JP2001143672A - 電池と保護回路基板の一体化構造物、およびそれに用いる保護回路基板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用する部品点数が少なく、設計自由度も大
きい、電池と保護回路基板の一体化構造物を提供する。 【解決手段】 電池の長手方向における反対側表面にそ
れぞれ負極端子２ａと正極端子２ｂが設けられている電
池１と、その電池に接続された保護回路基板８とから成
る、電池と保護回路基板の一体化構造物において、保護
回路基板は、金属箔の回路パターンを樹脂被覆して成
り、かつ、その両側からは長さの異なる２本の狭幅配線
部８ａ，８ｂが延出している可撓性回路基板８と、その
可撓性回路基板８に表面実装された保護回路部品５とで
形成されており、狭幅配線部８ａ，８ｂが、それぞれ、
電池の負極端子２ａと正極端子２ｂに接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は電池と保護回路基板
の一体化構造物、およびそれに用いる保護回路基板に関
し、更に詳しくは、保護筐体に収容して市販の電池とし
て組み立てるに先立ち、当該保護筐体に収容する電池と
保護回路基板の一体化構造物、および保護回路基板に関
する。

【０００２】

【従来の技術】例えば携帯電話の電源として使用されて
いる角形Ｌｉイオン二次電池は、その長手方向の寸法が
３５〜７５mm，幅方向の寸法が２０〜４０mm，厚みが４
〜２０mm程度の直方体形状をしていて、その長手方向に
おいて互いに反対側に位置する表面に正極端子と負極端
子が設けられている。

【０００３】そして実使用に際しては、この角形Ｌｉイ
オン電池を例えばプラスチック製や金属製の保護筐体に
収容して外力による破損事故を防止するための処置が採
られている。その場合、保護筐体への収容に先立ち、実
使用時における電池温度のモニタや充放電電流の制御を
行って電池を保護するために、所定の保護回路部品が表
面実装されている保護回路基板を当該電池に接続して電
池と保護回路基板の一体化構造物が組み立てられる。そ
して、その一体化構造物を保護筐体に収容して市販電池
として出荷されていく。

【０００４】ここで、従来の一体化構造物の組立につい
て図面に則して説明する。まず、長手方向における互い
に反対側に位置する表面に負極端子２ａおよび正極端子
２ｂが設けられている例えば角形Ｌｉイオン二次電池の
ような角形電池１と、負極リード部４ａおよび正極リー
ド部４ｂが形成され、またリジッドな回路基板に所定の
保護回路部品５が表面実装されている保護回路基板３と
を用意し、保護回路基板３を角形電池１の一方の端面１
ａ側に配置する（図６）。

【０００５】また、別工程で製造され、通常、Ｎｉ製で
ある２枚のリード片６ａ，６ｂを用意する。これら２枚
のリード片のうち、短尺のリード片６ａは電池の負極端
子２ａと保護回路基板の負極リード部４ａを接続するた
めのものであり、長尺のリード片６ｂは電池の正極端子
２ｂと保護回路基板の正極リード部４ｂを接続するため
のもである。

【０００６】リード片６ａを図６で示したように折り曲
げ、その一端と他端を負極端子２ａと負極リード部４ａ
にそれぞれ接触させたのちスポット溶接を行い、リード
片６ａを介して負極端子２ａと負極リード部４ａを電気
的に接続する。また、リード片６ｂを図６で示したよう
に折り曲げ、その一端と他端を正極端子２ｂと正極リー
ド部４ｂにそれぞれ接触させたのちスポット溶接を行
い、リード片６ｂを介して正極端子２Ｂと正極リード部
４ｂを電気的に接続する。

【０００７】その結果、図７で示したように、角形電池
１と保護回路基板３がリード片６ａ，６ｂで接続されて
一体化した一体化構造物Ａが組み立てられる。そして、
この一体化構造物Ａでは、正極端子２ｂと正極リード部
４ｂを接続する長尺のリード片６ｂは、角形電池１の底
面の長手方向に沿って配置されている。この一体化構造
物Ａは、図７の仮想線で示した上ケース７ａと下ケース
７ｂから成る保護筐体７の中に収容される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、図６と図７
で示した従来の一体化構造物Ａの組立に関しては次のよ
うな問題がある。この一体化構造物Ａの場合、保護回路
基板３とリード片６ａ，６ｂはそれぞれ別体であり、ま
たその組み立てに際しては長さが異なるリード片を別々
に２本用意しなければならず、しかもそれを所定寸法に
折り曲げておかなければならないということである。

