JP4598669B2 - エクストルーダ及び糖水溶液を用いた茶葉加工品の製造方法 - Google Patents

エクストルーダ及び糖水溶液を用いた茶葉加工品の製造方法 Download PDF

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本発明は、エクストルーダを用いた茶葉の加工方法及び茶葉加工品に関する。より詳しくは、茶葉に水および糖からなる糖水溶液を加え、茶葉の非水溶成分を水溶化し、茶葉抽出液中の茶葉本来の天然うまみ成分を向上させるための技術に関する。
従来、茶飲料の天然うまみ成分を向上させる技術と言えば、特許文献1や2に記載の、茶葉を水に浸す際にその温度、圧力や時間を制御し、茶葉に含まれる水溶性の天然うまみ成分の抽出効率を最適化するものであった。しかし、非特許文献1によると、茶葉に含まれる水溶成分は40%前後と限られており、従って、上記の方法によって得られる天然うまみ成分には限界があった。そこで、最近では、例えば特許文献3に記載のように、茶抽出液へ微粉砕した茶葉を混合させることで、本来、非水溶成分のため利用されることの無かった茶葉の天然うまみ成分を付与する方法もある。しかし、天然うまみ成分が溶解せず固形のまま摂取されることになるため、微粉砕ゆえの粉っぽさや重たさを感じ、清涼感が損なわれるという欠点がある。
特許第3447191号 特開2001-286260 PCT/JP2004/008349 新茶業全書 第8版、1988年(社団法人 静岡県茶業会議所)
そのような背景の中、本発明者らは、通常、穀類の膨化・成型に用いられているエクストルーダを用いることで、高温高圧化における加水分解反応に加えて粉砕・混練作用を伴い、非水溶成分の低分子化・水溶化の効果が得られるのではないかという点に着目した。「日本食品標準成分表 五訂、科学技術庁 資源調査会 編 2000年」による基礎成分分析結果によると、茶葉は、玄米、小麦等の穀類と比較して、澱粉質と繊維質の存在割合が著しく異なっている。その特性により、通常は、充分に混練・糊化されないまま蒸気と原料が噴出してしまうため、また、充分な反応効果を得る程の温度条件を与えたならば、熱ダメージにより著しく茶葉本来の香味品質を低下させるため、茶葉のエクストルーダ加工は不適当と考えられていた。しかしながら、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、通常の穀類に対する加工条件よりも温度条件を緩和し、その一方で圧力を高めることで、繊維質が豊富な茶葉であっても、エクストルーダ加工が可能であり、また、茶葉に熱ダメージを与えることなく、茶葉本来の天然うまみ成分を引き出すことが可能であることを見出して、特願2004-379780に記載の発明を完成させた。
本発明の課題は、先の発明をさらに強化するべく、茶葉の非水溶成分を水溶化し、抽出液中の茶葉本来の天然うまみ成分をさらに向上させる技術を提供することである。
例えば紅茶等のように、茶葉から抽出した後に抽出液に糖を加えて飲用するのが習慣であるような茶葉であれば、水とともに糖を加えてエクストルーダ加工を行っても製造方法として問題がない。そこで、本発明者らは、先の発明に水の代わりに糖水溶液を用いることで、例えば糖-アミノ反応等が作用し、さらなる効果の強化が期待されるのではと考えるに至った。
本発明者らは、エクストルーダ加工の際に糖水溶液を添加することで、水のみを添加していた先の発明よりも茶葉本来の天然うまみ成分を引き出すことが可能であることを見出し、さらにその効果は糖の濃度および種類に依存することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の方法は、茶葉を80〜150℃、0.2〜30MPa、及び5〜600秒の条件下において、糖水溶液を、茶葉100重量に対し1〜100重量で供給しながらエクストルーダ加工し、出口より噴出することなく安定して茶葉加工品を得ることに関する。
