JP2000053563A - 苦味がマスクされた速放性細粒剤 - Google Patents

苦味がマスクされた速放性細粒剤

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JP2000053563A
JP2000053563A JP10234883A JP23488398A JP2000053563A JP 2000053563 A JP2000053563 A JP 2000053563A JP 10234883 A JP10234883 A JP 10234883A JP 23488398 A JP23488398 A JP 23488398A JP 2000053563 A JP2000053563 A JP 2000053563A
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Takaaki Nishioka
孝章 西岡
Yuka Yamanouchi
由香 山之内
Atsuya Yoshida
篤也 吉田
Kenichi Ota
健一 太田
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Bayer Yakuhin Ltd
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Bayer Yakuhin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 苦味のマスキングと速放性が両立した細粒製
剤を提供すること。 【解決手段】 苦味を有する薬理活性成分を含有する芯
部に、苦味抑制層としてエチルセルロースと水溶性可塑
剤とからなる水性懸濁液を噴霧コーティングしてなる細
粒製剤において、該苦味抑制層が該芯部の20〜40重
量%で、かつ水溶性可塑剤がエチルセルロースの10〜
20重量%であることを特徴とする速放性細粒製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、苦味を有するために内服しにく
い薬物について、その苦味をマスキングして服用しやす
くした速放性の内服用細粒製剤に関する。
【0002】従来、不快な味をマスクした速放性の顆粒
剤や細粒剤としては、水膨潤性物質を核としそれに不快
な味のする薬理活性物質を含有させ又は被覆し、さらに
その外側をエチルセルロース等で構成される水不溶性被
膜で被覆したものが知られている(特開平3−1302
14号公報及び特開平5−163163号公報参照)。
【0003】これらは核の膨潤圧によって外側被膜を破
壊させて速放性の薬物放出を達成するものであるが、核
に水膨潤性物質を使用するため、必然的に核の被覆工程
では有機溶剤が使用される。しかしながら、近年、環境
保護、労働安全衛生および医薬品製剤の安全性の確保等
の観点から、有機溶剤系コーティングは敬遠される傾向
にあり、これらの方法に代わって水系分散剤によるコー
ティングが注目されてきている(「粒子設計と製剤技
術」川島嘉明編、薬業時報社平成5年10月30日発行
参照)。
【0004】特開平5−255072号公報では、エチ
ルセルロース等の水性懸濁液を使用してフレーバーマス
クしたマイクロカプセルが開示されている。被膜形成を
容易にするための可塑剤の添加が述べられているが、エ
チルセルロースと可塑剤の具体的組み合わせは教示され
ていない。
【0005】エチルセルロースの水性懸濁液をコーティ
ングした粒状製剤としては、上記のほか、薬物を含有す
る球形素顆粒にエチルセルロース、可塑剤及びヒドロキ
シプロピルセルロース等の薬物溶出速度調整物質からな
る水性懸濁液をコーティングし、一定のフィルム強度と
なるよう調製したフィルムコーティング顆粒(特開平9
−165329号公報)や、薬物を含有する素粒にエチ
ルセルロースと可塑剤からなる水性懸濁液をコーティン
グし、一定条件下で熱処理を行うフィルムコーティング
粒剤の製造方法も知られている(特開平9−19434
7号公報)。しかしながらこれらの粒状製剤は不快な味
