JP2001192344A - フィルムコーティング剤及び経口固形製剤 - Google Patents

フィルムコーティング剤及び経口固形製剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のフィルムコーティング剤と比べて、よ
り強力な味のマスキング力と薬物の溶出性に優れるフィ
ルムコーティングを提供する。これにより、口腔内崩壊
錠のような口腔内で崩壊させるような製剤に用いる粒子
の加工が容易にできる。 【解決手段】 メチルセルロースと、モノマー単位にメ
タクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステル等を
含むアクリル系ポリマーとを含むフィルムコーティング
剤による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形製剤の苦味な
どの不快な味を隠蔽し、かつ薬物の溶出性に優れるフィ
ルムコーティング剤およびこれを用いてコーティングさ
れた経口固形製剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】苦味のマスキングは、経口固形製剤にお
いて、不快な味をマスキングし患者の服用性を改善し、
コンプライアンスを高める方法として重要であり多くの
提案がなされている。経口固形製剤のうち、錠剤、カプ
セル剤については比較的容易に苦味のマスキングを行う
ことができる。例えば、錠剤については、従来公知の水
溶性フィルムコーティングによる方法が広く行われてい
る。また、カプセル剤については、苦味を有する薬剤の
服用感を改善する目的で開発された剤形であり、そのカ
プセル剤被はゼラチンあるいはヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース(HPMC)よりなり、無味無臭の水溶性高
分子であり、苦味を有する薬物粉末を充填するだけでよ
い。
【0003】このように一般の錠剤およびカプセル剤な
どは、飲み込むために設計された剤形であり、口腔内を
通過し胃で速やかに崩壊、溶出させることを目的とした
ものである。しかしながら、口腔内で崩壊させ吸収性を
高めることを目的とした製剤、あるいは顆粒剤などの粒
子径が小さく比表面積の大きな製剤では、薬物の有する
苦味は深刻な問題である。このような経口固形製剤とし
ては、口腔内崩壊錠、口腔内速溶錠、チューアブル錠、
顆粒剤、細粒剤、散剤、バッカル錠、トローチ錠、舌下
錠などが挙げられる。このうちバッカル錠、トローチ
錠、舌下錠は、主に口腔内の局所適用を目的としたもの
で、口腔内で薬物が溶出されることが必須であるが、そ
の他の剤形においては、薬剤は主に十二指腸あるいは胃
の消化管粘膜を通して体内に吸収されるものであり、必
ずしも口腔内で薬物が溶出する必要はない。従って、口
腔内崩壊錠、口腔内速溶錠、チューアブル錠、顆粒剤、
細粒剤、散剤などの製造に用いる薬物粒子あるいはその
造粒物を適当な剤被により被覆することで、苦味を抑制
することは有用な方法と考えられる。
【0004】近年、薬物のバイオアベイラビリティ(Bio
availability)が重視され、薬物の有効利用および同等
性の評価の観点から錠剤などの固形製剤の溶出試験が見
直されており、溶出の速い製剤は有効性あるいは同等性
が担保されているとの考え方がとられている。従って、
より緩和な条件(パドル法50rpm)で速やかに溶出す
る製剤が求められている。このため、前述のような薬物
を含む粒子をコーティングにより苦味をマスクした口腔
内崩壊錠、口腔内速溶錠、チューアブル錠、顆粒剤、細
粒剤、散剤などにおいては、口腔内で崩壊した薬物を含
む粒子あるいは服用した薬物を含む粒子が、胃に到達
後、薬物の全量を直ちに放出することが、薬物の吸収性
を高めるために必要である。
【0005】このような薬物粒子あるいはその造粒物を
コーティングするために用いるポリマーとしては、胃溶
性ポリマー(pH5以下で溶解する)、腸溶性ポリマー
(pH5以上で溶解する)、水不溶性ポリマー(あらゆる
pHで不溶)、水溶性ポリマー(あらゆるpHで溶解)が
考えられる。この中では胃溶性ポリマーと水不溶性ポリ
マーを用いる例が多く、例えば、特開平8−40881
号公報では、苦味を有する低融点薬物では胃溶性ポリマ
