JP2001151971A - 超微小球晶を有する含フッ素樹脂成形品 - Google Patents

超微小球晶を有する含フッ素樹脂成形品

Info

Publication number
JP2001151971A
JP2001151971A JP33845399A JP33845399A JP2001151971A JP 2001151971 A JP2001151971 A JP 2001151971A JP 33845399 A JP33845399 A JP 33845399A JP 33845399 A JP33845399 A JP 33845399A JP 2001151971 A JP2001151971 A JP 2001151971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
crystalline
molded article
spherulite
amorphous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33845399A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Yoshida
稔 吉田
Tatsuo Suzuki
達夫 鈴木
Katsuhide Otani
克秀 大谷
Tetsuo Shimizu
哲男 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP33845399A priority Critical patent/JP2001151971A/ja
Publication of JP2001151971A publication Critical patent/JP2001151971A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平均球晶径が1μm以下の容器やチューブな
どの溶融押出成形品を提供する。 【解決手段】 結晶性のテトラフルオロエチレン−パー
フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体と、該共
重合体100重量部に対して非晶質含フッ素ポリマーか
らなる球晶超微小化剤を5.0〜50.0重量部含む樹
脂組成物を溶融加工して得られる平均球晶径が1μm以
下である成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は結晶性のテトラフル
オロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)共重合体(PFA)の球晶を超微細化する技術に関
し、球晶径が1μm以下である成形品を提供するもので
ある。本発明の成形品は非常に平滑な表面を有してお
り、高度なクリーン化が要求されている半導体製造装置
の分野の各種製品、部品、容器に好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】PFAは耐熱性、耐薬品性などに優れて
おり、各種の分野で成形材料として広く使用されてい
る。特にその優れた化学的、熱的安定性と成形性の点か
ら、不純物の混入を嫌う半導体製造の分野で、シート、
チューブ、継手、容器、キャリヤー、ベローズなどの材
料として使用されている。
【0003】前記の半導体製造の分野では、不純物や異
物(パーティクル)の混入を極端に嫌い、パーティクル
が蓄積しやすい装置内部や配管、容器の内表面を可能な
限り平滑にすることが求められている。
【0004】DRAM(Dynamic Random
Access Memory)の集積度の増大に伴
い、加工寸法の微細化が進み、半導体製造用部材に要求
されるクリーン度も厳しくなってきているのが現状であ
る。
【0005】しかし、PFAは結晶性の熱溶融性樹脂で
あり、溶融成形して得られる成形品には比較的大きな球
晶が存在する。この大きな球晶が多数存在すると成形品
の表面の平滑化を妨げることになる。
【0006】そこで、PFAの球晶は球晶核の数を増加
させることにより小さくできることが知られており、基
本的に2つの方向で検討されている。
【0007】一つは、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)を球晶核形成剤としてPFA組成物に配合する
方法である(特開平7−70397号、特開平7−23
7257号、特開平7−292200号、特開平9−3
16266号各公報)。そうしたPTFEとしては結晶
化温度が305℃以上で結晶化熱が50J/g以上のP
TFEを添加するか、電離性放射線で架橋したPTFE
を添加剤とする方法が提案されている。そして、PTF
EをPFA組成物に配合する方法によれば、配合量の増
大に伴い、球晶径が微細化することができる。しかし、
10重量部以上配合して得られる成形品においても球晶
径が2μmになるのが限界である。と同時にPFAがも
つ機械的強度および耐ストレスクラック性が低下すると
いった不具合も生じる。PFAと同等の物性を有する配
合量では球晶径が3μmとするのが限界である。
【0008】もう一つは、分子量の低いPFAやパーフ
ルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)単位の
共重合割合の低いPFAを核形成剤として配合する方法
である(特開平8−41267号、特開平8−7368
9号、特開平8−109225号各公報)。
【0009】しかし、これらの方法ではPAVE単位の
共重合割合の低いPFAや分子量の低いPFAの結晶化
温度がPTFEに比べて低いため、充分な数の球晶核が
形成されず、球晶微小化が不充分となる。したがって、
得られる成形品において球晶径を5μmとするのが限界
である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PF
A中の球晶を超微細化することにより、球晶径が1μm
以下である成形品を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するため、結晶性のPFAに対して非晶質含フッ
素ポリマーを配合することにより成形品の球晶径を超微
細化することができることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0012】すなわち本発明は、結晶性のPFAと、該
PFA100重量部に対して非晶質含フッ素ポリマーを
5.0〜50.0重量部含む樹脂組成物を溶融加工して
得られる球晶の平均径が1μm以下である成形品に関す
る。
【0013】かかる球晶超微小化剤である非晶質含フッ
素ポリマーとしては、25℃以下のガラス転移温度を有
し、結晶性PFAと相溶性のよいものを選択して用いる
ことが好ましい。この非晶質含フッ素ポリマーとして
は、非晶質のテトラフルオロエチレン−パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)共重合体、または非晶質含
フッ素ポリマー鎖セグメント(A)およびテトラフルオ
ロエチレン(TFE)繰返し単位80〜100モル%と
式(I): CF2=CF−Rf 1 (I) [式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基である)]で示される繰返
し単位0〜20モル%からなる結晶性含フッ素ポリマー
鎖セグメント(B)とからなる含フッ素多元セグメント
化ポリマーが好ましい。
【0014】この場合、結晶性含フッ素ポリマー鎖セグ
メント(B)は、TFE繰返し単位のみからなるポリマ
ー鎖セグメントでもよく、またTFE繰返し単位と式
(I)で示される1種または2種以上の繰返し単位とか
らなり、トータルで式(I)で示される繰返し単位を2
0モル%以下含むポリマー鎖セグメントであってもよ
い。
【0015】これらの非晶質含フッ素ポリマーまたは含
フッ素多元セグメント化ポリマーに、さらにフッ素化処
理を施すことにより、熱安定性を改善することが可能で