のマスキングと薬理活性物質の迅速な放出を目的とした
ものではい。
【0006】本発明の目的は、医薬品としての安全性を
損なうこと無く苦味マスキングと迅速な薬物放出を同時
に達成することができる速放性細粒剤を、簡便でかつ環
境保護及び製造時の労働安全衛生の面に優れた製造方法
により提供することである。
【0007】本発明者らは、上記の目的を達成するため
に種々検討を重ねた結果、苦味薬物を含有する芯部にエ
チルセルロースを主成分とする皮膜を施した細粒剤にお
いて、コーティング基剤としてエチルセルロースの水性
懸濁液を用い、意外にも、添加する水溶性可塑剤の量を
通常よりも少なくするという実用的かつ簡単な方法によ
り、苦味のマスキングと薬物の速い溶出という相反する
性質を兼ね備えた細粒剤、即ち、水に投入されたときに
薬理活性成分が溶出しはじめるまで確実に1〜2分程度
のラグタイムがあり、かつ10〜20分以内に薬理活性
成分をほぼ100%放出する速放出性の細粒剤が得られ
ることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明によれば、苦味を有する薬理
活性成分を含有する芯部に、苦味抑制層としてエチルセ
ルロースと水溶性可塑剤とからなる水性懸濁液を噴霧コ
ーティングしてなる細粒製剤において、該苦味抑制層が
該芯部の20〜40重量%であり、かつ水溶性可塑剤の
含有量がエチルセルロースの10〜20重量%であるこ
とを特徴とする速放性の細粒製剤が提供される。
【0009】本発明にいう速放性細粒製剤とは、大きさ
が平均粒子径100〜500ミクロン程度のものでかつ
薬理活性成分の溶出が、日本薬局方溶出試験(水900
ml、パドル法、150rpm、試料500mg)にお
いて、2分後3%未満かつ20分後85%以上、好まし
くは2分後2%未満かつ20分後90%以上であるもの
をいう。
【0010】芯部には、適当な材質の核粒子の表面に薬
理活性成分を被覆した粒子又は苦味を有する薬理活性成
分と適当な製剤助剤を混和して成形した粒子が用いられ
る。前者のほうが薬理活性成分と他成分との混合による
相互作用を考慮する必要性が少ないのでより好ましく、
これらの例として、商品名セルフィア(旭化成工業
(株))として知られている結晶セルロースの球状造粒
品や、商品名ノンパレル(フロイント産業(株))とし
て知られる結晶セルロースと乳糖とからなる球状造粒
品、又は結晶セルロースと白糖とからなる球状造粒品等
が挙げられる。なかでも、結晶セルロースの球状造粒品
が好んで用いられ、平均粒度約100〜300μmのも
の、より好ましくは平均粒度約100〜200μmのも
の(セルフィアCP−102)が使用される。
【0011】芯部に、苦味を有する薬理活性成分と適当
な製剤助剤を混和して成形した粒子を用いる場合、使用
できる製剤助剤としては、トウモロコシデンプン、バレ
イショデンプン等の澱粉類、乳糖、白糖、ブドウ糖、マ
ンニトール等の糖類、デキストリン、アラビアゴム、ト
ラガント、カラギーニン、アルギン酸ナトリウム、ゼラ
チン等の天然物質、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナト
リウム等のセルロース誘導体、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の
合成高分子等の結合剤;トウモロコシデンプン、バレイ
ショデンプン等の澱粉類、乳糖、白糖、ブドウ糖、マン
ニトール等の糖類、炭酸カルシウム、合成ケイ酸アルミ
ニウム等の無機塩類、パラフィン、ワックス、高級脂肪
酸等の油脂類、セルロース類等の賦形剤等が挙げられ
る。なかでも、ヒドロキシプロピルセルロース(HP
C)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPM
C)、ポリビニルピロリドン(PVP)等の結合剤の使
用が好適であり、低粘度グレードのHPC(例えば、商
品名HPC−L、HPC−SL、HPC−SSL等、日
本曹達製)を薬理活性成分の重量に対して10〜25重
量%用いるのが特に有利である。芯部は、これら製剤助