ーとの相互作用が強いため胃溶性ポリマーで被覆した
後、水溶性ポリマーで被覆する方法が、WO98302
09号公報では、水溶性ポリマーで被覆した後、胃溶性
ポリマーで被覆する方法が、提案されている。これらは
何れも少なくとも2種類のポリマーで2層のコーティン
グが必要で煩雑であり、苦味のマスクと薬物の溶出性を
制御することが困難である。
【0006】米国特許第4760093号では、水不溶
性ポリマーあるいは胃溶性ポリマーの溶液中に懸濁させ
て、このものをスプレードライすることで被覆する方法
が、欧州特許第290229号では、胃溶性ポリマーの
有機溶剤溶液を結合剤として用いて造粒することで被覆
する方法が提案されている。これらは何れもスプレード
ライ装置あるいは残留溶剤を除くための真空乾燥装置な
ど特別な装置が必要である。欧州特許第0636365
号では、水不溶性ポリマーと水溶性ポリマーを混合して
コーティングする方法が開示されているが、実施例は何
れも有機溶剤系のコーティングであり、苦味のマスクに
ついては十分な性能が開示されているものの薬剤の溶出
性については触れられていない。
【0007】各種のポリマーを複合して用いる例として
は、特開平1−100116号公報では、胃溶性ポリマ
ー、腸溶性ポリマー、水不溶性ポリマーでコーティング
する方法が、特開平4−312523号公報では、核粒
子の粒子径を制限し、胃溶性ポリマー、腸溶性ポリマ
ー、水溶性ポリマーでコーティングし、口腔内でのザラ
ツキ感を抑えた被覆製剤が開示されているが、何れも、
実施例は有機溶剤系のコーティングであり、苦味のマス
クについては十分な性能が開示されているものの薬剤の
溶出性については触れられていない。
【0008】このように、近年、その需要が増加してき
ている服用性を改善した口腔内崩壊錠のように、口腔内
で小さな粒子に分散させて吸収性を高めた製剤、あるい
は顆粒剤、細粒剤、散剤などにおいては、薬物粒子ある
いは薬物を含む造粒粒子を被覆し、苦味などの不快な味
を隠蔽し、かつ薬物の溶出性に優れるコーティング技術
の開発が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のフィルムコーティング剤と比べて、より強力な味のマ
スキング力と薬物の溶出性に優れるフィルムコーティン
グを提供することにある。これにより、口腔内崩壊錠の
ような口腔内で崩壊させるような製剤に用いる粒子の加
工が容易にできる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決し、苦味マスキングに優れ、溶出性の改善
された水系フィルムコーティング剤とするための検討を
重ねた結果、メチルセルロース(MC)とアクリル系ポ
リマーに配合することで、目的を達成できることを見出
し本発明を完成するに至った。
【0011】
【発明の実施形態】本発明のアクリル系ポリマーは、医
薬用のコーティング剤として使用できるものであれば何
れも使用できる。このようなアクリル系ポリマーは、そ
のモノマー単位に、メタクリル酸エステル及び/又はア
クリル酸エステルを含有するため、他のセルロース系の
コーティング剤と比較すると疎水性が強く、溶解あるい
は膨潤崩壊するまでに要する水和に時間がかかり好都合
である。これらを分類すると、酸性ポリマー(モノマー
単位中にカルボキシル基を含むもので主に腸溶性コーテ
ィングに用いられる)、中性ポリマー(モノマー単位中に
メタクリル酸エステルを含むもので被膜の透過性が高く
主に徐放性製剤に用いられる)、塩基性ポリマー(モノマ
ー単位中にアミノ基を含むもので主に胃溶性コーティン
グに用いられる)の3種に大別できる。酸性ポリマーと
しては、メタクリル酸コポリマーでメタクリル酸エステ
ル及び/又はアクリル酸エステルを含むものが挙げら
れ、市販品には、メタクリル酸とメタクリル酸メチルの
コポリマーとして樋口商会製L100、S100、メタクリル酸
とメタクリル酸エチルのコポリマーとして同L30D-55、L
100-55等が挙げられる。中性ポリマーとしては、メタク
リル酸エステルコポリマーが挙げられ、市販品には、メ
タクリル酸エチルとメタクリル酸メチルと2−トリメチ
ルアンモニウムエチルメタクリレートクロライドのコポ
リマーである樋口商会製Eudragit RL30D、同RS30D、ア
