JP2001168429A - 固体レーザ発振器 - Google Patents

固体レーザ発振器

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JP2001168429A
JP2001168429A JP34480299A JP34480299A JP2001168429A JP 2001168429 A JP2001168429 A JP 2001168429A JP 34480299 A JP34480299 A JP 34480299A JP 34480299 A JP34480299 A JP 34480299A JP 2001168429 A JP2001168429 A JP 2001168429A
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Shuhei Yamamoto
修平 山本
Yasuharu Koyada
康晴 小矢田
Yoshihito Hirano
嘉仁 平野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな共振領域で高安定に高平均出力を行う
ことができる固体レーザ発振器を得る。 【解決手段】 同軸上で平行に配置された2つの固体レ
ーザロッド4、固体レーザロッドの励起を行う2式の固
体レーザロッドモジュール3、固体レーザロッド4の間
の同軸上に配置された90度旋光子5、固体レーザロッ
ド4の両端に同軸上に配置された2つの熱レンズ補償手
段6、同じく同軸上に熱レンズ補償手段6の両外側に配
置された反射手段7および部分反射手段8により構成さ
れる高平均出力横シングルモード共振器2と、励起モジ
ュール3の駆動電流を発生する励起光源駆動電源21、
電源21の駆動条件を制御する電源電流制御手段22、
駆動条件を設定するパラメータ入力手段により構成され
る励起光源駆動手段20とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固体レーザロッ
ドを用いた固体レーザ発振器に関し、特に、高平均出力
半導体レーザ励起Nd:YAGロッドを用いた高平均出
力横シングルモード共振器を有する固体レーザ発振器に
関する。
【0002】
【従来の技術】横シングルモード発振器において活性媒
質は半導体レーザおよびフラッシュランプ等の励起光源
で励起される。この励起された活性媒質および任意の光
学部品を用い、横シングルモード発振を行うことで、横
シングルモード出力は得られる。活性媒質の励起には多
くの方式があり、そのひとつに端面励起方式がある。
【0003】これは、共振器光軸と略同軸のレーザ媒質
端面から励起を行う励起方式であり、主に半導体レーザ
により励起が行われる。共振器光軸とほぼ略同軸から出
射された半導体レーザの励起光は、活性媒質の励起光の
波長で無反射コートが施された端面にほぼ垂直に入射
し、活性媒質内で吸収されることで、活性媒質の励起を
行う。励起された活性媒質、および、共振器光軸と略同
軸で活性媒質の前後に配置された発振レーザ光の波長に
対して全反射する性質を備えた全反射鏡、発振レーザ光
の波長に対して一部の割合で反射する部分反射鏡、およ
び任意の光学部品で共振器は構成される。励起された活
性媒質でレーザ上位準位に存在する電子が、より安定状
態であるレーザ下準位に遷移する際に放出する光子が、
共振器の全反射鏡、部分反射鏡により周回し、活性媒質
での誘導放出により特定波長のレーザ光の増幅が行わ
れ、その一部が部分反射鏡から出射される。
【0004】端面励起方式においては、半導体レーザの
持つ指向性を利用して、固体レーザ媒質内に、横シング
ルモード共振レーザビームの伝搬領域のみを励起するこ
とで、高効率な横シングルモード発振が可能である。し
かし、半導体レーザにおいて単一のストライプから発生
可能な出力は、半導体レーザ端面の破壊などで制限され
るため、高出力化においては半導体レーザの個数を増や
すことが必要になる。このため、半導体レーザ光の持つ
指向性は劣化することとなり、固体レーザ媒質内に、横
シングルモード共振レーザビームの伝搬領域のみを励起
することは困難となる。さらに、励起光は固体レーザ媒
質端面の微少領域に集中させるため、一般に、励起光の
パワー密度は高い。このため、励起光平均出力の増加を
行った場合、励起光により、固体レーザ媒質は熱的破壊
を引き起こすことがある。従って、これまで端面励起方
式を用いた横シングルモード発振器では、低平均出力な
場合にのみ限られてきた。
【0005】このため、高平均出力固体レーザにおいて
は、側面励起方式が用いられている。側面励起方式は、
共振器光軸と垂直な方向から活性媒質を半導体レーザお
よびフラッシュランプ等の励起光源で励起を行う励起方
式である。
【0006】レーザ媒質で選択される横モードは、共振
条件によって決定される。横シングルモードは、光軸断
面方向のビーム径が最も小さく、低次、高次横モードと
なるに従いビーム径は大きくなる。このため、レーザ媒
質自身をモード選択開口とした場合で、励起されたレー
ザ媒質のサイズが横シングルモードサイズと同程度であ
る場合には、高次横モード選択されず、横シングルモー
ド光が選択される。一方、励起されたレーザ媒質のサイ
ズが横シングルモードサイズより大きい場合には、高次
横モードが選択される。このとき、レーザ発振は、横シ
ングルモード、低次モード、高次モードの複数の空間モ
ードが同時にレーザ発振するマルチモード発振になる。
このため、レーザ出力はマルチモードレーザ出力とな
る。マルチモードレーザは、横シングルモード光に比
べ、指向性が悪く、レーザが伝搬することで大きく広が
り、また、レンズなとで集光させた場合、集光サイズを
小さく絞ることができないなどの特徴がある。このた
め、レーザのビーム伝搬を利用するレーザ機器や、加工
などのレーザを集光する使用目的において、横シングル
モードレーザに比べ、利用価値が低いなどの欠点があっ
た。
【0007】高効率に横シングルモードを発生させるた
めには、共振器の横シングルモードサイズをレーザ媒質
のサイズと同程度とすることが必要である。
【0008】横シングルモードのレーザ動作で、平均出
力の向上を図る場合、高い励起出力でレーザ媒質を励起
することが必要である。一方、高平均出力でレーザ媒質
を励起した場合、励起した光によってレーザ媒質内で熱
が発生する。この熱の発生が原因となり、レーザ媒質は
光学的に歪む事となる。この熱歪みは、共振器内で増幅
しながら周回する共振レーザ光に対し、損失となる。共
振器内でのレーザ出力の利得の増加は、励起光出力に比
例して大きくなる。一方、熱歪みも励起光出力に比例し
て大きくなる。しかし、横シングルモードの共振におい
て、熱歪み量が小さい場合には、熱歪みによる損失は熱
歪み量の2乗に比例して大きくなる。このため、レーザ
媒質を高い励起出力で励起を行った場合、共振レーザ光
の利得の増加より損失の増加が大きくなり、レーザ出力
の最大値は制限されることとなる。したがって、高平均
出力横シングルモード発振においては、レーザ媒質の熱
歪みを低減させることが有効である。
【0009】一般に、固体レーザ媒質にロッド型を用い
た固体レーザロッドを励起する際、固体レーザロッドは
励起による発生熱が生じるため、固体レーザロッド側面
部から冷却媒質により冷却される。このため、固体レー
ザロッド横断面内で熱分布が生じるため温度差による屈
折率の分布が生じ、特に、固体レーザロッドが、Nd原
子が印可されたY3Al512(イットリウム・アルミニ
ュウム・ガーネット)結晶(以下、Nd:YAGとす
る)のように等方性媒質の場合、固体レーザロッドがレ
ーザ光に対し凸レンズ的な働き(以下、熱レンズという
場合もある)をする。励起出力の増加に対して熱レンズ
は増加(焦点距離が小さくなること)する。
【0010】レーザ媒質が、何らかの複屈折性を有する
場合、その熱レンズも複レンズ性を有する。このため、
共振器内横シングルモードを得るためには共振安定領域
を複レンズのもとで得る必要がある。Nd:YAGは等
方性媒質であるが、温度分布にともなう応力発生により
光弾性効果を通じて複屈折が生じる。特にロッド型の場
合は、径方向偏光、周方向偏光により複屈折が発生す
る。
【0011】これを解決するためには、2本の同等に励
起されたロッドを用い、ロッド間に90度旋光子を配置
して、熱レンズ焦点距離を2本のロッドで平均化する手
法が有効である。
【0012】側面励起によりNd:YAGロッドを励起
した場合、効率的な高出力横シングルモード動作を行う
ためには、ロッド自身をモード選択開口とし、最大の励
起出力時にロッドにおけるビームサイズが最適となる共
振器を設計する必要がある。一方、励起出力が増加する
ことで熱レンズが増加した場合の共振器の安定領域は、
ビーム径の2乗に反比例して小さくなる。このため、レ
ーザ媒質の開口程度にビーム径を大きくすると安定領域
は小さくなり、高励起出力まで安定領域を保つことは困
難となる。このため、ロッド開口程度にビーム径を大き
くする必要のある横シングルモード発振においては、熱
レンズの大きくなる高励起出力までは、レーザ発振を行
うことが困難となり、熱レンズの小さい低励起出力によ
る低出力レーザ発振に限られていた。
【0013】これを解決する手段として、共振器内にレ
ンズや曲率ミラーなどの熱レンズ補償手段を配置するこ
とで、安定領域の動作点を高励起出力領域にシフトさせ
ることが有効である。このとき、高励起出力時の大きな
熱レンズを補償するため、低励起出力時にはレーザ発振
は困難となる。また、熱レンズが増加した場合の共振器
の安定領域はビーム径の2乗に反比例して小さくなるた
め、高励起出力時には、より小さな安定領域しか得られ
ない。このため、レーザ発振しきい値の励起出力から最
大レーザ出力が得られる励起出力の差が小さくなり、僅
かな励起出力の変動でレーザ出力の大きな変動が生じる
ことが予想される。このため、これまで高励起出力時に
大きな熱レンズを補償した、高平均出力の横シングルモ
ード発振は困難であると考えられてきた。
【0014】図11は、例えば、Walter Koechner,“So
lid State Laser Engineering”(4th Ed. Springer S
eries in Optical Scienced Vol.1, p.215)に示された
従来の横シングルモード共振器の構成である。図11に
おいて、101は横シングルモード共振器、103−1
は第一の励起光源、103−2は第二の励起光源、10
4−1は第一の固体レーザロッド、104−2は第二の
固体レーザロッド、105は90度旋光子、107は反
射手段、108は部分反射手段、109はブリュースタ
ープレート、130は共振横シングルモード光、131
は横シングルモード出力光である。
【0015】図11において、第一の固体レーザロッド
104−1及び第二の固体レーザロッド104−2は、
それぞれの固体レーザロッド軸に対して平行で、同軸に
配置されている。また、第一の固体レーザロッド104
−1、第二の固体レーザロッド104−2は、それぞれ
の近傍に配置された第一の励起光源103−1及び第二
の励起光源103−2が発生する励起光を吸収すること
で励起が行われる。90度旋光子105は、第一の固体
レーザロッド104−1及び第二の固体レーザロッド1
04−2の間で、固体レーザロッド軸と同軸上に配置さ
れる。第一の固体レーザロッド104−1及び第二の固
体レーザロッド104−2はNd:YAGであるため、
励起光源により励起を行うことで、固体レーザ媒質は、
熱レンズ、熱複レンズを生じる。2つの固体レーザロッ
ドと90度旋光子を用いることで熱複レンズの補償を行
っている。
【0016】反射手段107及び部分反射手段108
は、固体レーザロッド軸と同軸上で、2つの固体レーザ
ロッドの両外側に垂直に配置されている。反射手段10
7は、反射面が凸面状で、部分反射手段108は部分反
射面が凹面状になっており、2つの固体レーザロッドの
持つ熱レンズを補償している。全反射手段107と部分
反射手段108間を周回し、固体レーザロッドで増幅さ
れた共振横シングルモード光の一部が、部分反射鏡10
8を透過し、横シングルモード発振器101のレーザ出
力として横シングルモード出力光131になる。また、
ブリュースタープレート109は、第二の固体レーザロ
ッド104−2と部分反射鏡108の間で、横シングル
モード共振器光軸上で、横シングルモード共振器光軸に
