fs/4という条件も満たさなければな
らない厳しいものである。(4)式においてfi<fs
/4の関係が満たされないと、左側不等号と右側不等号
の領域の合い重なる部分がない。したがって、理想的に
グリッドの影響が無い条件は、画像の周波数帯域が、ナ
イキスト周波数の半分以下であり、グリッド縞の周波数
が、ナイキスト周波数の半分の近辺にしなければならな
いという結果を得る。この条件は、取得画像が決まって
いれば、サンプリング周波数を取得画像の最大空間周波
数のすくなくとも4倍以上に設定しなければならないと
いうことを意味している。
【0029】しかし、上述の論点で考慮していないの
は、ビート状の変動成分のパワーである。ビート状の変
動成分のパワーとグリッド縞のパワーを比較した結果、
および実際にグリッドを用いた画像を観察した結果か
ら、(4)式の関係をより緩やかなものにできることを
本発明者は考案し、実証した。
【0030】ビートである振幅変動は縞の周波数がナイ
キスト周波数から離れれば離れるほど高周波になり、観
察できなくなる。以下では、この縞の周波数がナイキス
トからどの程度離れれば、観察者にとって観察しにくく
なるかを考察する。
【0031】サンプリングを行えば、必ずナイキスト周
波数を中心として鏡像関係の位置に線スペクトルが存在
し、それとの間に必ずビートが発生している。しかし、
図7(1−b)及び図7(2−b)ではビートが発生し
ているはずにもかかわらず、一見したところそのような
ものは存在しない。この考えられる一つの理由は周波数
であり、図7(2−a)もしくは図7(3−a)ではナ
イキスト周波数を中心として鏡像関係にある2つのスペ
クトルの距離(周波数)が長く、ビート周波数が高周波
になる。この時には、基本の正弦波のスペクトルはナイ
キスト周波数より充分低いところに存在し、この両者の
周波数およびパワーの差が大きいため、よりパワーの強
い基本正弦波のみが観察者に強く認識されていると考え
られる。
【0032】ビートの起こる様子を数式で示す。空間周
波数fgの正弦波をサンプリング周波数fsでサンプリ
ングした場合を考える。この時実際に使用するグリッド
を考えてfg>fs/2と仮定する。ただし、これは必
要な条件ではない。この時、図8(a)で示すように、
正弦波の周波数に相当する線スペクトルペアが発生す
る。線スペクトルのピークをa/2と仮定し、さらにも
とのグリッド像をa×cos(2πfgx)と仮定す
る。周波数fgの余弦波を周波数fsでサンプリングし
た場合には、fs以下には2つの余弦波が現れる。
【0033】 g(x)=a{cos(2πfgx) +cos(2π(fs−fg)x)} =2a×cos(2π(fg−fs/2)x) ×cos(2πfsx/2) ・・・(5)
【0034】(5)式はビートをあらわし、2つの正弦
波の差の周波数の正弦波によって変調された振幅変調に
相当する。(fg/2−fs)が0ではないが小さな値
になると低周波の不安定な振幅変動(ビート)を起こ
す。
【0035】シャノンのサンプリング定理によれば、ナ
イキスト周波数以下でサンプリングされたものは理想的
なフィルタリング手段(ナイキスト周波数以下を通過さ
せるフィルタ)を用いれば完全に復元でき、そこには線
スペクトルペアによるビートは存在しないはずである。
すなわち、図7(3−b)で観察者がビートを強く認識
した理由は、そのフィルタリング手段によるものである
可能性が高い。
【0036】通常ではサンプルした点を直線などでつな
ぎ、サンプリングした信号を復元しようとしている。こ
れはサンプリング定理の理想的なフィルタ手段とは異な
るものである。
【0037】しかし、一般的な感覚をもつ人もしくは表
示装置は、サンプリング定理で言うような理想的なフィ
ルタ(sinc関数をカーネルとするようなコンボリュ
ーション)はかけず、近傍の点を直接直線でつなぐよう
な補間をおこなうのであり、画像として観察する場合も
同様である。つまり、このような一般的な感覚とサンプ
リング定理とのずれがビートとなってあらわれているこ
とに気付く。
【0038】直線で補間することは図8(b)の71で
示すような特性を持つフィルタリングを行うことに相当
