JP2001151918A - 多孔性樹脂フィルム - Google Patents

多孔性樹脂フィルム

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JP2001151918A
JP2001151918A JP34212999A JP34212999A JP2001151918A JP 2001151918 A JP2001151918 A JP 2001151918A JP 34212999 A JP34212999 A JP 34212999A JP 34212999 A JP34212999 A JP 34212999A JP 2001151918 A JP2001151918 A JP 2001151918A
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Sanehiro Shibuya
修弘 渋谷
Yasuo Iwasa
泰雄 岩佐
Seiichiro Iida
誠一郎 飯田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系インクや水系糊の溶媒となる水分の吸収
性の良い多孔性樹脂フィルムの提供、及びインクジェッ
ト記録に於いて、インクの吐出量が多い場合、即ちベタ
印刷等をしても濃度ムラなくインクを吸収できる記録媒
体を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂、無機または有機微細粉
末、及び親水化剤よりなり、「Japan TAPPI
No.51−87」により測定される液体吸収容積が
0.5ml/m2 以上の範囲にあることを特徴とする多
孔性樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系液体吸収性及
びインク吸収性に優れた多孔性樹脂フィルムに関する。
また本発明は、特にインクジェット記録特性が良好で、
精細な画像を形成することができる記録媒体にも関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、耐水性に優れたフィルム系合成紙
は樹脂を主成分とするもので、油性インキやUV硬化型
インキを使用するオフセット印刷やシール印刷、昇華型
ないしは溶融型熱転写などを主用途としてきた。しかし
ながら、用途拡大に伴い、水性インキを使用する印刷方
法や、環境に配慮した水系糊への適性向上要求が高まっ
ている。そのために、水系インクや水系糊、ないしはそ
れらの溶媒となる水分の吸収性の良い合成紙が必要とな
ってきている。また、近年のマルチメディアの技術進歩
に伴って、インクジェット方式のプリンターが業務用、
民生用を問わず広く普及している。インクジェット方式
のプリンターは、マルチカラー化および画像の大型化が
容易であり、印刷コストが安い等の多くの特徴を有して
いる。中でも、油性インクに比べて環境面や安全面に関
する問題を生じにくい水性インクを利用したインクジェ
ットプリンターは、最近の主流になっている。
【0003】インクジェットプリンターは、文字だけで
なく画像の処理をも含んだハードコピーを得る方法とし
て広く使われている。その為、印刷後の画像にはより精
細さが要求されるようになっている。画像の精細さは、
記録媒体上に印刷されたインクの乾燥性に左右される。
例えば、複数の記録媒体へ連続的に印刷する場合、印刷
した記録媒体の上に別の記録媒体が重なることがある。
このとき、印刷した記録媒体のインクの吸収が不十分で
あると、インクが重ねた記録媒体上に付着してしまい、
画像汚れの原因になってしまう。
【0004】画像の精細さを高めるために、合成紙、プ
ラスチックフィルムまたは紙などの記録媒体上に親水性
樹脂または無機微細粉末を有するインク受容性材料をコ
ーティングする方法が広く採用されている(特開平3−
82589号公報、特開平9−216456号公報)。
一方、親水性樹脂を主成分とするインク受容層を熱ラミ
ネーション法またはエクストルージョンラミネーション
法によって形成したインクジェット用記録媒体も提案さ
れている(特開平8−12871号公報、特開平9−1
920号公報、特開平9−314983号公報)。しか
しながら、これらの方法によって形成したインクジェッ
ト用記録媒体は、インクの吐出量が多い場合には吸収能
力不足となるケースがあるのでコーティング層を厚くす
る必要があり、コーティング工程を多数回必要とするな
どの問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題点の解消を解決すべき課題とする。すなわ
ち本発明は、水系インクや水系糊の溶媒となる水分の吸
収性の良い多孔性樹脂フィルムの提供、及び、インクジ
ェット記録に於いて、インクの吐出量が多い場合、即ち
ベタ印刷等をしても濃度ムラなくインクを吸収できる記
録媒体を提供することを解決すべき課題とする。また本
発明は、このような優れた性質を有する記録媒体を構成
する多孔性樹脂フィルムを提供することも解決すべき課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決することを目的として鋭意研究を行った結果、熱
可塑性樹脂、無機または有機微細粉末、及び親水化剤よ
りなり「JapanTAPPI No.51−87」に
より測定される液体吸収容積が、0.5ml/m2 以上
の範囲にあることを特徴とする多孔性樹脂フィルムが、
水系液体の吸収が良好であり、更に表面接触角が110
°以下の多孔性樹脂フィルムがインクの吐出量が多い場
合でも濃度ムラなくインクを吸収することができ、イン
クジェット等の記録媒体として好適であることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂、無機ま
たは有機微細粉末、及び親水化剤よりなり、「Japa
n TAPPI No.51−87」により測定される
液体吸収容積が0.5ml/m2 以上の範囲にあること
を特徴とする多孔性樹脂フィルムであり、好ましい態様
としては、該フィルムの水に対する平均接触角が110
°以下あり、より好ましくは、表面及び内部に空孔を有
し、空孔率が10%以上である多孔性樹脂フィルムであ
る。より好ましい態様として、該フィルムが表面に空孔
が1×106 個/m2 以上あるものであり、表面の空孔
の平均直径が0.01〜50μmの範囲にあることが好
ましい。
【0008】熱可塑性樹脂はポリオレフィン系樹脂であ
ることが好ましく、無機または有機微細粉末は平均粒子
径が0.01〜20μmの範囲が好ましい。さらに、無
機または有機微細粉末の比表面積は0.5m2 /g以上
の範囲にあるものが好ましい。構成成分の配合割合の好
ましい態様として、熱可塑性樹脂と親水化剤の合計量3
0〜90重量%、無機または有機微細粉末70〜10重
量%を含有し、熱可塑性樹脂100重量部に対する親水
化剤の量が0.01〜50重量部の範囲にあるものであ
る。
【0009】好ましい親水化剤は、その0.01%水溶
液の表面張力が25mN/mの範囲にあるものであり、
親水化剤の好ましい具体例としては、炭素数4〜40の
範囲の炭化水素基を有するスルホン酸のナトリウム塩な
いしはカリウム塩、炭素数4〜30の範囲の炭化水素基
を有するアルキルベタインやアルキルスルホベタイン、
炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を少なくとも1つ有
するアンモニウム化合物であり、親水化剤の使用量は熱
可塑性樹脂と無機または有機の微細粉末の合計量100
重量部に対して親水化剤0.01〜50重量部である。
更に好ましい態様として、多孔性樹脂フィルムが延伸さ
れているものである。本発明は、多孔性樹脂フィルムを
少なくとも片方の面に有する積層体を含み、これらを使
用する記録媒体、さらにはこれらに色材定着層を設けた
インクジェット記録媒体をも含む。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の多孔性樹脂フィ
ルムおよび記録媒体について更に詳細に説明する。本発
明の多孔性樹脂フィルムの液体吸収容積は0.5ml/
2 以上、好ましくは3〜2600ml/m2 、より好
ましくは5〜100ml/m2 の範囲である。0.5m
l/m2 未満では、水性インクや水性糊の吸収が不充分
である。また、吸収量を増やすためには多孔性樹脂フィ
ルムの厚さも考慮する必要があるので、用途次第で上限
は適宜選択される。
【0011】本発明の多孔性樹脂フィルムの液体吸収容
積は、「Japan TAPPINo.51−87」
(紙パルプ技術協会、紙パルプ試験方法No.51−8
7、ブリストー法)に準拠して測定されるものであり、
本発明に於いては吸収時間が2秒以内の測定値を液体吸
収容積とする。測定溶媒は水70重量%とエチレングリ
コール30重量%の混合溶媒を100重量%として着色
用染料を加えてなるものを使用して測定したものであ
る。着色用染料としては、マラカイトグリーン等を使用
し、量は混合溶媒を100重量部として、それに加えて
2重量部程度であるが、測定に使用する溶媒の表面張力
を大きく変化させない範囲であれば、使用する着色用染
料の種類及び量は特に限定されない。測定器機として
は、例えば熊谷理機工業(株)製、液体吸収性試験機が
挙げられる。
【0012】また、より短い吸収時間における液体吸収
容積が大きい方が、水性糊等を使用した場合に紙の端か
らのはみ出しが少なくなる。本発明に於いては40ミリ
秒以内の液体吸収容積が0.8ml/m2 以上、より好
ましくは1〜500ml/m 2 の範囲である。更に、上
述の液体吸収容積の測定に付随して測定される液体吸収
速度は、より大きい方が重色部の吸収や乾燥によりよい
結果を与える傾向がある。本発明に於いては20ミリ秒
