JP2001185810A - 半導体光デバイス装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体光デバイス装置及びその製造方法

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JP2001185810A
JP2001185810A JP36614799A JP36614799A JP2001185810A JP 2001185810 A JP2001185810 A JP 2001185810A JP 36614799 A JP36614799 A JP 36614799A JP 36614799 A JP36614799 A JP 36614799A JP 2001185810 A JP2001185810 A JP 2001185810A
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optical device
semiconductor optical
ridge
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Kenji Shimoyama
謙司 下山
Makiko Hashimoto
真紀子 橋本
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 劈開や組立てが容易で、電流が十分に狭窄さ
れて歩留まりが高く、優れたLD特性を得ることができ
る半導体光デバイス素子を提供すること。 【解決手段】 基板上に形成された活性層を含む化合物
半導体層、該化合物半導体層上に形成された開口部を有
する保護膜、該開口部に形成されたリッジ型の化合物半
導体層を有する半導体光デバイス装置において、活性層
の下側に電流ブロック領域または電流ブロック層が形成
されていることを特徴とする半導体光デバイス装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体光デバイス
装置及びその製造方法に係わり、特に半導体レーザとし
て好適な、リッジ型ストライプ構造を有する半導体光デ
バイス装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来型のリッジ導波路型ストライプ構造
半導体レーザの構造及びその作成方法を図3(a)〜
(c)に示す。図3(a)に示す様に、基板41上に第
1導電型クラッド層42、活性層43及び第2導電型ク
ラッド層44及び第2導電型コンタクト層45を成長し
た後、図3(b)の様にエッチングにより第2導電型コ
ンタクト層45及び第2導電型クラッド層44をエッチ
ングすることによってリッジ部を形成する。この際、リ
ッジ以外の部分は活性層43の上部にある第2導電型ク
ラッド層44の途中までエッチングし、その後、このリ
ッジ部側面およびリッジ以外の部分の表面を絶縁層46
を用いて電流が流れないようにし、その上にリッジ上部
を含めて電極47を形成し、基板側にも電極48を形成
することにより作成する(図3(c))。
【0003】このような構造にすることで、電流はリッ
ジ部を通じて活性層12に注入され、リッジ部の下の活
性層12で活性層12の組成に対応した光が発生する。
一方、半導体部分に比べて屈折率の小さい絶縁層31を
形成しているため、リッジ以外の部分の活性層の実効屈
折率はリッジ部の実効屈折率より小さくなる。その結
果、発生した光はリッジ下部の光導波路に閉じこめられ
ることになる。
【0004】このリッジ導波路型ストライプ構造半導体
光デバイス装置はリッジ部分をエッチングにて形成して
いるため、活性層上のリッジ以外の部分のエッチングさ
れたクラッド層部分の厚みを一定にすることが困難であ
った。その結果、このリッジ以外の部分のクラッド層の
厚みのわずかな違いにより、この部分の活性層の実効屈
折率が大きく変動する。また電流注入の幅を決定するリ
ッジ底部の幅も変動し、そのために、低しきい値で光広
がり角を一定にしたレーザを再現性良く作成することは
困難であった。
【0005】このような問題を解決するために、活性層
上部のクラッド層の厚みを結晶成長時の結晶成長速度を
用いて決定し、リッジ部分以外に保護膜を作成して、リ
ッジ部分を再成長する方法が提案されている(特開平5
−121822号公報、特開平9−199791号公報
等)。このようなレーザの構造とその作成方法を図3
(a’)〜(c’)に示す。まず、基板51上に、第1
導電型クラッド層52、活性層53及び第2導電型第1
クラッド層54を成長した(図3(a’))後、該第2
導電型第1クラッド層54表面をSiO2等の保護膜5
5で被覆し、フォトリソグラフィ法でストライプ状の窓
を開け、該ストライプ領域にのみ第2導電型第2クラッ
ド層56と第2導電型コンタクト層57を選択成長する
(図3(b’))。次いで、リッジ以外の部分を覆う保
護膜55、リッジを形成する第2導電型第2クラッド層
56の側面及び第2導電型コンタクト層57の表面全体
をSiNx等の絶縁層58で被覆し、再度リッジ頂部の
SiNx絶縁層をフォトリソグラフィ法で除去した後、
表面全体に電極59を形成し、基板側にも電極60を形
成する(図3(c’))。
【0006】このように絶縁層で、リッジ以外の部分に
電流が流れないようにすると表面は絶縁層で覆われてし
まい劈開がしづらく、また電極剥がれなどの問題があっ
た。また、絶縁層にピンホール等が存在した場合に、リ
ッジ以外の部分に、電流が流れてしまいリッジ部分で十
分に電流を狭窄できないという問題もあった。さらに図
4のように、基板側を上にエピタキシャル層側を下にす
るジャンクション・ダウンで組み立てた際には、半田材
が電極と保護膜の厚み分回り込むだけでその下の化合物
半導体層に達してしまい電流漏れを生じやすい。また、
リッジ部分が他の部分に比べて、とびだしている場合
は、ストレスによる劣化を招きやすい等の問題があり好
ましい状態ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように従来型のリ
ッジストライプ型導波路構造半導体光デバイス装置は、
再成長を用いて作成する場合でも、絶縁層等でリッジ以
外の部分に電流が流れないようにしたLDでは、劈開、
組立がしづらくまた、保護膜等で十分に電流が狭窄され
ずに歩留まりが低下する場合があった。またジャンクシ
ョン・ダウンに組み立てた場合には、リッジ以外の部分
への電流漏れによる劣化を招き、十分なLD特性が得ら
れない場合があった。上記の従来技術の問題点に鑑み
て、本発明は、劈開や組立てが容易で、電流が十分に狭
窄されて歩留まりが高く、優れたLD特性を得ることが
できる半導体光デバイス素子を提供すること、およびそ
のような特性を有する半導体光デバイス素子を簡便に製
造する方法を提供することを課題とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、活性層の下側(例え
ば基板内部)に電流ブロック領域あるいは活性層の下側
(例えば基板上)に電流ブロック層を形成した構造を有
する半導体光デバイス装置とすることで、保護膜の存在
を最小限にし、劈開、組立等の歩留まりを向上すること
を見いだし、また、ジャンクション・ダウンで組み立て
た場合に十分なLD特性が得られることを見いだし、さ
らに、非可逆的光損傷(COD)レベルを高めたり、素
子の信頼性を向上させることを見いだし、本発明に到達
した。
【0009】すなわち本発明は、基板上に形成された活
性層を含む化合物半導体層、該化合物半導体層上に形成
された開口部を有する保護膜、該開口部に形成されたリ
ッジ型の化合物半導体層を有する半導体光デバイス装置
において、活性層の下側に電流ブロック領域または電流
ブロック層が形成されていることを特徴とする半導体光
デバイス装置を提供する。
【0010】本発明の半導体光デバイス装置の好ましい
態様として、前記の活性層を含む化合物半導体層が、活
性層の上下にそれぞれ活性層より屈折率の小さい層を含
む態様;前記活性層の屈折率が前記開口部を有する保護
膜の屈折率よりも小さい態様;前記活性層の上下の活性
層より屈折率の小さい層のうち、基板側の層が第1導電
型クラッド層であり、他方の層が第2導電型第1クラッ
ド層である態様;前記のリッジ型の化合物半導体層が、
活性層より屈折率の小さい層を含む態様;前記の活性層
より屈折率の小さい層が、第2導電型第2クラッド層で
ある態様;前記電流ブロック領域あるいは電流ブロック
層が、少なくとも基板または活性層の下にある化合物半
導体層の側面近傍に形成されている態様;前記の電流ブ
ロック領域あるいは電流ブロック層により挟まれた電流
狭窄領域を前記開口部直下近傍のみに形成する態様;前
記の電流ブロック領域あるいは電流ブロック層が、第2
導電型または高抵抗である態様;前記電流ブロック領域
が、基板およびあるいは活性層の下にある化合物半導体
層の内部に選択的に形成されている態様;前記の電流ブ
ロック領域あるいは電流ブロック層が、端面近傍に形成
されている態様;前記電流ブロック領域が、光導波路に
段差が生じることなく、端面近傍に形成されている態
様;前記電流ブロック層が、基板および/または活性層
の下にある化合物半導体層の上に選択的に形成されてい
る態様;前記活性層と前記電流ブロック層との間に光ガ
イド層が形成されている態様;前記電流ブロック層が、
半導体層である態様;前記電流ブロック層が、絶縁体膜
である態様;前記開口部から活性層に電流が注入される
態様;前記ブロック層が形成されていない領域から活性
層に電流が注入される態様;光導波路の端部にレーザ光
に対して透明な領域を形成している態様;光導波路の両
端部分において前記活性層のバンドギャップが光導波路
中央の電流注入領域における活性層のバンドギャップよ
りも大きくなっている態様;前記リッジ型の化合物半導
体層の側面の少なくとも一部が表面側電極と接している
態様;前記開口部の幅が、装置端面近傍で装置中央部よ
り広くなっている態様;前記開口部の幅が、装置端面近
傍で装置中央部より狭くなっている態様;前記開口部が
両端部まで伸長しているストライプ状の開口部である態
様;前記開口部が一方の端部まで伸長しているが他方の
端部までは伸長していない開口部である態様;前記開口
部が両端部まで伸長していない開口部である態様;前記
活性層が少なくともGaAs、AlGaAs、InGa
As、AlGaInAs、GaInP、AlGaIn
P、GaInAsP、AlGaInAsP、GaNある
いはInGaNからなる態様;前記基板の表面が低次の
面方位に対してオフアングルを有することを特徴とする
態様;前記保護膜の外側にリッジダミー領域を有する態
様;前記リッジダミー領域にリッジダミー層が形成され
ている態様;前記リッジダミー領域の下側の少なくとも
一部に電流ブロック層が形成されている態様;前記リッ
ジダミー層の少なくとも一部が前記表面側電極と接して
いる態様;レーザチップがジャンクション・ダウンにて
組み立てられている態様を挙げることができる。
【0011】また、本発明は、基板内部もしくは基板上
側に電流ブロック領域あるいは電流ブロック層を形成す
る工程、活性層を含む化合物半導体層及び保護膜をこの
順に形成する工程、該保護膜に開口部を形成する工程、
該開口部にリッジ型の化合物半導体層を選択成長する工
程を含むことを特徴とする半導体光デバイス装置の製造
方法も提供する。
【0012】本発明の半導体光デバイス装置の製造方法
の好ましい態様として、前記電流ブロック領域を不純物
拡散あるいは不純物注入により形成する態様;結晶成長
装置内で不純物拡散層を形成し、引き続き該結晶成長装
置内で熱処理を行うことにより製造される態様;前記結
晶成長装置が有機金属気相成長装置である態様;前記不
純物拡散層が前記電流ブロック領域に対して選択エッチ
ングにより除去する態様;前記電流ブロック層を選択成
長により形成する態様;ハロゲン元素を含むガスを添加
しながら有機金属気相成長法を行うことにより、前記開
口部上にリッジ型の化合物半導体層を選択成長させて形
成する態様;前記開口部の伸びる方向を、コンタクト層
がリッジ形状の実質的全面に形成される様に選択する態
様;前記基板の結晶成長面が(100)面又はそれと結
晶学的に等価な面であり、前記保護膜の開口部の伸びる
方向を[01−1]方向又はそれと結晶学的に等価な方
向とする態様を挙げることができる。
【0013】
【発明の実施の態様】以下において、本発明の半導体光
デバイス装置およびその製造方法について詳細に説明す
る。 本発明の半導体光デバイス装置は、基板上に形成
された活性層を含む化合物半導体層、該化合物半導体層
上に形成された開口部を有する保護膜、該開口部に形成
されたリッジ型の化合物半導体層を少なくとも有する半
導体光デバイス装置である。本発明の半導体光デバイス
装置は、これらの層の他に半導体光デバイス装置に通常
形成される層を適宜有していてもよい。本発明の特徴
は、活性層の下側に電流ブロック領域または電流ブロッ
ク層が形成されている点にある。
【0014】本明細書において「電流ブロック領域」と
は、ある層の一部を構成する領域であって電流をブロッ
クする機能を有するものをいう。また、「電流ブロック
層」とは、全体が電流をブロックする機能を有する層を
いう。本発明の半導体光デバイス装置は、活性層の下側
に電流ブロック領域か電流ブロック層のいずれか一方の
みが形成されていてもよいし、電流ブロック領域と電流
ブロック層の両方が形成されていてもよい。
【0015】このような特徴を有する本発明の半導体光
デバイス装置の構造を、図1および図2に示す態様を参
照しながら具体的に説明する。図1(a)および(b)
は、電流ブロック領域を有する本発明の半導体光デバイ
ス装置の具体的態様を示すものである。図1(a)およ
び(b)では、基板11の中に電流ブロック領域12が
形成されている。図1(a)では、電流ブロック領域1
2は、光導波路の直下には形成されず、光導波路の直下
にあたる部分の左右に基板の側面にかけて形成されてい
る。また、図1(b)では、電流ブロック領域12は、
図1(a)の部分に加えてさらに端部にも形成されてい
る。電流ブロック領域の形状および形成位置は、これら
の態様に限定されるものではない。例えば、電流ブロッ
ク領域は、活性層の下側に形成されているバッファー層
やクラッド層の内部に形成されていてもよい。また、複
数の層にまたがって形成されていてもよい。
【0016】図2(a)および(b)は、電流ブロック
層を有する本発明の半導体光デバイス装置の具体的態様
を示すものである。図2(a)および(b)では、基板
11の上に電流ブロック層13が形成されている。図2
(a)では、電流ブロック層13は、光導波路の直下に
は形成されず、光導波路の直下にあたる部分の左右に基
板の側面にかけて形成されている。また、図2(b)で
は、電流ブロック層13は、図2(a)の部分に加えて
さらに端部にも形成されている。電流ブロック層の形状
および形成位置は、これらの態様に限定されるものでは
ない。例えば、電流ブロック層は活性層の下側に形成さ
れている任意の層の間に形成されていてもよく、バッフ
ァー層とクラッド層の間に形成されていてもよい。ま
た、電流ブロック層の数は1つでも複数であってもよ
い。
【0017】本発明では、電流ブロック領域は基板内に
形成されていることが好ましく、電流ブロック層は基板
上に形成されていることが好ましい。特に、図1や図2
に示すように、電流ブロック領域は基板内にのみ形成さ
れていることが好ましく、電流ブロック層は基板上にの
み形成されていることが、成長回数低減や表面酸化抑制
の観点から好ましい。これにより、保護膜の存在を最小
限にし、劈開、組立等の歩留まりを向上させることがで
きる。また、ジャンクション・ダウンで組み立てた場合
に十分なLD特性を得ることができ、さらに、非可逆的
光損傷(COD)レベルを高めたり、素子の信頼性を向
上させることもできる。
【0018】電流ブロック領域または電流ブロック層の
厚みは、薄すぎると電流ブロックの機能が不十分とな
り、厚くなりすぎると通過抵抗が大きくなるなってしま