する。
【0039】図8(b)の71でフィルタの形状s
(f)は、 s(f)=sin2(πf/fs)/(πf/fs)2 ・・・(6) であり、このフィルタをかけられた後の鏡像にある線ス
ペクトルペアの高さをc/2およびd/2とする。
【0040】この時の正弦波の和を(5)式と同様にあ
らわす。 g(x)=d×cos(2πfgx) +c×cos(2π(fs−fg)x) =2d×cos(2π(fg/2−fs)x) ×cos(2πfsx/2) +(c−d)×cos(2π(fs−fg)x)・・・(7)
【0041】(7)式の第1項がビートの成分をあらわ
し、第2項が通常の正弦波の成分をあらわしている。ま
た、(5)式より以下の関係がある。
【0042】
【数1】
【0043】ここで、(6)式においてビート成分であ
る第1項のパワーより通常の正弦波成分である第2項の
パワーが上回れば、観察者としてはビート成分が認識し
にくくなると思われる。
【0044】以上の仮説のもとに(6)式の第1項と第
2項のパワーの比をとると、以下のようになる。 (c−d)2/2d2 > 1 (第2項のパワーが第1
項を上回る条件)
【0045】これを変形すると、次のようになる。 c/d > 21/2+1 これに、(7)式を代入すると、次式になる。
【0046】
【数2】
【0047】(9)式の結果より、サンプリングされる
正弦波の周波数がサンプリングする周波数の60.8%
より大きければ(エリアシングは起こす)、ビートが観
測されにくいサンプリングが行われることがわかる。こ
の場合、グリッドの縞情報はナイキスト周波数(fs/
2)の80%以下の成分として現れる。これは、サンプ
リング周波数の40%以下の成分と等価である。したが
って、グリッド縞がナイキスト周波数の80%以下であ
れば、サンプリングした場合のビートが目立たず安定し
た、縞模様が観察できることになる。
【0048】以上の考察は、グリッドに起因するナイキ
スト周波数以下に現れる縞(グリッド縞)の上限の空間
周波数を規定するものであり、具体的にはナイキスト周
波数の80%以下(サンプリング周波数の40%以下)
にグリッド縞の周波数を設定するというものであるが、
実際には、低ければ低いほどよいというものではなく、
前述の縞自体によるアーチファクトすなわち、画像成分
に縞情報が重なってしまうことは許されないため、画像
成分の最高周波数が、グリッド縞の下限の周波数より小
さい必要がある。
【0049】一般的に、画像を代表する信号の最高周波
数成分は正確に規定できるものではない。画像の場合の
評価基準の例を以下に列挙する。 ・取得した画像を表示装置もしくは記録装置で再現した
場合に、観察者に充分であると認識させるような周波
数。 ・最高周波数を想定したとき、その1.5〜2倍を最高
周波数と考えて、サンプリングピッチを決定する(中溝
他著、「計数・測定」(培風館)参照)。
【0050】特に、後者の条件はよく用いられるもので
あり、一般に必要とする空間周波数がナイキスト周波数
の60%以下(サンプリング周波数の30%以下)にな
るように、サンプリングピッチを設定する場合が多い。
すなわち、サンプリング周波数の30%以上にグリッド
縞情報が現れるように設定する。
【0051】たとえば、サンプリングピッチが0.1m
m(fs=10cyc/mm)である場合を想定する。
ナイキスト周波数は5cyc/mmであり、通常用いる
画像成分の周波数は上述の一般的な条件からサンプリン
グ周波数の30%以下すなわち3cyc/mmであるた
め、3cyc/mmが縞情報の下限であり、上限はサン
プリング周波数の40%、すなわち4cyc/mmであ
る。したがって、グリッド縞の周波数は3〜4cyc/
mmの範囲に来るように設定すれば、グリッド縞模様に
はビート成分が目立たず、観察にも邪魔にならないよう
になる。
【0052】以上の条件は、グリッド縞模様の周波数の
決定であり、この数値に縞模様が来るグリッド本体の鉛
の周波数はサンプリングされることにより異なったもの
になる。このとき、グリッド本体の周波数範囲RG[c
yc/mm]は、図9に示すように、次の範囲になる。