ある。
【0016】結晶性のPFA(PAVE含有量が15重
量%以下)は、特に高融点を維持する点からTFE/P
AVEが重量比で90/10〜99/1、モル比では9
6.0/4.0〜99.6/0.4であるPFAが好ま
しい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の最大の特徴は、結晶性P
FAに非晶質含フッ素ポリマーからなる球晶超微小化剤
を添加することにより、得られる成形品の平均球晶径を
1μm以下にした点である。
【0018】本発明において「非晶質」とは、示差走査
型熱量計(DSC)で測定した場合融解ピーク温度(昇
温時、Tm)および結晶化ピーク温度(降温時、Tc)
の両方を有さず、ガラス転移温度(Tg)を有すること
をいう。換言すれば、実質的に結晶化した領域を有しな
いことをいう。一方、「結晶性」とはTmおよびTcを
有することをいう。
【0019】また、含フッ素多元セグメント化ポリマー
における「非晶質」セグメント(A)および「結晶性」
セグメント(B)は、それぞれのセグメントと同一の繰
返し単位をもつポリマーが前記の「非晶質」および「結
晶性」の定義を満たすものをいう。
【0020】本発明で用いる結晶性PFAは、溶融加工
可能であり結晶化時に粗大な球晶を生成する樹脂であ
る。したがって、用途面から平滑性が強く要求されてい
る結晶性PFAに本発明の球晶超微小化剤は好適に適用
できる。
【0021】本発明で用いる非晶質含フッ素ポリマーお
よび含フッ素多元セグメント化ポリマーの中の非晶質含
フッ素ポリマー鎖セグメント(A)はガラス転移温度
(Tg)を有する。Tgが室温(25℃)以下の非晶質
ポリマーをエラストマーといい、Tgが25℃を超える
ものを樹脂という。Tgが25℃以下のエラストマーを
使用するときは球晶超微小化効果が大きいという点で好
ましく、用いる結晶性PFAとの相溶性に応じて選択す
ることができる。しかし、本発明で用いる非晶質含フッ
素ポリマーまたは非晶質含フッ素ポリマー鎖セグメント
(A)はTgが25℃以下のエラストマーでも25℃を
超える樹脂でもよい。
【0022】本発明で球晶超微小化剤として用いる非晶
質含フッ素ポリマーは、前記含フッ素多元セグメント化
ポリマーからなるものでも、セグメント化されていない
非晶質含フッ素ポリマーからなるものもでもよい。
【0023】まずセグメント化されていない非晶質含フ
ッ素ポリマーからなるものについて説明する。
【0024】非晶質含フッ素ポリマーとしてはTgが2
5℃以下の含フッ素エラストマーとTgが25℃を超え
る非晶質含フッ素ポリマー樹脂がある。
【0025】含フッ素エラストマーとしては、たとえば
テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)共重合体などのパーフルオロエラストマ
ー;ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロ
プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ビニリ
デンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン共重合
体、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体などの水素原子
含有含フッ素エラストマーなどがあげられる。
【0026】これらのうち、結晶性PFAの球晶超微小
化剤としてはTFE−PAVE共重合体がPFAとの相
溶性の点から好ましい。TFE−PAVE共重合体に用
いるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAV
E)としては、パーフルオロ(メチルビニルエーテ
ル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフ
ルオロ(プロピルビニルエーテル)などがあげられる、
PAVEの含有量はTFE−PAVE共重合体がTm、
Tcを有さなくなる量である10〜50モル%、好まし
くは20〜50モル%である。なお、非晶質と結晶性と
の境界が10〜20モル%の範囲内にあるが、非晶質で
あれば球晶超微小化剤として使用できる。
【0027】含フッ素エラストマーはフッ素ゴムの製造
法として公知の重合法で製造できる(特公昭58−47
28号公報、特開昭62−12734号公報)。
【0028】たとえば実質的に無酸素下で、水媒体中
で、ヨウ素化合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下
に、前記含フッ素モノマーを加圧下で撹拌しながらラジ
カル開始剤の存在下乳化重合を行なう方法があげられ
る。
【0029】用いるジヨウ素化合物の代表例としては、
たとえば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,
4−ジヨードパーフルオロブタン、1,3−ジヨード−
2−クロロパーフルオロプロパン、1,5−ジヨード−
2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨ
ードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフル
オロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカ
ンおよび1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカ
ン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタンである。
これらの化合物は単独で使用してもよく、相互に組み合
わせて使用することもできる。なかでも、1,4−ジヨ
ードパーフルオロブタンが好ましい。ジヨウ素化合物の
量は、含フッ素モノマー全重量に対して0.01〜1重
量%である。
【0030】また、本発明において含フッ素エラストマ
ーには、ヨウ素を含む単量体を共重合することも可能で
ある。ヨウ素を含む単量体としては、パーフルオロビニ
ルエーテル化合物がその共重合性から好適である。たと
えば、特公平5−63482号公報や特開昭62−12
734号公報に開示されているパーフルオロ(6,6ジ
ヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)や、
パーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテ
ン)などが好適である。
【0031】重合温度は、使用する開始剤の性質および
モノマーによって約10〜100℃の範囲で変えること
ができる。しかし40℃未満では、過硫酸塩単独では重
合速度が小さい。また亜硫酸塩などを添加したレドック
ス系を使用しても、重合速度が小さく、そのうえ還元剤
の金属イオンがポリマー中に残り、半導体製造用の用途
などでは好ましくない。
【0032】使用するラジカル重合開始剤は、従来から
フッ素系エラストマーの重合に使用されているものと同
じものであってよい。これらの開始剤には有機および無
機の過酸化物ならびにアゾ化合物がある。典型的な開始
剤として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エ
ステル類などがあり、好ましい開始剤として過硫酸アン
モニウム(APS)があげられる。APSは単独で使用
してもよく、またサルファイト類、亜硫酸塩類のような
還元剤と組み合わせて使用することもできる。しかしク
リーン度を要求される場合は、金属イオン源となる還元
剤はできる限り使用しない方が好ましい。
【0033】乳化重合に使用される乳化剤としては、広
範囲なものが使用可能であるが、重合中に乳化剤分子へ
の連鎖移動反応が起こるのを抑制する観点から、フルオ
ロカーボン鎖または、フルオロポリエーテル鎖を有する
カルボン酸の塩類が望ましい。乳化剤の使用量は、添加
された水の約0.05〜2重量%が望ましく、特に0.