〜400ミリ秒の間における吸収速度が、一般的には
0.02ml/{m2 ・(ms)1/2 }以上の範囲であ
り、より好ましくは0.1〜100ml/{m2 ・(m
s)1/2 }以上の範囲である。
【0013】本発明の多孔性樹脂フィルムの水に対する
表面接触角は、110°以下、好ましくは0〜100
°、より好ましくは0〜90°の範囲である。110°
を超える範囲では、水性インクや水性媒体を用いる糊等
の液体浸透が十分でない場合がある。また、水性インク
液滴のフィルム紙面に平行な方向への広がりと、フィル
ムの厚さ方向への浸透のバランスをはかるという観点か
ら、接触角に適性範囲がある場合があり、インクの種類
に応じて適宜選択される。なお、本発明におけるフィル
ム表面の水接触角は、市販の接触角計を用い、純水をフ
ィルム表面に滴下して1分後に同接触角計を用いて測定
されるものである。1試料にたいして測定を10回行
い、1回の測定毎に純水で表面が濡れていない未測定の
フィルムに交換して測定される接触角の平均値を水接触
角とする。本発明の接触角測定に使用可能な市販の接触
角計の例として協和界面化学(株)製、型式CA−Dが
挙げらる。
【0014】また更に、10回の接触角測定における
「最大値と最小値との差」が小さいほどインクや水性媒
体を使用する液体の吸収がより均一となる傾向となり、
印字媒体としてよりよい印字品質を与えるが、一例とし
ては、最大値と最小値との差は40°以内、好ましくは
30°以内、より好ましくは20°以内である。本発明
の多孔性樹脂フィルムは表面に微細な空孔を有してお
り、この空孔より表面に接触した水性インクや水系の液
体を吸収する。多孔性樹脂フィルム表面の空孔の数や形
状は、電子顕微鏡観察により知ることができる。多孔性
樹脂フィルム試料より任意の一部を切り取り、観察試料
台に貼り付けて、観察面に金ないしは金−パラジウム等
を蒸着し、電子顕微鏡、例えば、(株)日立製作所製の
走査型電子顕微鏡S−2400等を使用して観察しやす
い任意の倍率にて表面の空孔形状を観察することがで
き、空孔数、空孔の大きさや空孔形状を知ることができ
る。観察する視野の面積における空孔数を、単位面積当
たりに換算し空孔数とする。
【0015】多孔性樹脂フィルム表面の単位面積当たり
の空孔の数は、1×106 個/m2以上の範囲が必要で
あり、水系液体の吸収をより速くするという観点から、
好ましくは1×107 個/m2 以上、好ましくは1×1
8 個/m2 以上である。また、表面強度をより良いレ
ベルとするという観点から、好ましくは1×1015個/
2 以下、より好ましくは1×1012個/m2 以下の範
囲である。また、多孔性樹脂フィルムの表面付近の空孔
形状は、円状、楕円状等様々であるが、それぞれの空孔
の最大径(L)とそれに直角な方向の最大の径(M)を
測定して平均したもの[(L+M)/2]をそれぞれの
空孔の平均直径とする。少なくとも15個の表面空孔に
つき繰り返して測定し、その平均値を本発明の多孔性樹
脂フィルムの表面の空孔の平均直径とする。好ましく
は、少なくとも20個の表面空孔につき繰り返して測定
し、その平均値を平均直径とする。より良いレベルの液
体吸収性を得るという観点から、平均直径は0.01μ
m以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましく
は1μm以上である。多孔性樹脂フィルムの表面強度を
より良いレベルとするためには、平均直径は50μm以
下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm
以下である。
【0016】本発明の多孔性樹脂フィルムは内部に微細
な空孔を有する多孔質構造を有しており、水性インクの
吸収乾燥性をよりよいレベルとするという観点から、そ
の空孔率は10%以上であり、好ましくは20〜75%
であり、より好ましくは30〜65%の範囲である。空
孔率が75%以下であれば、フィルムの材料強度が良い
レベルとなる。内部に空孔を有することは、断面の電子
顕微鏡観察により確かめることができる。
【0017】なお、本明細書における空孔率は、次式で
示される空孔率、ないしは断面の電子顕微鏡写真観察し
た領域に空孔が占める面積割合(%)を示す。次式で示
される空孔率と面積割合は同じものである。具体的に
は、多孔性樹脂フィルムをエポキシ樹脂で包埋して固化
させた後、ミクロトームを用いて例えばフィルムの厚さ
方向に対して平行かつ面方向に垂直な切断面を作製し、
この切断面をメタライジングした後、走査型電子顕微鏡
で観察しやすい任意の倍率、例えば500倍から200
0倍に拡大して観察する。一例として、観察した領域を
写真等に撮影し、空孔をトレーシングフィルムにトレー
スし、塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)
製:型式ルーゼックスIID)で画像処理を行い、空孔の
面積率を求めて空孔率とすることができる。また、本発
明の多孔性樹脂フィルムを表面に有する積層体の場合
は、該積層体及びこれから本発明の多孔性樹脂フィルム
層を取り除いた部分の厚さと坪量(g/m2 )より本発
明の多孔性樹脂フィルム層の厚さと坪量を算出し、これ
より密度(ρ)を求め、さらに構成成分の組成より非空
孔部分の密度(ρ0 )を求めて次の式により求めること
もできる。
【0018】
【式1】
【0019】さらに、内部空孔の形状やその寸法は、走
査型電子顕微鏡で観察しやすい任意の倍率、例えば50
0倍ないしは2000倍に拡大して観察する事ができ
る。内部空孔の寸法は、少なくとも10個の内部空孔の
面方向の寸法と厚さ方向の寸法を測定してそれぞれを平
均したものとする。多孔性樹脂フィルムの空孔の面方向
の平均寸法は、0.1〜1000μm、好ましくは1〜
500μmの範囲である。多孔性樹脂フィルムの機械的
強度をよりよいレベルにするという観点から、空孔のフ
ィルムの面方向の最大寸法は1000μm以下が良い。
また、より高いレベルの水系液体吸収性を得るという観
点からフィルムの面方向の最大寸法は0.1μm以上が
好ましい。多孔性樹脂フィルムの空孔の厚さ方向の平均
寸法は、通常0.01〜50μm、好ましくは0.1〜
10μmの範囲である。水系液体の吸収性向上には、厚
さ方向の寸法が大きい方が良いが、フィルムの適度な機
械的強度を得るという観点から、用途に応じて上限が選
定可能である。
【0020】<多孔性樹脂フィルムの組成、製造法>本
発明の多孔性樹脂フィルムは、構成成分として、熱可塑
性樹脂と無機または有機微細粉末および親水化剤の組合
せよりなるものである。本発明の多孔性樹脂フィルムに
おいて使用される熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の
エチレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂等のポリオ
レフィン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン
−環状オレフィン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−
6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12、ナ
イロン−6,T等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレー
ト、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、
シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンス
ルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種
以上混合して用いることもできる。
【0021】これらの中でも、耐薬品性や低比重、コス
ト等の観点より、好ましくはエチレン系樹脂、あるいは
プロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂であり、よ
り好ましくはプロピレン系樹脂である。プロピレン系樹
脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタクテ
ィック重合体ないしはシンジオタクティック重合体を例
示することができる。また、エチレン、1−ブテン、1
−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン
等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合体させた、
様々な立体規則性を有するプロピレン単独重合体を主成
分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は
2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム
共重合体でもブロック共重合体でもよい。プロピレン系
樹脂には、プロピレン単独重合体よりも融点が低い樹脂
を2〜25重量%配合して使用することが好ましい。そ
のような融点が低い樹脂として、高密度ないしは低密度
のポリエチレンを例示することができる。
【0022】本発明の多孔性樹脂フィルムにおいて使用
される有機または無機微細粉末の種類は特に制限されな
いが、その具体例として、以下のものが挙げられる。無
機微細粉末としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カ
ルシウム、凝集型軽質炭酸カルシウム、種々の細孔容積
を有するシリカ、ゼオライト、クレー、タルク、酸化チ