剤の1種又はそれ以上を、苦味を有する薬理活性成分と
ともに常法にしたがって造粒して製することができる。
芯部の大きさは平均粒度50〜500μm、好ましくは
100〜400μmが望ましい。
【0012】何れの芯部を用いる場合も、表面が滑らか
でかつ形状が球に近いほどその周囲へ活性成分を被覆す
ることが容易であるため好ましい。
【0013】芯部に用いる苦味薬物としては、経口投与
可能で苦味を有しかつ胃内での速放性を求められる薬物
であれば特に制限されない。それらの例としては、ピリ
ドンカルボン酸系抗菌剤であるシプロフロキサシン、ク
リナフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシ
ン、ノルフロキサシン、エノキサシン、スパルフロキサ
シン等が挙げられ、活性成分自体又はそれらの塩として
用いることができる。シプロフロキサシンの塩酸塩は特
に好適である。
【0014】苦味を有する薬物の量は、最終製剤の重量
に対して5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%
である。
【0015】芯部にはこれら苦味を有する薬物の少なく
とも1種を単独で、又は必要に応じ他の薬理活性を有す
る成分を一緒に配合することができる。他の薬理活性を
有する成分としては、苦味の有無に拘わらず、胃内での
速放性が期待される薬物であれば制限されない。それら
の例としては抗生物質類(アンピシリン、アモキシリ
ン、エリスロマイシン、クラリスロマイシンン等)、抗
潰瘍剤類(オメプラゾール、ランソプラゾール等のプロ
トンポンプインヒビター、シメチジン、ファモチジン等
のいわゆるH2ブロッカー等)等が挙げられる。
【0016】芯部は、後述する苦味抑制層を被覆する前
に、水溶性高分子からなるフィルムコーティングを施す
ことができる。フィルムコーティングを施すことによ
り、芯部の強度が増加し、苦味抑制層のコーティング操
作が容易になると同時に、芯部に含まれる薬理活性成分
がコーティング工程中に苦味抑制層に移動するのを妨ぐ
ことができ、より完全な苦味マスキングが可能となる。
従ってフィルムコーティング層は、芯部及び苦味抑制層
の何れとも組成を異にするのが好ましい。
【0017】フィルムコーティング基剤としては、HP
MC、HPC又はプルラン等の水溶性コーティング基剤
の一種類もしくはそれ以上を用いることができ、これら
はさらにポリエチレングリコール(PEG)6000又
はPEG4000等の可塑剤を含有することができる。
好ましくは、低粘度のHPMC(2%水溶液の粘度が3
〜15cp)に対してPEG6000又はPEG400
0を20〜35重量%添加したものが使用できる。
【0018】本発明における芯の表面を被覆する苦味抑
制層は、エチルセルロースと該エチルセルロースの10
〜20重量%、好ましくは12〜15重量%の水溶性可
塑剤を含有し、その重量は芯部の20〜40重量%、好
ましくは25〜35重量%である。苦味抑制層が芯部に
対し40重量%より多いか、又は苦味抑制層内の可塑剤
がエチルセルロースの20重量%より多いと、苦味マス
キングのためのラグタイムが長くなりすぎ、かつ薬理活
性成分の放出速度が著しく低下して所望の速放性製剤が
得られない。逆に、苦味抑制層が芯部に対し20重量%
未満、又は苦味抑制層内の可塑剤がエチルセルロースの
10重量%未満だと、薬理活性成分の放出は速やかであ
るが、苦味マスキングのためのラグタイムが十分に確保
されず、服用時に口内で苦味成分が溶出する虞がある。
【0019】エチルセルロースは水性懸濁液の状態で用
いる。これは水不溶性のエチルセルロースを微粉砕して
水に分散させたもので、例えばセチルアルコールやラウ
リル硫酸ナトリウム等の少量の安定化剤と共にラテック
ス化されたもの等が市販されている(米国FMC Co
rp.製の商品名アクアコート(Aquacoat)
等)。エチルセルロースを微粉砕したものをホモジナイ
ザー等を用いて水中に懸濁させて得たエチルセルロース
の水性懸濁液を使用しても差し支えない。