対しブリュースター角をつけて配置される。このため、
共振横シングルモード光は、直線偏光が選択され、出力
される横シングルモード出力光131も直線偏光の光と
なる。
【0017】図11の従来例においては、第一の固体レ
ーザロッド104−1と反射手段107の距離、第二の
固体レーザロッド104−2と部分反射手段108の距
離、反射手段107の凸面曲率、及び、部分反射手段1
08の凹面曲率を任意に変えて、固体レーザロッド上で
のシングルモードビーム径が固体レーザロッド径程度に
なるように設定することで、横シングルモード共振器を
構成し、横シングルモード出力を得る。
【0018】しかしながら、このような構成の場合、共
振器構成が非対称であるなどの理由から、熱複レンズの
補償が完全には行われず、固体レーザロッド断面に対し
て動径方向と周方向の熱レンズはそれぞれ異なった共振
領域を持つことになる。固体レーザロッドの励起出力が
小さく、固体レーザロッドの熱レンズが小さい場合に
は、横シングルモード出力を得るために横シングルモー
ドビーム径を固体レーザロッド上で固体レーザロッド径
程度に大きくしても、動径方向と周方向の熱レンズを補
償した場合、動径方向と周方向の共振領域は大きく重な
っているため、重なっている領域で横シングルモード発
振が可能である。しかし、固体レーザロッドの励起出力
が大きく、固体レーザロッドの熱レンズが大きい場合に
は、横シングルモード出力を得るために横シングルモー
ドビーム径を固体レーザロッド上で固体レーザロッド径
程度に大きくすることで、共振領域が小さくなるため、
動径方向と周方向の共振領域の重なりが非常に小さくな
る。従って、共振領域の重なっている部分で発振する横
シングルモードの共振領域は狭くなり、レーザ発振は困
難となる。
【0019】さらに、高励起出力時の狭い共振領域のた
め、レーザ発振を行ってから、最大出力を得るまでの励
起出力差が非常に小さいことから、レーザ出力は僅かな
励起出力に敏感な安定性の低いレーザ出力となる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】このように、図11に
示した従来の横シングルモード共振器においては、これ
を用いて固体レーザ発振器を構成しても、高出力励起を
行った時の固体レーザロッドの大きな熱レンズを補償し
た場合、共振領域が狭くなる事からレーザ発振が困難に
なってしまい、レーザ発振を行ったとしても、レーザ出
力は僅かな励起出力に敏感な安定性の低いレーザ出力と
なってしまうなどの問題点があった。
【0021】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたものであり、2つの固体レーザロッ
ド、2式の固体レーザロッドモジュール、90度旋光
子、2つの熱レンズ補償手段、反射手段、部分反射手
段、励起光源駆動電源、電源電流線、電源電流制御手
段、制御電流線、パラメータ入力手段、設定信号線を用
い、横シングルモード共振器を構成し、大きな共振領域
で高安定に高平均出力の横シングルモード出力光を出力
することが可能な固体レーザ発振器を得ることを目的と
する。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明は、同軸上に平
行に配置され、励起により蛍光を発光するとともに、発
光した蛍光を誘導放出させることにより増幅させる任意
の個数の固体レーザロッドと、任意の個数の固体レーザ
ロッドの励起を行う任意の個数の固体レーザロッド励起
手段と、固体レーザロッドと同軸上で、かつ、任意の個
数の固体レーザロッドの間に配置されて、蛍光のうち軸
方向に発生した光成分を旋光させる90度旋光子と、固
体レーザロッドと同軸上で、任意の位置に配置された任
意の個数の熱レンズ補償手段と、固体レーザロッドと同
軸上で、かつ、全ての固体レーザロッドと熱レンズ補償
手段の両外側に配置されて、蛍光のうち軸方向に発生し
た光成分を共振させる反射手段および部分反射手段と、
固体レーザロッド励起手段の励起光源を駆動させる励起
光源駆動手段と、を備え、反射手段と部分反射手段との
間で共振する光成分のうち、部分反射手段を透過する光
成分を、出力光としてレーザ出力することを特徴とする
固体レーザ発振器である。
【0023】また、励起光源駆動手段が、励起光源を駆
動させるための駆動電流を発生する励起光源駆動電源を
有する。
【0024】また、励起光源駆動手段が、さらに、励起
光源駆動電源の駆動条件となるパラメータを入力するパ
ラメータ入力部と、駆動条件に基づき、励起光源駆動電
源を制御する電源電流制御部と、を備えている。
【0025】また、励起光源駆動手段が、さらに、横シ
ングルモード出力光の光軸上に配置され、横シングルモ
ード出力光の一部を反射して、サンプル光として出力す
るビームスプリッタと、サンプル光を受光して電気信号
に変換し出力する受光部と、受光部から出力された電気
信号に基づき、励起光源駆動電源を制御する電源電流制
御部と、を備えている。
【0026】また、励起光源駆動手段が、さらに、反射
手段と部分反射手段との間で共振する光成分に比例して
反射手段から漏れ出す漏れ光を受光して電気信号に変換
し出力する受光部と、受光部から出力された電気信号に
基づき、励起光源駆動電源を制御する電源電流制御部
と、を備えている。
【0027】また、第一及び第二の固体レーザロッドと
同軸上で、かつ、第一の固体レーザロッドと熱レンズ補
償手段の一方との間に配置されて、第一及び第二の固体
レーザロッドで発光した蛍光のうち軸方向に発生した光
成分を透過及び反射させる第一の光路切り換え手段と、
第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上で、かつ、第
二の固体レーザロッドと熱レンズ補償手段の他方との間
に配置されて、第一及び第二の固体レーザロッドで発光
した蛍光のうち軸方向に発生した光成分を透過及び反射
させる第二の光路切り換え手段と、第一の光路切り換え
手段で反射した光成分に対して、同軸上で、かつ、垂直
に配置された第二の反射手段と、第二の光路切り換え手
段で反射した光成分に対して、同軸上で、かつ、垂直に
配置された第二の部分反射手段と、第一の光路切り換え
手段に接続されて、光路の切り換えの制御を行う光路切
り換え制御手段と、を、さらに備え、反射手段と部分反
射手段との間で共振する光成分のうち、部分反射手段を
透過する光成分を、横シングルモード出力光としてレー
ザ出力するとともに、第二の反射手段と第二の部分反射
手段との間で共振する光成分のうち、第二の部分反射手
段を透過する光成分を、横マルチモード出力光としてレ
ーザ出力し、レーザ出力の切り換えを光路切り換え制御
手段により行う。
【0028】また、第一の光路切り換え手段が、第一及
び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置された第一の
偏光子と、第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上
で、かつ、第一の偏光子と熱レンズ補償手段の一方との
間に配置された第一のポッケルスセルと、第一の偏光子
で反射した光成分の光軸上で、かつ、第一の偏光子と第
二の反射手段との間に配置された第二のポッケルスセル
と、から構成されており、第二の光路切り換え手段が、
第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置された
第二の偏光子と、第一及び第二の固体レーザロッドと同
軸上で、かつ、第二の固体レーザロッドと第二の偏光子
との間に配置された1/2波長板と、から構成されてい
る。
【0029】また、光路切り換え制御手段が、第一のポ
ッケルスセルに電圧を印可する第一の高電圧電源と、第
二のポッケルスセルに電圧を印可する第二の高電圧電源
と、第一の高電圧電源と第二の高電圧電源の駆動条件を
制御する高電圧電源制御装置と、から構成されている。
【0030】また、光路切り換え制御手段が、第一のポ
ッケルスセル及び第二のポッケルスセルのいずれか一方
に電圧を印可する高電圧電源と、高電圧電源の出力先を
切り換える高電圧出力切り換え部と、から構成されてい
る。
【0031】また、第一の光路切り換え手段が、第一及
び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置された第一の
偏光子と、第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上
で、かつ、第一の偏光子と熱レンズ補償手段の一方との
間に配置された第一の音響光学素子と、第一の偏光子で
反射した光成分の光軸上で、かつ、第一の偏光子と第二
の反射手段との間に配置された第二の第二の音響光学素
子と、から構成されており、第二の光路切り換え手段
が、第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置さ
れた第二の偏光子と、第一及び第二の固体レーザロッド
と同軸上で、かつ、第二の固体レーザロッドと第二の偏
光子との間に配置された1/2波長板と、から構成され
ている。
【0032】また、光路切り換え制御手段が、第一の音
響光学素子を駆動させる第一の音響光学素子駆動電源
と、第二の音響光学素子を駆動させる第二の音響光学素
子駆動電源と、第一及び第二の音響光学素子駆動電源の
駆動条件を制御する音響光学素子駆動電源制御装置と、
から構成されている。
【0033】また、光路切り換え制御手段が、第一及び
第二の音響光学素子のいずれか一方を駆動させる音響光
学素子駆動電源と、音響光学素子駆動電源が出力する駆
動電流の出力先を切り換える駆動電流切り換え部と、か
ら構成されている。
【0034】また、第一の光路切り換え手段が、第一及
び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置された第一の
偏光子と、第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上
で、かつ、第一の偏光子と熱レンズ補償手段の一方との
間に配置された第一の1/4波長板と、第一の偏光子で
反射した光成分の光軸上で、かつ、第一の偏光子と第二
の反射手段との間に配置された第二の1/4波長板と、
第一の1/4波長板を回転させる第一の回転部と、第二
の1/4波長板を回転させる第二の回転部と、から構成
されており、第二の光路切り換え手段が、第一及び第二
の固体レーザロッドと同軸上に配置された第二の偏光子
と、第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上で、か
つ、上記第二の固体レーザロッドと上記第二の偏光子と
の間に配置された1/2波長板と、から構成されてい
る。
【0035】また、光路切り換え制御手段が、第一及び
第二の回転部の回転を制御する回転制御部から構成され
ている。
【0036】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施例について説
明する。
【0037】実施の形態1.図1は、この発明の一実施
例による固体レーザ発振器の構成例である。図1におい
て、1は固体レーザ発振器、2は高平均出力横シングル
モード共振器、3は固体レーザロッド励起モジュールで
あり、3−1は第一の固体レーザロッド励起モジュー
ル、3−2は第二の固体レーザロッド励起モジュール、
4は固体レーザロッドであり、4−1は第一の固体レー
ザロッド、4−2は第二の固体レーザロッド、5は90
度旋光子、6は熱レンズ補償手段、6−1は第一の凹面
レンズ、6−2は第二の凹面レンズ、7は反射手段、8
は部分反射手段、20は励起光源駆動手段、21は励起
光源駆動電源、22は電源電流制御手段、23はパラメ
ータ入力手段、30は共振横シングルモード光、31は
横シングルモード出力光、40は電源電流線、41は制
御信号線、42は設定信号線である。
【0038】固体レーザロッド励起モジュール3は、第
一の固体レーザロッド励起モジュール3−1と第二の固
体レーザロッド励起モジュール3−2とから構成されて
おり、固体レーザロッド4は、第一の固体レーザロッド
4−1と第二の固体レーザロッド4−2とから構成され
ている。固体レーザロッド励起モジュール3は、固体レ
ーザロッド4を励起する励起光源を有した装置である。
励起光源は半導体レーザであってもよい。固体レーザロ
