JP2001166029A - Dbfレーダ装置 - Google Patents

Dbfレーダ装置

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JP2001166029A
JP2001166029A JP35175699A JP35175699A JP2001166029A JP 2001166029 A JP2001166029 A JP 2001166029A JP 35175699 A JP35175699 A JP 35175699A JP 35175699 A JP35175699 A JP 35175699A JP 2001166029 A JP2001166029 A JP 2001166029A
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JP
Japan
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antenna
element antenna
phase
digital
phase correction
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JP35175699A
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English (en)
Inventor
Junji Kawakubo
淳史 川久保
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】経時変化や温度変化に起因する誤検知を低減し
たDBFレーダ装置を提供すること。 【解決手段】アレーアンテナを構成する複数の素子アン
テナは複数のグループに分割されており、受信回路部に
は各グループ毎に素子アンテナ別受信信号の増幅を行う
増幅器が1個ずつ設けられ、各増幅器の入力端子には自
己のグループに属する複数の素子アンテナが切換スイッ
チを介して接続されている。受信回路部は位相補正値検
出手段と位相補正手段を備えている。位相補正値検出手
段は、デジタル受信信号受信信号について、基準素子ア
ンテナと他の素子アンテナとの位相差を検出し、検出さ
れた位相差のうち基準素子アンテナを含むグループに属
する他の素子アンテナの検出位相差を基準として、他の
グループに属する素子アンテナの位相差を推定し、他の
グループに属する各素子アンテナ毎にその推定位相差と
検出位相差を比較して位相補正値を求めるものであり、
位相補正手段は位相補正値を用いてデジタル受信信号の
位相補正を行うものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号処理をディジ
タル演算により行うレーダ装置に関するものであり、特
に、複数の素子アンテナからなるアレーアンテナを備
え、そのアンテナビームの生成および走査をディジタル
演算処理により行うディジタル・ビーム・フォーミング
(DBF)レーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、DBFレーダ装置では、アレー
アンテナを構成する各素子アンテナにそれぞれ、RFア
ンプ、ミキサ、フィルタ、A/D変換器が順に接続され
ており、各A/D変換器から出力されるディジタル受信
信号をディジタル・ビーム・フォーミング・プロセッサ
に取り込んで、ディジタル・ビーム・フォーミング処理
を行う。
【0003】このような一般的なDBFレーダ装置に対
して、コスト低減を目的とした改良が進められている。
特開平11−160423号に開示されたレーダ装置は
その一例であり、高価なデバイスであるミキサや低雑音
アンプ(LNA)を装置全体としてそれぞれ一つ備え、
切換スイッチを用いることにより各素子アンテナのいず
れかと接続可能な構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ミリ波の信
号を切り換えるための切換スイッチは、実用レベルでは