2〜1.5重量%が望ましい。
【0034】重合圧力は、広い範囲で変化させることが
できる。一般には、0.5〜5MPaの範囲である。重
合圧力は、高い程重合速度は大きくなるため、生産性の
向上の観点から、0.7MPa以上であることが望まし
い。
【0035】かくして得られる含フッ素エラストマーの
数平均分子量は5,000〜750,000、さらに2
0,000〜400,000、特に50,000〜40
0,000とするのが、結晶性含フッ素樹脂との混合が
良好である点から好ましい。
【0036】Tgが25℃を超える非晶質含フッ素ポリ
マー樹脂としては主鎖に環状構造を有する非晶質含フッ
素ポリマーがあげられ、たとえばテトラフルオロエチレ
ン−フルオロジオキソール共重合体(特公昭63−18
964号公報参照、たとえばテトラフルオロエチレン−
フルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール共
重合体など);少なくとも2個以上の重合性二重結合を
有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に
含フッ素脂肪属環構造を有する非晶質含フッ素ポリマー
(たとえばパーフルオロアリルビニルエーテル、パーフ
ルオロブテニルビニルエーテルなどのパーフルオロモノ
マーの環化重合物;またはこれらのパーフルオロモノマ
ーとテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)などの
ラジカル重合性モノマーとの共重合体)などがあげられ
る。これらのうち耐熱性、耐薬品性の点からテトラフル
オロエチレン−パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,
3−ジオキソール共重合体やパーフルオロアリルビニル
エーテル重合体などのパーフルオロ非晶質ポリマーが好
ましい。
【0037】つぎに含フッ素多元セグメント化ポリマー
について説明する。
【0038】本発明で球晶超微小化剤として使用する含
フッ素多元セグメント化ポリマーは、非晶質含フッ素ポ
リマー鎖セグメント(A)と結晶性含フッ素ポリマー鎖
セグメント(B)とからなる。
【0039】非晶質含フッ素ポリマー鎖セグメント
(A)には、前記非晶質含フッ素ポリマーと同じく、エ
ラストマー性のものと樹脂性のものとがある。
【0040】エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
ント(A)はTgが25℃以下のセグメントであり、た
とえば前記含フッ素エラストマーとして列挙した共重合
体があげられ、また前述のヨウ素移動重合法で製造でき
る。ヨウ素移動重合法で製造した場合、このセグメント
の末端部分はヨウ素原子を含むパーハロ型となってお
り、結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント(B)をブロ
ック共重合する際の開始点として利用できる。
【0041】エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
ント(A)の数平均分子量としては、5,000〜75
0,000、さらに20,000〜400,000、特
に50,000〜400,000とするのが好ましい。
【0042】エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
ント(A)として特に好ましいセグメントとしては、テ
トラフルオロエチレン(TFE)繰返し単位とパーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)繰返し単
位とからなるエラストマー性TFE−PAVEセグメン
トである。この場合、PAVE繰返し単位の含有量はセ
グメントがTg25℃以下でTmとTcをもたない量、
すなわち10〜50モル%、好ましくは20〜50モル
%である。なお、非晶質と結晶性との境界が10〜20
モル%の範囲内にあるが、非晶質の範囲のものを用い
る。
【0043】本発明で用いる含フッ素多元セグメント化
ポリマーの結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント(B)
は、マトリックスである結晶性PFAに混合した場合、
非晶質セグメント(A)がパーティクルとしてマトリッ
クス樹脂から脱落しないように、アンカーの働きをす
る。したがって、結晶性セグメント(B)は結晶性含フ
ッ素樹脂と相溶性のよいものが選ばれる。具体的には、
テトラフルオロエチレン(TFE)繰返し単位と式
(I): CF2=CF−Rf 1 (I) [式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基)である]で示される繰返
し単位からなる1種または2種以上からなり、式(I)
で示される繰返し単位を20モル%以下、好ましくは0
〜10モル%、さらに好ましくは0〜4モル%含むもの
である。20モル%を超えて式(I)の単位を含むとき
は非晶質となり、アンカー効果が不充分となり好ましく