タン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪
藻土、酸化珪素、シリカなど水酸基含有無機微細粉末の
核の周囲にアルミニウム酸化物ないしは水酸化物を有す
る複合無機微細粉末等を例示することができる。中でも
重質炭酸カルシウム、クレー、珪藻土を使用すれば、安
価であり、延伸により成形する場合には、空孔形成性が
よいために好ましい。
【0023】有機微細粒子としては、空孔形成の目的よ
り、上述の非親水性熱可塑性樹脂として使用する熱可塑
性樹脂よりも融点ないしはガラス転移点が高くて非相溶
性のものより選択される。具体例としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
アミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリスチレン、アクリル酸エステルないしはメタク
リル酸エステルの重合体や共重合体、メラミン樹脂、ポ
リエチレンサルファイト、ポリイミド、ボリエチルエー
テルケトン、ポリフエニレンサルファイド等を例示する
ことができる。なかでも、非親水性熱可塑性樹脂とし
て、ポリオレフィン系樹脂を使用する場合には、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレ
ート、ポリスチレンより選ばれるものが好ましい。
【0024】無機または有機の微細粉末のうちで、燃焼
時の発生熱量が少ないという観点から、より好ましくは
無機微細粉末である。本発明に使用する無機または有機
微細粉末の平均粒子径は、好ましくは0.01〜20μ
m、より好ましくは0.1〜10μm、更に好ましくは
0.5〜10μmの範囲である。親水性熱可塑性樹脂や
非親水性熱可塑性樹脂との混合の容易さから0.01μ
m以上が良い。また、延伸により内部に空孔を発生させ
て吸収性を向上させる場合に、延伸時のシート切れや表
面層の強度低下等のトラブルを発生させにくくするとい
う観点から、20μm以下が好ましい。
【0025】本発明に使用する無機ないしは有機の微細
粉末の粒子径は、一例として粒子計測装置、例えば、レ
ーザー回折式粒子計測装置「マイクロトラック」
((株)日機装製、商品名)により測定した累積で50
%にあたる粒子径(累積50%粒径)により測定するこ
とができる。また、溶融混練と分散により非親水性樹脂
や親水性樹脂中に分散した微細粉末の粒子径は、多孔質
フィルム断面の電子顕微鏡観察により粒子の少なくとも
10個を測定してその粒子径の平均値として求めること
も可能である。本発明に使用する無機または有機微細粉
末の比表面積は、BET法により測定され、一例として
0.1〜1000m2 /g、より好ましくは0.2〜5
00m 2 /g、更に好ましくは0.5〜100m2 /g
の範囲である。
【0026】比表面積が大きい無機または有機の微細粉
末を使用すると水系溶媒やインクの吸収がより良くなる
傾向となる。また、親水性熱可塑性樹脂や非親水性熱可
塑性樹脂との混合分散において、分級による分散不十分
や随伴する空気による発泡などのトラブルが起きやすく
なる傾向がある場合は、使用に適した比表面積上限は適
宜選定される。また、種々の吸油量のものが使用可能で
あり、一例として、吸油量(JIS K5101−19
91等)が1〜300ml/100g、好ましくは10
〜200ml/gの範囲である。本発明の多孔性樹脂フ
ィルムに使用する微細粉末は、上記の中から1種を選択
してこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択し
て組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせ
て使用する場合には、有機微細粉末と無機微細粉末の組
み合せであってもよい。
【0027】本発明に使用する親水化剤は、その0.0
1%水溶液のデュヌイ法により測定される表面張力が2
5mN/m(dyn/cm)以上、好ましくは25〜7
0mN/m、より好ましくは30〜65mN/mの範囲
にあるものである。多孔性樹脂フィルムの水系溶媒や水
系インクの吸収をより良くする観点から、25mN/m
以上の範囲で効果がより大きくなる。また、水系溶媒の
多孔性樹脂フィルムの厚さ方向の浸透とフィルム面方向
広がりのバランスにおいて、70mN/m以下が良いケ
ースがある。親水化剤の分子量に特に制限はないが、そ
の選択により、他の成分との混合をより均一にしたり、
その吸収性を向上させることができる場合があり、一例
として20000以下、好ましくは100〜3000、
より好ましくは150〜1000の範囲である。
【0028】親水化剤の具体例として以下のものが挙げ
られる。すなわち、(K)炭素数4〜40の範囲の炭化
水素基を有するスルホン酸塩、(L)炭素数4〜40の
範囲の炭化水素基を有するリン酸エステル塩、炭素数4
〜40の範囲の高級アルコールのリン酸のモノまたはジ
エステル塩、炭素数4〜40の範囲の高級アルコールの
酸化エチレン付加物のリン酸エステルの塩、(M)炭素
数4〜40の範囲の高級脂肪族アルコール、アルキルフ
ェノール、高級脂肪族アミン、ないしは高級脂肪酸アミ
ドの酸化エチレン付加物のうちで分子量が約3000以
下のもの、(N)炭素数4〜40のの範囲の炭化水素基
を有するアルキルベタインやアルキルスルホベタイン、
(P)窒素原子上に炭素数4〜30の範囲のアルキル基
を有するN−アルキル−α−、β−並びにγ−アミノ酸
の塩、(Q)炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を少な
くとも1つ有するアンモニウム化合物などが挙げられ
る。上記および以下の「塩」とは、リチウム塩、ナトリ
ウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、
1〜4級アンモニウム塩、1〜4級ホスホニウム塩を示
し、塩として好ましいのはリチウム塩、ナトリウム塩、
カリウム塩、4級アンモニウム塩、より好ましくはナト
リウム塩ないしはカリウム塩である。
【0029】(K)炭素数4〜40の範囲の炭化水素基
を有するスルホン酸塩としては、炭素数4〜40、好ま
しくは8〜20の範囲の直鎖ないしは分岐や環状構造を
有する炭化水素基を有するモノ−、ジ−並びにポリ−ス
ルホン酸塩、スルホアルカンカルボン酸塩であり、具体
的には、炭素数4〜40、好ましくは8〜20の範囲の
アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸
の塩;炭素数4〜30、好ましくは8〜20の範囲の直
鎖ないしは分岐や環状構造を有するアルキルナフタレン
スルホン酸の塩;炭素数1〜30、好ましくは8〜20
の範囲の直鎖ないしは分岐構造を有するアルキル基を有
するジフェニルエーテルやビフェニルのモノスルホン酸
塩やジスルホン酸塩;炭素数1〜30、好ましくは8〜
20の範囲の直鎖ないしは分岐や環状構造を有するアル
カンスルホン酸の塩;炭素数1〜30、好ましくは8〜
20の範囲のアルキル硫酸エステルの塩;スルホアルカ
ンカルボン酸エステルの塩;などが挙げられる。
【0030】これらの具体例を挙げると、アルカンスル
ホン酸や芳香属スルホン酸、すなわち、オクタンスルホ
ン酸塩、ドデカンスルホン酸塩、ヘキサデカンスルホン
酸塩、オクタデカンスルホン酸塩、1−ないしは2−ド
デシルベンゼンスルホン酸塩、1−ないしは2−ヘキサ
デシルベンゼンスルホン酸塩、1−ないしは2−オクタ
デシルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩
の種々の異性体、ドデシルナフタレンスルホン酸塩の種
々の異性体、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物の塩、オクチルビフェニルスルホン酸塩の種々の異性
体、ドデシルビフェニルスルホン酸塩、ドデシルフェノ
キシベンゼンスルホン酸塩の種々の異性体、ドデシルジ
フェニルエーテルジスルホン酸塩、ドデシルリグニンス
ルホン酸塩、;アルキル硫酸エステル塩、すなわち、ド
デシル硫酸塩、ヘキサデシル硫酸塩、;スルホアルカン
カルボン酸の塩、すなわち、スルホコハク酸のジアルキ
ルエステルであり、アルキル基が炭素数1〜30、好ま
しくは4〜20の範囲の直鎖ないしは分岐や環状構造を
有するもの、より具体的には、スルホコハク酸ジ(2−
エチルヘキシル)の塩、N−メチル−N−(2−スルホ
エチル)アルキルアミドの塩(アルキル基は炭素数1〜
30、好ましくは12〜18)、例えば、N−メチルタ
ウリンとオレイン酸を由来とするアミド化合物、炭素数
1〜30、好ましくは10〜18のカルボン酸の2−ス
ルホエチルエステルの塩;ラウリル硫酸トリエタノール
アミン、ラウリル硫酸アンモニウム;ポリオキシエチレ
ンラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンセチル硫酸塩な
どが挙げられる。
【0031】(L)炭素数4〜40の範囲の直鎖ないし
は分岐や環状構造を有する炭化水素基を有するリン酸モ
ノ−またはジ−エステル塩ないしはリン酸トリエステ
ル、好ましくは炭素数8〜20の範囲の直鎖ないしは分
岐や環状構造を有する炭化水素基を有するリン酸モノ−
またはジ−エステル塩やリン酸トリエステルの具体例と
しては、リン酸ドデシルジナトリウム塩またはジカリウ
ム塩、リン酸ヘキサデシルジナトリウム塩またはジカリ
ウム塩、リン酸ジドデシルジナトリウム塩またはカリウ
ム塩、リン酸ジヘキサデシルナトリウム塩またはカリウ
ム塩、ドデシルアルコールの酸化エチレン付加物のリン
酸トリエステルなどが挙げられる。
【0032】(M)高級脂肪族アルコール、アルキルフ
ェノール、高級脂肪族アミン、ないしは高級脂肪酸アミ
