JP2001168384A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子

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JP2001168384A JP34917499A JP34917499A JP2001168384A JP 2001168384 A JP2001168384 A JP 2001168384A JP 34917499 A JP34917499 A JP 34917499A JP 34917499 A JP34917499 A JP 34917499A JP 2001168384 A JP2001168384 A JP 2001168384A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】AlGaNからなる窒化物半導体を用いた発光
素子に関し、特に、異なる色を発する井戸層を積層し、
それらの色を混色して、所望の演色性を有する光を発す
る発光素子に関する。 【解決手段】Inを含む窒化物半導体からなる第1の井
戸層を有する第1の発光領域と、該第1の井戸層が発す
る光の主ピークよりも長い主ピーク波長の光を発する、
第2の井戸層を有する第2の発光領域と、該第2の井戸
層が発する光の主ピーク波長よりも長い主ピーク波長の
光を発する、第3の井戸層を有する第3の発光領域と、
を備えた多重量子井戸構造からなる活性層を有する窒化
物半導体発光素子において、該活性層はp型窒化物半導
体層側から見て、第1、第3、第2の発光領域の順で積
層された構成を少なくとも1つ含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、AlXInYGa1-X-Y
N(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)からなる窒化物半導
体を用いた発光素子に関し、特に、異なる色を発する井
戸層を積層し、それらの発光を混色して、所望の演色性
を有する光を発する発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年窒化物半導体を用いた発光素子の開
発によって、青色、緑色の発光が可能となり、これによ
り赤色、緑色、青色(いわゆるRGB)の高輝度タイプ
の発光素子が量産されるようになった。特に窒化物半導
体を用いた発光素子は、その混晶比を変化させることに
より紫外域から赤色領域まで発光色を調整することが可
能である。
【0003】一方、発光素子の高輝度、低消費電力、小
型化可能や高信頼性などの優れた特性を生かして、例え
ば、車載メータの光源、液晶バックライト光源や各種照
明などの技術分野で、その利用が急速に広がりつつあ
る。
【0004】このような発光素子の利用分野において、
特に白色が人間の目には快適で好感を与える色であり、
特に需要が高い。これまで白色光を実現するためには、
赤色、緑色、青色、あるいは青色および黄色などの異な
る発光色を有する複数の発光素子を同一ステム上に配置
して、それら発光色の混色により希望の白色光を得る
か、あるいは、青色発光する発光素子とその補色関係に
ある黄色で蛍光発光する蛍光物質とを用いて白色光を得
ていた。
【0005】さらに特開平11−289108では少な
くともInとGaとを含む窒化ガリウム系化合物半導体
からなる発光層を含んだ積層構造を持つ窒化ガリウム系
化合物半導体発光素子において、前記発光層は、面内で
In比率の比較的小さい領域とIn比率の比較的大きい
領域とを有し、それぞれの領域からの発光の混合によ
り、前記発光層からの発光が白色となる単一の素子構造
の窒化物半導体発光素子を開示している。また特開平1
0−22525では多重量子井戸構造の各井戸層の混晶
比を変化させることで禁制帯幅を変化させることがで
き、発光のピーク波長を混晶比により変化させている。
これにより、活性層は混晶比の違うAlGaInNから
なる2つまたは3つの発光領域を有し、白色発光する窒
化物半導体発光素子を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら複数の発
光素子を同一のステム上に配置して白色光を得る場合、
混色性(光を混合したときに1つの色として一様に見え
る見え方)を向上させるために複数の発光素子同士を近
づける必要はあるが、これには限界がある。同様に蛍光
体を利用して白色光を得る場合、発光素子に蛍光体を付
着させる必要があり、工程が複雑となる。
【0007】また、特開平11−289108ではほぼ
青色の短波長側の発光とほぼ黄緑色の長波長側の発光と
の2色により白色発光を実現しているが、2色による発
光では高い演色性Raを得ることができず、せいぜいR
a≦55である。特開平10−22525では2つまた
は3つの発光領域を光取り出し面に近い側から禁制帯幅
が広くなるように設定されている。しかし単一の素子構
造内に複数の異なる混晶比を有する発光層がある場合、
すべての発光層に同一の電流がかかってしまうので、所
望の色の発光色を得るためにはそれぞれの混晶比、膜厚
等を制御しなければならず、特に同一膜厚では発光効率
が低いという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は演色性の高い、
また発光効率の高い所望の演色性を有する光を発する発
光素子を得るものであり、Inを含む窒化物半導体から
なる少なくとも1つの第1の井戸層を有する第1の発光
領域と、該第1の井戸層が発する光の主ピーク波長より
も長い主ピーク波長の光を発する、Inを含む窒化物半
導体から成る少なくとも1つの第2の井戸層を有する第
2の発光領域と、該第2の井戸層が発する光の主ピーク