ない。なお、非晶質と結晶性の境界が10〜20モル%
の範囲内にあるが、結晶性のものを用いる。また、式
(I)を2種以上用いる場合の繰り返し単位量はトータ
ルで考えるものとする。
【0044】式(I)で示されるモノマーの具体例とし
ては、たとえばヘキサフルオロプロピレン(HFP)、
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)
があげられ、PAVEとしてはパーフルオロ(メチルビ
ニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビ
ニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピル
ビニルエーテル)(PPVE)、またはこれら混合物な
どがあげられ、特にPFAとの相溶性が良好な点からP
PVEが好ましい。
【0045】結晶性セグメント(B)として特に好まし
いものとしては、TFE繰返し単位のみからなるPTF
Eセグメントまたは結晶性PFAセグメントである。
【0046】結晶性セグメント(B)の非晶質セグメン
ト(A)へのブロック共重合は、非晶質セグメント
(A)の乳化重合に引き続き、単量体を結晶性セグメン
ト(B)用に変えることにより行なうことができる。結
晶性セグメント(B)の数平均分子量は、1,000〜
1,200,000、好ましくは3,000〜400,
000、特に好ましくは10,000〜400,000
と広い幅で調整できる。
【0047】かくして得られる含フッ素多元セグメント
化ポリマーは、非晶質セグメント(A)の両側に結晶性
セグメント(B)が結合したポリマー分子(B−A−
B)、非晶質セグメント(A)の片側に結晶性セグメン
ト(B)が結合したポリマー分子(A−B)を主体とす
るものである。
【0048】本発明において含フッ素多元セグメント化
ポリマー中の非晶質セグメント(A)と結晶性セグメン
ト(B)との割合は、前記分子量の範囲内で選定すれば
よいが、たとえば重量比でA/Bが10/90〜99/
1、特に25/75〜95/5であるのが好ましい。ま
た、含フッ素多元セグメント化ポリマーの分子量は、結
晶性含フッ素樹脂との混合が良好となる分子量であれば
よい。
【0049】特に好ましいセグメント化ポリマーとして
は、たとえばつぎのセグメントの組み合わせがあげられ
る。
【0050】(1)非晶質セグメント(A)が、数平均
分子量50,000〜400,000のTFE−PMV
E(80/20〜50/50。モル比) 結晶性セグメント(B)が、数平均分子量10,000
〜400,000のTFE−PPVE(100/0〜8
0/20。モル比) セグメント化ポリマーの構成:B−A−B このセグメント化ポリマーはPFAの球晶を超微小化
し、かつアンカー効果を有し、PFAの物性を低下させ
ない点で優れている。
【0051】また、かかる球晶超微小化剤は、耐熱性を
向上させる目的でフッ素ガス処理を施すことが好まし
い。
【0052】フッ素ガス処理は、フッ素ガスを球晶超微
小化剤に接触させることにより行なう。しかし、フッ素
との反応は非常に発熱性であるから、フッ素を窒素のよ
うな不活性ガスで希釈することが好適である。フッ素ガ
ス/不活性ガス混合物中のフッ素量は1〜100重量
%、好ましくは10〜25重量%である。処理温度は1
50〜250℃、好ましくは200〜250℃であり、
フッ素ガス処理時間は3〜16時間、好ましくは4〜1
2時間である。フッ素ガス処理のガス圧は1〜10気圧
の範囲であるが、好ましくは大気圧が使用される。反応
器を大気圧で用いる場合、フッ素ガス/不活性ガス混合
物を反応器中へ連続的に通過させればよい。その結果、
球晶超微小化剤中の不安定な末端は−CF3末端に転化
され、熱的に安定となる。またヨウ素移動重合法で得ら
れた含フッ素エラストマーおよび含フッ素多元セグメン
ト化ポリマーに結合するヨウ素を検出限界(10pp
m)以下まで除去することができる。
【0053】本発明の球晶超微小化剤によれば結晶性含
フッ素樹脂中に形成される球晶を超微小化することがで
き、成形品の表面の平滑性を向上することができる。特
に含フッ素多元セグメント化ポリマーを使用するとき
は、球晶超微小化剤の脱落を抑制することができ、クリ
ーン化に寄与する。
【0054】溶融加工可能な結晶性PFAとしては、P
AVE含有量が10重量%(4モル%)以下1重量%
(0.37モル%)以上のものが、耐熱性、耐薬品性の
点から好ましい。10重量%よりも多いと融点(Tm)
が低くなっていき耐熱性に劣り、一方、1重量%よりも
少ないと溶融加工性のない、いわゆる変性PTFEとな
る。好ましい溶融加工可能な結晶性PFAとしてはメル
トフローレート(372℃±1℃、荷重5kg)が0.
5〜500g/10分、特に0.5〜50g/10分の
ものである。また、PAVEとしては前記のごとくPM
VE、PEVE、PPVE、パーフルオロ(イソブチル
ビニルエーテル)などがあげられ、特にPPVEが機械
的性質に優れる点から好ましい。
【0055】球晶超微小化剤の配合量は、結晶性含フッ
素樹脂100部(「重量部」、以下同様)に対して5.