ドの酸化エチレン付加物のうちで、分子量が約3000
以下のものの具体例としては、ラウリルアルコールの酸
化エチレン付加物、セチルアルコールの酸化エチレン付
加物、ステアリルアルコールの酸化エチレン付加物、オ
クチルフェノールの酸化エチレン付加物、ドデシルフェ
ノールの酸化エチレン付加物、ステアリン酸の酸化エチ
レン付加物、オレイン酸の酸化エチレン付加物、ラウリ
ン酸の酸化エチレン付加物、ラウリルアミンの酸化エチ
レン付加物、ステアリルアミンの酸化エチレン付加物、
ラウリン酸アミドの酸化エチレン付加物、ステアリン酸
アミドの酸化エチレン付加物、オレイン酸アミドの酸化
エチレン付加物、などが挙げられる。
【0033】(N)炭素数4〜30、好ましくは10〜
20の範囲の炭化水素基を有するアルキルベタインやア
ルキルスルホベタインの具体例としては、ラウリルジメ
チルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ドデシル
ジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムインナー
ソルト、セチルジメチル(3−スルホプロピル)アンモ
ニウムインナーソルト、ステアリルジメチル(3−スル
ホプロピル)アンモニウムインナーソルト、2−オクチ
ル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミ
ダゾリニウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシ
メチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ンなどが挙げられる。
【0034】(P)窒素原子上に炭素数4〜30、好ま
しくは10〜20の範囲のアルキル基を有するN−アル
キル−α−、β−ないしはγ−アミノ酸の塩の具体例と
しては、ラウリルアミノプロピオン酸、セチルアミノプ
ロピオン酸、ステアリルアミノプロピオン酸、ないしは
これらの塩、すなわち、ラウリルアミノプロピオン酸
塩、セチルアミノプロピオン酸塩、ステアリルアミノプ
ロピオン酸塩、等が挙げられる。
【0035】(Q)炭素数4〜40、好ましくは10〜
30の範囲の炭化水素基を少なくとも1つ有するアンモ
ニウム化合物の具体例としては、ラウリルトリメチルア
ンモニウム、セチルジメチルアンモニウム、セチルベン
ジルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアン
モニウム、ラウリルベンジルジメチルアンモニウム、ジ
ラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチル
アンモニウム、2−(ラウロイルアミノ)エチルトリメ
チルアンモニウム、2−(ステアロイルアミノ)エチル
トリメチルアンモニウム、2−(ラウロイルアミノ)エ
チルジメチルベンジルアンモニウム、2−(ステアロイ
ルアミノ)エチルジメチルベンジルアンモニウム、2−
(ラウロイルアミノ)エチルジエチルメチルアンモニウ
ム、2−(ステアロイルアミノ)エチルジエチルメチル
アンモニウム、2−(ラウロイルアミノ)エチルジエチ
ルベンジルアンモニウム、2−(ステアロイルアミノ)
エチルジエチルベンジルアンモニウム、3−(ラウロイ
ルアミノ)プロピルジメチル2−ヒドロキシエチルアン
モニウム、3−(ステアロイルアミノ)プロピルジメチ
ル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、
【0036】ラウリルジメチル(2−ヒドロキシエトキ
シ2−エチル)アンモニウム、ステアリルジメチル(2
−ヒドロキシエトキシ)−2−エチル)アンモニウム、
ラウリルジメチル(2−ヒドロキシエトキシ2−エチ
ル)アンモニウム、ステアリルジメチル(2−ヒドロキ
シエトキシ)−2−エチルアンモニウム、3−ラウリル
アミノプロピルジメチル(2−ヒドロキシエチル)アン
モニウム、3−ステアリルアミノ−プロピルジメチル
(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムなどのアンモニ
ウム、ラウリルアミンやココナットアミン由来のアンモ
ニウム、イミダゾリニウム型四級アンモニウム、ポリジ
メチルジアリルアンモニウム、ポリメチルジアリルアン
モニウム、ポリジアリルアンモニウム、ジメチルジアリ
ルアンモニウム−アクリルアミド共重合体、メチルジア
リルアンモニウム−アクリルアミド共重合体、ジアリル
アンモニウム−アクリルアミド共重合体、等のクロライ
ド、ブロマイド、ハイドロキサイド、メトサルフェート
エトサルフェート、ナイトレート、サルフェートないし
はアセテートなどが挙げられる。
【0037】これらのうちで、好ましくは、ドデカンス
ルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、スルホコハ
ク酸ジ(2−エチルヘキシル)のナトリウム塩またはカ
リウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩
またはカリウム塩、ラウリルジメチルベタイン、ドデシ
ルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムインナ
ーソルト、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、3−(ラウロイルアミノ)プロピルジメチル(2−
ヒドロキシエチル)アンモニウムクロライド、3−(ラ
ウロイルアミノ)プロピルジメチル(2−ヒドロキシエ
チル)アンモニウムメトサルフェート、ドデシルジメチ
ルベンジルアンモニウムクロライドである。
【0038】さらにこれらの親水化剤に、その効果を損
なわない範囲で親水化助剤(R)を併用することができ
る。親水化助剤(R)の量は、親水化剤との親水化助剤
との合計量を100重量%として、30重量%以下、好
ましくは20重量%以下である。親水化助剤(R)の具
体例として、炭素数4〜40の範囲の高級脂肪酸のアミ
ド化合物や高級アルコールを挙げることができ、その具
体例として、ステアリン酸アミド、エチレンビスステア
リン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、N−エ
チルステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘニン
酸アミド、ラウロイルモノエタノールアミド、ステアロ
イルモノエタノールアミド、ラウリルジエタノールアミ
ン、ステアリルジエタノールアミン、ラウリルアルコー
ル、ステアリルアルコールなどが挙げられる。
【0039】(構成成分の量比)本発明の多孔性樹脂フ
ィルムを構成する成分の好ましい量比範囲は、熱可塑性
樹脂と親水化剤の合計量30〜90重量%、無機または
有機微細粉末70〜10重量%である。熱可塑性樹脂と
親水化剤の合計量のより好ましい範囲は30〜65重量
%、さらに好ましくは35〜60重量%である。多孔性
樹脂フィルムの強度をより高くするという観点から30
重量以上であり、水系の溶媒やインクの吸収性をより高
くするためには90重量%以下である。
【0040】有機または無機微細粉末の量は、一例とし
て70〜10重量%であるが、無機微細粉末の場合に
は、好ましくは70〜35重量%、より好ましくは65
〜40重量%の範囲である。空孔を増やすためには微細
粉末の量が多い方がよいが、多孔性樹脂フィルムの表面
の強度を良いレベルとするという観点から70重量%以
下である。有機微細粉末の場合には比重が小さいものが
多く、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは1
5〜40重量%である。親水化剤の使用量は、本発明の
多孔性樹脂フィルムの用途によりことなるが、通常非親
水性熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜50
重量部、好ましくは0.1〜35重量部、より好ましく
は1〜30重量部の範囲である。水系溶媒や、水系イン
クの吸収性を高めるという観点から0.01重量部以上
が良い。50重量部超では親水化剤の効果が頭打ちとな
り、熱可塑性樹脂や無機ないしは有機微細粉末との混合
や溶融混練において、固着や、分散不良等のトラブルの
ない円滑な操作を行うためには親水化剤の量は50重量
部以下とするのが良い。
【0041】(任意成分)これらの微細粉末を熱可塑性
樹脂中に配合混練する際に、必要に応じて分散剤、酸化
防止剤、相溶化剤、難燃剤、紫外線安定剤、着色顔料等
を添加することができる。また、本発明の多孔性樹脂フ
ィルムを耐久資材として使用する場合には、酸化防止剤
や紫外線安定剤等を添加しておくのが好ましい。さら
に、有機微細粉末を使用する場合は、相溶化剤の種類や
添加量が有機微細粉末の粒子形態を決定することから重
要である。好ましい相溶化剤としてはエポキシ変性ポリ
オレフィン、マレイン酸変性ポリオレフィンが挙げられ
る。また、相溶化剤の添加量は有機微細粉末100重量
部に対して0.5〜10重量部にするのが好ましい。本
発明の多孔性樹脂フィルムは、上記の成分に加え、本発
明の効果を損なわない範囲で任意の付加成分として親水
性樹脂を含むこともできる。親水性樹脂は、水に対して
溶解または膨潤する特性を有し、常温以上の温度で塑性
を有するものであれば特に制限されない。
【0042】例えば、合成樹脂であるポリビニルアルコ
ールやその共重合体ないしは架橋体、ポリビニルピロリ
ドンやその共重合体等のポリビニル系樹脂;2−ヒドロ
キシエチル基2−ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシ
アルキル基を含むアクリル酸、メタクリル酸ないしはマ
レイン酸のエステルの重合体や共重合体ないしはそれら
の架橋体、ポリアクリルアミドやその共重合体、アクリ
ロニトリルの重合体や架橋重合体の加水分解物、アクリ
ル酸やメタクリル酸の重合体やその共重合体ないしはそ
れらの架橋体等のポリアクリル系樹脂やその塩(例えば
ナトリウム塩やカリウム塩、リチウム塩、1〜4級アン
モニウム塩等);ポリマレイン酸やマレイン酸共重合体
ないしはそれらの架橋体等の樹脂やその塩(例えばナト
リウム塩やカリウム塩、リチウム塩、1〜4級アンモニ
ウム塩等)、酢酸ビニルとメタクリル酸メチルの共重合
体の加水分解物;水溶性ナイロン;ウレタン系樹脂、す
なわち、水溶性ポリウレタン、高吸水性ポリウレタン、
熱可塑性ポリウレタン;ポリエチレンオキシドやその共
重合体、ポリプロピレンオキシドやその共重合体等のポ
リアルキレンオキシド系樹脂;ポリエーテルアミド、ポ
リエーテルエステルアミド、ポリエステルポリオール;
ポリビニルアミン、ポリアリルアミンやその共重合体等
を使用することができる。また、「高分子加工」198
4年9号第32〜38頁等の文献に記されているものよ
り選択することも可能である。
【0043】なかでも、常温以上の温度で塑性を有し、
フィルム成形が比較的容易なポリアルキレンオキシド系
樹脂を用いることが好ましい。ポリアルキレンオキシド
系樹脂としては、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール等の活性水素を2個以上有
する有機化合物に、炭素数2〜6の範囲のアルキレンオ
キシドを付加重合させて得られ、重量平均分子量が5,
000〜30,000の範囲にあるアルキレンオキシド
重合体と、炭素数4〜30の範囲にある多価カルボン
酸、ないしはこれらの低級ジメチルないしはジエチルエ
ステル等のとを反応させて得られるエステル基を有する
ポリアルキレンオキシド系樹脂や、ウレタン結合を有す
るポリアルキレンオキシド、炭酸エステル結合を有する
ポリアルキレンオキシド、アミド結合を含むポリアルキ
レンオキシド、尿素やチオ尿素結合を含むポリアルキレ
ンオキシド、等を挙げることができる。
【0044】本発明の多孔性樹脂フィルムの構成成分の
混合方法としては、公知の種々の方法が適用でき特に限
定されず、混合の温度や時間も使用する成分の性状に応
じて適宜選択される。溶剤に溶解ないしは分散させた状
態での混合や、溶融混練法が挙げられるが、溶融混練法
は生産効率が良い。粉体やペレットの状態の熱可塑性樹
脂や無機ないしは有機の微細粉末及び、親水化剤をヘン
シェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサー
等で混合した後、一軸や二軸の混練機にて溶融混練し、
ストランド状に押し出してカッティングし、ペレットと
する方法や、ストランドダイより水中に押し出してダイ
先端に取り付けられた回転刃をでカッティングする方法
が挙げられる。また、粉体、液状ないしは水や有機溶剤
に溶解した状態の親水化剤を一旦熱可塑性樹脂や無機な
いしは有機微細粉末と混合し、更に他の成分と混合する
方法などが挙げられる。使用される一軸や二軸の混練機
としては、種々のL/D(軸長/軸径)や、センダン速
度、比エネルギー、滞留時間、温度等のものが使用成分
の性状に合わせて選択可能である。
【0045】本発明の多孔性樹脂フィルムおよび記録媒
体は、当業者に公知の種々の方法を組み合わせることに
よって製造することができる。いかなる方法により製造
された多孔性樹脂フィルムや記録媒体であっても、本発
明の条件を満たす多孔性樹脂フィルムを利用するもので
ある限り本発明の範囲内に包含される。液体吸収容積
が、0.5ml/m2 以上である本発明の多孔性樹脂フ
ィルムの製造法としては、従来公知の種々のフィルム製
造技術やそれらの組合せが可能である。例えば、延伸に
よる空孔発生を利用した延伸フィルム法や、圧延時に空
孔を発生させる圧延法やカレンダー成形法、発泡剤を使
用する発泡法、空孔含有粒子を使用する方法、溶剤抽出
法、混合成分を溶解抽出する方法などが挙げられる。こ
れらのうちで、好ましくは、延伸フィルム法である。
【0046】延伸を行うときには、必ずしも本発明の多
孔性樹脂フィルムだけを延伸しなくてもよい。例えば、
本発明の多孔性樹脂フィルムを基材層の上に形成した記
録媒体を最終的に製造しようとしている場合には、無延
伸の多孔性樹脂フィルムと基材層とを積層したうえでま
とめて延伸しても構わない。あらかじめ積層してまとめ
て延伸すれば、別個に延伸して積層する場合に比べて簡
便でコストも安くなる。また、本発明の多孔性樹脂フィ
ルムと基材層に形成される空孔の制御もより容易にな
る。特に記録媒体として利用する場合には、本発明の多
孔性樹脂フィルムが基材層よりも多くの空孔が形成され
るように制御し、多孔性樹脂フィルムがインク吸収性を
改善しうる層として有効に機能させることが好ましい。
【0047】延伸には、従来公知の種々の方法を使用す
ることができる。延伸の温度は、非結晶樹脂の場合は使
用する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹
脂の場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結
晶部の融点以下の熱可塑性樹脂に好適な温度範囲内で行
うことができる。具体的には、ロール群の周速差を利用
した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧
延、チューブ状フィルムにマンドレルを使用したインフ
レーション延伸、テンターオーブンとリニアモーターの
組み合わせによる同時二軸延伸などにより延伸すること
ができる。
【0048】延伸倍率は特に限定されず、本発明の多孔
性樹脂フィルムの使用目的と用いる熱可塑性樹脂の特性
等を考慮して適宜決定する。例えば、熱可塑性樹脂とし
てプロピレン単独重合体ないしはその共重合体を使用す
るときには、一方向に延伸する場合は約1.2〜12
倍、好ましくは2〜10倍であり、二軸延伸の場合は面
積倍率で1.5〜60倍、好ましくは10〜50倍であ
る。その他の熱可塑性樹脂を使用するときには、一方向
に延伸する場合は1.2〜10倍、好ましくは2〜7倍
であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜20
倍、好ましくは4〜12倍である。さらに、必要に応じ
て高温での熱処理を施すことができる。延伸温度は使用
する熱可塑性樹脂の融点より2〜60℃低い温度であ
り、延伸速度は20〜350m/分であるのが好まし
い。本発明の多孔性樹脂フィルムの厚さは特に制限され
ない。例えば、5〜400μm、好ましくは30〜20
0μmに調製することができる。
【0049】本発明の多孔性樹脂フィルムは、そのまま
使用に供してもよいし、さらに別の熱可塑性フィルム、
ラミネート紙、パルプ紙、不織布、布等に積層して使用
してもよい。さらに、積層する別の熱可塑性フィルムと
しては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフ
ィルム、ポリオレフィンフィルム等の透明または不透明
なフィルムに積層することができる。特に、後述する実
施例に記載されるような適切な機能層を形成することに
よって記録媒体にすることできる。例えば、熱可塑性フ
ィルムからなる基材層の上に本発明の多孔性樹脂フィル
ムを表面層として形成することによって記録媒体を調製
することができる。本発明の多孔性樹脂フィルムを表面
層として有する記録媒体は、特にインクジェット記録用
の記録媒体として有用である。基材層の種類は特に制限
されるものではないが、例えば、ポリプロピレン系樹脂
と無機微細粉末を含有するフィルムを例示することがで
きる。このように、本発明の多孔性樹脂フィルムと他の
他のフィルムとを積層することによって形成される記録
媒体は、例えば全体の厚さを50μm〜1mm程度にす
ることができる。
【0050】上記多孔性樹脂フィルムやこれを使用する
積層体の表面には、必要に応じて表面酸化処理を施すこ
とができる。表面酸化処理により表面の親水性や吸収性
の向上、ないしは、インク定着剤やインク受理層の塗工
性の向上や基材との密着向上がはかれるケースがある。
表面酸化処理の具体例としては、コロナ放電処理、フレ
ーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理
より選ばれた処理方法で、好ましくはコロナ処理、フレ
ーム処理であり、より好ましくはコロナ処理である。
【0051】処理量はコロナ処理の場合、600〜1
2,000J/m2 (10〜200W・分/m2 )、好
ましくは1200〜9000J/m2 (20〜180W
・分/m2 )である。コロナ放電処理の効果を十分に得
るには、600J/m2 (10W・分/m2 )以上であ
り、12,000J/m2 (200W・分/m2 )超で
は処理の効果が頭打ちとなるので12,000J/m2
(200W・分/m2 )以下で十分である。フレーム処
理の場合、8,000〜200,000J/m2、好ま
しくは20,000〜100,000J/m2 が用いら
れる。フレーム処理の効果を明確に得るには、8,00
0J/m2 以上であり、200,000J/m2 超では
処理の効果が頭打ちとなるので200,000J/m2
以下で十分である。
【0052】本発明の多孔性樹脂フィルムを記録媒体と
して使用する場合に、その表面には染料および顔料色剤
を定着する色剤定着層やインク受理層を形成することが
できる。吸収性が低い樹脂フィルムに塗工する場合に比
べ、水系溶媒吸収性の良い本発明の多孔性樹脂フィルム
との組み合わせることにより、にじみの低減、吸収性の