波長よりも長い主ピーク波長の光を発する、Inを含む
窒化物半導体からなる少なくとも1つの第3の井戸層を
有する第3の発光領域と、を備えた多重量子井戸構造か
ら成る活性層を有する窒化物半導体発光素子において、
該活性層はp型窒化物半導体層側から見て、第1の発光
領域、第3の発光領域、第2の発光領域の順で積層され
た構成を少なくとも1つ含んでなることを特徴とする。
この構成により所望の演色性を有する光を発する発光効
率の高い窒化物半導体発光素子を得ることができる。
【0009】また、本発明はInを含む窒化物半導体か
らなる少なくとも1つの第1の井戸層を有する第1の発
光領域と、該第1の井戸層が発する光の主ピーク波長よ
りも長い主ピーク波長の光を発する、Inを含む窒化物
半導体から成る少なくとも1つの第2の井戸層を有する
第2の発光領域と、該第2の井戸層が発する光の主ピー
ク波長よりも長い主ピーク波長の光を発する、Inを含
む窒化物半導体からなる少なくとも1つの第3の井戸層
を有する第3の発光領域と、を備えた多重量子井戸構造
から成る活性層を有する窒化物半導体発光素子におい
て、該活性層はp型窒化物半導体層側から見て、第1の
発光領域、第3の発光領域、第2の発光領域の順で積層
された構成のみから成ることを特徴とする。この構成に
より比較的簡単に所望の演色性を有する光を発する発光
効率の高い窒化物半導体発光素子を得ることができる。
【0010】また、本発明はInを含む窒化物半導体か
らなる少なくとも1つの第1の井戸層を有する第1の発
光領域と、該第1の井戸層が発する光の主ピーク波長よ
りも長い主ピーク波長の光を発する、Inを含む窒化物
半導体から成る少なくとも1つの第2の井戸層を有する
第2の発光領域と、該第2の井戸層が発する光の主ピー
ク波長よりも長い主ピーク波長の光を発する、Inを含
む窒化物半導体からなる少なくとも1つの第3の井戸層
を有する第3の発光領域と、を備えた多重量子井戸構造
から成る活性層を有する窒化物半導体発光素子におい
て、活性層はp型窒化物半導体層側から見て、障壁層、
第1の井戸層、障壁層、第3の井戸層、障壁層、第2の
井戸層、障壁層の順で積層された構成を少なくとも1つ
含むことを特徴とする。この構成により比較的簡単に所
望の演色性を有する光を発する発光効率の高い窒化物半
導体発光素子を得ることができる。
【0011】また、本発明はInを含む窒化物半導体か
らなる少なくとも1つの第1の井戸層を有する第1の発
光領域と、該第1の井戸層が発する光の主ピーク波長よ
りも長い主ピーク波長の光を発する、Inを含む窒化物
半導体から成る少なくとも1つの第2の井戸層を有する
第2の発光領域と、該第2の井戸層が発する光の主ピー
ク波長よりも長い主ピーク波長の光を発する、Inを含
む窒化物半導体からなる少なくとも1つの第3の井戸層
を有する第3の発光領域と、を備えた多重量子井戸構造
から成る活性層を有する窒化物半導体発光素子におい
て、活性層はp型窒化物半導体層側から見て、障壁層、
第1の井戸層、障壁層、第3の井戸層、障壁層、第2の
井戸層、障壁層の順で積層された構成のみからなること
を特徴とする。この構成により最も簡単に所望の演色性
を有する光を発する発光効率の高い窒化物半導体発光素
子を得ることができる。
【0012】また、本発明は前記第1の井戸層が発する
光の主ピーク波長が400乃至480nmで、上記第2
の井戸層が発する光の主ピーク波長が480乃至570
nmで、上記第3の井戸層が発する光の主ピーク波長が
570乃至800nmであることを特徴とする。この構
成により所望の演色性を有する白色光の発光効率の高い
窒化物半導体発光素子を得ることができる。
【0013】また、本発明は第1の井戸層が発する光の
主ピーク波長が420乃至460nm、上記第2の井戸
層が発する光の主ピーク波長が480乃至520nm、
上記第3の主ピーク波長が570乃至600nmである
ことを特徴とする。この構成により赤色領域程度の長波
長で発光する井戸層を設けることなく所望の演色性を有
する白色光の発光効率の高い窒化物半導体発光素子を得
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に図を用いて本発明を詳細に
説明するが、これらは単に例示的なものであって、本発
明を限定するものではない。単一の素子構造内に複数の
異なる混晶比を有する発光層を有する活性層を形成する
ことで、白色発光の窒化物半導体発光素子が得られる。
これは同一ステム上にRGB等の異なる発光色を有する
複数の発光素子を配置して、それらの発光色の混色によ
り希望の白色光を得る場合と比べて小型化でき、消費電
力も抑えることができるので多岐にわたる応用が考えら
れる。しかしながら単一の素子構造内に複数の異なる混
晶比を有する発光層がある場合、すべての発光層に同一
の電流がかかってしまうので、所望の色の発光色を得る
ためにはそれぞれの混晶比、膜厚等を制御しなければな
らず、特に同一膜厚では発光効率が低いという問題があ
った。
【0015】そこで我々は鋭意研究を重ね、窒化物半導
体発光素子における以下の特徴を踏まえ、発光効率の高
い窒化物半導体発光素子を開発するに至った。窒化物半
導体発光素子の特徴の1つとしては、n型窒化物半導体
層とp型窒化物半導体層に挟まれた活性層はその活性層
中ではp型窒化物半導体層に近い方が良く光るという点
が挙げられる。これは一般の発光ダイオードの特徴でも
あり、n型窒化物半導体層から活性層に供給される電子
とp型窒化物半導体層から供給されるホールとを比較し
た場合、ホールの方が質量が大きいため、活性層中のn
型窒化物半導体層側まで達するホールは少なく、活性層
中でもp型窒化物半導体層側にホールが多く存在してし