う。具体的には、下限は0.01μm以上が好ましく、
0.1μm以上がより好ましい。上限は5μm以下が好
ましく、3μm以下がより好ましい。また、図1および
図2に示すように、電流ブロック領域または電流ブロッ
ク層は、光導波路の直下にあたる部分には形成されず、
光導波路の直下にあたる部の左右に基板の側面にかけて
形成されていることが好ましい。これにより、劈開にお
けるチップ側面での電極の垂れ下がりやジャンクション
・ダウンで組み立てた時の半田材の回り込み等による光
導波路端面あるいは側面での電流リークの発生を防止す
ることができるようになる。
【0019】電流ブロック領域あるいは電流ブロック層
により挟まれた電流狭窄領域を、光導波路の直下にあた
る部分の近傍のみに形成することにより、リッジダミー
領域上に保護膜を介さずに直接電極を形成しても素子内
部での電流リークも防止することができる。電流狭窄領
域の幅は、広すぎると電流ブロックの機能が不十分とな
り、狭くなりすぎると通過抵抗が大きくなるなってしま
う。具体的には、下限は0.5μm以上が好ましく、1
μm以上がより好ましい。上限は50μm以下が好まし
く、20μm以下がより好ましい。図2に示すように、
リッジダミー領域の下側の少なくとも一部に電流ブロッ
ク層を形成することにより、リッジ部分をリッジダミー
領域の少なくとも一部に比べて低くすることができ、ジ
ャンクション・ダウン組立時におけるストレスを低減す
ることが可能となる。
【0020】図1(b)および図2(b)に示すよう
に、端面近傍にも電流ブロック領域または電流ブロック
層を形成することができる。このように端部に電流非注
入領域を形成することにより、端面での電流再結合を低
減することが可能となり、非可逆的光損傷(COD)レ
ベルを高めて、素子の信頼性を向上させることができ
る。不純物拡散などの手法を用いて、光導波路の端部に
レーザ光に対して透明な領域を形成した窓構造レーザに
おいても、同様に端面での再結合電流の発生を防止でき
る。このとき、図2(b)に示すように、電流ブロック
層が端面近傍に形成されていて、端面近傍で光導波路に
段差がある場合、端面近傍では光が活性層からクラッド
層などのよりバンドギャップの大きい層に漏れだして、
実質的に端面が光に対して透明、すなわち端面窓構造と
することも可能となる。
【0021】一方、図1に示すように、電流ブロック領
域を平坦に埋め込む場合には、光導波路に段差が生じる
ことなく、端面近傍にも電流ブロック領域を形成するこ
とができ、端部での光導波損失の発生を防止できる。こ
のとき、光導波路が実質的に一直線上にあることが好ま
しく、具体的には端部における光導波路の段差が波長の
1/10以下であることが好ましい。端面での電流ブロ
ック領域あるいは電流ブロック層の幅は、狭すぎると、
電流非注入の効果が低減したり、劈開が困難になるなど
の問題が生じてしまい、広すぎると、電流非注入領域で
の損失が増加するためにしきい値電流の増大やスロープ
効率の低減などレーザ特性の劣化を招いてしまう。そこ
で、電流非注入領域の長さは、下限として、1μm以上
が好ましく、5μm以上がより好ましい。上限として
は、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ま
しい。
【0022】電流非注入領域は、両端部に形成されてい
ることが好ましいが、片側の側面にだけ形成されていて
もよい。片側にだけ形成されている場合は、より高出力
のレーザ光が出射される端面側に形成されていることが
好ましい。なお、本明細書でいう「端面近傍」は、この
ような電流非注入領域が形成される部分をさす。
【0023】電流ブロック層あるいは電流ブロック領域
の形成方法は特に限定されない。電流ブロック層は、プ
ロセスの簡素化や形状制御性の観点から、選択成長によ
り形成することが好ましい。一方、電流ブロック領域
は、不純物拡散あるいは不純物注入により形成すること
が好ましい。このとき、結晶成長装置内で不純物拡散層
を形成し、引き続き該結晶成長装置内で熱処理を行うこ
とが好ましい。結晶成長装置は有機金属気相成長装置で
あることがさらに好ましい。また、不純物拡散層は、前
記電流ブロック領域に対して選択エッチングにより除去
することが、平坦化の観点から好ましい。
【0024】製造上の容易性や制御性を考慮すると、不
純物拡散プロセスとして、薄膜成長装置内で拡散源を有
する層の成長とアニールプロセスとを一貫して行うこと
が好ましい。さらに、端部でのリーク電流低減のために
は、不純物拡散層を少なくともレーザチップ作製プロセ
ス終了までに除去しておくことが好ましい。
【0025】拡散させる不純物は、拡散プロセス温度の
低減の観点から、拡散定数の大きいものが好ましく、例
えば亜鉛(Zn)、錫(Sn)、リチウム(Li)、銅
(Cu)などが挙げられる。また、III−V族半導体
に対しては、例えば、p型不純物として、亜鉛(Z
n)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)な
ど、n型不純物として、シリコン(Si)、ゲルマニウ
ム(Ge)、錫(Sn)、硫黄(S)、セレン(S
e)、テルル(Te)などが挙げられる。また、高抵抗
化することができる不純物でもよく、例えば、銅(C
u)、鉄(Fe)、クロム(Cr)などの遷移元素、水
素(H)など、特にIII−V族半導体に対しては、ボ
ロン(B)、酸素(O)などが挙げられる。
【0026】また、不純物のドーピング法として、上記
の好ましい方法以外に例えばイオン注入法を採用しても
よい。イオン注入後に熱処理を行い、不純物を拡散させ
ることができる。ただし、高エネルギーであるいは質量
数の大きい不純物を注入すると、多量の欠陥(特に、ド
ーズ量が多い場合)が発生するので好ましくない。
【0027】図1および図2において、電流ブロック領
域12を形成した基板11、あるいは電流ブロック層1
3を形成した基板11の上には、活性層を含む化合物半
導体層が形成されている。活性層を含む化合物半導体層
は、通常、活性層15の上下に活性層より屈折率の小さ
い層を含んでおり、そのうち基板側の層は第1導電型ク
ラッド層14、他方のエピタキシャル側の層は第2導電
型第1クラッド層16として機能する。このほか光ガイ
ド層として機能する層を含んでいてもよい。通常は、2
層のクラッド層で活性層を挟んでなるダブルへテロ(D
H)構造であり、基板11上に第1導電型クラッド層1
4、活性層15、第2導電型第1クラッド層16が順次
積層されている。このとき、第2導電型クラッド層13
の上にさらに表面酸化を防止する機能をもつ酸化防止層
が形成されていてもよく、例えば直接酸化防止層17が
形成されていることが好ましい。酸化防止層17の上に
は、絶縁層である保護膜18が形成されている。保護膜
18はストライプ状の開口部19を有しており、外側は
リッジダミー領域を形成するために除去されている。こ
のような保護膜18は、通常は堆積後にフォトリソグラ
フィー法により形成される。本明細書において「リッジ
ダミー領域」とは、エピタキシャル層側から見て、保護
膜の外側部分を基板からエピタキシャル層を含めた領域
をいう。リッジダミー領域には、保護膜18に乗りかか
るように成長したエピタキシャル層20a、21aも含
むこととする。開口部19上には、リッジ型の化合物半
導体層、即ち、通常は活性層よりも屈折率の低い化合物
半導体層である第2導電型第2クラッド層20と抵抗低
減のためのコンタクト層21が形成されている。このほ
かに光ガイド層として機能する層を含んでいてもよい。
このようなリッジ部分とリッジダミー領域は、第2導電
型第2クラッド層20、20aとコンタクト層21、2
1aを同時に堆積することにより形成するのが一般的で
ある。コンタクト層21、21aの上面側と、基板11
の底部側にはそれぞれ電極22、23が形成されてい
る。
【0028】なお、本明細書において「A層の上に形成
されたB層」という表現は、A層の上面にB層の底面が
接するようにB層が形成されている場合と、A層の上面
に1以上の層が形成されさらにその層の上にB層が形成
されている場合の両方を含むものである。また、A層の
上面とB層の底面が部分的に接していて、その他の部分
ではA層とB層の間に1以上の層が存在している場合
も、上記表現に含まれる。具体的な態様については、以
下の各層の説明と実施例の具体例から明らかである。
【0029】本発明の半導体光デバイス装置を構成する
基板11は、その上にダブルへテロ構造の結晶を成長す
ることが可能なものであれば、その導電性や材料につい
ては特に限定されない。好ましいものは、導電性がある
基板である。具体的には、基板上への結晶薄膜成長に適
したGaAs、InP、GaP、ZnSe、ZnO、S
i、Al23等の結晶基板、特に閃亜鉛鉱型構造を有す
る結晶基板を用いるのが好ましい。その場合、基板結晶
成長面は低次な面またはそれと結晶学的に等価な面が好
ましく、(100)面が最も好ましい。なお、本明細書
において(100)面という場合、必ずしも厳密に(1
00)丁度の面である必要はなく、最大30°程度のオ
フアングルを有する場合まで包含する。オフアングルの
大きさの上限は30°以下が好ましく、16°以下がよ
り好ましい。下限は0.5°以上が好ましく、2°以上
がより好ましく、6°以上がさらに好ましく、10°以
上が最も好ましい。
【0030】また、基板は六方晶型の基板でもよく、そ
の場合はAl23、6H−SiC等の上にも形成される
ものである。基板11上には、通常基板の欠陥をエピタ
キシャル成長層に持ち込まないために厚さ0.2〜2μ
m程度のバッファ層を形成しておくことが好ましい。こ
のダブルヘテロ構造の作成や再成長にはMOCVDやM
BEなどの公知の成長方法を用いればよい。
【0031】基板上にバッファー層を形成する場合、バ
ッファ層は比較的低抵抗となるため、バッファ層が厚く
なりすぎると、電流ブロック領域あるいは電流ブロック
層により挟まれた電流狭窄領域を開口部直下近傍のみに
形成することにより、リッジダミー領域上に保護膜を介
さずに直接電極を形成しても素子内部での電流リークを
防止することが困難になってしまう。このため、バッフ
ァ層の厚みは1μm以下にすることが好ましく、0.5
μm以下にすることがより好ましい。さらに、できれば
バッファ層を形成しないことがもっとも好ましい。
【0032】基板11上には、活性層を含む化合物半導
体層を形成する。化合物半導体層は、活性層の上下に活
性層より屈折率の小さい層を含んでおり、そのうち基板
側の層は第1導電型クラッド層、他方のエピタキシャル
側の層は第2導電型クラッド層として機能する。このほ
か光ガイド層として機能する層を含んでいてもよい。こ
れらの屈折率の大小関係は、各層の材料組成を当業者に
公知の方法にしたがって適宜選択することにより調節す
ることができる。例えば、AlxGa1-xAs、(Alx
Ga1-x0.5In0.5P、AlxGa1-xNなどのAl組
成を変化させることによって屈折率を調節することがで
きる。
【0033】第1導電型クラッド層14は、活性層より
も屈折率の小さい材料で形成される。また、第1導電型
クラッド層の屈折率は、第2導電型クラッド層の屈折率
よりも大きいことが好ましい。例えば、第1導電型のG
aInP、AlGaInP、AlInP、AlGaA
s、AlGaAsP、AlGaInAs、GaInAs
P、GaN、AlGaN、AlGaInN、BeMgZ
nSe、MgZnSSe、CdZnSeTe等の一般的
なIII−V族、II−VI族半導体を用いることがで
きる。第1導電型クラッド層のキャリア濃度は、下限は
1×1018cm-3以上が好ましく、3×1018cm-3
上がより好ましく、5×1018cm-3以上が最も好まし
い。上限は2×1020cm-3以下が好ましく、5×10
19cm-3以下がより好ましく、3×1018cm-3以下が
最も好ましい。
【0034】第1導電型クラッド層14は、単層からな
るものであるときは、厚みは0.5〜4μmであるのが
好ましく、1〜3μmであるのがより好ましい。第1導
電型クラッド層は複数層からなるものであってもよい。
具体的には活性層側にGaInP、AlGaInP又は
AlInPからなるクラッド層と、その層よりも基板側
に第1導電型のAlGaAs又はAlGaAsPからな
るクラッド層が形成されている態様を例示することがで
きる。このとき、活性層側の層の厚さは薄くすることが
好ましく、厚さの下限としては0.01μm以上が好ま
しく、0.05μm以上がより好ましい。上限として
は、0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより
好ましい。また、基板側の層のキャリア濃度は、下限2
×1017cm-3〜以上が好ましく、5×1017cm-3
上がより好ましい。上限は3×10 18cm-3以下が好ま
しく、2×1018cm-3以下がより好ましい。
【0035】本発明の半導体光デバイス装置を構成する
活性層15の構造は、特に制限されず、図1(a)の態
様においては、三重量子井戸構造(TQW)を有してい
る。この三重量子井戸構造(TQW)は具体的には光閉
じ込め層(ノンドープ)51、量子井戸層(ノンドー
プ)52、バリア層(ノンドープ)53、量子井戸層
(ノンドープ)54、バリア層(ノンドープ)55、量
子井戸層(ノンドープ)56及び閉じ込め層(ノンドー
プ)57を順次積層した構造を有する。この三重量子井
戸構造以外にも、例えば、量子井戸層及び前記量子井戸
層を上下から挟む光閉じ込め層からなる単一量子井戸構
造(SQW)や、複数の量子井戸層及びそれらに挟まれ
たバリア層ならびに最上の量子井戸層の上及び最下の量
子井戸層の下に積層された光閉じ込め層からなる二重量
子井戸構造(DQW)や4層以上の量子井戸層を有する
多量子井戸構造(MQW)であってもよい。活性層を量
子井戸構造とすることにより、単層のバルク活性層と比
較して、短波長化かつ低しきい値化を達成することがで
きる。
【0036】本発明の半導体光デバイス装置において
は、光導波路の両端部分における活性層のバンドギャッ
プを光導波路中央の電流注入領域における活性層のバン
ドギャップよりも大きくした窓領域が形成されていても
よい。この窓領域は無秩序化された領域であり、活性層
の光導波路の端面は混晶領域になっている。
【0037】窓領域の作製方法は特に制限されるもので
はない。好ましい方法は、活性層の上部から窓領域作製
のための処理を行う方法である。例えば、窓領域を作製
するための一つの手法として不純物拡散があるが、本発
明では、活性層の上部に不純物拡散層を形成することに
より、容易に窓領域を作製することができる。特に、活
性層の上部であって比較的活性層からの距離が短い箇所
から不純物拡散を行うことが可能である。例えば、後述
する酸化防止層17上から不純物拡散を行うことができ
る。このとき不純物は、比較的厚さが小さい酸化防止層
17と第2導電型第1クラッド層16を通って活性層1
5に達するため、不純物拡散フロントの位置制御性の向
上や端部でのリーク電流低減を容易に図ることができ
る。
【0038】光導波路における活性層から不純物拡散層
までの距離は、短すぎると活性層内の不純物濃度が高く
なり過ぎたり、再成長界面による品質の劣化の影響を受
けやすくなる。一方、距離が長すぎると、拡散フロント
位置の制御性の低下や端部でのリーク電流の増加を招い
てしまうという問題がある。特に第1導電型クラッド層
よりも下側の比較的バンドギャップの小さい層まで不純
物が拡散してしまうと、リーク電流増加が大きくなって
発光素子としての性能を大きく損ねてしまう。さらに、
活性層にIn(さらにAs)を含む場合は、拡散距離が
長いと高温あるいは長時間の拡散が必要となるために、
熱拡散中に窓構造以外の導波路中央において活性層の界
面が乱れたり、熱的なダメージで活性層の品質が劣化す
る可能性がある。これらを考慮すると、光導波路におけ
る活性層から不純物拡散層までの距離の下限は0μm以
上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.