ッド励起モジュール3は、電源電流線40を介して、励
起光源駆動電源21の発生する駆動電流が供給される。
これによって、励起光源は発光し、固体レーザロッド4
は励起光を吸収することで励起される。励起された固体
レーザロッド4では、反転分布の形成にともない、蛍光
を発光する。
【0039】第一の固体レーザロッド4−1と第二の固
体レーザロッド4−2は、固体レーザロッド軸方向が平
行で、同一軸上に配置されている。なお、以下の実施の
形態1〜6においては、図の簡略化等のため、固体レー
ザロッド4及び固体レーザロッド励起モジュール3を2
つずつ設けた場合の例について説明するが、この場合に
限らず、任意の個数の固体レーザロッドを同軸上に平行
に配置するようにしてもよく、固体レーザロッド励起モ
ジュール3についても任意の個数設けるようにしてもよ
い。また、高平均出力横シングルモード共振器2の共振
鏡である反射手段7および部分反射手段8は固体レーザ
ロッド4の軸方向に対して垂直で、かつ、軸方向に配置
されており、2つの固体レーザロッド4の両端(両外
側)に配置されている。反射手段7は、共振レーザ光の
波長に対して高反射する性質があり、共振レーザ光の波
長に対して全反射コートが施された全反射鏡であっても
よい。また、部分反射手段8は、共振レーザ光の波長に
対して一部の割合で反射する性質があり、共振レーザ光
の波長に対して部分反射コートが施された部分反射鏡で
あってもよい。
【0040】励起されたロッドで発生した蛍光の内、2
つの固体レーザロッド4の軸方向と平行で、反射手段7
と部分反射手段8に垂直な方向に発生した成分は、反射
手段7と部分反射手段8により周回し、固体レーザロッ
ド4を何度も通過することになる。このため、励起され
たロッドでは、誘導放出により、光出力の増幅が行わ
れ、最終的には大きな光出力が抜き出されることとな
る。一方、固体レーザロッド4は一定出力で励起が行わ
れているため、光出力が抜き出されることにより利得は
減少する。このため、最終的には、共振器周回損失と、
抜き出した光出力の増加による利得の減少と、励起によ
る利得の増加の釣り合った光出力の抜き出しが行われる
ことになる。このように共振している光出力の内、部分
反射鏡を透過する成分が、レーザ出力として取り出され
る。
【0041】固体レーザロッド4の断面に対する径方向
の熱レンズと、周方向の熱レンズは異なる。これを熱複
レンズと呼ぶ場合もある。このため、固体レーザロッド
4を通過し増幅した出力光には非点収差が生じることと
なる。この非点収差を減少させるために、第一の固体レ
ーザロッド4−1と第二の固体レーザロッド4−2の間
で、固体レーザロッド軸上に90度旋光子5を配置す
る。これによって、第一の固体レーザロッド4−1で径
方向の偏光を持つレーザ光は、第二の固体レーザロッド
4−2で周方向の偏光となる。したがって、第一の固体
レーザロッド4−1では径方向の熱レンズを受け、第二
の固体レーザロッド4−2では周方向の熱レンズを受け
る。同様に、第一の固体レーザロッド4−1で周方向の
偏光を持つレーザ光は、第二の固体レーザロッド4−2
で径方向の偏光となり、第一の固体レーザロッド4−1
で周方向の熱レンズを受け、第二の固体レーザロッド4
−2で径方向の熱レンズを受ける。このように、2つの
同等に励起された固体レーザロッド4と、2つの固体レ
ーザロッド4の間に配置された90度旋光子5を用いる
ことで、径方法と周方向に発生する熱複レンズは平均化
されることになる。このため、高励起出力時にビーム径
をロッド程度に大きくし、共振器の安定領域が狭い場合
においても、周方向と径方向の共振器安定領域は等しく
なり、安定動作領域が最も広く取れるなどの特徴があ
る。
【0042】側面励起方式によりレーザ媒質全体を励起
した場合、端面励起方式のように利得領域の制限により
横シングルモードを選択することができない。このた
め、側面励起方式により励起されたレーザ媒質を用いた
共振器では、共振器内に共振シングルモード径と同程度
のサイズの開口を設置して、モード間の損失差を利用し
て横シングルモードを選択する。この場合の開口として
は、励起エネルギーをレーザ媒質から最も高効率で取り
出すことを考えた場合、レーザ媒質自身をモード選択開
口とすることが有効である。
【0043】側面励起によりNd:YAGロッドを励起
した場合、効率的な高出力横シングルモード動作を行う
ためには、ロッド自身をモード選択開口とし、最大の励
起出力時にロッドにおけるビームサイズが最適となる共
振器を設計する必要がある。一方、励起出力が増加する
ことで熱レンズが増加した場合の共振器の安定領域は、
ビーム径の2乗に反比例して小さくなる。このため、レ
ーザ媒質の開口程度にビーム径を大きくすると安定領域
は小さくなり、高励起出力まで安定領域を保つことは困
難となる。このため、ロッド開口程度にビーム径を大き
くする必要のある横シングルモード発振においては、熱
レンズの大きくなる高励起出力までは、レーザ発振を行
うことが困難となる。
【0044】これを解決する手段として、共振器内に熱
レンズを補償する熱レンズ補償手段6を配置すること
で、安定領域の動作点を高励起出力領域にシフトさせる
ことが有効である。熱レンズは、固体レーザロッド4が
Nd:YAGロッドである場合には、凸レンズになるた
め、熱レンズ補償手段6は凹面レンズを用いてもよく、
また、その場合に限らず、熱レンズ補償手段6は像転送
の効果がある2つの凸レンズであっても良い。また、熱
レンズ補償手段6の個数についても2つに限ることな
く、任意の個数を固体レーザロッドと同軸上の任意の位
置に配置するようにしてもよい。
【0045】図1に示す高平均出力横シングルモード共
振器2は、対称型共振器であり、90度旋光子5を中心
に、第一の固体レーザロッド4−1および第二の固体レ
ーザロッド4−2までの距離が等しく、同等に励起され
ている。同様に、90度旋光子5を中心に、第一の凹面
レンズ6−1および第二の凹面レンズ6−2までの距離
が等しく、さらに、反射手段7および部分反射手段8ま
での距離が等しい。このため、固体レーザロッド4で発
生するロッド断面に対し径方向と周方向の異なる熱レン
ズをもつ熱複レンズは、共振領域が完全に一致すること
になり、安定な共振領域は最も広く取れる特徴がある。
【0046】高平均出力を得るために強い励起出力で固
体レーザロッド4の励起を行った場合、固体レーザロッ
ドで発生する熱レンズは非常に強くなる。従って、横シ
ングルモード出力を得るために共振可能なビーム径を固
体レーザロッド4でのビーム径程度とすることで、共振
領域は非常に小さなものとなる。これを熱レンズ、熱複
レンズの補償を行った状態で高励起出力側へシフトさせ
ても共振領域は非常に小さい。
【0047】一方、固体レーザロッド4にNd:YAG
ロッドを用いた場合、レーザ発振をしていない時の熱レ
ンズに比べ、波長が1.064μmのレーザ発振をしていると
きは熱レンズ値は減少するという効果がある。レーザ発
振をしていないときの熱の発生は、レーザ媒質に吸収さ
れた励起出力比べ22.2%と計算されるのに対して、レー
ザ発振中の熱の発生は、励起光の波長808nmに対して波
長1064nmのレーザ発振を行う場合、24.1%と僅かにレー
ザ発振中の熱の発生は多く見積もることができる。この
ため、レーザ発振時の熱レンズは、未発振時の熱レンズ
に比べ同等か、僅かに強い熱レンズである可能性があ
る。しかし、実験により確認されたレーザ発振中の熱レ
ンズは、未発振時の熱レンズに比べ、15〜30%程度
小さいという結果が得られている。
【0048】レーザ発振を行い固体レーザロッド4から
エネルギーの抜き出しを行うことで熱レンズが減少する
現象は、共振領域の狭い高平均出力横シングルモード発
振器の共振領域を広くする効果がある。この効果を示す
グラフを図2に示す。図2において、横軸は固体レーザ
ロッドの励起出力であり、第一の縦軸(左側)は、高平
均出力横シングルモード共振器2のレーザ出力を示し、
第二の縦軸(右側)は、レーザ媒質径に対するレーザ媒
質上での横シングルモード径の比を示す。横シングルモ
ードのビーム径が固体レーザロッド径よりも大きくなっ
た場合(横シングルモード径のレーザ媒質径に対する比
が1よりも大きくなる場合)、共振による損失が非常に
大きくなり、レーザ発振は行われなくなる。励起出力に
対する共振領域は、例えば、励起出力が、発振しきい値
の励起出力と同等である場合(P=Pth)には、共振領
域(A)は非常に狭い。しかし、励起出力を未発振時の
共振領域を越えない程度に増加させた場合(P=P
1)、レーザ出力が抜き出され、固体レーザロッド4の
持つ未発振時の強い熱レンズは減少する。これによっ
て、共振領域は、高励起出力側にシフトすることとな
り、共振領域(B)を持つことになる。このように、励
起出力を瞬時の共振領域を越えない程度に増加させ、よ
り大きなレーザ出力を得ることで、固体レーザロッドの
熱レンズを減少させ、共振領域をより高励起出力側にシ
フトさせることができる。大きなレーザ出力を抜き出す
ことで固体レーザロッド4の持つ利得は減少するため、
最終的には出力は飽和する。最大のレーザ出力が得られ
る時の励起出力(Pmax)からさらに励起出力を増加
させると、レーザ出力の増加による熱レンズの減少がな
いため、このときの共振領域(C)は、高励起出力側に
シフトしない。このため、狭い共振領域のために僅かな
励起出力の増加で、共振ビーム径は非常に大きくなり、
大きなビーム径のために共振器での周回損失が大きくな
ることで、レーザ出力は低下する。レーザ出力が低下す
ることで共振領域は、低励起出力側にシフトすることと
なり、その結果、レーザ出力は急激に低下する。
【0049】このように、レーザ出力の変化による固体
レーザロッドの動的な熱レンズを利用することで、狭い
共振領域となる高励起出力時の横シングルモード発振に
おいても、大きな共振領域を得ることが可能である。
【0050】一般に、側面励起固体レーザロッドの冷却
はレーザロッド側面から行われる。レーザロッド内部で
発生した熱は冷却されている側面に向けて伝搬し、冷却
される。このため、レーザロッドの材質、断面方向の
径、温度に依存する熱の伝搬速度があり、定常状態にな
るまでの時間の指標である時定数τは、 τ=r0 2・cγ/K の関係式で与えられる。ここで、r0は固体レーザロッ
ドの断面方向の半径、cは固体レーザロッド材料の比
熱、γは固体レーザロッド材料の熱伝導率、Kは固体レ
ーザロッド材料の温度である。例として、固体レーザロ
ッドに半径2.0mmのNd:YAGロッドを用い、温度を3
00Kとした場合、τ=0.96secが得られる。また、固体レ
ーザロッドに半径7.5mmのNd:YAGロッドを用い、
温度を300Kとした場合、τ=13.5secが得られる。従っ
て、励起出力を増加させた場合や、レーザ出力の取り出
しなどで固体レーザロッド内での熱の発生に変化を生じ
た場合には、時定数τ程度の時間の経過後に定常的な熱
レンズを持つことになる。このため、励起出力の増加
は、瞬間の熱レンズによる瞬間の共振領域を越えない程
度の励起出力の増加を行った後、時定数τ程度の時間の
経過を待つことで、更なる励起出力の増加(レーザ出力
の増加)が可能となる。また、瞬間の共振領域分の励起
出力の増加を時定数τかけて連続的に上昇させることで
も同じように、共振領域を高励起出力側にシフトさせる
効果がある。
【0051】また、図1に示す構成では、励起光源駆動
電源21が励起光源の駆動電流を一定のステップで上昇
させることのできるように制御することのできる電源電
流制御手段22を備える。電源電流制御手段22は一定
のステップで駆動電流を上昇させる他、一定のスロープ
で連続的に上昇させても良い。また、励起光源が連続動
作を行う場合の他に、疑似連続動作を行う場合でも同様
の制御をすることができるものである。一定のステッ
プ、または、一定のスロープで連続的に駆動電流を上昇
させる模式図を図3に示す。図中の(a)、(c)はステップ
上に駆動電流を上昇させる例であり、(b)、(d)は連続的
に上昇させる例である。また、図中の(a)、(b)は、連続
動作を行う例であり、(c)、(d)は疑似連続動作を行う例
である。高平均出力横シングルモード共振器2の発振し
きい値の駆動電流Ithを印可し固体レーザロッド4の熱
緩和の時定数τ後から、時間間隔τ毎に一定の駆動電流
値を上昇させる。電流の上昇は、高平均出力横シングル
モード共振器2の瞬間的な共振領域幅以下である。ま
た、一定のスロープで連続的に上昇させる場合は、高平