ただし、nは0以上の整数である。5(2n+1)−2
〜5(2n+1)−1もしくは5(2n+1)+1〜
(2n+1)+2 ;n=0,1,2,・・・となる。
(図9参照)
【0053】さらに、この式は、サンプリングピッチが
0.1mm(fs=10cyc/mm)の時の計算値で
あるが、一般的にサンプリング周波数fs[cyc/m
m](サンプリングピッチ1/fs[mm])の場合に
は、グリッド本体の周波数範囲は、 fs(n+0.3)〜fs(n+0.4) もしくはfs(n+0.6)〜fs(n+0.8)[c
yc/mm] と表される。
【0054】ここでさらに、グリッドの本来の目的であ
る散乱線除去の性能、および平面センサの解像力などを
考慮して、上記の範囲の中からグリッド本体の周波数
(グリッド本数)が決定される。通常では、センサの解
像力を考え、第2高調波を解像しにくく、散乱線除去率
の高い6〜7cyc/mmのグリッド縞周波数が選定で
きる。
【0055】本実施例では、使用するグリッドの周波数
を上記の計算から選定し、グリッド縞を除去しなくても
観察者の慣れもしくは使用目的によりある程度満足でき
るように選定することで対応し、問題点を克服した。
【0056】グリッド縞は空間周波数が固定しているた
め、フィルタリング作業によりある程度除去可能であ
る。そこで、上述のようにグリッド縞周波数を設定する
ことにより、グリッド縞を除去する操作において、完全
な除去が不可能であっても、グリッド縞の強度が低減さ
れると、さらに観察者への影響が最小限にとどめられ
る。
【0057】第1の実施例の模式図を図1に示す。同図
はテーブル上に横たわる人体を撮影するためのシステム
の模式図であり、1はX線管球、2は被写体である人
体、11は散乱X線除去用のグリッドを示し、被写体2
から発生する散乱X線を除去し、着脱可能な構成になっ
ている。3はX線強度分布(X線透過分布)を電荷分布
に変換し、2次元的に所望の間隔でサンプリングして順
次出力するX線センサパネル、5はアナログ/デジタル
変換器、4はX線の曝射と画像取得のタイミングを制御
するコントローラ、6は画像を一旦記憶するメモリをあ
らわす。X線センサパネル3には画素ごとにオフセット
およびゲインのばらつきがある。このばらつきを補正す
るために8で示すメモリにはX線を曝射しないで取得し
た画像であるオフセット値、9には被写体2およびグリ
ッド11がない状態で取得されたゲイン値を対数変換し
たものを記憶しておく。7は対数変換を行う変換装置で
具体的には参照テーブル(ルックアップテーブル)であ
る。取得された人体の画像は8のオフセット値を減じた
(除去した)後、対数変換され、9のゲインとの差分
(割り算)を行い、ゲイン値のばらつきを補正したX線
の強度分布画像を得て、10で示すメモリに一旦記憶さ
れる。その後、この記憶された画像を取り出し、画像の
保存、画像処理、画像表示、ハードコピーなどの行為が
行われ、診断などに用いられる。
【0058】12で示されるブロックは、画像処理(フ
ィルタリング)によりグリッド縞を除去する画像処理手
段(フィルタリング手段)を示し、10に記憶された画
像を用いて空間フィルタリングを施し、グリッド縞成分
を除去する。13で示される機構は、外部からのグリッ
ド除去操作実効設定手段(機構)16又は操作パネル2
0の出力に応じて、操作者が12のフィルタリングを行
うかどうかを選択する選択手段(スイッチ)である。ス
イッチ13の選択に応じて、12のブロックの動作をス
キップできるように信号の流れを変えることができる。
【0059】ここで、3で示すX線センサパネルは2次
元空間的に複数の画素をもち、0.1mmピッチで縦横
に分布しており、この機構で2次元的かつ離散的なサン
プリングが行われる。前述のグリッドの縞の周波数の設
定で述べたように、11のグリッド縞の周波数(グリッ
ド本数)は6〜7cyc/mmにしてあるため、観察者
はグリッド縞をフィルタリングで除去しなくても違和感
なく画像を観察可能である。
【0060】10で示すメモリに記憶された画像のグリ
ッド縞に直交する方向の1次元の振幅スペクトルの様子
を模式的に示したのが図2(a)である。図2(a)