一般的には、茶葉とは、不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(ウーロン茶)、発酵茶(紅茶)等を含む茶一般の原料茶葉を意味し、緑茶としては煎茶、茎茶、番茶、玉露、碾茶、釜炒り茶等が挙げられる。ここで、茎茶は厳密には葉を原料とはしていないが、茶飲料原料としては、茶葉と同等の原料として扱うため、本明細書中において茶葉に含まれるものとする。但し、澱粉質を多く含む穀物茶、例えばハトムギ茶は本発明の茶葉から除外される。
さらに、本発明における茶葉とは、通常の茶葉として乾燥したもののみならず、茶畑で摘採される生葉から上記のような茶葉に仕上がるまでに経る、全ての状態のいずれにおいても定義されるものである。具体的には、摘採直後の、蒸しや釜炒りによる酵素失活の工程を経ていないものでも、或いは、蒸しや釜炒り工程を経て、揉稔とよばれる揉みながら水分を蒸発させる工程前後の茶葉であっても、本発明において定義される茶葉となる。これらを単独で、又は2種以上を混合して、本発明の方法に用いることが出来る。
以上の原料のうち、本発明においてより好ましいのは緑茶または紅茶である。本発明の方法により得られた茶葉加工品は乾燥後も糖をそのまま保有するため、紅茶等、飲用する際に糖を加える習慣があるような茶葉は最も好ましい原料であるが、飲用する際に糖を加える習慣がない茶葉についても、本発明の方法の原料として用いることで新しいタイプの茶葉加工品を提供することが可能になるであろう。本発明の応用として、例えば碾茶や玉露のように、茶葉製造工程において、天然うまみ成分を向上させている茶葉を用いることにより、組み合わせ効果による天然うまみ成分が更に向上された茶葉加工品を創生することもできる。また、逆に、二番茶・三番茶を用いた煎茶や、茎茶など、天然うまみ成分が少ない茶葉に本技術を用いることにより、低コストで天然うまみ成分に優れた茶葉を創生することも可能である。
本発明においては、エクストルーダへ供給する前の茶葉の状態には特に限定がなく、生の状態、乾燥処理した状態、さらにそれを粉砕した状態のものであってよいし、未粉砕であってもよい。粉砕して用いる場合、その粉砕程度には特に限定がなく、ローラーミルなどにより、粗粉砕若しくは微粉砕されていても構わない。
また、本発明においてエクストルーダとは、通常、穀類等を膨化・成型する目的で使用される、シリンダーとよばれる円筒内に回転スクリューが備わっているものであり、通常、シリンダーの一方の穴から水と共に原料が供給され、粉砕・混合を経て、他方の穴から排出されるものであり、その排出される穴の前後の圧力差によりα化した澱粉質が膨張し、食感豊かなスナックなどを得るものである。作業性、操作性の観点から、例えば、株式会社日本製鋼所社製の食品用二軸押出機(TEX30FC−18.5PW-V)等、同軸2軸型エクストルーダが好ましいが、これに限定されるものではなく、通常の2軸型エクストルーダ、1軸型エクストルーダも同様に使用できる。即ち、下に詳述する温度・圧力・時間・水分添加量を満たすものであれば、エクストルーダの、スクリュー構造、及びその回転速度等のパラメータは、特に限定されない。
本発明において、エクストルーダ加工とは、上記エクストルーダを用いて、シリンダーの一方から水と共に原料を供給し、粉砕・混合を経て、他方の穴から排出することをいう。
加工温度は、シリンダー内部の最高温度が80〜150℃であれば、特に限定されない。本発明においては、80〜130℃であるのが好ましく、中でも85〜120℃であるのが特に好ましい。80℃未満では、天然うまみ成分の水溶化効果が少なく、また、150℃を超える温度では、水溶化した天然うまみ成分が熱ダメージにより消失してしまうおそれがあるため、好ましくない。
加工圧力は、シリンダー内部の最高圧力が0.2〜30MPaであれば、特に限定されない。本発明においては、0.2〜20MPaであるのが好ましく、中でも0.6〜15MPaであるのが特に好ましい。0.2MPa未満では、効果が少なく、また、30MPaを超える圧力は、作業性・操作性という観点から、好ましくない。
