JP2001178367A - 多用途向け茶の製造方法 - Google Patents

多用途向け茶の製造方法

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JP2001178367A JP37375299A JP37375299A JP2001178367A JP 2001178367 A JP2001178367 A JP 2001178367A JP 37375299 A JP37375299 A JP 37375299A JP 37375299 A JP37375299 A JP 37375299A JP 2001178367 A JP2001178367 A JP 2001178367A
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Abstract

(57)【課題】 殺菌工程を製茶工程のなかに組み入れた多用
途向け茶の製造方法を提供する。 【解決手段】 蒸熱処理された茶葉の水分率が10〜3
0%におさまる中間原料Mとし、しかる後、該中間原料
が二軸タイプのスクリュー押出機1に供給され、該スク
リュー押出機1のスクリュー3は、送りの役割が大きい
ねじ形成部からなる送りパターン部31と、スクリュー
3に鍔を形成して噛み合わせてなる撹拌パターン部32
と、送りパターン部31のねじのピッチよりも密にした
粉砕パターン部33とからなり、中間原料Mは、送りパ
ターン部31で排出口29方向へ輸送され、撹拌パター
ン部32で滞留と撹拌が行われ、粉砕パターン部33で
該茶葉が細かく砕かれるようにし、さらにスクリュー押
出機1を通過する間に加熱シリンダ2の筒内壁部分21
の温度を100〜200℃として加熱処理を施した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、日本茶等の茶葉を
飲用以外の菓子等にブレンド使用するに好適な多用途向
け茶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】日本茶等の茶葉はお湯を注いで飲用に供
されるが、近年、これ以外に微粒粉砕した粉末茶を菓
子,アイスクリームなどにブレンドして使用されるケー
スが増えてきた。ここで、お湯を注いで飲用される場合
はお湯の熱で殺菌されるが、菓子等でそのまま常温に近
い状態で用いられる場合は何もしないと衛生的に難があ
り、殺菌処理が重要になっている。近年、お茶の健康ブ
ームに乗って、菓子,アイスクリーム等の様々な食品分
野に使用される茶葉(これをここでは多用途向け茶とい
う。)が増加しており、この用途の茶葉は生菌数を少な
くする必要に迫られている。除菌方法としては、これま
で、マイクロ波や蒸気を用いる方法等が知られている。
水分が4%程度の完成品の茶葉に、加圧した不飽和蒸気
或いは飽和蒸気を用いる殺菌法(特開平10−1086
21号公報等)、該完成品茶葉にマイクロ波を照射する
殺菌法等である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記殺菌法
は殺菌が困難な低水分の茶葉を対象としているため、製
品の変色,香りの変質を伴ない易く、強度の殺菌が困難
であった。また、完成した製品を再度処理するため、例
えば煎茶製法での粗揉工程→揉捻工程→中揉工程→精揉
工程→乾燥工程を経て完成品ができていた製茶工程とは
別の処理工程,処理設備を必要としていた。設備コスト
アップ,作業時間増に伴なう製品コストアップとなっ
た。また、多用途向け茶は最終的に粉砕した形で用いら
れることが多いので、ある程度粉砕処理された製品が要
求されるが、この要求に応えようとすると、さらに別の
処理工程,処理設備が必要になっていた。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するもので、
殺菌工程を製茶工程のなかに組み入れて工程を簡略化で
き、且つ多用途向け茶に適する粉末化された状態で製品
として取り出せ、さらにはある程度乾燥処理もなし得る
多用途向け茶の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明の要旨は、摘採した茶葉を蒸熱
し、次に、この蒸熱処理された茶葉を乾燥させて所定の
