JP2001154096A - 光学素子、光ピックアップ装置及び記録再生装置 - Google Patents

光学素子、光ピックアップ装置及び記録再生装置

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JP2001154096A
JP2001154096A JP33840599A JP33840599A JP2001154096A JP 2001154096 A JP2001154096 A JP 2001154096A JP 33840599 A JP33840599 A JP 33840599A JP 33840599 A JP33840599 A JP 33840599A JP 2001154096 A JP2001154096 A JP 2001154096A
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light
incident
optical
reflecting
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JP33840599A
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Hide Hosoe
秀 細江
Makoto Sakano
誠 坂野
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近接場光学系に適切でありかつ充分な収差補
正が可能な光学素子、この光学素子を用いた光ピックア
ップ装置、及びこの光ピックアップ装置を備える記録再
生装置を提供する。 【解決手段】 この光学素子31は、外部からの光が入
射する入射面51aと、外部へ光を出射させる出射面3
5aと、入射面から入射した光の少なくとも一部を出射
面に集光する反射面34,33とを有する。入射面を光
学素子本体50と異なる材料で構成することにより、収
差補正の可能な光学面を増やす。出射面35aから近接
場効果で滲み出た光を光ピックアップのために利用でき
る。光ピックアップ装置が光学素子1を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射面を有し近接
場光学系に適切である光学素子、この光学素子を用いた
光ピックアップ光学系、この光学素子を用いた光ピック
アップ装置及びこの光ピックアップ装置を備える記録再
生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度光記録における記憶容量を
増やすために、光ディスク上に読みとりや書き込みのた
めに集光させるレーザ光のスポットサイズを小さくする
ことが試みられ実用化されている。このための最も一般
的な方法は光源の波長を短くすることである。このため
集光スポット光の波長を短くし、同時にNAを大きくす
ることにより記録密度を向上するものとして近接場を利
用する対物レンズが公知である。例えば、図7に示すの
は、Optics Design and Fabrication '98で発表された
SIL(Solid Immersion Lens)と呼ばれる対物レンズで
ある。図7に示すように、この対物レンズでは、第1面
91は凹屈折面(入射面)となっており、無限遠からの
光束が透過すると緩やかに発散するが、第2面92の平
面によって反射され折り返される。そして、第3面93
の反射面によって急激に集光されて出射面である第4面
94で空気との境界面近傍で焦点を結ぶ。この焦点光
は、対物レンズを構成する光学媒質の方が出射後の空気
よりも屈折率が高いから、大半は全反射してしまうが、
第4面94に対して波長の数分の一程度の距離では、エ
バネッセント波として第4面上を伝搬する光となり、空
気中に媒質内の光束が滲み出す。このとき、光ディスク
Dをこの惨み出した光を捕らえられるように第4面94
対して100nm以下の近接場に接近させて配置してお
くと、媒質中の波長で光ディスクに読みとりや書き込み
の集光スポットを結ぶことができる。
【0003】上述の対物レンズでは、第3面93で大き
な集光角θで集光された光束は媒質の屈折率nがかかっ
た大きなNAとなるため、非常に小さなスポットサイズ
を実現でき、記録密度を飛躍的に高めることができる。
例えば、光源の波長λを650nmとし、対物レンズの
媒質の屈折率nを1.8とし、さらに集光角θを60°
とすると、NAは1.56となり、スポットサイズはD
VD用途の1/2.6倍となる。従って、記録密度が
6.8倍と驚異的に向上し、光ディスクの光ピックアッ
プ光学系に適切な対物レンズである。
【0004】しかし、上述の対物レンズのようなSIL
レンズは、天体望遠鏡などでよく用いられるカタディオ
プトリック光学系を平面鏡で折り返して、入射光束方向
と同じ方向に出射光束を向けたものであり、収差を低減