加工時間は、全シリンダー内の滞留時間として、5〜600秒であれば、特に限定されない。本発明においては、10〜120秒であるのが好ましく、中でも20〜60秒であるのが特に好ましい。5秒未満では、天然うまみ成分の水溶化効果が少なく、また600秒を超える時間であれば、温度が高い場合に引き出された天然うまみ成分が熱ダメージにより消失してしまうおそれがあるため、好ましくない。
本発明において糖水溶液とは、糖と水の混合液であり、エクストルーダ加工において高温高圧の条件で茶葉と混合することを考慮すれば、該糖は常温で水に溶解していなくてもよい。ここでいう水については以下に詳述する。また、ここでいう糖とは、アルデヒド基(-CHO)またはケトン基(C=O)を持つ多価アルコールを指す。員環を形成する炭素や分子を構成する全炭素の数によらず、また、糖の水酸基を水素に置換したデオキシ糖、アルドース末端の炭素をカルボキシル基に置き換えたウロン酸、水酸基をアミノ基に置き換えたアミノ糖、ケトン基やアルデヒド基がアルコールに還元された糖アルコールなども、本発明の糖に含まれる。D型及びL型のような光学異性体、鎖状構造及び環状構造の糖、さらには環状構造において分類されるα型、β型等の糖のいずれも、全て本発明の糖に含まれる。
代表的な単糖としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース等が挙げられる。単糖2分子がグリコシド結合により1分子となったものを二糖といい、代表的な二糖としては、マルトース、ラクトース、スクロース等が挙げられる。単糖3分子〜10分子程度が結合したものをオリゴ糖といい、代表的なオリゴ糖としては、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノース、ケストース、ラフィノース、マルトトリオース等が挙げられ、「オリゴ糖」の名称で市販されているものを含む。さらに多くの単糖が結合したものを多糖といい、代表的な多糖としては、デンプン、セルロース、ペクチン等が挙げられる。また、デキストリン等、一般的に水溶性食物繊維と呼ばれるものも、ここでいう多糖に含まれる。本発明に用いる糖は、上述のいずれの糖でも良いが、好ましくは二糖類又は単糖類であり、より好ましくは単糖類である。これらの糖を単独又は2種以上を混合して用いることが出来る。
本発明で用いる糖の水溶性については特に限定されないが、エクストルーダが詰まるのを防止するという観点からは、本発明の方法におけるエクストルーダ加工の条件下で水溶性である糖が好ましい。
本発明の方法で得られた茶葉加工品を抽出して飲用することを考慮すれば、本発明で用いる糖は一般に食用される糖が好ましい。また、茶葉加工品に甘味を付与することを望む場合には、甘味を呈する糖を用いることで簡便に所望の茶葉加工品を得ることができる。
また、本発明において加工に用いられる水は、酵素剤等を無添加にて非水溶成分を水溶化し天然うまみ成分を引き出すという観点からは、食品加工に通常使用される水あるいは不純物が一切含まれていない純水が好ましいが、必要に応じて、アルコールや塩類等、茶葉本来の天然うまみ成分を引き出すために効果的な物質があれば、それを添加するのも良く、特に純水に限定されるものではない。
糖水溶液を作成する際の、糖と水との混合割合は特に限定されないが、糖水溶液の濃度は0.01%〜38%、好ましくは2〜35%、より好ましくは10〜30%である。なお、本明細書中において、糖水溶液の濃度は重量%で表し、例えば濃度が20%の糖水溶液とは、上述したような糖20重量部と、上述したような水80重量部とから作成した溶液を指す。