向上や色剤定着層やインク受理層の厚さを低減すること
も可能である。色剤定着層はインクのドット形状を真円
化し、より鮮明な画像を得ると共に、水または湿気によ
る色剤流れを防止する機能を有する。従って、本発明の
多孔性樹脂フィルムをインクジェット記録媒体として使
用する場合に色剤定着層は特に有用である。
【0053】色剤定着層やインク受理層は塗工または貼
合により形成することができる。色剤定着性を向上させ
るためにはカチオン性を有する親水性樹脂および微細粉
末を用いるのが好ましい。例えばカチオン性共重合体と
して、ポリマーの主鎖または側鎖にアミノ基、もしくは
その変性物、第4級アンモニウム塩基等のカチオン基を
含有するものを用いることができる。インクジェット用
のインク受理層としては、インク速乾性を要求される分
野には、顔料、水系バインダーを主成分とした多孔性イ
ンク受理層を、また高光沢性を要求される場合には水系
バインダーを主成分とした膨潤性インク受理層を設ける
ことができる。顔料としては、合成シリカ、コロイダル
シリカ、アルミナヒドロゾル、水酸化アルミニウム、タ
ルク、炭酸カルシウム、クレイ、プラスチックピグメン
ト、硫酸バリウム、二酸化チタン等が挙げられる。中で
も多孔質の合成シリカ、アルミナヒドロゾルが好まし
い。
【0054】水系バインダーとしては、ポリウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリ
ル酸エステル系樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共
重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−ブ
タジエン共重合体等の水系エマルジョンや、ポリビニル
アルコール、シラノール基を含むエチレン・ビニルアル
コール共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルピ
ロリドン、メチルエチルセルロース、ポリアクリル酸ソ
ーダ、各種でんぷん、各種ゼラチン等の水溶性ポリマー
が挙げられる。中でも顔料が多孔質の合成シリカ、アル
ミナヒドロゾルである場合は、ポリビニルアルコール、
シラノール基を含むエチレン・ビニルアルコール共重合
体が好ましい。
【0055】本発明に使用するインク受理層にインク定
着性を要求する場合はインクセット剤が配合される。イ
ンクセット剤としては、ポリエチレンイミンの3級アン
モニウム塩、4級アンモニウム基を共重合成分として含
むアクリル共重合体、ポリアミンポリアミドのエピクロ
ルヒドリン付加物等のカチオン性ポリマーが挙げられ
る。更に、本発明に使用する色材定着層やインク受理層
には添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、蛍光
増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、耐水化剤
等を適宜配合することもできる。
【0056】多孔性インク受理層の場合は、顔料/水系
バインダー/インクセット剤の割合が50〜90重量%
/10〜40重量%/0〜20重量%の割合が好まし
い。膨潤型インク受理層の場合は、水系バインダー/イ
ンクセット剤の割合が60〜100重量%/0〜40重
量%の割合が好ましい。インク受理層の塗工方法として
は、ブレード方式、ロッド方式、ワイヤーバー方式、ス
ライドホッパー方式、カーテン方式、エアーナイフ方
式、ロール方式、サイズプレス方式等の一般的な塗工方
法が用いられる。インク受理層の乾燥塗工量は、要求さ
れるインク吸収性、光沢、支持体の吸収性等によっても
異なるが、通常0.05〜100g/m2 、好ましく
は、0.1〜50g/m2 であることが好ましい。本発
明において、インク受理層は単層または2層以上の多層
のどちらでも構わない。多層の場合は各層を異なる組成
にすることも同一の組成にすることもできる。多層を形
成する場合は、2層以上を一度に塗工しても1層づつ塗
工しても良い。
【0057】本発明の多孔性樹脂フィルムには、使用目
的に応じてインクジェット印刷以外の印刷を行うことも
できる。印刷の種類や方法は特に制限されない。例え
ば、公知のビヒクルに顔料を分散したインクを用いたグ
ラビヤ印刷、水性フレキソ、シルクスクリーン等の公知
の印刷手段を用いて印刷することができる。また、金属
蒸着や、グロス印刷、マット印刷等により印刷すること
もできる。印刷する絵柄は、動物、景色、格子、水玉等
の天然物柄や抽象柄等から適宜選択することができる。
【0058】また、印刷用途以外にも、水系の液体を吸
収することを必要とする用途にも使用できる。例えば、
水性の粘着剤を用いた粘着ラベル、瓶缶類等の容器のラ
ベル用紙、吸水性フィルム、壁紙、ベニヤ板や石膏ボー
ドの表面化粧紙、水滴発生防止フィルム、食品用ドリッ
プ防止包装紙、コースター、工作用紙、折り紙、保水シ
ート、土壌乾燥防止シート、コンクリート乾燥補助資
材、乾燥剤、除湿剤等として利用することも可能であ
る。
【0059】
【実施例】以下に実施例、比較例および試験例を挙げて
本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す
材料、使用量、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱
しない限り適宜変更することができる。したがって、本
発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではな
い。以下の手順に従って本発明の多孔性樹脂フィルム
と、これを使用する記録媒体および比較用の樹脂フィル
ムを使用する記録媒体を製造した。
【0060】(実施例1)メルトフローレート(MF
R、温度230℃、荷重2.16kg)が1g/10分
のプロピレン単独重合体(略号:PP1)45重量%
(100重量部)、炭酸カルシウム粉末(平均粒子径2
μm、略号:炭酸カル1)50重量%、親水化剤(ドデ
カンスルホン酸ナトリウム95%とエチレンビスステア
リン酸アミドの5%の混合物、デュヌイ法による0.0
1%水溶液の表面張力45mN/m、略号:HP1)5
重量%(プロピレン単独重合体100重量部に対して1
1重量部)を粉体状態で混合し、230℃に設定した二
軸混練機機にて溶融混練し、ストランド状に押し出して
カッティングし、ペレットとした。溶融混練に際し、プ
ロピレン単独重合体、炭酸カルシウム粉末、および親水
化剤の合計重量の100重量部に対して、酸化防止剤と
して4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール
0.1重量部、イルガノックス1010(チバガイギー
社製、商品名)0.05重量部を添加した。
【0061】尚、本明細書の実施例に使用した炭酸カル
シウム粉末の粒子径は、レーザー回折式粒子計測装置
「マイクロトラック」((株)日機装製、商品名)によ
り測定した累積50%粒径である。上記ペレットを23
0℃に設定したプレス成形機で溶融、50kgf/cm
2で圧縮、30℃に冷却し、縦120mm、横120m
m、厚さ約1mmのシートを得た。このシートの密度は
1.4g/cm3 であった。このシートを小型の二軸延
伸機(岩本製作所製)で160℃(温度a1)に加熱し
た後、一方向に6倍延伸し、冷風により90℃(温度b
1)まで冷却して厚さ330μm、坪量182g/
2 、密度(ρ)0.55g/cm3 の多孔性樹脂フィ
ルムを得た。
【0062】このものにつき、以下の要領で、評価を行
った。 <評価> (1)液体吸収容積 上記の多孔性樹脂フィルムの2秒における液体吸収容積
は、19ml/m2 であった。液体吸収容積は、「Ja
pan TAPPI No.51−87」(紙パルプ技
術協会、紙パルプ試験方法No.51−87、ブリスト
ー法)に準拠し、熊谷理機工業(株)製、液体吸収性試
験機を使用して液体吸収容積を測定した。測定溶媒は水
70重量%とエチレングリコール30重量%を混合し、
この混合溶媒100重量部に着色用染料として、マラカ
イトグリーン2重量部を溶解したものである。 (2)多孔性樹脂フィルムの水に対する平均接触角、そ
の最大値と最小値の差上記多孔性樹脂フィルムの表面の
接触角は、純水をフィルム表面に滴下して1分後に接触
角計(協和界面化学(株)製:型式CA−D)を用いて
測定した。この測定を10回行い(1回の測定毎に純水
で表面が濡れていない未測定のフィルムに交換)、10
回測定した接触角の平均値と、最大値と最小値との差を
求めた。
【0063】(3)表面空孔の存在確認と表面空孔数及
び表面空孔寸法の測定 上記の多孔性樹脂フィルムの一部を切り取り、表面及び
断面に空孔が存在することを確認した。多孔性樹脂フィ
ルム試料より任意の一部を切り取り、観察試料台に貼り
付けて、観察面に金ないしは金−パラジウムを蒸着し、
(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡S−2400を
使用し、500倍に拡大して表面の空孔の存在を確認し
た。また、電子顕微鏡像を感熱紙に出力ないしは写真撮
影し、表面の空孔数を計測した結果、約7×109 個/
2 であった。次いで、表面空孔の大きさを測定し、2
0個の空孔の測定値を平均した結果、長径が 15.4
μm、短径が3.2μmであり、平均直径が9.3μm
であった。なお、各2つの空孔が微細粉末の左右ないし
は上下に連結している場合、微細粉末を中心に空孔が生
じているものとして、2つの空孔は連結した一つの空孔
として計測した。
【0064】(4)内部空孔の存在確認と内部空孔率の
測定 上記の多孔性樹脂フィルムをエポキシ樹脂で包埋して固
化させた後、ミクロトームを用いてフィルムの厚さ方向