その切換数に制限がある。そのため、素子アンテナ数が
切換可能な数よりも大きくなると、切換スイッチを多段
に構成する必要がある。
【0005】一方、LNAはノイズフィギュア(NF)
を下げるためにはできるだけ素子アンテナに近い位置に
設けることが望ましい。そこで、切換スイッチが多段構
成である場合には、中間段に複数のLNAを配置した方
が、切換スイッチの後段に配置するよりもNFを下げる
ことができる。
【0006】しかし、LNAは能動素子であるために、
温度変化や経年変化により位相の遅れや進みが生じ、し
かもそれらの程度がLNAによって異なる。そのため、
LNAの温度変化や経年変化による位相の遅れや進みに
起因する素子アンテナ間の受信信号位相誤差が発生す
る。
【0007】この位相誤差は、DBF処理におけるアン
テナビームの生成に悪影響を与え、ターゲットの検出精
度を低下させる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のDBFレーダ装
置はこのような問題を解決するためになされたものであ
る。
【0009】本発明のDBFレーダ装置は、基準素子ア
ンテナを含む複数の素子アンテナが配列されたアレーア
ンテナと、各素子アンテナで受信した素子アンテナ別の
受信信号を増幅した後にダウンコンバートしてデジタル
信号に変換し、そのデジタル受信信号に対してデジタル
演算処理を施してアレーアンテナのアンテナビームの生
成および走査を行うことによりターゲットの検知を行う
受信回路部とを備えている。
【0010】複数の素子アンテナは複数のグループに分
割されており、受信回路部には各グループ毎に素子アン
テナ別受信信号の増幅を行う増幅器が1個ずつ設けら
れ、各増幅器の入力端子には自己のグループに属する複
数の素子アンテナが切換スイッチを介して接続されてい
る。
【0011】受信回路部は位相補正値検出手段と位相補
正手段を備えている。位相補正値検出手段は、デジタル
受信信号について、基準素子アンテナと他の素子アンテ
ナとの位相差を検出し、検出された位相差のうち基準素
子アンテナを含むグループに属する他の素子アンテナの
検出位相差を基準として、他のグループに属する素子ア
ンテナの位相差を推定し、他のグループに属する各素子
アンテナ毎にその推定位相差と検出位相差を比較して位
相補正値を求めるものであり、位相補正手段は位相補正
値を用いて各素子アンテナ別のデジタル受信信号の位相
補正を行うものである。
【0012】増幅器の温度変化や経年変化に基づいて位
相の遅れや進みが生じ、基準素子アンテナの受信信号に
対する他の素子アンテナの受信信号位相差にその遅れや
進みに起因する変動位相差が重畳される。しかし、位相
補正値検出手段において、各素子アンテナの検出位相差
に含まれる変動位相差を相殺する位相補正値を生成し、
位相補正手段において、位相補正値を用いて各素子アン
テナ別のデジタル受信信号に対して位相補正を行うの
で、素子アンテナ別の受信信号から増幅器の温度変化や
経年変化に起因する素子アンテナ間の変動位相差成分が
除去される。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態である
DBFレーダ装置を示す構成図である。
【0014】このDBFレーダ装置は、連続波(CW)
を周波数変調(FM)した送信信号を用いるFM−CW
レーダ装置でもある。
【0015】このレーダ装置は、n個の素子アンテナR
x1〜Rx(n)が配列されたアレーアンテナ1と、各
素子アンテナRx1〜Rx(n)で受信した素子アンテ
ナ別の受信信号に対して種々の処理を施すことによりタ
ーゲットの検知を行う受信回路部2と、送信信号を生成
する送信回路部3と、送信信号を放射する送信アンテナ
4とを備える。
【0016】送信回路部3は、中心周波数がf0(たと
えば76GHZ)の電圧制御型発振器31と、バッファ
アンプ32と、分配器33を備えている。電圧制御型発
振器31は、図示省略した変調制御部から出力される制
御電圧によって、変調周波数幅をΔFとする三角波変調