本発明の方法における糖水溶液の添加量は、供給する茶葉100重量に対し、1〜100重量であれば、特に限定されない。本発明においては、3〜80重量であるのが好ましく、5〜65重量であるのがより好ましく、10〜40重量であるのが特に好ましい。茶葉100重量に対し、1重量未満であれば、充分な天然うまみ成分水溶化効果が得られず、また100重量を超える添加量であれば、シリンダー内に供給された茶葉の流動性が高くなりすぎてしまい、激しい噴出等、エクストルーダ加工に不具合が生じる。
本発明はまた、茶葉に対し糖を含まない水を加えてエクストルーダ加工を行った茶葉加工品と比較して、水溶性タンパク質含有量が0.1%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは4%以上、さらにより好ましくは6%以上高い茶葉加工品を得ることを特徴とする、茶葉100重量に対し、糖水溶液を1〜100重量加えて茶葉をエクストルーダ加工して茶葉加工品を製造する方法を提供する。
本明細書中において、「茶葉に対し糖を含まない水を加えてエクストルーダ加工を行った茶葉加工品と比較して」とは、本発明の方法において、エクストルーダ加工の際に、糖水溶液を用いる代わりに糖を含まない溶液を用いるという点以外の加工条件を全て等しくして得た茶葉加工品を、本発明の方法で得た茶葉加工品と比較して、という意味である。
本発明はまた、温度80〜150℃かつ圧力0.2〜30MPaの状態で、糖水溶液と茶葉とを混練することにより、該混練前に比べて茶葉に含まれる水溶性タンパク質量を高め、その後、該茶葉から水などの溶媒で茶を抽出することにより、該混練時に糖を含まない水と茶葉とを混練した茶葉から抽出するよりもうまみが向上した茶抽出液を製造する方法を提供する。
ここで、「該混練時に糖を含まない水と茶葉とを混練した茶葉」とは、上記混練の際に、糖水溶液を用いる代わりに糖を含まない水を用いるという点以外の混練時の条件を全て等しくして得た茶葉を指す。また、水などの溶媒とは、茶の抽出に適する任意の溶媒、好ましくは水性溶媒である。その温度は、茶の抽出が可能な限りいかなる温度であってもよい。
本明細書中において、水溶性タンパク質含有量とは、当業者に公知の手法で測定することができるもの、より特定すれば、実施例1に記載の手法を用いて測定することができるものを指す。水溶性タンパク質含量が多ければ、抽出液中に引き出される天然うまみ成分が増加し、呈味の面で好ましい茶葉加工品となると考えられる。なお、呈味には、該水溶性成分の組成も影響する。
本発明の方法によれば、エクストルーダ出口より排出される茶葉加工品は、澱粉質を多く含む食品の場合のような膨潤状態ではなく、典型的には加工前の体積より小さく連続的に繋がった状態で排出される。排出時の加工品の太さはエクストルーダ出口穴の径に依存するが特別の制限はない。例えば、直径2mm以上の出口穴を用いるのが好ましく、その場合、茶葉中に含有するでんぷん質の存在のため出口穴から排出されるときわずかながら膨張することも考慮すると、排出時の加工品の太さは2mmより大きくなることがある。これを任意の長さで切断しスティック状の加工品として取り出しても良いし、出口に取り付けた回転刃などの手段で粒状の加工品として取り出しても良く、茶葉加工品の形状は特に限定されない。特にティーバックや液体茶エキスを作成する際に、抽出を容易にするという観点からは粒状の加工品が好ましい。
この様にして、茶葉本来の天然うまみ成分が引き出された本発明の茶葉加工品は、冷却、乾燥(真空乾燥、熱風乾燥等)を行った後、常法によって、サイロなどに保管することができる。乾燥後の茶葉加工品の含水率は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
本発明における茶葉本来の天然うまみ成分が引き出された茶葉加工品は、茶飲料の茶原料の一つとして、茶葉、液体茶エキスなどと共に用いることができ、常法により、茶飲料製造工場で製造することができる。例えば、茶飲料缶詰の製造工程を例として挙げると、「抽出」「ろ過」「調合」「充填」「巻締」「殺菌」「冷却」「箱詰」の工程を経て製造することができる。ペットボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、調合の後にあらかじめ上記と同等の殺菌条件で殺菌した後、一定温度まで冷却して容器に充填する等の方法が採用される。