するために寄与している光学面は入射面(屈折面)91
とカタディオプトリック反射面93のわすか2面しかな
い。このような光学系では、もともとティルトなどの偏
心に強い光学系ではあるが、基本的に球面収差と軸外光
束のコマ収差しか補正できない。このため、充分な収差
補正の実現が困難となってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、近接
場光学系に適切でありかつ充分な収差補正が可能な光学
素子、この光学素子を用いた光ピックアップ装置、及び
この光ピックアップ装置を備える記録再生装置を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題達成のため、本
発明の光学素子は、外部からの光が入射する入射面と、
外部へ光を出射させる出射面と、前記入射面から入射し
た光を前記出射面に集光する反射面とを有し、前記入射
面を光学素子本体と異なる材料で構成したことを特徴と
する。
【0007】この光学素子によれば、光学素子本体と異
なる材料の入射面と光学素子本体との境界面が光学面と
なるため、収差補正に寄与できる光学面が1面増える。
このため、充分な収差補正が可能となり、より高い光学
性能を有する光学素子を実現できる。また、反射面が形
成されているため、この反射面を利用した近接場光学系
に適切な光学素子とすることができる。
【0008】また、本発明の別の光学素子は、外部から
の光が入射する入射面と、前記入射した光を反射する反
射面と、外部へ光を出射させる出射面とを有し、前記反
射面は少なくとも第1の反射面と第2の反射面とを備
え、前記第1の反射面は入射した光を反射し、前記第2
の反射面は前記第1の反射面で反射された光を前記出射
面に集光し、前記入射面を光学素子本体と異なる材料で
構成したことを特徴とする。
【0009】この光学素子によれば、光学素子本体と異
なる材料の入射面と光学素子本体との境界面が光学面と
なるため、収差補正に寄与できる光学面が1面増える。
このため、充分な収差補正が可能となり、より高い光学
性能を有する光学素子を実現できる。また、第1及び第
2の反射面が形成されているため、これらの反射面を利
用した近接場光学系に適切な光学素子とすることができ
る。
【0010】また、本発明の更に別の光学素子は、外部
からの光が入射面から入射し、外部へ光を出射させる出
射面において近接場効果を有し、前記入射面を光学素子
本体と異なる材料で構成したことを特徴とする。
【0011】この光学素子によれば、光学素子本体と異
なる材料の入射面と光学素子本体との境界面が光学面と
なるため、収差補正に寄与できる光学面が1面増える。
このため、近接場効果を有する光学素子において充分な
収差補正が可能となり、より高い光学性能を有し近接場
効果のある光学素子を実現できる。
【0012】また、前記入射面を構成する材料の屈折率
は前記光学素子本体の材料の屈折率と異なるように構成
できる。
【0013】また、前記入射面が樹脂材料からなる樹脂
層に形成されているように構成できる。
【0014】また、前記光学素子本体をガラス材料から
構成することができる。
【0015】また、前記光学素子本体と前記入射面を含
む部分とを樹脂材料から構成することができる。
【0016】また、前記反射面を裏面鏡とすることがで
き、また、表面鏡とすることもできる。ここで、表面鏡
とは、反射面を構成する媒体外から光線が反射面に入射
し、入射角と等しい反射角により反射しその媒体外ヘ反
射する構成の反射鏡をいう。また、裏面鏡とは、反射面
を構成する媒体中から光線が入射し、入射角と等しい反
射角により光線を反射し媒体中ヘ戻す構成の反射鏡をい
う。
【0017】また、本発明の更に別の光学素子は、外部
からの光が入射する入射面と、前記入射した光を反射す
る裏面鏡の反射面と、外部へ光を出射させる出射面とを
有し、前記反射面は少なくとも第1の反射面と第2の反
射面とを備え、前記第1の反射面は入射した光を反射
し、前記第2の反射面は前記第1の反射面で反射された
光を前記出射面に集光し、前記第2の反射面を光学素子
本体と異なる材料で構成したことを特徴とする。
【0018】この光学素子によれば、光学素子本体と異
なる材料の第2の反射面と光学素子本体との境界面が光
学面となるため、収差補正に寄与できる光学面が1面増
える。このため、充分な収差補正が可能となり、より高
い光学性能を有する光学素子を実現できる。また、第1
及び第2の反射面が形成されているため、これらの反射
面を利用した近接場光学系に適切な光学素子とすること
ができる。なお、異なる材料とは、少なくとも屈折率が
互いに異なるような材料をいう。
【0019】この場合、前記入射面を光学素子本体と異
なる材料で構成することにより、収差補正に寄与できる
光学面が更に増えるので好ましい。
【0020】また、前記出射面を含む領域または前記出
