JP2001207349A - シングル織絨毯及びその製造装置 - Google Patents

シングル織絨毯及びその製造装置

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JP2001207349A
JP2001207349A JP2000019848A JP2000019848A JP2001207349A JP 2001207349 A JP2001207349 A JP 2001207349A JP 2000019848 A JP2000019848 A JP 2000019848A JP 2000019848 A JP2000019848 A JP 2000019848A JP 2001207349 A JP2001207349 A JP 2001207349A
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weft
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JP2000019848A
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Takuo Yamashita
卓雄 山下
Shinji Ogata
眞二 尾形
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Suminoe Textile Co Ltd
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Suminoe Textile Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地組織の耐久性を十分に有し、パイル保持性
に優れると共に、輪奈経糸によるループパイルとカット
パイルとが緯方向に一列に並んだ状態に現出されるシン
グル織絨毯を提供する。 【解決手段】 緯糸5四本毎に一対の締経糸3a、3b
の上下位置が互いに入れ替えられる態様で緯糸5…と締
経糸3a、3bとを交錯させて地組織6を形成すると共
に、ループパイル31の少なくとも一部31Aをその引
き出し位置である当該下側の緯糸5eに隣接した上側緯
糸5dの上を跨ぐ態様で地組織6に織り込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一対の締経糸
と、これら締経糸間に打ち込まれた緯糸との交錯によっ
て形成された地組織の片面にループパイルとカットパイ
ルが混在して形成されたシングル織絨毯及びその製造装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地組織の片面にループパイルとカ
ットパイルが混在して形成されたシングル織絨毯として
は、二越織絨毯や三越織絨毯が公知である。
【0003】二越織絨毯は、図11に示すように、覆経
糸(104)の上下に打ち込まれた緯糸(105)…を
上下に締結する締経糸(103)が2本の緯糸の上を越
えてから次の2本の緯糸の下に入る構成が順に連続され
て地組織(106)が構成されると共に、これら緯糸を
2本打ち込む間にジャガードマシンを用いて輪奈経糸
(102)を1回上下往復動させることで地組織(10
6)にループパイル(110)とカットパイル(11
1)が混在状態に形成されたものである。
【0004】一方、三越織絨毯は、図12に示すよう
に、覆経糸(104)の上下に打ち込まれた緯糸(10
5)…を上下に締結する締経糸(103)が3本の緯糸
の上を越えてから次の3本の緯糸の下に入る構成が連続
されて地組織(106)が構成されると共に、これら緯
糸を3本打ち込む間にジャガードマシンを用いて輪奈経
糸(102)を1回上下往復動させることで地組織にル
ープパイル(110)とカットパイル(111)が混在
状態に形成されたものである。
【0005】上記二越織絨毯や三越織絨毯は、地組織に
ループパイルとカットパイルが混在して形成されている
から、美麗で意匠性に優れたものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記二
