JP2001153221A - トルクコンバータのスリップ制御装置 - Google Patents

トルクコンバータのスリップ制御装置

Info

Publication number
JP2001153221A
JP2001153221A JP33381199A JP33381199A JP2001153221A JP 2001153221 A JP2001153221 A JP 2001153221A JP 33381199 A JP33381199 A JP 33381199A JP 33381199 A JP33381199 A JP 33381199A JP 2001153221 A JP2001153221 A JP 2001153221A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
slip
lock
torque converter
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33381199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3543703B2 (ja
Inventor
Takao Koyama
隆夫 小山
Naoshi Shibayama
尚士 柴山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP33381199A priority Critical patent/JP3543703B2/ja
Publication of JP2001153221A publication Critical patent/JP2001153221A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3543703B2 publication Critical patent/JP3543703B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧式ロックアップクラッチのフェーシング
を高価な摩耗耐性に優れた材料で造らないでも、スリッ
プ制御に耐え得るトルクコンバータとする。 【解決手段】 トルクコンバータ2は、エンジン1で駆
動されるポンプインペラ2aと、歯車変速機構3の入力
軸に結合されたタービンランナ2bと、油圧式ロックア
ップクラッチ2dと、これに並置した電気式ロックアッ
プクラッチ2eとを具える。クラッチ2dの締結力は、
コントローラ12によりデューティ制御されるソレノイ
ド13からの信号圧PS に応じてスリップ制御弁11が
制御したアプライ圧PA およびレリーズ圧PR の差圧で
決まる。コントローラ12は更に正電極25および負電
極26を経て電気式ロックアップクラッチ2eに所定の
電圧を印加することによりその締結力を制御する。コン
トローラ12はスリップ制御領域でトルクコンバータ2
のスリップ回転が設定スリップ回転を超えている間、油
圧式ロックアップクラッチ2dを解放し、これに代えて
電気式ロックアップクラッチ2eのみの締結力制御によ
りスリップ制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機などに
用いられるトルクコンバータの入出力要素間における相
対回転、つまりトルクコンバータのスリップ回転を、走
行状態に応じて定められた目標値にするためのスリップ
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータは、流体を介して入出
力要素間で動力伝達を行うため、トルク変動吸収機能
や、トルク増大機能を果たす反面、トルクコンバータ入
出力要素間におけるスリップ回転により伝動効率が悪
い。これがため、これらトルク変動吸収機能や、トルク
増大機能が不要な走行条件のもとでは、トルクコンバー
タの入出力要素間を油圧式ロックアップクラッチにより
直結するロックアップトルクコンバータが今日では多用
されている。しかして、かようにトルクコンバータを入
出力要素間を直結したロックアップ状態にするか、該ロ
ックアップクラッチを釈放したコンバータ状態にするだ
けの、オン・オフ的な制御では、トルクコンバータのス
リップ回転を制限する領域が狭くて十分な伝動効率の向
上を望み得ない。
【0003】そこで、上記ロックアップ状態にすべきロ
ックアップク領域および上記コンバータ状態にすべきコ
ンバータ領域の他に、ロックアップクラッチを所謂半ク
ラッチ状態にして、要求される必要最小限のトルク変動
吸収機能や、トルク増大機能が確保されるような態様で
トルクコンバータのスリップ回転を制限するスリップ制
御領域を設定し、これによりスリップ回転の制限を一層
低車速まで行い得るようにしたトルクコンバータのスリ
ップ制御技術も多々提案されている。