1μm以上が最も好ましい。拡散距離の上限は0.5μ
m以下が好ましく、0.45μm以下がより好ましく、
0.4μm以下が最も好ましい。不純物の拡散距離が比
較的短いために、比較的低温で不純物拡散を行うことが
できるという利点もある。不純物拡散温度は、850℃
以下であることが好ましく、770℃以下であることが
より好ましく、730℃以下であることがさらにより好
ましい。
【0039】製造上の容易性や制御性を考慮すると、不
純物拡散プロセスとして、薄膜成長装置内で拡散源を有
する層の成長とアニールプロセスとを一貫して行うこと
が好ましい。さらに、端部でのリーク電流低減のために
不純物拡散層は少なくともレーザチップ作製プロセス終
了までに除去しておくことが好ましい。端部での不純物
の拡散フロントは、混晶化を行うために活性層内の量子
井戸層よりも下側になるようにする必要があり、活性層
よりもバンドギャップの大きい第1導電型クラッド層1
4内に形成されることが電流リーク抑制の観点から好ま
しい。
【0040】拡散させる不純物は、拡散プロセス温度の
低減の観点から、拡散定数の大きいものが好ましく、例
えば亜鉛(Zn)、錫(Sn)、リチウム(Li)、銅
(Cu)などが挙げられる。また、光導波路での内部損
失の増加を防ぐ観点からは、n型の不純物が好ましく、
例えば、III−V族半導体に対しては、シリコン(S
i)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、硫黄
(S)、セレン(Se)、テルル(Te)など、II−
VI族半導体に対しては窒素(N)、塩素(Cl)など
が挙げられる。端部でのリーク電流低減の観点から、高
抵抗化することができる不純物が好ましく、例えば、銅
(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)などの遷移元
素、水素(H)など、特にIII−V族半導体に対して
は、ボロン(B)、酸素(O)などが挙げられる。
【0041】また、窓領域への不純物のドーピング法と
して、上記の好ましい方法以外に例えばイオン注入法を
採用してもよい。イオン注入後に熱処理を行い、不純物
を拡散させ、量子井戸構造を混晶化させることができ
る。ただし、高エネルギーであるいは質量数の大きい不
純物を注入すると、多量の欠陥(特に、ドーズ量が多い
場合)が発生するので好ましくない。特に、活性層にま
で注入不純物が到達すると、活性層内部に欠陥が発生す
るので好ましくなく、活性層への損傷を低減させる観点
から、注入深さを浅くして、活性層の上部に注入不純物
プロフィールのピークがあることが好ましい。注入不純
物としては、シリコン(Si)、フッ素(F)、アルミ
ニウム(Al)、ボロン(B)、カーボン(C)、窒素
(N)、燐(P)、硫黄(S)、砒素(As)、ガリウ
ム(Ga)などが好適である。ダメージ低減の観点か
ら、比較的質量の小さいB、C、F、Al、Si等が好
ましい。lll−V族半導体に注入する場合、フリーキ
ャリアの吸収の影響を排除する観点から、キャリアとし
て働かないN、F、As、Al、Ga等好ましい。混晶
化には、直接寄与しないが、水素(H),アルゴン(A
r)などを注入することにより、キャリアの活性化率の
低減や高抵抗層の形成を行うことができる。
【0042】また、不純物を用いない(不純物フリー)
方法でも、端部窓構造の作製は可能である。例えば、表
面にSiO2などの誘電体膜を形成し、高温(不純物拡
散よりも比較的高温が必要)で処理することにより、表
面側のGaなどの母体原子が誘電体膜中に移動し、この
とき生成した空格子が膜中に拡散し、量子井戸を混晶化
させる方法がある。このときにも、上記のように、活性
層近傍の上部に誘電体膜を形成することにより、空格子
の拡散距離を浅くできるので、従来の構造よりも比較的
低温および短時間でプロセスができる。これにより、混
晶化させる必要のない領域(例えば、電流注入領域)の
活性層へのダメージやドーピングプロファイルの乱れを
抑制することが可能となる。
【0043】さらに、窓領域の形成にレーザ光や電子線
などを使用して、局所的に高温にして混晶化してもよ
い。この方法は、混晶化させる必要のない領域(例え
ば、電流注入領域)の活性層へのダメージやドーピング
プロファイルの乱れを抑制する観点から、不純物を用い
ない場合のみならず不純物を用いた場合にも有効であ
る。
【0044】窓構造を形成するために不純物を拡散した
領域と、活性層の下に形成した電流ブロック層または電
流ブロック領域の好ましい寸法関係について、図5を参
照しながら説明する。図5において、窓構造を形成する
ために不純物を拡散した領域はAの部分に相当しa、
c、eで規定され、活性層の下に形成した電流ブロック
層または電流ブロック領域はBの部分に相当しb、d、
fで規定されている。上面図の3つの図はそれぞれ異な
る態様を示したものである。また、Wは後述する開口部
19の幅を示すものである。
【0045】これらのパラメーターは、 b≧a/2 c≧W、 d≧W f≧e/2 の関係を満足することが好ましく、 b≧a d≧c≧W f≧e の関係を満足することがより好ましい。
【0046】第2導電型第1クラッド層16は、活性層
15よりも屈折率の小さい材料で形成される。例えば、
第2導電型のAlGaInP、AlInP、AlGaA
s、AlGaAsP、AlGaInAs、GaInAs
P、AlGaInN、BeMgZnSe、MgZnSS
e、CdZnSeTe等の一般的なIII−V族、II
−VI族半導体を用いることができる。第2導電型クラ
ッド層がAlを含むIII−V族化合物半導体で構成さ
れている場合は、その成長可能な実質的全面をGaA
s、GaAsP、GaInAs、GaInP、GaIn
N等のAlを含まないIII−V族化合物半導体で覆え
ば表面酸化を防止することができるため好ましい。
【0047】第2導電型第1クラッド層16のキャリア
濃度は、下限は2×1017cm-3以上が好ましく、5×
1017cm-3以上がより好ましく、7×1017cm-3
上が最も好ましい。上限は5×1018cm-3以下が好ま
しく、3×1018cm-3以下がより好ましく、2×10
18cm-3以下が最も好ましい。厚さの下限としては0.
01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ま
しく、0.07μm以上が最も好ましい。上限として
は、0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより
好ましく、0.2μm以下が最も好ましい。
【0048】第2導電型第1クラッド層16は活性層1
5の上に形成する。本発明の好ましい実施様態では、第
2導電型第1クラッド層の屈折率は、第1導電型クラッ
ド層の屈折率よりも小さい。このような態様を採用する
ことにより、活性層から光ガイド層側へ有効に光がしみ
出すように光分布(近視野像)を制御することができ
る。また、活性領域(活性層の存在する部分)から不純
物拡散領域への光導波損失を低減することもできるた
め、高出力動作におけるレーザ特性や信頼性の向上を達
成することができる。
【0049】第2導電型第1クラッド層16の上に第2
導電型キャップ層として機能する酸化防止層(エッチン
グ阻止層)17を形成することにより、少なくとも開口
部19内に第2導電型第2クラッド層20を再成長させ
る際に、再成長界面で通過抵抗を増大させるような高抵
抗層の発生を容易に防ぐことができるようになる。
【0050】本発明の望ましい別の実施様態では、第2
導電型第1クラッド層上の少なくとも保護膜開口部直
下、即ち、ストライプ領域及び好ましくはその両側に酸
化防止層を有する。これによりリッジ部の第2導電型第
2クラッド層20を再成長により形成する場合、再成長
界面で通過抵抗を増大させるような高抵抗層の発生を防
ぐことが可能になる。また、再成長界面に酸素等の不純
物が多量に存在すると、結晶品質を低下による界面での
光吸収(発熱)や欠陥を介した不純物拡散の促進などを
引き起こし、特性や信頼性の劣化を招いてしまう。
【0051】酸化防止層17の材料は、酸化されにくい
か或いは酸化されてもクリーニングが容易な材料であれ
ば特に限定されない。具体的には、Al等の酸化されや
すい元素の含有率の低い(0.3以下程度)III−V
族化合物半導体層が挙げられる。また、材料と厚みを選
択することによって活性層からの光を吸収しないように
することが好ましい。キャップ層の材料は、一般に活性
層の材料よりもバンドギャップが大きい材料から選択さ
れるが、バンドギャップが小さい材料であっても、厚さ
が50nm以下、より好ましくは30nm以下、最も好
ましくは10nm以下であれば、実質的に光の吸収が無
視できるので使用可能である。
【0052】本発明の半導体光デバイス装置を構成する
保護膜18は、第2導電型第1クラッド層より上に形成
され、開口部19を有する。基本的には、該開口部19
から活性層に電流が注入される。保護膜18の材料は電
流阻止機能を有する絶縁体であれば、特に限定されな
い。一般的には、誘電体が好ましく用いられ、具体的に
は、SiNx膜、SiO2膜、SiON膜、Al2
3膜、ZnO膜、SiC膜及びアモルファスSiからな
る群から選択される。この保護膜は、マスクとしてMO
CVDなどを用いて選択再成長により形成する場合に用
いられる。保護膜18には、低屈折率でかつ絶縁特性の
優れた層を形成することができるなどの利点がある反
面、熱伝導率が低いために放熱性が悪い、劈開性が悪い
などの欠点も有している。したがって、素子の表面を覆
う割合を小さくし、端面にかかる長さも短くすることが
好ましいが、本発明はこのことを可能にするものであ
る。
【0053】保護膜18は、光分布(特に横方向の光分
布)を制御したり電流阻止の機能を向上させるために、
屈折率等が異なる2つ以上の層から形成してもよい。
【0054】活性層に水平方向にリッジ部と非リッジ部
の間で実効屈折率差をつけ、レーザ発振の横モードの安
定化を図るために、保護膜の屈折率はクラッド層の屈折
率よりも小さいことが好ましい。しかし、実用上は、保
護膜とクラッド層との屈折率差が大きすぎると活性層内
での横方向の有効屈折率段差が大きくなり易いために、
リッジ下の第2導電型第1クラッド層16を厚くしなけ
ればならなくなり、横方向に漏れ電流が大きくなるとい
う問題が生じる。一方、保護膜とクラッド層との屈折率
差が小さすぎる場合、保護膜の外側へ光が漏れやすくな
るために保護膜をある程度厚くする必要があるが、この
ことにより劈開性が悪くなるという問題が生じる。これ
らのことを考え併せて、保護膜とクラッド層との屈折率
差は、下限は0.3以上が好ましく、0.2以上がより
好ましく、0.5以上が最も好ましい。上限は、3.0
以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、1.8以
下が最も好ましい。また、保護膜の厚みは、絶縁特性を
充分に示すことができ、かつ保護膜の外側に光が漏れな
い程度の厚さがあれば、特に問題はない。保護膜の厚み
は、下限は10nm以上が好ましく、30nm以上がよ
り好ましく、50以上が最も好ましい。上限は500n
m以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、2
00nm以下が最も好ましい。
【0055】保護膜18の開口部上に形成される活性層
より屈折率の小さい層を含むリッジ型の化合物半導体層
は、通常、大部分が第2導電型第2クラッド層20から
なる。ほかに光ガイド層として機能する層を含んでいて
もよい。
【0056】保護膜18の開口部上の少なくとも一部に
は、第2導電型第2クラッド層20が形成される。第2
導電型第2クラッド層20は、通常は開口部19の上側
表面をすべて覆うように形成される。本発明の望ましい
実施様態では、第2導電型第2クラッド層20の屈折率
は第2導電型第1クラッド層16の屈折率はよりも小さ
い。これにより、リッジ部分への光分布(近視野像)の
裾引きを抑制することができ、垂直広がり角(遠視野
像)の対象性向上、水平広がり角(遠視野像)のサイド
ピーク抑制、或いはコントクト層での光吸収抑制による
レーザ特性や信頼性の向上を達成できる。
【0057】第2導電型第2クラッド層20のキャリア
濃度は、下限は5×1017cm-3以上が好ましく、7×
1017cm-3以上がより好ましく、1×1018cm-3
上が最も好ましい。上限は1×1019cm-3以下が好ま
しく、5×1018cm-3以下がより好ましく、3×10
18cm-3以下が最も好ましい。第2導電型第2クラッド
層20の厚さは、薄くなりすぎると光閉じ込めが不十分
となり、厚くなりすぎりと通過抵抗が増加してしまうこ
とを考慮して、下限は0.5μm以上が好ましく、1.