で、32が画像成分のスペクトル、31がグリッド縞結
成分のスペクトルであり、ノイズを無視した実質的なス
ペクトル形状を示している。31のグリッド縞成分が存
在しても、観察者には安定したこの周波数成分しか観察
されず、これ以外のビートに関する成分はなくなるた
め、慣れもしくは縞の認識により観察者にはグリッド縞
の存在が比較的邪魔にならない。
【0061】しかし、後段の画像処理の関係もしくは画
像再生機構の関係で操作者もしくは観察者がこの画像か
らグリッド縞を除去したいと望めば、操作パネル20か
らグリッド除去選択を行う。
【0062】図2(b)はグリッド除去フィルタリング
を行った後のスペクトルの様子を模式的に示したもので
あり、33がフィルタ特性の例、34がフィルタ通過後
の画像スペクトルである。フィルタは空間的な特性を安
定にするため、急峻なものはかけられない。したがっ
て、31のグリッド縞成分を除去しようとすると必然的
に画像成分の一部も応答が低下してしまう。操作者はこ
の事を把握した上で、グリッド除去を行うかどうかの選
択を行う。本実施例で、9に入るゲイン値をしめす画像
取得時には、グリッド11を設置したままで取得しても
グリッドの周波数は不変であるので構わない。
【0063】図3は、本実施例をソフトウエアで行う場
合のフローチャートである。同図で処理ブロック(ステ
ップ)をC1〜C11までの動作に分割する。ブロック
C1の動作はゲイン値の画像を取得するもので、被写体
のない状態でX線を曝射し取得した画像を画像Aとす
る。それを、ブロックC2では対数変換して、画像Bと
する。ブロックC3ではオフセット値を取得するもの
で、X線を曝射しない状態で画像を取得し、画像Cとす
る。次のブロックC4が実際の被写体の画像を取得する
ブロックであり、グリッドを設置し、被写体がある状態
でX線を曝射し取得した画像を画像Dとする。ブロック
C5では画像Dから画像Cを減じ、オフセットの補正が
なされた画像Eを得る。ブロックC6では画像Eを対数
変換し、画像Fとし、ブロックC7では画像Fから画像
Bを減じ、ゲインの補正がなされた被写体画像Gを得
る。次のブロックC8では、操作パネル20による操作
者の操作(指示)に応じて、グリッド除去を行うかどう
かによって分岐が行われる。ブロックC9ではグリッド
除去をおこなう指示であるので、画像Gに対しグリッド
除去のフィルタリング処理を行い、グリッドが除去され
た被写体画像Hを得る。次のブロックC10では、被写
体画像Hを出力する。グリッド除去を指示されなけれ
ば、ブロックC11で被写体画像Gをそのまま出力す
る。
【0064】また、本実施例では図1の10のメモリ手
段を磁気ディスクなどの不揮発性の記憶媒体にし、常に
グリッドを含む画像を記憶しておき、操作者が必要に応
じて、グリッド除去画像もしくはグリッドがある画像両
者を選択もしくは同時に出力することも可能である。ま
た、画像取得系がなく、画像保存系のみの構成でも本実
施例は成立する。
【0065】(第2の実施例)図4は第2の実施例を示
すブロック図であり、グリッド縞の周波数・X線センサ
パネルのサンプリングピッチなどの設定は図1と同様で
ある。図4では14で示される使用目的のテーブルが用
意してある。操作者は、画像を取得したのち、10に示
されるメモリもしくは磁気ディスクに貯えられた画像に
対し、17で示す使用目的設定手段によって使用目的を
選択すると、自動的にグリッド除去を行うかどうかの選
択がなされる。スイッチ13がA側を選択すると、記憶
装置10の画像がフィルタリング装置12によりフィル
タリングされて出力され、スイッチ13がB側を選択す
ると、記憶装置10の画像がフィルタリングされずにそ
のまま出力される。
【0066】前述のグリッドの縞の周波数の設定で述べ
たように、11のグリッド縞の周波数(グリッド本数)
は6〜7cyc/mmにしてあるため、観察者はグリッ
ド縞をフィルタリングで除去しなくても違和感なく画像
を観察可能である。
【0067】このテーブル14は、たとえば、空間周波
数強調処理などの高い空間周波数を強調するような処理
ではグリッド像が邪魔になるので、除去する(13のス