された被変調波(送信信号)を出力する。被変調波はバ
ッファアンプ32で増幅され、送信アンテナ4から電磁
波として放射される。
【0017】なお、送信信号の一部は分配器33によっ
て受信回路部2内のRFアンプ22に分配される。RF
アンプ22で増幅された信号は、受信検波用のローカル
信号として用いられる。
【0018】受信用のアレーアンテナ1は、n個の素子
アンテナRx1〜Rx(n)を備え、3個づつm個のグ
ループG1〜Gm(m=n/3)に分けられている。ま
た、第1素子アンテナRx1を特に基準素子アンテナと
呼ぶ。
【0019】受信回路部2は、m個の前段切換スイッチ
SW1〜SW(m)を備える。前段切換スイッチSW1
〜SW(m)は、それぞれ1つの可動接点と3つの固定
接点を有し、可動接点はDBFプロセッサ28からの切
換信号に基づいて、固定接点のいずれかに接続可能とな
っている。
【0020】前段切換スイッチSW1〜SW(m)は、
素子アンテナグループG1〜Gmにそれぞれ対応してお
り、各前段切換スイッチにおいて、同じグループに属す
る3つの素子アンテナがそれぞれ3つの固定接点に接続
されている。
【0021】前段切換スイッチSW1〜SW(m)の各
可動接点には、それぞれ低雑音増幅器LNA1〜LNA
(m)の各入力端子が接続されている。
【0022】低雑音増幅器LNA1〜LNA(m)の後
段には、1つの可動接点とm個の固定接点を有する後段
切換スイッチ21が設けられており、低雑音増幅器LN
A1〜LNA(m)の出力端子は、それぞれ後段切換ス
イッチ21の各固定接点に1対1に接続されている。
【0023】後段切換スイッチ21の切換制御も前段切
換スイッチと同様に、DBFプロセッサ28からの切換
信号に基づいて行われ、前段切換スイッチSW1〜SW
(m)と後段切換スイッチ21との協働切換動作によ
り、後段切換スイッチ21の可動接点に、素子アンテナ
Rx1〜Rx(n)いずれか一つが低雑音増幅器LNA
1〜LNA(m)のいずれか一つを介して接続される。
この協働切換動作は、各素子アンテナでの反射電波の受
信が実質的に同時になされたと考えられる程度に高速で
行われ、各素子アンテナでの受信信号が後段切換スイッ
チ21の可動接点から時間的に連続して出力される。
【0024】後段切換スイッチ21の可動接点は、第2
低雑音増幅器23の入力端子に接続されており、第2低
雑音増幅器23の後段には、ミキサ24、ベースバンド
増幅器25、ローパスフィルタ26、A/D変換器27
およびディジタル・ビーム・フォーミングプロセッサ
(DBFプロセッサ)28が順に接続されている。
【0025】素子アンテナRx1〜Rx(n)で受信し
た信号は、低雑音増幅器LNA1〜LNA(m)および
第2低雑音増幅器23で増幅され、ミキサ24において
RFアンプ22からのローカル信号とミキシングされ
る。このミキシング処理により、受信信号はダウンコン
バートされ、送信信号と受信信号との差信号であるビー
ト信号が生成される。
【0026】ビート信号は、ベースバンド増幅器25お
よびローパスフィルタ26を介してA/D変換器27に
入力され、所定のタイミングでディジタルビート信号
(デジタル受信信号)に変換される。
【0027】DBFプロセッサ28は、A/D変換器2
7からのデジタルビート信号を入力し、ディジタル演算
によりアンテナビームの生成および走査を行い、ターゲ
ットの距離および相対速度の検出を行う。
【0028】ここで、FM−CWレーダ装置の探知原理
を簡単に説明する。
【0029】三角波変調FM−CW方式では、相対速度
が零のときのビート周波数をfr、相対速度に基づくド
ップラ周波数をfd、周波数が増加する区間(アップ区
間)のビート周波数をfb1、周波数が減少する区間
(ダウン区間)のビート周波数をfb2とすると、 fb1=fr−fd …(1) fb2=fr+fd …(2) が成り立つ。
【0030】したがって、変調サイクルのアップ区間と
ダウン区間のビート周波数fb1およびfb2を別々に
測定すれば、次式(3)(4)からfrおよびfdを求