0μm以上がより好ましい。上限は3.0μm以下が好
ましく、2.0μm以下がより好ましい。
【0058】また、第2導電型第2クラッド層20の厚
さは、後述の保護膜開口部幅Wに対して、0.25〜
2.0倍程度が好ましい。この範囲であれば、周囲(後
述する電流ブロック層やリッジダミー領域)に比して著
しく突出することがなく、ジャンクションダウンで用い
た場合にリッジ部にストレスがかかって寿命に悪影響を
与えることもなく、また、逆に周囲に比して著しく低い
ために電極形成工程等の後工程が行いづらくなることも
ないため、好ましい。
【0059】保護膜18と第2導電型第2クラッド層2
0を形成した後にさらに電極を形成するに先立ち、電極
材料との接触抵抗を低減するために、低抵抗(高キャリ
ア濃度)のコンタクト層21を形成することが好まし
い。特に電極を形成しようとする最上層表面の全体にコ
ンタクト層を形成したうえで電極を形成することが好ま
しい。さらに電極との接触面積を大きくするために、リ
ッジ型の化合物半導体層の側面の少なくとも一部が電極
と接していることが好ましい。
【0060】このとき、コンタクト層21の材料は、通
常はクラッド層よりバンドギャップが小さい材料の中か
ら選択し、金属電極とのオーミック性を取るため低抵抗
で適当なキャリア密度を有するのが好ましい。例えば、
AlGaAs、AlGaInAs、AlGaInP、G
aInAsP、AlGaInN、BeMgZnSe、M
gZnSSe、CdZnSeTe等の一般的なIII−
V族、II−VI族半導体を用いることができる。キャ
リア密度の下限は、1×1018cm-3以上が好ましく、
3×1018cm-3以上がより好ましく、5×1018cm
-3以上が最も好ましい。上限は、2×1020cm-3以下
が好ましく、5×1019cm-3以下がより好ましく、3
×1018cm-3以下が最も好ましい。コンタクト層29
の厚みは、0.1〜10μmが好ましく、1〜8μmが
より好ましく、2〜6μmがもっとも好ましい。
【0061】コンタクト層が形成されたリッジの側面及
び上面の一部は、更に酸化防止等の目的で保護膜で覆う
ことも可能である。その場合も、リッジ側面にコンタク
ト層を形成せずに保護膜を形成するよりは装置全体の抵
抗を小さく抑えることができる。特に、AlGaInP
系やAlGaInN系など比抵抗の高い材料(とりわけ
p型において)を用いれば、装置全体の抵抗低減に有効
である。
【0062】本発明では、開口部上に形成される活性層
より屈折率の小さいリッジ型の化合物半導体層の一部が
保護膜にのりかかる様に、すなわち該開口部内部および
少なくとも開口部両脇の保護膜上の一部に第2導電型第
2クラッド層20が形成されていることが好ましい。第
2導電型第2クラッド層20の保護膜18上への重なり
の部分は下限は0.01μmが好ましく、0.1μm以
上がより好ましく、上限は2.0μm未満(2.0μm
を除く)が好ましく、1.0μm以下がより好ましい。
このような態様を採用することにより、保護膜18とリ
ッジ底部との境界近傍にしみ出す光分布の制御性を向上
させることができたり、リッジ側面に形成されるコンタ
クト層の光吸収を低減することができる。この場合、従
来のリッジ導波型レーザのように必ずしもリッジの側面
に保護膜18を形成する必要がなくなり、プロセスの簡
素化、コスト低減においても有効である。
【0063】本発明では、再成長部の第2導電型第2ク
ラッド層20を絶縁体からなる保護膜18の上面にかか
るように成長し、保護膜18とリッジの近傍にしみ出す
光の分布の制御性を良くしたり、再成長部の第2導電型
第2クラッド層20上の成長可能な面の実質的全面にコ
ンタクト層21を成長させ、クラッド層側面の酸化を抑
制したり、エピタキシャル面側の電極との接触面積の増
加を行い、電極とのコンタクト抵抗を低減したりするこ
とが特に好ましい。これら再成長部のクラッド層やコン
タクト層を絶縁膜上部にかかるように成長することはそ
れぞれ単独に行っても良いし、両方を組み合わせても良
い。さらに、再成長でリッジを形成する場合にはリッジ
部の組成、キャリア濃度や成長速度の制御性を向上する
ために電流注入されるリッジ部より大面積となる電流注
入を行わないリッジダミー層を設けることも可能であ
る。この際、リッジダミー層の部分には電流の通過を防
止するために酸化膜等との絶縁性の被服層やサイリスタ
構造等を作製している。また、本発明の製造方法により
オフ基板上に電流注入ストライプをオフ方向となるべく
垂直な方向に形成された場合、再成長のリッジは左右非
対称となるが、従来の半導体からなるブロック層より
も、保護膜とリッジ部のクラッド層との屈折率差を容易
に大きくすることができたり、ストライプ方向を適切に
選ぶことにより再成長部のクラッド層が保護膜の上面に
かかるように成長させることができるので、保護膜とリ
ッジ近傍にしみ出す光の分布の対称性は良好であり、高
出力まで安定な基本横モード発振が得られる。このよう
に、本発明は様々なリッジストライプ型導波路構造半導
体光デバイス装置に応用可能である。
【0064】リッジダミー領域を有する本発明の半導体
光デバイス装置における好ましい寸法範囲を図6を参照
しながら説明する。図6において、a1およびa2は保護
膜の幅であり、Wは保護膜に開けられた開口部の幅であ
る。幅dはa1+a2+Wであり、b1およびb2はリッジ
ダミー領域形成用に保護膜で覆われていない部分の長さ
である。e1およびe2は活性層より下に存在する電流ブ
ロック領域または電流ブロック層の長さであり、Cは電
流ブロック層または電流ブロック領域にはさまれた領域
の幅である。d1およびd2は、Wの中点とCの中点のず
れ幅を示す。d 1は、Cの中点がWの中点よりもa1側に
ずれているときに存在するずれ幅であり(図示のとお
り)、d2はCの中点がWの中点よりもa2側にずれてい
るときに存在するずれ幅である(図示せず)。
【0065】d1およびd2の好ましい範囲は、 0≦d1≦(W+a1)/2 0≦d2≦(W+a2)/2 であり、より好ましい範囲は、 0≦d1≦(W+a1)/4 0≦d2≦(W+a2)/4 である。d1またはd2が上記の好ましい範囲内にあれ
ば、開口部19への電流注入が均一になるという利点が
ある。e1およびe2の好ましい範囲は、 b1≦e1≦b1+a1+W/2 b2≦e2≦b2+a2+W/2 であり、より好ましい範囲は、 b1≦e1≦b1+a12≦e2≦b2+a2 である。e1およびe2が上記の好ましい下限値以上であ
れば素子内部の電流リークを抑制することができる。
【0066】Cの好ましい範囲は、 W/2≦C≦W+a1+a2 であり、より好ましい範囲は、 W/2≦C≦W+(a1+a2)/2 である。Cが上記の好ましい下限値以上であれば開口部
19への電流注入が均一になるという利点がある。b1
およびb2の好ましい範囲は、 a1≦b1≦3L/4 a2≦b2≦3L/4 であり、より好ましい範囲は、 2a1≦b1≦L/2 2a2≦b2≦L/2 である。b1およびb2が上記の好ましい下限値以上であ
ればリッジ形状の制御性が良くなるという利点があり、
上記の好ましい上限値以下であればリッジダミー領域の
対称性が良くなるという利点がある。
【0067】ストライプ領域の両側を覆う保護膜の更に
外側には、半導体、誘電体等からなる電流ブロック層を
形成することもできる。すなわち、リッジダミー領域に
電流ブロック層を形成することもできる。電流ブロック
層は保護膜に乗り上げるように形成されていてもよい
し、逆に電流ブロック層の上に保護膜が乗り上げるよう
に形成されていてもよい。保護膜と電流ブロック層の境
界部分での電流の漏れを防ぐためには、電流ブロック層
は保護膜上に乗り上げるように形成されることがより好
ましい。このような電流ブロック層を形成することによ
り、劈開、組立時の歩留まりを向上させ、ジャンクショ
ンダウンで組み立てた際のリッジ部へのストレスを軽減
して長寿命化を図ることができる。
【0068】電流ブロック層は、リッジ部分に電流を集
中させ、リッジ部分でのみレーザー発振を起こせるよう
な材料であればその種類は特に制限されない。例えばA
lGaAs、AlGaInP、GaInPAs、AlG
aInN、BeMgZnSSe、CdZnSeTe等の
一般的なIII −V族、II−VI族半導体を用いることがで
きる。電流ブロック層の厚みは、厚過ぎると例えばリッ
ジストライプ幅の制御性が悪くなり、薄いとジャンクシ
ョンダウンに組立てた場合にリッジストライプ部分への
ストレスを回避する効果が薄れる。そのため電流ブロッ
ク層の厚みは、下限は100nm以上、好ましくは30
0nm以上、特に好ましくは500nm以上であり、上
限は2000nm以下、好ましくは1500nm以下が
用いられる。これらの上限および下限を使用目的等に応
じて適宜選択することによって定まる範囲内に厚みを制
御すれば、好ましい半導体光デバイス装置を製造するこ
とができる。電流ブロック層は、絶縁層でもよいが、半
導体層であることが好ましい。この場合、導電型半導体
層としては第1導電型の半導体層であるかまたは高抵抗
の半導体層であることが好ましい。そして、キャリア濃
度は、下限は、1×1017cm-3以上、好ましくは5×
1017cm-3以上、特に好ましくは7×1017cm-3
上であり、上限は、1×1019cm-3以下、好ましくは
5×1018cm-3以下、特に好ましくは3×1018cm
-3以下である。これらの上限および下限を使用目的等に
応じて適宜選択することによって定まる範囲内にキャリ
ア濃度を制御すれば、好ましい半導体光デバイス装置を
製造することができる。
【0069】電流ブロック層を成長する際の保護膜の幅
d(図6)とこの保護膜の繰り返し幅L(図6)につい
ては、特に限定されない。ただし、保護膜の幅dと保護
膜の繰り返し幅Lの比d/Lが、0.002〜0.5で
ある場合にはリッジの厚みや、キャリア濃度の制御が容
易となるので好ましい。なお、先に電流ブロック層を形
成してから、保護膜にリッジ形成用の開口部を開けてリ
ッジを形成するときには、後で保護膜に開口部を開ける
必要があるため、保護膜の幅dが開口部の幅Wに近い
と、精度良く開口部を開けることが難しくなり、保護膜
にリッジ部分やリッジダミー領域が乗りかかるような選
択成長をすることが不可能となる。この時、リッジ再成
長用の保護膜の幅DをD=(d−W)/2と定義したと
き、保護膜Dの幅についても特に限定しないが、上記の
理由により、下限は好ましくは5μm以上、より好まし
くは7μm以上、最も好ましくは10μm以上であり上
限については、d/Lの比を満たしていれば好ましい。
【0070】また、保護膜の幅Dとリッジ部分の繰り返
し幅Lについては特に限定しないが、この保護膜の幅D
とリッジ部分の繰り返し幅Lとの比D/Lが0.001
〜0.25である場合には、リッジ部分の厚みやキャリ
ア濃度の制御が容易となるので好ましい。ここで保護膜
の幅Dやリッジ部分の繰り返し幅Lは、それぞれの繰り
返し単位中での幅が同一ならその同一の幅を、各繰り返
し単位中での幅にばらつきがあれば、それぞれの幅の平
均値を用いればよい。
【0071】オフアングルの方向は、保護膜18に形成
される開口部19の伸びる方向(長手方向)に直交する
方向から、±30°以内の方向が好ましく、±7°以内
の方向がより好ましく、±2°以内の方向が最も好まし
い。また、開口部の方向は、基板の面方位が(100)
の場合、[01−1]またはそれと等価な方向又はそれ
と結晶学的に等価な方向に伸びていることが好ましい。
その場合リッジ側面の大部分が(311)A面となるこ
とが多く、リッジを形成する第2導電型第2クラッド層
20上の成長可能な実質的全面にコンタクト層21を成
長させることができる。この傾向は第2導電型第2クラ
ッド層20がAlGaAs特にAlAs混晶比0.2〜
1.0、好ましくは0.3〜0.9、最も好ましくは
0.4〜0.8のときに特に顕著である。オフアングル
の方向は[011]方向またはそれと等価な方向から±
30°以内の方向が好ましく、±7°以内の方向がより
好ましく、±2°以内の方向が最も好ましい。なお、本
明細書において「[01−1]方向」という場合は、一
般的なIII−V族、II−VI族半導体において、
(100)面と[01−1]面との間に存在する[11
−1]面が、それぞれV族又はVI族元素が現れる面で
あるように[01−1]方向を定義する。
【0072】本発明の実施態様は上記の開口部19が
[01−1]方向の場合に限定されない。例えば、開口
部が[011]方向又はそれと結晶学的に等価な方向に
伸びている場合、例えば、成長条件により、成長速度に
異方性をもたせることができ、(100)面では速く、
(111)B面ではほとんど成長しないようにすること
ができる。その場合、(111)B面を側面とする第2
導電型第2クラッド層が形成される。この場合も次にコ
ンタクト層を形成する際、より等方性の強い成長が起こ
る条件を選ぶことにより、(100)面の頂部とともに
(111)B面からなる側面にも全面的にコンタクト層
が形成される。
【0073】同様の理由により、ウルツァイト型の基板
を用いた場合には、開口部の伸びる方向は、例えば(0
001)面上では[11−20]又は[1−100]が
好ましい。HVPE(Hydride Vapor P