まう。逆に電子はホールより質量が小さいため、p型窒
化物半導体層側にも多く存在する。このことから電子と
ホールとの再結合は、活性層中でもp型窒化物半導体層
側で起こりやすい。これが大きな要因となって、p型窒
化物半導体層に近い方が良く光ると考えられている。
【0016】窒化物半導体発光素子のもう1つの特徴と
しては、発光層はバンドギャップの小さい層から光り始
める点である。これに関しては具体的な要因はわかって
いないが、バンドギャップの小さい方から伝導体に電子
がたまっていくので、小さい方から光り始めるのではな
いかと推測できる。
【0017】さらに窒化物半導体発光素子のもう1つの
特徴としては、長波長での発光ほど出力が小さくなる点
である。これに関しても具体的な要因はわかっていない
が、窒化物半導体発光素子は発光層の混晶比を変えるこ
とで紫外域から赤色領域までの発光が可能であり、窒化
物半導体発光素子として代表的な青色発光(420nm
程度)は発光層としてはInGaNが使われる。さらに
このInGaNのInの混晶比を高くすることで、長波
長の領域での発光が可能となる。しかしながら基本的に
窒化物半導体発光素子はGaNで形成されているため、
長波長の発光を得るために発光層のInの混晶比を大き
くすると、該発光層とその他の層との間の格子歪が大き
くなってしまい、該発光層の結晶性が悪くなってしま
う。結晶性が悪くなると当然のことながら発光出力も下
がってしまう。これが長波長での発光ほど出力が小さく
なる要因ではないかと推測できる。
【0018】以上をまとめると窒化物半導体発光素子の
特徴として、1)活性層中ではp型窒化物半導体層に近
い方が良く光る、2)発光層はバンドギャップの小さい
層から光り始める、3)長波長の発光ほど出力が小さく
なる、ことが挙げられる。これらの特徴から、活性層を
p型窒化物半導体層側から見て、第1の発光領域、第3
の発光領域、第2の発光領域の順で積層することで、発
光効率の高い窒化物半導体発光素子が得られる。これ
は、3)の長波長の発光ほど出力が小さくなることから
第3の井戸層を有する第3の発光領域は出力が他と比べ
て小さくなるという特徴を、第3の発光領域を、良く光
るp型窒化物半導体層側に形成することで補い、出力を
高めている。しかしながらp型窒化物半導体層に最も近
い発光層を第3の井戸層を有する第3の発光領域として
しまうと、2)のバンドギャップが小さい方から光り始
めるので、結果的に他の層より出力が高くなってしま
う。そこで、最後に光り始める短波長の第1の井戸層を
有する第1の発光領域をp型窒化物半導体層に最も近い
層とすることで、どの発光領域での発光も強く成りすぎ
ないようにしている。すなわち、活性層中で最も短い波
長を有する発光領域をp型窒化物半導体側に最も近い層
とし、活性層中で最も長い波長を有する発光領域をその
次にp型窒化物半導体側に近い層とすることで、所望の
演色性を有する、発光効率の高い窒化物半導体発光素子
を実現した。また、その他の波長を有する発光領域の位
置はこだわらないが、その他の中間の波長を有する発光
領域は2)、3)それぞれの特徴を少なからず有してい
るので、1)の良く光るp型窒化物半導体層側とは反対
のn型窒化物半導体側に形成するのが好ましい。
【0019】本発明において、ここでは少なくとも1つ
の第1の井戸層を有する第1の発光領域と、該第1の井
戸層が発する光の主ピーク波長よりも長い主ピーク波長
の光を発する、少なくとも1つの第2の井戸層を有する
第2の発光領域と、該第2の井戸層が発する光の主ピー
ク波長よりも長い主ピーク波長の光を発する、少なくと
も1つの第3の井戸層を有する第3の発光領域と、を備
えた多重量子井戸構造から成る活性層を有する窒化物半
導体発光素子について説明したが、例えば上記3つの発
光領域にとどまらず、少なくとも1つの第(n−1)の
井戸層を有する光の主ピーク波長よりも長い主ピーク波
長の光を発する、少なくとも第nの井戸層を有する第n
の発光領域を有するような、n種の異なる波長をもつn
個の発光領域を備えた多重量子井戸構造から成る活性層
(4≦n)からなる窒化物半導体発光素子の場合でも、
主ピーク波長が最も短い第1の井戸層を有する第1の発
光領域をp型窒化物半導体側の最も近くに、その次にp
型不純物半導体に近い層として、主ピーク波長が最も長
い第nの井戸層を有する第nの発光領域を形成すること
で、4種以上の主ピーク波長の異なる井戸層を有する活
性層でも、所望の演色性を有する、発光効率の高い窒化
物半導体発光素子を得ることができる。
【0020】
【実施例】図1は本発明の一実施例にかかる窒化物半導
体発光素子の構造を示す模式的な断面図である。以下こ
の図を元に実施例1について説明する。なお、本発明の
発光素子は図1の構造に限定されるものではない。 (実施例1)図1は、本発明の発光素子100を示す模
式的断面図である。発光素子100は、サファイア基板
101上に、GaNバッファ層102、アンドープGa
N層103、SiドープのGaNからなるn型コンタク
ト層兼クラッド層104、超格子層105、多重量子井
戸構造からなる活性層106、MgドープのAlGaN
からなるp型クラッド層111、MgドープのGaNか
らなるp型コンタクト層112が順に形成されている。
また活性層106は、障壁層107とInGaNからな
る第2の井戸層108、第3の井戸層109および第1
の井戸層110とから構成されている。またすべての井
戸層のうち、第1の井戸層のIn含有量が最も少なく、
第3の井戸層のIn含有量が最も多い。さらに活性層1
06はn型コンタクト層側から順に第2の井戸層10
8、第3の井戸層109、第1の井戸層110が障壁層
107に挟まれて形成されている。
【0021】またp型コンタクト層112上にp側透明
電極113、p側パッド電極114が、n型コンタクト
