JP2001172021A - 酸化鉄の製造方法および製造設備 - Google Patents

酸化鉄の製造方法および製造設備

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板の酸洗工程において発生する廃塩酸など
の塩化鉄含有塩酸水溶液を原料として、設備の配管、ス
プレーノズルなどの閉塞を防止し、廃棄物を生じること
なく、歩留りに優れた方法で酸化鉄を製造することが可
能な酸化鉄の製造方法および酸化鉄製造設備の提供。 【解決手段】 塩化鉄含有塩酸水溶液に金属鉄および/
または鉄化合物を添加し該水溶液のpHを2〜4に調整し
た後、酸素含有気体およびアルカリ剤と接触せしめ、得
られた水溶液を固液分離し、固液分離後の分離液を焙焼
して酸化鉄および塩酸を製造、回収する一方、固液分離
後の残渣に塩酸を添加し固形分を溶解した後、得られた
溶解液を、上記した分離液の焙焼とは別個に焙焼して酸
化鉄および塩酸を製造、回収する酸化鉄の製造方法、お
よび酸化鉄製造設備。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板の酸洗工程に
おいて発生する廃塩酸などの塩化鉄含有塩酸水溶液から
歩留りに優れた方法で酸化鉄を製造することが可能な酸
化鉄の製造方法および酸化鉄製造設備に関し、本発明に
よれば、安定した操業で廃棄物を生じることなく前記廃
塩酸などの塩化鉄含有塩酸水溶液から酸化鉄を製造する
ことが可能である。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼板の酸洗工程で発生する塩化鉄
含有塩酸水溶液である廃塩酸は、濃縮、焙焼して、フェ
ライト原料用酸化鉄などとして有効活用される。図6
に、従来の廃塩酸を原料とする酸化鉄製造設備を示す。
図6において、1は焙焼炉、2は酸素を含有する火炎お
よび/または加熱された気体(:熱風)4の吹込み装
置、3は熱風吹込み口、5は旋回流、6は塩化鉄含有塩
酸水溶液(以下塩化鉄含有廃塩酸とも記す)、7はスプ
レーヘッダ、8は洗浄塔(濃縮塔)、9はサイクロン、
10は焙焼炉1の高温排ガス出口、11は吸収塔、12は回収
塩酸貯槽、13は送液ポンプ、14は焙焼炉胴部炉内温度
計、15、16は酸化鉄、17は燃料、18は燃焼用空気、19は
水、20は排ガス、f1は塩化鉄含有廃塩酸の濃縮液の送液
方向、f2は焙焼炉1の高温排ガスの流れ方向、f3は排ガ
スの流れ方向、f4は回収塩酸の送液方向を示す。
【0003】図6に示す酸化鉄製造設備においては、下
記工程によって、酸化鉄を製造すると共に塩酸を回収す
る。すなわち、鋼板酸洗工程において発生する塩化鉄含
有廃塩酸6は、洗浄塔(濃縮塔)8において焙焼炉1か
らの高温排ガスと熱交換し濃縮された後、送液ポンプ13
によって焙焼炉1に送液され、焙焼炉1の頂部からスプ
レーヘッダ7によって焙焼炉1内に噴霧される。
【0004】焙焼炉1内では熱風4が旋回流5を形成し
ており、下記反応式(1) 、(2) に従って酸化鉄と塩化水
素を生成する。 2FeCl2+(1/2)O2+2H2O →Fe2O3+4HCl………(1) 2FeCl3+3H2O →Fe2O3+6HCl…………………(2) 生成した酸化鉄は、焙焼炉1の下部から回収されると共
に、熱風気流中に同伴された酸化鉄はサイクロン9で回
収され、回収された酸化鉄は、フェライト原料用酸化鉄
などとして有効活用される。
【0005】また、酸化鉄が除去、回収された焙焼炉1
の高温排ガスは、洗浄塔8において塩化鉄含有廃塩酸6
と熱交換された後、吸収塔11に導入され、吸収塔11の頂
部から噴霧される水と接触し、塩化水素が吸収、除去さ
れ、塩酸が回収される。一方、鋼板酸洗工程において発
生する塩化鉄含有廃塩酸は、SiO2、Al、Crなどの不純物
を含有し、不純物含有量の多い酸洗廃液を濃縮、焙焼し
て得られた酸化鉄はハードフェライト原料用酸化鉄、触
媒用酸化鉄、ベンガラ塗料用酸化鉄として用いることは
できるが、ソフトフェライト原料用酸化鉄などの高純度
酸化鉄として用いることができず用途が限定される。
【0006】このため、従来、高純度酸化鉄を製造する
場合、事前に酸洗廃塩酸中のSiO2などの不純物を沈降分