0〜50.0部とするのが好ましい。本発明において球
晶超微小化剤の配合量を増やすと球晶径は小さくなる傾
向があり、10部を超えても球晶径はほとんど変化しな
い。50部を超えると得られる結晶性PFA組成物の硬
度や機械的性質が悪化していく。したがって、上限は5
0部とするのが好ましい。また、下限は結晶性のPFA
に球晶超微小化剤を配合して得られる成形品の平均球晶
径が1μm以下となる5部、好ましくは10部である。
【0056】なお、含フッ素多元セグメント化ポリマー
を用いる場合の結晶性セグメント(B)の割合は、結晶
性セグメント(B)の量が50部を超えると結晶性PF
A組成物の結晶性が高くなり、また得られる成形品の引
張強度や曲げ寿命が低下する傾向がある。
【0057】成形品の表面平滑化を主目的とする本発明
の成形品には、基本的に半導体製造の分野の用途では他
の添加剤を配合しない方がよいが、半導体製造の分野以
外の用途では補強や帯電性の低下などの目的でカーボン
ブラック、酸化チタン、ガラス繊維などを配合してもよ
い。
【0058】本発明の成形品を得るために結晶性PFA
に球晶超微小化剤を配合する方法は、球晶超微小化剤と
結晶性PFAとを溶融混練してペレット化する方法、球
晶超微小化剤のペレットまたは粉末と結晶性PFAのペ
レットまたは粉末をドライブレンドする方法、結晶性P
FAの水性分散液と球晶超微小化剤の粉末または水性分
散液を混合後乾燥する湿式ブレンド法などの公知の方法
のほか、球晶超微小化剤の微粒子を結晶性PFAの重合
系に共存させておいて重合を開始して球晶超微小化剤を
含む結晶性PFAを得ることもできる。これらのうち均
一な組成物が経済的に得られることから、球晶超微小化
剤と結晶性PFAとを溶融混練する方法、また湿式ブレ
ンド法が好ましい。
【0059】本発明の球晶超微小化剤は結晶性PFAへ
の分散性に優れている。特に含フッ素多元セグメント化
ポリマーはその結晶性セグメントがさらに親和性(相溶
性)を向上させるので、より一層均一な組成物を与え
る。球晶超微小化剤を水性分散液の形で使用する場合は
0.05〜1μmの平均粒径の微粒子が好ましく、粉末
の形で使用する場合は数ミクロン〜数十ミクロンの平均
粒径のものが好ましい。
【0060】また、本発明で用いる結晶性PFAは、特
に半導体製造の分野で用いられる場合、前記のフッ素化
処理を施して不安定な末端基を安定化させ、溶出するフ
ッ素イオン量を低減させることが好ましい。
【0061】本発明の成形品は成形法などにより各種の
形状をとることができる。たとえばチューブ状、フィル
ム状、シート状、板状のほか容器や各種目的に応じた部
品の形状になりうる。
【0062】このような本発明の成形品は、含フッ素樹
脂の耐熱性、耐薬品性に加え、表面が平滑であるため、
特に汚染を嫌う半導体装置の製造用の各種部品、配管、
容器として好適に使用できる。
【0063】本発明の成形品は平均球晶径が1μm以下
のものであり、極めて平滑な表面を有している。さらに
球晶を微細化すれば光の乱反射が抑えられるため、透視
性が改善されると共に透明性も向上する。したがって、
内部の観察の窓用材料としても有用である。
【0064】また、球晶超微小化剤として含フッ素多元
セグメント化ポリマーを用いる場合、結晶性セグメント
がアンカー作用を果たすので、球晶超微小化剤の脱落が
少なく、汚染の原因となるパーティクルの発生を抑制で
きる。
【0065】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0066】なお、実施例および比較例において各種の
物性を測定しているが、それらの測定法は以下のとおり
である。
【0067】(PAVE含量)19F−NMR法によりP
AVE含量を算出する。
【0068】(融解ピーク温度Tmおよび結晶化ピーク
温度Tc)示差走査熱量計(DSC。セイコー電子
(株)製のRDC220)により、試料を3mg用いて
測定する。まず200℃から350℃まで10℃/分で
昇温し、350℃に1分間保持したのち200℃まで1
0℃/分で降温し、このとき得られる結晶化曲線から結
晶化ピーク温度(Tc)を求める。さらに200℃まで
降温したのち200℃で1分間保持し、再度10℃/分
で350℃まで昇温し、このとき得られる融解曲線から
融解ピーク温度(Tm)を求める。
【0069】(ガラス転移温度Tg)前記示差走査型熱
量計を用い、試料10mgを−70℃から110℃まで
20℃/分で昇温し、つぎに−70℃まで20℃/分で
降温する。再度、20℃/分で110℃まで昇温し、こ
のとき得られる曲線からガラス転移温度を求める。
【0070】(球晶の平均径)測定は走査型電子顕微鏡
(1000〜5000倍)により、実施例1に示した成
形法で得たチューブ内表面を観察して連続する60個の
球晶の直径の平均値で評価する。
【0071】(ムーニー粘度:ML1+10)(株)上島製
作所製のムーニー粘度計を用い、JIS K 6300
に従って測定する。
【0072】合成例1(非晶質含フッ素ポリマーの合
成) 内容積174リットルのグラスライニング製オートクレ
ーブに、純水80リットルおよび乳化剤としてC37
CF(CF3)CF2OCF(CF3)COONH4800
g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水
塩7.2gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換した
のち、120rpmで攪拌しながら50℃に昇温し、テ
トラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチ
ルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/
PMVE=32/68モル比)を内圧が0.784MP
aGになるように仕込んだ。ついで過硫酸アンモニウム
(APS)の49.6mg/mlの濃度の水溶液300
mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
【0073】重合の進行により内圧が0.686MPa
Gまで降下した時点で、ジヨウ素化合物I(CF24
を72.64gとC715COONH4の10重量%水溶
液240.6gの混合物を窒素圧にて圧入した。ついで
圧力が0.784MPaGになるように、TFEを自圧
にて378g、PMVE384g(TFE/PMVE=
63/37モル比)をプランジャーポンプにて圧入し
た。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMV
Eを圧入し、0.686〜0.784MPaGのあいだ
で昇圧降圧を繰り返した。
【0074】重合反応の開始から10時間後、TFEお