射面の近傍を含む領域を屈折率の高い材料から構成する
ことにより、この領域で集光した光が出射面から滲み出
て近接場光学系により適切な光学素子とすることができ
る。
【0021】また、本発明の光ピックアップ装置は、上
述の光学素子を光ピックアップのための集光用に用いる
ことを特徴とする。
【0022】また、本発明の光ピックアップ装置は、光
源と、前記光源からの光を情報記録媒体に集光する上述
の光学素子と、前記情報記録媒体からの光を受光する受
光素子とを具備し、前記光学素子と前記情報記録媒体と
の最近接距離がλ/2(λ:前記光源の波長)以下であ
ることを特徴とする。
【0023】この光ピックアップ装置によれば、充分な
収差補正が可能となり、より高い光学性能を有する光学
素子によって情報記録媒体に集光するので、誤差の少な
い再生または記録が可能となる。
【0024】また、前記最近接距離は近接場光量を多く
用いるためにλ/4以下であることが更に好ましい。
【0025】また、本発明の記録再生装置は、上述の光
ピックアップ装置を備え、音声及び画像の少なくとも一
方について記録及び再生の少なくとも一方が可能である
ことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態に
ついて図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形
態を示す光学素子の縦断面図である。図1に示す光学素
子は、光学素子本体と異なる材料からなる入射層を設
け、反射面を裏面鏡に構成したものである。
【0027】図1の光学素子31は、光軸pを中心に形
成された凹面32と、外部からの光が入射し球面状の凹
面51aと凹面32と相補的に適合した形状の凸面51
bとを有する入射層51と、凹面51aからの光が入射
し反射するように底部35に形成された平面状の第1の
反射面34と、凹面32の周囲に形成され第1の反射面
34からの光を底部35の中心近傍に向けて反射する第
2の反射面33と、底面35の中心近傍に設けられ第2
の反射面33からの光の出射面35aとを備えている。
また、光学素子31の外周から光軸pに対してほぼ垂直
方向に突き出すようにフランジ部37が形成されてお
り、このフランジ部37は光学素子を光ピックアップ装
置に取り付ける場合に用いられる。
【0028】光学素子31の本体50は樹脂材料から一
体に成形により透光性に形成されている。第1及び第2
の反射面34,33は裏面鏡に構成され、第2の反射面
33は第1の反射面34からの光を反射し底部35の中
心近傍に集光するような曲率になっている。第1の反射
面33は底面35の中心近傍の出射面35aを除いた領
域にドーナツ状に形成されている。入射層51は、光学
素子本体50と屈折率の異なる別の樹脂材料から成形に
より透光性に形成されている。なお、光学素子本体50
とは、図1では光学素子31全体をいう。
【0029】光学素子本体50を構成する樹脂材料とし
ては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂
を使用でき、また光学ガラスであってもよいが、熱硬化
性樹脂または光硬化性樹脂であると、熱可塑性樹脂によ
るものと比べて熱による影響は少なく熱に対し耐久性が
実現できるとともに、光学的に異方性がなく複屈折が少
なく光学的に高精度な光学素子を実現できる。また、よ
り低温の状態で成形できるから、製造上コスト的に有利
である。
【0030】なお、熱硬化製樹脂の好ましい具体例とし
ては、三菱化学製のUV1000、2000、300
0、三井化学製のMR−6,−7、日本合成ゴム製のデ
ソライトなどがある。また、光硬化性樹脂の好ましい具
体例としては、三菱化学製のUV1000、2000、
3000や日本化薬製のカヤラッド、三井化学製のMR
−6,−7などがある。光硬化性樹脂の場合は、成形金
型の一部をガラスなどの紫外線が透過する材料で製作
し、常温で液体の樹脂を成形金型に充填した後、紫外線
を照射して硬化させて光学素子を成形するようにでき
る。
【0031】第1の反射面34及び第2の反射面33
は、それぞれ光学素子50に例えば銀材料で蒸着法によ
り形成することができ、各反射面34,33に入射した
光の少なくとも50%以上は反射するようになってい
る。より好ましくは反射率は90%以上がよい。
【0032】入射層51は、熱硬化性樹脂や光硬化性樹
脂などで成形により形成でき、また光学素子本体50を
ガラスから形成した場合は、射出成形のインサート成形
法によって熱可塑性樹脂で成形することも可能である。
また、入射層51の凹面51aは球面状であるが、非球
面形状としてもよく、同様に成形により形成できる。
【0033】入射層51及び光学素子本体50をともに
樹脂材料で構成する場合、入射層51を、例えば、シリ
コン樹脂材料(屈折率:1.43)から形成し、光学素
子本体50をエピスルフィド系樹脂材料(屈折率:1.