に対して平行かつ面方向に垂直な切断面を作製し、この
切断面を金−パラジウムにてメタライジングした後、
(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡S−2400を
使用し、2000倍に拡大して観察し、内部空孔の存在
を確認した。観測した領域の空孔をトレーシングフィル
ムにトレースし塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ
(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理を行い、
空孔の面積率を求めて空孔率とした。
【0065】(5)インク吸収性 評価用カラーチャート(2cm×2cmの単色50%印
刷および単色100%印刷、2cm×2cmの重色20
0%印刷)を作製し、顔料インク(イエロー、マゼン
タ、シアン、ブラック)を用いてインクジェットプリン
ター(グラフテック(株):型式JP2115)により
各記録媒体の表面層である多孔性樹脂フィルムに印刷し
た。その後、一定時間毎に濾紙を印刷部分に圧着し、イ
ンクが濾紙へ逆戻りするか否かを観測した。インクが濾
紙へ逆戻りしなくなった時間を記録して、以下の基準に
よりインク吸収性を評価した。 6:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、印刷直
後。 5:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、1分以
内。 4:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、1分超、
2分以内。 3:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、2分超、
3分以内。 2:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、3分超、
4分以内。 1:インクが濾紙へ逆戻りしなくなる時間が、4分超、
5分以内。 0:5分超でもインクが濾紙へ逆戻りして乾燥せず。
【0066】(濃度ムラの評価)インクを吸収した後の
濃度ムラについて目視観察し、以下の基準で評価した。 4:濃度ムラが全くない。 3:濃度ムラが少ない。 2:濃度ムラがある。 1:濃度ムラがあり、目立つ。 (にじみの評価)インクを吸収した後のにじみについて
目視観察し、以下の基準で評価した。 4:にじみがなく、画像が鮮明である。 3:にじみが少なく、画像の識別に支障がほとんどな
い。 2:にじみがあり、画像の識別に支障がある。 1:にじみが顕著で、使用に耐えない。
【0067】(印刷後の紙面のボコつきの評価)印刷終
了後、室内に1時間放置し、紙面のボコつき(凹凸)が
生じているか否かを目視観察し、以下の基準で評価し
た。 3:ボコつきがなく、紙面が平らで印刷前と殆ど変化が
ない。 2:ボコつきが少ない。 1:ボコつきが目立つ。 上記各試験および評価結果を表1にまとめて示す。
【0068】(比較例1)親水化剤を使用せず、配合成
分を表1記載の通りとしたほかは実施例1と同様の操作
により、樹脂フィルムを作製した。実施例1と同様の評
価を行った。以上の結果を、表1に示す。 (実施例2)小型の二軸延伸装置での延伸を、温度16
2℃、縦横の両方向にそれそれ6倍づつ同時に延伸し、
たほかは実施例1と同様の操作により二軸延伸フィルム
を作製した。実施例1と同様の評価を行った。以上の結
果を、表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】(実施例3) <基材層の調製と縦延伸>メルトフローレート(MF
R:230℃、2.16kg荷重)が1g/10分のプ
ロピレン単独重合体75重量%とメルトフローレート
(MFR:190℃、2.16kg荷重)が8g/10
分の高密度ポリエチレン5重量%との混合物に、平均粒
子径3μmの炭酸カルシウム20重量%を配合した組成
物[イ]を、250℃の温度に設定した押出機にて混練
し、ストランド状に押し出し、カッティングしてペレッ
トとした。この組成物[イ]を、250℃に設定した押
し出し機に接続したTダイよりシート状に押出し、これ
を冷却装置により冷却して無延伸シートを得た。次い
で、この無延伸シートを140℃に加熱した後、縦方向
に4.5倍延伸して、延伸シートを得た。尚、実施例中
の樹脂成分ないしはこれと微細粉末との混合物の溶融混
練においては、樹脂成分と微細粉末の合計重量を100
重量部として、これに加えて、酸化防止剤として、BH
T(4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール)
0.2重量部と、イルガノックス1010(フェノール
系酸化防止剤、チバガイギー社製、商品名)0.1重量
部を添加した。
【0071】<表面の多孔性樹脂フィルムの形成>これ
とは別に、MFRが5g/10分のプロピレン単独重合
体46重量%(略号PP2)、平均粒子径3μm、BE
T法による比表面積が1.8m2 /g、JIS−K51
01−1991により測定される吸油量が31ml/1
00gの炭酸カルシウム(略号:炭カル2)50重量%
と親水化剤として上記HP1を4重量%、を粉体状態で
充分混合し、240℃に設定した二軸混練機機にてスト
ランド状に押し出しカッティングしてペレットとした
(組成物[ロ])。この組成物を、230℃(温度a)
に設定した押し出し機を接続したTダイよりシート状に
押出した。得られたシートを上述の操作により調製した
4.5倍延伸シートの両面に積層し、50℃(温度b)
にまで冷却した後、154℃(温度c)に加熱してテン
ターで横方向に8倍延伸した。その後、155℃(温度
d)でアニーリング処理し、55℃(温度e)にまで冷
却し、耳部をスリットして3層(表側の吸収層[ロ]/
基材層[イ]/裏側の吸収層[ロ]:肉厚69μm/4
0μm/27μm)構造の全厚136μmの多孔性樹脂
フィルムを有する積層体を得た。以下、実施例の積層体
の評価を、表側の吸収層について行った。以上の結果
を、表2に示す。
【0072】(比較例2)熱可塑性樹脂(PP2)60
重量%とし、微細粉末として炭カル1を60重量%と
し、親水性樹脂を加えないほかは、実施例1と同様の操
作により、フィルムを作成し、評価を行った。結果を表
2に示した。 (実施例4〜6)表面の多孔性樹脂フィルムの形成にお
いて、プロピレン単独重合体、炭酸カルシウム及び親水
化剤の組成比を表2記載のものとし、温度a〜温度eを
表2記載の温度としたほかは実施例3と同様の操作によ
り多孔性樹脂フィルムを有する積層体を得た。これらの
ものを、実施例1と同様の操作により評価した。結果を
表2に示した。
【0073】(実施例7、8)表面の多孔性樹脂フィル
ムの形成において、プロピレン単独重合体、微細粉末及
び親水化剤の組成比を表2記載のものとし、温度a〜温
度eを表2記載の温度としたほかは実施例3と同様の操
作により多孔性樹脂フィルムを得た。これらのものを、
実施例1と同様の操作により評価した。使用した微細粉
末は、実施例3に使用した「炭カル2」に加え、(株)
白石中央研究所製の炭酸カルシウム、商品名カルライト
−KT、平均粒子径約2μm、BET比表面積38m2
/g、JIS−K5101−1991により測定される
吸油量が140ml/100g(略号:炭カル3)、及
び、富士シリシア化学(株)製のシリカ、商品名サイリ
シア730、平均粒子径約3μm、BET比表面積70
0m2 /g、JIS−K5101−1991により測定
される吸油量が95ml/100g(略号:シリカ1)
である。以上の結果を、表2に示した。
【0074】
【表2】
【0075】(実施例9〜14)表面の多孔性樹脂フィ
ルムの形成において、プロピレン単独重合体、炭酸カル
シウムおよび親水化剤の種類と組成比を表3記載のもの
とし、温度a〜温度eを表2記載の温度としたほかは実
施例3と同様の操作により樹脂フィルムを得た。これら
のものを、実施例1と同様の操作により評価した。評価
結果を表3に示した。実施例9に使用した親水化剤は、
ドデカンスルホン酸ナトリウム(和光純薬(株)製、試
薬グレード)であり、0.01%水溶液の表面張力は5
2mN/m(略号:HP2)である。実施例10に使用
した親水化剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム(和光純薬(株)製、試薬グレード)であり、0.0
1%水溶液の表面張力は43mN/m(略号:HP3)
である。
【0076】実施例11に使用した親水化剤は、アルキ
ルナフタレンスルホン酸ナトリウムを主成分とするペレ
ックスNBペースト(花王(株)製、商品名)であり、
0.01%水溶液の表面張力は59mN/m(略号:H
P4)である。実施例12に使用した親水化剤は、ジ−
2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム(Ald
rich製、試薬グレード)であり、0.01%水溶液
の表面張力は43.5mN/m(略号:HP5)であ
る。実施例13に使用した親水化剤は、ドデシルジメチ
ル(3−スルホプロピル)アンモニウムインナーソルト
(Aldrich製、試薬グレード)であり、0.01
%水溶液の表面張力は54.3mN/m(略号:HP
6)である。実施例14に使用した親水化剤は、コータ
ミン24P(主成分はラウリルトリメチルアンモニウム
クロライド、花王(株)製、商品名)であり、0.01
%水溶液の表面張力は53.8mN/m、(略号:HP
7)である。
【0077】(実施例15)プロピレン単独重合体、炭
カル2、および親水化剤の量比を表3記載の通りとした
ほかは実施例3と同様の操作を行い、多孔性樹脂フィル