水分率の中間原料とし、しかる後、該中間原料がスクリ
ュー押出機に供給され、このスクリュー押出機を通過す
る間に中間原料に加熱処理が施されるようにしたことを
特徴とする多用途向け茶の製造方法にある。ここで、
「中間原料」には製品化された完成品も含む。請求項2
に係る発明の要旨は、摘採した茶葉を蒸熱し、次に、こ
の蒸熱処理された茶葉が少なくとも粗揉工程,揉捻工
程,中揉工程を経て茶葉の水分率が10〜30%の範囲
におさまる中間原料とし、しかる後、該中間原料がスク
リュー押出機に供給され、このスクリュー押出機を通過
する間に該押出機に係る加熱シリンダの筒内壁部分の温
度を100〜200℃として中間原料に加熱処理が施さ
れるようにしたことを特徴とする多用途向け茶の製造方
法にある。ここで、「筒内壁部分の温度を100〜20
0℃として」とは、筒内壁部分のの全てに亘って100
〜200℃の範囲とするのが好ましいが、過半数以上が
この範囲に入ればこれを満たしたものとする。
【0006】請求項1の発明のごとく、中間原料をスク
リュー押出機にかけると、スクリュー押出機のもつ混練
作用によって中間原料の粉砕,微粒化が進む。また、ス
クリュー押出機の加熱手段によりそのシリンダ,スクリ
ュー等を加熱させれば、加熱殺菌や排出口における脱気
乾燥を行うことができる。こうして、従来の煎茶製法の
精揉工程に代えて本スクリュー押出機による操作工程を
入れることにより、工程を簡略化できる。請求項2の発
明のごとく、水分率が10〜30%の範囲におさまる中
間原料を用いると、製品取り出し後の乾燥工程を速やか
に行うことができ、場合によっては省くことができる。
筒内壁部分の温度を100〜200℃とすると、製品の
変色や香りの変質を抑えることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る多用途向け茶
の製造方法の実施形態について詳述する。図1〜図3は
本発明の多用途向け茶の製造方法の一形態で、図1はこ
れに用いるスクリュー押出し機の説明断面概図、図2は
図1のスクリューの正面図、図3は図2でスクリューの
部分斜視図を示す。
【0008】本発明の多用途向け茶の製造方法は、例え
ば次のようにして行われる。まず、摘採した茶葉を蒸熱
し、次いで、この蒸熱処理された茶葉を乾燥させて所定
の水分率とした中間原料Mを生成する。該中間原料M
は、公知の煎茶製法における粗揉工程,揉捻工程,中揉
工程を経て造ったものである。摘採した茶葉を蒸熱工程
で100℃前後の蒸気により加熱し蒸熱処理を終えた
後、空気による冷却工程にて冷却及び茶葉表面の水分を
除去する。そして、次の粗揉工程で揉みと熱風により水
分率を50%程度まで乾燥する。該水分率とは茶葉(中
間原料Mや多用途茶も同様)の水分を含めた全体重量に
対する水分の重量%をいう。続いて、揉捻工程で揉み、
その後、中揉工程で揉みと熱風により、水分率をさらに
低くしたものを造り、これを本発明の中間原料Mとす
る。中揉工程を少なくとも終え、水分率を10〜30%
の範囲におさめた中間原料Mとすると、乾燥工程(後
述)が不要、または速やかに行われるのでより好ましく
なる。必要に応じ、煎茶製法の中揉工程後に精揉工程を
加えて水分率を20%未満(通常、12〜13%程度)
にしたものを中間原料Mとしてもよい。これだと、本発
明のスクリュー押出機1を通過させた後に乾燥工程を入
れなくても確実に済ませることができるのでさらに好ま
しくなる。
【0009】ここで、煎茶製法では、既述の蒸熱工程,
冷却工程,粗揉工程,揉捻工程,中揉工程を終えた中間
原料Mに、適宜精揉工程にて揉みと金属板上での加熱に
より水分を12%程度に乾燥し、その後、乾燥工程で熱
風により水分を4%程度に乾燥させ、針状または破片状
の完成品を製造することになるが、工程中の茶葉の生菌
数を少なくするのは難しい状況にある。蒸熱工程で強度
の殺菌を受け300個/g程度に減少するものの、冷却
及び粗揉工程工程で増加し、揉捻及び中揉,精揉工程で
ほぼ一定で、乾燥工程でやや減少する増減パターンを一
般的に示す。冷却工程から精揉工程までの茶葉温度は室
温から40℃の範囲にあり、また乾燥工程では70℃程
度になっている。乾燥工程では殺菌効果をもつが、その
能力は精揉または中揉工程後の茶葉の生菌数を1/10