【0004】そしてトルクコンバータのスリップ制御技
術は一般的に、上記のスリップ制御領域においてエンジ
ンのスロットル開度や、車速などの走行条件に応じ目標
スリップ回転を決定し、トルクコンバータの実スリップ
回転が当該目標スリップ回転になるよう油圧式ロックア
ップクラッチの締結力を制御するのが普通であり、かか
るスリップ制御によれば、こもり音や振動の問題を生ず
ることなしにスリップ制限の低車速化を実現して運転性
の悪化を回避しつつ燃費の向上を図ることができる。な
おトルクコンバータのスリップ制御は、上記領域間での
領域移行があった時にロックアップクラッチが急に締結
されたり解放されてショックを生ずることのないよう、
ロックアップクラッチの締結や解放を過渡制御するのに
も用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トルクコン
バータのスリップ制御中はロックアップクラッチを半ク
ラッチ状態にスリップ結合させるために、クラッチフェ
ーシングの早期摩耗を生じさせる原因となり、スリップ
制御を行うトルクコンバータにあっては、ロックアップ
クラッチを完全締結させてトルクコンバータをロックア
ップ状態にするだけの場合と異なり、トルクコンバータ
の耐久性が著しく低下するのを避けられなかった。これ
がためスリップ制御を行うトルクコンバータの場合、ク
ラッチフェーシングを摩滅耐性に優れた特殊な材料で造
る必要があるなど、コスト的に不利になることが多かっ
た。
【0006】請求項1に記載の第1発明は、締結力を電
気的に制御される電気式クラッチの場合、例えば特開平
10−37979号公報に示された静電クラッチに見ら
れるごとく剪断応力によりトルク伝達を果たすことから
摩滅の問題を生ぜず、トルクコンバータのスリップ回転
を制限するロックアップクラッチとして摩滅耐性に優れ
ているとの事実認識にもとづき、本来の油圧式ロックア
ップクラッチに対し並列的に電気式ロックアップクラッ
チを設け、トルクコンバータのスリップ回転が大きいも
とでのスリップ制御中は、油圧式ロックアップクラッチ
に代えて電気式ロックアップクラッチの締結力制御によ
り所定のスリップ制御を実行するようにするようにし、
これにより上記耐久性の問題を従来とは別の手段により
解消することを目的とする。
【0007】請求項2に記載の第2発明は、トルクコン
バータのスリップ制御がロックアップ領域への移行があ
った時にも締結ショック防止のために実行されるとの観
点から、この時にもトルクコンバータのスリップ回転が
大きい場合は、油圧式ロックアップクラッチに代えて電
気式ロックアップクラッチの締結力増大により所定のロ
ックアップ進行制御を実行するようにし、これにより上
記耐久性の問題を更に完全に解消することを目的とす
る。
【0008】請求項3に記載の第3発明は、電気式ロッ
クアップクラッチの締結力制御が油圧式ロックアップク
ラッチによる締結力制御よりもきめ細やかで正確なスリ
ップ制御を実現し得るとの観点から、スリップ制御中は
確実に電気式ロックアップクラッチの締結力制御による
スリップ制御が行われるようにしてスリップ制御の一層
の高精度化を実現することを目的とする。
【0009】請求項4に記載の第4発明は、前記耐久性
の問題を生じない小さなスリップ回転のもとでは油圧式
ロックアップクラッチによる大きな締結力を利用して確
実なロックアップを可能にすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明によるトルクコンバータのスリップ制御装置
は、トルクコンバータの入出力要素間におけるスリップ
回転を制御するためのロックアップ機構を、電気的な締
結力制御によりトルクコンバータの前記スリップ制御が
可能な電気式ロックアップクラッチと、油圧的な締結力
制御によりトルクコンバータの前記スリップ制御が可能
な油圧式ロックアップクラッチとの並置により構成し、
前記スリップ回転を目標スリップ回転にするスリップ制
御を行うべきスリップ制御領域で前記スリップ回転が設
定スリップ回転を超えている間、前記油圧式ロックアッ
プクラッチを解放し、前記電気式ロックアップクラッチ
のみの締結力制御によりスリップ回転を目標スリップ回
転にするスリップ制御を行うよう構成したことを特徴と
するものである。
【0011】第2発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、上記第1発明において、上記スリップ回
転を0にすべきロックアップ領域への移行時も前記スリ
ップ回転が設定スリップ回転を超えている間、前記油圧
式ロックアップクラッチを解放し、前記電気式ロックア
ップクラッチの締結力増大によりスリップ回転を低下さ
せるよう構成したことを特徴とするものである。
【0012】第3発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、第1発明または第2発明において、前記