hase Epitaxy)ではどちらの方向でもよい
が、MOVPEでは[11−20]方向がより好まし
い。
【0074】本発明の半導体光デバイス装置を設計する
に際しては、まず、所望の垂直拡がり角を得るために活
性層の厚みとクラッド層の組成を決定する。通常、垂直
拡がり角を狭くすると活性層からクラッド層への光の浸
みだしが促進され、端面での光密度が小さくなり、出射
端面の光学的損傷(COD)レベルが向上することがで
きるので、高出力動作を必要とする時には比較的に狭め
に設定されるが、下限は活性層内の光閉じ込めの低減に
よる発振しきい値電流の増大及びキャリアのオーバーフ
ローによる温度特性の低下を抑制することで制限があ
り、下限は、15°以上が好ましく、17°以上がより
好ましく、19°以上が最も好ましい。上限は、33°
以下が好ましく、31°以下がより好ましく、30°以
下が最も好ましい。
【0075】次に、垂直拡がり角を決定すると、高出力
特性を大きく支配する構造パラメータは活性層と電流ブ
ロック層との間の距離dpと開口部底部における幅(以
下「開口幅」という)Wとなる。なお、活性層と電流ブ
ロック層との間に第2導電型第1クラッド層のみが存在
する場合、dpは第2導電型第1クラッド層の厚みとな
る。また、活性層が量子井戸構造の場合、最も電流ブロ
ック層に近い活性層と電流ブロック層との距離がdpに
なる。
【0076】dpについては、上限は0.50μm以下
が好ましく、0.45μm以下がより好ましく、0.4
0μm以下がもっとも好ましい。下限は0.03μm以
上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、0.1
5μm以上がもっとも好ましい。ただし、使用目的(広
がり角をどこに設定するかなど)、材料系(屈折率、抵
抗率等)などが異なると、上記の最適範囲も少しシフト
する。また、この最適範囲は上記の各構造パラメータが
お互いに影響し合うことにも注意を要する。
【0077】開口部底部における開口幅Wは、上限が1
00μm以下であることが好ましく、50μm以下であ
ることがより好ましい。下限が1μm以上であることが
好ましく、1.5μm以上であることがより好ましく、
2μm以上であることがもっとも好ましい。
【0078】高出力動作を実現するには、開口部底部に
おける開口幅Wを広くすることが端面での光密度低減の
観点から有効であるが、動作電流を低減するためには開
口幅を狭くすることが、導波路ロス低減の観点から好ま
しい。そこで、ゲイン領域となる中央付近の開口幅W2
を比較的狭くし、端部付近の開口幅W1を比較的広くな
るようにすることにより、低動作電流と高出力動作を同
時に実現することができ、高い信頼性も確保することが
できる(図7(a))。すなわち、端部(劈開面)幅W
1については、上限が1000μm以下であることが好
ましく、500μm以下であるがより好ましい。下限が
2μm以上であることが好ましく、3μm以上であるこ
とがより好ましい。中央部幅W2については、上限が1
00μm以下であることが好ましく、50μm以下であ
ることがより好ましい。下限が1μm以上であることが
好ましく、1.5μm以上であることがより好ましく、
2μm以上であることがもっとも好ましい。端部幅W1
と中央部幅W2の差については、上限は1000μm以
下が好ましく、500μm以下がより好ましい。下限に
ついては、0.2μm以上が好ましく、0.5μm以上
がより好ましい。
【0079】さらに横モードをシングルモード(単一ピ
ークの横方向光強度分布)にするためには、端部幅W1
の上限は、7μm以下が好ましく、6μm以下がより好
ましく、4μm以下がさらにより好ましい。中央部幅W
2の上限は、6μm以下が好ましく、5μm以下がより
好ましい。端部幅W1と中央部幅W2の差については、
上限は5μm以下が好ましく、3μm以下がより好まし
く、2μm以下が最も好ましい。下限については、0.
2μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好まし
い。遠視野像が単一ピークであることを特徴とすること
により、情報処理や光通信などの幅広い用途に好適なレ
ーザを供することができる。本発明では、活性層と保護
膜との間に形成された第2導電型第1クラッド層の厚み
を0.10〜0.50μmにすることにより、上記の開
口部幅(ストライプ幅)において高出力動作を実現し易
くなる。
【0080】高い信頼性を維持しつつビームが円形に近
いレーザを達成するためには、上記dpとWを適切な範
囲に制御性良く納めることが必要となる。円形に近いビ
ームを実現するには、開口幅を狭くすることが有効であ
るが、開口幅を狭くすると注入電流密度が密度がバルク
劣化抑制の観点から好まくない。そこで、ゲイン領域と
なる中央部幅W2を比較的広くし、端部付近を比較的狭
くなるようにすることにより、ビームスポット低減と低
動作電流を同時に実現することができ、高い信頼性も確
保することができる(図7(b))。すなわち、端部
(劈開面)幅W1については、上限が10μm以下であ
ることが好ましく、5μm以下であるがより好ましく、
3μm以下であるがもっとも好ましい。下限が0.5μ
m以上であることが好ましく、1μm以上であることが
より好ましい。中央部幅W2については、上限が100
μm以下であることが好ましく、50μm以下であるこ
とがより好ましい。下限が1μm以上であることが好ま
しく、1.5μm以上であることがより好ましく、2μ
m以上であることがもっとも好ましい。端部幅W1と中
央部幅W2の差については、上限は100μm以下が好
ましく、50μm以下がより好ましい。下限について
は、0.2μm以上が好ましく、0.5μm以上がより
好ましい。
【0081】上記の漸増部分あるいは漸減部分、端部の
長さは所望の特性に応じて、設計すればよいが、漸減部
分の長さは、導波路損失低減の観点から、それぞれ5〜
10μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
端部の長さは、劈開精度の観点から5〜30μmが好ま
しく、10〜20μmがより好ましい。ただし、必要に
応じて、以下のように窓を作製してもよい。 (1)端部、漸増部分あるいは漸減部分の開口幅あるい
は長さがチップ両側で非対称となるもの。 (2)端部の幅一定となる領域を設定せずに、端部まで
漸増あるいは漸減としたもの。 (3)端面の片側(通常、高出力光取り出し(前端面)
側)だけ開口幅が漸増あるいは漸減するようにしたも
の。 (4)端部開口幅が前端面と後端面とで異なるもの。 (5)上記の(1)〜(4)のいくつかを組み合わせた
もの。 また、端面付近に電極を設けないようにして、端部近傍
の開口部への電流注入によるバルク劣化の抑制や端面で
の再結合電流を低減することは、高い信頼性での小スポ
ット径のレーザ作製の観点から有効である。
【0082】通常、半導体層をエッチング(特にウェッ
トエッチング)でストライプ幅を決定するときは、特定
の面が選択的に出やすくなるために、ストライプ幅を漸
減させようとするとストライプエッジが揺らいでしまう
ためにストライプのエッジが階段状に変化してしまい、
この階段状のエッジのうねりが水平方向の遠視野像にリ
ップルや大きなサイドピークなどの乱れが発生しやすく
なる。一方、本発明では、ストライプ幅漸増あるいは漸
減部分はSiNxアモルファス膜のエッチングして形成
されているために、直線的にストライプ幅を増加あるい
は減少させることができることから、リップルやサイド
ピークのない良好な単峰性のピークを容易に得ることが
できる。
【0083】本発明の半導体光デバイス装置を製造する
方法は特に制限されない。いかなる方法により製造され
たものであっても、上記請求項1の要件を満たすもので
あれば本発明の範囲に含まれる。
【0084】本発明の半導体光デバイス装置を製造する
際には、従来から用いられている方法を適宜選択して使
用することができる。結晶の成長方法は特に限定される
ものではなく、ダブルヘテロ構造の結晶成長や電流ブロ
ック層等の選択成長には、有機金属気相成長法(MOC
VD法)、分子線エピタキシー法(MBE法)、ハイド
ライドあるいはハライド気相成長法(VPE法)、液相
成長法(LPE法)等の公知の成長方法を適宜選択して
用いることができる。
【0085】好ましい製造方法として、基板内部もしく
は基板上側に電流ブロック領域あるいは電流ブロック層
を形成する工程、活性層を含む化合物半導体層及び保護
膜をこの順に形成する工程、該保護膜に開口部を形成す
る工程、該開口部にリッジ型の化合物半導体層を選択成
長する工程を含むことを特徴とする本発明の半導体光デ
バイス装置の製造方法を挙げることができる。
【0086】各層の具体的成長条件等は、層の組成、成
長方法、装置の形状等に応じて異なるが、MOCVD法
を用いてIII−V族化合物半導体層を成長する場合、
ダブルへテロ構造は、成長温度650〜750℃程度、
V/III比20〜60程度(AlGaAsの場合)あ
るいは300〜600程度(InGaAsP、AlGa
InPの場合)、電流ブロック層は成長温度600〜7
00℃、V/III比40〜60程度(AlGaAsの
場合)あるいは350〜550程度(InGaAsP、
AlGaInPの場合)、電流ブロック領域は成長温度
500〜700℃、V/III比20〜80程度(Al
GaAsの場合)あるいは300〜600程度(InG
aAsP、AlGaInPの場合)、熱処理(アニー
ル)は600〜800℃、3時間以内で行うのが好まし
い。
【0087】特に保護膜を用いて選択成長する部分がA
lGaAs、AlGaInPのようにAlを含む場合、
成長中に微量のHClガスを導入することにより、マス
ク上へのポリの堆積を防止することができるため非常に
好ましい。Alの組成が高いほど、あるいはマスク幅あ
るいはマスク面積比が大きいほど、他の成長条件を一定
とした場合、ポリの堆積を防止し、かつ半導体表面露出
部のみに選択成長を行う(セレクティブモード)のに必
要なHCl導入量は増加する。一方、HClガスの導入
量が多すぎるとAlGaAs層の成長が起こらず、逆に
半導体層がエッチングされてしまうが(エッチングモー
ド)が、Al組成が高くなるほど他の成長条件を一定と
した場合、エッチングモードになるのに必要なHCl導
入量は増加する。このため、最適なHCl導入量はトリ
メチルアルミニウム等のAlを含んだIII族原料供給
モル数に大きく依存する。具体的には、HClの供給モ
ル数とAlを含んだIII族原料供給モル数の比(HC
l/III族)は、下限は0.01以上が好ましく、
0.05以上がより好ましく、0.1以上が最も好まし
い。上限は、50以下が好ましく、10以下がより好ま
しく、5以下が最も好ましい。ただし、Inを含む化合
物半導体層を選択成長(特に、HCl導入)させる場合
は、組成制御が困難になりやすい。
【0088】本発明では、開口部の幅及び活性層と保護
膜との距離を適切な範囲内に設定すること、光の垂直広
がり角が特定範囲となる様な構成とすること等を採用す
ることにより、自励発振型の半導体光デバイス装置を提
供することも可能である。
【0089】本発明の半導体光デバイス装置を利用した
半導体レーザ装置として、情報処理用光源(通常AlG
aAs系(波長780nm近傍)、AlGaInP系
(波長600nm帯)、InGaN系(波長400nm
近傍))、通信用信号光源(通常InGaAsPあるい
はInGaAsを活性層とする1.3μm帯、1.5μ
m帯)レーザ、ファイバー励起用光源(InGaAs歪
み量子井戸活性層/GaAs基板を用いる980nm近
傍、InGaAsP歪み量井戸活性層/InP基板を用
いる1480nm近傍など)レーザなどの通信用半導体
レーザ装置などの、特に高出力動作が求められる多用な
装置を挙げることができる。また、通信用レーザでも、
円形に近いレーザはファイバーとの結合効率を高める点
で有効である。また、遠視野像が単一ピークであるもの
は、情報処理や光通信などの幅広い用途に好適なレーザ
として供することができる。また、本発明の半導体光デ
バイス装置は、半導体レーザ以外に半導体光増幅器、光
検出器、光変調器、光スイッチなどの光素子およびこれ
らの集積装置についても応用が可能である。
【0090】さらに、本発明は半導体レーザ以外に端面
発光型などの発光ダイオード(LED)としても応用可
能である。
【0091】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試
薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り
適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲
は以下に示す具体例に制限されるものではない。 (実施例1)本実施例において、図8に示す順に各層を
形成することにより半導体光デバイス装置を製造した。
なお図8(a)〜図8(f)には、構造を把握しやすく
するために敢えて寸法を変えている部分があるが、実際
の寸法は以下の文中に記載されるとおりである。
【0092】不純物拡散にて電流ブロック領域を形成す
るために、まず、厚さ350μmで表面が(100)面
であるn型GaAs(n=1×1018cm-3)基板10