層104上にn電極115が形成されていることで、混
色光が発光可能な発光素子100を形成することができ
る。次に、本発明にかかる発光素子の形成方法について
説明する。
【0022】MOCVD法により窒化物半導体を成膜し
て発光素子を形成する。まず、洗浄した2インチのサフ
ァイア(C面)よりなる基板101をMOCVD装置の
反応容器内にセットする。反応容器を真空化しつつ、H
2を流して容器内をH2で十分置換した後、基板温度を1
050℃まで上昇させて、基板101をクリーニングす
る。尚、半導体基板101としては、C面サファイアの
他、R面、A面を主面とするサファイア、スピネル(M
gAl24)のような絶縁性基板、SiC(6H、4
H、3Cを含む)、Si、ZnO、GaAs、およびG
aNなどの材料を用いることができる。
【0023】次に、成膜温度を510℃まで下げTMG
(トリメチルガリウム)、NH3を原料ガス、H2をキャ
リアガスとして供給し、厚さ約150ÅのGaN層をサ
ファイア基板101上に成膜して、バッファ層102を
形成する。なお、バッファ層102はGaNの他、Al
NやAlGaNなどの材料を利用することができる。
【0024】続いて、原料ガスの流入を一旦止め、キャ
リアガスを流しながら、基板温度を1050℃に上げ
る。成膜温度が安定した後、TMGおよびNH3を原料
ガスH2をキャリアガスとして流し、厚さ1.5μmの
アンドープGaN層をバッファ層102上に積層する。
【0025】そして、成膜温度を1050℃に維持した
まま、原料ガスとしてTMGおよびNH3、キャリアガ
スとしてH2、不純物ガスとしてSiH4を流し、5×1
18/cm3のSi不純物濃度を有するGaN層である
n型コンタクト層104を厚さ2.25μmでアンドー
プGaN層103上に形成する。
【0026】さらに、活性層106の結晶性を向上さ
せ、均一に全面発光させるために、n型コンタクト層1
04上に超格子層105を形成することが好ましい。成
膜温度を1050℃に維持した状態で、不純物ガスであ
るSiH4の供給を制御することにより、厚さ約75Å
のアンドープGaN層と、厚さ約25ÅのSiドープG
aN層とを成膜する。これを1周期として、25周期繰
り返して総膜厚2500Åの超格子層105をn型コン
タクト層104上に成膜する。なお、超格子層105を
構成するSiドープGaN層は、互いに異なる不純物濃
度(Si)を有し、いわゆる変調ドープされている。
【0027】次に、多重量子井戸構造の活性層106の
構成を詳細に説明する。多重量子井戸構造の活性層10
6は、厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層107と
厚さ約30ÅのInGaNからなる第2の井戸層10
8、さらに厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層10
7と厚さ約30ÅのInGaNからなる第3の井戸層1
09、さらに厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層1
07と厚さ約30ÅのInGaNからなる第1の井戸層
110、最後に厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層
107を積層する。
【0028】さらに、多重量子井戸構造の活性層106
の具体的な形成方法について説明する。MOCVD法を
用いて成膜温度1050℃で、原料ガスとしてTMGお
よびNH3、キャリアガスとしてH2を流すことにより、
約250Åの厚さの障壁層107を超格子層105上に
成膜する。
【0029】続いて原料ガスの流入を一旦止め、成膜温
度を800℃に調整した後、再び原料ガスとしてTM
G、TMI(トリメチルインジウム)およびNH3、キ
ャリアガスとしてN2を流すことにより、約30Åの厚
さのIn0.63Ga0.37Nを成膜して第2の井戸層を形成
する。
【0030】その後、成膜温度を1050℃とし原料ガ
スとしてTMGおよびNH3、キャリアガスとしてH2
流すことにより、約250Åの厚さのGaN障壁層10
7を第2の井戸層108上に成膜する。
【0031】続いて原料ガスの流入を一旦止め、成膜温
度を800℃に調整した後、再び原料ガスとしてTM
G、TMIおよびNH3、キャリアガスとしてN2を流す
ことにより、約30Åの厚さのIn0.84Ga0.16Nを成
膜して第3の井戸層109を形成する。
【0032】その後、成膜温度を1050℃とし原料ガ
スとしてTMGおよびNH3、キャリアガスとしてH2
流すことにより、約250Åの厚さのGaN障壁層10
7を第3の井戸層109上に成膜する。
【0033】さらに続いて原料ガスの流入を一旦止め、
成膜温度を800℃に調整した後、再び原料ガスとして
TMG、TMIおよびNH3、キャリアガスとしてN2
流すことにより、約30Åの厚さのIn0.44Ga0.56
を成膜して第1の井戸層110を形成する。
【0034】さらに続いて成膜温度を1050℃とし原
料ガスとしてTMGおよびNH3、キャリアガスとして
2を流すことにより、約250Åの厚さのGaN障壁
層107を第1の井戸層110上に成膜する。
【0035】活性層106を成膜後、超格子構造を有す
るp型クラッド層111を形成する。厚さ約40ÅのM
gドープのAlGaN層と厚さ約25ÅのMgドープI
nGaNとを成膜する。これを1周期として繰り返し5
周期成膜することにより、p型クラッド層111を形成
する。具体的には、MOCVD法により成膜温度を10
50℃とし、原料ガスとしてTMG、TMA(トリメチ
ルアルミニウム)およびNH3、不純物ガスとしてCp2
Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)、そしてキ
ャリアガスとしてH2を流すことにより、厚さが約40
ÅのAlGaN層を成膜する。次に、原料ガスの流入を
一旦止め、成膜温度を850℃に調整した後に、再び原
料ガスとしてTMG、TMI、およびNH3、不純物ガ
スとしてCp2Mg、そしてキャリアガスとしてN2を流
すことにより、厚さ約25ÅのInGaN層を成膜す
る。これを5周期繰り返し、約325Åの厚さを有する
超格子構造のp型クラッド層111を成膜する。なお、
p型クラッド層111はこのように超格子構造を有して
いてもよいが、AlGaNやAlBGaN等の単層構造
を有していてもよい。
【0036】そして、成膜温度を1050℃とし、原料
ガスとしてTMGおよびNH3、キャリアガスとして
2、そして不純物ガスとしてCp2Mgを流し、1×1
20/cm3のMg不純物濃度を有するGaN層である
p型コンタクト層112を、0.2μmの膜厚でp型ク
ラッド層111上に形成する。p型クラッド層111形
成後、温度を室温まで下げ、窒素雰囲気中でウエハーを
700℃でアニーリング処理し、p型層をさらに低抵抗
化する。
【0037】アニーリング処理後、ウエハーを反応容器
から取り出し、所望の形状のマスクを最上層のp型コン
タクト層112の表面に形成し、RIE(反応性イオン
エッチング)装置でp型コンタクト層112側からエッ
チング処理を行い、p型およびn型半導体表面を露出さ
せる。
【0038】エッチング処理後、スパッタリング装置に
よりp型コンタクト層112のほぼ全面に膜厚200Å
のNiとAuを含むp側透明電極113と、p側透明電
極113の上にボンディング用のAuよりなる0.5μ
mの膜厚のp側パッド電極114と、を形成する。他
方、エッチング処理により露出したn型コンタクト層1
04上に、WとAlとを含むn電極115を形成する。
最後に、p側透明電極113の表面を保護するためにS
iO2よりなる絶縁層(図示せず)を保護膜として形成
する。こうして形成された窒化物半導体ウエハーをスク
ライブラインを引いた後、外力により分割し、発光素子
として350μm角のLEDチップを完成する。
【0039】このように、本発明の発光素子は、一般
に、多重量子井戸構造の活性層を有し、この活性層はI
nを含む窒化物半導体からなる第1の井戸層110と第
2の井戸層108と第3の井戸層109を有する。本発
明による井戸層は、Inを含む窒化物半導体として、例
えばAlXInYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y
≦1)で形成され、好ましくは三元混晶のInYGa1-Y
N(0≦Y≦1)で形成される。本発明の多重量子井戸
構造の活性層はさらに、第1の井戸層110、第2の井
戸層108、第3の井戸層109、もしくはその他の井
戸層の計n種(n≧3)からなる井戸層よりバンドギャ
ップの大きな窒化物半導体より成る障壁層107を有
し、これら井戸層110、108、109とその間に挟
まれる障壁層107とを積層して形成される。障壁層1
07は特に限定されないが、GaN、InGaN、Al
GaN等の材料により、n種の井戸層より厚く、例えば
数百Å程度の膜厚を有するように形成される。また、第
1の井戸層110、第2の井戸層108、第3の井戸層
109、さらにはn種のすべての井戸層の膜厚としては
特に限定されないが、例えば100Å以下の膜厚を有す
ることが好ましく、さらに好ましくは70Å以下、最も
好ましくは50Å以下の膜厚に調整する。100Åより
も厚いと、井戸層が弾性歪み限界以上の膜厚となり、井
戸層中の微少なクラック、あるいは結晶欠陥が入りやす
い。
【0040】また、p型半導体およびn型半導体として
は、特に限定されないが、例えば窒化物半導体から成る
p導電型およびn導電型の半導体を用いることができ
る。本発明の窒化物半導体の材料組成は、AlXInY
1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)と表され、
上述の通り、p型導電性またはn型導電性を有するよう
に、p型またはn型不純物をドープする。
【0041】また、本発明で用いている窒化物半導体素
子であるInYGa1-YN(0≦Y≦1)のInの混晶比
はバンドギャップエネルギーEgとの関係式、Eg=
3.4*(1−Y)+1.95*Y−A*Y*(1−
Y)において、A=1としたときに概算された値であ
り、またAlXGa1-XN(0≦X≦1)のAl混晶比X
はバンドギャップエネルギーとの関係式、Eg=3.4
*(1−X)+6.2*X−A*X*(1−X)におい
て、A=1としたときに概算された値である。上記2つ
の関係式の第1項と第2項の係数はそれぞれ、3.4は
GaNのバンドギャップエネルギー(eV)を、1.9
5はInNのバンドギャップエネルギー(eV)を、
6.2はAlNのバンドギャップエネルギー(eV)を
示している。
【0042】発光ダイオードランプのリードフレーム
は、銀メッキした鉄入り銅で形成される。リードフレー
ムの一方は、LEDチップを配置するためのカップを有
するマウント・リードで、他方は、LEDチップの一方
の電極とワイヤを介して電気的に接続するインナー・リ
ードを有する。エポキシ樹脂を用いて、LEDチップを
マウントリード上にダイボンディングした後、LEDチ
ップのp電極およびn電極に直径35μmの金線ワイヤ
の一方をボールボンディングし、他方をリードフレーム
の先端にステッチボンディングする。これにより、LE
Dチップの各電極とインナー・リードおよびマウント・
リードとをそれぞれ電気的に接続する。
【0043】こうして得られた発光ダイオードランプに
20mA(Vf=3.5V)の順方向電流を流したとこ