【0020】本発明に使用される水溶性可塑剤は、クエ
ン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、アセチル化モノ
グリセリド、フタル酸ジエチル等である。中でもシトロ
フレックス2(SC−60)(ファイザー製薬−中外貿
易)又はハイダーゲンTEC(ヘンケル白水)の商品名
で販売されているクエン酸トリエチルの使用が好まし
い。
【0021】苦味抑制層は、エチルセルロース及び水溶
性可塑剤に加えて、必要に応じて、例えば、酸化チタ
ン、三二酸化鉄(赤色又は黄色)、タルク等の着色剤及
び/又は遮光剤等を含むことができる。
【0022】また、苦味抑制層の外側にさらに少なくと
も一層のフィルムコーティング層を設けることができ
る。該フィルムコーティング基剤としては、前記芯部の
フィルムコーティングで述べたものと同じものが使用で
きる。
【0023】本発明の固形製剤は、例えば、それ自体既
知の方法により、まず芯部をつくり、次いで、該芯部に
苦味抑制層を被覆することにより製造することができ
る。
【0024】芯部に、適当な材質の核粒子の表面に薬理
活性成分を被覆した粒子を用いる場合、該核粒子表面へ
の薬理活性成分の被覆は転動流動装置を用いた接線スプ
レー方法(転動流動層装置による修飾造粒、第7回製剤
と粒子設計シンポジウム、1990年10月24日)、
又はワースター・ユニットを装着した流動層装置を用い
たワースター(Wurster)法(ボトム・スプレー
方法)等が適している。
【0025】芯部に苦味を有する薬理活性成分と適当な
製剤助剤を混和して成形した粒子を用いる場合、例え
ば、流動層造粒装置、撹袢型流動造粒装置、転動流動層
装置、遠心転動装置又は押出し造粒機等を用いて、薬理
活性成分、結合剤及び必要に応じ他の助剤と共にそれ自
体公知の方法で製造される。また、薬理活性成分、結合
剤及び必要に応じ他の助剤を含有する混合液又は懸濁液
を、スプレー・ノズルから噴霧させながら、流動乾燥装
置(スプレードライヤー)内で噴霧造粒・乾燥させるス
プレードライ法によっても製造することができる。
【0026】苦味抑制層は、得られた芯部又はフィルム
コーティングを施した芯部の表面にエチルセルロース水
性懸濁液及び可塑剤からなる液をコーティングし、十分
にキュアリングを行い、エチルセルロースのラテックス
を融着させることにより調製される。該コーティングに
は、撹袢型流動造粒装置もしくは転動流動装置を用いた
接線スプレー方法、又はワースター・ユニットを装着し
た流動層装置を用いたワースター法(ボトム・スプレー
方法)によるペレット・コーティング法等が用いられ
る。
【0027】芯部及び最外層にフィルムコーティングを
施す場合も、前記と同様接線スプレー法、ワースター法
が用いられる。
【0028】
【作用】本発明の固形製剤は、以上に述べた特定の皮膜
成分を特定量含有する苦味抑制層を有するため、経口投
与後1〜2分間は被覆部の崩壊がなく、製剤が口中に存
在する間、十分な苦味マスキング効果を有するととも
に、数分以内に苦味抑制層にクラックが生じて薬理活性
成分の放出が開始され、10〜20分以内に活性成分の
ほぼ100%を放出する。
【0029】本発明の固形製剤は口中における苦味のマ
スキング効果に優れているので、ピリドンカルボン酸系
抗菌剤のような特に苦みの強い薬理活性成分でも服用し
やすく、かつ、活性成分の速い放出特性を兼ね備えてい
るのでバイオアベイラビリティの低下が全くない。
【0030】
【実施例】以下に、実施例、比較例および実験例に基い
て本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実
施例により限定されるものではない。
【0031】尚、以下では、ヒロキシプロピルセルロー
スは日本曹達製(HPC-L、HPC-SL、HPC-SSL)、ヒロキシ
プロピルメチルセルロースは信越化学工業製のものを用
いた(HPMC2910:TC-5MW、TC-5R、TC-5E)。
【0032】実施例1薬理活性成分を含む芯部の製造 結晶セルロースの球状造粒品(旭化成工業製、セルフィ