【０００９】そのため、仮に組み立て対象である角形電
池の寸法形状（長さ）が異なる場合には、当該角形電池
の長さに適応した長さの各種のリード片、とりわけ長尺
リード片６ｂを用意することが必要になる。すなわち、
組立に際して用意すべき部品点数は増加することにな
る。また、一体化構造物Ａの場合、スポット溶接箇所は
全体で少なくとも４箇所であり、しかもそれらの箇所は
互いに独立しているので、ある箇所を位置合わせしてそ
こをスポット溶接し、ついで別の箇所をスポット溶接す
る場合には、再び当該箇所の位置合わせすることが必要
となり、スポット溶接に要する作業工数は多くなる。

【００１０】このように、従来の一体化構造物Ａは、組
立に要する部品点数が多く、また作業工数も多いので、
結局、製造コストが嵩むという問題がある。本発明は、
従来の一体化構造物Ａにおける上記した問題を解決し、
組立に要する部品点数と作業工数を少なくすることがで
き、しかも用いる部品の共通化も可能であり、もって従
来に比べて安価に組み立てることができる電池と保護回
路基板の一体化構造物、およびそれに用いる保護回路基
板の提供を目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、電池の表面にそれぞれ正極
端子と負極端子が設けられている電池と、前記電池に接
続された保護回路基板とから成る、電池と保護回路基板
の一体化構造物において、前記保護回路基板は、金属箔
の回路パターンを樹脂被覆して成り、かつ、その両側か
らは２本の狭幅配線部が延出している可撓性回路基板
と、前記可撓性回路基板に表面実装された保護回路部品
とで形成されており、前記狭幅配線部が、それぞれ、前
記電池の正極端子と負極端子に接続されていることを特
徴とする、電池と保護回路基板の一体化構造物が提供さ
れる。

【００１２】また、本発明においては、可撓性回路基板
に電池用の保護回路部品が表面実装され、前記可撓性回
路基板の一部は、両側方向にのびる狭幅で細長い２本の
配線部になっていることを特徴とする電池用の保護回路
基板が提供される。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の一体化構造物の組み立て
に用いる保護回路基板の１例を図１に示す。この保護回
路基板は、後述する可撓性回路基板８と、この基板８の
中央部８ｃに表面実装された所定の保護回路部品５とか
ら成る。そして、上記可撓性回路基板８の両側からは、
長さが異なる２本の狭幅配線部８ａ，８ｂが、接続すべ
き角形電池１の長手方向に延出している。これら狭幅配
線部のうち、短尺の狭幅配線部８ａは角形電池１の負極
端子２ａと接続されて回路基板８の一方の導通経路とな
り、また長尺の狭幅配線部８ｂは角形電池１の正極端子
２ｂと接続されて回路基板８の他方の導通経路となる。

【００１４】ここで、可撓性回路基板８は、図１のII−
II線に沿う断面図である図２に示したように、Ｃｕ箔を
好適例とする薄い金属箔から成る所定の回路パターン８
Ａとその両面を被覆する樹脂薄層８Ｂとから成り、屈曲
性に富む、いわゆるフレキシブル配線板と指称されるも
のである。そして、中央部８ｃの金属箔８Ａはそこに実
装された回路部品５が所定の機能を発揮するような回路
パターンになっており、また狭幅配線部８ａ，８ｂにお
ける金属箔は、それぞれが角形電池１の負極端子２ａと
正極端子２ｂに接続されたときに導通経路として機能す
るパターンになっている。

【００１５】狭幅配線部と電池の正・負極端子との接続
は次のようにして行われる。それを、電池の正極端子２
ｂと長尺の狭幅配線部８ｂと正極端子２ｂの場合につい
て説明する。まず、狭幅配線部８ｂの先端部の片面にお
ける樹脂薄層８Ｂを長手方向にある長さだけ部分的に除
去して、例えば図３で示したように、所定の間隔で配列
する例えば四角形の開口を形成し、そこから金属箔８Ａ
を表出させる。そして、この表出金属箔の部分と例えば
Ｎｉリード片９を重ね合わせたのち両者をはんだ付けし
て一体化する。このとき、リード片９としては、表出金
属箔への上記はんだ付け箇所と電池の正極端子２ｂとを
連結可能な長さを有する単純な板状のものであればよ
く、従来のリード片のように折り曲げ加工は必要としな
い。また、このリード片９は、図３で示したように、そ
の長手方向を狭幅配線部８ｂの長手方向と直行するよう
に配置され、そして、狭幅配線部８ｂにおける４箇所の
開口で金属箔８Ａとはんだ付けされていることが好まし
い。金属箔との接合強度が適正に確保されるからであ
る。