ろ、図2に示すように、CIEの色度図上の座標が
(X、Y)=(0.276、0.302)で表される発
光スペクトルを有する白色光が得られ、演色性はRa=
69であった。このとき、第1、第2および第3井戸層
110、108、109から、各々約448nm、50
0nmおよび570nmの波長を有する発光が確認され
る。また、図3に示すように第3の井戸層109が発す
る発光スペクトルは、第2の井戸層108が発する発光
スペクトルに比べて半値幅が広く、演色性に優れてお
り、第2の井戸層108が発する発光スペクトルは、第
1の井戸層110が発する発光スペクトルに比べて半値
幅が広く、演色性に優れている。また本発明に係る発光
素子は、異なる発光スペクトルを発する井戸層が3つに
限定されるものではなく、n種(n≧4)の井戸層を設
けることができる。これにより、発光素子としてのスペ
クトル幅を広げることができる。
【0044】(比較例1)実施例1と比較するために、
比較例1として活性層の第1の井戸層、第2の井戸層お
よび第3の井戸層の積層順序を入れ替えて形成した。具
体的には、n型窒化物半導体層側から見て、障壁層、第
3の井戸層、障壁層、第2の井戸層、障壁層、第1の井
戸層、障壁層の順で積層し、光取り出し面(p型窒化物
半導体層側)に近い側から禁制帯幅が広く(すなわち波
長が短く)なるように形成した。
【0045】この発光ダイオードは図2に示すように、
CIEの色度図上の座標が(X、Y)=(0.205、
0.417)で表される発光スペクトルを有し、輝度は
実施例1の発光ダイオードランプと比べて低く、その発
光色は緑がかって見えた。これは、500nmの波長を
有する第2の井戸層の発光スペクトル強度が実施例1と
比べて、相対的に他の波長の発光スペクトルより高くな
ったためである。
【0046】(実施例2)実施例1において、活性層1
06を次のように形成した他は同様にして発光ダイオー
ドランプを得た。多重量子井戸構造の活性層106は、
まず厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層107と厚
さ約30ÅのIn0.63Ga0.37Nからなる第2の井戸層
108、さらに厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層
107と厚さ約30ÅのIn0.84Ga0.16Nからなる第
3の井戸層109、さらに厚さ約250ÅのGaNから
なる障壁層107と厚さ約30ÅのIn0.44Ga0.56
からなる第1の井戸層110、さらに厚さ約250Åの
GaNからなる障壁層107を積層する。
【0047】さらに続けて、厚さ約30ÅのIn0.63
0.37Nからなる第2の井戸層108、厚さ約250Å
のGaNからなる障壁層107と厚さ約30ÅのIn
0.84Ga0.16Nからなる第3の井戸層109、
厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層107と厚さ約
30ÅのIn0.44Ga0.56Nからなる第1の井戸層11
0、最後に厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層10
7を積層する。
【0048】このようにして得られた発光ダイオードラ
ンプに20mA(Vf=3.8V)の順方向電流を流し
たところ白色光が得られ、演色性はRa=69であっ
た。また、第1、第2および第3井戸層110、10
8、109から、各々約448nm、500nmおよび
570nmの波長を有する発光が確認された。このよう
に実施例1の活性層の構成を1ペアとし、このペア数を
増やす(一部障壁層を除く)ことで発光ダイオードラン
プの出力を上げることができる。また、異なる発光スペ
クトルを発する井戸層が3つに限定されるものではな
く、n種(n≧4)の井戸層を設けることもできる。
【0049】(実施例3)実施例1において、活性層1
06を次のように形成した他は同様にして発光ダイオー
ドランプを得た。多重量子井戸構造の活性層106は、
まず厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層107と厚
さ約30ÅのIn0.44Ga0.56Nからなる第1の井戸層
110、さらに厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層
107と厚さ約30ÅのIn0.63Ga0.37Nからなる第
2の井戸層108、さらに厚さ約250ÅのGaNから
なる障壁層107と厚さ約30ÅのIn0.84Ga0.16
からなる第3の井戸層109、さらに厚さ約250Åの
GaNからなる障壁層107と厚さ約30ÅのIn 0.44
Ga0.56Nからなる第1の井戸層110、最後に厚さ約
250ÅのGaNからなる障壁層107を積層する。
【0050】このようにして得られた発光ダイオードラ
ンプに20mA(Vf=3.6V)の順方向電流を流し
たところ白色光が得られた。また、第1、第2および第
3井戸層110、108、109から、各々約448n
m、500nmおよび570nmの波長を有する発光が
確認された。このように実施例1の活性層の構成を含
み、n型窒化物半導体側にさらに第1の井戸層110を
1層追加したことで、実施例1より色温度の高い発光ダ
イオードランプを得ることができる。また、異なる発光
スペクトルを発する井戸層が3つに限定されるものでは
なく、n種(n≧4)の井戸層を設けることもできる。
【0051】(実施例4)実施例1において、活性層1
06を次のように形成した他は同様にして発光ダイオー
ドランプを得た。多重量子井戸構造の活性層106は、
