JP2001172283A - ピリドベンゾオキサジンの製造方法 - Google Patents

ピリドベンゾオキサジンの製造方法

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JP2001172283A
JP2001172283A JP35591699A JP35591699A JP2001172283A JP 2001172283 A JP2001172283 A JP 2001172283A JP 35591699 A JP35591699 A JP 35591699A JP 35591699 A JP35591699 A JP 35591699A JP 2001172283 A JP2001172283 A JP 2001172283A
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JP35591699A
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English (en)
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Shigeru Noguchi
滋 野口
Yukio Yokoyama
幸夫 横山
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピリドベンゾオキサジン系のキノロン合成抗
菌薬の工業的に有利な製造方法を提供する。 【解決手段】 化合物(VI)が溶解し難い溶媒を使用
して、化1に示した各工程の反応を実施する。各段階の
反応生成物は単離することなしに連続的な反応を純度、
収率共に良好に実施することができ、工業的に優れた方
法である。 【化1】 (式中、R:アルキル基、アリール基、アラルキル基;
1、R2:アルキル基、アリール基、アラルキル基、こ
れらが一体化してポリアルキレン鎖を形成し、これらが
結合している窒素原子を含んで4から8員環の環状構造
を形成してもよい。書く置換基はさらに1または2以上
の置換基を有していてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、優れたキノロン
系合成抗菌薬であるピリドベンゾオキサジン誘導体の工
業的に効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レボフロキサシン(化7に構造を示
す。)は、高い抗菌活性および高い安全性を兼ね備えさ
らに優れた体内動体を示し、優れたキノロン系合成抗菌
薬として知られている。
【0003】
【化7】
【0004】レボフロキサシンの製造方法は式(VI)
【0005】
【化8】 で表される化合物(以下、化合物(VI)と略す。な
お、他の番号の式の化合物も同様に略す。)に4−メチ
ルピペラジンを反応させる方法が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】化合物(VI)の製造
方法には、大別して2系統の方法がある。その一方は、
光学活性な3−メチルベンゾオキサジン化合物を得、こ
れをピリドベンゾオキサジンに閉環する化9に示す方法
である。
【0007】
【化9】 この方法は光学活性な3−メチルベンゾオキサジン化合
物を得るのに多段階の工程を要し、工業的には煩雑であ
る(特開平2−732号公報)。
【0008】もう一方の方法は、化10に示す化合物
【0009】
【化10】 (式中、−COORはカルボン酸エステルを形成してい
る。)を得、これから二段階の閉環を行ってピリドベン
ゾオキサジンに閉環する方法である。
【0010】この化合物の閉環については二段階の閉環
反応を極性溶媒中で連続的に一気に行う例が知られてい
るが収率が十分ではないし、着色するなど純度の面でも
十分ではない(Chem. Pharm. Bull., 34, 4098(1986);
特開昭62−452号公報、特開昭62−145088
号公報)。
【0011】
【化11】 例えば、化11に示す反応において、ジメチルホルムア
ミド中、フッ化カリウム存在下の反応では収率76%;
ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム存在下の反応で
は収率67.8%である。後者の条件で、光学活性体の
場合には収率67.8%または収率69.8%である。
【0012】2段階の閉環を一段階毎に行う方法もある
が、先の方法と同様に必ずしも収率が十分ではなく、ま