均出力横シングルモード共振器2の発振しきい値の駆動
電流Ithを印可し固体レーザロッド4の熱緩和の時定数
τ後から、高平均出力横シングルモード共振器2の瞬間
的な共振領域幅と時定数τによって決まるスロープと同
等か、それ以下のスロープで連続的に上昇させる。疑似
連続動作の時も同様に制御される。制御のパラメータで
ある、駆動電流の瞬間的な上昇量ΔI、時定数τ、しき
い値電流Ithはパラメータ入力手段23によって、任意
に設定可能であり、設定信号線42により電源電流制御
手段22に伝達される。
【0052】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、同軸上で平行に配置された2つの固体レーザロッド
4、励起光源を有し固体レーザロッド4の励起を行う2
つの固体レーザロッドモジュール3、固体レーザロッド
4と同軸上で2つの固体レーザロッド4の間の中心点に
配置された90度旋光子5、固体レーザロッド4と同軸
上で2つの固体レーザロッド4の両端に同距離で配置さ
れた2つの熱レンズ補償手段6、固体レーザロッド4と
同軸上で熱レンズ補償手段6の両外側に同距離で配置さ
れた反射手段7および部分反射手段8により構成される
高平均出力横シングルモード共振器2と、励起光源駆動
電源21、励起光駆動電源21で発生した駆動電流を励
起モジュール3に伝達する電源電流線40、励起光源駆
動電源21の駆動条件を制御する電源電流制御手段2
2、電源電流制御手段22から出力される制御信号を励
起光源駆動電源21に伝達する制御信号線41、パラメ
ータ入力手段23、パラメータ入力手段23で設定した
駆動条件を電源電流制御手段22に伝達する設定信号線
42により構成される励起光源駆動手段20とを備えて
おり、上述したように、本実施の形態における高平均出
力横シングルモード共振器2を対称型共振器になるよう
に構成してあるため、固体レーザロッド4で発生するロ
ッド断面に対し径方向と周方向の異なる熱レンズをもつ
熱複レンズは、共振領域が完全に一致することになり、
安定な共振領域を最も広く取れるので、横シングルモー
ド出力光31を大きな共振領域で高安定に高平均出力で
得られるという効果がある。
【0053】実施の形態2.図4は、この発明の他の実
施の形態による固体レーザ発振器の構成を示した構成図
である。図4において、1Aは固体レーザ発振器、2は
高平均出力横シングルモード共振器、9はビームスプリ
ッタ、20Aは励起光源駆動手段、22−2は電源電流
制御手段、24は受光手段、32はサンプル光、41は
制御信号線、43は出力信号線である。他の構成につい
ては、上述の実施の形態1と同様であるため、ここでは
同一符号により示し、説明は省略する。
【0054】高平均出力横シングルモード共振器2Aの
横シングルモード光31は、ビームスプリッタ9で出力
の一部を反射させる。反射光であるサンプル光32は、
受光手段24で受光され、光出力に比例した電気信号出
力を出力信号線43を通して電源電流制御手段22−2
に伝達する。受光手段24は例えば高速のフォトダイオ
ードから構成すればよい。サンプル光32の出力に比例
した電気信号は電源電流制御手段22−2内で微分処理
が行われる。横シングルモード出力31が時間の経過と
共に増大する場合には、微分処理された信号は正の値を
示し、横シングルモード出力31が時間の経過と共に減
少する場合には、微分処理された信号は負の値を示す。
また、電源電流制御手段22−2内では、励起光源駆動
電源21に伝達する駆動電流値の微分処理を行い、駆動
電流が増大する場合には微分処理を行った信号は正の値
を示し、駆動電流が減少する場合には微分処理を行った
信号は負の値を示す。
【0055】電源電流制御手段22−2では駆動電流の
微分信号が正で、サンプル光からの微分信号が正である
場合には、駆動電流をさらに増加させるように制御信号
を制御信号線41を介して励起光源駆動電源21に伝達
し、駆動電流の微分信号が正で、サンプル光からの微分
信号が負である場合には、駆動電流を減少させるように
制御信号を制御信号線41を介して励起光源駆動電源2
1に伝達する。また、駆動電流の微分信号が負で、サン
プル光からの微分信号が正である場合には、駆動電流を
減少させるように制御信号を制御信号線41を介して励
起光源駆動電源21に伝達し、駆動電流の微分信号が負
で、サンプル光からの微分信号が負である場合には、駆
動電流を増加させるように制御信号を制御信号線41を
介して励起光源駆動電源21に伝達する。
【0056】電源電流制御手段22−2が励起光源駆動
電源21に駆動電流増減の制御信号を伝達してから、横
シングルモード出力光31の出力が変化し、受光したサ
ンプル光32の電気信号の微分処理を行うまでは、一定
の時間経過がある。このため、駆動電流の微分信号とサ
ンプル光の電気信号の微分信号の正負による上記比較判
断は、適切な遅延時間を与えた駆動電流の微分信号とサ
ンプル光からの微分信号によって行われる。このように
励起光源駆動手段20により、駆動電流の増減時の横シ
ングルモード出力光31の増減を測定し、フィードバッ
クを行うことで、高平均出力横シングルモード共振器2
Aの狭い共振領域からはずれることなくレーザ発振が行
うことができ、また、レーザ出力の取り出しによる固体
レーザロッド4の熱レンズの変化にともなう共振領域の
シフトがおきた場合でも、共振領域からはずれることな
く横シングルモード出力光31を得ることができる。
【0057】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、励起光源駆動手段20を、ビームスプリッタ9、励
起光源駆動電源21、電源電流制御手段22−2、受光
手段24、サンプル光32、制御信号線41、出力信号
線43とで構成したので、駆動電流の増減時の横シング
ルモード出力光31の増減を測定し、フィードバックを
行うことで、常に共振領域からはずれることなくレーザ
発振を行うことができ、横シングルモード出力光31を
大きな共振領域で高安定に高平均出力で得ることができ
る効果が得られる。
【0058】実施の形態3.図5は、この発明の他の実
施の形態による固体レーザ発振器の構成を示した構成図
である。図5において、1Bは固体レーザ発振器、22
−2は第一の電源電流制御手段、22−3は第二の電源
電流制御手段、33は漏れ光、44は微分信号線、45
は判定信号線である。
【0059】高平均出力横シングルモード共振器2は、
共振鏡である反射手段7と部分反射手段8の間で共振
し、部分反射手段8を透過した成分が、横シングルモー
ド出力光31として取り出される。一方、反射手段7
は、共振レーザの波長を高反射する性質を有している
が、反射率は100%ではなく、99.5〜99.95
%程度である。このため、高い反射率を有する反射手段
7からも僅かではあるが、共振シングルモード光30に
比例した漏れ光33が出力される。この漏れ光33のレ
ーザ出力を、例えば高速の受光素子から構成された受光
手段24で電気信号に変換され、出力信号線43を通し
て第二の電源電流制御手段22−3に伝達される。漏れ
光33の出力に比例した電気信号は第二の電源電流制御
手段22−3内で微分処理が行われる。横シングルモー
ド出力31が時間の経過と共に増大する場合には、微分
処理された信号は正の値を示し、横シングルモード出力
31が時間の経過と共に減少する場合には、微分処理さ
れた信号は負の値を示す。
【0060】一方、第一の電源電流制御手段22−2内
では、励起光源駆動電流21に伝達する駆動電流値の微
分処理が行われ、駆動電流が増大する場合には微分信号
線47を通して第二の電源電流制御手段22−3に対し
て正の値が出力され、駆動電流が減少する場合には負の
値が出力される。第二の電源電流制御手段22−3は、
駆動電流の微分信号と漏れ光33の電気信号の微分信号
の正負による比較判断を上述の実施の形態2と同様の要
領で行い、判定結果を判定信号線48を通して第一の電
源電流制御手段22−2に出力する。第一の電源電流制
御手段22−2は、判定結果に基づき、駆動電流を増加
または減少させるように制御信号を制御信号線41を介
して励起光源駆動電流21に伝達する。このように、第
二の電源電流制御手段22−3で、駆動電流の微分信号
と漏れ光33の電気信号の微分信号とを比較することで
実施の形態2と同様のレーザ出力の制御が可能である。
なお、この実施の形態においても、上述の実施の形態2
と同様に、電源電流制御手段22−2が励起光源駆動電
源21に駆動電流増減の制御信号を伝達してから、横シ
ングルモード出力光31の出力が変化し、受光した漏れ
光33の電気信号の微分処理を行うまでは、一定の時間
経過があるため、駆動電流の微分信号と漏れ光の電気信
号の微分信号の正負による上記比較判断は、適切な遅延
時間を与えた駆動電流の微分信号と漏れ光からの微分信
号によって行うようにする。なお、この実施の形態にお
いては、電源電流制御手段を22−2及び22−3の2
つから構成する例について示したが、単一の電源電流制
御手段から構成するようにしてもよい。
【0061】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、励起光源駆動手段20を、励起光源駆動電源21、
第一及び第二の電源電流制御手段22−2及び22−
3、受光手段24、漏れ光33、制御信号線41、出力
信号線43、微分信号線47、判定信号線48とで構成
したので、上述の実施の形態2と同様の効果が得られる
とともに、さらに、この実施の形態においては、単に漏
れ光33を受光手段24により収集して、それを用いて
制御を行うので、高平均出力横シングルモード共振器2
をもつ固体レーザ発振器1の構成を簡略化できるなどの
効果がある。
【0062】実施の形態4.図6は、この発明の他の実
施の形態による固体レーザ発振器の構成を示した構成図
である。図6において、1Cは固体レーザ発振器、2−
1は高平均出力横シングルモード共振器、2−2は高平
均出力横マルチモード共振器、3は固体レーザロッド励
起モジュール、3−1は第一の固体レーザロッド励起モ
ジュール、3−2は第二の固体レーザロッド励起モジュ
ール、4は固体レーザロッド、4−1は第一の固体レー
ザロッド、4−2は第二の固体レーザロッド、5は90
度旋光子、6は熱レンズ補償手段、6−1は第一の凹面
レンズ、6−2は第二の凹面レンズ、7−1は第一の反
射手段、7−2は第二の反射手段、8−1は第一の部分
反射手段、8−2は第二の部分反射手段、10は第一の
光路切り換え手段、10−1は偏光子、10−2aは第
一のポッケルスセル、10−2bは第二のポッケルスセ
ル、11は第二の光路切り換え手段、11−1は偏光
子、11−2は1/2波長板、21は励起光源駆動電
源、25は光路切り換え制御手段、25−1aは第一の
高電圧電源、25−1bは第二の高電圧電源、25−2
は高電圧電源制御装置、30は共振横シングルモード
光、31は横シングルモード出力光、34は共振横マル
チモード光、35は横マルチモード出力光、40は電源
電流線、44−1は第一の高電圧電流線、44−2は第
二の高電圧電流線である。
【0063】固体レーザ発振器1Cは、高平均出力横シ
ングルモード共振器2−1、高平均出力横マルチモード
共振器2−2、第一の光路切り換え手段10、第二の光
路切り換え手段11、励起光源駆動電源21、光路切り
換え制御手段25で構成される。横シングルモード共振
器2−1は実施の形態1の横シングルモード共振器2と
同様の構成であり、固体レーザロッド4のもつ熱レン
ズ、熱複レンズをそれぞれ、熱レンズ補償手段6及び9
0度旋光子5で補償することで、高励起出力時に高出力
横シングルモード出力を得ることができる構成である。
図6の構成では、高平均出力横シングルモード共振器2
−1の光軸上で、2つの固体レーザロッド4を挟んで両
端に1つずつの光路切り換え手段10及び11を配置す
る。第一の光路切り換え手段10と第一の固体レーザロ
ッド4−1、および、第二の光路切り換え手段11と第
二の固体レーザロッド4−2は、それぞれ、隣接して配
置される。これらの光路切り換え手段10及び11は、
レーザ光を透過および反射させることができる。第一の
光路切り換え手段10においては、反射される光の光軸
上で、かつ、反射される光の方向に、反射される光に対
して垂直に、第二の反射手段7−2を配置する。また、
第二の光路切り換え手段11においては、反射される光