めることができる。
【0031】 fr=(fb1+fb2)/2 …(3) fd=(fb2−fb1)/2 …(4) frおよびfdが求まれば、目標物の距離Rと相対速度
Vを次の(5)(6)式により求めることができる。
【0032】 R=(C/(4・ΔF・fm))・fr …(5) V=(C/(2・f0))・fd …(6) ここに、Cは光の速度、fmはFM変調周波数である。
【0033】ところで、DBF処理によるアンテナビー
ムの生成および走査は、各素子アンテナRx1〜Rx
(n)において受信される受信信号の位相差を利用す
る。
【0034】図2に示すように、図示省略したターゲッ
トからの反射電波52が、素子アンテナRx1〜Rx
(n)の正面方向51に対して角度θで入射したとする
と、各素子アンテナRx1〜Rx(n)に到達する反射
電波52の等位相面は符号53で示した破線のようにな
る。
【0035】図3は、図2の破線円の部分を拡大したし
た図である。基準素子アンテナRx1に到達する反射電
波の伝搬経路長に対する素子アンテナRx2に到達する
反射電波の伝搬経路長は距離54だけ長くなる。したが
って、その分だけ素子アンテナRx2に到達する電波の
位相が基準素子アンテナに到達する電波の位相よりも遅
れる。
【0036】素子アンテナRx1とRx2の間隔をdと
すると、距離54はdsinθで表すことができ、その位
相遅れ量は、(dsinθ)/λとなる。ここに、λは送
信信号のキャリア波長である。
【0037】その他の素子アンテナRx3〜Rx(n)
が素子アンテナRx2に続いて順に間隔dで配列されて
いるとすると、各素子アンテナRx3〜Rx(n)の基
準素子アンテナに対する位相遅れ量は、(2・dsin
θ)/λ、(3・dsinθ)/λ、……、((n−1)
dsinθ)/λとなる。
【0038】各素子アンテナRx1〜Rx(n)で受信
した電波の位相は、ミキサ24でビート信号に置換さ
れ、さらに、A/D変換器27でデジタル信号に変換さ
れても保存されている。
【0039】したがって、DBFプロセッサ28におい
て、基準素子アンテナRx1以外の素子アンテナの信号
について、ディジタル演算により上述の位相遅れ量だけ
位相を進めてやれば、θ方向からの電波が全素子アンテ
ナにおいて同位相で受信されたことになり、指向性がθ
方向に向けられたことになる。すなわち、アレーアンテ
ナ1のアンテナビームがθ方向に向けられたことにな
る。θの値を所定範囲で連続的に変化させれば、アンテ
ナビームをその所定範囲で実質的に走査させることがで
きる。
【0040】アンテナビームが形成できれば、その方向
にあるターゲットの距離および相対速度を上述したFM
−CWレーダ装置の探知原理により求めることができ
る。
【0041】以上説明したように、アンテナビームを正
確に形成し走査するためには、各素子アンテナで受信し
たターゲットからの反射電波の位相情報を正しくDBF
プロセッサ28に伝達する必要がある。
【0042】ところが、低雑音増幅器LNA1〜LNA
(m)は能動素子であるために、温度変化や経年変化に
より、位相の遅れや進みを生じさせる。この位相の遅れ
や進みの程度は、低雑音増幅器LNA1〜LNA(m)
によってまちまちであるため、素子アンテナグループ間
において、位相誤差が発生する。
【0043】なお、第2低雑音増幅器23でも温度変化
や経年変化による位相の遅れや進みはあるが、単一であ
るため、素子アンテナ間の位相誤差とはならない。
【0044】本実施形態では、その位相誤差を補正する
ための位相補正値を求め、その位相補正値を用いて各素
子アンテナ別受信信号の位相補正をDBFプロセッサ2
8にて行う。すなわち、DBFプロセッサ28は、位相
補正値検出手段と位相補正手段を備える。
【0045】図4は、DBFプロセッサ28における位
相補正値検出処理おより位相補正処理を含む演算処理フ
ローを示すフローチャートである。
【0046】ステップS1において、各素子アンテナ毎
のデジタルビート信号を取り込む。つづいてステップS