離法、濾過法などによって除去した後、焙焼する方法が
採用されている。また、上記した方法の場合、分離除去
された不純物を含む残渣は、中和後埋立、中和後脱水埋
立もしくは中和焼却後埋立によって処理されていた。
【0007】しかし、この場合、アルカリ中和工程が必
要であり、何ら副産物の生成もなく、また、地球環境の
観点からも廃棄物を埋立処理するこれら従来技術は工業
上優れた方法とはいえない。上記した問題点を解決する
方法として、特開平1−208331号公報において、酸洗廃
液中の不純物を凝集沈澱などによって除去し、処理後の
酸洗廃液を焙焼し高純度の酸化鉄を回収すると共に、回
収工程で副生する不純物の濃化したブロー液から低純度
の酸化鉄を回収するフェライト用酸化鉄の製造方法が開
示されている。
【0008】しかしながら、上記したブロー液は、ゲー
サイトなどの未溶解鉄分を多量に含んでおり、焙焼炉で
噴霧焙焼を行う酸化鉄の製造方法においては、その未溶
解鉄分およびその他の固形分が、配管の閉塞、スプレー
ノズルの閉塞を招き、安定操業が行えないという問題点
がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、鋼板の酸洗工程において発生
する廃塩酸などの塩化鉄含有塩酸水溶液から歩留りに優
れた方法で酸化鉄を製造することが可能な酸化鉄の製造
方法および酸化鉄製造設備を提供することを目的とす
る。
【0010】また、本発明は、配管、スプレーノズルな
どの閉塞を防止し、安定した操業で、廃棄物を生じるこ
となく前記廃塩酸などの塩化鉄含有塩酸水溶液から酸化
鉄を製造することが可能な酸化鉄の製造方法および酸化
鉄製造設備を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、塩化鉄含
有塩酸水溶液を焙焼炉で焙焼し酸化鉄を製造すると共
に、焙焼炉の排ガスを水に吸収せしめて塩酸を回収する
酸化鉄の製造方法において、予め、前記塩化鉄含有塩酸
水溶液に金属鉄および/または鉄化合物を添加し該水溶
液のpHを2〜4に調整した後、得られた水溶液を、酸素
含有気体およびアルカリ剤と接触せしめ、得られた水溶
液を固液分離し、固液分離後の分離液を焙焼して酸化鉄
および塩酸を製造、回収する一方、前記固液分離後の残
渣に塩酸を添加し固形分を溶解した後、得られた溶解液
を、上記した分離液の焙焼とは別個に焙焼して酸化鉄お
よび塩酸を製造、回収することを特徴とする酸化鉄の製
造方法である。
【0012】前記した第1の発明においては、前記した
固液分離後の残渣に添加する塩酸の温度が50〜100 ℃で
あることが好ましい(第1の発明の第1の好適態様)。
また、前記した第1の発明、第1の発明の第1の好適態
様においては、前記した固液分離後の残渣に添加する塩
酸の濃度が10質量百分率以上(以下、質量百分率を%と
記す)であることが好ましく、さらには12〜35%である
ことがより好ましい(第1の発明の第2の好適態様、第
3の好適態様)。
【0013】また、前記した第1の発明、第1の発明の
第1の好適態様〜第3の好適態様においては、前記した
固液分離後の残渣に添加する塩酸の添加量が、容積比
で、残渣:100 に対して40〜120 であることが好ましい
(第1の発明の第4の好適態様〜第7の好適態様)。ま
た、前記した第1の発明、第1の発明の第1の好適態様
〜第7の好適態様においては、前記した固液分離後の残
渣に添加する塩酸が、前記した酸化鉄の製造方法で得ら
れた回収塩酸であることが好ましい(第1の発明の第8
の好適態様〜第15の好適態様)。
【0014】さらに、前記した第1の発明、第1の発明
の第1の好適態様〜第15の好適態様の酸化鉄の製造方法
は、前記した溶解液を、前記した分離液の焙焼とは別個
に焙焼する際の焙焼法が噴霧焙焼法である酸化鉄の製造
方法として好適に適用される。第2の発明は、塩化鉄含
有塩酸水溶液を焙焼する焙焼炉1と、該焙焼炉1から排
出される塩化水素を水と接触せしめ塩酸を回収する吸収
塔11を有する酸化鉄製造設備であって、前記塩化鉄含有
塩酸水溶液の前処理設備として、前記塩化鉄含有塩酸水
溶液に金属鉄および/または鉄化合物を添加、混合する
鉄添加、混合装置30と、該鉄添加、混合装置30で得られ