イッチをA側)。等倍以上の拡大表示もしくはハードコ
ピーであれば、画像のぼけをなるべく起こさないよう
に、スイッチ13をB側に設定し、グリッド像の除去を
行わない。縮小を伴う表示又はハードコピーであれば、
スイッチ13をA側に設定し、グリッド像の除去を行
う。別の記憶手段に画像を保存する目的であれば保存さ
れた画像に対して、除去処理が可能になるため、情報量
を多くし、グリッド像の除去を行わないようにするた
め、スイッチ13をB側に設定する。
【0068】(第3の実施例)図5は第3の実施例を示
すブロック図であり、グリッド縞の周波数・X線センサ
パネルのサンプリングピッチなどの設定は図1と同様で
ある。図5では18で示される撮影部位のテーブルが用
意してある。操作者は、画像撮影時に10に示されるメ
モリもしくは磁気ディスクに貯えられた画像に対し、1
9で示す撮影部位設定手段によって使用目的を選択する
と、自動的にグリッド除去を行うかどうかの選択がなさ
れる。
【0069】前述のグリッドの縞の周波数の設定で述べ
たように、11のグリッド縞の周波数(グリッド本数)
は6〜7cyc/mmにしてあるため、観察者はグリッ
ド縞をフィルタリングで除去しなくても違和感なく画像
を観察可能である。
【0070】このテーブル18は、画像の観察者が、画
像に対して高い空間周波数まで必要とする骨盤や関節等
の骨部の画像であれば、スイッチ13をB側に設定し、
グリッド像を除去せず、ぼけのない状態で画像を観察す
る。胸部(胸部正面)や腹部などの高い空間周波数まで
は必要とせず画像の淡い濃淡を観察しやすい状態が必要
な場合は、スイッチ13をA側に設定し、グリッド像を
除去して観察することができる。
【0071】(第4の実施例)グリッド周波数を比較的
邪魔にならないように設定したが、グリッド像のコント
ラストが強ければ、やはり観察者の邪魔になる。グリッ
ド像のコントラストは使用するX線の条件(エネルギー
など)によって異なるものである。さらに、グリッドが
ない状態で被写体を撮影する場合もある。
【0072】この事を判断するため、取得した画像の適
当な部分のグリッドに直交する方向のスペクトルを計算
し、グリッド成分のピーク値(対数画像であればそのま
まコントラスト値に対応する)により、グリッド除去を
行うかどうかの選択を行う。
【0073】図6は、第4の実施例のブロック図であ
り、グリッド縞の周波数・X線センサパネルのサンプリ
ングピッチなどの設定は図1と同様である。前述のグリ
ッドの縞の周波数の設定で述べたように、11のグリッ
ド縞の周波数(グリッド本数)は6〜7cyc/mmに
してあるため、観察者はグリッド縞をフィルタリングで
除去しなくても違和感なく画像を観察可能である。
【0074】図6の15で示されるブロックはソフトウ
エアを含むものであり、内部にフローチャートを示して
いる。フローチャートのブロックC21では、メモリ1
0から画像の任意のラインを取得し、ブロックC22で
はこれを1次元フーリエ変換し、振幅スペクトルを計算
する。次に、ブロックC23では振幅スペクトル値から
グリッド周波数に相当する振幅値(スペクトル値)Vp
を測定する。ブロックC24では、振幅値Vpを、あら
かじめ設定してあるしきい値THと比較する。VpがT
Hより大きければ、除去しなければならないグリッド像
であり、グリッド像の除去を行うため、ブロックC25
でスイッチ13をA側に設定し、VpがTHより大きく
なければ、ブロックC26でスイッチ13をB側に設定
する。
【0075】なお、グリッド周波数に存在するグリッド
縞のコントラストの大きさに応じて、スイッチ13の選
択を決めてもよい。コントラストが所定のしきい値より
も大きいときには、スイッチ13をA側に設定し、グリ
ッド像の除去を行う。一方、コントラストが所定のしき
い値よりも小さいときには、スイッチ13をB側に設定
し、グリッド像の除去を行わない。
【0076】以上のように、本実施例によれば、X線画
像を2次元的にサンプリングし、デジタル画像を構成す
る系において、画像上の散乱線除去のためのグリッドに
起因する縞画像の空間周波数が安定した状態になるサン