2において、取り込んだデジタルビート信号に対して高
速フーリエ変換(FFT)処理を施す。
【0047】つぎに、ステップS3において、初期位相
差検出指令が出ているか否かを判断し、初期位相差検出
指令が出ていると判断されたときに、ステップS4に移
行して、基準素子アンテナRx1に対する他の素子アン
テナRx2〜Rx(n)との間の初期位相差Δ2〜Δn
を検出する。
【0048】初期位相差検出は、通常はこのレーダ装置
を出荷する際において検査官によるスイッチ操作等によ
りその指令がなされ、基準ターゲットからの反射電波を
用いて素子アンテナ間の位相差を求めることにより達成
される。この初期位相差は、つぎに初期位相差の検出指
令が出されるまで記憶部に保持され、DBF合成時に位
相補正値の一つとして用いられる。
【0049】具体的には、アレーアンテナ1の前方数十
メートルで方位角度0度方向に標準反射体を設置してレ
ーダ装置を動作させる。このとき、標準反射体が十分に
離れていれば、各素子アンテナにおいて受信される反射
波の位相は同位相とみなすことができる。しかし、実際
には各素子アンテナのチャネル別の経路差や経路途中に
ある回路要素の製造誤差などから位相差が生じる。この
位相差が初期位相差である。
【0050】レーダ装置のユーザーによる通常使用時に
は、初期位相差検出のための特殊なスイッチ操作がなさ
れないのでステップS3で否定され、ステップS5に移
行する。ステップS5では、基準素子アンテナの受信信
号に関するパワースペクトラムについて、ピークをサー
チする。
【0051】つづいて、ステップS6において、検出し
たピークが所定のしきい値よりも大きいか否かを判断す
る。ピーク値がしきい値以下である場合には、目標ター
ゲットが存在しないとして、ステップS1に戻る。
【0052】ここでのしきい値は、目標とするターゲッ
トに応じて適宜設定することができる。たとえば、この
レーダ装置が車載用レーダ装置であるとき、所定範囲を
先行する車両からの反射電波であれば得られるであろう
パワー値の最低値をしきい値すれば、所定範囲に先行車
両が存在しないときには、後段のDBF演算が回避され
る。
【0053】ステップS6において肯定判断がなされた
ときには、ステップS7に移行し、ピーク周波数におけ
る基準素子アンテナRx1に対する素子アンテナRx2
〜Rx(n)の実測位相差φ2〜φnを検出する。
【0054】いま、基準素子アンテナRx1に対する素
子アンテナRx2〜Rx(n)の初期位相差(ステップ
S5で検出され記憶保持されている)をΔ2〜Δnと
し、温度変化や経時変化に起因する低雑音増幅器LNA
1〜LNA(m)での位相変化をΔ´1〜Δ´mとする
と、検出された実測位相差φ2〜φnは、 φ2≒ d/λ・sinθ + Δ2 φ3≒ 2・d/λ・sinθ + Δ3 φ4≒ 3・d/λ・sinθ + Δ4 + (Δ´2〜Δ´1) φ5≒ 4・d/λ・sinθ + Δ5 + (Δ´2〜Δ´1) φ6≒ 5・d/λ・sinθ + Δ6 + (Δ´2〜Δ´1) φ7≒ 6・d/λ・sinθ + Δ7 + (Δ´3〜Δ´1) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ φn≒(n−1)・d/λ・sinθ+Δ(n)+(Δ´m〜Δ´1) と書ける(第1式群)。
【0055】第1式群の各式における右辺第1項は、図
2および図3を用いて説明した伝搬経路差に基づく位相
差である。また、実際には受動回路も温度変化や経年変
化により位相の遅れや進みが生じるが、その影響は極僅
かであるためそれらは省略し、代わりに各式において≒
を用いている。
【0056】ステップS8では、ステップS7で求めた
実測位相差φ2〜φnからステップS5で求めた初期位
相差Δ2〜Δnを減じ、初期位相補正された実測位相差
φ´2〜φ´nを求める。初期位相補正された実測位相