た水溶液にアルカリを添加し、酸素含有気体を吹き込む
アルカリ添加、酸化装置32と、該アルカリ添加、酸化装
置32で処理された水溶液の固液分離装置33と、該固液分
離装置33で得られた分離液を前記焙焼炉1に送液するた
めの送液系統37と、前記固液分離装置33で得られた残渣
へ塩酸を添加し固形分を溶解する溶解装置34と、該溶解
装置34で得られた溶解液を貯液する貯液槽35と、該貯液
槽35の溶解液を前記焙焼炉1に送液するための送液系統
38とから構成される前処理設備を有することを特徴とす
る酸化鉄製造設備である。
【0015】前記した第2の発明の酸化鉄製造設備にお
いては、前記吸収塔11で回収された塩酸を前記溶解装置
34へ送液するための送液系統39を有することが好ましい
(第2の発明の好適態様)。前記した第2の発明、第2
の発明の好適態様の酸化鉄製造設備においては、前記焙
焼炉1が、前記分離液または溶解液を噴霧焙焼するため
のスプレーヘッダ7を配設した焙焼炉であることが好ま
しい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは、前記した従来技術の問題点を解決
するために鋭意検討した結果、鋼板の酸洗工程において
発生する廃塩酸中のSiO2、Al、Crなどの不純物を分離・
除去し、分離液(以下、清浄廃塩酸とも記す)および残
渣を得、清浄廃塩酸を焙焼し、高純度酸化鉄を製造する
一方、鉄分および不純物を含有する残渣に塩酸を添加
し、残渣中の鉄含有不溶解物(以下、固形分とも記す)
を溶解し、得られた溶解液を上記した清浄廃塩酸の焙焼
とは別個に焙焼することによって、廃塩酸から歩留りに
優れた方法で酸化鉄を製造することが可能であることを
見出し、本発明に到った。
【0017】以下、本発明の酸化鉄製造設備、酸化鉄の
製造方法を、図面に基づいて説明する。 〔I.酸化鉄製造設備:〕図1に、本発明の酸化鉄製造設
備の一例を、工程図(側面図)によって示す。図1にお
いて、30は鉄添加、混合装置、31は鉄分離槽、32はアル
カリ添加、酸化装置、33は固液分離装置、34は溶解装
置、35は貯液槽、36はフィルタ、37、38、39は送液系
統、40は金属鉄および/または鉄化合物、41はアルカリ
剤、42は酸素含有気体、43、44は攪拌装置、45は鉄添
加、混合装置に金属鉄および/または鉄化合物40を供給
する鉄供給装置、46はアルカリ添加、酸化装置にアルカ
リ剤41を供給するアルカリ供給装置、47は弁を示し、そ
の他の符号は図6と同様の内容を示す。
【0018】すなわち、本発明の酸化鉄製造設備は、下
記(1) 〜(3) で構成されている。 (1) 焙焼炉:本発明においては、下記〜の水溶液も
しくはそれらの混合溶液を、焙焼炉1で、O2を含有する
熱風によって焙焼(:酸化焙焼)する。 後記する固液分離装置33で得られる分離液(清浄廃塩
酸) 後記する溶解装置34で得られる溶解液 塩化鉄含有塩酸水溶液(:塩化鉄含有廃塩酸) 塩化鉄含有塩酸水溶液(:塩化鉄含有廃塩酸)の濃縮
液 本発明においては、焙焼炉1の胴部炉内温度を420 〜95
0 ℃に設定することが好ましい。
【0019】胴部炉内温度が420 ℃未満の場合、前記し
た反応式(1) 、(2) における反応速度が遅く、胴部炉内
温度が950 ℃を超える場合は過剰の燃料を要すると共
に、設備の劣化が進むため好ましくない。また、本発明
においては、焙焼炉1が、前記した〜の水溶液もし
くはそれらの混合溶液を噴霧焙焼するためのスプレーヘ
ッダ7を配設した焙焼炉であることが好ましい。
【0020】(2) 吸収塔:焙焼炉1から排出される塩化
水素含有ガス(排ガス)を水と接触せしめ塩酸を回収す
る吸収塔11 (3) 焙焼炉へ送液する塩化鉄含有塩酸水溶液の前処理設
備:本前処理設備は、下記〜の装置、貯液槽および
送液系統で構成され、それぞれ下記機能を有している。
【0021】鉄添加、混合装置:塩化鉄含有塩酸水溶
液に金属鉄および/または鉄化合物を添加、混合する鉄
添加、混合装置30本発明においては、金属鉄として、例
えば、スクラップ、鉄粉などを用いることができ、また
鉄化合物としては製鉄所で発生するミルスケールなどを
用いることができる。
【0022】鉄添加、混合装置においては、好ましくは