越織絨毯や三越織絨毯では、輪奈経糸によりループパイ
ルとカットパイルを形成させる際、ループパイル用ワイ
ヤーとカットパイル用ワイヤーとが交互に挿入されるこ
ととなるために、ワイヤー引き抜き方向(緯方向)の一
列にはループパイル(110)のみ、又はカットパイル
(111)のみのいずれか一方しか形成させることがで
きなかった。即ち、図13に示すように、ワイヤー引き
抜き方向(緯方向)に見た場合にループパイル(11
0)とカットパイル(111)とは相互に位置がずれて
見えるという問題があった。このように両者がずれて見
えると意匠性や高級感が低下する。
【0007】また、上記二越織絨毯や三越織絨毯では地
組織の耐久性が十分ではない上に、パイル根元部の締め
付けが十分ではなくパイル保持性に劣るという問題もあ
った。
【0008】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、地組織の耐久性を十分に有し、パ
イル保持性に優れると共に、輪奈経糸によるループパイ
ルとカットパイルとが緯方向に一列に並んだ状態に現出
されて、美麗で意匠性に優れた高級感のあるシングル織
絨毯およびその製造装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意研究の結果、緯糸4本毎に一対の締
経糸の上下位置が互いに入れ替えられる態様で緯糸と締
経糸とが交錯されて地組織が形成されることで、地組織
としての耐久性が十分に得られると共に優れたパイル保
持性も得られること、またループパイルの少なくとも一
部をその引き出し位置である当該下側の緯糸に隣接した
上側緯糸の上を跨ぐ態様で地組織に織り込むことで、ル
ープパイルとカットパイルとが緯方向に一列に並んだ状
態に現出されることを見出すに至り、この発明を完成し
た。
【0010】すなわち、この発明に係るシングル織絨毯
は、覆経糸の上下に打ち込まれた緯糸と、一対の締経糸
との交錯によって形成された地組織に輪奈経糸が織り込
まれて、該地組織の片面にカットパイルとループパイル
が混在して形成されたシングル織絨毯であって、前記一
対の締経糸のうち一方の締経糸が、覆経糸に対して上下
交互配置された4本の緯糸の下に配置され、次の上下交
互配置された4本の緯糸の上に配置される一方、他方の
締経糸が、前記4本の緯糸の上に配置され、次の前記4
本の緯糸の下に配置され、このように緯糸4本毎に一対
の締経糸の上下位置が互いに入れ替えられる態様で緯糸
と締経糸とが交錯されて地組織が形成されてなり、前記
輪奈経糸が、上側の緯糸の下側に織り込まれて前記地組
織に保持されると共に、下側の緯糸の上方位置において
任意に選択して上方へ引き出されてカットパイルまたは
ループパイルが形成され、かつ該ループパイルの少なく
とも一部がその引き出し位置である当該下側の緯糸に隣
接した上側緯糸の上を跨ぐ態様で織り込まれて、カット
パイルとループパイルとが緯方向に一列に並んだ状態に
現出されるようになされていることを特徴とするもので
ある。
【0011】覆経糸がその上下に交互配置された緯糸に
より上下から締め付けられ、更に該緯糸が4本毎に上下
から一対の締経糸により締め付けられているので、地組
織が強い締付力でもって製織され、従って地組織として
の耐久性に優れると共に、地組織に織り込まれた輪奈経
糸がこのような強い締付力で保持されるのでパイル保持
性にも優れている。また、緯糸が4本毎に一対の締経糸
により締め付けられるので、従来の二越織絨毯や三越織
絨毯と比較して織り密度の大きい地組織が構成され、こ
れにより地組織の耐久性が一層向上される。
【0012】また、輪奈経糸によるループパイルがその
引き出し位置である当該下側の緯糸に隣接した上側緯糸
の上を跨ぐ態様で織り込まれているから、該ループパイ
ルに膨らみを持たせることができ、この膨らみがあるた
めにループパイルと、該ループパイルの引き出し位置で
ある下側緯糸の隣の下側緯糸の上方位置に形成されたカ
ットパイルとが緯方向に一列に並んだ状態に現出される
(図4参照)。即ち、緯方向に見た時にカットパイルと
ループパイルとがずれた感じを受けることがない。
【0013】また、この発明のシングル織絨毯の製造装
置は、ジャガードマシンで輪奈経糸を上下往復動させる
