JP2001187594A - 自転車のギアチェンジ・システムの運転位置を検出するためのセンサ装置と、その装置を含むギアチェンジ・システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、信頼性などに優れた自転車用
ギアチェンジシステムを提供する。 【解決手段】 システムの運転位置を検出するためのセ
ンサ装置はシェル（１４）を含む。シェルは、変速装置
の可撓性の制御ケーブルに沿った、変速装置と制御装置
の間のいずれかに位置している。シェルは、固定位置に
あり、シェルを横切る制御ケーブル（１０）は移動可能
である。シェル内において、基準部材（１８）は、ケー
ブル（１０）と共に、移動できる。装置は、基準部材の
シェルに対する位置を検出するための手段を含む。その
手段は、基準部材に付属する移動接触子（２２）と、セ
ンサのシェル内部にある導電性チャネル（２３）を含む
電位差センサであり、そこでは移動接触子（２２）が滑
動可能な方法で取り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自転車チェーンと
多数の大歯車（スプロケットまたはクランク・ギア）と
の選択的かみ合わせを制御するための（前部または後
部）変速装置と、該変速装置を制御するための装置と、
該制御装置を該変速装置に接続する可撓性の制御ケーブ
ルと、ギアチェンジ・システムの運転状態を表示するた
めの電子ディスプレイ装置と、該制御システムの運転位
置を示す信号を出力時に出し、その信号を該電子ディス
プレイ装置に送るよう設計された、該制御システムの運
転位置を検出するためのセンサとを含むタイプの自転車
のギアチェンジ・システムで、該センサが、該可撓性の
ケーブルに連結されており、その該センサの中に、該可
撓性のケーブルが横切るシェルと、該シェル内でケーブ
ルとともに移動する移動基準部材と、該基準部材のシェ
ルに対する位置を検出する検出装置とが含まれているよ
うなギアチェンジ・システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】特に、前述のタイプの可撓性の制御ケー
ブルの位置を検出するのにセンサを使用する、前述のタ
イプのギアチェンジ・システムは、ＥＰ‐Ａ‐０ ８２
０ ９２６および対応する文書ＵＳ‐Ａ‐５ ９０３
２１４において説明され、図解されている。そのような
既知の方法の場合、移動基準部材の位置を検出するため
の前述の検出手段は、接触子を伴わない検出手段となっ
ており、通常は、磁気センサとなっている。

【０００３】また、可撓性の制御ケーブルに連結される
のではなく、むしろギアチェンジ制御装置に直接取り付
けられるような、ギアリング・システム運転状態検出用
のセンサも、以前の技術において既知となっている。

【０００４】また、基準部材が可撓性の制御ケーブルに
連結され、その基準部材が、自ら移動する場所であるシ
ェルの上の基準スケールと共同で働くという単純な構造
の、自転車ギアリング・システム運転状態検出・表示用
センサ・ディスプレイ手段も、以前の技術において既知
となっている（例えば、ＤＥ‐Ｕ‐９１ １３ ４０６
およびＥＰ‐Ａ‐０ ６４７ ５５６）。この後者の方
法は、その装置を、センサ装置としても、また直接、デ
ィスプレイ装置としても使用するので、電子タイプのデ
ィスプレイ装置を使用する比較的複雑な用途には適さな
い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、本説
明の冒頭で示したタイプのシステムを提供することにあ
る。すなわち、ギアリング・システムの運転状態を検出
するのに適しており、また、電子ディスプレイ装置と連
結することが可能であり、構造の点から見て単純であ
り、信頼性があり、比較的低コストであるようなシステ
ムを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の主題は、該基準部材に付属する移動接触子
を含み、また、センサのシェル内に取り付けられた導電
性チャネルを少なくとも１つ含むような電位差センサ
で、該移動接触子が滑動可能なようにそこに取り付けら
れているものが、前述の検出手段をなすという特徴を有
する、本説明冒頭で示したタイプのシステムとなる。