差φ´2〜φ´nは、 φ´2=φ2−Δ2≒ d/λ・sinθ φ´3=φ3−Δ3≒ 2・d/λ・sinθ φ´4=φ4−Δ4≒ 3・d/λ・sinθ + (Δ´2〜Δ´1) φ´5=φ5−Δ5≒ 4・d/λ・sinθ + (Δ´2〜Δ´1) φ´6=φ6−Δ6≒ 5・d/λ・sinθ + (Δ´2〜Δ´1) φ´7=φ7−Δ7≒ 6・d/λ・sinθ + (Δ´3〜Δ´1) ・ ・ ・ ・ ・ ・ φ´n=φn−Δn≒(n−1)・d/λ・sinθ + (Δ´m〜Δ´1) と表すことができる(第2式群)。
【0057】つぎに、ステップS9では、第1グループ
内の初期位相補正された実測位相差φ´2およびφ´3
をつぎに示す(7)式を用いて平均することにより、隣
接する素子アンテナ間の伝搬経路差に基づく実測伝搬経
路位相差Φ(理論式のd/λ・sinθに相当する)を求
める。
【0058】 Φ=(φ´2+φ´3/2)/2 …(7) つぎに、ステップS10では、実測伝搬経路位相差Φを
用いて基準素子アンテナRx1に対する素子アンテナR
x2〜Rx(n)の推定位相差{φ2}〜{φn}を求
める。
【0059】 {φ2}=Φ {φ3}=2・Φ {φ4}=3・Φ {φ5}=4・Φ {φ6}=5・Φ {φ7}=6・Φ ・ ・ ・ ・ ・ ・ {φn}=(n−1)Φ …(第3式群) さらに、ステップS11において、第4素子アンテナR
x4以降について、初期位相補正された実測位相差φ´
4〜φ´nと推定位相差{φ4}〜{φn}との誤差σ
4〜σnを求める。Φはd/λ・sinθの実測値に他な
らないから、第2式群と第3式群から誤差σ4〜σn
は、 となる(第4式群)。
【0060】ステップS12において、この誤差σ4〜
σnのいずれかが所定のしきい値よりも大きければ、ス
テップS13に移行し、初期位相差にステップS11で
求めた誤差を加えたものを位相補正値とする。すなわ
ち、各素子アンテナ別の位相補正値C1〜Cnを、 とする(第5式群)。
【0061】ステップS12において否定されたときに
はステップS14に移行し、初期位相差のみを位相補正
値とする。すなわち、位相補正値C1〜Cnを、 とする(第6式群)。
【0062】ステップS15では、ステップS13また
は14において求められた位相補正値を用いて位相補正
を行い、補正後のデジタルビート信号に対してDBF演
算を施す。
【0063】本実施形態では、素子アンテナRx1〜R
xnに対応するすべてのデジタルビート信号を用いてD
BF処理が施される。すなわち、すべての素子アンテナ
Rx1〜Rxnによって受信アンテナであるアレーアン
テナが構成されているが、第1グループの素子アンテナ
Rx1〜Rx3を位相補正専用に用いる比較用素子アン
テナとし、第2グループ以降の素子アンテナRx4〜R
xnで受信用のアレーアンテナを構成してもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のDBFレ
ーダ装置によれば、低雑音増幅器の温度変化や経時変化
による位相の遅れや進みを相殺する位相補正値を素子ア
ンテナ別に位相補正値検出手段で検出し、位相補正手段
において各素子アンテナに対応するデジタルビート信号
に対してそれぞれの位相補正値を用いた位相補正を行う
ので、アンテナビームの合成を正確に行うことができ
る。そのため、低雑音増幅器の経時変化や温度変化に起
因するターゲットの誤検知を抑制でき、高い検出精度を
維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるDBFレーダ装置の
構成を示す図。
【図2】各素子アンテナRx1〜Rxnにおけるターゲ
ットからの反射電波の受信状態を説明する図。
【図3】図2の一部を拡大した図。
【図4】本実施形態の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…アレーアンテナ、2…受信回路部、3…送信回路
部、4…送信アンテナ、Rx1〜Rxn…素子アンテ
ナ、SW1〜SW(m)…前段切換スイッチ、LNA1
〜LNA(m)…低雑音増幅器、21…後段切換スイッ
チ、23…第2低雑音増幅器、27…A/D変換器、2