よびPMVEの合計仕込み量が、15232gになった
時点でオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出
して固形分濃度17.0重量%の水性分散体を得た。
【0075】この水性分散体の一部を取り、凍結させ凝
析を行ない、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してエラ
ストマー性の重合体を得た。この重合体のムーニー粘度
ML 1+10(100℃)は56であった。
【0076】19F−NMR分析の結果、この重合体のモ
ノマー単位組成はTFE/PMVE=62/38モル%
であり、DSC分析により測定したTgは2℃であっ
た。
【0077】合成例2(含フッ素多元セグメント化ポリ
マーの合成) 内容積4リットルのグラスライニング製オートクレーブ
に、合成例1で得られた水性分散体885g、純水55
1g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PP
VE)46.7gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置
換したのち、系内の温度を80℃に保った。400rp
mで撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレン(TF
E)を内圧が0.784MPaGとなるよう圧入した。
【0078】ついで過硫酸アンモニウム(APS)1
3.2mgを水5mlにとかした溶液を窒素を用いて圧
入して反応を開始した。
【0079】重合反応の進行にともなって圧力が低下す
るので、0.686MPaGまで低下した時点でTFE
で0.784MPaGまで再加圧し、0.686〜0.
784MPaGの間で降圧昇圧を繰り返した。
【0080】重合開始よりTFEが154g消費された
時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モ
ノマーを放出し、半透明の水性分散体1780gを得
た。
【0081】得られた水性分散体中の固形分濃度は1
8.8重量%であった。
【0082】ポリマーの得量の増加により計算された重
合体全体に対する結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント
(B)の比率、すなわち、{(後重合で得られたポリマ
ー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合で得ら
れたポリマー得量)×100は55重量%であった。
【0083】得られた水性分散体を凍結凝析し、析出し
たポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体を得た。
【0084】得られた含フッ素多元セグメント化ポリマ
ー中の結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント(B)の組
成は19F−NMR分析により、TFE/PPVE=9
9.0/1.0モル%であった。また、DSC分析によ
り含フッ素多元セグメント化ポリマーのTmおよびTc
はそれぞれ311.4℃および298.2℃であった。
【0085】合成例3(含フッ素多元セグメント化ポリ
マーの合成) 内容積6リットルのグラスライニング製オートクレーブ
に、合成例1で得られた水性分散体2000g、純水9
90gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したの
ち、系内の温度を80℃に保った。600rpmで撹拌
を行ないながらテトラフルオロエチレン(TFE)とパ
ーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混
合ガス(86/14モル比)を内圧が0.196MPa
Gとなるよう圧入した。
【0086】ついで過硫酸アンモニウム(APS)1
0.0mgを水5mlにとかした溶液を窒素を用いて圧
入して反応を開始した。
【0087】重合反応の進行にともなって圧力が低下す
るので、0.147MPaGまで低下した時点でTFE
/PMVE混合ガス(96.7/3.3モル比)で0.
196MPaGまで再加圧し、0.147〜0.196
MPaGの間で降圧昇圧を繰り返した。
【0088】重合開始よりTFE/PMVE混合ガスが
240g消費された時点で供給を止め、オートクレーブ
を冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散
体3598gを得た。
【0089】得られた水性分散体中の固形分濃度は1
6.3重量%であった。
【0090】ポリマーの得量の増加により計算された重
合体全体に対する結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント
(B)の比率、すなわち、{(後重合で得られたポリマ
ー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合で得ら
れたポリマー得量)×100は42.2重量%であっ
た。
【0091】得られた水性分散体を凍結凝析し、析出し
たポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体を得た。
【0092】得られた含フッ素多元セグメント化ポリマ
ー中の結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント(B)の組
成は19F−NMR分析により、TFE/PMVE=9
6.7/3.3モル%と計算された。また、DSC分析
により含フッ素多元セグメント化ポリマーのTmおよび
Tcはそれぞれ286.7℃および264.3℃であっ
た。
【0093】合成例4(含フッ素多元セグメント化ポリ
マーの合成) 内容積3リットルのステンレス製オートクレーブに、合
成例1で得られたディスパージョン665.5gと純水
414gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したの
ち、系内の温度を80℃に保った。400rpmで撹拌
を行ないながらテトラフルオロエチレン(TFE)を内
圧が0.588MPaGとなるよう圧入した。
【0094】ついで過硫酸アンモニウム(APS)10
mgを水2mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して
反応を開始した。
【0095】重合反応の進行にともなって圧力が低下す
るので、0.490MPaGまで低下した時点でTFE
で0.588MPaGまで再加圧し、0.490〜0.