71)から形成することができる。
【0034】図1の光学素子31によれば、図の上方か
らほぼ平行な光が入射層51の凹面51aから入射し光
学面として機能する凹面32を通り光軸pを中心に拡散
するように光学素子31内を進み、この拡散した光は第
1の反射面34で反射し、この反射光が第2の反射面3
3で底部35の中心近傍に向けて更に反射し、底部35
の中心近傍に集光され、出射面35aから外部に出射す
る。このとき、近接場効果で出射面35aからλ/2
(λは光の波長)の距離の範囲内で光が滲み出る。この
滲み出た光を例えば後述する図4のように光情報記録媒
体における光ピックアップのために用いることができ
る。
【0035】図1の光学素子は入射層51を設け、その
凹面51a及び凹面32がともに光学面として機能し両
面51a,32で収差補正をすることができるから、入
射層51のない場合と比較して、収差補正に寄与できる
光学面が1つ増えて、光学設計上の自由度が増えより高
い光学性能を確保することができる。このように近接場
効果を有する光学素子のような簡素な光学系で光学面を
増やすことは、光学素子の収差を低減するには非常に有
効であり、光学性能の更なる改善を達成することができ
る。
【0036】次に、図1の光学素子の変形例を図2及び
図3により2例説明する。図2の光学素子41は、図1
の第2の反射面33を透光性にするとともに、光学素子
本体50と異なる材料からなる反射層52を図1の面3
3を覆うように設け、反射層52の外面を第2の反射面
53としたものである。第2の反射面53は、第1の反
射面34からの光を底面35の中心近傍に集光するよう
な曲率に形成されている。反射層52は入射層51と一
体に成形により形成できる。
【0037】また、光学素子本体50の底部35の中心
近傍には光学素子本体50よりも屈折率の高い高屈折領
域36(屈折率n)が形成されている。高屈折領域36
は例えば、光学素子本体50の中に埋め込み、スパッタ
リング、蒸着、イオン交換、ドーピング等により、ほぼ
半球面状に形成される。
【0038】図2の光学素子41によれば、もともとの
反射面である光学面33で光が透過し、この光学面33
を反射の前後で2回光束が透過するから収差補正面にで
き、第2の反射面53でも収差補正をすることができる
から、図1の場合と比較して、収差補正に寄与できる光
学面がもう1つ増えて、更に光学設計上の自由度が増
え、更により高い光学性能を確保することができる。
【0039】また、高屈折領域36を設けたので、第2
の反射面53から反射して集光され高屈折領域36に入
射した光が出射面36aから外部に出射するが、このと
き、近接場効果で出射面36aからλ/2(λは光の波
長)の距離の範囲内でλ/nの波長を有する近接場光が
滲み出る。この滲み出た光を例えば光情報記録媒体にお
ける光ピックアップのために用いることができ、また、
より小さなスポットサイズの光を得ることができ、光情
報記録媒体においてより高密度な記録が可能となる。
【0040】次に、別の変形例である図3の光学素子3
9は、図2の光学素子41の第1の反射面34を曲率の
ある第1の反射面38に構成したものである。この光学
素子39によれば、光学的に収差補正できる光学面が図
3の場合よりも更に1面増えるから、更に充分な収差補
正が可能となり、良好な光学性能を確保し易くなり、好
ましい。
【0041】次に、図4により、図2の光学素子を含む
光ピックアップ光学系及び光ピックアップ装置について
説明する。
【0042】図4に示す光ピックアップ装置20は、光
ピックアップ光学系21と、レーザダイオードからなる
光源22と、フォトダイオードからなる受光センサ23
とを備え、光源22からの光により光情報記録媒体の光
ディスク10から情報を読み取るように構成されてい
る。なお、光ピックアップ装置20は、図4の横方向に
光ディスク10に対し自動的に移動できるようにオート
サーボ機構(図示省略)を備え、また、図4の縦方向に
自動的に移動するようにオートトラッキングサーボ機構
(図示省略)を備える。
【0043】光ピックアップ光学系21は、光源22か
らのレーザ光を回折する回折格子24と、回折格子24
からの光を光ディスク10に向けて反射するとともに光