の光軸上で、かつ、反射される光の方向に、反射される
光に対して垂直に第二の部分反射手段8−2を配置す
る。反対に、第一の光路切り換え手段10の方に第二の
部分反射手段8−2を、第二の光路切り換え手段11の
方に反射手段7を配置するようにしても良い。
【0064】このように、第一の光路切り換え手段10
及び第二の光路切り換え手段11の両方を反射して、第
二の反射手段7−2、第一の光路切り換え手段10、第
一の固体レーザロッド4−1、90度旋光子5、第二の
固体レーザロッド4−2、第二の光路切り換え手段1
1、第二の部分反射鏡8−2と光路をとる共振器は、全
体の共振器長を短くとることが可能であるために、固体
レーザロッドで選択される横シングルモード径は、レー
ザロッド径に対して十分に小さく取ることができる。し
たがって、固体レーザロッド4では、よりビーム径の大
きい高次横モードまでが選択可能となり、横マルチモー
ド発振を行う。高平均出力横マルチモード共振器2−2
は、2つの固体レーザロッド4、90度旋光子5、第一
の光路切り換え手段10、第二の光路切り換え手段1
1、第二の反射手段7−2、第二の部分反射手段8−2
により構成され、共振器内で共振する光は共振横マルチ
モード光34であり、第二の部分反射鏡8−2を透過す
る成分は横マルチモード出力光35である。高平均出力
横マルチモード共振器2−2は共振器長が短く設定され
ているために、低励起出力から高励起出力まで、連続し
て共振領域を取ることが可能である。このため、横マル
チモード出力光35は、励起出力の大きさに比例し、出
力変動の安定したレーザ出力となる。
【0065】共振レーザ光が横シングルモード出力であ
る場合には、レーザ光を伝搬させた場合、ビーム径の広
がりが小さい、また、レンズ等で集光させた場合、小さ
なスポット径で集光するなどの特徴があるため、各種レ
ーザ応用で有用である。しかし、励起光源が高平均出力
である場合には、レーザ媒質の熱的歪みから、レーザ共
振領域が狭くなり、レーザ発振が難しくなる。一方、共
振レーザ光が横マルチモード出力である場合には、レー
ザ光を伝搬させた場合、横シングルモード出力である場
合に比べ、ビーム径の広がりが大きく、また、レンズ等
で集光させた場合大きなスポット径で集光するなどの特
徴がある。しかし、横マルチモード発振の場合、高平均
出力時でも共振領域を大きく取ることが可能であるた
め、励起光出力に比例して安定にレーザ出力を得ること
ができるなどの特徴がある。このため、本実施の形態4
では、共振領域が大きい高平均出力横マルチモード共振
器2−2でレーザ発振を行い、レーザ出力の取り出しを
行うことで固体レーザロッド4の熱レンズの減少をさせ
ておく。次に、光路切り換え手段10、11の光路を切
り換えることで、横シングルモード共振器2−1にす
る。すでに、横マルチモード共振器2−2において熱レ
ンズはレーザ出力の取り出しによる熱レンズの減少が安
定なものとなっているため、横シングルモード共振器2
−1に切り換えた場合、熱レンズの変化を待ちながら駆
動電流を少しずつ増加させて行き、最終的に大きなレー
ザ出力を得るような駆動電流の制御は必要がなく、高平
均出力横シングルモード光が瞬時に(即座に)得られる
などの特徴がある。
【0066】図6の破線に示すように、第一の光路切り
換え手段10は、偏光子10−1、第一のポッケルスセ
ル10−2a、第二のポッケルスセル10−2b、光路
切り換え制御手段25で構成されていても良い。また、
光路切り換え制御手段25は、第一の高圧電源25−1
a、第二の高圧電源25−1b、高圧電源制御装置25
−2、第一の高電圧電流線44−1、第二の高電圧電流
線44−2で構成されていても良い。第一及び第二のポ
ッケルスセル10−2aおよび10−2bは電気光学結
晶を含みポッケルス効果を利用した光変調器の一種で、
電圧を結晶に印可すると、結晶を通過する光の偏光方向
が回転するものである。第一のポッケルスセル10−2
a、第二のポッケルスセル10−2bは、それぞれ、第
一の高電圧電源25−1a、第二の高電圧電源25−1
bにより、光がポッケルスセルを単一パスすると光の偏
光方向が1/4波長回転する特定の電圧が印可されてい
る。電圧の印可を行わない場合、通過する光の偏光方向
の回転はない。
【0067】共振器内に偏光子を配置しているため、横
シングルモード共振器で成り立つ偏光方向は、偏光子1
0−1を通過する方向の直線偏光であり、横マルチモー
ド共振器で成り立つ偏光は、偏光子10−1を反射する
方向の直線偏光である。第一のポッケルスセル10−2
aに電圧が印可されている場合、第一の固体レーザロッ
ド4−1から偏光子10−1の方向に進む光の内、偏光
子を通過する成分の直線偏光が偏光子10−1を通過す
る。この光は、第一のポッケルスセル10−2aと反射
手段7−1によりポッケルスセルを2回通過するため、
直線偏光の光は合計で90度回転し、再び偏光子10−
1へ戻ってくる。偏光子10−1を通過する方向の直線
偏光が90度回転するため、偏光子10−1において光
は反射する。このため、横シングルモード共振器の外に
レーザ光が伝搬していくため、横シングルモード共振器
は成り立たなくなり、横シングルモード出力光31は発
生しない。また、第一のポッケルスセル10−2aに電
圧が印可されていない場合、ポッケルスセル10−2a
を通過することで光の偏光方向の回転はないため、反射
手段7−1により反射し第一のポッケルスセル10−2
aを2回通過した光の偏光方向は、偏光子を通過する方
向のままであるため、横シングルモード共振器が成り立
つ。
【0068】同様に、横マルチモード共振では、第二の
ポッケルスセル10−2bに電圧が印可されている場
合、第一の固体レーザロッド4−1から偏光子10−1
の方向に進む光の内、偏光子を反射する成分の直線偏光
が偏光子10−1を反射する。この光は、第二のポッケ
ルスセル10−2bと反射手段7−2により第二のポッ
ケルスセル10−2bを2回通過するため、直線偏光の
光は合計で90度回転し、再び偏光子10−1へ戻って
くる。偏光子10−1を反射する方向の直線偏光が90
度回転するため、偏光子10−1において光は透過す
る。このため、横マルチモード共振器の外にレーザ光が
伝搬していくため、横マルチモード共振器は成り立たな
くなり、横マルチモード出力光34は発生しない。ま
た、第二のポッケルスセル10−2bに電圧が印可され
ていない場合、ポッケルスセル10−2bを通過するこ
とで光の偏光方向の回転はないため、反射手段7−2に
より反射し第二のポッケルスセル10−2bを2回通過
した光の偏光方向は、偏光子を反射する方向のままであ
るため、横マルチモード共振器が成り立つ。
【0069】したがって、第一のポッケルスセル10−
2aに電圧を印可し、第二のポッケルスセル10−2b
に電圧を印可していない場合、横シングルモードは出力
されず、横マルチモード出力光のみが出力される。ま
た、逆に第一のポッケルスセルに電圧を印可せずに、第
二のポッケルスセル10−2bに電圧を印可した場合、
横シングルモード出力のみが成り立つ。高電圧電源制御
装置25−2により第一の高電圧電源25−1a、第二
の高電圧電源25−1bがポッケルスセルに印可するか
しないかを制御することで、固体レーザ発振器1Cのレ
ーザ出力を横シングルモード出力か、横マルチモード出
力に切り換えることができる。
【0070】第一のポッケルスセル10−2a、第二の
ポッケルスセル10−2bの両方に電圧が印可されてお
りレーザ出力がないとき、固体レーザロッド4では励起
光を吸収することで蓄えられるエネルギーが増加する。
次に、印可している電圧をなくした時、これまで蓄えら
れていた大きなエネルギーが解放され、瞬間的にピーク
パワーの大きいレーザ出力が得られる。レーザ出力が取
り出されたことにより固体レーザロッド4で蓄えられた
エネルギーは減少するため、レーザ出力も減少する。こ
のため、印可している電圧をなくした時は、ピークパワ
ーの大きい、短パルスのレーザ出力が得られる。このよ
うな電圧印可のONとOFFを高繰り返しで行うこと
で、短パルスで高ピークパルスのレーザ出力を高繰返し
で得られる。このような動作をQスイッチ動作と呼ぶ場
合もある。したがって、第一のポッケルスセル10−2
aに電圧を連続的に印可し、第二のポッケルスセル10
−2bには電圧を印可しているが、電圧を印可しないパ
ルスを高繰り返しで発生させることで、Qスイッチ動作
の横マルチモード出力が得られる。また、第二のポッケ
ルスセル10−2bに電圧を連続的に印可し、第一のポ
ッケルスセル10−2aには電圧を印可しているが、電
圧を印可しないパルスを高繰り返しで発生させること
で、Qスイッチ動作の横シングルモード出力が得られ
る。
【0071】第二の光路切り換え手段11は、偏光子1
1−1、1/2波長板11−2により構成される。第一
の固体レーザロッド4−1から第二の固体レーザロッド
4−2へ進む光は90度旋光子5により偏光方向が90
度回転されるので、1/2波長板11−2を単一パスす
ることで偏光方向が90度回転する角度に1/2波長板
11−2を第二の固体レーザロッド4−2と偏光子11
−1の間で、固体レーザロッド軸と同軸上で、垂直に配
置される。これによって、偏光子10−1で透過する方
向の直線偏光の光は、偏光子11−1でも透過し、偏光
子10−1で反射する方向の直線偏光の光は、偏光子1
1−1でも反射する。
【0072】ポッケルスセルは上記のように、電圧を印
可していない場合、偏光方向が回転せず、電圧を印可し
た場合回転する性質の他に、電圧を印可していない場合
偏光方向が1/4波長回転し、電圧を印可した場合、ポ
ッケルスセルを単一パスすることで偏光方向が回転しな
いあるいは1/2波長回転する性質であっても良い。こ
の場合、電圧を印可していない時共振器は成り立たずレ
ーザ出力は得られない。また、電圧を印可している時共
振器が成り立ちレーザ出力が得られるなどの特徴があ
る。
【0073】また、光路切り換え制御手段25は、図7
に示すように、一つの高電圧電源25−1と電圧出力切
り換え手段25−3で構成されていても良い。この場
合、ポッケルスセルを通過する光が1/4波長回転する
電圧を高電圧電源25−1がつねに発生しており、電圧
出力切り換え手段25−3は電圧の出力先を第一の高電
圧電流線44−1か、第二の高電圧電流線44−2に切
り換える。これによって、第一のポッケルスセル10−
2aあるいは第二のポッケルスセル10−2bのどちら
かに電圧を印可することが可能であり、横シングルモー
ド出力か横マルチモード出力のどちらかが出力されるこ
ととなる。このように、電圧出力切り換え手段25−3
を用いることで、高電圧電源を1つにすることができる
ため、構成を簡略化できる効果がある。
【0074】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、固体レーザ発振器1Cを、第一の固体レーザロッド
励起モジュール3−1と、第二の固体レーザロッド励起
モジュール3−2と、第一の固体レーザロッド4−1
と、第二の固体レーザロッド4−2と、90度旋光子5
と、第一の凹面レンズ6−1と、第二の凹面レンズ6−
2と、第一の反射手段7−1と、第二の反射手段7−2
と、第一の部分反射手段8−1と、第二の部分反射手段
8−2と、偏光子10−1と、第一のポッケルスセル1
0−2aと、第二のポッケルスセル10−2bと、偏光
子11−1と、1/2波長板11−2と、励起光源駆動
電源21と、高電圧電源25−1と、第一の高電圧電源
25−1aと、第二の高電圧電源25−1bと、高電圧
電源制御装置25−2と、電圧出力切り換え手段25−
3と、電源電流線40と、第一の高電圧電流線44−1
と、第二の高電圧電流線44−2とで構成したので、高
平均出力横シングルモード出力が瞬間的に得られ、ま
た、横マルチモード出力、横シングルモード出力、Qス
イッチ動作横マルチモード出力、Qスイッチ動作横シン
グルモード出力を切り換えて得ることができるなどの効
果がある。
【0075】実施の形態5.図8は、この発明の他の実
施の形態による横シングルモード発振器の構成を示した
構成図である。図8において、10Aは第一の光路切り
換え手段、10−1は偏光子、10−3aは第一の音響
光学素子、10−3bは第二の音響光学素子、25Aは
光路切り換え制御手段、25−4は音響光学素子駆動電
源、25−4aは第一の音響光学素子駆動電源、25−
4bは第二の音響光学素子駆動電源、25−5は音響光