クリル酸エチルとメタクリル酸メチルのコポリマーであ
る 同NE30D等が挙げられる。塩基性ポリマーとしては、
メタクリル酸アミノアルキルエステルコポリマーが挙げ
られ、市販品には、メタクリル酸メチルとメタクリル酸
ブチルと(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート
のコポリマーである樋口商会製Eudragit E100が挙げら
れる。本発明のアクリル系ポリマーは、これらの何れも
使用できる。特に好ましくは塩基性のメタクリル酸アミ
ノエステルコポリマーと中性のメタクリル酸エステルコ
ポリマーが挙げられる。メタクリル酸エステル、アクリ
ル酸エステルのモノマー単位を含むコポリマーにおい
て、当該モノマー単位の占めるモル比は、好ましくは
0.25以上、さらに好ましくは0.4以上である。こ
の範囲では、十分な疎水性を有するためフィルムコーテ
ィング剤としての機能に優れ好適だからである。本発明
で用いるアクリル系ポリマーは、顆粒状で有機溶剤に溶
解して用いるタイプと水に分散された液状のものが利用
でき、特に、後者は水系コーティングに利用でき好まし
い。
【0012】本発明のMCは、市販のMCあるいは公知
の方法によって合成されたMCを原料に、これを塩酸水
(特開昭62−25101号公報)または塩酸ガス(特公
昭48−41037号公報)によって、重合度を低下さ
せることで製造される。MCの粘度は、水系コーティン
グを実施するために高濃度溶液としてスプレーできるよ
う低いものが好ましい。具体的には、20℃におけるM
Cの2重量%水溶液の粘度が、日本薬局方に定められる
粘度測定法で測定した場合に、好ましくは2〜20mm
2/sの範囲、特に好ましくは2〜5mm2/sの範囲で
ある。2mm2/s未満では、MC重合度が極端に低下す
るためフィルムとしての強度を保持できないおそれがあ
る。また、20mm2/sを超えると、コーティング水
溶液の濃度を低く抑えなければならず実用的ではない。
【0013】MCとアクリル系ポリマーの配合組成は、
5:95〜60:40(重量比)の範囲が好ましく、MC
添加量がこの範囲より少ないと、水溶性成分が少なくな
り薬物の溶出が遅れるおそれがある。MC添加量がこの
範囲を超えると、水溶性成分が過多となり苦味のマスキ
ング力が低下してしまうおそれがある。前記のようにM
Cとアクリル系ポリマーを配合することで、適当な苦味
マスキング力と薬物溶出性が両立できる。さらに加え
て、一般にアクリル系ポリマーは、軟化温度が低いため
に、コーティング中に適用する粒子同士の粘着が生じ易
く、これを防止するためスプレー速度を低くする、ある
いは、給気温度を低くするなどの処置が必要となる。ま
た、有機溶剤溶液として使用する場合にも、曳糸性ある
ため、同様に粒子同士の粘着が生じ易い。本発明のアク
リル系ポリマーにMCを配合することで、このような粒
子同士の粘着を顕著に抑制でき、生産性の点でも大いに
改善できることを見出した。
【0014】この様にして得られた低粘度MCとアクリ
ル系ポリマーを配合した組成物は、10〜25重量%の
濃度で水に溶解および分散し、固形製剤にコーティング
することができる。このコーティングには、パンコーテ
ィング装置、通気式ドラムコーティング装置、流動層コ
ーティング層など医薬品の製造に一般的に用いられてい
る装置を用いることができる。
【0015】また、コーティングの液組成には、可塑
剤、顔料などを配合することができる。本発明のコーテ
ィングに使用できる可塑剤としては、ポリエチレングリ
コール、グリセリン、プロピレングリコール、トリアセ
チン、クエン酸トリエチルなどが挙げられる。この中で
は、クエン酸トリエチルおよびポリエチレングリコール
がアクリル系ポリマーとの相溶性に優れ好適である。顔
料としては、酸化チタン、アルミニウムレーキなどが挙
げられる。その他、着色料、粘着防止剤、消泡剤、香料
など一般にコーティングに用いられている添加剤を配合
することは自由である。
【0016】固形製剤へのコーティング量は、適用する
薬物粒子あるいは薬物を含む造粒粒子の大きさ、形状お
よびマスキングしようとする薬剤の種類により大きく異
なるが、顆粒剤では一般の腸溶フィルムコーティングと
同等か若干少なめの量で、本発明の効果である苦味のマ
スキングと速やかな溶出が期待できる。なお、本発明の