設定スリップ回転を前記目標スリップ回転よりも小さく
したことを特徴とするものである。
【0013】第4発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、上記第3発明において、前記設定スリッ
プ回転を、前記油圧式ロックアップクラッチの耐久性が
問題とならないスリップ回転の上限値としたことを特徴
とするものである。
【0014】
【発明の効果】第1発明においては、トルクコンバータ
入出力要素間のスリップ回転を制御するロックアップ機
構を、電気的な締結力制御によりトルクコンバータのス
リップ制御が可能な電気式ロックアップクラッチと、油
圧的な締結力制御によりトルクコンバータのスリップ制
御が可能な油圧式ロックアップクラッチとの並置により
構成し、上記スリップ回転を目標スリップ回転にするス
リップ制御を行うべきスリップ制御領域でスリップ回転
が設定スリップ回転を超えている間、油圧式ロックアッ
プクラッチを解放し、これに代えて電気式ロックアップ
クラッチのみの締結力制御によりスリップ回転を目標ス
リップ回転にするスリップ制御を行う。
【0015】これがため、トルクコンバータのスリップ
回転が設定スリップ回転を超えている大スリップ回転の
もとでのスリップ制御中は、油圧式ロックアップクラッ
チでなく電気式ロックアップクラッチの締結力制御によ
りスリップ制御を実行することとなり、そして当該電気
式ロックアップクラッチが静電クラッチに見られるごと
く、上記大スリップ回転のもとでも摩滅の問題を生じな
いことから、スリップ制御を常時油圧式ロックアップク
ラッチのみで行う場合におけるトルクコンバータの耐久
性に関する問題を、従来のように特殊で高価なクラッチ
フェーシング材の使用に頼ることなく解消することがで
きる。
【0016】第2発明においては、ロックアップ領域へ
の移行時もスリップ回転が設定スリップ回転を超えてい
る間、油圧式ロックアップクラッチを解放し、電気式ロ
ックアップクラッチの締結力増大によりスリップ回転を
低下させることから、ロックアップ領域への移行時に締
結ショック防止のために実行されるスリップ制御中も、
スリップ回転が大きければ、油圧式ロックアップクラッ
チでなく電気式ロックアップクラッチの締結力増大によ
り所定のロックアップ進行制御を実行することとなり、
当該スリップ制御を常時油圧式ロックアップクラッチの
みで行う場合におけるトルクコンバータの耐久性に関す
る問題を、従来のように特殊で高価なクラッチフェーシ
ング材の使用に頼ることなく解消することができる。
【0017】第3発明においては、前記設定スリップ回
転を前記目標スリップ回転よりも小さくしたため、スリ
ップ制御中は確実に電気式ロックアップクラッチの締結
力制御によるスリップ制御が行われることとなり、そし
て電気式ロックアップクラッチの締結力制御が油圧式ロ
ックアップクラッチによる締結力制御よりもきめ細やか
で正確であることから、スリップ制御の一層の高精度化
を実現することができる。
【0018】第4発明においては、前記設定スリップ回
転を、前記油圧式ロックアップクラッチの耐久性が問題
とならないスリップ回転の上限値としたため、前記耐久
性の問題を生じない小さなスリップ回転のもとでは油圧
式ロックアップクラッチによる大きな締結力を利用して
確実なロックアップを行わせることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になるスリップ制御装置を具えたトルクコンバータを
含む車両の駆動系を示し、1はエンジン、2はトルクコ
ンバータ、3は自動変速機の歯車変速機構、4はディフ
ァレンシャルギヤ装置、5は車輪で、これらを順次図示
のように結合して車両の駆動系を構成する。
【0020】トルクコンバータ2は、エンジン1で駆動
される入力要素としてのポンプインペラ2aと、歯車変
速機構3の入力軸に結合された出力要素としてのタービ
ンランナ2bと、反力要素としてのステータ2cと、ポ
ンプインペラ2aおよびタービンランナ2b間を直結す
る油圧式ロックアップクラッチ2dとを具えた、所謂ロ
ックアップ式トルクコンバータとする。トルクコンバー
タ2には更に、油圧式ロックアップクラッチ2dに対し
並列的に配置されてポンプインペラ2aおよびタービン
ランナ2b間を直結する電気式ロックアップクラッチ2
eを設け、これらロックアップクラッチ2d,2eにつ
いては図3を参照しつつトルクコンバータ2とともに後
で詳述する。
【0021】ロックアップクラッチ2dの締結力は、そ
の前後におけるアプライ圧PA とレリーズ圧PR の差圧
(ロックアップクラッチ締結圧)により決まり、アプラ
イ圧PA がレリーズ圧PR よりも低ければ、ロックアッ
プクラッチ2dは釈放されてポンプインペラ2aおよび