まず厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層107と厚
さ約30ÅのIn0.63Ga0.37Nからなる第2の井戸層
108、さらに厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層
107と厚さ約30ÅのIn0.84Ga0.16Nからなる第
3の井戸層109、さらに厚さ約250ÅのGaNから
なる障壁層107と厚さ約30ÅのIn0.44Ga0.56
からなる第1の井戸層110、さらに厚さ約250Åの
GaNからなる障壁層107と厚さ約30ÅのIn 0.44
Ga0.56Nからなる第1の井戸層110、最後に厚さ約
250ÅのGaNからなる障壁層107を積層する。
【0052】このようにして得られた発光ダイオードラ
ンプに20mA(Vf=3.6V)の順方向電流を流し
たところ白色光が得られた。また、第1、第2および第
3井戸層110、108、109から、各々約448n
m、500nmおよび570nmの波長を有する発光が
確認された。このように実施例1の活性層の構成を含
み、p型窒化物半導体側にさらに第1の井戸層110を
1層追加したことで、実施例1より色温度の高い発光ダ
イオードランプを得ることができる。また、異なる発光
スペクトルを発する井戸層が3つに限定されるものでは
なく、n種(n≧4)の井戸層を設けることもできる。
【0053】(実施例5)実施例1において、活性層1
06を次のように形成した他は同様にして発光ダイオー
ドランプを得た。多重量子井戸構造の活性層106は、
まず厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層107と厚
さ約30ÅのIn0.70Ga0.30Nからなる第2の井戸層
108、さらに厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層
107と厚さ約30ÅのIn0.96Ga0.04Nからなる第
3の井戸層109、さらに厚さ約250ÅのGaNから
なる障壁層107と厚さ約30ÅのIn0.52Ga0.48
からなる第1の井戸層110、さらに厚さ約250Åの
GaNからなる障壁層107を積層する。
【0054】このようにして得られた発光ダイオードラ
ンプに順方向電流を流したところ白色光が得られた。ま
た、第1、第2および第3井戸層110、108、10
9から、各々約470nm、520nmおよび620n
mの波長を有する発光が確認された。
【0055】(実施例6)実施例1において、活性層1
06を次のように形成した他は同様にして発光ダイオー
ドランプを得た。多重量子井戸構造の活性層106は、
まず厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層107と厚
さ約30ÅのIn0.70Ga0.30Nからなる第2の井戸層
108、さらに厚さ約50ÅのAl0.3Ga0.7Nからな
る中間層、さらに厚さ約250ÅのGaNからなる障壁
層107と厚さ約30ÅのIn0.96Ga0.04Nからなる
第3の井戸層109、さらに厚さ約50ÅのAl0.3
0.7Nからなる中間層、さらに厚さ約250ÅのGa
Nからなる障壁層107と厚さ約30ÅのIn0.52Ga
0.48Nからなる第1の井戸層110、さらに厚さ約50
ÅのAl0.3Ga0.7Nからなる中間層、さらに厚さ約2
50ÅのGaNからなる障壁層107を積層する。
【0056】このようにして得られた発光ダイオードラ
ンプに順方向電流を流したところ白色光が得られた。ま
た、第1、第2および第3井戸層110、108、10
9から、各々約470nm、520nmおよび620n
mの波長を有する発光が確認された。このように、活性
層の井戸層と障壁層との間の井戸層上にAl0.3Ga0 .7
Nのような中間層を形成すると、Vfが下がる傾向にあ
る。
【0057】(実施例7)実施例1において、活性層1
06を次のように形成した他は同様にして発光ダイオー
ドランプを得た。多重量子井戸構造の活性層106は、
まず厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層107と厚
さ約30ÅのIn0.79Ga0.21Nからなる第3の井戸
層、さらに厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層と厚
さ約30ÅのIn0.70Ga0.30Nからなる第2の井戸
層、さらに厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層と厚
さ約30ÅのIn0.96Ga0.04Nからなる第4の井戸
層、さらに厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層と厚
さ約30ÅのIn0.52Ga0.48Nからなる第1の井戸
層、さらに厚さ約250ÅのGaNからなる障壁層を積
層する。
【0058】このようにして得られた発光ダイオードラ
ンプに順方向電流を流したところ白色光が得られた。ま
た、第1、第2、第3および第4井戸層は、各々約47
0nm、520nm、550nmおよび620nmの波
長を有する発光が確認された。また、実施例5と比較し
て470nm、520nm、620nmの3種の波長に
550nmの波長を加えて形成することで、実施例5よ
り演色性を上げることができた。
【0059】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。本発明
に係る窒化物半導体発光素子の活性層は、p型窒化物半
導体層側から見て、第1の発光領域、第3の発光領域、
第2の発光領域の順で積層された構成を少なくとも1つ
含むことで、所望の演色性を有する白色光の発光効率の