学素子駆動電源制御装置、25−6は駆動電流切り換え
手段、45−1は第一の電流線、45−2は第二の電流
線で構成される。他の構成については、上述の実施の形
態4と同様であるため、同一符号を付して示し、ここで
は説明を省略する。
【0076】音響光学素子は音響光学効果によるブラッ
グ回折を利用した素子で、音響光学素子内で音響波が発
生している場合、超音波の回折効果によって、音響光学
素子を通過する光が回折する。回折した場合、音響光学
素子に入射したときの光軸と同一光軸をもつ0次光の他
に、空間的に進行方向が変化し、0次光とは異なった方
向に伝搬する高次光がある。音響光学素子を適切に配置
することで、0次光が最も小さく、高次光が最大とする
ことができる。このため、音響光学素子を通過した光
は、光の進行方向が共振器の光軸方向とは異なる方向に
伝搬するため、共振は成り立たなくなり、レーザ出力は
得られなくなる。
【0077】図8に示すように、第一の音響光学素子1
0−3aを偏光子10−1と反射手段7−1の間で、横
シングルモード共振器光軸上に配置し、第二の音響光学
素子10−3bを偏光子10−1と反射手段7−2の間
で、横マルチモード共振器光軸上に配置する。また、第
一の音響光学素子10−3aを駆動する第一の音響光学
素子駆動電源25−4a、第二の音響光学素子10−3
bを駆動する第二の音響光学素子駆動電源25−4b
は、音響光学素子駆動電源制御装置25−5により任意
のタイミングで駆動される。第一の音響光学素子10−
3aを駆動し、第二の音響光学素子10−3bは駆動し
ていない場合には、横シングルモード出力は成り立た
ず、横マルチモード出力が成り立ち横マルチモード出力
が得られる。また、第一の音響光学素子10−3aを駆
動せず、第二の音響光学素子10−3bを駆動している
場合には、横マルチモード共振器は成り立たず、横シン
グルモード共振器が成り立ち横シングルモード出力が得
られる。
【0078】第一の音響光学素子10−3a、第二の音
響光学素子10−3bの両方を駆動してレーザ出力がな
いとき、固体レーザロッド4では励起光を吸収すること
で蓄えられるエネルギーが増加する。次に、印可してい
る電圧をなくした時、これまで蓄えられていた大きなエ
ネルギーが解放され、瞬間的にピークパワーの大きいレ
ーザ出力が得られる。レーザ出力が取り出されたことに
より固体レーザロッド4で蓄えられたエネルギーは減少
するため、レーザ出力も減少する。このため、音響光学
素子の駆動を停止した時は、ピークパワーの大きい、短
パルスのレーザ出力が得られる。このような音響光学素
子の駆動のONとOFFを高繰り返しで行うことで、短
パルスで高ピークパルスのレーザ出力を高繰返しで得ら
れる。このような動作をQスイッチ動作と呼ぶ場合もあ
る。したがって、第一の音響光学素子10−3aを連続
的に駆動し、第二の音響光学素子10−3bは駆動して
いるが、駆動しないパルスを高繰り返しで発生させるこ
とで、Qスイッチ動作の横マルチモード出力が得られ
る。また、第二の音響光学素子10−3bを連続的に駆
動し、第一の音響光学素子10−3aは駆動している
が、駆動しないパルスを高繰り返しで発生させること
で、Qスイッチ動作の横シングルモード出力が得られ
る。
【0079】また、光路切り換え制御手段25Aは、図
9に示すように、一つの音響光学素子駆動電源25−4
と駆動電流切り換え手段25−6で構成されていても良
く、その場合は構成を簡略化できる効果がある。
【0080】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、第一の光路切り換え制御手段10を偏光子10−1
と、第一の音響光学素子10−3aと、第二の音響光学
素子10−3bと、光路切り換え制御手段25と、音響
光学素子駆動電源25−4と、第一の音響光学素子駆動
電源25−4aと、第二の音響光学素子駆動電源25−
4bと、音響光学素子駆動電源制御装置25−5と、第
一の電流線45−1と、第二の電流線45−2とで構成
したので、高平均出力横シングルモード出力が瞬間的に
得られ、また、横マルチモード出力、横シングルモード
出力、Qスイッチ動作横マルチモード出力、Qスイッチ
動作横シングルモード出力を切り換えて得ることができ
るなどの効果がある。
【0081】実施の形態6.図10は、この発明の他の
実施の形態による横シングルモード発振器の構成を示し
た構成図である。図10において、10Bは第一の光路
切り換え手段、10−1は偏光子、10−4aは第一の
1/4波長板、10−4bは第二の1/4波長板、10
−5aは第一の回転手段、10−5bは第二の回転手
段、25Bは光路切り換え制御手段、25−7は回転手
段制御装置、46−1は第一の電流線、46−2は第二
の電流線により構成されている。
【0082】図10に示すように、第一の1/4波長板
10−4aを偏光子10−1と反射手段7−1の間で、
横シングルモード共振器光軸上で、横シングルモード共
振器光軸に対し垂直に配置し、第二の1/4波長板10
−4bを偏光子10−1と反射手段7−2の間で、横マ
ルチモード共振器光軸上で、横マルチモード共振器光軸
に対し垂直に配置する。第一の回転手段10−5a、第
二の回転手段10−5bは、それぞれ、第一の1/4波
長板10−4a、第二の1/4波長板10−4bを回転
させる機能を持っており、モーター駆動回転子ホルダー
であってもよい。第一の回転手段10−5a、第二の回
転手段10−5bは、それぞれ、第一の1/4波長板1
0−4a、第二の1/4波長板10−4bの外周部分を
保持しているため、シングルモード共振器光軸およびマ
ルチモード共振器光軸上を塞いではいない。
【0083】1/4波長板の結晶軸と入射レザー光の偏
光方向が同一方向にある場合は、1/4波長板を通過し
た光の偏光方向に回転は生じない。一方、1/4波長板
の結晶軸と入射レザー光の偏光方向が45度の角度であ
るとき、1/4波長板を通過した光は偏光方向が回転す
る。さらに、1/4波長板を通過した光が反射手段によ
り反射して再び1/4波長板を通過することで、偏光方
向は、はじめに1/4波長板を通過する前の偏光方向に
比べ90度回転した直線偏光となる。したがって、第一
の1/4波長板10−4aの結晶軸と入射レザー光の偏
光方向が45度の角度で、第二の1/4波長板10−4
bの結晶軸と入射レザー光の偏光方向が0度の角度であ
る場合、第一の固体レーザロッド4−1から偏光子10
−1の方向に進む光の内、透過する成分の直線偏光の光
は、反射手段7−1により第一の1/4波長板10−4
aを2回通過することで、偏光方向が90度回転し、再
び偏光子10−1に入射すると反射されるため、横シン
グルモード共振器外に伝搬することとなり、横シングル
モード共振器は成り立たず、レーザ出力は得られなくな
る。また、第一の固体レーザロッド4−1から偏光子1
0−1の方向に進む光の内、反射する成分の直線偏光の
光は、反射手段7−2により第二の1/4波長板10−
4bを2回通過しても偏光方向は変化しないため、再び
偏光子10−1に入射すると反射して横マルチモード出
力が得られる。同様に、第一の1/4の結晶軸と入射レ
ザー光の偏光方向が0度の角度で、第二の1/4の結晶
軸と入射レザー光の偏光方向が45度の角度である場
合、横シングルモード共振器が成り立ち、横マルチモー
ド共振器は成り立たないため、横シングルモード出力の
みが出力される。したがって、第一の回転手段10−5
a、第二の回転手段10−5bを用いて、第一の1/4
波長板10−4a、第二の1/4波長板10−4bの回
転角度を回転手段制御装置25−7により制御すること
で、横シングルモード共振器と横シングルモード共振器
を切り換える事ができる。
【0084】高平均出力横シングルモード共振器は、共
振領域が狭いため、瞬間的に大きな励起出力により固体
レーザロッドを励起すると横シングルモード共振器のも
つ狭い共振領域からはずれてしまう。一方、高平均出力
横マルチモード出力は、短い共振器のために、共振領域
は広く励起出力の大きさに比例したレーザ出力が得られ
る。このため、回転手段制御装置25−7により横マル
チモード共振器が成り立つ1/4波長板の回転方向条件
に設定し、横マルチモード出力だけを発振させる。横マ
ルチモード共振による横マルチモード出力の取り出しに
より固体レーザロッドの熱レンズは減少する。一定値と
なった熱レンズが横シングルモード共振器の熱レンズ補
償手段6の補償範囲である場合、回転手段制御装置25
−7により、第一の1/4の結晶軸と入射レザー光の偏
光方向が0度の角度で、第二の1/4の結晶軸と入射レ
ザー光の偏光方向が45度の角度となるように回転させ
ることで、横シングルモード共振器が瞬間的に成り立
ち、大きな横シングルモード出力が瞬間的に出力される
こととなる。
【0085】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、第一の光路切り換え制御手段10Bを偏光子10−
1と、第一の1/4波長板10−4aと、第二の1/4
波長板10−4bと、第一の回転手段10−5aと、第
二の回転手段10−5bと、光路切り換え制御手段25
Bと、回転手段制御装置25−7と、第一の電流線46
−1と、第二の電流線46−2とで構成したので、高平
均出力横シングルモード出力が瞬間的に得られ、また、
横マルチモード出力、横シングルモード出力を切り換え
て得ることができるなどの効果がある。
【0086】なお、高平均出力横シングルモード共振器
は、上述の実施の形態1〜6において述べたような、同
軸上で平行に配置された2つの固体レーザロッドと、励
起光源を有し固体レーザロッドの励起を行う2つの固体
レーザロッドモジュールと、固体レーザロッドと同軸上
で2つの固体レーザロッドの間の中心点に配置された9
0度旋光子と、固体レーザロッドと同軸上で2つの固体
レーザロッドの両端に同距離で配置された2つの熱レン
ズ補償手段と、固体レーザロッドと同軸上で熱レンズ補
償手段の両外側に同距離で配置された反射手段および部
分反射手段により構成されるものの他に、同軸上で平行
に配置された任意の個数の固体レーザロッドと、励起光
源を有し固体レーザロッドの励起を行う任意の個数の固
体レーザロッドモジュールと、固体レーザロッドと同軸
上で任意の個数の固体レーザロッドの間に配置された任
意の個数の90度旋光子と、固体レーザロッドと同軸上
で任意の位置に配置された任意の個数の熱レンズ補償手
段と、固体レーザロッドと同軸上で全ての固体レーザロ
ッドと熱レンズ補償手段の両外側に配置された反射手段
および部分反射手段により構成されてもよい。また、反
射手段および部分反射手段は、反射面形状が平面、凸
面、凹面であってもよい。この場合、90度旋光子を中
心に固体レーザロッドと熱レンズ補償手段と反射手段お
よび部分反射手段を対称に配置した時と比較して、瞬間
的な共振領域は、より小さくなるが、時間間隔τ毎に上
昇させる一定の駆動電流値をより小さくとることで、共
振領域を高励起出力側にシフトさせる効果があり、全体
として大きな共振領域を確保することができる。
【0087】また、上述の実施の形態4〜6で述べた高
平均出力横シングル共振器は、90度旋光子を中心に固
体レーザロッドと、熱レンズ補償手段と、第1の光路切
り換え手段および第2の光路切り換え手段と、反射手段
および部分反射手段を対称に配置した構成であったが、
この他に、同軸上で平行に配置された任意の個数の固体
レーザロッドと、励起光源を有し固体レーザロッドの励
起を行う任意の個数の固体レーザロッドモジュールと、
固体レーザロッドと同軸上で任意の個数の固体レーザロ
ッドの間に配置された任意の個数の90度旋光子と、固
体レーザロッドと同軸上で任意の位置に配置された任意
の個数の熱レンズ補償手段と、固体レーザロッドと同軸
上で任意の位置に配置された任意の個数の光路切り換え
手段と、固体レーザロッドと同軸上で全ての固体レーザ
ロッドと光路切り換え手段と熱レンズ補償手段の両外側
に配置された反射手段および部分反射手段により構成さ
れてもよい。また、反射手段および部分反射手段は、反
射面形状が平面、凸面、凹面であってもよい。
【0088】
【発明の効果】この発明は、同軸上に平行に配置され、
励起により蛍光を発光するとともに、発光した蛍光を誘
導放出させることにより増幅させる任意の個数の固体レ
ーザロッドと、任意の個数の固体レーザロッドの励起を
行う任意の個数の固体レーザロッド励起手段と、固体レ
ーザロッドと同軸上で、かつ、任意の個数の固体レーザ