タービンランナ2b間を直結せず、トルクコンバータ2
をスリップ制限しないコンバータ状態で機能させる。
【0022】アプライ圧PA がレリーズ圧PR よりも高
い場合、その差圧に応じた力でロックアップクラッチ2
dを締結させ、トルクコンバータ2をポンプインペラ2
aおよびタービンランナ2b間の相対回転(スリップ回
転)をロックアップクラッチ2dの締結力に応じてスリ
ップ制限するスリップ制御状態で機能させる。そして当
該差圧が設定値よりも大きくなると、ポンプインペラ2
aおよびタービンランナ2b間の相対回転がなくなり、
トルクコンバータ2をロックアップ状態で機能させる。
【0023】本実施の形態においては、アプライ圧PA
およびレリーズ圧PR を決定するスリップ制御系を以下
のごとくに構成とする。11はスリップ制御弁を示し、
コントローラ12によりデューティ制御されるロックア
ップソレノイド13からの信号圧PS に応じてアプライ
圧PA およびレリーズ圧PR を決定するもので、これら
スリップ制御弁11およびロックアップソレノイド13
を周知のものとする。
【0024】即ち、ロックアップソレノイド13は一定
のパイロット圧を元圧として、コントローラ12からの
ソレノイド駆動デューティDの増大につれ信号圧PS
高くするものとする。一方でスリップ制御弁11は、上
記の信号圧PS およびフィードバックされたレリーズ圧
R を一方向に受けると共に、他方向にバネ11aのバ
ネ力およびフィードバックされたアプライ圧PA を受
け、信号圧PS の上昇につれて、アプライ圧PA とレリ
ーズ圧PR との間の差圧(PA −PR )で表されるロッ
クアップクラッチ2dの締結圧を図2に示すように変化
させるものとする。
【0025】ここでロックアップクラッチ締結圧(PA
−PR )の負値はPR >PA によりトルクコンバータ2
をコンバータ状態にすることを意味し、逆にロックアッ
プクラッチ締結圧(PA −PR )が正である時は、その
値が大きくなるにつれてロックアップクラッチ2dの締
結容量が増大され、トルクコンバータ2のスリップ回転
を大きく制限し、遂にはトルクコンバータ2をロックア
ップ状態にすることを意味する。
【0026】コントローラ12には図1に示すように、
アクセルペダル14の踏み込みに応じ開度増大されてエ
ンジン1の出力を増大させるスロットルバルブ15の開
度TVOを検出するスロットル開度センサ21からの信
号と、ポンプインペラ2aの回転数ωI を検出するイン
ペラ回転センサ22からの信号と、タービンランナ2b
の回転数ωT を検出するタービン回転センサ23からの
信号と、車速VSPを検出する車速センサ24からの信
号とをそれぞれ入力する。
【0027】コントローラ12はこれら入力情報をもと
に、ソレノイド駆動デューティDを決定してロックアッ
プソレノイド13およびロックアップ制御弁11を介し
ロックアップクラッチ2dの締結圧(PA −PR )制御
すると同時に、正電極25および負電極26を経て電気
式ロックアップクラッチ2eに所定の電圧を印加し、印
加電圧に応じた電気式ロックアップクラッチ2eの締結
力でトルクコンバータ入出力要素であるポンプインペラ
2aおよびタービンランナ2b間のスリップ回転を制限
するものとする。
【0028】図3はトルクコンバータ2の詳細を示し、
ポンプインペラ2aをこれに溶接したコンバータカバー
31を介して図の右側におけるエンジン出力軸に結合
し、ポンプインペラ2aおよびコンバータカバー31間
に画成された室内にタービンランナ2b、ステータ2
c、油圧式ロックアップクラッチ2d、および電気式ロ
ックアップクラッチ2eを収納する。ポンプインペラ2
aは中空固定軸32上に回転自在に支持し、タービンラ
ンナ2bはポンプインペラ2aに対向配置するととも
に、中空固定軸32に貫通させた歯車変速機構3(図1
参照)の入力軸33にハブ34を介して結合し、ステー
タ2cはポンプインペラ2aおよびタービンランナ2b
間に配置するとともに、ワンウェイクラッチ35を介し
中空固定軸32上にエンジンと逆方向へ回り止めして載
置する。
【0029】油圧式ロックアップクラッチ2dは、トー
ショナルダンパ36を介してハブ34(タービンランナ
2b)に駆動結合し、前記したロックアップクラッチ締
結圧(PA −PR )が正である時、その値に応じた押し
付け力でコンバータカバー31に締結され、トルクコン
バータ2のスリップ回転を制限するものとする。
【0030】電気式ロックアップクラッチ2eは前記文
献に記載のような静電クラッチとし、コンバータカバー
31の内側中心部に設けたクラッチエレメント37と、
これに対向するようハブ34に設けたクラッチエレメン
ト38とで構成する。クラッチエレメント37は、ハブ
34に設けた接点リング39にブラシ40を介して電気
接続し、接点リング39から固定部に設けた前記正電極
25までの間を電線41および接点リング42を介して