ディスク6からの光を受光センサ23に向けて透過させ
るビームスプリッタ25と、ビームスプリッタ25で反
射した光を平行光にするコリメータレンズ26と、コリ
メータレンズ26からの平行光が入射し光ディスク10
上に集光させる光学素子41とを備える。光ディスク1
0は、光学素子41の出射面36aに極めて接近して配
置されており、光ディスク10と光学素子41の出射面
36aとの距離は、近接場光の強度は出射面35aから
の距離により指数的に減少するから、光源22の波長を
λとすると、λ/2が好ましく、λ/4が更に好まし
い。
【0044】図4の光ピックアップ装置20によれば、
光源22からのレーザ光が回折格子24で回折され、ビ
ームスプリッタ25で反射し、コリメータレンズ26で
平行光にされてから、光学素子41にその入射層51か
ら入射する。この入射光は図1、図2で説明したように
第1及び第2の反射面34、52aで反射し、底面35
の中心近傍に集光され、高屈折領域36へ入射し、出射
面36aから外部に出射する。このとき、近接場効果で
出射面36aからλ/2の距離の範囲内でλ/nの波長
を有する光が滲み出る。この近接場効果による光が回転
中の光ディスク10上に照射され、その光が光ディスク
10から反射し、その反射光が上述と逆の経路を辿り、
ビームスプリッタ25を通過して受光センサ23で受光
しその光の強弱を電気信号に変換することにより、光デ
ィスク10に記録された情報を読み取ることができる。
【0045】上述のように、光学素子41は従来よりも
充分に収差補正が可能であるため、図4では、読み取り
誤差を更に低減させた光ピックアップ装置を実現でき
る。また、光情報記録媒体に情報を書き込み記録するよ
うに構成することも可能であり、光学素子41により得
られたスポット径の小さな光によって高密度記録が可能
となる。
【0046】次に、図5により別の光学素子について説
明する。この光学素子は、入射層を設けるとともに、反
射面を表面鏡に構成したものである。
【0047】図5に示すように、光学素子1は、凹面2
aと凹面2bとを有する凹レンズ部2と、凹レンズ部2
と光学素子本体3と平板部5とに包囲されるように内部
に形成された空洞部8と、平板部5と、平板部5の外周
側に平面状に形成された第1の反射面6と、空洞部8の
内面に形成され第1の反射面6からの光を平板部5の中
心に向け集光するように反射させる第2の反射面4と、
平板部5の中心近傍部9に形成された高屈折領域7とを
備える。
【0048】更に、光学素子1は、外部からの光が入射
し球面状の凹面12aと、凹レンズ部2の凹面2bと相
補的に適合した形状の凸面12bとを有する入射層12
を備える。入射層12は凹レンズ部2を覆うように設け
られ、光学素子本体3とは異なる材料から形成されてい
る。なお、光学素子本体3とは、図5において凹レンズ
部2と第2の反射面4とを含む全体部分をいう。
【0049】平板部5はガラス板等の透光性材料から構
成され、中心近傍部9の外周に第1の反射面6が形成さ
れている。第2の反射面4は平板部5の中心に向けて光
を集光するような曲率に形成されている。第1の反射面
6及び第2の反射面4は、例えば銀材料で蒸着法により
形成することができ、各反射面6,4に入射した光の少
なくとも50%以上は反射するようになっている。平板
部5は光学素子本体3にその外周で接着等により固定す
ることができる。
【0050】また、平板部5の中心近傍部9に形成され
た屈折率nの高屈折領域7は、平板部5の透光性材料よ
りも屈折率が高く形成されており、例えば平板部5の中
に埋め込み、イオン交換、ドーピング等により、ほぼ半
球面状に形成される。
【0051】また、入射層12の凹面12aは、球面状
であるが、非球面形状としてもよく、同様に成形により
形成でき、また凹面としたが、凸面であっても良い。こ
のように入射層12の光学面形状は問わず、またこの入
射面でのパワーが正であっても負であっても良い。光学
素子本体3と入射層12は、ともに樹脂材料から構成で
きるが、上述と同様に屈折率の異なる材料から構成でき
る。また、光学素子本体3をガラスから構成してもよ
い。
【0052】以上のように、図5の光学素子は入射層1
2を設け、その凹面部12a及び凹面2aがともに光学