588MPaGの間で降圧昇圧を繰り返した。
【0096】重合開始よりTFEが約110g消費され
た時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応
モノマーを放出し、半透明の水性分散体1327gを得
た。
【0097】得られた水性分散体中の固形分濃度は1
7.1重量%であった。
【0098】ポリマーの得量の増加により計算された重
合体全体に対する結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント
(B)の比率、すなわち、{(後重合で得られたポリマ
ー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合で得ら
れたポリマー得量)×100は50.2重量%であっ
た。
【0099】得られた水性分散体を凍結凝析し、析出し
たポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体を得た。
【0100】DSC分析により、含フッ素多元セグメン
ト化ポリマーのTmおよびTcはそれぞれ326.2℃
および300.0℃であった。
【0101】実施例1 50リットルの容器にイオン交換水20リットル、溶融
加工可能な結晶性PFA(PPVE含量5.0重量%、
MFR1.85g/10分)10kgおよび合成例1で
製造した含フッ素エラストマーの水性分散液(ポリマー
含有量5kg)を入れ、撹拌下に硝酸を加えて凝集し、
洗浄後、150℃で12時間乾燥した。得られた乾燥粉
末に前記結晶性PFAを加えて、PFA100部に対し
表1に示す配合比となるように調整し、ヘンシェルミキ
サーを用いて混合した。
【0102】この組成物をスクリュー押出機(池貝
(株)製のPCM46)により360℃にて溶融押出し
して樹脂組成物を得た。
【0103】この樹脂組成物を用いつぎの条件で外径1
0.0mm、肉厚1.0mmのチューブを押出成形し
た。 押出成形機:田辺プラスチックス機械(株)製 シリンダー内径:30mm ダイ内径:20mm マンドレル外径:13mm 設定温度:シリンダー後部330℃ シリンダー中部365℃ シリンダー前部380℃ アダプター380℃ ダイ390℃ スクリュー回転数:10rpm サイジングダイ内径:10.0mm 引取り速度:0.4〜0.5m/分
【0104】得られたチューブから約5mm角の試料を
切り取り、走査型電子顕微鏡でチューブの内表面の平均
球晶径を測定した。結果を表1に示す。
【0105】比較例1 実施例1で使用したPFA100部に合成例1で製造し
た含フッ素エラストマー1部を配合したほかは実施例1
と同様に成形し、得られたチューブ内表面の平均球晶径
を調べた。結果を表1に示す。
【0106】比較例2 球晶超微小化剤を配合しないほかは実施例1と同様に成
形し、得られたチューブ内表面の平均球晶径を調べた。
結果を表1に示す。
【0107】
【表1】
【0108】実施例2 合成例2で製造した含フッ素多元セグメント化ポリマー
からなる球晶超微小化剤を表2に示す配合比となるよう
に調整したほかは実施例1と同様に成形し、得られたチ
ューブ内表面の平均球晶径を調べた。結果を表2に示
す。
【0109】比較例3 合成例2で製造した含フッ素多元セグメント化ポリマー
1部を配合したほかは実施例2と同様に成形し、得られ
たチューブ内表面の平均球晶径を調べた。結果を表2に
示す。
【0110】
【表2】
【0111】実施例3 合成例3で製造した含フッ素多元セグメント化ポリマー
からなる球晶超微小化剤を表3に示す配合比となるよう
に調整したほかは実施例1と同様に成形し、得られたチ
ューブ内表面の平均球晶径を調べた。結果を表3に示
す。
【0112】比較例4 合成例3で製造した含フッ素多元セグメント化ポリマー
1部を配合したほかは実施例3と同様に成形し、得られ
たチューブ内表面の平均球晶径を調べた。結果を表3に
示す。
【0113】
【表3】
【0114】実施例4 合成例4で製造した含フッ素多元セグメント化ポリマー
からなる球晶超微小化剤を表4に示す配合比となるよう
に調整したほかは実施例1と同様に成形し、得られたチ
ューブ内表面の平均球晶径を調べた。結果を表4に示
す。
【0115】比較例5 合成例4で製造した含フッ素エラストマー1部を配合し
たほかは実施例1と同様に成形し、得られたチューブ内
表面の平均球晶径を調べた。結果を表4に示す。
【0116】
【表4】
【0117】
【発明の効果】以上の表1〜4に示す結果から明らなか
なように、本発明に従って得られる容器やチューブなど
の溶融押出成形品の表面の平均球晶径は1μm以下とな
っており、従来のPFAから得られる成形品に比べ超微
細化することができた。この成形品は表面平滑性および
透明性に非常に優れているので、表面に汚染物質が残留
することがなく、また成形品を通して観察される像の解
像度に優れているという特性を有する。
【0118】添加剤として使用される球晶超微小化剤は
PFAと同等の耐熱性や耐薬品性を有し、溶出物による
半導体製造工程の汚染などの問題も生じない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 克秀 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 清水 哲男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4J002 BD122 BD142 BD151 BD152 BP032 GQ05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性のテトラフルオロエチレン−パー
    フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体と、該共
    重合体100重量部に対して非晶質含フッ素ポリマーか
    らなる球晶超微小化剤を5.0〜50.0重量部含む樹
    脂組成物を溶融加工して得られる平均球晶径が1μm以
    下である成形品。
  2. 【請求項2】 前記非晶質含フッ素ポリマーのガラス転
    移温度が25℃以下である請求項1記載の成形品。
  3. 【請求項3】 前記非晶質含フッ素ポリマーが、非晶質
    のテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビ
    ニルエーテル)共重合体である請求項2記載の成形品。
  4. 【請求項4】 前記樹脂組成物が、該共重合体100重
    量部に対して非晶質含フッ素ポリマー鎖セグメント
    (A)およびテトラフルオロエチレン繰返し単位80〜
    100モル%と式(I): CF2=CF−Rf1 (I) [式中、Rf1はCF3またはORf2(Rf2は炭素数1
    〜5のパーフルオロアルキル基)である]で示される繰
    返し単位0〜20モル%からなる結晶性含フツ素ポリマ
    ー鎖セグメント(B)とからなる含フッ素多元セグメン
    ト化ポリマーを5.0〜50.0重量部を含むものであ
    る請求項1記載の成形品。
  5. 【請求項5】 前記結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメン
    ト(B)が、テトラフルオロエチレン繰返し単位とパー
    フルオロ(アルキルビニルエーテル)繰返し単位とから