コーティングは、従来のフィルムコーティング同様に、
糖衣錠、腸溶錠のアンダーコーティングに用いることが
できる。本発明のコーティングにより製された苦味のマ
スキングされた粒子は、さらに賦形剤あるいは他の成分
とともに成形し、口腔内崩壊錠、チューアブル錠とする
ことができる。本発明のフィルムコーティング剤により
コーティグされる経口固形製剤は、特に限定されるもの
ではなく、フィルムコーティング錠、口腔内崩壊錠、チ
ューアブル錠の他に、口腔内速溶錠、顆粒剤、細粒剤、
散剤などが挙げられる。
【0017】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 (細粒剤の調製)乳糖を主体とし、苦味成分として臭化プ
ロパンテリン(日本薬局方)を10重量%含有する細粒剤
を常法に従い、造粒、乾燥、調粒して、平均粒子径40
0μmの細粒剤を得た。このものは日本薬局方の崩壊試
験法に準じ、試験液として精製水を用い、補助筒を用い
て崩壊時間を測定したところ、崩壊時間は、25秒であ
った。また、その溶出速度も測定間隔の3分以内に全量
を溶出した。
【0018】(コーティング)メチルセルロース(メトロ
ース(Metolose)SM-4、信越化学工業社製;20℃、2重
量%水溶液の粘度4.2mm2/s)2.7重量部、アクリル
酸エチルメタクリル酸メチルコポリマー分散液(Eudragi
t NE30D、樋口商会製、固形分濃度30重量%)24.3
重量部 (ポリマーとして 7.3重量部に相当) を精製
水73重量部に溶解または分散し、コーティング溶液
(固形分濃度10重量%)とした。前記で調製した臭化プ
ロパンテリン細粒0.3kgを撹拌流動層コーティング
装置(Multiplex MP-01、パウレック製)に仕込み、給気
温度50℃で、毎分11gのコーティング液をスプレー
して、固形分でコーティング量30重量%であるコーテ
ィング細粒剤を得た。
【0019】(造粒率)得られたコーティング細粒剤は、
30号(400μm) 篩を通過させ、篩上に残留する粒
子の重量%を測定した。結果を表1に示す。 (溶出試験)得られたコーティング細粒剤は、日本薬局方
の溶出試験法に準じ、試験液として精製水を用い、パド
ル法 50rpm にて試験し、臭化プロパンテリンの溶出
速度を測定した。結果を表1に示す。 (官能試験)得られたコーティング細粒剤は、ボランティ
ア12名で、一人当たり各0.2gを服用し、口腔内で
ゆっくりと動かし、苦味を感じるまでの時間を計測し、
その平均値を求めた。結果を表1に示す。
【0020】実施例2 低粘度メチルセルロース(メトロース(Metolose)SM-4、
信越化学工業社製;20℃、2重量%水溶液の粘度4.
2mm2/s)5重量部、アミノアルキルメタクリルレートコ
ポリマーRS(Eudragit RS100、樋口商会製) 5重量部
を塩化メチレン45部と精製水45重量部の混合溶剤に
溶解し、コーティング溶液(固形分濃度10重量%)とし
た。実施例1で用いた細粒剤と同一の臭化プロパンテリ
ン細粒0.3kgを撹拌流動層コーティング装置(Multi
plex MP-01、パウレック製)に仕込み、給気温度45℃
で、毎分20gのコーティング液をスプレーして、固形
分でコーティング量30重量%であるコーティング細粒
剤を得た。得られたコーティング細粒剤を用いて、実施
例1と同様に、造粒率、溶出試験、官能試験を行い、そ
の結果を表1に示す。
【0021】実施例3 低粘度メチルセルロース(メトロース(Metolose)SM-15、
信越化学工業社製;20℃、2重量%水溶液の粘度1
5.2mm2/s)2.7重量部、アミノアルキルメタクリレ
ートコポリマーE(Eudragit E100、樋口商会製)7.3
重量部を塩化メチレン45重量部と精製水 45重量部
の混合溶剤に溶解し、コーティング溶液(固形分濃度1
0重量%)とした。コーティングの条件は、実施例2と
同様にして、固形分でコーティング量30重量%である
コーティング細粒剤を得た。得られたコーティング細粒
剤を用いて、実施例1と同様に、造粒率、溶出試験、官
能試験を行い、その結果を表1に示す。
【0022】実施例4 低粘度メチルセルロース(メトロース(Metolose)SM-4、
信越化学工業社製;20℃、2重量%水溶液の粘度4.