本発明の実施における適切な一態様として、本発明における茶葉加工品を用いて、ティーバッグや液体茶エキスなどを調製してもよい。茶葉を本発明の方法で加工した茶葉加工品には糖が付着することになる。従って、例えば、紅茶を本発明の方法で加工した茶葉加工品を用いれば、抽出した後に砂糖など糖を添加せずとも甘みを保有しているという、独特な紅茶ティーバッグを製造することが可能となる。
本発明の方法によれば、糖を含まない水を用いたエクストルーダ加工による茶葉加工品よりも、水溶性タンパク質含量が向上した茶葉加工品を提供することができ、天然うまみ成分がより引き出されることが示唆された。また、本発明の方法で得られた茶葉加工品は、乾燥後も添加した糖をそのまま保有するため、該茶葉加工品抽出液からは、茶葉本来の天然うまみ成分だけでなく、糖由来の適度な甘みも感じることができる。
以下、本発明について、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
スリランカ産紅茶を原料茶葉として本発明のエクストルーダ加工を行った。具体的には、エクストルーダ加工として、シリンダー上部の原料ホッパより茶葉を供給し、40kg/Hの一定速度でシリンダーに供給した。一方、単糖[果糖ぶとう糖液糖(フルクトース+グルコース)、「F55(フラクトーカ)」加藤化学(株)]、二糖[砂糖(スクロース)、「グラニュ糖CIM2」伊藤忠製糖(株)]、オリゴ糖[フラクトオリゴ糖、「メイオリゴP(液)」(株)フードマテリア]、水溶性食物繊維[難消化性デキストリン、「パインファイバー」松谷化学(株)]、それぞれを、純水に溶解して作成した濃度20%の糖水溶液を、別の供給口より、10kg/Hの一定速度で同じシリンダーへ供給した。シリンダー内部の最高温度が95℃になるように、シリンダー外部に取り付けられている電熱ヒータをコントロールし、また、シリンダー内部の最高圧力が1.5MPaとなるようスクリューの構造と回転速度を調整した。さらに、食品添加物である赤色着色剤を用いて、シリンダー内の滞留時間を測定したところ、45秒であった。上記の加工条件を数時間連続運転し、各測定値のばらつきが一定となり、定常運転状態となったところで、出口に取り付けた刃を1000rpmで回転させ、出口加工物を裁断し、粒状の茶葉加工品を得た。
得られた茶葉加工品及び、純水を添加し同様の条件で加工した対照茶葉加工品について、それぞれ1gを80℃の純水100mlで30分間抽出・ろ過し、本加工品抽出液及び対照品抽出液を得た。評価方法として、各抽出液中の水溶性タンパク質含量(mg/g−原料)を、Coomassie法(波長595nm)により測定した。その結果を、対照品抽出液を100として比較したものを図1に示す。
図1から明らかな通り、対照品抽出液に比べ、水溶性食物繊維以外は本加工品抽出液中の水溶性タンパク質が増加した。そして、糖の結合数が少ないほど増加率が高いことがわかった。また、本加工品は、対照品の方法とは水溶性タンパク質の獲得原理が異なると考えられるため、本加工品抽出液中の水溶性タンパク質の種類及び組成も異なり、その結果、たとえ微量の変化であっても官能評価への影響が大きくなると考えられる。
実施例2
静岡産緑茶を原料茶葉として本発明のエクストルーダ加工を行った。具体的には、エクストルーダ加工として、シリンダー上部の原料ホッパより茶葉を供給し、40kg/Hの一定速度でシリンダーに供給した。一方、別の供給口より、グルコースの濃度20%、40%、60%の糖水溶液を、それぞれ10kg/Hの一定速度で同じシリンダーへ供給した。シリンダー内部の最高温度が95℃になるように、シリンダー外部に取り付けられている電熱ヒータをコントロールし、また、シリンダー内部の最高圧力が1.5MPaとなるようスクリューの構造と回転速度を調整した。さらに、食品添加物である赤色着色剤を用いて、シリンダー内の滞留時間を測定したところ、45秒であった。上記の加工条件を数時間連続運転し、各測定値のばらつきが一定となり、定常運転状態となったところで、出口に取り付けた刃を1000rpmで回転させ、出口加工物を裁断し、粒状の茶葉加工品を得た。