【０００７】その結果、本発明に基づくシステムでは、
ギアリングの運転状態を検出するためのセンサ装置が、
制御装置とそれによって制御される変速装置の間のいず
れかの中間地点において、可撓性の制御ケーブルに連結
される。したがって、この見地から見ると、本発明に基
づく装置は、文書ＥＰ‐Ａ‐０ ８２０ ９２６の主題
をなす装置と同じタイプであり、ギアチェンジ制御装置
に直接連結されるセンサを使用することにより電子ディ
スプレイ装置上でのギアリング・システム運転状態の表
示を可能にするその他の方法とは異なっている。同時
に、この装置は、前述の簡素化された構造を有する電位
差センサを使用する限りにおいて、前述の以前の技術に
よる装置よりも単純で、信頼性が高い。

【０００８】もちろん、本発明は、前述のセンサ装置を
使用するギアリング・システムと、そのセンサ装置その
ものの両方に関係している。

【０００９】添付図面に関する以下の説明から、本発明
のその他の特徴および利点が浮かび上がるだろう。それ
らの図面は、純粋に、非制限的な例を提供する目的で提
供されているものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】図面における番号１は、本発明に
基づくギアリング・システムが適用される競用自転車の
全体を示している。しかし、本発明に基づくギアリング
・システムが、あらゆるタイプの自転車に適用できると
いうことは明白である。自転車（１）には、後輪と連結
される後部スプロケットの集合（３）、ならびに自転車
のクランク・アームと連結されるクランク・ギアの集合
（４）と選択的にかみ合わせるように設計された、ギア
・チェーン（２）が含まれる。チェーン（２）とスプロ
ケット（３）との選択的かみ合わせは、後部変速装置
（５）によって制御され、一方、チェーン（２）と前部
クランク・ギア（４）との選択的かみ合わせは、前部変
速装置（６）によって制御される。後部変速装置（５）
は、ハンドルの右側に取り付けられたブレーキ・レバー
（８）の支持体に連結される制御装置（７）（この図で
は見えない）によって制御され、その制御装置（７）に
は、ブレーキ・レバーの背後に設置された制御レバー
（９）も連結されている。また、同様に、前部変速装置
（６）は、左側ブレーキのレバーに連結され、対応する
制御レバー（この図では見えない）と共に提供された制
御装置（この図では見えない）によって制御される。後
部変速装置（５）を制御するための装置（７）は、可撓
性の制御ケーブル（１０）によって後部制御装置に接続
されている（図２）。自転車の部品内部に設置されてい
ない可撓性のケーブル（１０）の部分は、鎧装（１１）
の諸部分の中に設置されている。

【００１１】図２の参照番号７は、後部変速装置を制御
するための組立体を示す。それは、ブレーキ・レバー
（８）の背後に設置されたレバー（９）によって制御さ
れる。参照番号１２は、電子ディスプレイ装置の本体を
示す。それは、ハンドルに取り付けられており、速度、
走行距離、ペダリング・リズムなど、自転車上に搭載さ
れたコンピュータが対応するセンサ装置とともに処理す
る様々なパラメータを表示できるように、本質的に既知
の技術に基づき設計されている。また、ディスプレイ装
置（１２）は、それぞれ後部変速装置（５）および前部
変速装置（６）によって選択されるスプロケット（３）
およびクランク・ギア（４）を表示するよう設計されて
いる。この目的のため、本発明に基づくセンサ装置（１
３）は、後部変速装置（５）を制御する可撓性のケーブ
ル（１０）に連結されている。そのセンサ装置（１３）
は、制御装置（７）と後部変速装置（５）の間の、ケー
ブルのいずれかの中間点において取り付けることができ
る。同様に、前部変速装置（６）によって選択されたク
ランク・ギア（４）を表示できるようにするため、前部
変速装置（６）を制御する可撓性のケーブルにも、同様
のセンサが連結される。以下の説明では、後部変速装置
（５）に連結されるセンサの構造および配置のみに触れ
るが、前部変速装置の場合にも同じ説明が同様に当ては
まる可能性があることは明白である。