た単離操作をが加わるため、操作は当然に煩雑となる。
【0013】
【化12】 例えば、化12に示す反応において、 反応A:前段にテトラヒドロフラン中、第三級ブトキシ
カリウムを使用して収率32%であり;後段はジメチル
ホルムアミド中、フッ化カリウム存在下の反応条件で収
率59%である。 反応B:前段にジメチルスルホキサイド中、フッ化ナト
リウムを使用する条件で収率89.6%であり;後段は
ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム存在下の反応条
件で収率67.8%である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明者らはレボフロ
キサシンの簡便で効率的な製造方法を求め、原料化合物
である化合物(VI)の製造方法について鋭意研究し
た。その結果、化合物(V)から化合物(VI)を得る
ための閉環反応を、化合物(VI)の溶解性が低い溶媒
中において塩基性存在下に実施することで、2段階の閉
環反応が一気に進行し、1工程めの閉環反応が終了した
化合物を単離しなくとも化合物(VI)が純度および収
率いずれもよく得られることを見出した。
【0015】さらに、この二重閉環反応工程を連続的に
実施するだけでなく、この化合物(V)を得るための、 (工程1):化合物(I)に化合物(II)を反応さ
せて化合物(III)を得る工程、 (工程2):化合物(III)に化合物(IV)を反
応させて化合物(VI)を得る工程、 の2工程の反応を連続的に実施した後、これに引き続い
た反応として、いずれの段階においても単離操作をする
ことなく化合物(VI)が純度および収率いずれもよく
製造できることをも見出したのである。
【0016】これらの3工程の反応が同一容器内で連続
的に実施できることで操作性が改善でき、しかもこれら
3工程を一気に実施しても純度、収率よく化合物(V
I)が得られることを見出し、本願発明を完成したので
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】すなわち本願発明は、次の、
およびの3工程からなる、式(VI)で表される化合
物の製造方法に関するものである; (工程1):式(I)
【0018】
【化13】
【0019】で表される化合物に、式(II)
【0020】
【化14】 (式中、Rは、炭素数1から6のアルキル基、置換基を
有していてもよいアリール基、または炭素数1から6の
アルキレン基とアリール基とから構成されるアラルキル
基を表すが、このアラルキル基はさらに1または2以上
の置換基を有していてもよい。R1およびR2は、各々独
立に、炭素数1から6のアルキル基、置換基を有してい
てもよいアリール基、または炭素数1から6のアルキレ
ン基とアリール基とから構成されるアラルキル基を表す
か、R1およびR2は一体化してポリアルキレン鎖を形成
し、これらが結合している窒素原子を含んで4から8員
環の環状構造を形成してもよく、この様にして形成され
た環状構造の基はさらに炭素数1から6のアルキル基1
または2以上を有していてもよい。)で表される化合物
を反応させ、式(III)
【0021】
【化15】 (式中、R、R1およびR2は、先の定義の通りであ
る。)で表される化合物を得る工程; (工程2):式(III)で表される化合物に、式
(IV)
【0022】
【化16】 で表される化合物を反応させ、式(V)
【0023】
【化17】 (式中、Rは、先の定義の通りである。)で表される化
合物を得る工程; (工程3):式(V)の化合物を閉環して、式(V
I)
【0024】
【化18】 (式中、Rは、先の定義の通りである。)で表される化
合物を得る工程;さらに本願発明は、、およびの
各工程を同一の容器で連続的に行う上記の製造方法に関
するものである。
【0025】また本願発明は、化合物(VI)が溶解し
にくい溶媒中において、塩基性条件下で式(V)
【0026】
【化19】 (式中、Rは、先の定義の通りである。)で表される化
合物を閉環することを特徴とする、式(VI)
【0027】
【化20】 (式中、Rは、先の定義の通りである。)で表される化
合物の製造方法に関するものである。そして本願発明
は、化合物(VI)が溶解しにくい溶媒中で、式(I)
で表される化合物に式(II)で表される化合物を反応
させ、この反応の終了後さらに式(IV)で表される化
合物を反応させ、この反応後、反応液中に塩基および所
望によって相間移動触媒を添加して閉環反応を実施する
ことを特徴とする、式(VI)で表される化合物の製造