電気的に通じさせる。クラッチエレメント38は、固定
部に設けた前記負電極26に電線43および接点リング
44を介して電気的に導通させる。
【0031】そして、電気式ロックアップクラッチ2e
の収納空間を残部から仕切るため、接点リング39にオ
イルシール45を設け、該オイルシール45の先端リッ
プ部をコンバータカバー31に摺接させる。正電極25
および負電極26は図1のコントローラ12に接続し、
該コントローラは、演算により求めた電気式ロックアッ
プクラッチ2eの要求締結力に対応する電圧を正電極2
5および負電極26間に、従ってクラッチエレメント3
7,38間に印加することにより、電気式ロックアップ
クラッチ2eの締結力を要求通りのものとなし、トルク
コンバータ入出力要素であるポンプインペラ2aおよび
タービンランナ2b間のスリップ回転を所定通りに制限
することができる。
【0032】コントローラ12は図1に示す入力情報を
もとに、図4に示すフローチャートに沿って所定のロッ
クアップ制御および本発明が狙いとするスリップ制御を
行うべくロックアップソレノイド13の駆動デューティ
Dおよび電気式ロックアップクラッチ2eへのを印加電
圧を決定するものとする。ステップ51においては、セ
ンサ24で検出した車速VSPおよびセンサ21で検出
したスロットル開度TVOを読み込み、更にセンサ2
2,23で検出したポンプインペラ2aの回転数ωI
よびタービンランナ2bの回転数ωT 間の差で表される
トルクコンバータ2のスリップ回転ΔωR (=ωI −ω
T )を演算する。
【0033】次のステップ52においては、図5に対応
する予定のマップをもとに車速VSPおよびスロットル
開度TVOから現在の運転状態が、トルクコンバータ2
のスリップ回転を制限すべきでないコンバータ(C/
V)領域の運転か、トルクコンバータ2のスリップ回転
を運転状態に応じて定めた目標スリップ回転ΔωSL(図
6参照)に制限すべきスリップ制御(S/L)領域の運
転か、或いはトルクコンバータ2のスリップ回転を0に
すべきロックアップ(L/U)領域での運転かを判定す
る。
【0034】ステップ53では、上記の領域判定の結
果、領域変更があったか否かをチェックし、領域変更が
あった時ステップ54で、当該領域変更があったことを
示すようにフラグFLAGを1にセットして制御をステ
ップ55に進め、同じ領域での運転中であればステップ
54を実行しないで制御をステップ55に進める。ステ
ップ55では上記のフラグFLAGが1か否かを、つま
り領域変更があった後の過渡状態か否かをチェックし、
過渡状態でない定常状態ならステップ56,57でスリ
ップ制御(S/L)領域か、ロックアップ(L/U)領
域か、コンバータ(C/V)領域かを判定する。
【0035】スリップ制御(S/L)領域ならステップ
58において、油圧式ロックアップクラッチ2dを解放
するようロックアップソレノイド13の駆動デューティ
Dを決定して出力すると共に、電気式ロックアップクラ
ッチ2eの締結力がトルクコンバータ2のスリップ回転
ΔωR を運転状態に応じて定めた目標スリップ回転Δω
SL(図6参照)にするようなものとなるよう電気式ロッ
クアップクラッチ2eの印加電圧を決定して出力する。
ロックアップ(L/U)領域ならステップ59におい
て、油圧式ロックアップクラッチ2dを完全締結するよ
うロックアップソレノイド13の駆動デューティDを決
定して出力すると共に、電気式ロックアップクラッチ2
eが解放されるよう電気式ロックアップクラッチ2eの
印加電圧を決定して出力する。コンバータ(C/V)領
域ならステップ60において、油圧式ロックアップクラ
ッチ2dが解放されるようロックアップソレノイド13
の駆動デューティDを決定して出力すると共に、電気式
ロックアップクラッチ2eも解放されるよう電気式ロッ
クアップクラッチ2eの印加電圧を決定して出力する。
【0036】ステップ55で前記のフラグFLAGか
ら、領域変更があった後の過渡状態であると判定した場
合は、ステップ61においてトルクコンバータ2のスリ
ップ回転ΔωR が、図6のように目標スリップ回転Δω
SLよりも小さく、油圧式ロックアップクラッチ2dの耐
久性が問題とならないスリップ回転の上限値に定めた設
定スリップ回転Δω0 よりも大きいか否かをチェックす
る。ΔωR >Δω0 である場合、油圧式ロックアップク
ラッチ2dの耐久性が問題となるほどに大きなスリップ
回転が発生していることから、ステップ58において、
油圧式ロックアップクラッチ2dが締結されることのな
いようこれを解放し、これに代えて電気式ロックアップ
クラッチ2eの締結力制御によりトルクコンバータ2の
スリップ制御を行う。
【0037】ステップ61においてトルクコンバータ2
のスリップ回転ΔωR が設定スリップ回転Δω0 以下で
あると判定した場合は、油圧式ロックアップクラッチ2