8…DBFプロセッサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J021 AA05 AA06 CA06 DB02 DB03 DB04 EA04 FA14 FA15 FA16 FA17 FA20 FA26 FA29 FA31 FA32 GA02 HA05 HA10 5J070 AB17 AB24 AC02 AC06 AD09 AD10 AE01 AF03 AH35 AH40 AK22 BA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基準素子アンテナを含む複数の素子アンテ
    ナが配列されたアレーアンテナと、前記各素子アンテナ
    で受信した素子アンテナ別の受信信号を増幅した後にダ
    ウンコンバートしてデジタル信号に変換し、そのデジタ
    ル受信信号に対してデジタル演算処理を施して前記アレ
    ーアンテナのアンテナビームの生成および走査を行うこ
    とによりターゲットの検知を行う受信回路部とを備え、 前記複数の素子アンテナは複数のグループに分割されて
    おり、前記受信回路部には前記各グループ毎に前記素子
    アンテナ別受信信号の増幅を行う増幅器が1個ずつ設け
    られ、前記各増幅器の入力端子には自己のグループに属
    する複数の素子アンテナが切換スイッチを介して接続さ
    れているディジタル・ビーム・フォーミング(DBF)
    レーダ装置において、 前記受信回路部は位相補正値検出手段と位相補正手段を
    備えており、 前記位相補正値検出手段は、前記デジタル受信信号につ
    いて、前記基準素子アンテナと前記他の素子アンテナと
    の位相差を検出し、 検出された位相差のうち前記基準素子アンテナを含むグ
    ループに属する他の素子アンテナの検出位相差を基準と
    して、他のグループに属する素子アンテナの位相差を推
    定し、 前記他のグループに属する各素子アンテナ毎にその推定
    位相差と前記検出位相差とを比較して位相補正値を求め
    るものであり、 前記位相補正手段は前記位相補正値を用いて前記デジタ
    ル受信信号の位相補正を行うものであることを特徴とす
    るDBFレーダ装置。
  2. 【請求項2】複数の素子アンテナが配列されたアレーア
    ンテナと、前記各素子アンテナで受信した素子アンテナ
    別の受信信号を増幅した後にダウンコンバートしてデジ
    タル信号に変換し、そのデジタル受信信号に対してデジ
    タル演算処理を施して前記アレーアンテナのアンテナビ
    ームの生成および走査を行うことによりターゲットの検
    知を行う受信回路部とを備え、 前記複数の素子アンテナは複数のグループに分割されて
    おり、前記受信回路部には前記各グループ毎に前記素子
    アンテナ別受信信号の増幅を行う増幅器が1個ずつ設け
    られ、前記各増幅器の入力端子には自己のグループに属
    する複数の素子アンテナが切換スイッチを介して接続さ
    れているディジタル・ビーム・フォーミング(DBF)
    レーダ装置において、 前記アレーアンテナは、基準素子アンテナを含む複数の
    比較用素子アンテナを備え、 前記受信回路部は位相補正値検出手段と位相補正手段を
    備えており、 前記位相補正値検出手段は、前記基準素子アンテナのデ
    ジタル受信信号と前記基準素子アンテナ以外の前記比較
    用素子アンテナおよび前記素子アンテナのデジタル受信
    信号との位相差を検出し、 前記比較用素子アンテナの検出位相差を基準として、前
    記素子アンテナの検出位相差を推定し、 前記各素子アンテナ毎に前記推定位相差と前記検出位相
    差とを比較して位相補正値を求めるものであり、 前記位相補正手段は前記位相補正値に従って前記デジタ
    ル受信信号の位相補正を行うものであることを特徴とす
    るDBFレーダ装置。
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