2mm2/s)5重量部、メタクリル酸コポリマーLD((Eudr
agit L30D-55、樋口商会製、固形分濃度30重量%)1
5重量部を精製水80重量部の混合溶剤に溶解または分
散し、コーティング溶液(固形分濃度10重量%)とし
た。コーティングの条件は、実施例2と同様にして、固
形分でコーティング量30重量%であるコーティング細
粒剤を得た。得られたコーティング細粒剤を用いて、実
施例1と同様に、造粒率、溶出試験、官能試験を行い、
その結果をそれぞれ表1〜3に示す。
【0023】実施例5 低粘度メチルセルロース(メトロース(Metolose)SM-4、
信越化学工業社製;20℃、2重量%水溶液の粘度
4.2mm2/s)5重量部、メタクリル酸コポリマーL(Eud
ragit L100、樋口商会製)5重量部を塩化メチレン45
重量部と精製水45重量部の混合溶剤に溶解し、コーテ
ィング溶液(固形分濃度10重量%)とした。コーティン
グの条件は、実施例2と同様にして、固形分でコーティ
ング量30重量%であるコーティング細粒剤を得た。得
られたコーティング細粒剤を用いて、実施例1と同様
に、造粒率、溶出試験、官能試験を行い、その結果を表
1に示す。
【0024】比較例1 アクリル酸エチルメタクリル酸メチルコポリマー分散液
(Eudragit NE30D、樋口商会製、固形分濃度30重量%)
33.3重量部 (ポリマーとして10重量部に相当)を
精製水66.7重量部に分散し、コーティング溶液(固
形分濃度10%)とした。コーティングの条件は、実施
例1と同様にして、固形分でコーティング量30重量%
であるコーティング細粒剤を得た。得られたコーティン
グ細粒剤を用いて、実施例1と同様に、造粒率、溶出試
験、官能試験を行い、その結果を表1に示す。
【0025】比較例2 (コーティング)低粘度メチルセルロース(メトロース(M
etolose) SM-4、信越化学工業社製;20℃、2重量%
水溶液の粘度4.2mm2/s)7重量部を精製水93重量
部に溶解し、コーティング溶液(固形分濃度7%)とし
た。コーティングの条件は、実施例1と同様にして、固
形分でコーティング量30重量%であるコーティング細
粒剤を得た。得られたコーティング細粒剤を用いて、実
施例1と同様に、造粒率、溶出試験、官能試験を行い、
その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】 *「T75」は、75重量%の薬物を溶出するまでの時
間(分)である。
【0027】実施例で示されるように、本発明の処方
は、苦味のマスキング力に優れ、薬物の溶出も速やかで
あった。また、コーティングの操作においても粒子の造
粒が少なく優れたものであった。比較例1のアクリル系
ポリマーのみでコーティングした場合は、苦味のマスキ
ング力に優れるものの溶出が顕著に遅延した。また、コ
ーティング時の造粒も著しかった。比較例2のMCのみ
でコーティングした場合は、溶出は速やかなものの苦味
のマスキング力に劣った。
【0028】
【発明の効果】本発明のコーティング剤は、従来のフィ
ルムコーティング剤と比べて、より強力な味のマスキン
グ力を有し、薬物の溶出性に優れる。これにより、口腔
内崩壊錠のような口腔内で崩壊させるような製剤に用い
る粒子の加工が容易にできる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルセルロースとアクリル系ポリマー
    とを含むフィルムコーティング剤。
  2. 【請求項2】 上記メチルセルロースの20℃における
    2重量%水溶液の粘度が、2.0〜20.0mm2/s
    である請求項1に記載のフィルムコーティング剤。
  3. 【請求項3】 上記アクリル系ポリマーが、モノマー単
    位に、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エス
    テルを含む請求項1または請求項2に記載のフィルムコ
    ーティング剤。
  4. 【請求項4】 上記メチルセルロースと上記アクリル系
    ポリマーの配合重量比が、5:95〜60:40である
    請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムコーティング
    剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のフィル
    ムコーティング剤によってコーティングされた経口固形
    製剤。
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