dの耐久性が問題となるほどに大きなスリップ回転が発
生していないことから、ステップ62において判定する
領域別に、対応する定常制御に移行する。つまり、スリ
ップ制御(S/L)領域ならステップ63で前記のフラ
グFLAGを0にリセットした後ステップ58におい
て、油圧式ロックアップクラッチ2dを解放すると共
に、電気式ロックアップクラッチ2eの締結力制御によ
りトルクコンバータ2のスリップ回転ΔωR を目標スリ
ップ回転ΔωSLにする。ロックアップ(L/U)領域な
らステップ64でフラグFLAGを0にリセットした後
ステップ59において、油圧式ロックアップクラッチ2
dを完全締結すると共に、電気式ロックアップクラッチ
2eを解放する。コンバータ(C/V)領域ならステッ
プ65でフラグFLAGを0にリセットした後ステップ
60において、油圧式ロックアップクラッチ2dを解放
すると共に、電気式ロックアップクラッチ2eも解放さ
せる。
【0038】上記の制御を、領域が図6に示すごとくコ
ンバータ(C/V)領域、スリップ制御(S/L)領
域、ロックアップ(L/U)領域、コンバータ(C/
V)領域、ロックアップ(L/U)領域、スリップ制御
(S/L)領域、コンバータ(C/V)領域のように変
更されて、トルクコンバータ2のスリップ回転ΔωR
同図に示す如くに変化した場合につき付言すると、スリ
ップ制御(S/L)領域でトルクコンバータ2のスリッ
プ回転ΔωR が設定スリップ回転Δω0 を超えている間
(図6に右上がりのハッチングを付して示した)、油圧
式ロックアップクラッチ2dを解放し、これに代えて電
気式ロックアップクラッチ2eのみの締結力制御により
スリップ回転ΔωR を目標スリップ回転ΔωSLにするス
リップ制御を行う。
【0039】これがため、トルクコンバータ2のスリッ
プ回転ΔωR が設定スリップ回転Δω0 を超えている大
スリップ回転のもとでのスリップ制御中は、油圧式ロッ
クアップクラッチ2dでなく電気式ロックアップクラッ
チ2eの締結力制御によりスリップ制御を実行すること
となり、そして当該電気式ロックアップクラッチ2eが
静電クラッチに見られるごとく、上記大スリップ回転
(ΔωR >Δω0 )のもとでも摩滅の問題を生じないこ
とから、スリップ制御を常時油圧式ロックアップクラッ
チ2dのみで行う場合におけるトルクコンバータの耐久
性に関する問題を、従来のように特殊で高価なクラッチ
フェーシング材の使用に頼ることなく解消することがで
きる。
【0040】また本実施の形態においては、図6に右下
がりのハッチングを付して示すように、ロックアップ
(L/U)領域への移行過渡時もスリップ回転ΔωR
設定スリップ回転Δω0 を超えている間、油圧式ロック
アップクラッチ2dを解放し、電気式ロックアップクラ
ッチ2eの締結力増大によりスリップ回転を低下させる
ため、ロックアップ(L/U)領域への移行時に締結シ
ョック防止のために実行されるスリップ制御中も、スリ
ップ回転が大きければ(ΔωR >Δω0 なら)、油圧式
ロックアップクラッチ2dでなく電気式ロックアップク
ラッチ2eの締結力増大により所定のロックアップ進行
制御を実行することとなり、当該スリップ制御を常時油
圧式ロックアップクラッチのみで行う場合におけるトル
クコンバータの耐久性に関する問題を、従来のように特
殊で高価なクラッチフェーシング材の使用に頼ることな
く解消することができる。
【0041】更に本実施の形態によれば、図6に示すよ
うに設定スリップ回転Δω0 を目標スリップ回転ΔωSL
よりも小さくしたため、スリップ制御中は確実に電気式
ロックアップクラッチ2eの締結力制御によるスリップ
制御が行われる。そして電気式ロックアップクラッチ2
eの締結力制御が油圧式ロックアップクラッチ2dによ
る締結力制御よりもきめ細やかで正確であることから、
スリップ制御の一層の高精度化を実現することができ
る。
【0042】加えて本実施の形態によれば、前記したよ
うに設定スリップ回転Δω0 を、油圧式ロックアップク
ラッチ2dの耐久性が問題とならないスリップ回転の上
限値としたため、耐久性の問題を生じない小さなスリッ
プ回転(ΔωR ≦Δω0 )のもとでは図6に点々を付し
て示すように油圧式ロックアップクラッチ2dによる大
きな締結力を利用して確実なロックアップを行わせるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になるスリップ制御装
置を具えたトルクコンバータを含む車両の駆動系および
その制御システムを示す概略系統図である。
【図2】 ロックアップソレノイドからの信号圧と、ロ
ックアップクラッチ締結圧との関係を示す線図である。
【図3】 同実施の形態における油圧式ロックアップク
ラッチおよび電気式ロックアップクラッチを並置したト
ルクコンバータの詳細断面図である。
【図4】 同実施の形態においてコントローラが実行す