金属鉄添加によって下記反応式(3)に従って塩化第2鉄
を塩化第1鉄に還元し、塩化鉄含有塩酸水溶液のpHを上
昇せしめ、後工程のアルカリ添加、酸化装置32における
水酸化第2鉄およびゲーサイト(Fe00H)の形成を促進す
る。 2FeCl3+Fe→3FeCl2………(3) 鉄添加、混合装置においては、金属鉄および/または鉄
化合物の添加によって、水溶液のpHを2〜4に調整する
ことが好ましい。
【0023】水溶液のpHが2未満の場合、後工程のアル
カリ添加、酸化装置32および固液分離装置33における水
酸化第2鉄およびゲーサイト(Fe00H)の形成およびこれ
らの化合物と不純物との共沈による不純物の除去が不十
分となる。水溶液のpHが4を超える場合、上記した後工
程においてゲーサイトが過剰に沈澱し、固液分離装置33
で得られる残渣の量が増加し、残渣の処理の負荷が増加
し経済的でない。
【0024】鉄分離槽:塩化鉄含有塩酸水溶液から余
剰の金属鉄、鉄化合物を分離する鉄分離槽31 アルカリ添加、酸化装置:本発明において用いるアル
カリ剤の種類は特に制限されるものではないが、後記す
る分離液(:清浄廃塩酸)、溶解液の焙焼によって得ら
れる酸化鉄中に残留しないアルカリ剤を用いることが好
ましく、アンモニア水などを用いることが好ましい。
【0025】なお、アルカリ添加、酸化装置においては
塩化鉄含有塩酸水溶液中にアンモニアガスを直接吹き込
んでもよい。アルカリ添加、酸化装置32においては、例
えばアルカリ剤としてアンモニア水を用いた場合、下記
反応式(4) 、(5) に従って水酸化第2鉄およびゲーサイ
トが生成する。
【0026】 FeCl3 +3NH4OH→Fe(OH)3 ↓+3NH4Cl……………………(4) FeCl2 +1/4O2 +1/6H2O→1/3FeOOH↓+2/3FeCl3………(5) 本アルカリ添加、酸化装置において用いる酸素含有気体
としては、空気、酸素、酸素富化空気などを用いること
ができる。なお、本アルカリ添加、酸化装置は、塩化鉄
含有塩酸水溶液中にアルカリ剤を添加した状態で酸素含
有気体と接触せしめることが好ましいが、上記した反応
式(4) 、(5) に示されるように、塩化鉄含有塩酸水溶液
を酸素含有気体と接触せしめた後、アルカリ剤と接触せ
しめてもよく、塩化鉄含有塩酸水溶液をアルカリ剤と接
触せしめた後、酸素含有気体と接触せしめることも可能
である。
【0027】固液分離装置:固液分離装置33において
は、水酸化第2鉄およびゲーサイトの沈澱が形成される
と共に、沈澱中にSiO2、Al、Cr、Pなどの不純物が共沈
し、スラリー状あるいはスラッジ状あるいはケーキ状の
残渣として分離される。不純物が除去された分離液(:
清浄廃塩酸)は、焙焼炉1へ送液され、高純度酸化鉄が
製造され塩酸が回収される。
【0028】また、残渣は、下記する溶解装置34におい
て塩酸を添加することによって固形分(鉄含有不溶解
物、すなわち水酸化第2鉄、ゲーサイトとAl、Crなどと
の共沈物)が溶解され、得られた溶解液は、上記した清
浄廃塩酸とは別個に焙焼して酸化鉄を製造し、塩酸を回
収する。なお、固液分離装置33としては、シックナーな
どの沈降分離装置が好ましいが、アルカリ添加、酸化装
置における水酸化第2鉄、ゲーサイトの析出、不純物の
吸着(共沈)が十分進行する場合は、濾過装置、遠心分
離機を用いてもよく、またこれらを併用してもよい。
【0029】溶解装置:固液分離装置33で得られた残
渣へ塩酸を添加し、残渣中の鉄含有不溶解物(:固形
分)を溶解する溶解装置34本発明においては、固液分離
装置33で得られたスラリー状の残渣あるいはスラッジ状
の残渣あるいはケーキ状の残渣へ塩酸を添加し、残渣中
の固形分を溶解し、得られた溶解液を、清浄廃塩酸の焙
焼とは別個に焙焼する。
【0030】(塩酸の温度:)固液分離後の残渣に添加
する塩酸の温度は、50〜100 ℃であることが好ましい。
塩酸の温度が50℃未満の場合、残渣中の鉄含有不溶解物
(:固形分)の溶解時間が長くなり、生産性が劣り、塩
酸の温度が100 ℃を超える場合、固形分の溶解時間の短
縮効果が実用上飽和し、経済的でない。
【0031】(塩酸の濃度:)固液分離後の残渣に添加