〜1/100程度に減少させるにとどまる。従って、煎
茶製法の完成品における生菌数を常に少なく管理するに
は、乾燥前の生菌数を常に少なく管理する必要があり、
従来の煎茶製法では難しかった。
【0010】また、抹茶の粉砕前原料を製造するてん茶
製法では、摘採した茶葉は蒸熱工程で加熱され、冷却散
茶工程でベルトコンベア上に薄く広げられ、てん茶機の
中に送られた茶葉は150〜180℃の高温熱風による
乾燥に引き続き徐々に温度を下げててん茶機から排出さ
れ、茎と葉部の分離工程後、煎茶製法と同様の乾燥工程
により破片状の完成品が製造される。てん茶製法による
生菌数は、てん茶機による工程で強い加熱殺菌を受け、
且つてん茶機から排出された茶葉は完成品に近い水分率
まで減少しているので、完成品の生菌数は一般的に低く
抑えられている。しかし、煎茶製法に比し、工場施設面
積当たりの乾燥能率が著しく低く、同様の原料茶葉を処
理するには数倍の面積を有する施設が必要となる。さら
に、機械,施設が高額であり、製造コストが非常に高い
のが欠点となっている。
【0011】そこで、本発明では煎茶製法の乾燥能力の
高さを利用しつつ、煎茶工程の一部を置き換えて生菌数
を常に少なく管理し、また多用途向け茶に供し易くすべ
く粉砕処理、さらに乾燥処理を同時に行えるようにし
た。すなわち、前記中間原料Mをスクリュー押出機1
(Screw extruder)に通すのである。
【0012】前記中間原料Mを形成した後、これをスク
リュー押出機1に通す。より詳しくは、中間原料Mがス
クリュー押出機1に供給され、このスクリュー押出機1
を通過する間に該押出機に係る加熱シリンダ2の温度
(加熱シリンダ2の筒内壁部分21の温度である。)を
100〜200℃として中間原料Mに加熱処理が施され
るようにする。筒内壁部分21の温度を100〜200
℃の範囲とするのは、100℃未満になると、殺菌効果
が急激に落ち、一方、200℃を越えると、出来上った
製品Pに変色等の問題が発生するからである。スクリュ
ー押出機1を通過する間の加熱処理により生菌数が要求
水準の300個/g未満の数まで減少する。また、粉砕
処理が同時進行する。
【0013】本実施形態で用いた前述のスクリュー押出
機1を図1〜図3に示す。スクリュー押出機1は、プラ
スチック等の材料に融解,捏和,押出し成形する場合に
よく用いられている装置である。スクリュー押出機1
は、通常、固定筒からなるシリンダ2とこの中で回転す
る軸状スクリュー3とシリンダ内22に原料を供給でき
るホッパー5と押出しダイスを具備するが、本発明では
このスクリュー押出機1でダイスを取外した格好になっ
ている(図1)。中間原料Mは図1の白抜き矢印のごと
くホッパー5に投与することによってシリンダ内22に
供給され右方へと流動するが、流動方向のシリンダ2に
は独立してシリンダ2の壁面温度を調節できる加熱手段
6が設けられている。ホッパー5からシリンダ内22に
供給された中間原料Mは、スクリュー3で加圧輸送され
ながら加熱殺菌され、混練,粉砕処理を受け排出口29
から製品Pとして取り出される。図2,図3に示すよう
に、本実施形態では二軸タイプのスクリュー押出機1を
用いる。単軸タイプでもよいが、二軸タイプにすると、
一のスクリュー3のねじ山部分31aと他のスクリュー
3の溝31bが噛み合って、粉砕力の向上のみならず強
制的な押出し力によって生産性をも向上させる。ここで
使用したスクリュー3は図2に示すような形状で、送り
の役割が大きいねじ形成部からなる送りパターン部31
と、スクリュー3に鍔を形成して噛み合わせてなる撹拌
パターン部32と、前記送りパターン部31のねじのピ
ッチよりも密にして中間原料Mの粉砕,微粒化を図る粉
砕パターン部33とからなる。符号4はスクリュー3を
回転させる減速機付きモータ、符号8は排出口29から
出た製品Pを受けて移送するコンベアを示す。
【0014】モータ4を回転させ、シリンダ内22に供
給された中間原料Mたる茶葉は、互いに噛み合う2本の
螺旋状スクリュー3に喰い込まれる。シリンダ2には内
部に加熱ヒータ(或いは加圧蒸気等)の加熱手段6が導
かれており、筒内壁部分21やスクリュー3付近を所定
温度に加熱制御している。中間原料Mの茶葉は、スクリ
ュー3の送りパターン部31では排出口方向へ輸送さ
れ、撹拌パターン部32ではある程度の滞留と撹拌が行
われ均一な殺菌を促進する。また、滞留による圧縮作用
が生まれる。粉砕パターン部33ではスクリュー3の螺
旋間隔が狭くなっていることから茶葉が細かく砕かれる
ことになる。かくして、スクリュー押出機1に供給され
た中間原料Mは、シリンダ2を通る間に加熱,圧縮,撹
拌,殺菌及び排出口29での水分蒸発による乾燥を受け
て取り出され、製品Pになる。排出口29ではシリンダ
内22での高温圧縮状態から排出口29で急激な大気開
放状態になるので茶葉表面から水分蒸発が起り乾燥が進
む。中間原料Mがシリンダ内22に入りスクリュー3に
くい込まれてから排出されるまでの時間は、スクリュー
の回転数を変えることにより任意変更できるが、通常1
分内で足り、この時間で殺菌,粉砕,水分乾燥された所
望の製品Pが得られる。
【0015】前記殺菌に関しては、スクリュー3やシ
リンダ2からの接触加熱による作用の他、茶葉に含ま
れていた水分が蒸発しこれがシリンダ内22で加圧蒸気
になって作用するものがある。殺菌効果を上げるのに重
要な因子である加熱温度は、中間原料Mによって任意設
定できるが、既述のごとく加熱シリンダ2の筒内壁部分
21の温度を100〜200℃の範囲に設定するのが好
ましい。140〜180℃の範囲に設定すると、製品P
に変色等の問題を回避して且つ少ない時間で品質に必要
な殺菌効果(生菌数が300個/g未満)を得ることが
でき、より好ましくなる。また、水分率が10〜30%
の範囲にある中間原料Mは、製品P(排出口29の所で
の製品)になると水分率が4〜15%ほどに低下する。
完成品の貯蔵性を考慮すると、水分率を5%以下にする
ことが必要なので、水分率5%を越える製品Pは煎茶製
法で使用する乾燥機等を使って適宜水分調整を行うこと
になる。実験結果から、スクリュー押出機1に供給され
る中間原料Mの水分率が20%を越えると、製品Pの水
分率が5%を越え、乾燥が必要になっている。中間原料
Mの水分率が20%以下である場合は、排出口29での
製品Pの水分率を5%程度にすることができ、この排出
された製品Pをそのまま完成品とすることも可能である
のを確認している。中間原料Mの水分率に関しては、水
分率10%未満のものを用いると加熱手段6により所定
温度に設定されていても茶葉に対する殺菌力が低下す
る。スクリュー3やシリンダ2からの接触加熱により茶
葉が加熱殺菌されるだけでなく、加熱された茶葉から発
生する蒸気がその付近の茶葉に対し殺菌効果を上げるこ
とになるが、中間原料Mの水分率が低下する(10%未
満)とこの蒸気による殺菌能力が落ち始める。また、殺
菌分布が局部的にできてしまう問題が発生し、さらに水
分率が少な過ぎると茶葉が焦げる不具合が起きる。一
方、生の茶葉や水分率が高すぎる茶葉だと、スクリュー
押出機で除去できる水分はほぼ決まっていることから後
の乾燥処理に負担がかかる。そして、その処理する過程
で生菌数が増える不具合を招く。
【0016】排出口29から取り出された製品Pの形状
は、粉末状若しくは粉末が指で軽く開放できる程度の団
粒状体であることが多い。中間原料Mの水分率が高いほ
ど団粒化傾向が強い。製品Pが排出口29から出た直後
はその品温が高く、水分蒸発過程にあるので、品質劣化
を防ぎ、さらに水分率を下げるために該製品Pを撒き広
げることが有効となる。
【0017】次に、本発明の多用途向け茶の製造方法に
係る性能比較試験を行ったので、それを表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1は中間原料Mとして中揉工程を終えた
後の茶葉を用いた加工例(多用途向け茶の製造方法)を
示す。表1で、加工条件の本装置とは既述のスクリュー
押出機1で、その横列の数値は該スクリュー押出機1を
用いた場合のものである。煎茶用乾燥機とはスクリュー
押出機1に代えて使用される一般の煎茶用の乾燥機で、
その横列の数値は該乾燥機を用いた場合を示す。本装置
の下にある温度170℃は加熱シリンダ2の筒内壁部分
21の温度で、煎茶用乾燥機の下にある温度80℃は乾
燥機内の温度を示す。本装置の下にある18秒はスクリ
ュー押出機1を通過させるに要した時間で、煎茶用乾燥
機の下にある50分は乾燥処理した時間である。試験に
用いた中間原料Mの水分率は、加工後製品Pの水分量を
低くする方が好ましいため、通常より中揉工程を長くし
て乾燥を進めたものを用意した。この中間原料Mの生菌
数は3.3×10個/gであった。さらに、本発明の
殺菌力をより鮮明に調査する目的で、粗揉工程後の茶葉
を30℃前後の室温に24時間放置し、生菌数の増加調
整した中揉工程後の茶葉(菌汚染処理した中揉工程後の
茶葉)も中間原料Mとして使用した。この中間原料Mの
生菌数は7.9×10個/gであった。加工条件は、
本装置を用いた場合には170℃,18秒に設定し、比
較対比のための煎茶用乾燥機の場合には80℃,50分
に設定した。斯る条件のもとで、中間原料Mを加工処理
した。
【0020】加工処理後の製品Pの水分率は、本装置に
よる場合、煎茶用乾燥機を使用した場合に比し9.4
%,6.7%と若干高めであった。しかし、生菌数は中
間原料Mの元の生菌数が7.9×10個/gの場合に
あっても、本装置による処理後では定量下限の300個
/g未満(<300個/g)となり、強力な殺菌力を有
する製法であることが実証できた。本装置で処理した製
品Pを粉末にし、ほぼ同粒度にして計測した表面色は、
煎茶用乾燥機を使用したものと比較してL値に示したと
おりやや暗い色調で、a値に示したとおり僅かに赤みを
増したが、製品Pとして問題がなく許容範囲であった。
【0021】このように構成した多用途向け茶の製造方
法によれば、性能比較試験でも明らかなように優れた殺
菌作用をもち、常温で用いられたりする多用途向け茶に
極めて有益である。そして、ある程度の乾燥処理もなし
得るので、煎茶製法の精揉工程に置き換えて組み入れる
ことで、従来の蒸気やマイクロ波等を使った製法と違
い、工程を簡略化できる。製品完成後に蒸気やマイクロ
波を使った製法と異なり、製品Pの変色や香り変質等の
不具合も引き起こさない。さらに、混練,捏和に威力を
発揮するスクリュー押出機1を用いているので、排出口
29から出た製品Pは粉末化が進み、別個に粉砕処理装
置を用いて処理しなくても、他用途向け茶に適した粉末
状体の製品Pが出来上っている。加えて、本発明の多用
途向け茶の製造方法で使用されるスクリュー押出機1の
占有面積は、煎茶製造法における精揉機の処理能力当た
りの占有面積とほぼ同一であるので、煎茶加工施設への
導入が容易となる。また、性能比較試験でも判るよう
に、本発明の多用途向け茶の製造方法は生産性にも優れ
たものとなっている。
【0022】尚、本発明においては、前記実施形態に示
すものに限らず、目的,用途等に応じて本発明の範囲内
で種々変更できる。スクリュー押出機1のシリンダ2,
スクリュー3,ホッパー5,加熱手段6等の形状,大き
さ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選定できる。本
発明の中間原料として煎茶製法で最終段階の精揉工程,
乾燥工程等を一応終えた完成品を用いることもでき、こ
れも本発明の範囲とする。完成品であっても何らかの理
由で生菌数が多かったりした場合、本発明の実施により
殺菌処理が可能になる。
【0023】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の多用途向け茶の
製造方法は、煎茶製造工程の乾燥能力を利用して工程を
簡略化しながら生菌数の管理が可能な製品を得ることが
でき、さらに乾燥処理や多用途向け茶に有効な粉末化処
理も同時に行なえるなど、多大な効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多用途向け茶の製造方法に用いるスク
リュー押出し機の説明断面概図である。
【図2】図1のスクリューの正面図である。
【図3】図2でスクリューの部分斜視図である。
【符号の説明】
1 スクリュー押出機 M 中間原料 P 製品
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月7日(2000.7.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明の要旨は、摘採した茶葉を蒸熱
し、次に、この蒸熱処理された茶葉が少なくとも粗揉工
程,揉捻工程,中揉工程を経て茶葉の水分率が10〜3
0%の範囲におさまる中間原料とし、しかる後、該中間
原料が二軸タイプのスクリュー押出機に供給され、該ス
クリュー押出機のスクリューは、送りの役割が大きいね
じ形成部からなる送りパターン部と、スクリューに鍔を
形成して噛み合わせてなる撹拌パターン部と、前記送り
パターン部のねじのピッチよりも密にして中間原料の粉
砕,微粒化を図る粉砕パターン部とからなり、前記中間
原料の茶葉は、スクリューの送りパターン部で排出口方
向へ輸送され、撹拌パターン部である程度の滞留と撹拌
が行われ、粉砕パターン部で該茶葉が細かく砕かれるよ
うにし、さらに、該スクリュー押出機を通過する間に該
スクリュー押出機に係る加熱シリンダの筒内壁部分の温
度を100〜200℃として中間原料に加熱処理が施さ
れることを特徴とする多用途向け茶の製造方法にある。
ここで、「中間原料」には製品化された完成品も含む。
「筒内壁部分の温度を100〜200℃として」とは、
筒内壁部分全てに亘って100〜200℃の範囲とす
るのが好ましいが、過半数以上がこの範囲に入ればこれ
を満たしたものとする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】請求項1の発明のごとく、中間原料をスク
リュー押出機にかけると、スクリュー押出機のもつ混練
作用によって中間原料の粉砕,微粒化が進む。特に、二
軸タイプのスクリュー押出機にすると、一のスクリュー
のねじ山部分と他のスクリューの溝が噛み合って、粉砕
力の向上のみならず強制的な押出し力によって生産性を
も向上させる。加えて、スクリュー押出機のスクリュー
が、送りの役割の大きなねじ形成部からなる送りパター
ン部と、スクリューに鍔を形成して噛み合わせてなる撹
拌パターン部と、前記送りパターン部のねじのピッチよ
りも密にして中間原料の粉砕,微粒化を図る粉砕パター
ン部とからなると、前記中間原料の茶葉は、スクリュー
の送りパターン部で排出口方向へ輸送され、撹拌パター
ン部である程度の滞留と撹拌が行われ、均一な殺菌を促
進する。さらに、粉砕パターン部で該茶葉が細かく砕か
れるようになって多用途向け茶の粉砕した形が得られ
る。また、スクリュー押出機の加熱手段によりそのシリ
ンダ,スクリュー等を加熱させれば、加熱殺菌や排出口
における脱気乾燥を行うことができる。こうして、従来
の煎茶製法の精揉工程に代えて本スクリュー押出機によ
る操作工程を入れることにより、工程を簡略化できる。
そして、水分率が10〜30%の範囲におさまる中間原
料を用いると、製品取り出し後の乾燥工程を速やかに行
うことができ、場合によっては省くことができる。筒内
壁部分の温度を100〜200℃とすると、製品の変色
や香りの変質を抑えることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多用途向け茶の製造方法に用いるスク
リュー押出し機の説明断面概図である。
【図2】図1のスクリューの正面図である。
【図3】図2でスクリューの部分斜視図である。
【符号の説明】 1 スクリュー押出機2 加熱シリンダ 21 筒内壁部分 3 スクリュー 31 送りパターン部 32 攪拌パターン部 33 粉砕パターン部 M 中間原料 P 製品

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摘採した茶葉を蒸熱し、次に、この蒸熱
    処理された茶葉を乾燥させて所定の水分率の中間原料と
    し、しかる後、該中間原料がスクリュー押出機に供給さ
    れ、このスクリュー押出機を通過する間に中間原料に加
    熱処理が施されるようにしたことを特徴とする多用途向
    け茶の製造方法。
  2. 【請求項2】 摘採した茶葉を蒸熱し、次に、この蒸熱
    処理された茶葉が少なくとも粗揉工程,揉捻工程,中揉
    工程を経て茶葉の水分率が10〜30%の範囲におさま
    る中間原料とし、しかる後、該中間原料がスクリュー押
    出機に供給され、このスクリュー押出機を通過する間に
    該押出機に係る加熱シリンダの筒内壁部分の温度を10
    0〜200℃として中間原料に加熱処理が施されるよう
    にしたことを特徴とする多用途向け茶の製造方法。
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