るスリップ制御を示すフローチャートである。
【図5】 ロックアップ領域、コンバータ領域、および
スリップ制御領域を例示する領域線図である。
【図6】 同実施の形態におけるスリップ制御を例示す
るタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トルクコンバータ 2a ポンプインペラ(入力要素) 2b タービンランナ(出力要素) 2c ステータ(反力要素) 2d 油圧式ロックアップクラッチ(ロックアップ機構) 2e 電気式ロックアップクラッチ(ロックアップ機構) 3 歯車変速機構 4 ディファレンシャルギヤ装置 5 車輪 11 スリップ制御弁 12 コントローラ 13 ロックアップソレノイド 21 スロットル開度センサ 22 インペラ回転センサ 23 タービン回転センサ 24 車速センサ 25 正電極 26 負電極 31 コンバータカバー 32 中空固定軸 33 歯車変速機構入力軸 34 ハブ 35 ワンウェイクラッチ 36 トーショナルダンパ 37 クラッチエレメント 38 クラッチエレメント 39 接点リング 40 ブラシ 42 接点リング 44 接点リング 45 オイルシール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルクコンバータの入出力要素間におけ
    るスリップ回転をロックアップ機構により制御するため
    のスリップ制御装置において、 前記ロックアップ機構を、電気的な締結力制御によりト
    ルクコンバータの前記スリップ制御が可能な電気式ロッ
    クアップクラッチと、油圧的な締結力制御によりトルク
    コンバータの前記スリップ制御が可能な油圧式ロックア
    ップクラッチとの並置により構成し、 前記スリップ回転を目標スリップ回転にするスリップ制
    御を行うべきスリップ制御領域で前記スリップ回転が設
    定スリップ回転を超えている間、前記油圧式ロックアッ
    プクラッチを解放し、前記電気式ロックアップクラッチ
    のみの締結力制御によりスリップ回転を目標スリップ回
    転にするスリップ制御を行うよう構成したことを特徴と
    するトルクコンバータのスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記スリップ回転を
    0にすべきロックアップ領域への移行時も前記スリップ
    回転が設定スリップ回転を超えている間、前記油圧式ロ
    ックアップクラッチを解放し、前記電気式ロックアップ
    クラッチの締結力増大によりスリップ回転を低下させる
    よう構成したことを特徴とするトルクコンバータのスリ
    ップ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記設定ス
    リップ回転を前記目標スリップ回転よりも小さくしたこ
    とを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記設定スリップ回
    転を、前記油圧式ロックアップクラッチの耐久性が問題
    とならないスリップ回転の上限値としたことを特徴とす
    るトルクコンバータのスリップ制御装置。
JP33381199A 1999-11-25 1999-11-25 トルクコンバータのスリップ制御装置 Expired - Fee Related JP3543703B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33381199A JP3543703B2 (ja) 1999-11-25 1999-11-25 トルクコンバータのスリップ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33381199A JP3543703B2 (ja) 1999-11-25 1999-11-25 トルクコンバータのスリップ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001153221A true JP2001153221A (ja) 2001-06-08
JP3543703B2 JP3543703B2 (ja) 2004-07-21

Family

ID=18270224

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33381199A Expired - Fee Related JP3543703B2 (ja) 1999-11-25 1999-11-25 トルクコンバータのスリップ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3543703B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016118289A (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 株式会社エクセディ トルクコンバータのロックアップ装置