面として機能し両面12a、2aで収差補正をすること
ができるから、入射層12のない場合と比較して、収差
補正に寄与できる光学面が1つ増えて、より高い光学性
能を確保することができる。このように近接場効果を有
する光学素子のような簡素な光学系で光学面を増やすこ
とは、光学素子の収差を低減するには非常に有効であ
り、光学性能の更なる改善を達成することができる。
【0053】また、上述のような表面鏡の構成による光
学素子は、表面鏡による入射光線の集光が空気中で行わ
れるため、NAが1以上に大きくならないが、平板部5
に高屈折領域7を設けているから、高屈折領域7を構成
する材料の屈折率分だけNAを大きくできる。例えば、
高屈折領域7の屈折率を2.4(SiTiO3)や2.8
(TiO2)とすると、高屈折領域7がない場合にNAは
0.86(θ=60゜)であったものが、それぞれ、
2.1,2.4となる。このため、スポット径の小さな
光を得ることができ、光ピックアップ装置に用いた場合
に、4.4倍や5.8倍の高密度記録が可能となる。
る。
【0054】また、図5のような表面鏡の構成による光
学素子は、表面鏡による入射光線の集光が空気中で行わ
れるため、NAが1以上に大きくならないが、平板部5
に高屈折領域7を設けているから、高屈折領域7を構成
する材料の屈折率分だけNAを大きくできる。例えば、
高屈折領域7の屈折率を2.4(SiTiO3)や2.8
(TiO2)とすると、高屈折領域7がない場合にNAは
0.86(θ=60゜)であったものが、それぞれ、
2.1,2.4となる。このため、スポット径の小さな
光を得ることができ、光ピックアップ装置に用いた場合
に、4.4倍や5.8倍の高密度記録が可能となる。
【0055】図6に、図4の光学素子に代えて図5の光
学素子1を配置した光ピックアップ装置を示す。図6の
光ピックアップ装置においても近接場効果の有する光学
素子により図4と同様の効果が得られる。
【0056】なお、反射面とは、本明細書では、その反
射面に入射した光の50%以上(望ましくは90%以
上)を反射する面をいう。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、近接場光学系に適切で
ありかつ充分な収差補正が可能な光学素子、この光学素
子を用いた光ピックアップ装置、及びこの光ピックアッ
プ装置を備える記録再生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による光学素子の断面図で
ある。
【図2】図1の光学素子の変形例を示す断面図である。
【図3】図1の光学素子の別の変形例を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態による光ピックアップ光学
系(図2の光学素子を含む)及びこの光学系を含む光ピ
ックアップ装置の概略を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態による別の光学素子の断面
図である。
【図6】図5の光学素子を含む光ピックアップ光学系及
びこの光学系を含む光ピックアップ装置の概略を示す図
4と同様の図である。
【図7】従来の光学素子の断面図である。
【符号の説明】
1,31,39,41 光学素子 2 レンズ部 2a,2b,32 凹面 3,50 光学素子本体 6,34,38 第1の反射面 4,53 第2の反射面 33 第2の反射面、光学
面 37 フランジ部 7,36 高屈折領域 7a,35a,36a 出射面 12,51 入射層(樹脂層) 12a,51a 凹面 52 反射層 20 光ピックアップ装置 21 光ピックアップ光学
系 22 光源 23 受光センサ 26 コリメータレンズ

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの光が入射する入射面と、外部
    へ光を出射させる出射面と、前記入射面から入射した光
    を前記出射面に集光する反射面と、を有し、 前記入射面を光学素子本体と異なる材料で構成したこと
    を特徴とする光学素子。
  2. 【請求項2】 外部からの光が入射する入射面と、前記
    入射した光を反射する反射面と、外部へ光を出射させる