【００１６】ついで、図４で示したように、狭幅配線部
８ｂを電池１の他端１ｂの位置で折り曲げて、はんだ付
けされたＮｉリード片９と正極端子２ｂを重ね合わせた
のちスポット溶接を行う。その結果、Ｎｉリード片９と
正極端子２ｂが一体化してここに回路基板８と電池１の
接続が実現し、目的とする一体化構造物が得られる。な
お、保護回路基板８としては図５で示したような形状の
ものを用いることもできる。

【００１７】すなわち、狭幅配線部８ａと中央部８ｃと
狭幅配線部８ｂが直線上に連なっている可撓性回路基板
の前記狭幅配線部８ａ，８ｂを折り曲げたものである。
そして、中央部８ｃに保護回路部品を表面実装して保護
回路基板８を電池１の上端面１ａの上に配置し、短尺の
狭幅配線部８ａを前記した方法で負極端子２ａに接続
し、長尺の狭幅配線部８ｂを電池１の側面に沿わせて正
極端子２ｂに接続することにより、本発明の一体化構造
物が組み立てられる。

【００１８】

【発明の効果】本発明の一体化構造物は次のような効果
を奏する。 （１）まず、一体化構造物を組み立てるに際し、従来の
ように別体の２本のリード片、しかも所定形状に折り曲
げ加工したリード片を必要としない。本発明の一体化構
造物において、従来のリード片に相当するものは、可撓
性回路基板の両側に形成した狭幅配線部である。したが
って、組み立て対象の角形電池の長さが変化した場合で
あっても、この狭幅配線部を適当に切断して対応するこ
とができるので一体化構造物の組み立てに関する設計自
由度は大きい。

【００１９】なお、狭幅配線部と正・負極端子の接続に
際しては、図３で示したようなＮｉリード片９を介装し
ているが、このＮｉリード片は単純な板状のものであ
り、従来のような折り曲げ加工したものではないので製
造は極めて簡単である。このようなことから、本発明の
一体化構造物は、従来のそれに比べて必要とする部品点
数が少なく、また、スポット溶接に代表される作業工程
数は従来に比べて減少するので、その製造コストは低減
する。

【００２０】（２）また、樹脂被覆した可撓性回路基板
を用いているので、例えば、電池の底面を這う長尺な狭
幅配線部と当該電池との絶縁も充分に確保される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一体化構造物を示す分解斜視図であ
る。

【図２】図１のII−II線に沿う断面図である。

【図３】長尺な狭幅配線部にＮｉリード片を配置する状
態を示す斜視図である。

【図４】図３のＮｉリード片を電池の正極端子に配置す
る状態を示す斜視図である。

【図５】本発明の別の保護回路基板を示す斜視図であ
る。

【図６】従来の一体化構造物を示す分解斜視図である。

【図７】従来の一体化構造物Ａを示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 角形電池 １ａ，１ｂ 角形電池１の端面 ２ａ 負極端子 ２ｂ 正極端子 ３ 保護回路基板 ４ａ 保護回路基板３の負極リード部 ４ｂ 保護回路基板３の正極リード部 ５ 保護回路部品 ６ａ，６ｂ リード片 ７ａ 上ケース ７ｂ 下ケース ８ 可撓性回路基板 ８ａ 短尺の狭幅配線部 ８ｂ 長尺の狭幅配線部 ８ｃ 可撓性回路基板８の中央部 ８Ａ 金属箔 ８Ｂ 樹脂薄層 ９ Ｎｉリード片

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成田 司 東京都品川区南品川３丁目４番10号 東芝 電池株式会社内 Ｆターム(参考） 5H020 AA01 AA06 AS06 DD06 DD13 DD20 5H030 AS06 BB21

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電池の表面にそれぞれ正極端子と負極端
   子が設けられている電池と、前記電池に接続された保護
   回路基板とから成る、電池と保護回路基板の一体化構造
   物において、 前記保護回路基板は、金属箔の回路パターンを樹脂被覆
   して成り、かつ、その両側からは２本の狭幅配線部が延
   出している可撓性回路基板と、前記可撓性回路基板に表
   面実装された保護回路部品とで形成されており、 前記狭幅配線部が、それぞれ、前記電池の正極端子と負
   極端子に接続されていることを特徴とする、電池と保護
   回路基板の一体化構造物。
2. 【請求項２】 可撓性回路基板に電池用の保護回路部品
   が表面実装され、前記可撓性回路基板の一部は、両側方
   向にのびる狭幅で細長い２本の配線部になっていること
   を特徴とする電池用の保護回路基板。