ロッドの間に配置されて、蛍光のうち軸方向に発生した
光成分を旋光させる90度旋光子と、固体レーザロッド
と同軸上で、任意の位置に配置された任意の個数の熱レ
ンズ補償手段と、固体レーザロッドと同軸上で、かつ、
全ての固体レーザロッドと熱レンズ補償手段の両外側に
配置されて、蛍光のうち軸方向に発生した光成分を共振
させる反射手段および部分反射手段と、固体レーザロッ
ド励起手段の励起光源を駆動させる励起光源駆動手段
と、を備え、反射手段と部分反射手段との間で共振する
光成分のうち、部分反射手段を透過する光成分を、出力
光としてレーザ出力することを特徴とする固体レーザ発
振器であるので、大きな共振領域で高安定に高平均出力
を行うことができるという効果を奏する。
【0089】また、励起光源駆動手段が、励起光源を駆
動させるための駆動電流を発生する励起光源駆動電源を
有して、一定のステップで駆動電流を上昇させるか、ま
たは、一定のスロープで駆動電流を連続的に上昇させる
ことができるという効果を奏する。
【0090】また、励起光源駆動手段が、さらに、励起
光源駆動電源の駆動条件となるパラメータを入力するパ
ラメータ入力部と、駆動条件に基づき、励起光源駆動電
源を制御する電源電流制御部と、を備えているので、好
適な値のパラメータを入力することにより、共振領域か
らはずれることなく良好なレーザ発振を行うことができ
るとともに、種々の条件及び目的等に合わせてパラメー
タの値を任意に適宜変更できるため利便性が高いという
効果を奏する。
【0091】また、励起光源駆動手段が、さらに、横シ
ングルモード出力光の光軸上に配置され、横シングルモ
ード出力光の一部を反射して、サンプル光として出力す
るビームスプリッタと、サンプル光を受光して電気信号
に変換し出力する受光部と、受光部から出力された電気
信号に基づき、励起光源駆動電源を制御する電源電流制
御部と、を備え、サンプル光に基づいたフィードバック
により励起光源の駆動電流増減の制御を行うようにした
ので、共振領域から常にはずれることなくレーザ発振を
行うことができ、また、熱レンズの変化に伴う共振領域
のシフトがおきた場合でも、共振領域からはずれること
なく、高安定に高平均出力が得られるという効果を奏す
る。
【0092】また、励起光源駆動手段が、さらに、反射
手段と部分反射手段との間で共振する光成分に比例して
反射手段から漏れ出す漏れ光を受光して電気信号に変換
し出力する受光部と、受光部から出力された電気信号に
基づき、励起光源駆動電源を制御する電源電流制御部
と、を備え、漏れ光に基づいたフィードバックにより励
起光源の駆動電流増減の制御を行うようにしたので、共
振領域から常にはずれることなくレーザ発振を行うこと
ができ、また、熱レンズの変化に伴う共振領域のシフト
がおきた場合でも、共振領域からはずれることなく、高
安定に高平均出力が得られるとともに、漏れ光を単に受
光する構成にしたので、装置の構成を簡略化できるとい
う効果を奏する。
【0093】また、第一及び第二の固体レーザロッドと
同軸上で、かつ、第一の固体レーザロッドと熱レンズ補
償手段の一方との間に配置されて、第一及び第二の固体
レーザロッドで発光した蛍光のうち軸方向に発生した光
成分を透過及び反射させる第一の光路切り換え手段と、
第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上で、かつ、第
二の固体レーザロッドと熱レンズ補償手段の他方との間
に配置されて、第一及び第二の固体レーザロッドで発光
した蛍光のうち軸方向に発生した光成分を透過及び反射
させる第二の光路切り換え手段と、第一の光路切り換え
手段で反射した光成分に対して、同軸上で、かつ、垂直
に配置された第二の反射手段と、第二の光路切り換え手
段で反射した光成分に対して、同軸上で、かつ、垂直に
配置された第二の部分反射手段と、第一の光路切り換え
手段に接続されて、光路の切り換えの制御を行う光路切
り換え制御手段と、を、さらに備え、反射手段と部分反
射手段との間で共振する光成分のうち、部分反射手段を
透過する光成分を、横シングルモード出力光としてレー
ザ出力するとともに、第二の反射手段と第二の部分反射
手段との間で共振する光成分のうち、第二の部分反射手
段を透過する光成分を、横マルチモード出力光としてレ
ーザ出力し、レーザ出力の切り換えを光路切り換え制御
手段により行うようにしたので、レーザ出力の切り換え
を行うことにより、さらに、高安定に高平均出力を得る
ことができるという効果を奏する。さらに、この構成に
おいては、共振領域の大きい横マルチモード出力を先に
行い、熱レンズの減少をさせておき、熱レンズの減少が
安定なものになった後に、横シングルモード出力に切り
換えるようにすると、瞬時に、高平均出力横シングルモ
ード光が得られるという効果を奏する。
【0094】また、第一の光路切り換え手段が、第一及
び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置された第一の
偏光子と、第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上
で、かつ、第一の偏光子と熱レンズ補償手段の一方との
間に配置された第一のポッケルスセルと、第一の偏光子
で反射した光成分の光軸上で、かつ、第一の偏光子と第
二の反射手段との間に配置された第二のポッケルスセル
と、から構成されており、第二の光路切り換え手段が、
第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置された
第二の偏光子と、第一及び第二の固体レーザロッドと同
軸上で、かつ、第二の固体レーザロッドと第二の偏光子
との間に配置された1/2波長板と、から構成されてい
るようにしたので、電気光学結晶に電圧を印可すると、
結晶を通過する光の偏光方向が回転するポッケルスセル
を用いているため、構成が簡単であり、かつ、電圧を印
可するか否かにより光の偏光方向の回転を容易に行なう
ことができるという効果を奏する。
【0095】また、光路切り換え制御手段が、第一のポ
ッケルスセルに電圧を印可する第一の高電圧電源と、第
二のポッケルスセルに電圧を印可する第二の高電圧電源
と、第一の高電圧電源と第二の高電圧電源の駆動条件を
制御する高電圧電源制御装置と、から構成されているの
で、いずれのポッケルスセルに電圧を印可するかを切り
換えるだけで、横マルチモード出力と横シングルモード
出力の切り換えを容易に行うことができるという効果を
奏する。
【0096】また、光路切り換え制御手段が、第一のポ
ッケルスセル及び第二のポッケルスセルのいずれか一方
に電圧を印可する高電圧電源と、高電圧電源の出力先を
切り換える高電圧出力切り換え部と、から構成されてい
るので、構成を簡略化できるとともに、いずれのポッケ
ルスセルに電圧を印可するかを切り換えるだけで、横マ
ルチモード出力と横シングルモード出力の切り換えを容
易に行うことができるという効果を奏する。
【0097】また、第一の光路切り換え手段が、第一及
び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置された第一の
偏光子と、第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上
で、かつ、第一の偏光子と熱レンズ補償手段の一方との
間に配置された第一の音響光学素子と、第一の偏光子で
反射した光成分の光軸上で、かつ、第一の偏光子と第二
の反射手段との間に配置された第二の第二の音響光学素
子と、から構成されており、第二の光路切り換え手段
が、第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置さ
れた第二の偏光子と、第一及び第二の固体レーザロッド
と同軸上で、かつ、第二の固体レーザロッドと第二の偏
光子との間に配置された1/2波長板と、から構成され
ているので、音響光学素子を用いているため、構成が簡
単であり、かつ、素子を駆動するか否かにより光の回折
を容易に行なうことができるという効果を奏する。
【0098】また、光路切り換え制御手段が、第一の音
響光学素子を駆動させる第一の音響光学素子駆動電源
と、第二の音響光学素子を駆動させる第二の音響光学素
子駆動電源と、第一及び第二の音響光学素子駆動電源の
駆動条件を制御する音響光学素子駆動電源制御装置と、
から構成されているので、いずれの音響光学素子を駆動
するかを切り換えるだけで、横マルチモード出力と横シ
ングルモード出力の切り換えを容易に行うことができる
という効果を奏する。
【0099】また、光路切り換え制御手段が、第一及び
第二の音響光学素子のいずれか一方を駆動させる音響光
学素子駆動電源と、音響光学素子駆動電源が出力する駆
動電流の出力先を切り換える駆動電流切り換え部と、か
ら構成されているので、構成を簡略化できるとともに、
いずれの音響光学素子を駆動するかを切り換えるだけ
で、横マルチモード出力と横シングルモード出力の切り
換えを容易に行うことができるという効果を奏する。
【0100】また、第一の光路切り換え手段が、第一及
び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置された第一の
偏光子と、第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上
で、かつ、第一の偏光子と熱レンズ補償手段の一方との
間に配置された第一の1/4波長板と、第一の偏光子で
反射した光成分の光軸上で、かつ、第一の偏光子と第二
の反射手段との間に配置された第二の1/4波長板と、
第一の1/4波長板を回転させる第一の回転部と、第二
の1/4波長板を回転させる第二の回転部と、から構成
されており、第二の光路切り換え手段が、第一及び第二
の固体レーザロッドと同軸上に配置された第二の偏光子
と、第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上で、か
つ、上記第二の固体レーザロッドと上記第二の偏光子と
の間に配置された1/2波長板と、から構成されている
ので、1/4波長板を用いているため、構成が簡単であ
り、かつ、1/4波長板の回転の角度により光の偏光方
向の回転を容易に行なうことができるという効果を奏す
る。
【0101】また、光路切り換え制御手段が、第一及び
第二の回転部の回転を制御する回転制御部から構成され
ているので、構成が簡略化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による固体レーザ発
振器の構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による高平均出力横
シングルモード共振器のレーザ出力と、固体レーザ媒質
上での固体レーザ媒質径に対する横シングルモードのビ
ーム径の比を示すグラフである。
【図3】 この発明の実施の形態1による一定のステッ
プ、または、一定のスロープで連続的に駆動電流を上昇
させるグラフである。
【図4】 この発明の実施の形態2による固体レーザ発
振器の構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による固体レーザ発
振器の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による固体レーザ発
振器の構成図である。
【図7】 図6の固体レーザ発振器に設けられた光路切
り換え制御手段の他の構成例を示した構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態5による固体レーザ発
振器の構成図である。
【図9】 図8の固体レーザ発振器に設けられた光路切
り換え制御手段の他の構成例を示した構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態6による固体レーザ
発振器の構成図である。
【図11】 従来の横シングルモード共振器の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 固体レーザ発振器、2,2−1 高平均出力横シン
グルモード共振器、2−2 高平均出力横マルチモード
共振器、3 固体レーザロッド励起モジュール、3−1
第一の固体レーザロッド励起モジュール、3−2 第
二の固体レーザロッド励起モジュール、4 固体レーザ
ロッド、4−1 第一の固体レーザロッド、4−2 第