    出射面と、を有し、 前記反射面は少なくとも第1の反射面と第2の反射面と
    を備え、前記第1の反射面は入射した光を反射し、前記
    第2の反射面は前記第1の反射面で反射された光を前記
    出射面に集光し、 前記入射面を光学素子本体と異なる材料で構成したこと
    を特徴とする光学素子。
  3. 【請求項3】 外部からの光が入射面から入射し、外部
    へ光を出射させる出射面において近接場効果を有し、 前記入射面を光学素子本体と異なる材料で構成したこと
    を特徴とする光学素子。
  4. 【請求項4】 前記入射面を構成する材料の屈折率は前
    記光学素子本体の材料の屈折率と異なる請求項1,2ま
    たは3に記載の光学素子。
  5. 【請求項5】 前記入射面が樹脂材料からなる樹脂層に
    形成されている請求項1,2,3または4に記載の光学
    素子。
  6. 【請求項6】 前記光学素子本体がガラス材料からなる
    請求項1,2,3,4または5に記載の光学素子。
  7. 【請求項7】 前記光学素子本体と前記入射面とが樹脂
    材料からなる請求項1,2,3,4または5に記載の光
    学素子。
  8. 【請求項8】 前記反射面が裏面鏡である請求項1〜7
    のいずれか1項に記載の光学素子。
  9. 【請求項9】 前記反射面が表面鏡である請求項1〜7
    のいずれか1項に記載の光学素子。
  10. 【請求項10】 外部からの光が入射する入射面と、前
    記入射した光を反射する裏面鏡の反射面と、外部へ光を
    出射させる出射面と、を有し、 前記反射面は少なくとも第1の反射面と第2の反射面と
    を備え、前記第1の反射面は入射した光を反射し、前記
    第2の反射面は前記第1の反射面で反射された光を前記
    出射面に集光し、 前記第2の反射面を光学素子本体と異なる材料で構成し
    たことを特徴とする光学素子。
  11. 【請求項11】 前記入射面を光学素子本体と異なる材
    料で構成した請求項10項に記載の光学素子。
  12. 【請求項12】 前記出射面を含む領域を他の部分より
    も屈折率の高い材料から構成した請求項1〜11のいず
    れか1項に記載の光学素子。
  13. 【請求項13】 前記出射面の近傍を含む領域を他の部
    分よりも屈折率の高いから構成した請求項1〜11のい
    ずれか1項に記載の光学素子。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の光学素子を光ピックアップのための集光用に用いるこ
    とを特徴とする光ピックアップ装置。
  15. 【請求項15】 光源と、 前記光源からの光を情報記録媒体に集光する請求項1〜
    13のいずれか1項に記載の光学素子と、 前記情報記録媒体からの光を受光する受光素子と、を具
    備し、 前記光学素子と前記情報記録媒体との最近接距離がλ/
    2(λ:前記光源の波長)以下であることを特徴とする
    光ピックアップ装置。
  16. 【請求項16】 前記最近接距離がλ/4以下である請
    求項15に記載の光ピックアップ装置。
  17. 【請求項17】 請求項15または16に記載の光ピッ
    クアップ装置を備え、 音声及び画像の少なくとも一方について記録及び再生の
    少なくとも一方が可能であることを特徴とする記録再生
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001194582A (ja) * 1999-11-30 2001-07-19 Samsung Electronics Co Ltd 高密度光集束のための対物レンズ及びこれを採用した光ピックアップ装置並びにこれに適した光ディスク
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JP2006133767A (ja) * 2004-10-27 2006-05-25 Carl Zeiss Jena Gmbh 光学システム、特に顕微鏡

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