ことにより、地組織の片面にカットパイルとループパイ
ルを混在して形成させるシングル織絨毯の製造装置であ
って、前記ジャガードマシンのカマが、毛上りカムの回
転駆動に連動してリンク機構を介して昇降駆動するよう
に構成される一方、該ジャガードマシンの底板が、中段
用毛上りカムの回転駆動に連動してリンク機構を介して
昇降駆動するように構成されてなることを特徴とするも
のである。
【0014】ジャガードマシンのカマの上昇により輪奈
経糸が上方に引き出され、次いで該カマの下降により輪
奈経糸によるパイルを形成させることができ、一方ジャ
ガードマシンの底板の上昇により、カマの係止刃に係合
しなかった立針に関与する輪奈経糸を覆経糸と略水平高
さに位置せしめ、次いで該底板の下降により緯糸の下側
に位置させることができ、このようにして筬により緯糸
とカットナイフ又はループナイフとを同時に打ち込んで
地組織に輪奈経糸によるパイルを形成させることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るシングル織
絨毯の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は
本実施形態のシングル織絨毯の織組織図(平面組織図)
であり、図2は図1の上半部の織組織に対応する側面組
織図であり、図3は図1の下半部の織組織に対応する側
面組織図である。これらの図において、(2)は輪奈経
糸、(3)は締経糸、(4)は覆経糸(芯経糸)、
(5)は緯糸である。
【0016】経方向に沿って配置された覆経糸(4)の
上下に交互に緯糸(5)…が打ち込まれて上下交互配置
となされている。即ち、隣り合って順に並ぶ緯糸(5
a)(5b)(5c)(5d)(5e)(5f)(5
g)(5h)のうち、緯糸(5a)(5c)(5e)
(5g)は覆経糸(4)の下側に配置される一方、緯糸
(5b)(5d)(5f)(5h)は覆経糸(4)の上
側に配置されている。
【0017】また、一対の締経糸(3a)(3b)のう
ち一方の締経糸(3a)が、前記4本の緯糸(5a)
(5b)(5c)(5d)の下に配置され、次に来る4
本の緯糸(5e)(5f)(5g)(5h)の上に配置
される一方、他方の締経糸(3b)が前記4本の緯糸
(5a)(5b)(5c)(5d)の上に配置され、次
に来る前記4本の緯糸(5e)(5f)(5g)(5
h)の下に配置され、このように緯糸(5)4本毎に一
対の締経糸(3a)(3b)の上下位置が互いに入れ替
えられる態様で緯糸(5)と締経糸(3)とが交錯され
て地組織(6)が形成されている。
【0018】このように覆経糸(4)がその上下に交互
配置された緯糸(3)により上下から締め付けられ、更
にこれら緯糸(3)が4本毎に上下から一対の締経糸
(3a)(3b)により締め付けられるので、地組織
(6)が強い締付力でもって製織されるので、地組織
(6)としての耐久性に優れている。また、緯糸(3)
が4本毎に一対の締経糸(3a)(3b)により締め付
けられるので、従来の二越織絨毯(2本毎に締め付け)
や三越織絨毯(3本毎に締め付け)と比較してより織り
密度の大きい地組織(6)が構成されるから、地組織
(6)の耐久性を一層向上させることができる。
【0019】一方、輪奈経糸(2a)(2b)は、前記
上側の緯糸(5b)(5d)(5f)(5h)と下側の
緯糸(5a)(5c)(5e)(5g)の間に織り込ま
れて前記地組織(6)に保持されるものとなされている
が、この輪奈経糸(2a)(2b)は、前述したような
構成(緯糸4本毎に一対の締経糸で締め付ける構成)が
採用されることで一対の締経糸(3a)(3b)により
強い締付力で地組織(6)に保持されることとなるの
で、パイル保持性に優れたものとなる。
【0020】そして、輪奈経糸(2a)(2b)は、下
側の緯糸(5a)(5c)(5e)(5g)の上方位置
において任意に選択して上方へ引き出されてカットパイ
ル(30)あるいはループパイル(31)が形成されて
いる。
【0021】ループパイル(31)は、その引き出し位
置である当該下側の緯糸に隣接した上側緯糸の上を跨ぐ
態様で織り込まれている。例えば、図1に示すように、
ループパイル(31A)は、その引き出し位置である当
