JP2001151267A - マルチパックカートン及びこれに用いるカートンブランク - Google Patents

マルチパックカートン及びこれに用いるカートンブランク

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JP2001151267A
JP2001151267A JP33315199A JP33315199A JP2001151267A JP 2001151267 A JP2001151267 A JP 2001151267A JP 33315199 A JP33315199 A JP 33315199A JP 33315199 A JP33315199 A JP 33315199A JP 2001151267 A JP2001151267 A JP 2001151267A
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pack
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Takeo Oishi
丈夫 大石
Hiroaki Mikamo
弘明 三鴨
Junichiro Kido
順一郎 城戸
Nobuhiro Taguchi
亘宏 田口
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチパック用カートンブランクの原紙とし
て、国内で入手できて故紙の利用も可能な紙を用いるこ
と。 【解決手段】 複数の缶、瓶等の容器をマルチパック包
装機内で包み込んで予め付与された罫線に沿って折り曲
げ成型して、底部もしくは天部にてロック封緘して包装
するマルチパックカートンにおいて、該包装に用いるカ
ートンブランクを、段の山数が300mm当り120以
上であり、段高さが0.5mm以下である片面段ボール
もしくは両面段ボールを用いて所定サイズに打ち抜いて
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主としてビー
ル、清涼飲料水等の食品容器複数個を、一枚のカートン
ブランクでマルチパック包装して得られる集合容器包装
体(いわゆるマルチパック)に用いるカートン及びカート
ンブランクに関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆるマルチパックは、マルチパック
包装機(集合包装機とも称す)を用い、カートンブランク
(スリーブとも称される打ち抜きブランクのこと)を、
吸引等の方法により1枚毎に100〜300枚/分の速
度で供給して、正立した瓶、缶等の容器を容器の天部方
向または下部方向よりタイトに包み込んだうえ、予めカ
ートンブランクに付与された罫線に沿って折り曲げ成型
して、下部または上部でロック封緘する方法が一般的で
ある。ロック封緘としては、カートンブランクの雄ロッ
クと雌ロックを押し込む方式や差し込む方式が一般に知
られている。
【0003】図1にマルチパック包装された包装体の代
表例を示し、図2は加工技術便覧(日本包装技術協会編
集・発行)に掲載されているマルチパック包装工程の概
要を示す図である。図1は、正立した複数の容器2がマ
ルチパックカートン1により包装され、カートン1の上
部に取っ手用の穴3が設けられている状態を示してい
る。また、図2においては、正立した複数の容器2が連
続的に供給されると共に、上方から給紙部に積層された
マルチパック用カートンブランク4が矢印方向に1枚づ
つ供給され、正立した複数の容器2を上部から包んで包
装する工程を示している。
【0004】また、一般的に用いられるカートンケーサ
ーによる包装方法等との形態上の違いとして、マルチパ
ックの包装体は上部、前面、後面、下面を一方向に包装
されているが、側面は内容物がはみ出さないようにカー
トンブランクの側縁が折り曲げられている程度で、開口
部となっていること、マルチパックには包装体上部に持
ち運びのための取っ手又は取っ手に相当する開口部が設
けられていることが多いこと等の特徴が挙げられる。ま
た、側面の開口部から手で容器を取り出すか、あらかじ
め加工されているミシン目を開けることで、容器を容易
に取り出すことが可能である。
【0005】また、マルチパックは主に入り数が4〜1
2個と比較的入り数が少ない用途に用いられ、カートン
は単紙板紙を加工して形成されて美粧印刷されているた
め、店頭での展示効果が良い。また、店頭販売で購入し
た消費者が直接マルチパック上部に設けられた取っ手用
の穴に指を入れて片手で持ち運びができることを特徴と
した包装形態である。特に缶ビール用の6缶マルチパッ
クが代表例であり多く流通している。広く流通している
缶ビールの6缶マルチパックでは、更に4つのマルチパ
ックを1つの段ボールケースに入れている例が示すよう
に、マルチパックは外装・輸送用の段ボールケースとは
機能、目的が明らかに異なるものである。
【0006】また、マルチパック包装においては、包装
前にカートンブランクに事前に印刷されるのが一般的で
あり、美粧印刷性に優れたオフセット印刷またはグラビ
ア印刷が用いられ、美粧印刷性にやや劣るフレキソ印刷
は用いられない。
【0007】また、マルチパックは上述の通り、包装体
上部に取っ手を設けて消費者が手で持ち運ぶ構成とされ
ているため、原紙の強度を保持していなければ中身の容
器がカートンからはずれてしまう危険性がある。このた
めにマルチパック用のカートンブランク原紙には必要十
分な強度を有することが不可欠である。このような強度
面からの必要性と上述の印刷適性から、マルチパック用
のカートンブランク原紙には従来から、比較的坪量(g
/m2)が大きく、引き裂き強度が高い板紙原紙(主に
繊維長の長い輸入紙)が選定されてきた。
【0008】また、営業的な要因としてマルチパック包
装機のリース、販売契約を機械メーカーと締結するにあ
たり、一般的に包装機械とカートンブランクは機械シス
テムの性能を発揮するために、カートンブランク原紙が
機械メーカー側に指定されるケースがあり、それらの多
くが上述した比較的坪量が大きく、引き裂き強度が高い
輸入紙の板紙原紙であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このマルチ
パック用の繊維長の長い輸入紙は、商品の使用後に故紙
として再利用しようとする場合、繊維の離解性が悪く離
解に時間がかかり過ぎるという再利用上の問題を有して
いる。更に、輸入紙であるため、安定供給や、コスト面
での問題も有る。
【0010】また、故紙を原料の一部として利用した安
価な板紙単紙素材をマルチパック原紙に利用したくて
も、マルチパックに充填された内容物を支えるための強
度面の問題と耐湿性の問題があり、坪量を上げて厚くせ
ざるを得ないことや、厚くするとマルチパック包装機で
の製函適性、印刷特性の問題が生じることにより、故紙
の利用は困難であった。
【0011】ところで、外装用の箱としては段ボールが
広く用いられ、段ボールには表1に示すようにA、B、
C段等、各種の段種があるので用途は広いが、これらの
段ボールは下記に記すような理由からマルチパック用の
カートンブランクとして検討されることは皆無であっ
た。
【0012】
【表1】
【0013】A、B、C段など比較的厚手の段ボールシ
ートをカートン類似の形態に成型することを考えてみる
と、これらの段ボールは商品流通時の集積効率が板紙に
比べて劣る。更にこれらの厚手の段ボールへの印刷はフ
レキソ印刷では可能であるが、マルチパックに用いられ
ているオフセット印刷やグラビア印刷では印刷機の構造
上困難であることから、これらの段ボールはマルチパッ
ク用途には向いていないと考えられていた。尚、マルチ
パックにオフセット印刷やグラビア印刷が用いられてき
たのは、これらの印刷の方がフレキソ印刷より美粧印刷
適正の点で優れていたためである。
【0014】さらに段高1.2mm程度のE段や段高
0.6〜0.7程度のF段と呼ばれる段ボールシートに
おいても、オフセット印刷機での機械適性、集積部での
そりなど板紙単紙と比較して本用途への適性に乏しかっ
たといえる。更に、E、F、M段などは、マルチパック
包装機の成形、封緘などの機械適正において高速運転に
不向きである。また、A、B、C段と同様、オフセット
印刷やグラビア印刷の印刷適正が不適である。
【0015】以上のような理由により、森林資源保護、
古紙の利用率向上、原紙の安定供給の面から、包装機と
印刷機に対する機械適性とハンドリング適性を有し、故
紙も利用し易いマルチパック用の国産カートンブランク
の提案が望まれていた。本発明の目的は、マルチパック
用のカートンブランクとして、強度が有り軽量のシート
を用いて、資源の無駄をなくすと共に包装体の持ち運び
を容易にすること、国内でも入手可能な汎用性のあるシ
ートを用いることにより原紙の安定供給を図ること、更
に故紙の利用を容易にすること等である。これらの課題
を解決するために、本発明者等は鋭意検討し、単紙板紙
に近い厚さと剛性を持つマイクロフルートが印刷適性と
強度の点でマルチパックに適していることを各種試験に
より確認して、本発明を完成するに至った。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明では次のように規
定したマイクロフルートをマルチパック用のカートンブ
ランクとして採用する事により、上記の課題を解決し
た。本発明は、以下に記載する発明を包含する。
【0017】(1)第1の発明は、段の山数が300mm
当り120以上であり、段高さが0.5mm以下である
片面段ボールもしくは両面段ボールを所定サイズに打ち
抜いたカートンブランクを用い、複数の缶、瓶等の容器
をマルチパック包装機内で包み込んで予め付与された罫
線に沿って折り曲げ成型して、底部もしくは天部にてロ
ック封緘して包装したことを特徴とするマルチパックカ
ートン及びこれに用いるカートンブランクである。尚、
ロック封緘とは、カートンブランクの雄ロックと雌ロッ
クを押し込む方式または差し込む方式により封緘する方
式であり、ホットメルト接着を併用する場合もある。
【0018】(2)第2の発明は、少なくとも表ライナー
原紙に耐水性もしくは耐油性を有する原紙を使用したこ
とを特徴とする(1)に記載のマルチパックカートン及び
これに用いるカートンブランクである。
【0019】(3)第3の発明は、少なくとも中芯原紙も
しくは表ライナー原紙の片面にポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性合成
樹脂を押し出しラミネートしたことを特徴とする(1)ま
たは(2)に記載のマルチパックカートン及びこれに用い
るカートンブランクである。
【0020】(4)第4の発明は、JIS−P8116
(紙及び板紙の引き裂き強さ試験方法)に基づいて測定
した比引き裂き強さが、20mN/(g/m2)以上で
あることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のマ
ルチパックカートン及びこれに用いるカートンブランク
である。
【0021】(5)第5の発明は、JIS−P8125
(板紙のテーバーこわさ試験機によるこわさ試験方法)
で測定したテーバー剛度を坪量で除算した比テーバー剛
度が、0.2mNm/(g/m2)以上であることを特
徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のマルチパックカ
ートン及びこれに用いるカートンブランクである。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明において用いる片面段ボー
ルもしくは両面段ボールは、中芯の段山数が300mm
当り120以上、且つ段高さが0.5mm以下であり、
一般にマイクロフルートと呼ばれる段ボールシートに含
まれる。
【0023】段高さが0.5mmであると、3枚構造の
両面段ボールの場合は、全体厚さが0.8〜1.0mm
程度となり、坪量450g/m2程度の単層の板紙の厚
さに相当する。すなわち、段高さが0.5mm以下であ
れば全体厚さが、略1.0mm以下となり、貼合後にマ
ルチパック包装において多用されるオフセット印刷やグ
ラビア印刷に対する適性が良好であり、マルチパックに
適する。逆に段高さが0.5mmを越えるとオフセット
印刷とグラビア印刷適正が不良となり、マルチパックに
適さない。また段高さが0.5mm以下の段ボールの場
合は、マルチパック包装機における高速製函適性が良好
である。
【0024】つまり、従来からあるE段、F段、ミニ段
の段ボールと本発明において用いるマイクロフルートと
の大きな違いの一つは、本発明におけるマイクロフルー
トは貼合後にマルチパック包装において多用されるオフ
セット印刷機とグラビア印刷機に対する適性が良好であ
ることである。これに対して全体厚みが1mm以上にな
るE段、F段、ミニ段はオフセット印刷とグラビア印刷
において構造上の問題から機械適性に乏しく、特にE段
は印刷機のシート供給さえ不可能となる。
【0025】オフセット印刷機においては、フィーダー
部(供給部)から1枚ずつ送られたシートがくわえ込ま
れて印刷ユニットに運ばれる際に規格範囲(約0.8〜
1.0mm)以上に印刷物が厚くなると供給不良となり
詰まってしまう。また印刷ユニットにおいても印刷ロー
ルの圧胴とブランケットにて圧力がかかりこれまでのF
段、ミニ段では厚みが1.0mm以上なので、仮にフィ
ードできても良好な美粧印刷をするためにはインキをま
んべんなく転写するために、0. 5mm以下にまでつ
ぶすことが必要であった。段ボール構造体がいったんつ
ぶされると印刷ユニットの後で戻りはあるものの最初の
シート厚みには回復が困難である。さらにF、ミニ段は
印刷後の集積部において印刷でのツブレの後で復元が均
等にならない場合カールする傾向にあり集積トラブルが
発生しやすかった。
【0026】また、通常単紙の板紙を使用した時の印刷
スピードは120枚/分以上であるにもかかわらず、F
段、ミニ段(M段)では50枚/分以下となり生産性が
劣ってしまう。また、マルチパック包装機内での高速製
函適性も、紙厚が厚いことが大きなトラブル要因とな
る。
【0027】以上のような理由から、マルチパック用の
カートンブランクとしては段高さが0.5mm以下の段
ボールが適している。尚、マイクロフルートは製造技術
上の問題もあり、実用化されているものは一般的に段高
さが0.4mm程度までであり、本発明で用いる段ボー
ルの段高さは実用上は、0.4mm程度から0.5mm
までである。
【0028】また、本発明における段ボールの中芯の段
山数は長さ300mm当り120以上であるが、これ以
上の山数であると、カートンブランクの引き裂き強度と
剛度が大きくなり、マルチパックに要求される強度を満
たすことが出来る。更に、300mm当り120以上の
山数であると、カートンブランクの表面の均一性が良好
となり、マルチパックに施される美粧印刷に適する。逆
に、300mm当り120未満の山数であると、マルチ
パックに要求される強度と美粧印刷適正の点で不適であ
る。尚、マイクロフルートは製造技術上の問題もあり、
実用化されているものは一般的に300mm当りの山数
180程度までであり、本発明で用いる段ボールの段山
数は実用上は、300mm当り120以上180程度ま
でである。
【0029】従来マルチパックに用いられて来た厚手の
板紙との強度比較では、本発明のマルチパック用カート
ンブランク(マイクロフルート)は、マルチパック用に重
要な要素であるJIS−P8116の「紙及び板紙の引
き裂き強さ試験方法」に基づいて測定した比引き裂き強
度において、同等以上の強度を確認することが出来た。
つまり、従来から用いられているマルチパック用の板紙
(坪量450g/m2)と、その他の通常の板紙(坪量
450g/m2)とを比引き裂き強度で比較すると、縦
(T)方向では各々14.4mN/(g/m2)と8.3m
N/(g/m2)であった。また、横(Y)方向は各々1
6.8mN/(g/m2)と9.3mN/(g/m2)であった。
一方、本発明のマルチパック用カートンブランク(マイ
クロフルート)を、表ライナー、中芯、裏ライナー共に
坪量80g/m2の晒クラフトにて貼合して製造したと
ころ、厚さは前述の単紙板紙とほぼ同じ0.6mmであ
り、総合坪量(中芯の坪量は段繰り率で除算した値に相
当し、糊の質量も含めた段ボール1m2当りの重量)は
310g/m2と軽量であるにも関わらず、比引き裂き
強度では、従来から用いられているマルチパック用板紙
以上の縦(T)29.1mN/(g/m2)、横(Y)2
6.4mN/(g/m2)の値であった(実施例参照)。
【0030】この本発明に関わるマイクロフル−トの各
構成原紙は、厚みが0.1mm程度であり、各構成紙個
別の比引き裂き強度はそれぞれ縦(T)で13mN/(g
/m2)程度であるが、段繰りしたうえ貼合する事によっ
て厚さが増し、貼合原紙としての比引き裂き強度が、上
記のように29.1mN/(g/m2)まで向上したものと
推定出される。
【0031】先に述べたように総合厚みを供給部の厚み
限度(約0.8〜1.0mm)以内とすることと、3乃
至2層の各原紙を要求機能に応じて選択することで、マ
ルチパックとしての必要強度を持ちながら印刷特性の優
れたマイクロフルート利用のマルチパック用カートンブ
ランクを生産することが可能となった。
【0032】このように段高0.5mm以下で300m
m当たり段山数を120個以上とすることにより、総合
厚みが1mm以下のマイクロフル−トが得られ、これを
マルチパック用原紙として利用することで、マルチパッ
ク用カートンブランクを単位面積(m2)換算では軽量化
することが可能となり、かつ原紙コストは大きなロット
であれば貼合加工賃を含めても、単紙板紙コストに比較
して同等もしくは軽減化が可能となる。
【0033】さらに各原紙が個別に保有している物性を
選択利用することにより、単紙では得ることが困難であ
ったマイクロフルートとしての防湿適正や耐水性、断
熱、保温性などを変えることが可能となる。例えば、請
求項2の発明のように表ライナーに耐水性もしくは耐油
性を有した原紙を採用することで、マイクロフルート全
体としての耐水、耐油性を持たせることが可能となる。
【0034】同様に請求項3の発明のようにラミネート
加工を表ライナー、中芯等にする事で、断熱、防湿機能
などをマルチパックカートンの原紙であるマイクロフル
ートに付与することが可能となる。
【0035】また、本発明において用いるマイクロフル
ートのマルチパック用カートンブランクは、JIS−P
8116(紙及び板紙の引き裂き強さ試験方法)に基づ
いて測定した比引き裂き強さが、20mN/(g/
2)以上であることが好ましい。この様な比引き裂き
強さを有することにより、マルチパックの持ち運び時に
要求される強度を、必要以上に坪量を大きくすることな
く満足することが可能である。
【0036】また、本発明において用いるマイクロフル
ートのマルチパック用カートンブランクは、JIS−P
8125(板紙のテーバーこわさ試験機によるこわさ試
験方法)に基づいて測定したテーバー剛度を坪量で除算
した比テーバー剛度が、0.2mNm/(g/m2)以
上であることが好ましい。この様な比テーバー剛度を有
することにより、マルチパックの持ち運び時に要求され
る強度と、マルチパック包装機における高速製缶適正
を、必要以上に坪量を大きくすることなく満足すること
が可能である。
【0037】上記のような本発明のマイクロフルートか
ら作られたカートンブランクを、これまでの単紙板紙の
代わりにマルチパック包装機に供給して、従来の単紙板
紙と同様のかぶせ方法でカートンをロック封緘させるこ
とが可能である。本発明のマイクロフルートから作られ
たカートンブランクは、マルチパック包装機において製
函適性等についても問題ない。また、マルチパック包装
機の機械仕様に合わせて各層の各原紙の選択が必要とな
ってくることはいうまでもない。
【0038】
【実施例】マルチパック用として検討開発した単紙板紙
に近い厚さと強度を持つ本発明のマイクロフルートから
なるカートンブランクは、マルチパック用として充分な
強度を有することを各種試験により確認した。今回開発
したマイクロフルートからなるカートンブランクと、従
来から用いられている一般的なマルチパック用の板紙等
の例を以下に示す。
【0039】<実施例1>マイクロフルートを構成する表
ライナー/中芯/裏ライナーとして各々、片艶晒クラフ
ト(坪量80g/m2)/晒クラフト(坪量80g/
2)/晒クラフト(坪量80g/m2)を選択しコルゲ
ータで貼合した。まず、中芯用の晒しクラフト80g/
2を先に記載した段高0.5mm、山数155個/
(300mm当り)の段ロールにて成型後、段頂部にコ
ーンスターチを主体とした公知の外装用段ボールに使用
する糊を転写し、裏ライナー用の晒しクラフト80g/
2と貼り合わせ、テイクアップコンベアーにてブリッ
ジ部に排出させた後、別途用意されたグルーユニットに
て段頂部にコーンスターチを主体とした公知の外装用段
ボールに使用する糊を転写後、表ライナー用の片艶晒し
クラフト80g/m2と貼り合わせた後、熱板ユニット
にて加熱乾燥してスリッター及びカッターにて長方形の
所定サイズに打ち抜いた。得られた段ボールの断面形状
を図3に示す。
【0040】この後でオフセット印刷の印刷機にて表ラ
イナー面に印刷後、別途用意された打ち抜き機にて所定
のマルチパック用カートンブランクサイズに打ち抜くと
同時に罫線処理を施した。尚、本例のように段ボールの
場合は、印刷をあらかじめ表ライナー面に巻取紙状態で
グラビア、フレキソ、オフセット輪転機などの方法にて
施すことも可能である。比較的大きなロットに適したプ
レプリント方式と呼ばれるこの方式においては、貼合後
は印刷工程を経ずしてシートカットした後、打ち抜き、
罫線処理がなされてマルチパック専用サイズに仕上げる
が、一般的な方法とは言えない。
【0041】上記方法により得られたマイクロフルート
をJIS−P8116(紙及び板紙の引き裂き強さ試験
方法)に基づいて比引き裂き強さを測定した。また、J
IS−P8125(板紙のテーバーこわさ試験機による
こわさ試験方法)に基づきテーバー剛度を測定しこれを
坪量で除算して比テーバー剛度を求めた。測定結果を表
2に示す。尚、坪量は得られたマイクロフルート1m2
当りの実坪量(中芯は段繰率で除算した坪量に相当し、
貼合用糊の質量も含む)を示し、他の例についても同様
とする。また、縦(T)は紙の抄紙方向に沿って引き裂
き、あるいは抄紙方向に直角に折り曲げる場合の比引き
裂き強さと比テーバー剛度の値を示し、横(Y)は、縦
(T)の測定方向に直角方向の測定値を示す。
【0042】上記方法にて成型された本発明のマルチパ
ック用カートンブランクは、貼合された状態では単紙板
紙と比較して各構成原紙は低坪量であるにも拘わらず、
輸入紙の通常のマルチパック原紙490g/m2(比較例
1)及び単紙コートボール450g/m2(比較例2)と比
較して比引き裂き強度と比テーバー剛度が高く、マルチ
パックカートンとしての強度が充分である。また、比テ
ーバー剛度が高いことは、マルチパック包装機での高速
成形性に適している。
【0043】<実施例2>マイクロフルートを構成する表
ライナー/中芯/裏ライナーとして各々、晒クラフト
(坪量140g/m2)/JIS P3904で規定され
る外装段ボール用中芯原紙(坪量115g/m2)/ジュ
ートライナー(坪量125g/m2)を採用し、実施例1
と同様の手順にて3層構造の段ボールを製造した。更
に、実施例1と同様の方法により、得られた段ボール
(マイクロフルート)の比引き裂き強さと比テーバー剛度
を求め、結果を表2に示した。
【0044】この段ボールの表ライナーは実施例1と比
較して米坪が高く、単紙の剛度、表面性が良好であるた
めにオフセット印刷適性により優れていることが確認さ
れた。これは印刷表面の仕上がりを比較すると実施例2
の方が実施例1よりもインキの乗りが良く、段頂部の段
ボール独特の筋目が見えないことから判定できる。比引
き裂き強度、比テーバ剛度は輸入マルチパック原紙49
0g/m2(比較例1)及び単紙コートボール450g/
2(比較例2)と比較して十分な強度であり、表面の印
刷適性の面からビール等の12缶マルチパック包装用途
により適切であると判断した。
【0045】<比較例1>比較として、マルチパック用に
従来から使用されている輸入紙の単紙板紙(坪量490
g/m2)の比引き裂き強さと比テーバー剛度を、実施例
1と同様にして求め、結果を表2に示した。この紙は通
常使用されているマルチパック用の専用指定紙であり、
米坪が高く、単紙の引き裂き強度、剛度、表面性が良好
であるために貼合後のオフセット印刷適性により優れて
いることが確認されている。また、マルチパック包装機
適性も当然問題ない。
【0046】<比較例2>次に、一般紙器カートンに使用
されているコートボール(坪量450g/m2)の比引
き裂き強さと比テーバー剛度を実施例1と同様にして求
め、結果を表2に示した。この紙は単紙の剛度、表面性
が良好であるためにオフセット印刷適性には優れている
ことが確認されているが、引き裂き強度は比較例1に及
ばない。マルチパック包装機適性も底部でのロック封緘
強度が弱く、缶ビールなどの重量物を対象とするには強
度不足である。小型・軽量物への適用は可能性があるが
汎用性に乏しい。
【0047】<比較例3>次ぎに、一般的にマイクロフル
ートの中芯用に使用されている晒しクラフト(坪量80
g/m2)の比引き裂き強さと比テーバー剛度を実施例
1と同様にして求め、結果を表2に示した。当然である
がこの原紙単体ではマルチパックカートンとして使用は
無理である。マイクロフルートの中芯用としては割れの
無い段成形が可能であり、マイクロフルートの部材とし
ては良好に使用出来る。古紙の配合率を変えた多種の原
紙が中芯用に採用可能である。
【0048】
【表2】
【0049】表2より、本発明に関わる実施例1と実施
例2のカートンブランクは、上述した通り低坪量で、厚
みが薄いにも拘わらず、従来から使用されているマルチ
パック用カートンブランクより強度があり、マルチパッ
ク用カートンブランクとして優れていると言える。
【0050】
【発明の効果】本発明に関わるマイクロフルートを用い
たマルチパックカートンブランク原紙は、単紙で使用さ
れてきた従来のマルチパック原紙と比較して、低坪量で
厚さが薄いにも拘わらず強度があり、更に貼合後のオフ
セット印刷とグラビア印刷適正に優れているためマルチ
パック用として充分な機能を有している。また、このマ
イクロフルート各層に使用される各原紙は、単体では比
較的強度が低くても段ボールの構造とすることで、全体
の強度と単位坪量当りの強度が向上するので、古紙の使
用比率を高めた国産原紙の利用が可能となり、同時に森
林資源の節約が可能となる。更に、軽量化によりマルチ
パック包装体の持ち運びも容易になる。また、国内で生
産が容易なマイクロフルートを使用するので、原紙の安
定供給を図ることが出来ると共に、購入単価も安価に抑
えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】マルチパックカートンの例を示す図。
【図2】マルチパック包装工程の概要を示す図。
【図3】実施例1、実施例2のマイクロフルート(Gフ
ルート)の形状を示す図。
【符号の説明】
1.マルチパックカートン 2.正立した複数の容器 3.マルチパックカートンの上部に設けられた取っ手用
の穴 4.マルチパック用カートンブランク
フロントページの続き (72)発明者 田口 亘宏 東京都中央区銀座4丁目7番5号 王子製 紙株式会社内 Fターム(参考) 3E067 AA03 AA21 AB26 AC03 AC12 BA04B BA20C BB02C BB11B BB16C BB25C CA07 DA08 EA22 EB01 FA04 FA06 FC01 FC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の缶、瓶等の容器をマルチパック包
    装機内で包み込んで予め付与された罫線に沿って折り曲
    げ成形して、底部もしくは天部にてロック封緘して包装
    するマルチパックカートンに用いるカートンブランクで
    あって、 段の山数が300mm当り120以上であり、段高さが
    0.5mm以下である片面段ボールまたは両面段ボール
    を所定サイズに打ち抜いて成形されていることを特徴と
    するカートンブランク。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記段ボールの表ライナー原
    紙に、耐水性もしくは耐油性を有する原紙を使用したこ
    とを特徴とする請求項1に記載のカートンブランク。
  3. 【請求項3】 少なくとも前記段ボールの中芯原紙また
    は表ライナー原紙の片面に、ポリエチレン、ポリプロピ
    レン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性合成樹
    脂を押し出しラミネートしたことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のカートンブランク。
  4. 【請求項4】 JIS−P8116(紙及び板紙の引き
    裂き強さ試験方法)に基づいて測定した前記段ボールの
    比引き裂き強さが、20mN/(g/m2)以上である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    のカートンブランク。
  5. 【請求項5】 JIS−P8125(板紙のテーバーこ
    わさ試験機によるこわさ試験方法)に基づいて測定した
    前記段ボールのテーバー剛度を坪量で除算した比テーバ
    ー剛度が、0.2mNm/(g/m2)以上であること
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のカ
    ートンブランク。
  6. 【請求項6】 複数の缶、瓶等の容器をマルチパック包
    装機内で包み込んで予め付与された罫線に沿って折り曲
    げ成形して、底部もしくは天部にてロック封緘して包装
    したマルチパックカートンであって、 請求項1〜請求項5のいずれかのカートンブランクを用
    いて成形されていることを特徴とするマルチパックカー
    トン。
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