【００１２】特に図３〜５について述べると、センサ装
置（１３）には、基本的に細長く筒状で、蓋（１４ａ）
を伴うシェル（１４）がある。シェル（１４）が両端に
は、可撓性の制御ケーブルの鎧装（１１）区間の端を受
け入れるためのシート（１５）が２つある。ケーブル
（１０）はシェル（１４）の中をまっすぐ通り、四角形
の断面を有する内部空間（１７）の端に作られた端穴
（１６）を通過する。空間（１７）の内部においては、
ねじ（２１）によって締め合わされた２つのジョー（１
９、２０）を含む基準部材（１８）が、滑動できるよう
に取り付けられている。この２つのジョー（１９、２
０）は、可撓性のケーブル（１０）の１区間に取り付け
られており、その結果、基準部材（１８）は、シェル
（１４）内部で可撓性のケーブル（１０）とともに移動
可能となっている。シェル（１４）は、鎧装（１１）部
分としっかりと接続されているので、固定位置となって
いる（一方、可撓性のケーブル（１０）は移動可能であ
る）。もちろん、端シート（１５）の片方が鎧装（１
１）のケーブルを受け入れ、シェル（１４）のもう一方
の端が、図２で示すように、自転車の１つの部品（例え
ば車枠）に直接取り付けられているような方法で装置
（１３）が設置されることもある。

【００１３】図３では、基準部材（１８）が、空間（１
７）の面に存在する導電性チャネル（２３）上を滑動す
る移動接触子（２２）を有している。図７および図８
（平面の形で開発されたチャネル（２３）を有するカー
ドの２面を示す）からわかるとおり、第１チャネル（２
３ａ）と、抵抗器（２３ｃ）に連結された一連の導電性
パッド（２３ｂ）からなる第２チャネルが設置されてい
る。移動接触子（２２）は、チャネル（２３ａ）とパッ
ド（２３ｂ）を接続することにより、移動接触子（２
２）の位置を示す信号を出す。センサ装置（１３）と自
転車上の電気制御装置は、電気ケーブル（２４）によっ
て接続される。したがって、その配置により、センサ装
置の電気抵抗の測定に基づく、電位差計タイプのセンサ
が可能になる。移動接触子（２２）の位置が電気チャネ
ル（２３）上で変化するのに応じて、その電気抵抗が変
化するのである。したがって、本発明に基づく装置は、
一方では、制御装置と変速装置の間の、可撓性のケーブ
ルに沿ったいずれかの地点に配置できるという利点を有
しており、それと同時に、電位差計タイプのセンサの単
純さ、低コスト、および信頼性をも保証する。

【００１４】図６は、センサ装置（１３）のもうひとつ
の可能な配置を示す。

【００１５】もちろん、本発明の原理に影響を与えるこ
とはないが、構造の詳細および具体化の方法は、純粋に
例を示すことを目的として本書で説明し、図示したもの
とは大きく異なる可能性がある。ただし、それによっ
て、本発明の範囲から外れることはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に基づくギアリング・システムを使用
した自転車の略図である。