方法に関するものである。
【0028】さらに本願発明は、以下の各項の製造方法
にも関するものである。すなわち;各工程の反応が、化
合物(VI)が溶解し難い溶媒中で行われるものである
上記の製造方法;反応溶媒が、芳香族炭化水素およびア
ルキルニトリルからなる群の化合物から選ばれるもので
ある上記の製造方法;反応溶媒が、芳香族炭化水素であ
る上記の製造方法;反応溶媒が、ベンゼン、トルエン、
またはキシレンである上記の製造方法;反応溶媒がキシ
レンである上記の製造方法;第工程において使用する
塩基性条件が、相間移動触媒存在下のアルカリ金属炭酸
塩からなるものである上記の製造方法(溶媒が芳香族炭
化水素である場合において);アルカリ金属炭酸塩が、
炭酸カリウムである上記の製造方法(溶媒が芳香族炭化
水素である場合において);相間移動触媒が、テトラア
ルキルアンモニウム化合物、ベンジルトリアルキルアン
モニウム化合物およびクラウンエーテル類から選ばれる
化合物である上記の製造方法(溶媒が芳香族炭化水素で
ある場合において);相間移動触媒が、臭化テトラブチ
ルアンモニウム、塩化テトラノルマルヘキシルアンモニ
ウム、塩化ベンジルトエチルアンモニウム、臭化ベンジ
ルトリブチルアンモニウム、または18−クラウン−6
である上記の製造方法(溶媒が芳香族炭化水素である場
合において);相間移動触媒が、臭化テトラブチルアン
モニウムである上記の製造方法(溶媒が芳香族炭化水素
である場合において);反応溶媒が、アルキルニトリル
である上記の製造方法;反応溶媒が、アセトニトリルで
ある上記の製造方法;第工程において使用する塩基
が、有機塩基である上記の製造方法(溶媒がアルキルニ
トリルである場合において);有機塩基が、有機強塩基
である上記の製造方法(溶媒がアルキルニトリルである
場合において);有機塩基が、DBUまたはDBNであ
る上記の製造方法(溶媒がアルキルニトリルである場合
において);有機塩基が、DBNである上記の製造方法
(溶媒がアルキルニトリルである場合において);等で
ある。また、本願発明は、化合物(VI)が溶解しにく
い溶媒中で、式(I)で表される化合物に式(II)で
表される化合物を添加して反応させ、この反応の終了後
さらに式(IV)で表される化合物を添加して反応さ
せ、この反応後、反応液中に塩基を添加して閉環反応を
実施することを特徴とする式(VI)で表される化合物
の製造方法に関するものである。
【0029】以下に本願発明の方法について詳細に説明
する。先ず化合物(I)について述べる。
【0030】
【化21】 化合物(I)は酸塩化物であるが、本願発明の方法には
他の酸ハロゲン化物であっても使用できる。また、オル
ト位のフッ素原子およびこれに直結した炭素原子に結合
したフッ素原子は、いずれも他のハロゲン原子であって
もよい。さらに、これらは脱離基としての機能を果たす
ものであればよく、例えば、置換スルホニルオキシ基
(メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキ
シ基、パラトルエンスルホニルオキシ基等)等であって
もよい。この化合物(I)は市販の化合物から公知の方
法によって製造することができる。
【0031】次に化合物(II)について述べる。
【0032】
【化22】 置換基Rは、炭素数1から6のアルキル基、置換基を有
していてもよいアリール基、または炭素数1から6のア
ルキレン基とアリール基とから構成されるアラルキル基
を表すが、このアラルキル基はさらに1または2以上の
置換基を有していてもよい。Rは、−COOR部分がカ
ルボン酸エステルを形成する置換基であれば特に制限は
ない。アルキル基としては、直鎖状であっても、分枝鎖
状であってもいずれでもよい。置換基を有してもよいア
リール基は、フェニル基、ナフチル基等であって、これ
らの置換基としてはアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ
基、アルコキシ基等である。アラルキル基は上記のアリ
ール基と、炭素数1から6のポリアルキレン基とから構
成されるものでよい。このポリアルキレン基は分枝鎖状
であってもよい。アラルキル基としてはベンジル基、フ
ェネチル基等を挙げることができる。
【0033】置換基R1およびR2は、各々独立に、炭素
数1から6のアルキル基、置換基を有していてもよいア
リール基、または炭素数1から6のアルキレン基とアリ
ール基とから構成されるアラルキル基を表すか、これら
が一体化してポリアルキレン鎖を形成し、これらが結合
している窒素原子を含んで4から8員環の環状構造を形
成してもよく、この様にして形成された環状構造の基は
さらに炭素数1から6のアルキル基1または2以上を有
していてもよい。これらのアルキル基、アリール基およ
びアラルキル基は先に述べたものと同様に考えればよ
い。さらに、R1およびR2は一体化してポリアルキレン
鎖を形成し、これらが結合している窒素原子を含んで4
から8員環の環状構造の基を形成してもよい。この様に
して形成される環状基としてはピロリジニル基(五員
環)、ピペリジニル基(六員環)等を挙げることができ
る。これらの環状基の置換基としては、アルキル基やア
ルコキシ基を挙げることができる。
【0034】化合物(II)の−NR1(−R2)部分
は、後の工程において脱離する部分であり、この脱離に
際して支障がなければR1およびR2について、特段の制
限はない。化合物(II)は市販されたものを使用する
ことができるし、また、公知の方法によって製造するこ
とができる。また、式(II)で示した化合物は幾何異
性体のうちのトランス体を示しているが、実際の反応に
おいては他方の幾何異性体であるシス体もこのトランス
体と同様に使用でき、反応に供することができる。
【0035】化合物(IV)は、例えばアラニンを還元
する等、公知の方法によって容易に調製することができ
る。
【0036】
【化23】
【0037】次に本願発明の製造方法について述べる。
本願発明の製造方法の主要な工程は第3工程である。す
なわち化合物(V)について二段階の閉環反応を、より
好ましくは連続して一気に、実施してピリドベンゾオキ
サジン化合物(VI)を得る工程である。この工程を収
率よく一気に実施するためには、化合物(V)は溶解す
るが、化合物(VI)が溶解しにくい溶媒で実施すれば
よいことが本願発明者の研究から明らかとなった。この
様な溶媒を使用するため、生成した化合物(6)は結晶
として析出し反応系外に出るため分解を受け難く、また
純度よく単離することもできる。なお、『化合物(V
I)が溶解し難い』とは、加熱還流状態でも化合物(V
I)が溶解せずに結晶状態として析出する様な状態であ
る。したがって、『化合物(VI)が溶解し難い溶媒』
との語句は、『化合物(VI)が析出する溶媒』また
は、『化合物(VI)が析出してしまう溶媒』と言い換
えることができる。さらに詳しくは、『還流状態であっ
ても化合物(VI)が析出する溶媒』とも言うことがで
きる。この様な溶媒としては例えば、炭化水素系溶媒、
特にベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
を使用すればよい。この他に使用できる溶媒として、ア
セトニトリル、ブチロニトリル等のアルキルニトリル
類;ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−
ジエトキシエタン等のエーテル類等である。これらの溶
媒は、エステルが切断されないよう、水分を含有しない
無水の状態であることが好ましい。
【0038】本願明細書において、反応を『連続的に一
気に実施する』とは、1工程毎の生成物について単離操
作を加えることなしに次の工程の反応を実施することを
意味する。この単離操作は、単一の化合物の純品を取得
する操作を言うだけでなく、再結晶やカラム処理等を行
う前の粗化合物を取得する操作や、反応混合物を洗浄す
る等して反応試剤や、反応試剤からの反応後生物等を除
去するだけの操作も含める広い概念として解釈される。
【0039】化合物(V)の閉環は塩基性条件下で進行
する。本願発明の製造方法において使用できる塩基とし
ては、相間移動触媒を共存させたアルカリ金属炭酸塩ま
たはアルカリ金属炭酸水素塩を挙げることができる。こ
の他の塩基性条件として、有機強塩基の使用を挙げるこ
とができる。アルカリ金属炭酸塩または炭酸水素塩とし
ては、リチウム、ナトリウム、またはカリウムの塩を挙
げることができる。アルカリ金属の他に、アルカリ土類
金属塩を使用してもよい。これらのうちでは、アルカリ
金属炭酸塩がよく、特に炭酸カリウムがよい。なお、こ
れらの炭酸塩または炭酸水素塩は微粉末状で使用すると
より効果的な場合もある。また、エステルが切断されな
いようなるべく無水である方が好ましい。これら金属塩
の使用量は、1から3当量でよい。
【0040】相間移動触媒としては、テトラアルキルア
ンモニウム化合物(臭化テトラブチルアンモニウム、塩
化テトラノルマルヘキシルアンモニウム)、またはベン
ジルトリアルキルアンモニウム化合物(塩化ベンジルト
エチルアンモニウム、臭化ベンジルトリブチルアンモニ
ウム)他、クラウンエーテル類を使用してもよい。相間
移動触媒の使用量は、0.01から0.1当量である。
【0041】有機強塩基としては、DBU,DBNを挙
げることができる。これらの使用量は、1から4当量で
よい。
【0042】本願の製造法における化合物(V)から化
合物(VI)への閉環の条件としては、 1)芳香族炭化水素系溶媒中、アルカリ金属炭酸塩およ
び相間移動触媒を使用または、 2)アルキルニトリル中、有機強塩基を使用 の組み合せのいずれかの反応条件が好ましい。さらに特
に好ましい反応条件として、 A)キシレン中、炭酸カリウムおよび相間移動触媒、あ
るいは B)アセトニトリル中、DBU との2種類の反応条件を挙げることができる。なお、芳
香族炭化水素系溶媒中、有機強塩基を使用する反応条
件、またはアルキルニトリル中、アルカリ金属炭酸塩お
よび相間移動触媒を使用する反応条件によっても閉環反
応が進行することは言うまでもない。
【0043】化合物(V)から化合物(VI)への閉環
反応はおよそ50℃から使用する溶媒の沸点までの範囲
の温度で実施すればよいが、好ましくは溶媒の沸点の温
度である。
【0044】本願発明の製造方法に含まれる第段階お
よび第段階の工程は、いずれも上記の第段階に連続
して接続する方法として、同一反応容器内で一気に実施
できる。すなわち、先ず化合物(I)および化合物(I
I)の第段階を実施し、さらに化合物(IV)を加え
て第段階の反応を実施し、次いで塩基を加えることに
よって最終の第段階を実行することができる。この場
合において先行する2工程の反応については、第工程
の反応を十分に実施できる条件、特に反応溶媒、を選択
して行えばよい。
【0045】化合物(I)および化合物(II)を反応
させて化合物(III)を得る第段階の反応について
述べる。本工程は、脱酸剤の存在下に実施すればよい
が、脱酸剤としては、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の3級
アミン類を挙げることができる。使用量は十分に塩酸を
捕獲できる量であればよく、例えば1から3当量を使用
すればよい。また、使用する溶媒としては、本反応が進
行するものならばよく、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、
エチレンジクロライド等のハロゲン系溶媒、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ
エタン、ジエトキシエタン等のエーテル系溶媒を例示す
ることができる。反応温度は−5℃から使用する溶媒の
沸点までの範囲で実施すればよい。
【0046】次いで、化合物(III)に化合物(I
V)を反応させて化合物(V)を得る第段階の反応に
ついて述べる。本工程は、ジエチルアミノ基との交換反
応であり、中性または塩基性条件下で速やかに進行す
る。溶媒は第段階の反応の溶媒をそのまま用いること
ができるため、特別加える必要がなく、化合物(IV)
を添加するだけで進行する。化合物(IV)の使用量は
化合物(III)が十分に反応する量であればよく、1
から2当量を使用すればよい。反応温度は−5℃から使
用する溶媒の沸点までの範囲で実施すればよい。
【0047】
【実施例】以下に本願発明を、実施例を挙げてさらに詳
細に説明する。
【0048】
【化24】
【0049】[反応例1]ジメチルアミノアクリレート
(2)(0.67g)に,o−キシレン(2ml)およ
びトリエチルアミン(0.79ml)を加えて外温50
℃で加温した。ここへ酸クロライド(1)(0.65m
l)を2分間かけて添加してそのまま1時間撹拌した。
HPLCにて化合物(3)の生成を確認した後反応液を
室温まで冷却した。室温下、L−アラニノール(4)
(0.37ml)を5分かけて添加してそのまま1時間
撹拌した。HPLCにて化合物(5)の生成を確認した
後、反応液に炭酸カリウム(1.3g)、テトラn−ブ
チルアンモニウムブロミド(0.08g)およびo−キ
シレン(18ml)を加え、外温140℃にて3時間加
熱還流した。反応終了後反応液を室温まで冷却し、析出
した結晶を濾過して酢酸エチルにて洗浄して乾燥し、化
合物(6)の粗晶(2.43g)を得た。本粗晶は水に
懸濁した後、クロロホルム(100ml)にて抽出し、
抽出液を水洗後、炭酸カリウムにて乾燥した。減圧下溶
媒を留去後、残留物をクロロホルム−イソプロピルアル
コールにて再結晶を行い結晶を集めた。60℃にて3時
間減圧乾燥して化合物(6)0.79g(54.1%)
を得た.
【0050】[反応2]ジメチルアミノアクリレート
(2)(0.67g)に,トルエン(1ml)およびト
リエチルアミン(0.79ml)を加えて外温60℃で
加温した。ここへ酸クロライド(1)(0.65ml)
を10分間かけて添加してそのまま1時間撹拌した。H
PLCにて化合物(3)の生成を確認後、反応液を冷却
して室温下、L−アラニノール(0.37ml)を5分
かけて添加後、そのまま1時間撹拌した。HPLCにて
化合物(5)の生成を確認後、反応液の水洗を3回行っ
た後乾燥し、減圧下溶媒を留去して油状の化合物(5)
1.73gを得た。得られた油状物にo−キシレン(1
0ml)、炭酸カリウム(0.98g)およびテトラn
−ブチルアンモニウムブロミド(0.08g)を加え、
外温140℃にて4時間加熱還流を行った。反応終了
後、室温まで冷却して析出した結晶を濾過して、酢酸エ
チルにて洗浄して化合物(6)の粗晶を得た。本粗晶は
水に懸濁後、クロロホルム(150ml)にて抽出し、
抽出液を水洗した。抽出液を炭酸カリウムにて乾燥し、
減圧下溶媒を留去して残留物をクロロホルム−イソプロ
ピルアルコールにて再結晶した。集めた結晶を酢酸エス
テル−イソプロピルアルコールにて洗浄後、60℃にて
3時間減圧乾燥し,化合物(6)0.75g(51.4
%)を得た。
【0051】[反応例3]ジメチルアミノアクリレート
(2)(0.67g)に,アセトニトリル(2ml)お
よびトリn−プロピルアミン(0.98ml)を加え、
外温50℃で加温した。ここへ酸クロライド(1)
(0.65ml)を1分間かけて添加してそのまま1時
間撹拌した。HPLCにて化合物(3)の生成を確認
後、反応液を冷却した。ここへ室温下、L−アラニノー
ル(0.37ml)を5分かけて添加してそのまま1時
間撹拌した。HPLCにて化合物(5)の生成を確認
後、DBU(1.4ml)およびアセトニトリル(8m
l)を加えて外温100℃にて4時間加熱還流を行っ
た。ここで,DBU(0.35ml)をさらに添加し、
さらに16時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室
温まで冷却して反応液に水(7.5ml)を添加した。
5℃にて1時間放置した後、析出した結晶を集め、イソ
プロピルアルコールと水にて洗浄して60℃にて2時間
減圧乾燥し、化合物(6)0.64g(43.6%)を
得た。
【0052】[反応例4]ジメチルアミノアクリレート
(2)(1.35g)に,トルエン(1ml)およびト
リエチルアミン(1.56ml)を加え、外温50℃で
加温した。ここへ酸クロライド(1)(1.27ml)
を4分間かけて添加し、そのまま1時間撹拌した。HP
LCにて化合物(3)の生成を確認後、反応液を冷却し
た。室温下、L−アラニノール(0.73ml)を10
分かけて添加後,そのまま1時間撹拌した。HPLCに
て化合物(5)の生成を確認後、反応液にトルエンを加
え、水洗を2回行って乾燥した。減圧下溶媒を留去して
油状残留物3.50gを得た。油状残留物にDBU
(1.83ml)およびアセトニトリル(20ml)を
加え、外温100℃にて3時間加熱還流した。室温にて
3時間冷却後、5℃にて2時間放置して析出した結晶を
濾過し、イソプロピルアルコール−水にて洗浄した。6
0℃にて2時間減圧乾燥し、化合物(6)1.90g
(65.2%)を得た。
【0053】
【発明の効果】本願発明の製造方法によってキノロン化
合物の製造中間体を収率、純度いずれも良好に製造する
ことができることがあきらかとなった。しかも一連の反
応を、同一容器内のいわゆるワンポットでの反応として
実施でき、工程が進む毎に反応試剤や溶媒等を追加して
いくだけで目的化合物を製造することができ、操作面で
も効率的に実施できることが判明した。したがって本願
発明の方法は工業的な製造方法として優れている。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の、およびの3工程からなる、
    式(VI)で表される化合物の製造方法; (工程1):式(I) 【化1】 で表される化合物に、式(II) 【化2】 (式中、Rは、炭素数1から6のアルキル基、置換基を
    有していてもよいアリール基、または炭素数1から6の
    アルキレン基とアリール基とから構成されるアラルキル