1の表面に、厚さ100nmのSiNx保護膜をプラズ
マCVDにより堆積させ、フォトリソグラフィーおよび
エッチングにより[01−1]B方向に矩形状のSiN
x保護膜106を形成した(図8(a))。なお、[0
1−1]B方向は、一般的なIII−V族化合物半導体
において、(100)面と(01−1)面の間に存在す
る(11−1)面が、V族元素が現れる面である様に定
義する。このとき、SiNx保護膜のエッチングには緩
衝フッ酸液などのウェットエッチングもしくはSF6
CF4などのガスを用いたドライエッチングを使用し
た。矩形状のSiNx保護膜の長さは760μm、横幅
は20μmとし、矩形状の保護膜の横方向スペース間隔
は480μm、縦方向のスペース間隔は40μmとし
た。
【0093】このストライプ状のSiNx保護膜106
の周囲にMOCVD法を用いた選択成長により、厚さ
0.5μmの高濃度p型Al0.7Ga0.3As(Znドー
プ:p=1×1020cm-3)不純物拡散層107、厚さ
0.1μmのアンドープGaAsキャップ層108を5
80℃で形成した。
【0094】この後、MOCVD装置内でアニール(7
15℃、1時間)を施すことにより、n型GaAs基板
101の表面から約0.7μmの深さまで、不純物(Z
n)拡散を行い、p型電流ブロック領域(1×1019
-3程度)を形成した(図8(b))。この不純物拡散
のためのアニール工程は、不純物拡散層107とキャッ
プ層108の選択成長工程と同じMOCVD装置内で連
続して行った。このため、製造プロセスは簡略化されて
おり、Znからなる不純物の分布も再現性が高かった。
アニール工程によって、不純物は図8(b)中で斜線を
付した領域に拡散した。このとき、図8(b)のIII
−III断面では、SiNx保護膜106の下を除く領
域に不純物が拡散した(図8(c))。
【0095】次に、アンドープGaAsキャップ層10
8、高濃度p型GaAs不純物拡散層107をエッチン
グにより除去した。このとき、燐酸/過酸化水素系のエ
ッチング液でアンドープGaAsキャップ層108及び
高濃度p型Al0.7Ga0.3As不純物拡散層107の途
中まで除去し、フッ酸系のエッチング液により高濃度p
型Al0.7Ga0.3As不純物拡散層107の残りを除去
し、n型GaAs基板101の表面でエッチング停止さ
せた。このあと、矩形状のSiNx保護膜106を緩衝
フッ酸液などのウェットエッチングもしくはSF6、C
4などのガスを用いたドライエッチングを用いて除去
した。
【0096】次に、矩形状のSiNx保護膜106を除
去したn型GaAs(n=1×10 18cm-3)基板10
1上に、MOCVD法により、厚さ2.0μmのn型A
0. 35Ga0.65As(Siドープ:n=1×1018cm
-3)からなるn型クラッド層102、二重量子井戸(D
QW)活性層103、厚さ0.25μmのp型Al0. 35
Ga0.65As(Beドープ:p=1×1018cm-3)か
らなるp型第1クラッド層104、厚さ10nmのp型
GaAs(Beドープ:p=1×1018cm-3)酸化防
止層(エッチング阻止層)105を順次積層した。二重
量子井戸(DQW)活性層103は、厚さ30nmのG
aAs光閉じ込め層(ノンドープ)、厚さ6nmのIn
0.2Ga0.8As井戸層(ノンドープ)、厚さ8nmのG
aAsバリア層(ノンドープ)、厚さ6nmのIn0.2
Ga0.8As井戸層(ノンドープ)及び厚さ30nmの
GaAs光閉じ込め層(ノンドープ)を順次積層した構
造を有する。
【0097】このあと、このダブルヘテロ基板の表面に
厚さ100nmのSiNx保護膜109をプラズマCV
Dにより堆積させ、フォトリソグラフィーにより[01
−1]B方向を長手方向とし、ストライプ状の開口部1
10(p型GaAs酸化防止層105が露出)を有する
SiNx膜を形成した(図8(d))。ストライプ状の
開口部の幅は2.5μmとし、ストライプ状開口部左右
のSiNx膜の幅はいずれも20μmとし、ストライプ
状の開口部の横方向スペース間隔は約500μmとし
た。
【0098】この後、MOCVD法により厚さ1.8μ
mのp型Al0.4Ga0.6As(Znドープ:p=1×1
18cm-3)からなるp型第2クラッド層111及び厚
さ0.5μmのp型GaAs(Znドープ:p=2×1
19cm-3)からなるコンタクト層112を成長させた
(図8(e))。上記のMOCVD法において、III
族原料にはトリメチルガリウム(TMG)、トリメチル
アルミニウム(TMA)及びトリメチルインジウム(T
MI)を、V族原料にはアルシン及びホスフィンを、キ
ャリアガスには水素を用いた。また、p型ドーパントに
はジメチル亜鉛、n型ドーパントにはジシランを用い
た。また、リッジの成長時にはHClガスをHCl/I
II族のモル比が0.2、特にHCl/TMAのモル比
が0.3となる様に導入した。
【0099】この後、p側の電極113を蒸着し、基板
を100μmまで薄くした後に、n側電極114を蒸着
し、アロイした(図8(f))。こうして作製したウエ
ハーにおいて、40μm幅の電流ブロック領域のほぼ中
央で劈開して、レーザ光出射端面を形成(1次劈開)す
るようにチップバーに切り出し、端面非注入構造レーザ
を作製した。このときの共振器長は800μmとした。
前端面5%−後端面95%の非対称コーティングを施し
た後、2次劈開によりチップに分離した。チップをジャ
ンクションダウンで組立した後、25℃で連続通電(C
W)にて電流−光出力、電流−電圧特性を測定した。
【0100】このようにして作製した窓構造レーザ素子
の電流−光出力特性を調べたところ、動作電流の増加と
ともに光出力が増加し、約450mWまでキンクフリー
でかつ約500mWまでCODせずに光出力が得られ
た。しかし、それ以上に動作電流を増加させても光出力
は増加せず、素子自体の発熱による熱飽和によって光出
力が制限された。発振波長は平均970nm、しきい値
電流は平均20mA、スロープ効率は平均0.83mW
/mAであり、特性は非常に良好であった。また、25
0mW出力時における垂直広がり角は平均29°、水平
拡がり角は平均8.5°であった。このとき、非点隔差
は2μm以下と非常に小さくすることができ、光ファイ
バーとの光結合特性に優れた光源となることが判明し
た。さらに、高い信頼性(70℃、200mWの高温、
高出力における3000時間以上の安定動作)が得られ
ることが判明した。また、電流注入のための開口部をエ
ッチング阻止層(酸化防止層)105により形成してい
るため、素子構造の均一性を高めることができ、上記の
半導体レーザ素子を高歩留まりで作製することができ
た。
【0101】(実施例2)本実施例において、図9に示
す順に各層を形成することにより半導体光デバイス装置
を製造した。なお図9(a)〜図9(e)には、構造を
把握しやすくするために敢えて寸法を変えている部分が
あるが、実際の寸法は以下の文中に記載されるとおりで
ある。不純物拡散のために基板上に形成した矩形状のS
iNx保護膜の縦方向の長さを750μmにし、縦方向
のスペース間隔を50μmとしたこと以外は、実施例1
と同じ手順でダブルヘテロ成長を行った。この後、端面
窓構造を作製するために、以下の手順で端部近傍に不純
物を拡散し、量子井戸層を混晶化させた。すなわち、ダ
ブルヘテロ基板の表面に厚さ100nmのSiNx保護
膜206をプラズマCVDにより堆積させ、フォトリソ
グラフィーおよびエッチングにより[011]A方向に
ストライプ状の開口部を有するSiNx保護膜206を
形成した(図9(b))。このとき、SiNx保護膜の
エッチングには緩衝フッ酸液などのウェットエッチング
もしくはSF6、CF4などのガスを用いたドライエッチ
ングを使用した。ストライプ状の開口部幅は40μm、
この開口部のSiNx膜によるスペース間隔は760μ
mとした。
【0102】このストライプ状開口部にMOCVD法を
用いた選択成長により、厚さ0.5μmの高濃度p型A
0.7Ga0.3As(Znドープ:p=1×1020
-3)不純物拡散層207、厚さ0.1μmのアンドー
プGaAsキャップ層208を580℃で形成した。
【0103】この後、同じMOCVD装置内でアニール
(700℃、1時間)を施すことにより、p型GaAs
表面保護層の表面から0.4μmの深さまで、不純物
(Zn)拡散を行った(図9(b))。このアニール工
程は、不純物拡散層207とキャップ層208の選択成
長工程と同じMOCVD装置内で連続して行った。この
ため、製造プロセスは簡略化されており、Znからなる
不純物の分布も再現性が高かった。アニール工程によっ
て、不純物は図9(b)中で斜線を付した領域に拡散
し、開口部直下では素子端面の拡散フロント位置はn型
クラッド層202の内部に達した。このとき、深さ方向
の組成プロファイルをArスパッタしながらオージェ電
子分光法にて分析したところ、二重量子井戸(DQW)
活性層203において混晶化が起こっていることが判明
した。これは、高濃度(〜1x1019cm-3)のZnの
拡散により、In0.2Ga0.8As井戸層とGaAsバリ
ア層およびガイド層において、相互拡散(インターミキ
シング)が生じたからである。また、フォトルミネッセ
ンス(PL)法において活性層からの発光波長を測定し
たところ、Zn拡散(すなわち混晶化)した領域におい
てPLピーク波長が40nm短波長化(970nmから
930nmに変化)していることが確認された。すなわ
ち、バンドギャップが拡大(55meV)していること
が判明したことから、レーザ光出射端面部において窓構
造が形成されていることが確認できた。
【0104】次に、アンドープGaAsキャップ層20
8および高濃度p型GaAs不純物拡散層207をエッ
チングにより除去した。このとき、リン酸/過酸化水素
系のエッチング液でアンドープGaAsキャップ層20
8および高濃度p型Al0.7Ga0.3As不純物拡散層2
07の途中まで除去し、フッ酸系のエッチング液により
高濃度p型Al0.7Ga0.3As不純物拡散層207の残
りを除去し、p型GaAs表面保護層205の表面でエ
ッチング停止させた。この後、矩形状のSiNx保護膜
206を緩衝フッ酸液などのウェットエッチングもしく
はSF6、CF4などのガスを用いたドライエッチングを
用いて除去した。
【0105】このあと、このダブルヘテロ基板の表面に
厚さ100nmのSiNx保護膜209をプラズマCV
Dにより堆積させ、フォトリソグラフィーにより[01
−1]B方向を長手方向とし、ストライプ状の開口部2
10(p型GaAs酸化防止層205が露出)を有する
SiNx膜を形成した(図9(c))。ストライプ状の
開口部の幅は2.5μmとし、ストライプ状開口部左右
のSiNx膜の幅はいずれも20μmとし、ストライプ
状の開口部の横方向スペース間隔は約500μmとし
た。
【0106】この後、実施例1と同じ手順でp型第2ク
ラッド層211およびp型GaAsコンタクト層212
を成長させ(図9(d))、さらにp側電極213とn
側電極214を形成した(図9(e))。こうして作製
したウエハにおいて、40μm幅の不純物拡散領域のほ
ぼ中央で劈開して、共振器長は800μmのレーザ光出
射端面を形成(1次劈開)するようにチップバーに切り
出し、端面窓構造レーザを作製した。前端面5%−後端
面95%の非対称コーティングを施した後、2次劈開に
よりチップに分離し、チップをジャンクションダウンで
組み立てた。25℃で連続通電(CW)にて電流−光出
力、電流−電圧特性は、実施例1と同様に優れていた。
さらに、端面窓構造および端面非注入の効果により、非
常に高い信頼性(70℃、300nWの高温、高出力に
おける3000時間以上の安定動作)が得られることが
判明した。
【0107】(実施例3)本実施例において、図10に
示す順に各層を形成することにより半導体光デバイス装
置を製造した。なお図10(a)〜図10(e)には、
構造を把握しやすくするために敢えて寸法を変えている
部分があるが、実際の寸法は以下の文中に記載されると
おりである。
【0108】電流ブロック領域を形成するために、ま
ず、(100)面から[0−1−1]A方向に10°オ
フさせた厚さ350μmのGaAs基板301表面上
に、厚さ100nmのSiNx保護膜307をプラズマ
CVDにより堆積させ、フォトリソグラフィーおよびエ
ッチングにより[01−1]方向にストライプ状のSi
Nx膜307を形成した(図10(a))。このとき、
SiNx保護膜307のエッチングには緩衝フッ酸液な
どのウェットエッチングもしくはSF6、CF4などのガ
スを用いたドライエッチングを使用した。ストライプ状
のSiNx保護膜の横幅は20μmとし、ストライプ状
の保護膜の横方向スペース間隔は280μmとした。
【0109】この矩形状のSiNx保護膜307の周囲
にMOCVD法を用いた選択成長により、厚さ1μmの
高濃度p型GaAs(Znドープ:p=1×1019cm
-3)電流ブロック層308を650℃で形成した。この
あと、ストライプ状のSiNx保護膜307を緩衝フッ
酸液などのウェットエッチングもしくはSF6、CF4
どのガスを用いたドライエッチングを用いて除去した。
【0110】次に、電流ブロック層308を形成したG
aAs基板301の上に、MOCVD法により厚さ0.