高い窒化物半導体発光素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施に係る窒化物半導体発光素子の
構造を示す模式的な断面図。
【図2】実施例1および比較例1により形成された発光
素子が発する光の色度図上の座標を示した図。
【図3】実施例1に係る窒化物半導体発光素子の発光ス
ペクトル図。
【符号の説明】
101・・・サファイア基板 102・・・バッファ層 103・・・アンドープGaN層 104・・・nコンタクト兼nクラッド層 105・・・超格子層 106・・・活性層 107・・・障壁層 108・・・第2の井戸層 109・・・第3の井戸層 110・・・第1の井戸層 111・・・pクラッド層 112・・・pコンタクト層 113・・・p側透明電極 114・・・p側パッド電極 115・・・n電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Inを含む窒化物半導体からなる少なくと
    も1つの第1の井戸層を有する第1の発光領域と、該第
    1の井戸層が発する光の主ピーク波長よりも長い主ピー
    ク波長の光を発する、Inを含む窒化物半導体から成る
    少なくとも1つの第2の井戸層を有する第2の発光領域
    と、該第2の井戸層が発する光の主ピーク波長よりも長
    い主ピーク波長の光を発する、Inを含む窒化物半導体
    からなる少なくとも1つの第3の井戸層を有する第3の
    発光領域と、を備えた多重量子井戸構造から成る活性層
    を有する窒化物半導体発光素子において、 該活性層はp型窒化物半導体層側から見て、第1の発光
    領域、第3の発光領域、第2の発光領域の順で積層され
    た構成を少なくとも1つ含んでなることを特徴とする窒
    化物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】Inを含む窒化物半導体からなる少なくと
    も1つの第1の井戸層を有する第1の発光領域と、該第
    1の井戸層が発する光の主ピーク波長よりも長い主ピー
    ク波長の光を発する、Inを含む窒化物半導体から成る
    少なくとも1つの第2の井戸層を有する第2の発光領域
    と、該第2の井戸層が発する光の主ピーク波長よりも長
    い主ピーク波長の光を発する、Inを含む窒化物半導体
    からなる少なくとも1つの第3の井戸層を有する第3の
    発光領域と、を備えた多重量子井戸構造から成る活性層
    を有する窒化物半導体発光素子において、 該活性層はp型窒化物半導体層側から見て、第1の発光
    領域、第3の発光領域、第2の発光領域の順で積層され
    た構成のみから成ることを特徴とする窒化物半導体発光
    素子。
  3. 【請求項3】Inを含む窒化物半導体からなる少なくと
    も1つの第1の井戸層と、該第1の井戸層が発する光の
    主ピーク波長よりも長い主ピーク波長の光を発する、I
    nを含む窒化物半導体から成る少なくとも1つの第2の
    井戸層と、該第2の井戸層が発する光の主ピーク波長よ
    りも長い主ピーク波長の光を発する、Inを含む窒化物
    半導体からなる少なくとも1つの第3の井戸層と、を備
    えた多重量子井戸構造から成る活性層を有する窒化物半
    導体発光素子において、 活性層はp型窒化物半導体層側から見て、障壁層、第1
    の井戸層、障壁層、第3の井戸層、障壁層、第2の井戸
    層、障壁層の順で積層された構成を少なくとも1つ含む
    ことを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  4. 【請求項4】Inを含む窒化物半導体からなる少なくと
    も1つの第1の井戸層と、該第1の井戸層が発する光の
    主ピーク波長よりも長い主ピーク波長の光を発する、I
    nを含む窒化物半導体から成る少なくとも1つの第2の
    井戸層と、該第2の井戸層が発する光の主ピーク波長よ
    りも長い主ピーク波長の光を発する、Inを含む窒化物
    半導体からなる少なくとも1つの第3の井戸層と、を備
    えた多重量子井戸構造から成る活性層を有する窒化物半
    導体発光素子において、 活性層はp型窒化物半導体層側から見て、障壁層、第1
    の井戸層、障壁層、第3の井戸層、障壁層、第2の井戸
    層、障壁層の順で積層された構成のみからなることを特
    徴とする窒化物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】上記第1の井戸層が発する光の主ピーク波
    長が400乃至480nmで、上記第2の井戸層が発す
    る光の主ピーク波長が480乃至570nmで、上記第
    3の井戸層が発する光の主ピーク波長が570乃至80
    0nmであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    いずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 【請求項6】上記第1の井戸層が発する光の主ピーク波
    長が420乃至460nm、上記第2の井戸層が発する
    光の主ピーク波長が480乃至520nm、上記第3の
    主ピーク波長が570乃至600nmであることを特徴
    とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の窒
    化物半導体発光素子。
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