二の固体レーザロッド、5 90度旋光子、6 熱レン
ズ補償手段、6−1 第一の凹面レンズ、6−2 第二
の凹面レンズ、7 反射手段、7−1 第一の反射手
段、7−2 第二の反射手段、8 部分反射手段、8−
1第一の部分反射手段、8−2 第二の部分反射手段、
9 ビームスプリッタ、10 第一の光路切り換え手
段、10−1,11−1 偏光子、10−2a 第一の
ポッケルスセル、10−2b 第二のポッケルスセル、
10−3a 第一の音響光学素子、10−3b 第二の
音響光学素子、10−4a 第一の1/4波長板、10
−4b 第二の1/4波長板、10−5a 第一の回転
手段、10−5b 第二の回転手段、11 第二の光路
切り換え手段、11−2 1/2波長板、20 励起光
源駆動手段、21 励起光源駆動電源、22 電源電流
制御手段、22−2 電源電流制御手段、23 パラメ
ータ入力手段、24 受光手段、25 光路切り換え制
御手段、25−1 高電圧電源、25−1a 第一の高
電圧電源、25−1b 第二の高電圧電源、25−2
高電圧電源制御装置、25−3 電圧出力切り換え手
段、25−4 音響光学素子駆動電源、25−4a第一
の音響光学素子駆動電源、25−4b 第二の音響光学
素子駆動電源、25−5 音響光学素子駆動電源制御装
置、25−6 駆動電流切り換え手段、25−7 回転
手段制御装置、30 共振横シングルモード光、31
横シングルモード出力光、32 サンプル光、33 漏
れ光、34 共振横マルチモード光、35 横マルチモ
ード出力光、40 電源電流線、41 制御信号線、4
2 設定信号線、43 出力信号線、44−1 第一の
高電圧電流線、44−2 第二の高電圧電流線、45−
1 第一の電流線、45−2 第二の電流線、46−1
第一の電流線、46−2 第二の電流線、47 微分信
号線、48 判定信号線。
フロントページの続き (72)発明者 平野 嘉仁 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5F072 AB02 AK01 HH02 HH04 HH09 JJ04 JJ05 JJ06 KK06 KK13 KK15 KK30 PP01 PP07 SS01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸上に平行に配置され、励起により蛍
    光を発光するとともに、発光した蛍光を誘導放出させる
    ことにより増幅させる任意の個数の固体レーザロッド
    と、 上記任意の個数の固体レーザロッドの励起を行う任意の
    個数の固体レーザロッド励起手段と、 上記固体レーザロッドと同軸上で、かつ、任意の個数の
    上記固体レーザロッドの間に配置されて、上記蛍光のう
    ち軸方向に発生した光成分を旋光させる90度旋光子
    と、 上記固体レーザロッドと同軸上で、任意の位置に配置さ
    れた任意の個数の熱レンズ補償手段と、 上記固体レーザロッドと同軸上で、かつ、全ての上記固
    体レーザロッドと上記熱レンズ補償手段の両外側に配置
    されて、上記蛍光のうち軸方向に発生した光成分を共振
    させる反射手段および部分反射手段と、 上記固体レーザロッド励起手段の励起光源を駆動させる
    励起光源駆動手段と、 を備え、 上記反射手段と上記部分反射手段との間で共振する上記
    光成分のうち、上記部分反射手段を透過する光成分を、
    出力光としてレーザ出力することを特徴とする固体レー
    ザ発振器。
  2. 【請求項2】 上記励起光源駆動手段が、上記励起光源
    を駆動させるための駆動電流を発生する励起光源駆動電
    源を有することを特徴とする請求項1記載の固体レーザ
    発振器。
  3. 【請求項3】 上記励起光源駆動手段が、さらに、 上記励起光源駆動電源の駆動条件となるパラメータを入
    力するパラメータ入力部と、 上記駆動条件に基づき、上記励起光源駆動電源を制御す
    る電源電流制御部と、 を備えたことを特徴とする請求項2記載の固体レーザ発
    振器。
  4. 【請求項4】 上記励起光源駆動手段が、さらに、 上記横シングルモード出力光の光軸上に配置され、上記
    横シングルモード出力光の一部を反射して、サンプル光
    として出力するビームスプリッタと、 上記サンプル光を受光して電気信号に変換し出力する受
    光部と、 上記受光部から出力された上記電気信号に基づき、上記
    励起光源駆動電源を制御する電源電流制御部と、 を備えたことを特徴とする請求項2記載の固体レーザ発
    振器。
  5. 【請求項5】 上記励起光源駆動手段が、さらに、 上記反射手段と上記部分反射手段との間で共振する上記
    光成分に比例して上記反射手段から漏れ出す漏れ光を受
    光して電気信号に変換し出力する受光部と、 上記受光部から出力された上記電気信号に基づき、上記
    励起光源駆動電源を制御する電源電流制御部と、 を備えたことを特徴とする請求項2記載の固体レーザ発
    振器。
  6. 【請求項6】 上記第一及び第二の固体レーザロッドと
    同軸上で、かつ、上記第一の固体レーザロッドと上記熱
    レンズ補償手段の一方との間に配置されて、上記第一及
    び第二の固体レーザロッドで発光した上記蛍光のうち軸
    方向に発生した光成分を透過及び反射させる第一の光路
    切り換え手段と、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上で、か
    つ、上記第二の固体レーザロッドと上記熱レンズ補償手
    段の他方との間に配置されて、上記第一及び第二の固体
    レーザロッドで発光した上記蛍光のうち軸方向に発生し
    た光成分を透過及び反射させる第二の光路切り換え手段
    と、 上記第一の光路切り換え手段で反射した光成分に対し
    て、同軸上で、かつ、垂直に配置された第二の反射手段
    と、 上記第二の光路切り換え手段で反射した光成分に対し
    て、同軸上で、かつ、垂直に配置された第二の部分反射
    手段と、 上記第一の光路切り換え手段に接続されて、光路の切り
    換えの制御を行う光路切り換え制御手段と、 を、さらに備え、 上記反射手段と上記部分反射手段との間で共振する上記
    光成分のうち、上記部分反射手段を透過する光成分を、
    横シングルモード出力光としてレーザ出力するととも
    に、 上記第二の反射手段と上記第二の部分反射手段との間で
    共振する上記光成分のうち、上記第二の部分反射手段を
    透過する光成分を、横マルチモード出力光としてレーザ
    出力し、 上記レーザ出力の切り換えを上記光路切り換え制御手段
    により行うことを特徴とする請求項1または2に記載の
    固体レーザ発振器。
  7. 【請求項7】 上記第一の光路切り換え手段が、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置さ
    れた第一の偏光子と、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上で、か
    つ、上記第一の偏光子と上記熱レンズ補償手段の一方と
    の間に配置された第一のポッケルスセルと、 上記第一の偏光子で反射した光成分の光軸上で、かつ、
    上記第一の偏光子と上記第二の反射手段との間に配置さ
    れた第二のポッケルスセルと、から構成されており、 上記第二の光路切り換え手段が、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置さ
    れた第二の偏光子と、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上で、か
    つ、上記第二の固体レーザロッドと上記第二の偏光子と
    の間に配置された1/2波長板と、から構成されている
    ことを特徴とする請求項6記載の固体レーザ発振器。
  8. 【請求項8】 上記光路切り換え制御手段が、 上記第一のポッケルスセルに電圧を印可する第一の高電
    圧電源と、 上記第二のポッケルスセルに電圧を印可する第二の高電
    圧電源と、 上記第一の高電圧電源と上記第二の高電圧電源の駆動条
    件を制御する高電圧電源制御装置と、 から構成されることを特徴とする請求項7記載の固体レ
    ーザ発振器。
  9. 【請求項9】 上記光路切り換え制御手段が、 上記第一のポッケルスセル及び上記第二のポッケルスセ
    ルのいずれか一方に電圧を印可する高電圧電源と、 上記高電圧電源の出力先を切り換える高電圧出力切り換
    え部と、 から構成されることを特徴とする請求項7記載の固体レ
    ーザ発振器。
  10. 【請求項10】 上記第一の光路切り換え手段が、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置さ
    れた第一の偏光子と、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上で、か
    つ、上記第一の偏光子と上記熱レンズ補償手段の一方と
    の間に配置された第一の音響光学素子と、 上記第一の偏光子で反射した光成分の光軸上で、かつ、
    上記第一の偏光子と上記第二の反射手段との間に配置さ
    れた第二の第二の音響光学素子と、から構成されてお
    り、 上記第二の光路切り換え手段が、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置さ
    れた第二の偏光子と、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上で、か
    つ、上記第二の固体レーザロッドと上記第二の偏光子と
    の間に配置された1/2波長板と、から構成されている
    ことを特徴とする請求項6記載の固体レーザ発振器。
  11. 【請求項11】 上記光路切り換え制御手段が、 上記第一の音響光学素子を駆動させる第一の音響光学素
    子駆動電源と、 上記第二の音響光学素子を駆動させる第二の音響光学素
    子駆動電源と、 上記第一及び第二の音響光学素子駆動電源の駆動条件を
    制御する音響光学素子駆動電源制御装置と、 から構成されることを特徴とする請求項10記載の固体
    レーザ発振器。
  12. 【請求項12】 上記光路切り換え制御手段が、 上記第一及び第二の音響光学素子のいずれか一方を駆動
    させる音響光学素子駆動電源と、 上記音響光学素子駆動電源が出力する駆動電流の出力先
    を切り換える駆動電流切り換え部と、 から構成されることを特徴とする請求項10記載の固体
    レーザ発振器。
  13. 【請求項13】 上記第一の光路切り換え手段が、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置さ
    れた第一の偏光子と、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上で、か
    つ、上記第一の偏光子と上記熱レンズ補償手段の一方と
    の間に配置された第一の1/4波長板と、 上記第一の偏光子で反射した光成分の光軸上で、かつ、
    上記第一の偏光子と上記第二の反射手段との間に配置さ
    れた第二の1/4波長板と、 上記第一の1/4波長板を回転させる第一の回転部と、 上記第二の1/4波長板を回転させる第二の回転部と、
    から構成されており、 上記第二の光路切り換え手段が、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上に配置さ
    れた第二の偏光子と、 上記第一及び第二の固体レーザロッドと同軸上で、か
    つ、上記第二の固体レーザロッドと上記第二の偏光子と
    の間に配置された1/2波長板と、から構成されている
    ことを特徴とする請求項6記載の固体レーザ発振器。
  14. 【請求項14】 上記光路切り換え制御手段が、 上記第一及び第二の回転部の回転を制御する回転制御部
    から構成されることを特徴とする請求項13記載の固体
    レーザ発振器。
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