    基を表すが、このアラルキル基はさらに1または2以上
    の置換基を有していてもよい。R1およびR2は、各々独
    立に、炭素数1から6のアルキル基、置換基を有してい
    てもよいアリール基、または炭素数1から6のアルキレ
    ン基とアリール基とから構成されるアラルキル基を表す
    か、R1およびR2は一体化してポリアルキレン鎖を形成
    し、これらが結合している窒素原子を含んで4から8員
    環の環状構造を形成してもよく、この様にして形成され
    た環状構造の基はさらに炭素数1から6のアルキル基1
    または2以上を有していてもよい。)で表される化合物
    を反応させ、式(III) 【化3】 (式中、R、R1およびR2は、先の定義の通りであ
    る。)で表される化合物を得る工程; (工程2):式(III)で表される化合物に、式
    (IV) 【化4】 で表される化合物を反応させ、式(V) 【化5】 (式中、Rは、先の定義の通りである。)で表される化
    合物を得る工程; (工程3):式(V)の化合物を閉環して、式(V
    I) 【化6】 (式中、Rは、先の定義の通りである。)で表される化
    合物を得る工程.
  2. 【請求項2】 、およびの各工程を、同一の容器
    で連続的に行う請求項1に記載の製造方法
  3. 【請求項3】 各工程の反応が、化合物(VI)が溶解
    し難い溶媒中で行われるものである請求項1または2に
    記載の製造方法
  4. 【請求項4】 反応溶媒が、芳香族炭化水素およびアル
    キルニトリルからなる群の化合物から選ばれるものであ
    る請求項3に記載の製造方法
  5. 【請求項5】 反応溶媒が、芳香族炭化水素である請求
    項4に記載の製造方法
  6. 【請求項6】 反応溶媒が、ベンゼン、トルエン、また
    はキシレンである請求項5に記載の製造方法
  7. 【請求項7】 反応溶媒がキシレンである請求項6に記
    載の製造方法
  8. 【請求項8】 第工程において使用する塩基性条件
    が、相間移動触媒存在下のアルカリ金属炭酸塩からなる
    ものである請求項7に記載の製造方法
  9. 【請求項9】 アルカリ金属炭酸塩が、炭酸カリウムで
    ある請求項8に記載の製造方法
  10. 【請求項10】 相間移動触媒が、テトラアルキルアン
    モニウム化合物、ベンジルトリアルキルアンモニウム化
    合物およびクラウンエーテル類から選ばれる化合物であ
    る請求項9に記載の製造方法
  11. 【請求項11】 相間移動触媒が、臭化テトラブチルア
    ンモニウム、塩化テトラノルマルヘキシルアンモニウ
    ム、塩化ベンジルトエチルアンモニウム、臭化ベンジル
    トリブチルアンモニウム、または18−クラウン−6で
    ある請求項10に記載の製造方法
  12. 【請求項12】 相間移動触媒が、臭化テトラブチルア
    ンモニウムである請求項10に記載の製造方法
  13. 【請求項13】 反応溶媒が、アルキルニトリルである
    請求項4に記載の製造方法
  14. 【請求項14】 反応溶媒が、アセトニトリルである請
    求項13に記載の製造方法
  15. 【請求項15】 第工程において使用する塩基が、有
    機塩基である請求項14に記載の製造方法
  16. 【請求項16】 有機塩基が、有機強塩基である請求項
    15に記載の製造方法
  17. 【請求項17】 有機塩基が、DBUまたはDBNであ
    る請求項15に記載の製造方法
  18. 【請求項18】 有機塩基が、DBUである請求項15
    に記載の製造方法
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102627553A (zh) * 2012-03-21 2012-08-08 浙江沙星医药化工有限公司 一种2,3,4,5-四氟苯甲酰氯的制备方法
CN110372724A (zh) * 2019-08-09 2019-10-25 内蒙古源宏精细化工有限公司 一种左氧氟沙星环合酯的制备方法

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