プリング周波数の40%以下でありかつ観察者の画像観
察に邪魔になり難く、画像成分に重ならない周波数(通
常ナイキスト周波数の60%)以上になるようグリッド
本体の鉛の周波数を設定することにより、画像上からグ
リッド縞を除去しなくても観察者にとっての違和感の少
ない画像を生成できる。
【0077】また、フィルタリング手段12は、スイッ
チ13の選択に応じて、グリッド縞の除去を行うか否か
の選択が可能である。グリッド縞の除去は、操作者(観
察者)の操作、画像の使用目的、撮影部位、グリッド縞
の振幅(強度)に応じて、自動的に行われるので、必要
な場合にのみグリッド縞を除去する処理を行い、適切な
画像を得ることができる。
【0078】なお、上記実施例は、何れも本発明を実施
するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過
ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解
釈されてはならないものである。すなわち、本発明はそ
の精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、
様々な形で実施することができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、画
像中から散乱線除去グリッドに起因する縞の除去を行う
か否かの選択が可能であるので、必要な場合にのみ散乱
線除去グリッドに起因する縞の除去を行い、適切な画像
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するためのブロッ
ク図である。
【図2】画像中の空間スペクトルを説明するための図で
ある。
【図3】第1の実施例をソフトウエアで実行するための
フローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施例を説明するためのブロッ
ク図である。
【図5】本発明の第3の実施例を説明するためのブロッ
ク図である。
【図6】本発明の第4の実施例を説明するためのブロッ
ク図である。
【図7】グリッド縞に起因するアーチファクトを説明す
るための図である。
【図8】グリッド縞をサンプリングした時のビートにつ
いて説明するための図である。
【図9】グリッド本体の空間周波数の範囲の例を示す図
である。
【図10】散乱線除去グリッドを説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 X線管球 2 被写体 3 X線画像取得用のセンサ 4 コントローラ 5 アナログ/デジタル変換器 6 メモリ(記憶装置) 7 ルックアップテーブル(対数変換装置) 8 減算器 9 記憶装置 10 記憶装置 11 散乱線除去グリッド 12 フィルタリング手段(グリッド縞除去手段) 13 スイッチ 14 テーブル 15 処理ブロック 16 グリッド除去操作実効設定手段 17 使用目的設定手段 18 テーブル 19 撮影部位設定手段 20 操作パネル 81 X線焦点(X線管球) 82 被写体 83 グリッド 84 エネルギー変換部 85 センサ

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 散乱線除去グリッドを使用してX線を曝
    射し、被写体のX線透過分布を2次元的に所望の間隔で
    サンプリングして画像を取得する画像取得手段と、 前記取得した画像中から前記散乱線除去グリッドに起因
    する縞を画像処理により除去する画像処理手段と、 前記画像処理手段により前記散乱線除去グリッドに起因
    する縞を除去するか否かの選択を可能にする選択手段と
    を有することを特徴とする画像取得装置。
  2. 【請求項2】 前記画像処理手段は、フィルタリング処
    理により前記散乱線除去グリッドに起因する縞を除去す
    る請求項1記載の画像取得装置。
  3. 【請求項3】 前記選択手段は、操作者の操作に応じて
    前記縞を除去するか否かの選択を行う請求項1又は2記
    載の画像取得装置。