得られた茶葉加工品及び、純水を添加し同様の条件で加工した対照茶葉加工品について、それぞれ1gを80℃の純水100mlで30分間抽出・ろ過し、本加工品抽出液及び対照品抽出液を得た。評価方法として、抽出液中の水溶性タンパク質含量(mg/g−原料)を、Coomassie法(波長595nm)により測定した。その結果を、対照品抽出液を100として比較したものを図2に示す。
図2から明らかな通り、対照品抽出液に比べ、グルコース20%の糖水溶液を用いて得た本加工品抽出液中の水溶性タンパク質が増加した。そして、濃度40%、60%と糖の糖水溶液中の割合が増えると共に、その数値が減少していくことがわかった。
実施例3
アッサム産紅茶葉を原料茶葉として、実施例1と同様の手法により本発明のエクストルーダ加工を行い、得られた茶葉加工品からティーバッグ入り紅茶を製造した。具体的には、CTC機(2本のステンレス製ローラーの隙間を茶葉が通り、そのローラーの回転によって茶葉が巻き込まれると同時に押しつぶされ、ローラー表面につけられた突起で茶葉を裂き、斜めに刻まれている溝で茶葉が丸められて球状に整形される機械)を用いて加工した後、目の細かな紙製の袋に包装した。本発明の茶葉加工品を使用したティーバッグをティーカップに入れ、熱湯を注ぎ抽出し、得られた紅茶をテイスティングしたところ、通常のティーバッグ入り紅茶の特徴として、全体のバランスに対して相対的に強く感じられる傾向にある、苦味やタンニン、カフェインなどの成分が、比較的まろかやに感じられ、全体のバランスが整った香味品質を呈する印象を受けた。
実施例1において、茶葉のエクストルーダ加工における糖水溶液中の糖の種類を検討した結果を示すグラフである。 実施例2において、茶葉のエクストルーダ加工における糖水溶液中のグルコースの濃度を検討した結果を示すグラフである。

Claims (8)

  1. エクストルーダ加工時のシリンダー内の最高温度が80℃〜150℃であり、
    エクストルーダ加工時のシリンダー内の最高圧力が0.2MPa〜30MPaである、
    茶葉100重量に対し、糖水溶液を1〜100重量加えて茶葉をエクストルーダ加工して茶葉加工品を製造する方法。
  2. 茶葉に対し糖を含まない水を加えてエクストルーダ加工を行った茶葉加工品と比較して、水溶性タンパク質含有量が0.1%以上高い茶葉加工品を得ることを特徴とする、茶葉100重量に対し、糖水溶液を1〜100重量加えて茶葉をエクストルーダ加工して茶葉加工品を製造する方法。
  3. 前記糖水溶液の濃度が0.01%〜38%である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記糖水溶液中の糖が、単糖、二糖又はオリゴ糖である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で製造した茶葉加工品。
  6. 請求項5の茶葉加工品を、溶媒で抽出して製造した茶飲料。
  7. 請求項5の茶葉加工品又はその溶媒抽出物を含有する飲食物。
  8. 温度80〜150℃かつ圧力0.2〜30MPaの状態で、糖水溶液と茶葉とを混練することにより、該混練前に比べて茶葉に含まれる水溶性タンパク質量を高め、
    その後、該茶葉から水などの溶媒で茶を抽出することにより、
    該混練時に糖を含まない水と茶葉とを混練した茶葉から抽出するよりもうまみが向上した茶抽出液を製造する方法。
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