する塩酸の濃度は、10%(質量百分率)以上であること
が好ましく、さらには12〜35%(質量百分率)であるこ
とがより好ましい。塩酸の濃度が10%未満の場合、残渣
中の固形分の溶解が不十分となり、酸化鉄製造設備の配
管、焙焼炉のスプレーノズルなどの閉塞が生じ、安定し
た操業を達成することができない。
【0032】(塩酸の添加量:)表1に、塩酸の添加量
を変えて行った残渣の溶解試験結果を示す。なお、試験
条件は下記の通りである。 〔溶解試験試験条件:〕 (残渣:) 固液分離装置(シックナー)33で分離後のスラリー状の
残渣 鉄濃度:26g/100cm3- スラリー 供試スラリー温度:60℃ (塩酸:) 酸化鉄製造設備における回収塩酸 塩酸濃度:18% 供試塩酸温度:80℃(回収塩酸貯槽12から抜き出した塩
酸で、非加熱) 表1に示されるように、固液分離後の残渣に添加する塩
酸の添加量は、容積比で、好ましくは残渣:100 に対し
て40〜120 であり、さらに好ましくは容積比で、残渣:
100 に対して50〜110 である。
【0033】塩酸の添加量が、容積比で、残渣:100 に
対して40未満の場合、残渣中の鉄含有不溶解物(:固形
分)の溶解が不十分となり、酸化鉄製造設備の配管、焙
焼炉のスプレーノズルなどの閉塞が生じ易く、安定した
操業を達成し難い。塩酸の添加量が、容積比で、残渣:
100 に対して120 を超える場合、残渣中の鉄含有不溶解
物(:固形分)の溶解効果が実用上飽和し、経済的でな
い。
【0034】本発明においては、固液分離後の残渣に添
加する塩酸として、本発明の酸化鉄の製造方法、製造設
備で得られた回収塩酸を用いることが特に好ましい。こ
れは、本発明の酸化鉄の製造方法、製造設備で得られた
回収塩酸が、前記した塩酸の好適な温度範囲、濃度範囲
を満足するため、塩酸温度、塩酸濃度を調節するための
付帯設備が不要となるためである。
【0035】本発明によれば、残渣の溶解に使用した塩
酸が、焙焼炉で塩化水素となり、吸収塔11で塩酸として
回収されるため、薬剤が有効に活用されるという優れた
効果が得られる。 貯液槽:本発明の酸化鉄製造設備においては、溶解装
置34で得られた溶解液を貯液する貯液槽35を配設する。
【0036】これは、ソフトフェライト原料用酸化鉄の
規格を満足する高純度酸化鉄および不純物に対する制限
条件が少ない酸化鉄(例えばハードフェライト原料用、
触媒用、ベンガラ塗料用などの酸化鉄)の両者を製造
し、廃塩酸から歩留りに優れた方法で酸化鉄を製造し、
廃棄物の埋立処理を伴うことなく、資源を有効に活用す
るためである。
【0037】すなわち、本発明の酸化鉄製造設備におい
ては、固液分離装置33で分離後の分離液を焙焼して高純
度酸化鉄および塩酸を製造、回収する一方、分離後の残
渣を塩酸で溶解して得た溶解液を貯液槽35に貯液し、高
純度酸化鉄の製造が終了した後、貯液槽35から溶解液を
抜き出し、送液系統38を経由して焙焼炉1へ送液し焙焼
して酸化鉄および塩酸を製造、回収する。
【0038】送液系統: −1:固液分離装置33で得られた分離液(:清浄廃塩
酸)を焙焼炉1に送液するための送液系統37 −2:貯液槽35の溶解液を焙焼炉1に送液するための
送液系統38 なお、送液系統38には、塩酸添加時の未溶解分を除去す
るためのフィルタ36を配設してもよい。
【0039】−3:本発明の酸化鉄製造設備において
は、吸収塔11で回収された塩酸を溶解装置34へ送液する
ための送液系統39を配設することが好ましい。これは、
前記したように、本発明によれば、溶解装置34において
用いる塩酸として酸化鉄製造設備で回収した塩酸を何ら
処理を施すことなく有効に利用できるためである。
【0040】また、本発明の酸化鉄製造設備において
は、図1に例示するように、前記した送液系統37、38、
39に送液のための送液ポンプを設けることが好ましい。
【0041】
【表1】
【0042】〔II. 酸化鉄の製造方法:〕前記した図1
に本発明の酸化鉄製造設備の一例を示したが、本発明の
酸化鉄の製造方法においては、図1に例示した酸化鉄製
造設備を用い、下記の2つの製造方法で酸化鉄を製造
し、塩酸を回収することができる。 1.高純度酸化鉄の製造方法:塩化鉄含有塩酸水溶液から