JP2016118288A (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 株式会社エクセディ トルクコンバータのロックアップ装置
WO2016103891A1 (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 株式会社エクセディ トルクコンバータのロックアップ装置及びその制御方法
CN110929389A (zh) * 2019-11-08 2020-03-27 傲源流体技术(上海)有限公司 一种水力设计方法及***

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016118289A (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 株式会社エクセディ トルクコンバータのロックアップ装置
JP2016118288A (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 株式会社エクセディ トルクコンバータのロックアップ装置
WO2016103891A1 (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 株式会社エクセディ トルクコンバータのロックアップ装置及びその制御方法
CN110929389A (zh) * 2019-11-08 2020-03-27 傲源流体技术(上海)有限公司 一种水力设计方法及***

Also Published As

Publication number Publication date
JP3543703B2 (ja) 2004-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7644812B2 (en) Using inferred torque converter impeller speed to control an impeller clutch
US6974402B2 (en) Launch control of hybrid electric vehicle having a torque converterless driveline
JP3227905B2 (ja) 電気モータ駆動車輌
JP3915714B2 (ja) 変速機の制御装置
JP4313850B2 (ja) 変速機の変速比シフト装置および変速機の変速比シフト方法
WO2012114472A1 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
WO2010047095A1 (ja) 動力伝達装置
JP4687228B2 (ja) ベルト式無段変速機の変速制御装置
JP2001108082A (ja) 巻き掛け伝動装置の制御装置
JP2003120804A (ja) 無段変速機を含む駆動機構の制御装置
JP3543703B2 (ja) トルクコンバータのスリップ制御装置
JP3873905B2 (ja) 変速機の制御装置
JP2006002900A (ja) 車両の発進摩擦要素制御装置
JP2004100920A (ja) 無段変速機の制御装置
JPH02157437A (ja) エンジンの動力伝達装置
JP4085657B2 (ja) 無段変速機構の挟圧力制御装置
JP3873906B2 (ja) 変速機の制御装置
JP2626240B2 (ja) 可変容量型トルクコンバータのトルク容量制御装置
JP3365304B2 (ja) 無段変速機を備えた車両の変速制御装置
JP2606453B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2001116126A (ja) 油圧制御装置
KR100217072B1 (ko) 댐퍼 클러치 제어 방법
JP4178905B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP4254180B2 (ja) 変速機の制御装置
JP2006017147A (ja) 車両制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20040316

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040329

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees