JP2001151742A - アニリド誘導体及びそれを含有する抗不整脈剤 - Google Patents

アニリド誘導体及びそれを含有する抗不整脈剤

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JP2001151742A
JP2001151742A JP33524499A JP33524499A JP2001151742A JP 2001151742 A JP2001151742 A JP 2001151742A JP 33524499 A JP33524499 A JP 33524499A JP 33524499 A JP33524499 A JP 33524499A JP 2001151742 A JP2001151742 A JP 2001151742A
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dimethoxy
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Hiroyuki Yamashita
博之 山下
Kazuhiko Togashi
和彦 富樫
Akiyoshi Kai
章義 甲斐
Junichi Mori
淳一 毛利
Haruki Mori
春樹 森
Koichi Kawai
浩一 河合
Akihiro Koyabe
明広 小谷部
Takashi Sato
貴史 佐藤
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】心機能に影響を与えない新しい抗不整脈剤の提
供。 【解決手段】以下の一般式で表される新規アニリド誘導
体を含有する抗不整脈剤。 【効果】心機能の低下した患者にも適応可能で、安全性
に優れた抗不整脈剤が提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規アニリド誘導
体及びそれを含有する抗不整脈剤に関する。
【0002】
【従来の技術】不整脈の停止および予防を目的とする抗
不整脈剤は既に数多く上市されている。しかし、心室性
不整脈の抑制が患者死亡率の低下に繋がることを実証す
べく実施された、フレカイニドおよびエンカイニドによ
るCAST(Cardiac Arrhythmia Suppression Tria
l)、d-ソタロールによるSWORD(Survival With O
rald-Sotalol Trial)等の大規模臨床試験では、プラセ
ボ群に比較し、かえって生命予後を悪化させるとの結果
に至った。こうした生命予後悪化の原因として、抗不整
脈剤心機能抑制作用や薬剤の作用による新たな不整脈発
生、いわゆる催不整脈作用が考えられている。また、既
存の抗不整脈剤は副作用による用量制限から有効率は十
分ではなく、満足されるものではなかった。(Medicine
and Drug Journal,Vol.30,No.9,24-81(1994))そこ
で、安全性と有効性を兼ね備えた新しい抗不整脈剤の開
発が待ち望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、心機能抑制や催不整脈作用といった従来の
抗不整脈剤の持つ副作用発現の危惧がなく、安全性と有
効性に優れた新しい抗不整脈剤の提供である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有する新
規アニリド誘導体が以下(1)〜(3)の薬理学的特徴
を持つ優れた抗不整脈剤と成り得ることを見出し本発明
を完成した。 (1)心筋細胞の活動電位、心血行動態、心電図に対し
てほとんど影響を与えないことから、心機能抑制作用や
催不整脈作用の危惧がなく安全性が高い。 (2)不整脈モデル動物において既存抗不整脈剤と同等
以上の有効性を示す。 (3)中枢作用、急性毒性、肝細胞毒性、溶血作用等の
心外副作用が低く安全性が高い。
【0005】すなわち、本発明は、一般式(1)[化
2]
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1は炭素数1〜3のアルコキシ
基または炭素数1〜3のアルカンスルホンアミド基を1
個または2個有するフェニル基、あるいは−(CH2m
OR4(mは2または3、R4は炭素数1〜3のアルキル
基を表わす)を表わし、Wは結合、−(CH2p−、−
O(CH2q−、−NH(CH2r−、−CONH(C
2s−、−NHCO(CH2t−または−CO2(C
2u−(pは1〜3の整数、qは3、r、sおよびu
は2または3、tは1または2を表わす)を表し、R2
およびR3は独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基または−(CH
2mOR4(mは2または3、R4は炭素数1〜3のアル
キル基を表わす)を表すか、またはR2とR3は結合して
−(CH22Y(CH22−(Yは結合、酸素原子、ま
たはメチレン基を表わす))で表されるアニリド誘導体
またはその薬理学的に許容される酸付加塩であり、さら
には、それを含有する抗不整脈剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】炭素数1〜3のアルコキシ基とは、具体的
にメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポ
キシであり、炭素数1〜3のアルカンスルホンアミド基
とは、具体的にメタンスルホンアミド基、エタンスルホ
ンアミド基、プロパンスルホンアミド基、イソプロパン
スルホンアミド基である。
【0010】−(CH2mOR4(mは2または3、R4
は炭素数1〜3のアルキル基を表わす)で表わされるア
ルコキシアルキル基は、具体的にメトキシエチル基、エ
トキシエチル基、プロポキシエチル基、イソプロポキシ
エチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、
プロポキシプロピル基、イソプロポキシプロピル基であ
る。
【0011】R2、R3で表される炭素数1〜4のアルキ
ル基とは直鎖状および分岐状アルキル基を含み、具体的
にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基である。炭素数3〜6のシクロアルキル基とはシク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基である。
【0012】R2とR3が結合して−(CH22Y(CH
22−(Yは結合、酸素原子、またはメチレン基を表わ
す)で表される−NR23基は具体的に1−ピロリジニ
ル基、モルホリノ基、およびピペリジノ基である。
【0013】一般式(1)で表される本発明化合物の構
造的特徴は、アニリド骨格を持ち、その4′位に−W−
NR23で表されるアミン側鎖を持つことであり、抗不
整脈剤としての有効性に加え、心機能抑制作用や催不整
脈作用の抑制に必須の構造要件である。アミン側鎖が
2′位または3′位に結合した化合物は好ましくない。
【0014】また、抗不整脈作用の活性と持続性に優れ
る点で、Wは−(CH2p−、−O(CH2q−、−N
H(CH2r−(pおよびrは2または3の整数、qは
3)であるのがより好ましい。
【0015】R2およびR3は、その炭素数が少ないと抗
不整脈活性が低下する傾向にあり、炭素数が多すぎると
中枢神経性の副作用が発現し易い傾向にあるため、R2
とR3の合計炭素数は2〜6とするのが好ましい。ま
た、血中半減期がより長い点においてR2、R3のいずれ
か一方が水素原子であり第2級アミン構造をとるのがよ
り好ましい。
【0016】中枢神経性副作用を抑制する点において、
1の特に好ましい具体例としては、2,6−ジメトキ
シフェニル基、2−(メタンスルホンアミド)フェニル
基、および2−メトキシエチル基を挙げることができ
る。
【0017】一般式(1)で表されるアニリド誘導体の
うち、特に好ましい化合物として以下の具体例を挙げる
ことができる。
【0018】2,6−ジメトキシ−4′−(2−ピペリ
ジノエチル)ベンズアニリド、2,6−ジメトキシ−
4′−[2−(イソプロピルアミノ)エチル]ベンズアニ
リド、2−メタンスルホニルアミド−4′−(2−ピペ
リジノエチル)ベンズアニリド、 2,6−ジメトキシ−
4′−[3−(イソプロピルアミノ)プロピル]ベンズア
ニリド、2,6−ジメトキシ−4′−[3−(イソプロ
ピルアミノ)プロポキシ]ベンズアニリド、4′−[3
−(エチルアミノ)プロポキシ]−3−メトキシプロパ
ンアニリド、2,6−ジメトキシ−4′−[[2−(1−
ピロリジニル)エチル]アミノ]ベンズアニリド。
【0019】薬理学的に許容される酸付加塩としては、
塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸付加塩、
さらには酢酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、マレイン酸
塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタ
ンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファ
ースルホン酸塩等の有機酸付加塩が挙げられる。また、
これらの水和物や薬理学的に許容される溶媒和物も本発
明の範囲内である。
【0020】本発明の一般式(1)で表されるアニリド
誘導体は以下に示した一般的有機合成手法に準じ製造す
ることができる。
【0021】一般式(1)で表されるアニリド誘導体は
一般式(2)[化3]
【0022】
【化3】
【0023】(式中、R1は一般式(1)と同じ。)で
表されるカルボン酸誘導体と一般式(3)[化4]
【0024】
【化4】
【0025】(式中、W、R2およびR3は一般式(1)
と同じ。)で表されるアニリン誘導体を反応してアミド
結合することにより製造され、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド、カルボニルジイミダゾール、ジフェニルリン
酸アジド、シアノリン酸ジエチルなどの縮合剤を用いて
もよい。また、カルボン酸誘導体(2)は、その酸クロ
リド、酸無水物あるいは活性エステルへと変換した後に
アニリン誘導体(3)と反応させてもよい。
【0026】一般式(3)においてWが結合であるアニ
リン誘導体は一般式(4)[化5]
【0027】
【化5】
【0028】(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素
原子またはヨウ素原子を表す。)で表される化合物を一
般式(5)[化6]
【0029】
【化6】
【0030】(式中、R2およびR3は一般式(1)と同
じ。)で表されるアミンと反応した後、パラジウムなど
の水素化触媒存在下の水素添加反応、水素化リチウムア
ルミニウムなどの金属水素化物による還元反応、あるい
は鉄、スズ、亜鉛などの金属と酸の組み合わせによる還
元反応などによりニトロ基を還元することにより製造さ
れる。
【0031】一般式(3)においてWが−(CH2p
であるアニリン誘導体は一般式(6)[化7]
【0032】
【化7】
【0033】(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、アルキルスルホニルオキシ基または
アリールスルホニルオキシ基を表し、pは一般式(1)
と同じ。)で表される化合物を一般式(5)で表される
アミンと反応した後、ニトロ基を還元することにより製
造される。
【0034】一般式(3)においてWが−O(CH2q
−であるアニリン誘導体は一般式(7)[化8]
【0035】
【化8】
【0036】(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、アルキルスルホニルオキシ基または
アリールスルホニルオキシ基を表し、qは一般式(1)
と同じ。)で表される化合物を一般式(5)で表される
アミンと反応したのち、ニトロ基を還元することにより
製造するか、またはp−ニトロフェノールを一般式
(8)[化9]
【0037】
【化9】
【0038】(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、アルキルスルホニルオキシ基または
アリールスルホニルオキシ基を表し、R2、R3およびq
は一般式(1)と同じ。)で表される化合物と反応後、
ニトロ基を還元することにより製造するか、またはp−
ニトロフェノールと一般式(9)[化10]
【0039】
【化10】
【0040】(式中、R2、R3およびqは一般式(1)
と同じ。)で表される化合物をアゾジカルボン酸エステ
ルとトリフェニルフォスフィンによる縮合後、ニトロ基
を還元することにより製造するか、または一般式(4)
で表される化合物と一般式(9)で表される化合物を炭
酸カリウムなどの塩基の存在下に反応後、ニトロ基を還
元することにより製造される。
【0041】一般式(3)においてWが−NH(C
2r−であるアニリン誘導体は一般式(4)で表され
る化合物と一般式(10)[化11]
【0042】
【化11】
【0043】(式中、R2、R3およびrは一般式(1)
と同じ。)で表される化合物を反応後、ニトロ基を還元
することにより製造するか、または一般式(11)[化
12]
【0044】
【化12】
【0045】(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、アルキルスルホニルオキシ基または
アリールスルホニルオキシ基を表し、rは一般式(1)
と同じ。)で表される化合物と一般式(5)で表される
アミンを反応後、ニトロ基を還元することにより製造さ
れる。
【0046】一般式(3)においてWが−CONH(C
2s−であるアニリン誘導体は、一般式(12)[化
13]
【0047】
【化13】
【0048】(式中、R2、R3およびsは一般式(1)
と同じ。)で表される化合物をp−ニトロ安息香酸また
はその酸クロリド、酸無水物あるいは活性エステルと反
応後、ニトロ基を還元することにより製造するか、また
は一般式(13)[化14]
【0049】
【化14】
【0050】(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、アルキルスルホニルオキシ基または
アリールスルホニルオキシ基を表し、sは一般式(1)
と同じ。)で表される化合物と一般式(5)で表される
アミンを反応後、ニトロ基を還元することにより製造さ
れる。
【0051】一般式(3)においてWが−NHCO(C
2t−であるアニリン誘導体は一般式(14)[化1
5]
【0052】
【化15】
【0053】(式中、R2、R3およびtは一般式(1)
と同じ。)で表されるアミノカルボン酸とp−ニトロア
ニリンを縮合反応後、ニトロ基を還元することにより製
造される。また、アミノカルボン酸は、その酸クロリド
あるいは活性エステルとして反応しても良い。さらに
は、一般式(15)[化16]
【0054】
【化16】
【0055】(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、アルキルスルホニルオキシ基または
アリールスルホニルオキシ基を表し、tは一般式(1)
と同じ。)で表される化合物を一般式(5)で表される
アミンと反応後、ニトロ基を還元することにより製造さ
れる。
【0056】一般式(3)においてWが−CO2(C
2u−であるアニリン誘導体はp−ニトロ安息香酸と
一般式(16)[化17]
【0057】
【化17】
【0058】(式中、R2、R3はおよびuは一般式
(1)と同じ。)で表される化合物を反応後、ニトロ基
を還元することにより製造される。p−ニトロ安息香酸
は、その酸クロリドあるいは活性エステルとして反応し
ても良い。
【0059】さらに、一般式(3)で使用されるアニリ
ン誘導体は、一般式(17)[化18]
【0060】
【化18】
【0061】(式中、Wは一般式(1)と同じ。)で表
される化合物を一般式(18)[化19]
【0062】
【化19】
【0063】(式中、R5は一般式(1)におけるR2
たはR3を表し、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子、アルキルスルホニルオキシ基またはア
リールスルホニルオキシ基を表す。)で表される化合物
によりアルキル化の後、ニトロ基を還元することにより
製造してもよい。
【0064】また、上記の一般式(4)、(6)、
(7)、(11)、(13)、(15)、(17)およ
びp−ニトロフェノール、p−ニトロ安息香酸、p−ニ
トロアニリンの各化合物のニトロ基をあらかじめR1
ONH基(R1は一般式(1)と同じ。)に変換した化
合物を原料として上記の反応を行うことにより、直接に
一般式(1)のアニリド誘導体を製造することができ
る。
【0065】以上の製造方法および反応条件は目的化合
物に応じて適宜選択される。反応は原料を直接混合する
か、あるいはトルエンなどの芳香族系溶媒、メタノール
などのアルコール系溶媒、ジオキサンなどのエーテル系
溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ジメチルホル
ムアミドなどのアミド系溶媒、クロロホルムなどのハロ
ゲン系溶媒、アセトンなどのケトン系溶媒などから選択
される不活性溶媒中に溶解または懸濁し、0〜150℃
の反応温度において行われる。低沸点の原料を使用する
場合には、必要によりオートクレーブ中で反応を実施す
る。反応の選択性が要求される場合は、必要によりtert
−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル
基、メトキシカルボニル基、トリメチルシリル基などが
アミノ基の保護基として使用される。反応により酸が副
生する反応においては必要により水酸化ナトリウム、炭
酸カリウムなどの無機塩基またはトリエチルアミンなど
の第三級有機アミンが脱酸剤として使用される。
【0066】精製は反応生成物を抽出濃縮あるいは濾過
して集めた後、溶媒洗浄、蒸留、再結晶、カラムクロマ
トグラフィーなどの通常手段により行うことができる。
【0067】酸付加塩はベンズアニリド誘導体を不活性
溶媒に溶解または懸濁し、所望の酸を加えた後、析出塩
を濾過して取るか、あるいは濃縮する一般的手法により
得ることができる。
【0068】本発明のアニリド誘導体を不整脈の停止ま
たは再発予防剤として用いる場合、経口剤、注射剤ある
いは輸液などとして使用される。
【0069】経口剤の剤形としては錠剤、丸剤、散剤、
顆粒剤、カプセル剤等の固形製剤、シロップ剤、乳剤、
懸濁剤、水溶液等の液剤が適宜選択される。
【0070】固形製剤の成形においては、乳糖、白糖、
食塩、ぶどう糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カ
オリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタ
ノール、プロパノール、シロップ、ぶどう糖液、デンプ
ン液、ゼラチン溶液、メチルセルロース溶液、ヒドロキ
シプロピルセルロース溶液、カルボキシメチルセルロー
ス溶液等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウ
ム、寒天末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリ
ル硫酸ナトリウム、ステアリン酸グリセリド、乳糖等の
崩壊剤、タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチ
レングリコール等の滑沢剤等が適宜使用される。また、
錠剤では、必要に応じ糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被
錠、フィルムコーティング錠あるいは二層錠、多層錠と
することができる。
【0071】注射剤としては、綿実油、とうもろこし
油、落花生油、オリーブ油を用いた非水溶液、生理食塩
水やぶどう糖水溶液に溶解した水溶液、あるいは水性懸
濁液に対して界面活性剤を添加して懸濁剤、乳剤として
調製することができる。
【0072】輸液としては、生理食塩水やぶどう糖水溶
液に溶解した水溶液として調製することができる。
【0073】また、製剤化においては、必要に応じて着
色剤、保存安定化剤、香料、甘味料、溶解助剤等を配合
することができる。
【0074】投与量は不整脈の種類、重症度、用法、患
者の年齢、性別その他の条件により適宜選択されるが、
通常有効成分化合物が成人1日当たり1〜2,000mg程度と
し、1〜3回に分けて投与される。
【0075】
【実施例】以下に化合物製造実施例、製剤例、薬理試験
例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら
によって限定されるものではない。
【0076】実施例1 2,6−ジメトキシ−4′−(イソプロピルアミノ)ベ
ンズアニリド・塩酸塩の製造。 (1−1)イソプロピルアミン(5.0g)のジオキサン
(50ml)溶液に4−フルオロニトロベンゼン(3.0g)を
加え、100℃に昇温し、同温度で18時間攪拌した。反応
液を減圧濃縮し、残査を1N−塩酸(50ml)に溶解し酢酸
エチル(100ml)で2回洗浄した。水層に1N−水酸化ナト
リウム水溶液(100ml)を加えpHを14とし、酢酸エチ
ル(100ml)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩
水(100ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を減圧留去することにより1−イソプロピルア
ミノ−4−ニトロベンゼン(2.9g)を褐色粉末として得
た。 (1−2)1−イソプロピルアミノ−4−ニトロベンゼ
ン(2.9g)をメタノール(30ml)に溶解し、10%−パラ
ジウムカーボン触媒(0.15g)を加え常圧水添反応を行
った。水素吸収が終了後、触媒を濾別し、減圧濃縮する
ことにより1−イソプロピルアミノ−4−アミノベンゼ
ン(2.5g)を白色粉末として得た。
【0077】(1−3)1−イソプロピルアミノ−4−
アミノベンゼン(1.0g)をピリジン(30ml)に溶解し、
氷冷下に2,6−ジメトキシ安息香酸クロリド(1.07
g)を加え2.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残査
をメタノール(10ml)に溶解後、ジエチルエーテル(50
ml)を加えて結晶化した。これを、濾取、乾燥すること
により2,6−ジメトキシ−4′−(イソプロピルアミ
ノ)ベンズアニリド(1.6g)を白色結晶として得た。1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.22(6H,d),3.48(1H,dd),3.82
(6H,s),6.52-6.68(3H,m),7.19-7.28(2H,m),7.45(2H,d). (1−4)2,6−ジメトキシ−4′−(イソプロピル
アミノ)ベンズアニリド(1.6g)をメタノール(5ml)
に溶解し、1N−塩酸/エタノール(11ml)を加え攪拌し
た。この溶液にジエチルエーテル(50ml)を加え、析出
した結晶を濾取、乾燥することにより2,6−ジメトキ
シ−4′−(イソプロピルアミノ)ベンズアニリド・塩
酸塩(1.5g)を白色結晶として得た。 融点:250℃以上(塩酸塩)
【0078】実施例1と同様にして実施例2および3の
化合物を製造した。
【0079】実施例2 2,6−ジメトキシ−4′−(tert−ブチルアミノ)ベ
ンズアニリド1H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ.34(9H,s),3.7
6(6H,s),6.73(2H,d),7.27-7.49(3H,m),7.86(2H,d). 融点:250℃以上(塩酸塩)
【0080】実施例3 2,6−ジメトキシ−4′−(ジエチルアミノ)ベンズ
アニリド1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ1.06(6H,t),3.54(4H,q),3.
77(6H,s),6.14(2H,d),7.37(1H,t),7.73(2H,d),7.89(2H,
d),10.37(1H,s).(塩酸塩)融点:246-249℃(塩酸塩)
【0081】実施例4 2,6−ジメトキシ−4′−アミノベンズアニリドの製
造。 (4−1)4−ニトロアニリン(7.00g)をピリジン(5
0ml)に溶解し、氷冷下に2,6−ジメトキシ安息香酸
クロリド(10.0g)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液
を滴下した。室温で1時間攪拌後、不溶物を濾過し、濾
液を減圧濃縮した。クロロホルム(100ml)に溶解し、1
N−塩酸(50ml)で洗浄し、有機層を減圧濃縮した。析
出物を濾取し、メタノールで洗浄後、減圧乾燥すること
により2,6−ジメトキシ−4′−ニトロベンズアニリ
ド(11.23g)を黄色結晶として得た。 (4−2)2,6−ジメトキシ−4′−ニトロベンズア
ニリド(11.23g)をジメチルホルムアミド(100ml)と
メタノール(100ml)の混合溶媒に溶解し、10%−パラジ
ウムカーボン触媒(0.9g)を加え常圧水添反応を行っ
た。水素吸収が終了後、触媒を濾別し、濾液を減圧濃縮
乾固することにより2,6−ジメトキシ−4′−アミノ
ベンズアニリド(10.10g)を白色粉末として得た。1 H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ3.74(6H,s),5.04(2H,br),6.
52(2H,d),6.68(2H,d),7.22-7.43(3H,m),9.72(1H,s). 融点:221-226℃
【0082】実施例5 2,6−ジメトキシ−4′−[(ジエチルアミノ)メチ
ル]ベンズアニリド・塩酸塩の製造。 (5−1)4−ニトロベンジルクロリド(10.3g)のト
ルエン(80ml)溶液にジエチルアミン(30ml)を加え、
8時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチル
(200ml)に溶解し、1N−塩酸(100ml)で2回抽出し
た。水層に1N−ナトリウム水溶液を加えpHを10以上と
し、酢酸エチル(100ml)で抽出後、減圧濃縮した。こ
れをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル
/ヘキサン=5/1)で精製することによりN,N−ジエ
チル−4−ニトロベンジルアミン(6.91g)を黄色油状
物として得た。 (5−2)N,N−ジエチル−4−ニトロベンジルアミ
ン(6.91g)をメタノール(100ml)に溶解し、10%−パ
ラジウムカーボン触媒(0.5g)を加え常圧水添反応を行
った。水素吸収が終了後、触媒を濾別し、溶媒を留去し
た残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム/メタノール=1/1)で精製することによって
N,N−ジエチル−4−アミノベンジルアミン(0.80
g)を無色油状物として得た。
【0083】(5−3)N,N−ジエチル−4−アミノ
ベンジルアミン(0.35g)のピリジン(5ml)溶液に2,
6−ジメトキシ安息香酸クロリド(0.43g)を加え、室
温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、クロロホル
ム(50ml)に溶解し、1N−水酸化ナトリウム水溶液(20
ml)、飽和食塩水(40ml)で順次洗浄した。溶媒を留去
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム/メタノール=25/1)で精製することにより2,6
−ジメトキシ−4′−[(ジエチルアミノ)メチル]ベン
ズアニリド(0.68g)を白色粉末として得た。 (5−4)2,6−ジメトキシ−4′−[(ジエチルア
ミノ)メチル]ベンズアニリド(0.68g)をエタノール
(5ml)に溶解し、1N−塩酸/エタノール(4ml)を加え
攪拌した。さらにジエチルエーテル(50ml)を加えて析
出した粉体を濾取、減圧乾燥することにより2,6−ジ
メトキシ−4′−[(ジエチルアミノ)メチル]ベンズア
ニリド・塩酸塩(0.57g)を白色粉末として得た。1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ1.26(6H,t),3.04(4H,q),3.
76(6H,s),4.24(2H,s),6.73(2H,d),7.36(1H,t),7.53(2H,
d),7.78(2H,d),10.20(1H,br),10.37(1H,s).融点:250℃
以上
【0084】以下、実施例5と同様の方法により実施例
7〜9の化合物を得た。
【0085】実施例6 2,6−ジメトキシ−4′−[(イソプロピルアミノ)
メチル]ベンズアニリド1H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ1.3
0(6H,d),3.31(2H,s),3.76(6H,s),4.09(1H,dd),6.73(2H,
d),7.30-7.54(3H,m),7.75(2H,d). 融点:260℃以上(塩酸塩)
【0086】実施例7 2,6−ジメトキシ−4′−[(tert−ブチルアミノ)
メチル]ベンズアニリド1H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.18(9
H,s),3.48(2H,s),3.83(6H,s),6.59(2H,d),7.22-7.65(5
H,m). 融点:260℃以上(塩酸塩)
【0087】実施例8 2,6−ジメトキシ−4′−(ピペリジノメチル)ベン
ズアニリド1H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.26-1.80(6H,br),
2.22-2.48(4H,br),3.44(2H,s),3.83(6H,s),6.59(2H,d),
7.22-7.64(5H,m). 融点:240-243℃(塩酸塩)
【0088】実施例9 2,6−ジメトキシ−4′−(モルホリノメチル)ベン
ズアニリド1 H-NMR(270MHz,CDCl3):δ2.42-2.45(4H,m),3.47(2H,
s),3.69-3.74(4H,m),3.83(6H,s),6.60(2H,d),7.29-7.35
(3H,m),7.46(1H,br),7.62(2H,d).融点:183-185℃(塩
酸塩)
【0089】実施例10 2,6−ジメトキシ−4′−(2−ピペリジノエチル)
ベンズアニリド・塩酸塩の製造。 (10−1)2−(4−ニトロフェニル)エチルブロミ
ド(2.30g)、ピペリジン(2.55g)をジメチルホルムア
ルデヒド(10ml)に加え、80〜90℃で4時間加熱攪拌し
た。反応液を減圧乾固し、残分をクロロホルム(100m
l)に溶解して水洗し、減圧濃縮後にシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/クロロホル
ム=4/1)で精製し、1−[2−(4−ニトロフェニル)
エチル]ピペリジン(2.13g)を油状物として得た。 (10−2)1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]
ピペリジン(2.10g)をメタノール(15ml)に溶解し、1
0%−パラジウムカーボン触媒(0.15g)を加え常圧水添
反応を行った。水素吸収が停止した時点で触媒を濾過し
て除き、濾液を減圧濃縮して1−[2−(4−アミノフ
ェニル)エチル]ピペリジン(1.42g)を油状物として得
た。
【0090】(10−3)1−[2−(4−アミノフェ
ニル)エチル]ピペリジン(1.35g)をピリジン(10ml)
に溶解し、2,6−ジメトキシ安息香酸クロリド(1.20
g)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮
後、クロロホルム(60ml)に溶解し、希NaOH水溶液
(50ml)、水(50ml)で順次洗浄した。クロロホルム層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧乾固した。残査に
エチルエーテル(50ml)を加えて攪拌洗浄し、不溶物を
濾取、減圧乾燥して2,6−ジメトキシ−4′−(2−
ピペリジノエチル)ベンズアニリド(1.87g)を白色結
晶として得た。1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ1.35-1.58(6H,m),2.38-2.4
1(6H,m),2.59-2.70(2H,m),3.75(6H,s),6.70(2H,d),7.07
-7.43(3H,m),7.60(2H,d). 融点:182〜184℃ (10−4)2,6−ジメトキシ−4′−(2−ピペリ
ジノエチル)ベンズアニリド(1.47g)をエタノール(5
ml)に懸濁し、1N−塩酸/エタノール(9ml)を加え攪
拌した。一旦、均一溶液となった後、塩が析出した。エ
チルエーテル(30ml)を加え攪拌後、不溶物を濾取し、
エチルエーテルで洗浄後、減圧乾燥し2,6−ジメトキ
シ−4′−(2−ピペリジノエチル)ベンズアニリド・
塩酸塩(1.61g)を無色結晶として得た。 融点:255℃(分解)
【0091】以下、実施例10と同様の方法により実施
例11〜25の化合物を製造した。
【0092】実施例11 2,6−ジメトキシ−4′−[2−(イソプロピルアミ
ノ)エチル]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.05(6H,d),2.67-2.95(5H,m),
3.83(6H,s),6.59(2H,d),7.14-7.41(4H,m),7.58(2H,d). 融点:125-126℃(塩酸塩)
【0093】実施例12 2−メタンスルホンアミド−4′−[2−(イソプロピ
ルアミノ)エチル]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ1.17(6H,d),2.75(3H,s),2.7
-3.6(7H,m),6.66(1H,m),7.1-7.4(4H,m),7.64(2H,d),7.9
5(1H,d). 融点:187-188℃(塩酸塩)
【0094】実施例13 4′−[2−(イソプロピルアミノ)エチル]−3−メト
キシプロパンアニリド1H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.05(6
H,d),2.67-2.95(7H,m),3.24(3H,s),3.58(2H,t),6.59(2
H,d),7.58(2H,d). 融点:180-183℃(塩酸塩)
【0095】実施例14 2,6−ジメトキシ−4′−[2−(tert−ブチルアミ
ノ)エチル]ベンズアニリド1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6+D2O):δ1.27(9H,s),2.93(2H,
t),3.03(2H,t),3.71(6H,s),6.72(2H,d),7.25(2H,d),7.3
6(1H,t),7.67(2H,d).(塩酸塩) 融点:250℃以上(塩酸塩)
【0096】実施例15 2−メタンスルホンアミド−4′−[2−(tert−ブチ
ルアミノ)エチル]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.35(9H,s),3.12(3H,s),2.9-
3.1(4H,m),7.00-7.86(8H,m). 融点:180-181℃(塩酸塩)
【0097】実施例16 2,6−ジメトキシ−4′−[2−[(2−メトキシエチ
ル)アミノ]エチル]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ2.6-2.8(4H,m),3.22(3H,s),
3.30(2H,br),3.36(2H,t),3.75(6H,s),7.22(2H,d),7.07-
7.43(3H,m),7.61(2H,d),10.1(1H,s). 融点:227-228℃(塩酸塩)
【0098】実施例17 2−メタンスルホンアミド−4′−[2−[(2−メトキ
シエチル)アミノ]エチル]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ2.7-2.9(6H,m),3.06(3H,s),
3.35(3H,s),3.50(2H,t),7.2-7.9(8H,m). 融点:191-192℃
【0099】実施例18 2,6−ジメトキシ−4′−[2−(シクロペンチルア
ミノ)エチル]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ1.3-2.2(8H,m),2.8-3.7(5H,
m),3.75(6H,s),6.72(2H,d),7.1-7.4(3H,m),7.67(2H,d),
10.2(1H,s). 融点:167-168℃(塩酸塩)
【0100】実施例19 2−メタンスルホンアミド−4′−[2−(シクロペン
チルアミノ)エチル]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ1.4-2.2(8H,m),2.8-3.4(5H,
m),3.12(3H,s),7.28(2H,d),7.28-7.33(1H,m),7.55-7.74
(4H,m),7.90(1H,d),10.5(1H,s). 融点:217-218℃(塩酸塩)
【0101】実施例20 2,6−ジメトキシ−4′−[2−(シクロヘキシルア
ミノ)エチル]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ1.1-2.2(10H,m),2.8-3.6(5
H,m),3.75(6H,s),6.72(2H,d),7.1-7.5(3H,m),7.67(2H,
d),10.2(1H,s). 融点:173-174℃(塩酸塩)
【0102】実施例21 2−メタンスルホンアミド−4′−[2−(シクロヘキ
シルアミノ)エチル]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ1.0-2.2(10H,m),3.12(3H,
s),2.8-3.3(5H,br),7.28(2H,d),7.2-7.4(1H,m),7.55-7.
74(4H,m),7.91(1H,d),10.5(1H,s). 融点:257-258℃(塩酸塩)
【0103】実施例22 2,6−ジメトキシ−4′−[2−(ジエチルアミノ)
エチル]ベンズアニリド1H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.06(6
H,t),2.60(4H,q),2.70(4H,bs),3.83(6H,s),6.59(2H,d),
7.12-7.61(5H,m). 融点:230-234℃(塩酸塩)
【0104】実施例23 2,6−ジメトキシ−4′−[2−(1−ピロリジニ
ル)エチル]ベンズアニリド 1H-NMR(270MHz,DMSO-d6+D
2O):δ1.87-1.95(2H,m),1.98-2.03(2H,m),2.81-3.06(4
H,m),3.28-3.34(2H,m),3.48-3.56(2H,m),3.75(6H,s),6.
72(2H,d),7.21(2H,d),7.35(1H,t),7.67(2H,d).(塩酸
塩) 融点:190-192℃(塩酸塩)
【0105】実施例24 2−メタンスルホニルアミド−4′−(2−ピペリジノ
エチル)ベンズアニリド 1H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ1.5
3-1.94(6H,m),3.12(3H,s),2.7-3.3(4H,m),3.39(4H,br),
7.30-7.32(3H,m),7.55-7.74(4H,m),7.91(1H,d),10.5(1
H,s). 融点:201-202℃(塩酸塩)
【0106】実施例25 2,6−ジメトキシ−4′−(2−モルホリノエチル)
ベンズアニリド1H-NMR(90MHz,CDCl3):δ2.46-2.90(8H,
m),3.74(4H,t),3.82(6H,s),6.59(2H,d),7.10-7.70(5H,
m). 融点:253-255℃(塩酸塩)
【0107】実施例26 2,6−ジメトキシ−4′−[3−(tert−ブチルアミ
ノ)プロピル]ベンズアニリド・塩酸塩の製造。 (26−1)p−ニトロシンナミルアルコール(3.0g)
のジエチルエーテル(25ml)溶液に三臭化リン(1.5g)
のジエチルエーテル(10ml)溶液を室温で滴下後、2時
間攪拌した。反応溶液を水(40ml)、飽和食塩水(40m
l)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムによる乾燥、減
圧濃縮を行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム)により精製してp−ニトロシンナミル
ブロミド(2.6g)を淡黄色個体として得た。 (26−2)p−ニトロシンナミルブロミド(1.22
g)、無水炭酸カリウム(3.50g)、tert−ブチルアミン
(1.83g)をジメチルホルムアミド(20ml)中に加え、9
0〜100℃で4時間攪拌した。反応液を濾過後、濾液を減
圧濃縮し、残査を酢酸エチル(60ml)に溶解した。1N-
水酸化ナトリウム水溶液(50ml)、水(50ml)で順次洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、残査
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢
酸エチル=9/1)で精製しN−tert-ブチル−p−ニトロ
シンナミルアミン(0.73g)を個体として得た。
【0108】(26−3)N−tert-ブチル−p−ニト
ロシンナミルアミン(0.70g)をメタノール(20ml)に
溶解し、10%−パラジウムカーボン触媒(0.05g)を加え
常圧水添反応を行った。水素吸収が終了した時点で触媒
を濾別し、濾液を減圧濃縮して4−[3−(tert−ブチ
ルアミノ)プロピル]アニリン(0.61g)を油状物として
得た。 (27−4)4−[3−(tert−ブチルアミノ)プロピ
ル]アニリン(0.60g)をピリジン(5ml)に溶解し、
2,6−ジメトキシ安息香酸クロリド(0.60g)を加
え、室温で1時間攪拌した。反応液を濃縮し、クロロホ
ルム(60ml)に溶解して水(50ml)で洗浄した。無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、残査にヘキサン/
酢酸エチル=4/1の混合溶媒(40ml)を加えて攪拌し
た。析出晶を濾過して集め減圧乾燥することにより2,
6−ジメトキシ−4′−[3−(tert−ブチルアミノ)
プロピル]ベンズアニリド(0.86g)を無色結晶として得
た。1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ1.29(9H,s),1.83-1.95(2H,
m),2.62(2H,t),2.85(2H,t),3.76(6H,s),6.73(2H,s),7.1
8(2H,d),7.36(1H,t),7.64(2H,d). (26−5)2,6−ジメトキシ−4′−[3−(tert
−ブチルアミノ)プロピル]ベンズアニリド(0.70g)を
エタノール(3.5ml)に溶解し、1N−塩酸/エタノール
(4ml)を加えた。ジエチルエーテル(50ml)を加えて
析出した結晶を濾取し減圧乾燥することにより2,6−
ジメトキシ−4′−[3−(tert−ブチルアミノ)プロ
ピル]ベンズアニリド・塩酸塩(0.69g)を無色結晶とし
て得た。 融点:247-248℃
【0109】以下、実施例26と同様の方法により実施
例27〜29の化合物を製造した。
【0110】実施例27 2,6−ジメトキシ−4′−[3−(1−ピロリジニル)
プロピル]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.70-2.00(6H,m),2.38-2.72(8
H,m),3.83(6H,s),6.59(2H,d),7.11-7.60(5H,m). 融点:228-229℃(塩酸塩)
【0111】実施例28 2,6−ジメトキシ−4′−[3−(イソプロピルアミ
ノ)プロピル]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.04(3H,s),1.08(3H,s),1.08-
1.89(2H,m),2.55-2.79(4H,m),3.78-3.91(1H,m),3.83(6
H,s),6.59(2H,d),7.11-7.76(5H,m). 融点:204-206℃(塩酸塩)
【0112】実施例29 2,6−ジメトキシ−4′−(3−モルホリノプロピ
ル)ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.60-1.90(2H,br),2.20-2.74
(8H,m),3.71(4H,t),3.83(6H,s),6.59(2H,d),7.10-7.61
(5H,m). 融点:262-264℃(塩酸塩)
【0113】実施例30 2−メタンスルホンアミド−4′−[3−(イソプロピ
ルアミノ)プロポキシ]ベンズアニリド・塩酸塩の製
造。 (30−1)アントラニル酸メチル(12.4g)とピリジ
ン(20ml)をクロロホルム(100ml)に溶解し、氷冷下
にメタンスルホニルクロリド(10.3g)を滴下した。室
温にて1時間攪拌を続けた後、反応液を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(100ml)で2回、1N−塩酸(100ml)、
水(100ml)で順次洗浄した。減圧濃縮後、残査をメタ
ノールから再結晶して乾燥することにより2−(メタン
スルホンアミド)安息香酸メチル(17.0g)を白色結晶
として得た。 (30−2)2−(メタンスルホンアミド)安息香酸メ
チル(16.8g)を水(100ml)に懸濁し、水酸化カリウム
(10g)を加えて70〜80℃で1時間攪拌した。放冷後、濃
塩酸でpHを1に調整し、酢酸エチル(100ml)で抽出し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮することに
より2−(メタンスルホンアミド)安息香酸(15.6g)
を白色粉末として得た。
【0114】(30−3)2−(メタンスルホンアミ
ド)安息香酸(3.0g)をトルエン(30ml)に懸濁し、塩
化チオニル(5.1ml)を加え1時間攪拌加熱還流した。反
応液を減圧濃縮することにより2−(メタンスルホンア
ミド)安息香酸クロリド(3.1g)を白色粉末として得
た。 (30−4)p−ニトロフェノール(3.0g)、1,3−
ジブロモプロパン(11ml)、無水炭酸カリウム(3.0g)
をジメチルホルムアミド(60ml)に加え、80℃に加熱し
4時間攪拌した。冷却後、反応液を濾過し、濾液を減圧
濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し3−(4−ニ
トロフェノキシ)プロピルブロミド(5.2g)を黄色粉末
として得た。
【0115】(30−5)3−(4−ニトロフェノキ
シ)プロピルブロミド(5.0g)をメタノール(100ml)
に溶解し、5%−パラジウムカーボン触媒(0.2g)を加え
常圧水添反応を行った。水素吸収が終了した時点で触媒
を濾過し、濾液を減圧濃縮して3−(4−アミノフェノ
キシ)プロピルブロミド(4.4g)を油状物として得た。 (30−6)3−(4−アミノフェノキシ)プロピルブ
ロミド(2.2g)をピリジン(10ml)に溶解し、2−(メ
タンスルホンアミド)安息香酸クロリド(2.5g)を少し
ずつ加えた後、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃
縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホ
ルム)で精製し 2−メタンスルホンアミド−4′−
(3−ブロモプロポキシ)ベンズアニリド(1.5g)を白
色粉末として得た。
【0116】(30−7)2−メタンスルホンアミド−
4′−(3−ブロモプロポキシ)ベンズアニリド(0.7
g)とイソプロピルアミン(0.72ml)をイソプロパノー
ル(10ml)に溶解し、オートクレーブ中100℃で2.5時間
攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=5
/1)で精製することにより2−メタンスルホンアミド
−4′−[3−(イソプロピルアミノ)プロポキシ]ベン
ズアニリド(0.35g)を白色粉末として得た。1 H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ1.25(6H,d),1.90-2.30(2H,
m),2.90-3.60(6H,m),4.08(2H,t),6.85-8.00(8H,m). (30−8)2−メタンスルホンアミド−4′−[3−
(イソプロピルアミノ)プロポキシ]ベンズアニリド
(0.34g)をエタノール(2ml)に懸濁し、1N−塩酸/エ
タノール(1.7ml)を加え攪拌した。これにジエチルエ
ーテル(5ml)を加え析出した粉末を濾取、乾燥するこ
とにより2−メタンスルホンアミド−4′−[3−(イ
ソプロピルアミノ)プロポキシ]ベンズアニリド・塩酸
塩(0.22g)を得た。 融点:154-160℃(塩酸塩)
【0117】以下、実施例30と同様の方法により実施
例31〜35の化合物を製造した。
【0118】実施例31 2,6−ジメトキシ−4′−[3−(1−ピロリジニ
ル)プロポキシ]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.73-2.16(6H,m),2.40-2.80(6
H,m),3.83(6H,s),4.02(2H,t),6.59(2H,d),6.87(2H,d),
7.21-7.62(3H,m). 融点:225-226℃(塩酸塩)
【0119】実施例32 2,6−ジメトキシ−4′−[3−(イソプロピルアミ
ノ)プロポキシ]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.06(6H,d),1.94(2H,m),2.65-
3.00(3H,m),3.82(6H,s),4.02(2H,t),6.58(2H,d),6.87(2
H,d),7.21-7.60(3H,m). 融点:205-208℃(塩酸塩)
【0120】実施例33 2,6−ジメトキシ−4′−[3−(tert−ブチルアミ
ノ)プロポキシ]ベンズアニリド1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ1.12(9H,s),2.12(2H,t),3.
01(2H,t),3.75(6H,s),4.06(2H,t),6.72(2H,d),6.90(2H,
d),7.34(1H,t),7.64(2H,d). 融点:250℃以上(塩酸塩)
【0121】実施例34 2,6−ジメトキシ−4′−[3−(ジエチルアミノ)
プロポキシ]ベンズアニリド1 H-NMR(270MHz,CDCl3):δ1.07(6H,t),1.72-2.14(2H,
m),2.42-2.79(6H,m),3.83(6H,s),4.01(2H,t),6.59(2H,
d),6.88(2H,d),7.18-7.43(2H,m),7.54(2H,d). 融点:214℃(塩酸塩)
【0122】実施例35 2,6−ジメトキシ−4′−(3−モルホリノプロポキ
シ)ベンズアニリド1 H-NMR(270MHz,CDCl3):δ1.87-2.05(2H,m),2.45-2.54
(6H,m),3.67-3.77(4H,m),3.83(6H,s),4.01(2H,t),6.59
(2H,d),6.88(2H,d),7.30(1H,t),7.43(1H,bs),7.55(2H,
d). 融点:257℃(塩酸塩)
【0123】実施例36 4′−[3−(エチルアミノ)プロポキシ]−3−メト
キシプロパンアニリド1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ1.03(3H,t),2.10(2H,m)、
2.62(2H,t),2.98(2H,t),3.03(2H,q),3.25(3H,s),3.63(2
H,t),4.02(2H,t),6.84(2H,d),7.49(2H,d),9.75(1H,br). 融点:208℃(塩酸塩)
【0124】実施例37 2,6−ジメトキシ−4′−[[2−(イソプロピルアミ
ノ)エチル]アミノ]ベンズアニリド・二塩酸塩の製造。 (37−1)2−イソプロピルアミノエタノール(3.0
g)とピリジン(6.9g)のクロロホルム(50ml)溶液
に、氷冷下にメタンスルホニルクロリド(3.66g)を滴
下し、同温度で1時間攪拌した。析出晶を濾取し、クロ
ロホルム(50ml)で洗浄後、減圧乾燥することにより2
−(イソプロピルアミノ)エチル メタンスルホナート
・塩酸塩(2.0g)を白色結晶として得た。 (37−2)2,6−ジメトキシ−4′−アミノベンズ
アニリド(2.0g)をトリエチルアミン(20ml)に溶解
し、2−(イソプロピルアミノ)エチル メタンスルホ
ナート・塩酸塩(1.63g)を加え、オートクレーブ中150
℃で6時間攪拌した。冷却後、反応液を減圧濃縮し、残
査を1N−塩酸(50ml)に溶解し、酢酸エチル(100ml)
で2回洗浄した。水層に1N−水酸化ナトリウム水溶液(1
00ml)を加え塩基性とし、酢酸エチル(100ml)で2回抽
出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100ml)で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去
し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ
ロホルム/メタノール=3/1)で精製することにより
2,6−ジメトキシ−4′−[[2−(イソプロピルアミ
ノ)エチル]アミノ]ベンズアニリド(0.80g)を白色粉
末として得た。1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.07(6H,d),2.75-2.92(3H,m),
3.15-3.27(2H,m),3.83(6H,s),6.56(2H,d),6.65(2H,d),
7.20-7.28(1H,m),7.45(2H,d).
【0125】(37−3)2,6−ジメトキシ−4′−
[[2−(イソプロピルアミノ)エチル]アミノ]ベンズア
ニリド(0.62g)を酢酸エチル(50ml)に溶解し、1N−
塩酸/エタノール(4.2ml)を加え、析出晶を濾取、減
圧乾燥することにより2,6−ジメトキシ−4′−[[2
−(イソプロピルアミノ)エチル]アミノ]ベンズアニリ
ド・二塩酸塩(0.63g)を白色結晶として得た。 融点:133-134℃(塩酸塩)
【0126】以下、実施例37と同様にして実施例38
〜41の化合物を製造した。
【0127】実施例38 2,6−ジメトキシ−4′−[[2−(tert−ブチルアミ
ノ)エチル]アミノ]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.12(9H,s),2.82(2H,t),3.20
(2H,t),3.84(6H,s),6.56(2H,d),6.66(2H,d),7.21-7.50
(3H,m). 融点:189-190℃(塩酸塩)
【0128】実施例39 2,6−ジメトキシ−4′−[[2−[(2−メトキシエ
チル)アミノ]エチル]アミノ]ベンズアニリド1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ3.16-3.20(4H,m),3.34(3H,
s),3.43(2H,t),3.63(2H,t),3.76(6H,s),6.71(2H,d),6.8
2(2H,d),7.34(1H,t),7.57(2H,d),9.10(1H,br),10.04(1
H,s).(塩酸塩) 融点:181-188℃(塩酸塩)
【0129】実施例40 2,6−ジメトキシ−4′−[[2−[(2−エトキシエ
チル)アミノ]エチル]アミノ]ベンズアニリド1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ1.16(3H,t),3.16-3.20(4H,
m),3.49(2H,q),3.42(2H,t),3.51(2H,t),3.64(2H,t),3.7
5(6H,s),6.71(2H,d),6.96(2H,d),7.33(1H,t),7.62(2H,
d),9.16(2H,br),10.06(1H,s).(塩酸塩) 融点:206-209℃(塩酸塩)
【0130】実施例41 2,6−ジメトキシ−4′−[[2−(1−ピロリジニ
ル)エチル]アミノ]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.81(4H,bs),2.62-2.84(6H,
m),3.23(2H,t),3.82(6H,s),6.55(2H,d),6.64(2H,d),7.2
0-7.49(4H,m). 融点:197-198℃(塩酸塩)
【0131】実施例42 2,6−ジメトキシ−4′−[[3−(イソプロピルアミ
ノ)プロピル]アミノ]ベンズアニリド・塩酸塩の製造。 (42−1)N−イソプロピル−1,3−プロパンジア
ミン(9.9g)と4−フルオロニトロベンゼン(10g)を
トルエン(100ml)に溶解し、オートクレーブ中150℃で
5時間攪拌した。冷却後、反応液に1N−塩酸(50ml)を
加え、析出物を濾取した。これを1N−水酸化ナトリウム
水溶液(50ml)と酢酸エチル(50ml)の混合液に加えて
攪拌後、酢酸エチル(100ml)で2回抽出した。有機層を
合わせ、飽和食塩水(100ml)で洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。減圧濃縮残査をジエチルエーテル
で洗浄後、減圧乾燥することによりN−イソプロピル−
N′−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジア
ミン(8.8g)を黄色結晶として得た。 (42−2)N−イソプロピル−N′−(4−ニトロフ
ェニル)−1,3−プロパンジアミン(5.0g)をメタノ
ール(50ml)に溶解し、10%−パラジウムカーボン触媒
(0.25g)を加え常圧水添反応を行った。水素吸収が終
了後、触媒を濾別し、濾液を減圧濃縮することによりN
−イソプロピル−N′−(4−アミノフェニル)−1,
3−プロパンジアミン(4.1g)を白色粉末として得た。
【0132】(42−3)N−イソプロピル−N′−
(4−アミノフェニル)−1,3−プロパンジアミン
(2g)およびピリジン(2.3g)をクロロホルム(20ml)
に溶解し、氷冷下に2,6−ジメトキシ安息香酸クロリ
ド(2.32g)を加え4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮
し、残査を1N−塩酸(50ml)に溶解し、酢酸エチル(10
0ml)で2回洗浄した。水層に1N−水酸化ナトリウム水溶
液(100ml)を加えた後、酢酸エチル(100ml)で2回抽
出し、有機層を合わせ飽和食塩水(100ml)で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタ
ノール=3/1)で精製することにより2,6−ジメトキ
シ−4′−[[3−(イソプロピルアミノ)プロピル]ア
ミノ]ベンズアニリド(0.77g)を白色粉末として得た。 (42−4)2,6−ジメトキシ−4′−[[3−(イソ
プロピルアミノ)プロピル]アミノ]ベンズアニリド(0.
76g)をエタノール(5ml)に溶解し、1N−塩酸/エタノ
ール(4.55ml)を加えた。析出結晶を濾取し、エタノー
ル(30ml)で洗浄後、減圧乾燥することにより2,6−
ジメトキシ−4′−[[3−(イソプロピルアミノ)プロ
ピル]アミノ]ベンズアニリド・2塩酸塩(0.70g)を白
色結晶として得た。1 H-NMR(90MHz,DMSO-d6):δ1.24(6H,d),1.99-2.12(2H,b
r),2.98-3.48(5H,m),3.75(6H,s),6.73(2H,d),7.27-7.45
(3H,m),7.77(2H,d),10.30(1H,s). 融点:262-263℃
【0133】以下、実施例42と同様の方法により実施
例43の化合物を製造した。
【0134】実施例43 2,6−ジメトキシ−4′−[[3−(ジエチルアミノ)
プロピル]アミノ]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.03(6H,t),1.69-1.83(2H,m),
2.40-3.64(6H,m),3.16(2H,t),3.83(6H,s),6.53-6.63(4
H,m),7.20-7.29(1H,m),7.44(2H,d). 融点:169-170℃(塩酸塩)
【0135】実施例44 2,6−ジメトキシ−4′−[[2−(ジエチルアミノ)
エチル]カルバモイル]ベンズアニリド・塩酸塩の製造。 (44−1)プロカインアミド・塩酸塩(2.7g)をピリ
ジン(40ml)に溶解し、氷冷下に2,6−ジメトキシ安
息香酸クロリド(2.0g)を加え、室温で4時間攪拌し
た。反応液を減圧濃縮した残査を1N−塩酸(50ml)に溶
解し、酢酸エチル(100ml)で2回洗浄した。水層に1N−
水酸化ナトリウム水溶液(100ml)を加え、酢酸エチル
(100ml)で2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水
(100ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム/メタノール=10/1)により精製
することにより2,6−ジメトキシ−4′−[[2−(ジ
エチルアミノ)エチル]カルバモイル]ベンズアニリド
(1.96g)を白色粉末として得た。1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.04(6H,t),2.45-2.69(6H,m),
3.3-3.6(2H,m),3.82(6H,s),6.58(2H,d),6.8-7.0(1H,b),
7.22-7.41(1H,m),7.6-7.8(4H,m). (44−2)2,6−ジメトキシ−4′−[[2−(ジエ
チルアミノ)エチル]カルバモイル]ベンズアニリド(1.
5g)をメタノール(5ml)に溶解し、1N−塩酸/エタノ
ール(4.2ml)を加え攪拌した。溶液をジエチルエーテ
ル(100ml)に加え、析出物を濾取、減圧乾燥すること
により2,6−ジメトキシ−4′−[[2−(ジエチルア
ミノ)エチル]カルバモイル]ベンズアニリド・塩酸塩
(1.46g)を淡褐色粉末として得た。 融点:140-142℃(塩酸塩)
【0136】以下、実施例44と同様の方法により実施
例45の化合物を製造した。
【0137】実施例45 2,6−ジメトキシ−4′−[[2−(イソプロピルアミ
ノ)エチル]カルバモイル]ベンズアニリド1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ1.26(6H,d),3.09(2H,br),
3.37(1H,m),3.59(2H,q),3.77(6H,s),6.74(2H,d),7.36(1
H,t),7.79(2H,d),7.90(2H,d),8.75(1H,t),8.83(1H,br),
10.46(1H,s).(塩酸塩) 融点:アモルファス(塩酸塩)
【0138】実施例46 2,6−ジメトキシ−4′−[[3−(1−ピロリジニ
ル)プロピル]カルバモイル]ベンズアニリド・塩酸塩の
製造。 (46−1)4−アミノ安息香酸(2.85g)をピリジン
(30ml)に溶解し、氷冷下に2,6−ジメトキシ安息香
酸クロリド(5.0g)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液
を滴下した後、1時間攪拌した。反応液にテトラヒドロ
フラン(50ml)を加え、析出物を濾過し、濾液を減圧濃
縮した。濃縮残査を1N−水酸化ナトリウム水溶液(50m
l)に溶解し、酢酸エチル(100ml)で2回洗浄した。水
層に1N−塩酸(100ml)を加え析出した結晶を濾取、減
圧乾燥することにより4−(2,6−ジメトキシベンズ
アミド)安息香酸(6.28g)を白色結晶として得た。 (46−2)4−(2,6−ジメトキシベンズアミド)
安息香酸(1.96g)をトルエン(50ml)に懸濁し、塩化
チオニル(3ml)を加え100℃で1時間攪拌した。反応液
を減圧濃縮し、残査をヘキサンで洗浄後、減圧乾燥する
ことにより4−(2,6−ジメトキシベンズアミド)安
息香酸クロリド(1.81g)を白色結晶として得た。
【0139】(46−3)1−(3−アミノプロピル)
ピロリジン(0.72g)をピリジン(10ml)に溶解し、氷
冷下に4−(2,6−ジメトキシベンズアミド)安息香
酸クロリド(1.8g)を加え、室温で2.5時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、残査を1N−塩酸(50ml)に溶解
し、酢酸エチル(100ml)で2回洗浄した。水層に1N−水
酸化ナトリウム水溶液(100ml)を加え、酢酸エチル(1
00ml)で2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(100
ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ
ロホルム/メタノール=3/1)により精製して2,6−
ジメトキシ−4′−[[3−(1−ピロリジニル)プロピ
ル]カルバモイル]ベンズアニリド(2.08g)を白色粉末
として得た。1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.7-1.9(6H,m),2.5-2.8(6H,
m),3.5-3.7(2H,m),3.84(6H,s),6.60(2H,d),7.33(1H,t),
7.62-7.84(5H,m),8.78(1H,br). (46−4)2,6−ジメトキシ−4′−[[3−(1−
ピロリジニル)プロピル]カルバモイル]ベンズアニリド
(2.0g)をエタノール(10ml)に溶解し、1N−塩酸/エ
タノール(6.1ml)を加え攪拌した。ジエチルエーテル
(100ml)を加えて析出した粉末を濾取、減圧乾燥する
ことにより2,6−ジメトキシ−4′−[[3−(1−ピ
ロリジニル)プロピル]カルバモイル]ベンズアニリド・
塩酸塩(1.1g)を白色粉末として得た。 融点:226-227℃(塩酸塩)
【0140】実施例47 2,6−ジメトキシ−4′−[2−(tert−ブチルアミ
ノ)アセトアミド]ベンズアニリド・塩酸塩の製造。 (47−1)2,6−ジメトキシ−4′−アミノベンズ
アニリド(3.00g)のジメチルホルムアミド(30ml)溶
液に、氷冷下、ブロモアセチルクロリド(1.90g)を加
え、室温で30分間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残査
をクロロホルム(50ml)に溶解し、1N−水酸化ナトリウ
ム水溶液(50ml)で洗浄後、減圧濃縮した。析出晶を濾
取し、減圧乾燥することにより2,6−ジメトキシ−
4′−(2−ブロモアセトアミド)ベンズアニリド(1.
93g)を黄色結晶として得た。 (47−2)2,6−ジメトキシ−4′−(2−ブロモ
アセトアミド)ベンズアニリド(0.93g)をジメチルホ
ルムアミド(10ml)に溶解し、tert−ブチルアミン(1.
5ml)を加え、オートクレーブ中80℃で6時間攪拌した。
反応後、減圧濃縮し、クロロホルム(50ml)に溶解して
1N−水酸化ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄した。減圧
濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム/メタノール=25/1)で精製して2,6−ジメト
キシ−4′−[2−(tert−ブチルアミノ)アセトアミ
ド]ベンズアニリド(0.55g)を白色粉末として得た。
【0141】(47−3)2,6−ジメトキシ−4′−
[2−(tert−ブチルアミノ)アセトアミド]ベンズアニ
リド(0.55g)をエタノール(5ml)に懸濁し、1N−塩酸
/エタノール(4.5ml)を加えた。さらにジエチルエー
テル(100ml)を加え、析出粉末を濾取し、減圧乾燥す
ることにより2,6−ジメトキシ−4′−[2−(tert
−ブチルアミノ)アセトアミド]ベンズアニリド・塩酸
塩(0.60g)を白色粉末として得た。1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ1.32(9H,s),3.76(6H,s),3.
92(2H,br),6.72(2H,d),7.35(1H,t),7.56(2H,d),7.70(2
H,d),8.97(2H,br),10.21(1H,s),10.74(1H,s).(塩酸
塩) 融点:アモルファス(塩酸塩) 以下、実施例47と同様にして実施例48の化合物を製
造した。
【0142】実施例48 2,6−ジメトキシ−4′−[2−(イソプロピルアミ
ノ)アセトアミド]ベンズアニリド1 H-NMR(270MHz,DMSO-d6):δ1.27(6H,d),3.41(1H,m),3.
76(6H,s),3.94(2H,br),6.72(2H,d),7.34(1H,t),7.56(2
H,d),7.69(2H,d),9.04(2H,br),10.20(1H,s),10.79(1H,
s).(塩酸塩) 融点:アモルファス(塩酸塩)
【0143】実施例49 2,6−ジメトキシ−4′−[3−(イソプロピルアミ
ノ)プロピオンアミド]ベンズアニリド・塩酸塩の製
造。 (49−1)2,6−ジメトキシ−4′−アミノベンズ
アニリド(2.0g)のアセトニトリル(20ml)溶液に3−
クロロプロピオン酸クロリド(0.95g)を加え、1時間加
熱還流した。冷却後、析出晶を濾取し、アセトニトリル
(30ml)で洗浄、減圧乾燥することにより2,6−ジメ
トキシ−4′−(3−クロロプロピオンアミド)ベンズ
アニリド(2.6g)を白色結晶として得た。 (49−2)2,6−ジメトキシ−4′−(3−クロロ
プロピオンアミド)ベンズアニリド(1.0g)、イソプロ
ピルアミン(1.65g)、ヨウ化カリウム(0.046g)をア
セトニトリル(20ml)に加えオートクレーブ中85℃で3
時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残査を1N−塩酸
(50ml)に溶解し、酢酸エチル(100ml)で2回洗浄し
た。水層に1N−水酸化ナトリウム水溶液(100ml)を加
え、酢酸エチル(100ml)で2回抽出し、有機層を合わせ
て飽和食塩水(100ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=3/
1)て精製することにより 2,6−ジメトキシ−4′
−[3−(イソプロピルアミノ)プロピオンアミド]ベン
ズアニリド(0.97g)を白色粉末として得た。1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.16(6H,d),2.45(2H,t),2.82-
3.03(3H,m),3.83(6H,s),6.59(2H,d),7.21-7.66(5H,m).
【0144】(49−3)2,6−ジメトキシ−4′−
[3−(イソプロピルアミノ)プロピオンアミド]ベンズ
アニリド(0.97g)をエタノール(5ml)に溶解し、1N−
塩酸/エタノール(3.02ml)を加え攪拌した。これにジ
エチルエーテル(50ml)を加えて析出した結晶を濾取、
減圧乾燥することにより2,6−ジメトキシ−4′−
[3−(イソプロピルアミノ)プロピオンアミド]ベンズ
アニリド・塩酸塩(0.77g)を白色結晶として得た。 融点:220-221℃(塩酸塩)
【0145】以下、実施例49と同様の方法により実施
例50および51の化合物を製造した。
【0146】実施例50 2,6−ジメトキシ−4′−[3−(tert−ブチルアミ
ノ)プロピオンアミド]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.24(9H,s),2.49(2H,t),2.99
(2H,t),3.88(6H,s),6.64(2H,d),7.32-7.61(5H,m). 融点:245-246℃(塩酸塩)
【0147】実施例51 2,6−ジメトキシ−4′−[3−(ジエチルアミノ)
プロピオンアミド]ベンズアニリド1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.12(6H,t),2.47-2.79(8H,m),
3.82(6H,s),6.58(2H,d),7.21-7.54(5H,m). 融点:211-212℃(塩酸塩)
【0148】実施例52 2,6−ジメトキシ−4′−[2−(ジエチルアミノ)
エトキシカルボニル]ベンズアニリド・塩酸塩の製造。 (52−1)プロカイン塩酸塩(2.7g)をピリジン(40
ml)に溶解し、氷冷下に2,6−ジメトキシ安息香酸ク
ロリド(2.0g)を加え、室温で4時間攪拌した。反応液
を減圧濃縮した残査を1N−塩酸(50ml)に溶解し、酢酸
エチル(100ml)で2回洗浄した。水層に1N−水酸化ナト
リウム水溶液(100ml)を加え、酢酸エチル(100ml)で
2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水(100ml)で
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧
留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム/メタノール=10/1)により精製することにより
2,6−ジメトキシ−4′−[2−(ジエチルアミノ)
エトキシカルボニル]ベンズアニリド.(2.56g)を白色粉
末として得た。1 H-NMR(90MHz,CDCl3):δ1.07(6H,t),2.64(4H,q),2.86
(2H,t),3.84(6H,s),4.38(2H,t),6.60(2H,d),7.33(1H,
t),7.64-7.74(2H,m),8.03(2H,d). (52−2)2,6−ジメトキシ−4′−[2−(ジエ
チルアミノ)エトキシカルボニル]ベンズアニリド(2.5
g)をメタノール(5ml)に溶解し、1N−塩酸/エタノー
ル(6.85ml)を加え攪拌した。溶液をジエチルエーテル
(100ml)に加え、析出物を濾取、減圧乾燥することに
より2,6−ジメトキシ−4′−[2−(ジエチルアミ
ノ)エトキシカルボニル]ベンズアニリド・塩酸塩(2.3
7g)を淡褐色粉末として得た。 融点:183-184℃(塩酸塩)
【0149】製剤例1 2,6−ジメトキシ−4′−(2−ピペリジノエチル)
ベンズアニリド・塩酸塩を有効成分とする錠剤 本化合物50g、乳糖38g、とうもろこしデンプン35g及び
結晶セルロース20gをよく混合し、これをヒドロキシプ
ロピルセルロース5gを水100mlに溶解した液で練合造粒
し、50℃で4時間乾燥した。これにステアリン酸マグネ
シウム2gを加えてよく混合し、打錠機を用い1錠あたり1
50mgの重量で製錠して錠剤を得た。
【0150】製剤例2 2,6−ジメトキシ−4′−(2−ピペリジノエチル)
ベンズアニリド・塩酸塩を有効成分とするカプセル剤 本化合物50g、乳糖38g、とうもろこしデンプン35g、結
晶セルロース20g及びステアリン酸マグネシウム2gをよ
く混合した。これをカプセル充填機で硬カプセルに300m
gずつ充填してカプセル剤を得た。
【0151】製剤例3 2,6−ジメトキシ−4′−(2−ピペリジノエチル)
ベンズアニリド・塩酸塩を有効成分とする顆粒剤 本化合物100g、乳糖150g、とうもろこしデンプン140g及
び結晶セルロース80gをよく混合し、これをヒドロキシ
プロピルセルロース20gを水400mlに溶解した液で練合造
粒し、50℃で4時間乾燥した。これを12メッシュのスク
リーンで製粒した後、ステアリン酸マグネシウム8gを加
えてよく混合し顆粒剤とした。
【0152】製剤例4 2,6−ジメトキシ−4′−(2−ピペリジノエチル)
ベンズアニリド・塩酸塩を有効成分とする注射剤 本化合物0.1gを生理食塩水5mlに溶解後、除菌濾過し、
アンプルに封入して注射剤とした。
【0153】薬理試験例1: アコニチン誘発心房細動
モデル(イヌ)での有効性評価 K.Hashimotoらの方法(Jpn.J.Pharmacol.,vol.46,349-3
58(1988))に準拠し、以下の試験方法にて評価した。 (試験方法)麻酔開胸犬の右心房に0.5%アコニチン溶液
(20-30μL)を含ませた濾紙小片を接触させることによ
り惹起される持続性心房細動に対して、被験化合物を生
理食塩水に溶解して静脈内投与し、心房細動を停止させ
る用量を調べた。心房細動の発生と停止は、右心耳部に
装着したAg-AgCl双極電極を介して導出された心房電図
波形により判定した。
【0154】心房細動の停止に必要なイヌ体重(kg)当
たりの最低用量ごとに化合物を製造実施例番号で纏め、
以下の結果を得た。薬物はいずれも塩酸塩として投与し
た。
【0155】(A) 0.1mg/kgで心房細動を停止した化合
物実施例番号 10 (B)0.3mg/kgで心房細動を停止した化合物実施例番号 11・24・27・28 (C)1.0mg/kgで心房細動を停止した化合物実施例番号 5・6・7・8・9・12・13・14・15・16・
17・18・19・20・21・22・23・25・2
6・29・30・31・32・34・35・36・37
・38・41・42・43・44・45・46・47・
48・49・50・51・52 (D)3.0〜10mg/kgで心房細動を停止した化合物実施例番
号 1・2・3・4・33・39・40
【0156】薬理試験例2: イヌ・プルキンエ線維の
活動電位変化の測定 (試験方法)イヌの右心室自由壁から切り出したプルキ
ンエ線維標本を正常Tyrode溶液で灌流し、基本周期1Hz
の電気刺激により駆動させ使用した。活動電位の記録に
は標準ガラス微小電極を用い、活動電位の最大立ち上が
り速度(Vmax)および50%、75%、90%再分極までの活動
電位持続時間(APD50、APD75、APD90)を測定後、被験
化合物を添加したタイロード溶液を灌流下に同様の測定
をおこなった。 (結果)実施例1〜52の被験化合物(いずれも塩酸塩
として使用)の10μM濃度でのプルキンエ線維の活動電
位パラメーター変化率はいずれも5%以下であり、ほとん
ど影響を与えなかった。一方、代表的な抗不整脈剤であ
るフレカイニドは3μMでもVmaxを30%抑制し、クラスI
薬の特徴を示した。ドフェチリドは10μMでAPD50,APD7
5,APD90を各々57%,45%,42%延長しクラスIII薬の特徴
を示した。
【0157】薬理試験例3: マウス簡易急性毒性試験
による評価 (試験方法)一群3匹のddY系雄性マウスに被験化合物
(50mg/kg)の生理食塩水溶液を尾静注し、投与後1時間
まで一般症状観察し、48時間後に生存率の判定を行っ
た。 (被験化合物)製造実施例番号1〜52のアニリド誘導
体をすべて塩酸塩として使用した。また、代表的な既存
抗不整脈剤であるフレカイニド、ピルジカイニドを比較
例として評価した。 (結果)本発明のアニリド誘導体では全く死亡例はな
く、一般症状観察でも特に変化を認めなかった。一方、
代表的な既存抗不整脈剤であるフレカイニド、ピルジカ
イニドでは全例が死亡した。
【0158】
【発明の効果】本発明により心機能に影響を与えない新
しい抗不整脈剤が提供された。これらは、心機能が低下
した患者への適応も可能で、催不整脈作用の危惧もなく
安全性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/06 A61P 9/06 C07C 235/88 C07C 235/88 237/42 237/42 237/50 237/50 C07D 295/00 C07D 295/00 Z (72)発明者 毛利 淳一 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 森 春樹 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 河合 浩一 千葉県茂原市東郷1900番地の1 三井製薬 工業株式会社内 (72)発明者 小谷部 明広 千葉県茂原市東郷1900番地の1 三井製薬 工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 貴史 千葉県茂原市東郷1900番地の1 三井製薬 工業株式会社内 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 AA03 BC07 BC21 BC73 MA01 MA04 NA14 ZA38 4C206 AA01 AA02 AA03 GA07 GA31 MA01 MA04 MA17 NA14 ZA38 4H006 AA01 AA03 AB23 BP30 BU38 BU42 BU46 BU50 BV72 BV74 GP03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)[化1] 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素
    数1〜3のアルカンスルホンアミド基を1個または2個
    有するフェニル基、あるいは−(CH2mOR4(mは
    2または3、R4は炭素数1〜3のアルキル基を表わ
    す)を表わし、Wは結合、−(CH2p−、−O(CH
    2q−、−NH(CH2r−、−CONH(CH2
    s−、−NHCO(CH2t−または−CO2(CH2u
    −(pは1〜3の整数、qは3、r、sおよびuは2ま
    たは3、tは1または2を表わす)を表し、R2および
    3は独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
    炭素数3〜6のシクロアルキル基または−(CH2m
    4(mは2または3、R4は炭素数1〜3のアルキル基
    を表わす)を表すか、またはR2とR3は結合して−(C
    22Y(CH22−(Yは結合、酸素原子、またはメ
    チレン基を表わす))で表されるアニリド誘導体または
    その薬理学的に許容される酸付加塩。
  2. 【請求項2】一般式(1)において、R1が2,6−ジ
    メトキシフェニル基、2−(メタンスルホンアミド)フ
    ェニル基、または2−メトキシエチル基である請求項1
    記載のアニリド誘導体またはその薬理学的に許容される
    酸付加塩。
  3. 【請求項3】一般式(1)において、Wが−(CH2p
    −、−O(CH2q−または−NH(CH2r−(pお
    よびrは2または3、qは3)である請求項1または2
    記載のアニリド誘導体またはその薬理学的に許容される
    酸付加塩。
  4. 【請求項4】一般式(1)において、R2とR3の炭素数
    合計が2〜6である請求項1〜3記載のアニリド誘導体
    またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
  5. 【請求項5】一般式(1)において、R2とR3のいずれ
    か一方が水素原子である請求項4記載のアニリド誘導体
    またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
  6. 【請求項6】請求項1〜5記載のアニリド誘導体または
    その薬理学的に許容される酸付加塩を含有する抗不整脈
    剤。
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