    なり、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)繰返し
    単位を4モル%以下含む結晶性のセグメントである請求
    項4記載の成形品。
  6. 【請求項6】 前記結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメン
    ト(B)がテトラフルオロエチレン繰返し単位のみから
    なる請求項4記載の成形品。
  7. 【請求項7】 チューブの形態である請求項1〜6のい
    ずれかに記載の成形品。
JP33845399A 1999-11-29 1999-11-29 超微小球晶を有する含フッ素樹脂成形品 Pending JP2001151971A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33845399A JP2001151971A (ja) 1999-11-29 1999-11-29 超微小球晶を有する含フッ素樹脂成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33845399A JP2001151971A (ja) 1999-11-29 1999-11-29 超微小球晶を有する含フッ素樹脂成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001151971A true JP2001151971A (ja) 2001-06-05

Family

ID=18318312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33845399A Pending JP2001151971A (ja) 1999-11-29 1999-11-29 超微小球晶を有する含フッ素樹脂成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001151971A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009146871A (ja) * 2007-11-20 2009-07-02 Asahi Glass Co Ltd 環境負荷の小さな蓄電素子電極形成用水性ペースト
JP2014055290A (ja) * 2012-08-15 2014-03-27 Daikin Ind Ltd フッ素化ナノダイヤモンドを含むフッ素樹脂組成物
KR20190115446A (ko) * 2017-02-16 2019-10-11 솔베이 스페셜티 폴리머스 이태리 에스.피.에이. 퍼플루오르화 열가소성 탄성체

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009146871A (ja) * 2007-11-20 2009-07-02 Asahi Glass Co Ltd 環境負荷の小さな蓄電素子電極形成用水性ペースト
JP2014055290A (ja) * 2012-08-15 2014-03-27 Daikin Ind Ltd フッ素化ナノダイヤモンドを含むフッ素樹脂組成物
US9725582B2 (en) 2012-08-15 2017-08-08 Daikin Industries, Ltd. Fluororesin composition containing fluorinated nano-diamond
KR20190115446A (ko) * 2017-02-16 2019-10-11 솔베이 스페셜티 폴리머스 이태리 에스.피.에이. 퍼플루오르화 열가소성 탄성체
JP2020507659A (ja) * 2017-02-16 2020-03-12 ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー. パーフッ素化熱可塑性エラストマー
JP7088945B2 (ja) 2017-02-16 2022-06-21 ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー. パーフッ素化熱可塑性エラストマー
KR102665629B1 (ko) * 2017-02-16 2024-05-16 솔베이 스페셜티 폴리머스 이태리 에스.피.에이. 퍼플루오르화 열가소성 탄성체

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9029477B2 (en) Compositions comprising melt-processable thermoplastic fluoropolymers and methods of making the same
JP4719975B2 (ja) 結晶性含フッ素樹脂の球晶微小化剤、該微小化剤を含んでなる結晶性含フッ素樹脂組成物
US6927265B2 (en) Melt-processible thermoplastic fluoropolymers having improved processing characteristics and method of producing same
EP1189953B2 (en) Polymerization of fluoromonomers
RU2491300C2 (ru) Экспандируемые сополимеры тетрафторэтилена, способ их получения и пористые экспандированные изделия из них
JP5588679B2 (ja) フルオロポリエーテル酸または塩および短鎖フッ素系界面活性剤を含む重合剤を用いるフッ素化モノマーの水性重合
US6395848B1 (en) Polymerization of fluoromonomers
JP5756079B2 (ja) 延伸性tfeコポリマー、その生産方法及びその多孔性延伸物品
EP2170990B1 (en) Methods for melt-processing thermoplastic fluoropolymers
EP3039073B1 (en) Fluoropolymer blend
JP4599640B2 (ja) 含フッ素共重合体および低薬液透過性含フッ素樹脂組成物
JP2013532740A (ja) 溶融加工用の高融点ptfeポリマー
EP2474564A2 (en) Melt-processible fluoropolymers having long-chain branches, methods of preparing them and uses thereof
US7009018B2 (en) Tetrafluoroethylene copolymer
JP2017537208A (ja) 1,3,3,3−テトラフルオロプロペンのコポリマー
EP1130056A2 (en) Thermoplastic fluoropolymers
ZA200206048B (en) Aqueous emulsion polymerization process for the manufacturing of fluoropolymer.
JP2001151971A (ja) 超微小球晶を有する含フッ素樹脂成形品
JP4341125B2 (ja) 薬液透過抑制剤、該抑制剤を含んでなる薬液透過抑制性含フッ素樹脂組成物