不純物を除去し、得られた水溶液(:清浄廃塩酸)を焙
焼し、高純度酸化鉄を製造し、塩酸を回収する。
【0043】2.固液分離後の残渣からの酸化鉄の製造方
法:塩化鉄含有塩酸水溶液から不純物を除去する際に得
られた残渣は、塩酸を添加し、残渣中の鉄分および不純
物を溶解し、得られた溶解液を、不純物に対する制限条
件が少ない酸化鉄(低純度酸化鉄)の製造に用いる。す
なわち、塩酸によって残渣中の鉄分および不純物を溶解
して得られた溶解液を、焙焼炉を用いて焙焼し酸化鉄を
製造する。
【0044】なお、同一の焙焼炉を用いて、上記した高
純度酸化鉄および低純度酸化鉄の両者を製造する場合
は、残渣中の鉄分および不純物を溶解して得られた溶解
液は貯液槽に貯液し、高純度酸化鉄製造後に溶解液を同
一の焙焼炉を用いて焙焼し酸化鉄を製造する。以下、上
記した1.高純度酸化鉄の製造方法および2.固液分離後の
残渣からの酸化鉄の製造方法について図面に基づいて説
明する。
【0045】〔1.高純度酸化鉄の製造方法:〕図2に、
高純度酸化鉄の製造方法の一例を、工程図(側面図)に
よって示す。なお、図2おいて、f5は塩化鉄含有塩酸溶
液(:塩化鉄含有廃塩酸)の送液方向、f6は分離液(:
清浄廃塩酸)の送液方向、f7は残渣の送給方向、f8は溶
解液の送液方向を示し、その他の符号は図1、図6と同
一の内容を示す。
【0046】また、図2おいて、送液方向などの矢印を
付したラインが、稼働中のラインを示す。すなわち、先
ず、塩化鉄含有塩酸水溶液(:塩化鉄含有廃塩酸)6
は、洗浄塔(:濃縮塔)8で焙焼炉1の高温排ガスとの
熱交換によって濃縮された後、鉄添加、混合装置30、鉄
分離槽31、アルカリ添加、酸化装置32、固液分離装置33
によって不純物が除去され清浄化される。
【0047】得られた分離液である清浄廃塩酸は焙焼炉
1へ送液され焙焼され高純度酸化鉄が製造されると共
に、焙焼炉1の高温排ガスは洗浄塔8を経由して吸収塔
11へ送給され、排ガス中の塩化水素が塩酸として回収さ
れる。一方、固液分離装置33で得られた残渣は溶解槽34
へ送給され、残渣中の鉄含有不溶解物(:固形分)が、
回収塩酸貯槽12から送液される塩酸によって溶解する。
【0048】得られた溶解液は貯液槽35へ送液され貯液
され、高純度酸化鉄製造後の酸化鉄(低純度酸化鉄)の
製造用原料として用いられる。次に、図3に、高純度酸
化鉄の製造方法の他の一例を、工程図(側面図)によっ
て示す。なお、図3おける各符号は図1、図2、図6と
同一の内容を示す。
【0049】また、図3おいて、送液方向などの矢印を
付したラインが、稼働中のラインを示す。図3に示す高
純度酸化鉄の製造方法においては、塩化鉄含有塩酸水溶
液(:塩化鉄含有廃塩酸)6を、洗浄塔(:濃縮塔)8
を経由せず、直接、鉄添加、混合装置30、鉄分離槽31、
アルカリ添加、酸化装置32、固液分離装置33に送液し、
不純物を除去し清浄化した後、焙焼し、高純度酸化鉄を
製造し、塩酸を回収する。
【0050】一方、固液分離装置33で得られた残渣は溶
解槽34へ送給され、残渣中の鉄含有不溶解物(:固形
分)が、回収塩酸貯槽12から送液される塩酸によって溶
解する。得られた溶解液は貯液槽35へ送液され貯液さ
れ、高純度酸化鉄製造後の酸化鉄(低純度酸化鉄)の製
造用原料として用いられる。
【0051】〔2.固液分離後の残渣からの酸化鉄の製造
方法:〕前記したように、固液分離装置33で得られた残
渣は溶解槽34へ送給され、残渣中の鉄含有不溶解物(:
固形分)が、回収塩酸貯槽12から送液される塩酸によっ
て溶解する。得られた溶解液は貯液槽35へ送液され貯液
される。
【0052】図4に、溶解液からの酸化鉄の製造方法の
一例を、工程図(側面図)によって示す。なお、図4お
いて、f9は溶解液の送液方向を示し、その他の符号は図
1〜図3、図6と同一の内容を示す。また、図4おい
て、送液方向などの矢印を付したラインが、稼働中のラ
インを示す。
【0053】すなわち、図4に示す酸化鉄の製造方法に
おいては、前記した高純度酸化鉄の製造において貯液槽
35に貯液された溶解液を抜き出し、溶解液中の固形分
(未溶解分)をフィルタ36で除去した後、焙焼炉1へ送
液し焙焼し酸化鉄を製造すると共に、焙焼炉の高温排ガ