該下側の緯糸(5e)に隣接した上側緯糸(5d)の上
を跨ぐ態様で織り込まれている。このようにループパイ
ル(31)が上側緯糸を跨ぐ態様で織り込まれているか
ら、ループパイルに跨ぐ方向側への膨らみを持たせるこ
とができる。従って、この膨らみを持ったループパイル
(31A)と、該ループパイル(31A)の引き出し位
置である下側緯糸(5e)の隣の下側緯糸(5c)の上
方位置に形成されたカットパイル(30A)(図2参
照)とが緯方向に一列に並んだ状態に見える(図4参
照)。即ち、緯方向に見た時にカットパイル(30)と
ループパイル(31)とがずれた感じを受けることがな
い。従って、得られるシングル織絨毯(1)は、美麗で
意匠性に優れた高級感のあるものとなる。
【0022】カットパイル(30)とループパイル(3
1)を形成する位置(地組織に対する位置関係)は、上
記実施形態のものに特に限定されるものではなく、例え
ば図5、6に示すような配置(上記実施形態とはループ
ナイフとカットナイフの挿入位置が入れ替わっている)
であっても良い。
【0023】また、上記実施形態では、カラフルな絨毯
とするために2本(2色)の輪奈経糸(2a)(2b)
を用いて構成しているが、この輪奈経糸の本数は3本
(3色)以上であっても良いし、あるいは1本(1色)
であっても良い。もちろん、同色の輪奈経糸を複数本用
いて単色の絨毯を構成するものとしても良い。
【0024】また、上記実施形態では、各緯糸間でいず
れか1本の輪奈経糸を上下させて(上方へ引き出して)
ループを形成しているが、より複雑な色模様を形成させ
ること等を目的として各緯糸間で2本以上の輪奈経糸を
同時に上下させて緯方向に複数種のループが一列に並ん
だ状態に構成しても良い。もちろん、製織する絨毯の模
様に応じて特定の緯糸間では全ての輪奈経糸を上下させ
ずに(上方へ引き出さずに)パイルを全く形成させない
構成を採用しても良い。
【0025】また、この発明のシングル織絨毯(1)
は、上記実施形態のものに特に限定されるものではな
く、この発明の技術思想を逸脱しない範囲で適宜種々の
設計変更を行うことができる。
【0026】なお、この発明において、シングル織絨毯
(1)を構成する各構成糸の素材、形態等は特に限定さ
れないが、輪奈経糸(2)としてはウール繊維、アクリ
ル繊維、ナイロン繊維等からなる糸が好適であり、一方
締経糸(3)、覆経糸(4)、緯糸(5)としてはポリ
エステル繊維、レーヨン繊維、麻繊維、綿繊維等からな
る糸が好適である。
【0027】この発明のシングル織絨毯(1)は、例え
ば図7に示す製造装置(織機)を用いて次のようにして
製造することができる。
【0028】この製造装置は経方向(図面左右方向)に
輪奈経糸(2a)(2b)、締経糸(3a)(3b)、
覆経糸(4)がそれぞれ供給されるようになされてお
り、これらが筬(12)の櫛目間を通過する際に緯糸
(5)…が順次打ち込まれるようになされると共に、前
記筬(12)は緯糸(5)…を打ち込む毎に筬打ち運動
の前進と後退を繰り返すようになされている。
【0029】上下一対の締経糸(3a)(3b)のうち
一方の締経糸(3a)は綜絖(15)によって上下方向
に導かれるようになされ、他方の締経糸(3b)は綜絖
(16)によって上下方向に導かれるようになされてお
り、4本の緯糸(5a)(5b)(5c)(5d)が打
ち込まれる際には綜絖(15)が下方に移動して一方の
締経糸(3a)が該4本の緯糸(5a)(5b)(5
c)(5d)の下に配置される一方、綜絖(16)が上
方に移動して他方の締経糸(3b)が該4本の緯糸(5
a)(5b)(5c)(5d)の上に配置される。次い
で、次の4本の緯糸(5e)(5f)(5g)(5h)
が打ち込まれる際には綜絖(15)が上方に移動して一
方の締経糸(3a)が該4本の緯糸(5e)(5f)
(5g)(5h)の上に配置される一方、綜絖(16)
が下方に移動して他方の締経糸(3b)が該4本の緯糸
(5e)(5f)(5g)(5h)の下に配置される。
こうした操作が繰り返されることにより、緯糸4本毎に
一対の締経糸(3a)(3b)の上下位置が互いに入れ
替えられる態様で緯糸(5)…と締経糸(3a)(3
b)とが交錯される。
【0030】また、前記緯糸(5)…のうち、緯糸(5
a)(5c)(5e)(5g)は覆経糸(4)の下方に
打ち込まれる一方、緯糸(5b)(5d)(5f)(5
h)は覆経糸(4)の上方に打ち込まれるようになされ
ており、これによって覆経糸(4)の上下に交互に緯糸
(5)…が打ち込まれる、即ち緯糸1本毎に覆経糸
(4)の上下位置が入れ替わる態様で織り込まれる。こ
のようにして、覆経糸(4)、締経糸(3a)(3
b)、緯糸(5)…が織り込まれて絨毯(1)の地組織
(6)が形成されるようになされている。
【0031】更に、このような地組織(6)の織り込み
動作に併せて、ジャガードマシン(9)の毛上りカム
(7)と中段用毛上りカム(8)を作動させることで、
緯糸(5)…の打ち込み毎に輪奈経糸(2)を上下移動
させることが可能なようになされている。即ち、2本の
緯糸(5a)(5b)・(5c)(5d)・(5e)
(5f)・(5g)(5h)を打ち込む毎に毛上りカム
(7)が丁度1回転するようになされており、リンク機
構(18)の係合点(18a)が毛上りカム(7)のカ
ム面のA点側を通過する際にこの係合点(18a)の動
きに応じてリンク機構(18)が連動することによって
ジャガードマシン(9)のカマ(10)を上昇させる。
この際、シリンダー(20)が紋紙(21)を1枚ずつ
こま送りしてカマ(10)に向かって進退し、紋紙(2
1)に紋孔が開けられていない部分では横針(22)に
より立針(23)が押され、係止刃(24)から外され
るが、紋紙(21)に紋孔が開けられている部分では横
針(22)が移動せず立針(23)が係止刃(24)に
係合する(図8参照)。従って、カマ(10)が上昇す
る際にこれと連動して係止刃(24)も上昇するのであ
るが、該係止刃(24)に係合した立針(23)のみが
上昇することとなり、これにより通吊糸(25)、綜絖
(26)を介して所定の輪奈経糸(2)のみを上昇させ
る。なお、紋紙(21)は、緯糸(5)を1本打ち込む
毎に1枚づつこま送りされるようになされている。
【0032】そして、毛上りカム(7)がさらに回転し
てリンク機構(18)の係合点(18a)が毛上りカム
(7)のカム面のB点側を通過する際にこの係合点(1
8a)の動きに応じてリンク機構(18)が連動するこ
とによってジャガードマシン(9)のカマ(10)が下
降し、これに伴って前記上昇した輪奈経糸(2)は元の
高さ位置にまで戻る。この一連の輪奈経糸(2)の上下
往復動によってパイルが形成される。なお、リンク機構
(18)の係合点(18a)が、毛上りカム(7)のカ
ム面のA点側を通過する際に緯糸(5a)(5c)(5
e)(5g)が打ち込まれる一方、係合点(18a)が
毛上りカム(7)のカム面のB点側を通過する際に緯糸
(5b)(5d)(5f)(5h)が打ち込まれるよう
になされている。
【0033】そして、ループナイフ(41)は緯糸(5
a)(5e)の上部位置に打ち込み挿入されるようにな
されており、一方カットナイフ(40)は緯糸(5c)
(5g)の上部位置に打ち込み挿入されるようになされ
ており、前記のようにして形成されたパイルがこれらの
位置でループナイフ(41)又はカットナイフ(40)
に掛けられた態様で織り込まれる。この後、各ナイフ
(41)(40)は順次引き抜き運動が行われるのであ
るが、この時ループナイフ(41)上に掛けられたもの
はループパイル(31)となり、一方カットナイフ(4
0)に掛けられたものは引き抜きの際に切断されてカッ
トパイル(30)となる。このようにして所定の位置で
ループパイル(31)又はカットパイル(30)が形成
される。
【0034】一方、中段用毛上りカム(8)は、2本の
緯糸(5a)(5b)・(5c)(5d)・(5e)
(5f)・(5g)(5h)を打ち込む毎に、丁度1回
転するようになされており、リンク機構(19)の係合
点(19a)が中段用毛上りカム(8)のカム面のC点
側を通過する際にこの係合点(19a)の動きに応じて
リンク機構(19)が連動することによってジャガード
マシン(9)の底板(11)を上昇させる。この際、シ
リンダー(20)が紋紙(21)を1枚ずつこま送りし
てカマ(10)に向かって進退し、紋紙(21)に紋孔
が開けられていない部分では横針(22)により立針
(23)が押され、係止刃(24)から外された立針
(23)は、ジャガードマシン(9)の底板(11)が
上昇することにより、カマ(10)の係止刃に係合しな
かった立針(23)に関与する輪奈経糸を、通吊糸(2
5)、綜絖(26)を介して覆経糸(4)と略水平高さ
に位置せしめる。
【0035】そして、中段用毛上りカム(8)がさらに
回転してリンク機構(19)の係合点(19a)が中段
用毛上りカム(8)のカム面のD点側を通過する際にこ
の係合点(19a)の動きに応じてリンク機構(19)
が連動することによってジャガードマシン(9)の底板
(11)が下降し、緯糸(5b)(5d)(5f)(5
h)が打ち込まれる。なお、リンク機構(19)の係合
点(19a)が、中段用毛上りカム(8)のカム面のC
点側を通過する際に緯糸(5a)(5c)(5e)(5
g)が打ち込まれる一方、係合点(19a)が中段用毛
上りカム(8)のカム面のD点側を通過する際に緯糸
(5b)(5d)(5f)(5h)が打ち込まれるよう
になされている。
【0036】従来、二越織絨毯や三越織絨毯を製造する
場合、カットナイフ又はループナイフのいずれか一方が
打ち込まれる毎に締経糸(103)が交錯されるため
に、パイルの織り込み密度を高めることができなかった
のであるが(図11、12参照)、上記織機によれば、
カットナイフ(40)とループナイフ(41)の両方が
打ち込まれる毎に締経糸(3)が交錯されるので、パイ
ル(30)(31)の織り込み密度を高めることがで
き、ひいては地組織(6)の織り密度も高めることがで
きて、従来の二越織絨毯や三越織絨毯と比較して織り密
度の大きい絨毯を提供することができる。
【0037】なお、この発明に係るシングル織絨毯
(1)は、上記例示の製造装置を用いた製造方法で製造
されるものに特に限定されるものではない。
【0038】
【発明の効果】この発明のシングル織絨毯は、覆経糸の
上下に交互に打ち込まれた緯糸4本毎に一対の締経糸の
上下位置が互いに入れ替えられる態様で緯糸と締経糸と
が交錯されて地組織が形成されており、覆経糸がその上
下に交互配置された緯糸により上下から締め付けられ、
更に該緯糸が4本毎に上下から一対の締経糸により締め
付けられており、このように地組織が強い締付力で製織
されているので、地組織としての耐久性に優れると共
に、地組織に織り込まれた輪奈経糸をこのような強い締
付力で保持できるので、パイル保持性に優れる。また、
緯糸が4本毎に一対の締経糸により締め付けられるの
で、従来の二越織絨毯や三越織絨毯と比べてより密度の
大きい地組織を構成できるので、地組織の耐久性を一層
向上させることができる。
【0039】また、輪奈経糸によるループパイルがその
引き出し位置である当該下側の緯糸に隣接した上側緯糸
の上を跨ぐ態様で織り込まれているから、該ループパイ
ルに膨らみを持たせることができ、この膨らみによって
ループパイルと、該ループパイルの引き出し位置である
下側緯糸の隣の下側緯糸の上方位置に形成されたカット
パイルとを緯方向に一列に並んだ状態に現出させること
ができ、緯方向に見た時にカットパイルとループパイル
とがずれた感じを受けることがなく、その意匠性を高め
ることができると共に、高級感も十分に付与することが
できる。
【0040】また、この発明のシングル織絨毯の製造装
置は、ジャガードマシンのカマが、毛上りカムの回転駆
動に連動してリンク機構を介して昇降駆動するように構
成される一方、該ジャガードマシンの底板が、中段用毛
上りカムの回転駆動に連動してリンク機構を介して昇降
駆動するように構成されてなるものであり、ジャガード
マシンのカマの上昇により輪奈経糸を上方に引き出し、
次いで該カマの下降により輪奈経糸によるパイルを形成
させることができ、一方ジャガードマシンの底板の上昇
により、カマの係止刃に係合しなかった立針に関与する
輪奈経糸を覆経糸と略水平高さに位置せしめ、次いで該
底板の下降により緯糸の下側に位置させることができ、
このようにして筬により緯糸とカットナイフ又はループ
ナイフとを同時に打ち込んで地組織に輪奈経糸によるパ
イルを形成させることができ、こして織られた絨毯は、
パイル部が重厚で、かつ地組織が耐久性に優れたものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るシングル織絨毯の
織組織図(平面組織図)である。
【図2】図1の上半部の織組織に対応する側面組織図で
ある。
【図3】図1の下半部の織組織に対応する側面組織図で
ある。
【図4】図1のシングル織絨毯の拡大斜視図である。
【図5】別の実施形態に係るシングル織絨毯の織組織図
である。
【図6】同じく側面組織図である。
【図7】織機の一例を示す概略側面図である。
【図8】上記織機におけるシリンダー、横針及び立針の
配置関係を示す概略側面図である。
【図9】毛上りカムを示す側面図である。
【図10】中段用毛上りカムを示す側面図である。
【図11】従来の二越織絨毯を示す側面組織図である。
【図12】従来の三越織絨毯を示す側面組織図である。
【図13】従来の絨毯の拡大斜視図である。
【符号の説明】
1…シングル織絨毯 2(2a、2b)…輪奈経糸 3(3a、3b)…締経糸 4…覆経糸 5(5a〜5h)…緯糸 6…地組織 7…毛上りカム 8…中段用毛上りカム 9…ジャガードマシン 10…カマ 11…底板 18…リンク機構 19…リンク機構 30…カットパイル 31…ループパイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 覆経糸(4)の上下に打ち込まれた緯糸
    (5)と、一対の締経糸(3a)(3b)との交錯によ
    って形成された地組織(6)に輪奈経糸(2)が織り込
    まれて、該地組織(6)の片面にカットパイル(30)
    とループパイル(31)が混在して形成されたシングル
    織絨毯であって、 前記一対の締経糸(3a)(3b)のうち一方の締経糸
    (3a)が、覆経糸(4)に対して上下交互配置された
    4本の緯糸(5a)(5b)(5c)(5d)の下に配
    置され、次の上下交互配置された4本の緯糸(5e)
    (5f)(5g)(5h)の上に配置される一方、他方
    の締経糸(3b)が、前記4本の緯糸(5a)(5b)
    (5c)(5d)の上に配置され、次の前記4本の緯糸
    (5e)(5f)(5g)(5h)の下に配置され、こ
    のように緯糸4本毎に一対の締経糸(3a)(3b)の
    上下位置が互いに入れ替えられる態様で緯糸と締経糸と
    が交錯されて地組織(6)が形成されてなり、 前記輪奈経糸(2)が、上側の緯糸(5b)(5d)
    (5f)(5h)の下側に織り込まれて前記地組織
    (6)に保持されると共に、下側の緯糸(5a)(5
    c)(5e)(5g)の上方位置において任意に選択し
    て上方へ引き出されてカットパイル(30)またはルー
    プパイル(31)が形成され、かつ該ループパイル(3
    1)の少なくとも一部がその引き出し位置である当該下
    側の緯糸に隣接した上側緯糸の上を跨ぐ態様で織り込ま
    れて、カットパイル(30)とループパイル(31)と
    が緯方向に一列に並んだ状態に現出されるようになされ
    ていることを特徴とするシングル織絨毯。
  2. 【請求項2】 ジャガードマシン(9)で輪奈経糸
    (2)を上下往復動させることにより、地組織(6)の
    片面にカットパイル(30)とループパイル(31)を
    混在して形成させるシングル織絨毯の製造装置であっ
    て、 前記ジャガードマシン(9)のカマ(10)が、毛上り
    カム(7)の回転駆動に連動してリンク機構(18)を
    介して昇降駆動するように構成される一方、該ジャガー
    ドマシン(9)の底板(11)が、中段用毛上りカム
    (8)の回転駆動に連動してリンク機構(19)を介し
    て昇降駆動するように構成されてなることを特徴とする
    シングル織絨毯の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015149415A1 (zh) * 2014-04-04 2015-10-08 南通华普工艺纺织品有限公司 一种Leaf box地毯的编制方法

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