【図２】 図１で示す自転車の細部の拡大図で、本発明
の主題をなすセンサ装置の位置を示している。

【図３】 本発明に基づくセンサ装置の２種類の断面図
である。

【図４】 本発明に基づくセンサ装置の２種類の断面図
である。

【図５】 図３の線Ｖ−Ｖに沿った断面図である。

【図６】 図２の装置の変種である。

【図７】 図３および４で示した装置の略図的透視図で
ある。

【図８】 図３および４で示した装置で提供される電気
チャネルの線図である。

【符号の説明】

１…自転車、２、ギアチェーン、５…後部変速装置、６
…前部変速装置、７…制御装置、８…ブレーキ・レバ
ー、９…制御レバー、１０・２４…ケーブル、１１…鎧
装、１３…センサ装置、１４…シェル、１５…シート、
１８…基準部材、１９・２０…ジョー、２２…移動接触
子、２３…導電性チャネル。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自転車チェーンと多数の大歯車（３、
   ４）との選択的かみ合わせを制御するための変速装置
   （５、６）と、 該変速装置（５）を制御するための制御装置（７）と、 該制御装置（７）を該変速装置（５）に接続する可撓性
   の制御ケーブル（１０）と、 ギアチェンジ・システムの運転状態を表示するための電
   子ディスプレイ装置（１２）と、 該制御システムの運転位置を示す信号を出力時に出し、
   その信号を該電子ディスプレイ装置（１２）に送るよう
   設計された、該制御装置（７）の運転位置を検出するた
   めのセンサ（１３）とを含む自転車用ギアチェンジ・シ
   ステムで、 該センサ（１３）が、該可撓性のケーブル（１０）に連
   結されており、 そのセンサ（１３）の中に、該可撓性のケーブル（１
   ０）が横切るシェル（１４）と、 該シェル（１４）内でケーブル（１０）と共に移動でき
   る基準部材（１８）と、 該基準部材（１８）のシェル（１４）に対する位置を検
   出するための検出装置とが含まれており、 該基準部材（１８）に付属する移動接触子（２２）と、
   センサ（１３）のシェル（１４）内に設置された少なく
   とも１つの導電性チャネル（２３）を含み、移動接触子
   （２２）が滑動できるように取り付けられているような
   電位差センサが、該検出手段をなすという特徴を有する
   ギアチェンチェンジ・システム。
2. 【請求項２】 前述のセンサ装置（１３）が、可撓性の
   制御ケーブル（１０）に沿った、制御装置（７）と変速
   装置（５）の間のいずれかの中間地点に設置されている
   という特徴を有する、請求項１に基づくシステム。
3. 【請求項３】 前述のシェルが、内部空間（１７）を有
   し、その空間内部に、前述の基準部材（１８）が滑動可
   能なように取り付けられており、該内部空間（１７）の
   端が、可撓性の制御ケーブル（１０）の通過できる穴
   （１６）を有する壁面によって閉ざされ、その壁面の少
   なくとも1つが、ケーブルの鎧装（１１）の各端を受け
   入れるよう設計されたシート（１５）の底部をなしてい
   るという特徴を有する、請求項１に基づくシステム。
4. 【請求項４】 前述の基準部材（１８）が、ねじ（２
   １）によって可撓性の制御ケーブル（１０）に取り付け
   られた２つのジョー（１９、２０）を含むという特徴を
   有する、請求項３に基づくシステム。
5. 【請求項５】 自転車の変速装置（５）を制御するため
   の可撓性のケーブル（１０）の移動の基準として固定位
   置に置かれるよう設計されており、該ケーブルがそこを
   横切るようになっているシェル（１４）と、 シェル（１４）内部でケーブル（１０）とともに移動す
   ることのできる基準部材（１８）と、 シェル（１４）に対する該基準部材（１８）の位置を検
   出するためのセンサ手段とを含む、自転車ギアチェンジ
   ・システム運転位置検出用センサ装置で、 該基準部材（１８）に付属する移動接触子（２２）と、
   センサ（１３）のシェル（１４）内部に設置された少な
   くとも１つの導電性チャネル（２３）を含み、該移動接
   触子（２２）が滑動可能なように取り付けられている電
   位差センサが、該センサ手段をなすという特徴を有する
   センサ装置。
6. 【請求項６】 前述のシェルが、内部空間（１７）を有
   し、その内部に前述の基準部材（１８）が滑動可能なよ
   うに取り付けられており、該空間の端が、可撓性の制御
   ケーブル（１０）の通過できる穴（１６）を有する壁面
   によって閉じられており、該壁面がケーブルの鎧装（１
   １）の各端を受け入れるよう設計されたシート（１５）
   の底部をなすという特徴を有する、請求項５に基づくセ
   ンサ装置。
7. 【請求項７】 ねじ（２１）によって可撓性の制御ケー
   ブル（１０）に取り付けられている２つのジョー（１
   ９、２０）が前述の基準部材（１８）に含まれるという
   特徴を有する、請求項６に基づくセンサ装置。