スを洗浄塔8を経由して吸収塔11へ送給し、排ガス中の
塩化水素を塩酸として回収する。
【0054】この結果、高純度酸化鉄の製造時に発生し
た残渣を有効に活用し、廃塩酸から歩留りに優れた方法
で酸化鉄を製造し、廃棄物の埋立処理を伴うことなく、
資源を有効に活用することができる。次に、図5に、溶
解液からの酸化鉄の製造方法の他の一例を、工程図(側
面図)によって示す。
【0055】なお、図5における各符号は図1〜図4、
図6と同一の内容を示す。また、図5において、送液方
向などの矢印を付したラインが、稼働中のラインを示
す。図5に示す酸化鉄の製造方法においては、前記した
図4に示す酸化鉄の製造方法と同様に、貯液槽35に貯液
された溶解液を焙焼炉1へ送液し、酸化鉄の原料として
用いると共に、塩化鉄含有塩酸水溶液(:塩化鉄含有廃
塩酸)6を、洗浄塔(:濃縮塔)8を経由して焙焼炉1
に供給して酸化鉄を製造し、塩酸を回収する。
【0056】この結果、高純度酸化鉄の製造時に発生し
た残渣を有効に活用し、廃塩酸から歩留りに優れた方法
で酸化鉄を製造し、廃棄物の埋立処理を伴うことなく、
資源を有効に活用することができる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。本実施例においては、前記した図1に示す
酸化鉄製造設備を用い、図2、図4に示す酸化鉄の製造
方法によって酸化鉄を製造した。
【0058】〔高純度酸化鉄の製造:〕鋼板の塩酸酸洗
ラインにおいて発生した塩化鉄含有塩酸水溶液(:塩化
鉄含有廃塩酸)6を、洗浄塔(:濃縮塔)8で焙焼炉1
の高温排ガスとの熱交換によって濃縮した後、鉄添加、
混合装置30、鉄分離槽31、アルカリ添加、酸化装置32、
固液分離装置33によって不純物を除去し清浄化した。
【0059】なお、鉄添加、混合装置30においては、金
属鉄(スクラップ)を供給し水溶液のpHを3.0 に調整
し、またアルカリ添加、酸化装置32にはアルカリ剤とし
てアンモニア水を、酸素含有気体として空気を供給し
た。得られた分離液である清浄廃塩酸は焙焼炉1へ送液
し、焙焼炉胴部炉内温度:650℃で噴霧焙焼し、高純度
酸化鉄を製造すると共に、焙焼炉の高温排ガスを洗浄塔
8を経由して吸収塔11へ送給し、排ガス中の塩化水素を
塩酸として回収した。
【0060】〔固液分離後の残渣からの酸化鉄の製
造:〕上記した固液分離装置33で得られたスラリー状の
残渣は、そのままでは配管の閉塞を生じるため焙焼炉1
で噴霧焙焼することができない。このため、溶解槽34に
おいて、上記したスラリー状の残渣中の固形分を、下記
条件下で溶解した。
【0061】〔溶解条件:〕 (残渣:) 固液分離装置(シックナー)33で分離後のスラリー状の
残渣 鉄濃度:26g/100cm3- スラリー 供試スラリー温度:60℃ (塩酸:) 酸化鉄製造設備における回収塩酸 塩酸濃度:18% 供試塩酸温度:80℃(回収塩酸貯槽12から抜き出した塩
酸で、非加熱) 塩酸の添加量:残渣100cm3に対して100cm3の割合で添加 上記で得られた溶解液を、貯液槽35へ送液し貯液した。
【0062】前記した高純度酸化鉄の製造後、貯液槽35
に貯液した溶解液を抜き出し、溶解液中の固形分残分
(未溶解分)をフィルタ36で除去した後、焙焼炉1へ送
液し、焙焼炉胴部炉内温度:700 ℃で噴霧焙焼し、酸化
鉄を製造すると共に、塩酸を回収した。上記で得られた
酸化鉄は、SiO2、Al、Crなどを含有し、ソフトフェライ
ト原料用酸化鉄として使用することはできないが、ハー
ドフェライト原料用酸化鉄、触媒用酸化鉄、ベンガラ塗
料用酸化鉄などとして十分使用可能であり、製鉄原料と
して使用してもよい。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、鋼板の酸洗工程におい
て発生する廃塩酸などの塩化鉄含有塩酸水溶液から歩留
りに優れた方法で酸化鉄を製造することが可能となっ
た。また、本発明によれば、酸化鉄製造設備における配
管、スプレーノズルなどの閉塞を防止し、安定した操業
で酸化鉄を製造することが可能となり、さらには、高純
度酸化鉄の製造時に発生した残渣を活用するため、廃棄
物の埋立処理を伴うことなく、資源を有効に活用するこ
とが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化鉄製造設備の一例を示す工程図
(側面図)である。
【図2】本発明の酸化鉄の製造方法の一例を示す工程図
(側面図)である。
【図3】本発明の酸化鉄の製造方法の一例を示す工程図
(側面図)である。
【図4】本発明の酸化鉄の製造方法の一例を示す工程図
(側面図)である。
【図5】本発明の酸化鉄の製造方法の一例を示す工程図
(側面図)である。
【図6】従来の酸化鉄製造設備を示す工程図(側面図)
である。
【符号の説明】
1 焙焼炉 2 熱風の吹込み装置 3 熱風吹込み口 4 熱風(:酸素を含有する熱風) 5 旋回流 6 塩化鉄含有塩酸水溶液(:塩化鉄含有廃塩酸) 7 スプレーヘッダ 8 洗浄塔(濃縮塔) 9 サイクロン 10 焙焼炉の高温排ガス出口 11 吸収塔 12 回収塩酸貯槽 13 送液ポンプ 14 焙焼炉胴部炉内温度計 15、16 酸化鉄 17 燃料 18 燃焼用空気 19 水 20 排ガス 30 鉄添加、混合装置 31 鉄分離槽 32 アルカリ添加、酸化装置 33 固液分離装置 34 溶解装置 35 貯液槽 36 フィルタ 37、38、39 送液系統 40 金属鉄および/または鉄化合物 41 アルカリ剤 42 酸素含有気体 43、44 攪拌装置 45 鉄供給装置 46 アルカリ供給装置 47 弁 f1 塩化鉄含有廃塩酸の濃縮液の送液方向 f2 焙焼炉の高温排ガスの流れ方向 f3 排ガスの流れ方向 f4 回収塩酸の送液方向 f5 塩化鉄含有塩酸溶液(:塩化鉄含有廃塩酸)の送液
方向 f6 分離液(:清浄廃塩酸)の送液方向 f7 残渣の送給方向 f8、f9 溶解液の送液方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峰村 広幸 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 4G002 AB02 AC01 AC02 AF01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化鉄含有塩酸水溶液を焙焼炉で焙焼し
    酸化鉄を製造すると共に、焙焼炉の排ガスを水に吸収せ
    しめて塩酸を回収する酸化鉄の製造方法において、予
    め、前記塩化鉄含有塩酸水溶液に金属鉄および/または
    鉄化合物を添加し該水溶液のpHを2〜4に調整した後、
    得られた水溶液を、酸素含有気体およびアルカリ剤と接
    触せしめ、得られた水溶液を固液分離し、固液分離後の
    分離液を焙焼して酸化鉄および塩酸を製造、回収する一
    方、前記固液分離後の残渣に塩酸を添加し固形分を溶解
    した後、得られた溶解液を、上記した分離液の焙焼とは
    別個に焙焼して酸化鉄および塩酸を製造、回収すること
    を特徴とする酸化鉄の製造方法。
  2. 【請求項2】 塩化鉄含有塩酸水溶液を焙焼する焙焼炉
    (1) と、該焙焼炉(1) から排出される塩化水素を水と接
    触せしめ塩酸を回収する吸収塔(11)を有する酸化鉄製造
    設備であって、前記塩化鉄含有塩酸水溶液の前処理設備
    として、前記塩化鉄含有塩酸水溶液に金属鉄および/ま
    たは鉄化合物を添加、混合する鉄添加、混合装置(30)
    と、該鉄添加、混合装置(30)で得られた水溶液にアルカ
    リを添加し、酸素含有気体を吹き込むアルカリ添加、酸
    化装置(32)と、該アルカリ添加、酸化装置(32)で処理さ
    れた水溶液の固液分離装置(33)と、該固液分離装置(33)
    で得られた分離液を前記焙焼炉(1) に送液するための送
    液系統(37)と、前記固液分離装置(33)で得られた残渣へ
    塩酸を添加し固形分を溶解する溶解装置(34)と、該溶解
    装置(34)で得られた溶解液を貯液する貯液槽(35)と、該
    貯液槽(35)の溶解液を前記焙焼炉(1) に送液するための
    送液系統(38)とから構成される前処理設備を有すること
    を特徴とする酸化鉄製造設備。
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