ムを表面層に有する積層体を得た。このものの表面に3
600J/m2 (60ワット・分/m2 )の処理密度で
コロナ処理を施した。実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表3に示した。
【0078】
【表3】
【0079】(実施例16)実施例3にて作製した多孔
性樹脂フィルムに3600J/m2 (60ワット・分/
2 )の処理密度でコロナ処理を施した。このものを支
持体(片面指定)として次の組成のインク受理層用塗工
液を固形分含量が5g/m2 になるように塗布し、乾燥
した後、スーパーカレンダーで平滑処理を行ってインク
ジェット記録用紙を得た。 塗工液組成: 合成シリカ粉末(水澤化工(株)製ミズカシルP−78D) 100重量部 ポリビニルアルコール(クラレ(株)PVA−117) 30重量部 ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン付加物 (日本PMC(株) WS−570) 10重量部 ポリアクリル酸ソーダ(和光純薬工業(株)試薬) 5重量部 水 1600重量部 実施例1と同様の操作により評価を行った。評価結果を
表4に示す。
【0080】(実施例17)実施例3の多孔性樹脂フィ
ルムに実施例15と同様のコロナ処理を施したものを支
持体(片面指定)とし、次の組成のインク受理層用塗工
液を固形分含量が5g/m2 になるように塗布し、乾燥
しインクジェット記録用紙を得た。 塗工液組成: アルミナゾル(日産化学工業(株)製アルミナゾルー100、固形分10%) 100重量部 ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA−117) 10重量部 水 100重量部 実施例1と同様の操作により評価を行った。評価結果を
表4に示す。
【0081】(実施例18)実施例1の多孔性樹脂フィ
ルムに実施例15と同様のコロナ処理を施したものを支
持体として、その上に(片面指定)次の組成のインク受
理層用塗工液を固形分含量が5g/m2 になるように塗
布し、乾燥しインクジェット記録用紙を得た。 塗工液組成: ウレタン系バインダー (大日本インキ化学工業(株)SFコート剤8310 固形分13%) 100重量部 ポリアミジン系ポリマー (ハイモ(株)ハイマックスSC700L 固形分30%) 2重量部 実施例1と同様の操作により評価を行った。評価結果を
表4に示す。
【0082】(比較例3)市販のパルプ紙ベースのイン
クジェット専用紙(エプソンスーパーファイン専用紙M
JA4SP1)を使用し、実施例1と同様の評価を行っ
た。結果を表4に示す。
【0083】
【表4】
【0084】表1と表2、3から明らかなように、本発
明の多孔性樹脂フィルム(実施例1〜15)は、インク
吐出量が多い場合でも、濃度ムラが少なく、インク吸収
性が非常に良好である。これに対して、液体吸収量が本
発明の範囲を外れるフィルム(比較例1と2)は、いず
れもインク吸収性が劣っている。また、実施例16〜1
8から明らかなように、インク受理層を設けた場合に
は、インク吸収が良好であり、さらににじみも良好で本
発明の効果が明らかである。さらには、各実施例と比較
例3との対比より、本発明の多孔性樹脂フィルムは印刷
後の紙面のボコつきが無く、本発明の効果が明らかであ
る。
【0085】
【発明の効果】本発明の多孔性樹脂フィルムは、水系溶
媒やインク吸収性が極めて良好である。また、該多孔性
樹脂フィルムを用いた本発明の記録媒体は、インク吐出
量が多い場合でも、濃度ムラのない精細な画像を形成す
ることができる。したがって、本発明の多孔性樹脂フィ
ルムおよび記録媒体は、水性インクを用いる記録用途と
りわけインクジェット記録媒体をはじめとする広範囲な
印刷用途や、水系溶媒を用いる用途に好適に提供するこ
とができる。
フロントページの続き (72)発明者 飯田 誠一郎 茨城県鹿島郡神栖町東和田23番地 王子油 化合成紙株式会社鹿島工場内 Fターム(参考) 2C056 EA06 FB02 FC06 2H086 BA15 BA19 BA31 BA32 BA36 BA41 BA45 BA48 BA53 4F074 AA18 AA19 AA20 AA24 AA32 AA48 AA63 AA66 AA70 AA71 AA74 AA76 AA87 AA98 AC17 AC19 AC21 AC26 AC30 AC32 AD09 AD13 AD14 AD15 AD16 AD19 AG17 CA02 CA03 CA04 CA06 CA07 CC02Y CC03Y CC04Y CC22X CD11 CE02 CE16 CE43 CE44 CE47 CE48 CE54 CE55 CE56 CE64 CE75 CE86 DA02 DA03 DA12 DA20 DA24 DA52 DA54

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂、無機または有機微細粉
    末、及び親水化剤よりなり、「Japan TAPPI
    No.51−87」により測定される液体吸収容積が
    0.5ml/m2 以上の範囲にあることを特徴とする多
    孔性樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 水に対する平均接触角が110°以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載の多孔性樹脂フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 表面及び内部に空孔を有することを特徴
    とする請求項1または2に記載の多孔性樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 空孔率が10%以上である請求項1〜3
    のいずれかに記載の多孔性樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 表面に空孔が1×106 個/m2 以上あ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多
    孔性樹脂フィルム。
  6. 【請求項6】 表面の空孔の平均直径が0.01〜50
    μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の多孔性樹脂フィルム。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂で
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    多孔性樹脂フィルム。
  8. 【請求項8】 無機または有機微細粉末の平均粒子径が
    0.01〜20μmの範囲にあることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載の多孔性樹脂フィルム。
  9. 【請求項9】 無機または有機微細粉末の比表面積が
    0.5m2 /g以上の範囲にあることを特徴とする請求
    項1〜8のいずれかに記載の多孔性樹脂フィルム。
  10. 【請求項10】 親水化剤が、その0.01%水溶液の
    表面張力が25mN/m以上の範囲のものから選ばれる
    ものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに
    記載の多孔性樹脂フィルム。
  11. 【請求項11】 親水化剤が、炭素数4〜40の範囲の
    炭化水素基を有するスルホン酸のナトリウム塩またはカ
    リウム塩、炭素数4〜30の範囲の炭化水素基を有する
    アルキルベタインやアルキルスルホベタイン、炭素数4
    〜40の範囲の炭化水素基を少なくとも1つ有するアン
    モニウム化合物であることを特徴とする請求項1〜10
    のいずれかに記載の多孔性樹脂フィルム。
  12. 【請求項12】 熱可塑性樹脂と親水化剤の合計量30
    〜90重量%と、無機または有機微細粉末70〜10重
    量%を含有し、熱可塑性樹脂100重量部に対する親水
    化剤の量が0.01〜50重量部の範囲にあることを特
    徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の多孔性樹脂
    フィルム。
  13. 【請求項13】 延伸されていることを特徴とする請求
    項1〜12のいずれかに記載の多孔性樹脂フィルム。
  14. 【請求項14】 表面に酸化処理を施したものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の多孔
    性樹脂フィルム。
  15. 【請求項15】 基材層(A)の少なくとも片方の面に
    請求項1〜14のいずれかに記載に多孔性樹脂フィルム
    (i)を有することを特徴とする積層体。
  16. 【請求項16】 請求項1〜14のいずれかに記載の多
    孔性樹脂フィルム、または請求項15に記載の積層体を
    使用した記録媒体。
  17. 【請求項17】 請求項1〜14のいずれかに記載の多
    孔性樹脂フィルム、または請求項15に記載の積層体を
    使用したインクジェット記録媒体。
  18. 【請求項18】 請求項1〜15のいずれかに記載の多
    孔性樹脂フィルムの少なくとも片方の面、または請求項
    15に記載の積層体の多孔性樹脂フィルムの基材層と接
    していない面の少なくとも一方に色剤定着層を有するこ
    とを特徴とするインクジェット記録媒体。
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