アCP−102、100〜200μm)880gをシード
(核)として撹拌型流動造粒装置(パウレック社製、マ
ルチプレックスMP-01)に入れ、給気温度60〜65
℃、排気温度25〜35℃の操作条件下で、ローターを
400〜550rpmで回転させながら、接線スプレー方
式で、予め調製した下記組成の薬剤懸濁液を噴霧した。
さらに、下記組成のフィルムコーティング液を給気温度
75〜85℃、排気温度25〜40℃の操作条件下で噴
霧した。
【0033】[薬剤懸濁液] シプロフロキサシン(塩酸塩) 466.4 g ヒロキシプロピルセルロース(HPC−L) 113.6 g 精製水 2,320.0 g [フィルムコーティング液] HPMC2910, TC-5MW 20 g ポリエチレングリコール6000 4 g 精製水 376 g苦味抑制層の被覆 芯部の製造に引き続き、給気温度75〜85℃、排気温
度25〜40℃の操作条件下で、ローターを400〜5
50rpmで回転させながら、接線スプレー方式で、予め
調製した下記組成のエチルセルロースコーティング液を
噴霧し、続けて前記と同様にフィルムコーティングした
後、給気温度80〜90℃の操作条件下で1〜2時間乾
燥(キュアリング)した。一連の工程中でタッキングが
生じた場合には、32号フルイ(JIS 32 mesh, 目開き500
μm)を用いて整粒を行なった。
【0034】 エチルセルロース水懸濁液(アクアコートECD30) 1,420 g (アクアコートECD30の固形分) (426 g) クエン酸トリエチル(シトロフレックス2 SC60) 58 g 精製水 942 g 実施例2〜5及び比較例1〜4 実施例1と同様の方法で薬理活性成分を含む芯部の製造
および苦味抑制層の被覆を次の表のとおり実施した。
【0035】
【表1】
【0036】実験例1 実施例1〜5および比較例1〜4で調製されたサンプル
の溶出性を、日局・溶出試験法(水、900ml、パドル
回転数:150rpm)で試験した。試験結果を表1に示
す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例6薬理活性成分を含む芯部の製造 結晶セルロースの球状造粒品(旭化成工業製、セルフィ
アCP−203、150〜300μm)9.960 kgをシード
としてワースター装置を装着した流動層造粒コーティン
グ装置(グラット/パウレック社製、GPCG−15)に入
れ、給気温度75〜100℃、排気温度30〜45℃の
操作条件下で、ボトムスプレー方式で、予め調製した下
記組成の薬剤懸濁液を噴霧した。さらに、実施例1と同
じ組成のフィルムコーティングを施し(給気温度80〜
100℃、排気温度30〜45℃)、給気温度80〜9
5℃で乾燥後、粒度が120〜32メッシュ(125〜
500μm)になるよう分級した。
【0039】 シプロフロキサシン(塩酸塩) 4.664 kg ヒロキシプロピルセルロース(HPC−L) 0.796 kg 精製水 21.840 kg苦味抑制層の被覆 得られた芯部(粗顆粒)を、上記と同じ流動層造粒コー
ティング装置に入れ、給気温度70〜95℃、排気温度
35〜45℃の操作条件下で、ボトムスプレー方式で、
予め調製した下記組成のエチルセルロースコーティング
液を噴霧した。続いて前記と同じフィルムコーティング
を施し(給気温度80〜95℃、排気温度30〜45
℃)、給気温度70〜100℃で0.5〜2時間乾燥した
のち、粒度が120〜32メッシュになるよう分級し
た。
【0040】 アクアコートECD30 12.000 kg (アクアコートECD30の固形分) (3.600 kg) シトロフレックス2 SC60 0.460 kg 精製水 7.840 kg 実施例7薬理活性成分を含む芯部の製造 結晶セルロースと乳糖の球状造粒品(フロイント社製、
ノンパレルNP−105、50−83メッシュ)900gをシ
ードとし、次の薬剤懸濁液及びフィルムコーティング液
を用いて実施例1と同様に芯部を製した。