2μmのSiドープn型GaAsバッファ層(n=1x
10 18cm-3)(図示せず)、厚さ1.5μmのSiド
ープn型Al0.75Ga0.25As第1クラッド層(n=1
x1018cm-3)302、厚さ0.25μmのSiドー
プn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5P第2クラッド層
(n=1x1018cm -3)303、厚さ50nmのノン
ドープ(Al0.5Ga0.50.5In0.5P光ガイド層ある
いは厚さ5nmのノンドープ(Al0.5Ga0.50.5
0.5Pバリア層に挟まれた厚さ5〜6nmのノンドー
プGa0.44In0.56P井戸層(3層)からなる三重量子
井戸(TQW)活性層304、厚さ0.3μmのZnド
ープp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5P第1クラッド
層(p=7x1017cm-3)305、厚さ5nmのZn
ドープp型Ga0.5In0.5P酸化防止層(p=1x10
18cm-3)306を順次積層することにより、ダブルへ
テロ構造を形成した。
【0111】このとき、酸化防止層306は活性層で再
結合した光を吸収しないように組成を選択する方がしき
い値電流を低減する上では好ましいが、セルフパルセー
ションさせるために意図的に光を吸収させて過飽和吸収
層として利用することも可能である。なお、光を吸収さ
せないようにするために、上記GaXIn1-XP酸化防止
層306の組成をGaリッチ側(X=0.5〜1)に変
えたり、Alを若干量加える((AlXGa1-X0.5
0.5P、X=0.1〜0.2程度)ことがさらに有効
である。
【0112】次にこのダブルへテロ基板の表面に絶縁性
のSiNx保護膜(屈折率1.9、波長650nm近
傍)309を200nm堆積させ、フォトリソグラフィ
法によりこのSiNx保護膜309にオフアングルの方
向と直交する[01−1]B方向に幅3.5μmのスト
ライプ状の開口部310を開けた。ストライプ状開口部
左右のSiNx保護膜の幅はいずれも20μmとし、ス
トライプ状開口部の横方向のスペース間隔は約300μ
mとした(図10(c))。
【0113】このストライプ状の開口部310に、MO
CVD法を用いた選択成長により、リッジ中央での高さ
2.0μmのZnドープp型Al0.77Ga0.23Asクラ
ッド層(p=1.5x1018cm-3;屈折率3.3、波
長655nm)311と厚さ0.5μmのZnドープG
aAsコンタクト層312からなるリッジを形成した。
また、同時に保護膜の外側のリッジダミー領域にも、Z
nドープp型Al0.77Ga0.23Asクラッド層(p=
1.5x1018cm-3;屈折率3.3、波長655n
m)311とZnドープGaAsコンタクト層312を
成長させた(図10(d))。このとき、リッジの側面
の大部分が(311)A面もしくはこれに近い面となる
ことが多く、再成長部のクラッド層を絶縁体からなる保
護膜の上面にかかるように成長し、再成長部のクラッド
層上の成長可能な面の実質的全面にコンタクト層312
を成長させた。SEM観察によって、リッジ状のp型第
2クラッド層311は、SiNx保護膜309上に約
0.4μm重なって形成されていることが確認された。
また、すべてのストライプ幅において、p−GaAsコ
ンタクト層はリッジ側壁全面を覆っていた。このような
構造を形成したことにより、保護膜309とリッジの近
傍にしみ出す光の分布の制御性を良くし、クラッド層側
面が露出することによる表面酸化を抑制し、エピタキシ
ャル面側の電極との接触面積を増加し、電極とのコンタ
クト抵抗を低減することができた。この傾向は再成長リ
ッジ部がAlGaAs、特にAlAs混晶比(Al組
成)0.2〜0.9、好ましくは0.3〜0.8の時に
顕著である。
【0114】なお、リッジ成長後に、従来法のようにリ
ッジ側壁の一部或いは全面をSiNx保護膜で覆っても
特に問題はないが、本実施例においては、プロセスの簡
素化、コンタクト抵抗の低減等を考慮してリッジ側面に
誘電体等からなる保護膜は形成しなかった。基板のオフ
角度の影響により、リッジ形状が若干左右非対称となっ
た(図示せず)。
【0115】上記のMOCVD法において、III族原
料にはトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアル
ミニウム(TMA)及びトリメチルインジウム(TM
I)を、V族原料にはアルシン及びホスフィンを、キャ
リアガスには水素を用いた。また、p型ドーパントには
ジメチル亜鉛、n型ドーパントにはジシランを用いた。
また、リッジの成長時にはHClガスをHCl/III
族のモル比が0.2、特にHCl/TMAのモル比が
0.3となる様に導入した。
【0116】この後、p側の電極313を蒸着し、基板
を100μmまで薄くした後に、n側電極314を蒸着
し、アロイした(図10(e))。こうして作製したウ
エハーより劈開して、レーザ光出射端面を形成(1次劈
開)するようにチップバーに切り出して、レーザ共振器
構造を形成した。このときの共振器長は500μmとし
た。前端面10%−後端面90%の非対称コーティング
を施した後、2次劈開によりチップに分離した。チップ
ジャンクションダウンで組立した後、25℃で連続通電
(CW)にて電流−光出力、電流−電圧特性を測定し
た。非常に良好な電流−電圧特性及び電流−出力特性を
示し、しきい値も1.9Vと活性層のバンドギャップに
対応する低い値で、高抵抗層が存在しないことが確認で
きた。また、直列抵抗が5〜6Ωと小さく、p型コンタ
クト層とp型電極の間の接触抵抗が小さいことが確認さ
れた。本実施例のレーザは、光出力200mW動作まで
の高出力を達成できており、発振波長が平均655n
m、しきい値電流が平均20mA、スロープ効率が平均
0.85mW/mAである等特性が非常に良好であり、
垂直広がり角は平均23°であり、設計通りの単一ピー
クの遠視野像(ビーム広がり角)が得られ、光分布の制
御が非常に良好であることが確認された。この結果よ
り、SiNx絶縁膜で横モードが基本的に制御されてい
ることから、再成長リッジ形状が若干非対称であること
によるキンクレベル等への悪影響は現れていないと考え
られる。なお、本願明細書において「単一ピーク」と
は、必ずしも1本のピークの存在しか許さない意味では
なく、最大ピークの1/10以上の強度を有する他のピ
ークが存在しないことを意味する。また、水平方向の拡
がり角においても、リップルやサイドピークのない良好
な単峰性のピークが得られた。これらの結果から、本発
明のレーザ構造において、DVD等の光ディスクの書き
込み用光源などに利用されることがわかる。また、高い
信頼性(60℃、50mWの高温、高出力における10
00時間以上安定動作)が得られることが判明した。さ
らに、開口部を選択成長により形成しているため、開口
幅の均一性を高めることができ、上記の半導体レーザ素
子を高歩留まりで作製することができ、諸特性のバッチ
内及びバッチ間のばらつきも小さいことが判明した。
【0117】また、本実施例よりもストライプ状開口部
の幅を広くした半導体レーザ素子を製造したところ、幅
が5μm以上になると、ほとんどの素子が単一横モード
(単一ピークの横方向光強度分布)で発振しなくなって
しまうこともわかった。このことから、単一横モード発
振を実現させるためには、ストライプ状開口部の幅が5
μm以下であることが望ましいことが判明した。さら
に、実験結果から高出力動作ができる領域をシミュレー
ションにて確認した結果、活性層内部での横方向有効屈
折率段差は5x10-3〜1.3x10-2程度に設定する
必要があることが判った。
【0118】本実施例では、n側クラッド層が、厚さ
1.5μmのSiドープAl0.75Ga 0.25As第1クラ
ッド層(n=1x1018cm-3)302と、厚さ0.2
5μmのSiドープn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5
P第2クラッド層(n=1x1018cm-3)303との
2層構造になっているが、いずれかの組成からなる1層
構造にしてもよい。このとき、1層のn側クラッド層の
厚みはほぼ2層分の厚みと同程度にすることができる。
また、GaAs基板に完全に格子整合させるために、A
lGaAs層に少量のPを加えて、AlGaAsP層と
してもよく、例えば、Znドープp型Al0.75Ga0.25
Asクラッド層(p=1.5x1018cm -3)は、Al
0.75Ga0.25As0.970.03とすることもできる。これ
らの改変は、当業者に自明な範囲内で適宜行うことが可
能である。
【0119】(比較例)本比較例のレーザ素子は、電流
ブロック領域を形成せずに、実施例1と同じ工程によっ
て作製した。ただし、電流ブロックを行うために、p型
コンタクト層112の上にSiNx絶縁膜120を20
0nm堆積させ、フォトリソグラフィー法によりリッジ
ストライプ上のSiNx絶縁膜に[0−1−1]A方向
に幅10μmのストライプ状の窓121を開けた。これ
以外は全く実施例1と同じにしてレーザ素子を作製した
(図11)。劈開、組立を行った結果、p側表面にSi
Nx膜、電極が形成されるために劈開性が悪くなった
り、電極、SiNx膜が剥がれるなどの問題が起こっ
た。近視野像を確認した所、リッジダミー領域での電流
もれにより活性層全体が光デバイスしている様子が確認
されSiNx絶縁膜により十分に電流が狭窄されないレ
ーザーが多数認められた。また、ジャンクション・ダウ
ンで組み立てた場合は、電流漏れを生じ、電流−電圧特
性のとれないものが多数発生し、十分なレーザー特性が
得られず、また、歩留まりが低下した。
【0120】
【発明の効果】本発明の半導体光デバイス装置は、活性
層の下側(例えば基板内部)に電流ブロック領域あるい
は活性層の下側(例えば基板上)に電流ブロック層が形
成されているため、保護膜の存在を最小限にし、劈開、
組立等の歩留まりを向上し、また、ジャンクション・ダ
ウンで組み立てた場合に十分なLD特性が得られ、さら
に、非可逆的光損傷(COD)レベルを高めたり、素子
の信頼性を向上させることができる。
【0121】活性層の下側でかつ光導波路の両側の側面
に電流ブロック領域あるいは電流ブロック層を形成する
ことにより、劈開におけるチップ側面での電極の垂れ下
がりやジャンクション・ダウンで組み立てる時の半田材
の回り込み等による光導波路端面あるいは側面での電流
リークの発生を防止することが可能となる。このときさ
らに、電流ブロック領域あるいは電流ブロック層により
挟まれた電流狭窄領域を開口部直下近傍のみに形成する
ことにより、リッジダミー領域上に保護膜を介さずに直
接電極を形成しても素子内部での電流リークをも防止す
ることができ、プロセスの簡素化が実現でき、放熱性の
向上による素子特性及び信頼性の向上を図ることが可能
となる。また、活性層の下側(例えば基板上)でかつリ
ッジダミー領域の下側の少なくとも一部に電流ブロック
層を形成することにより、リッジ部分がリッジダミー領
域の少なくとも一部に比べて低くすることができ、ジャ
ンクション・ダウン組立時におけるストレスを低減する
ことが可能となる。
【0122】活性層の下側に電流ブロック領域あるいは
電流ブロック層が形成されている場合、端面近傍にも電
流ブロック領域を形成することができる。この端部電流
非注入構造により、端面での電流再結合を低減すること
が可能となり、非可逆的光損傷(COD)レベルを高め
たり、素子の信頼性を向上させることができる。このと
き、電流ブロック層が端面近傍に形成されていて、端面
近傍で光導波路に段差がある場合、端面近傍では光が活
性層からクラッド層などのよりバンドギャップの大きい
層に漏れだして、実質的に端面が光に対して透明、すな
わち端面窓構造とすることも可能となる。一方、活性層
の下側(例えば基板内部)に電流ブロック領域を平坦に
埋め込む場合には、光導波路に段差が生じることなく、
端面近傍にも電流ブロック領域を形成することができ、
端部での光の導波損失の発生を防止できる。このため、
本発明は、半導体レーザなどをはじめとして広範な分野
に応用されうるものであり、特に情報処理あるいは光通
信システムに用いる光源に適している。
【0123】本発明の素子構造では、絶縁体からなる保
護膜を用いて、電流が注入されるストライプ領域にリッ
ジを選択成長により形成し、リッジ側面には絶縁体から
なる保護膜を形成しない構造としているので、ストライ
プ幅を直線的に増加、減少できている。また、リッジ部
分が横方向に成長していてストライプ漸減部分のリッジ
のうねりの影響を受けにくくなっていることから、水平
方向の遠視野像において、リップルやサイドピークのな
い良好な単峰性のピークが容易に得られる。また、成長
により形成したリッジ部分の頂部及び側面部を含む実質
的全面にコンタクト層を形成し、コンタクト層と電極と
の接触面積を増大させることにより、接触抵抗が下がる
とともに、リッジ側壁のクラッド層(特にAlを含んで
いる場合)の表面酸化も防止され、レーザ特性や信頼性
が向上する。
【0124】さらに、AlGaInP/GaInP系可
視レーザのように、短波長化のために低次の面方位
((100)等)に対してオフ角度の大きい基板を用い
た場合にも、上記リッジ導波型レーザにおけるリッジ形
状の左右非対称性が、光強度分布の左右非対称性に影響