  4. 【請求項4】 前記選択手段は、画像の使用目的に応じ
    て前記縞を除去するか否かの選択を行う請求項1又は2
    記載の画像取得装置。
  5. 【請求項5】 前記選択手段は、画像の空間周波数強調
    処理を目的とするときには前記縞を除去する選択を行う
    請求項4記載の画像取得装置。
  6. 【請求項6】 前記選択手段は、画像の等倍以上の拡大
    表示又はハードコピーを目的とするときには前記縞を除
    去しない選択を行う請求項4記載の画像取得装置。
  7. 【請求項7】 前記選択手段は、画像の縮小を伴う表示
    又はハードコピーを目的とするときには前記縞を除去す
    る選択を行う請求項4記載の画像取得装置。
  8. 【請求項8】 前記選択手段は、画像の保存を目的とす
    るときには前記縞を除去しない選択を行う請求項4記載
    の画像取得装置。
  9. 【請求項9】 前記選択手段は、撮影部位に応じて前記
    縞を除去するか否かの選択を行う請求項1又は2記載の
    画像取得装置。
  10. 【請求項10】 前記選択手段は、撮影部位が骨部であ
    るときには前記縞を除去しない選択を行う請求項9記載
    の画像取得装置。
  11. 【請求項11】 前記選択手段は、撮影部位が骨盤又は
    関節であるときには前記縞を除去しない選択を行う請求
    項9記載の画像取得装置。
  12. 【請求項12】 前記選択手段は、撮影部位が胸部又は
    腹部であるときには前記縞を除去する選択を行う請求項
    9記載の画像取得装置。
  13. 【請求項13】 前記選択手段は、前記散乱線除去グリ
    ッドに起因する縞の周波数の振幅の大きさに応じて前記
    縞を除去するか否かの選択を行う請求項1又は2記載の
    画像取得装置。
  14. 【請求項14】 前記選択手段は、前記散乱線除去グリ
    ッドに起因する縞の周波数の振幅が所定のしきい値より
    も大きいときには前記縞を除去する選択を行う請求項1
    3記載の画像取得装置。
  15. 【請求項15】 前記選択手段は、前記散乱線除去グリ
    ッドに起因する縞のコントラストの大きさに応じて前記
    縞を除去するか否かの選択を行う請求項1又は2記載の
    画像取得装置。
  16. 【請求項16】 さらに、前記X線を曝射して取得した
    画像からオフセット値を除去するオフセット値除去手段
    を有する請求項1〜15のいずれかに記載の画像取得装
    置。
  17. 【請求項17】 前記オフセット値除去手段は、前記X
    線を曝射して取得した画像からX線を曝射せずに取得し
    た画像を減算する第1の減算手段を含む請求項16記載
    の画像取得装置。
  18. 【請求項18】 さらに、前記取得した画像に対してゲ
    イン値のばらつきを補正するゲイン値補正手段を有する
    請求項1〜15のいずれかに記載の画像取得装置。
  19. 【請求項19】 請求項18を具体的に実施する方法と
    して、前記ゲイン値補正手段は、前記取得した画像に対
    して被写体がない状態で取得した画像の割り算を行う割
    り算手段を有する請求項18記載の画像取得装置。
  20. 【請求項20】 前記ゲイン値補正手段は、前記取得し
    た画像を対数変換した画像から、被写体がない状態で取
    得した画像を対数変換した画像を減算する第2の減算手
    段を含む請求項18記載の画像取得装置。
  21. 【請求項21】 (a)散乱線除去グリッドを使用して
    X線を曝射し、被写体のX線透過分布を2次元的に所望
    の間隔でサンプリングして画像を取得するステップと、 (b)前記取得した画像中から前記散乱線除去グリッド
    に起因する縞を除去するか否かを選択するステップと、 (c)前記選択に応じて前記散乱線除去グリッドに起因
    する縞を画像処理により除去するステップとを有するこ
    とを特徴とする画像取得方法。
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