【0041】[薬剤懸濁液] シプロフロキサシン(塩酸塩) 466.4 g ヒロキシプロピルセルロース(HPC−SL) 93.6 g 精製水 2,240.0 g [フィルムコーティング液] HPMC2910, TC-5MW 30 g ポリエチレングリコール6000 6 g 精製水 564 g苦味抑制層の被覆 引き続いて、次のエチルセルロースコーティング/フィ
ルムコーティング液を用い、実施例1と同様に芯部に被
覆を施した。
【0042】 アクアコートECD30 1,333.3 g (アクアコートECD30の固形分) (400.0 g) シトロフレックス2 SC60 60.0 g 精製水 906.7 g HPMC2910, TC-5MW 30 g ポリエチレングリコール6000 6 g 精製水 564 g 実施例8 シードを結晶セルロースの球状造粒品(旭化成工業製、
セルフィアCP−102、100〜200μm)に代える以
外、実施例7と同様の方法で芯部の製造および苦味抑制
層の被覆を実施した。
【0043】実施例9薬理活性成分を含む芯部の製造 シプロフロキサシン(塩酸塩) 3,110 g、結晶セルロー
ス 4,000 g および乳糖 2,390 g をバーチカルグラニュ
レーター(パウレック社製、FM−VG−50)に入れ、ブ
レードを250rpm(クロススクリュー回転数:150
0rpm)で撹拌させながら、予め調製した下記組成のバ
インダー(結合剤)を添加し練合した。練合物をパンチ
ング径0.3mm¢のスクリーン付押出造粒機(不二パウダ
ル社製、ツイン・ドーム グラン)を用いて造粒し、給
気温度90〜100℃で流動乾燥した後、ロールグラニ
ュレーター(栗本鉄工所製、RG−1215)を用いて整粒し
た。さらに、粒度が120〜32メッシュになるよう分
級した。
【0044】 ヒロキシプロピルセルロース(HPC−SSL) 234 g 精製水 2,691 g 得られた造粒物 1,460 gを、ワースター装置を装着した
流動層造粒コーティング装置(フロイント社製、フロー
コーター・マルチ FL−Multi)に入れ、給気温度75
〜100℃、排気温度30〜45℃の操作条件下で、ボ
トムスプレー方式で、下記組成のフィルムコーティング
液を噴霧し、給気温度80〜95℃で乾燥した。乾燥
後、粒度が120〜32メッシュになるよう分級した。
【0045】 HPMC2910, TC-5R 20 g ポリエチレングリコール6000 4 g 精製水 376 g苦味抑制層の被覆 得られた芯部(粗顆粒)を上記と同じ流動層造粒コーテ
ィング装置に入れ、給気温度70〜95℃、排気温度3
5〜45℃の操作条件下で、ボトムスプレー方式で、予
め調製した下記組成のエチルセルロースコーティング液
を噴霧した。さらに、続けて下記組成のフィルムコーテ
ィング液を給気温度80〜95℃、排気温度30〜45
℃の操作条件下で噴霧した後、給気温度70〜100℃
で0.5〜2時間乾燥し、120〜32メッシュになるよ
う分級した。
【0046】 アクアコートECD30 1,440 g (アクアコートECD30の固形分) (432 g) シトロフレックス2 SC60 58 g 精製水 952 g HPMC2910, TC-5R 30 g ポリエチレングリコール6000 6 g 精製水 564 g 実施例10 芯部に実施例9で得られた薬理活性成分を用いる以外、
実施例1と同様に苦味抑制層の被覆を実施した。
【0047】実施例11薬理活性成分を含む芯部の製造 シプロフロキサシン 1,000 g、結晶セルロース 1,500 g
および乳糖 916 g をプラネタリーミキサー(AICOH−M
ixer)に入れ、撹拌させながら、予め調製した下記組成
のバインダー(結合剤)を添加し練合し、ペーストを調
製した。このペーストをスプレードライヤーを用いて噴
霧造粒したのち、粒度が120〜32メッシュになるよ
う分級した。
【0048】 ヒロキシプロピルセルロース(HPC−SL) 234 g 精製水 4,446 g 得られた噴霧造粒物 1,460 g に、実施例1と同様の操
作で下記組成のフィルムコーティング液を噴霧した。
【0049】 HPMC2910, TC-5E 40 g ポリエチレングリコール6000 8 g 精製水 752 g苦味抑制層の被覆 芯部の製造に引き続き、給気温度75〜85℃、排気温
度25〜40℃の操作条件下で、ローターを400〜5
50rpmで回転させながら、接線スプレー方式で、予め
調製した下記組成のエチルセルロースコーティング液を
噴霧した。さらに、続けて下記組成のフィルムコーティ
ング液を実施例1と同様の操作で噴霧し、乾燥した。
【0050】 アクアコートECD30 1,340 g (アクアコートECD30の固形分) (402 g) シトロフレックス2 SC60 58 g 精製水 960 g HPMC2910, TC-5E 20 g ポリエチレングリコール6000 4 g 精製水 376 g 実験例2 実施例6ないし11で調製されたサンプルの溶出性を、
日局・溶出試験法(水、900ml、パドル回転数:15
0rpm)で試験した。試験結果を表2に示す。
【0051】
【表3】
【0052】実験例3 実施例8で調製されたサンプルのバイオアベイラビリテ
ィを調べるため、市販のシプロフロキサシン(塩酸塩)
の錠剤(シプロキサン錠:バイエル薬品株式会社製)と
共に健常成人男子で薬物動態試験を実施した。試験結果
を図1に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例8の製剤の薬物動態試験結果
(血中薬物濃度の時間的推移;n=5)を示すグラフで
ある。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 篤也 滋賀県甲賀郡甲賀町大字鳥居野字中山谷 121−1 バイエル薬品株式会社滋賀工場 内 (72)発明者 太田 健一 滋賀県甲賀郡甲賀町大字鳥居野字中山谷 121−1 バイエル薬品株式会社滋賀工場 内 Fターム(参考) 4C076 AA61 BB01 CC31 DD47E DD67A EE23H EE30A EE30H EE32A EE32H EE32T EE36A EE38A EE42A FF52 4C086 AA02 BC28 BC50 GA07 MA03 MA05 MA41 MA52 NA09 ZB35

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苦味を有する薬理活性成分を含有する芯
    部に、苦味抑制層としてエチルセルロースと水溶性可塑
    剤とからなる水性懸濁液を噴霧コーティングしてなる細
    粒製剤において、該苦味抑制層が該芯部の20〜40重
    量%であり、かつ水溶性可塑剤の含有量がエチルセルロ
    ースの10〜20重量%であることを特徴とする速放性
    の細粒製剤。
  2. 【請求項2】 芯部が、結晶セルロースの球状造粒品も
    しくは結晶セルロースと薬理学的に不活性な糖類からな
    る球状造粒品の表面に薬理活性成分を適当な製剤助剤と
    共にコーティングしたもの又は薬理活性成分と適当な製
    剤助剤を混和して成形した粒子である請求項1記載の製
    剤。
  3. 【請求項3】 芯部が、結晶セルロースの球状造粒品又
    は結晶セルロースと薬理学的に不活性な糖類からなる球
    状造粒品の表面に薬理活性成分を適当な製剤助剤と共に
    コーティングしたものである請求項1又は2記載の製
    剤。
  4. 【請求項4】 芯部と苦味抑制層の間に、水溶性高分子
    からなるフィルムコーティング層を有する請求項1ない
    し3のいずれかに記載の製剤。
  5. 【請求項5】 苦味抑制層が芯部の25〜35重量%で
    あり、かつ水溶性可塑剤の含有量がエチルセルロースの
    12〜15重量%である請求項1ないし4のいずれかに
    記載の製剤。
  6. 【請求項6】 水溶性可塑剤がクエン酸トリエチルであ
    る請求項1ないし5のいずれかに記載の製剤。
  7. 【請求項7】 苦味を有する薬理活性成分が塩酸シプロ
    フロキサシンである請求項1ないし6のいずれかに記載
    の製剤。
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