をほとんど受けることなく、安定な基本横モードが高出
力動作まで得ることができる。
【0125】また、本発明では、開口部を選択成長によ
り形成しうるため、開口幅の均一性を高めることがで
き、上記の半導体レーザ素子を高歩留まりで作製するこ
とができる。特に、構造設計マージンの小さいレーザの
作製においては、本発明のレーザの作製方法は有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電流ブロック領域を有する本発明の半導体光
デバイス装置の具体的態様を示す図である。
【図2】 電流ブロック層を有する本発明の半導体光デ
バイス装置の具体的態様を示す図である。
【図3】 従来型のリッジ導波路型ストライプ構造半導
体レーザの構造及びその作成方法を示す図である。
【図4】 半導体光デバイス装置をジャンクションダウ
ン型に組み立てた様子を示した図である。
【図5】 本発明の半導体光デバイス装置の好ましい寸
法を示すための断面図である。
【図6】 本発明の半導体光デバイス装置の好ましい寸
法を示すための断面図である。
【図7】 本発明の半導体光デバイス装置の一実施例の
上面図である。
【図8】 本発明の半導体光デバイス装置の製造工程の
一例を説明する工程図である(実施例1)。
【図9】 本発明の半導体光デバイス装置の製造工程の
他の一例を説明する工程図である(実施例2)。
【図10】 本発明の半導体光デバイス装置の製造工程
のさらに他の一例を説明する工程図である(実施例
3)。
【図11】 比較例の半導体光デバイス装置を示す図で
ある。
【図12】 実施例1の半導体光デバイス装置と比較例
の半導体光デバイス装置の動作電流と光出力の関係図で
ある。
【符号の説明】
11: 基板 12: 電流ブロック領域 13: 電流ブロック層 14: 第1導電型クラッド層 15: 活性層 16: 第2導電型第1クラッド層 17: 酸化防止層 18: 保護層 19: 開口部 20、20a: 第2導電型第2クラッド層 21、21a: コンタクト層 22: 電極 23: 電極 24: 光閉じ込め層 25: 量子井戸層 26: バリア層 27: 量子井戸層 28: バリア層 29: 量子井戸層 30: 光閉じ込め層 34: ハンダ剤 35: ヒートシンク 36: ボンディングしたワイヤ 41: 基板 42: 第1導電型クラッド層 43: 活性層 44: 第2導電型クラッド層 45: 第2導電型コンタクト層 46: 絶縁層 47: 電極 48: 電極 51: 基板 52: 第1導電型クラッド層 53: 活性層 54: 第2導電型第1クラッド層 55: 保護膜 56: 第2導電型第2クラッド層 57: 第2導電型コンタクト層 58: 絶縁層 59: 電極 60: 電極 101: 基板 102: n型クラッド層 103: 活性層 104: p型第1クラッド層 105: 酸化防止層(エッチング阻止層) 106: SiNx保護膜 107: 不純物拡散層 108: キャップ層 109: SiNx保護膜 110: ストライプ状の開口部 111: p型第2クラッド層 112: コンタクト層 113: p側電極 114: n側電極 120: SiNx保護膜 121: ストライプ状の開口部 201: 基板 202: n型クラッド層 203: 活性層 204: p型第1クラッド層 205: 酸化防止層(エッチング阻止層) 206: SiNx保護膜 207: 不純物拡散層 208: キャップ層 209: SiNx保護膜 210: ストライプ状の開口部 211: p型第2クラッド層 212: コンタクト層 213: p側電極 214: n側電極 301: 基板 302: n型第1クラッド層 303: n型第2クラッド層 304: 活性層 305: p型第1クラッド層 306: 酸化防止層(エッチング阻止層) 307: SiNx保護膜 308: 電流ブロック層 309: SiNx保護膜 310: ストライプ状の開口部 311: p型第2クラッド層 312: コンタクト層 313: p側電極 314: n側電極 W1: 端部幅 W2: 中央部幅
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月14日(2000.1.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図12
【補正方法】削除

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された活性層を含む化合物
    半導体層、該化合物半導体層上に形成された開口部を有
    する保護膜、該開口部に形成されたリッジ型の化合物半
    導体層を有する半導体光デバイス装置において、活性層
    の下側に電流ブロック領域または電流ブロック層が形成
    されていることを特徴とする半導体光デバイス装置。
  2. 【請求項2】 前記の活性層を含む化合物半導体層が、
    活性層の上下にそれぞれ活性層より屈折率の小さい層を
    含む請求項1の半導体光デバイス装置。
  3. 【請求項3】 前記活性層の屈折率が前記開口部を有す
    る保護膜の屈折率よりも小さい請求項1または2の半導
    体光デバイス装置。
  4. 【請求項4】 前記活性層の上下の活性層より屈折率の
    小さい層のうち、基板側の層が第1導電型クラッド層で
    あり、他方の層が第2導電型第1クラッド層である請求
    項2または3の半導体光デバイス装置。
  5. 【請求項5】 前記のリッジ型の化合物半導体層が、活
    性層より屈折率の小さい層を含む請求項1〜4のいずれ
    かの半導体光デバイス装置。
  6. 【請求項6】 前記の活性層より屈折率の小さい層が、
    第2導電型第2クラッド層である請求項5の半導体光デ
    バイス装置。
  7. 【請求項7】 前記電流ブロック領域あるいは電流ブロ
    ック層が、少なくとも基板または活性層の下にある化合
    物半導体層の側面近傍に形成されている請求項1〜6の
    いずれかの半導体光デバイス装置。
  8. 【請求項8】 前記の電流ブロック領域あるいは電流ブ
    ロック層により挟まれた電流狭窄領域を前記開口部直下
    近傍のみに形成する請求項1〜7のいずれかの半導体光
    デバイス装置。
  9. 【請求項9】 前記の電流ブロック領域あるいは電流ブ
    ロック層が、第2導電型または高抵抗である請求項1〜
    8のいずれかの半導体光デバイス装置。
  10. 【請求項10】 前記電流ブロック領域が、基板および
    あるいは活性層の下にある化合物半導体層の内部に選択
    的に形成されている請求項1〜9のいずれかの半導体光
    デバイス装置。
  11. 【請求項11】 前記の電流ブロック領域あるいは電流
    ブロック層が、端面近傍に形成されている請求項1〜1
    0のいずれかの半導体光デバイス装置。
  12. 【請求項12】 前記電流ブロック領域が、光導波路に
    段差が生じることなく、端面近傍に形成されている請求
    項11の半導体光デバイス装置。
  13. 【請求項13】 前記電流ブロック層が、基板および/
    または活性層の下にある化合物半導体層の上に選択的に
    形成されている請求項1〜12のいずれかの半導体光デ
    バイス装置。
  14. 【請求項14】 前記活性層と前記電流ブロック層との
    間に光ガイド層が形成されている請求項1〜13のいず
    れかの半導体光デバイス装置。
  15. 【請求項15】 前記電流ブロック層が、半導体層であ
    る請求項1〜14のいずれかの半導体光デバイス装置。
  16. 【請求項16】 前記電流ブロック層が、絶縁体膜であ
    る請求項1〜14のいずれかの半導体光デバイス装置。
  17. 【請求項17】 前記開口部から活性層に電流が注入さ
    れる請求項1〜16のいずれかの半導体光デバイス装
    置。
  18. 【請求項18】 前記ブロック層が形成されていない領
    域から活性層に電流が注入される請求項1〜17のいず
    れかの半導体光デバイス装置。
  19. 【請求項19】 光導波路の端部にレーザ光に対して透
    明な領域を形成している請求項1〜18のいずれかの半
    導体光デバイス装置。
  20. 【請求項20】 光導波路の両端部分において前記活性
    層のバンドギャップが光導波路中央の電流注入領域にお
    ける活性層のバンドギャップよりも大きくなっている請
    求項1〜19のいずれかの半導体光デバイス装置。
  21. 【請求項21】 前記リッジ型の化合物半導体層の側面
    の少なくとも一部が表面側電極と接している請求項1〜
    20のいずれかの半導体光デバイス装置。
  22. 【請求項22】 前記開口部の幅が、装置端面近傍で装
    置中央部より広くなっている請求項1〜21のいずれか
    の半導体光デバイス装置。
  23. 【請求項23】 前記開口部の幅が、装置端面近傍で装
    置中央部より狭くなっている請求項1〜21のいずれか
    の半導体光デバイス装置。
  24. 【請求項24】 前記開口部が両端部まで伸長している
    ストライプ状の開口部である請求項1〜23のいずれか
    の半導体光デバイス装置。
  25. 【請求項25】 前記開口部が一方の端部まで伸長して
    いるが他方の端部までは伸長していない開口部である請
    求項1〜23のいずれかの半導体光デバイス装置。
  26. 【請求項26】 前記開口部が両端部まで伸長していな
    い開口部である請求項1〜23のいずれかの半導体光デ
    バイス装置。
  27. 【請求項27】 前記活性層が少なくともGaAs、A
    lGaAs、InGaAs、AlGaInAs、GaI
    nP、AlGaInP、GaInAsP、AlGaIn
    AsP、GaNあるいはInGaNからなる請求項1〜
    26のいずれかの半導体光デバイス装置。
  28. 【請求項28】 前記基板の表面が低次の面方位に対し
    てオフアングルを有することを特徴とする請求項1〜2
    7のいずれかに記載の半導体光デバイス装置。
  29. 【請求項29】 前記保護膜の外側にリッジダミー領域
    を有する請求項1〜28のいずれかの半導体光デバイス
    装置。
  30. 【請求項30】 前記リッジダミー領域にリッジダミー
    層が形成されている請求項29の半導体光デバイス装
    置。
  31. 【請求項31】 前記リッジダミー領域の下側の少なく
    とも一部に電流ブロック層が形成されている請求項29
    または30の半導体光デバイス装置。
  32. 【請求項32】 前記リッジダミー層の少なくとも一部
    が前記表面側電極と接している請求項29〜31のいず
    れかの半導体光デバイス装置。
  33. 【請求項33】 レーザチップがジャンクション・ダウ
    ンにて組み立てられている請求項1〜32のいずれかの
    半導体光デバイス装置。
  34. 【請求項34】 基板内部もしくは基板上側に電流ブロ
    ック領域あるいは電流ブロック層を形成する工程、活性
    層を含む化合物半導体層及び保護膜をこの順に形成する
    工程、該保護膜に開口部を形成する工程、該開口部にリ
    ッジ型の化合物半導体層を選択成長する工程を含むこと
    を特徴とする半導体光デバイス装置の製造方法。
  35. 【請求項35】 前記電流ブロック領域を不純物拡散あ
    るいは不純物注入により形成する請求項34の半導体光
    デバイス装置の製造方法。
  36. 【請求項36】 結晶成長装置内で不純物拡散層を形成
    し、引き続き該結晶成長装置内で熱処理を行うことによ
    り製造される請求項34または35の半導体光デバイス
    装置の製造方法。
  37. 【請求項37】 前記結晶成長装置が有機金属気相成長
    装置である請求項36の半導体光デバイス装置の製造方
    法。
  38. 【請求項38】 前記不純物拡散層が前記電流ブロック
    領域に対して選択エッチングにより除去する請求項36
    または37の半導体光デバイス装置の製造方法。
  39. 【請求項39】 前記電流ブロック層を選択成長により
    形成する請求項34〜38のいずれかの半導体光デバイ
    ス装置の製造方法。
  40. 【請求項40】 ハロゲン元素を含むガスを添加しなが
    ら有機金属気相成長法を行うことにより、前記開口部上
    にリッジ型の化合物半導体層を選択成長させて形成する
    請求項34〜39のいずれかの半導体光デバイス装置の
    製造方法。
  41. 【請求項41】 前記開口部の伸びる方向を、コンタク
    ト層がリッジ形状の実質的全面に形成される様に選択す
    る請求項34〜40のいずれかの半導体光デバイス装置
    の製造方法。
  42. 【請求項42】 前記基板の結晶成長面が(100)面
    又はそれと結晶学的に等価な面であり、前記保護膜の開
    口部の伸びる方向を[01−1]方向又はそれと結晶学
    的に等価な方向とする請求項34〜41のいずれかの半
    導体光デバイス装置の製造方法。
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