JP2001141107A - バルブポジショナ - Google Patents

バルブポジショナ

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JP2001141107A
JP2001141107A JP32804399A JP32804399A JP2001141107A JP 2001141107 A JP2001141107 A JP 2001141107A JP 32804399 A JP32804399 A JP 32804399A JP 32804399 A JP32804399 A JP 32804399A JP 2001141107 A JP2001141107 A JP 2001141107A
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control signal
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Akira Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電空変換機構による調整弁を制御するバルブ
ポジショナにおいて、変換機構特有のヒステリシスを減
少させる方式を提供する。 【解決手段】 調整弁の弁開度の目標値を設定する入力
信号SPを受信する受信手段と、前記弁開度を検出する
位置センサ手段と、前記位置センサ手段で作成された弁
開度信号PVと前記入力信号SPとの偏差に基づいて弁
開度位置を制御する制御信号MVを演算出力する制御演
算手段と、前記制御信号MVに基づいて前記調整弁の駆
動信号を送出する変換手段とからなるバルブポジショナ
であって、前記制御演算手段は、前記弁開度信号PVと
前記目標値との間に一定値以上の偏差が生じた際に、前
記制御信号MVの履歴にかかわらず、前記制御信号MV
の最終目標値で整定する方向が常に同一方向になるよう
なヒステリシス除去信号を前記制御信号MVに重畳する
ことを特徴とするバルブポジショナ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルブポジショナ
に関し、特に、バルブポジショナの信号変換部に特有な
ヒステリシスを除去するように改善するものである。
【0002】
【従来の技術】従来における、調整弁の弁開度を所定の
信号に応じた値に制御するバルブポジショナにおいて、
調整弁を制御するアルゴリズムの開発はその製品の性能
を決めることになるので極めて重要である。
【0003】以前にあっては、バルブポジショナは機械
式のものが多いため、制御アルゴリズムはその機械機構
によって決まり、圧倒的にP(比例)制御が多かった。
逆に、P制御以外のアルゴリズムは、機械機構では実現
できなかった。
【0004】しかし、近年では、電子式のバルブポジシ
ョナが開発され、更には、CPU等の演算機能をバルブ
ポジショナに搭載するようになった。このような演算機
能を持つことにより、制御アルゴリズムをソフトウェア
で実現できるため、ほぼ全ての方式の制御演算が可能に
なってきた。制御アルゴリズムは、P(Proport
ion;比例)制御からPID(Proportion
IntegrateDifferential;比
例、積分、微分)制御に発達してきた。この結果、調整
弁の制御性は格段に向上した。その一方、技術革新が進
めば、市場の要求も更に厳しくなるのは当然であって、
現在では、更に優れた制御性を持つポジショナが求めら
れている。このような背景により、各ポジショナ・ベン
ダーでは、調整弁の制御アルゴリズムの開発が活発に進
められている。採用されているアルゴリズムは、PID
制御アルゴリズムが最もポピュラーであるが、このPI
D制御アルゴリズムだけでは調整弁が持っている非線形
性を十分吸収することができないため、PID制御に種
々の機能を付加することにより、調整弁の制御性を向上
させようとしている。
【0005】このようなPID動作機能を有するバルブ
ポジショナは、図6に示すように、電気的な信号に基づ
いて空気流量を制御してバルブをコントロールする電空
ポジショナであり、調整弁12の弁開度目標値を設定す
る入力信号SPを入力し、かつこの入力信号SPと調整
弁12の弁開度のフィードバック信号である弁開度信号
PVに基づいて制御信号MVを演算出力する制御演算部
11と、この制御演算部11からの制御信号MVに基づ
いて空気圧を制御するI/Pモジュール13と、I/P
モジュール13の信号により調整弁12に供給する空気
流量を制御するパイロット・リレー14と、パイロット
・リレー14からの空気流量によりステムを変位させて
流体を制御する調整弁12と、調整弁12のステム変位
を検出する弁開度位置センサ15とから構成される。こ
のうち、I/Pモジュール13とパイロット・リレー1
4とで電空変換部16を構成する。
【0006】このような構成からなるバルブポジショナ
の最も一般的なディジタルPID制御の演算アルゴリズ
ムは下記の式のようになる。
【0007】 P(n)=SP(n)−PV(n) I(n)=Δt/Ti*P(n)+I(n−1) D(n)=Td/(Δt+I/γ*Td)*(P(n−1)−P(n) +1/γ*D(n−1) MV(n)=Kp*(P(n)+I(n)+D(n)) ここで、SP;目標値(入力信号),PV(n);弁開
度信号(調整弁のフィードバック信号),P(n);比
例器,I(n);積分器,D(n);微分器,MV
(n);制御信号,Δt;制御周期,Ti;積分時間,
Td;微分時間,γ;微分ゲイン,Kp;比例ゲインで
ある
【0008】このようなPID制御アルゴリズムは、図
7のブロック図で示すことができ、バルブポジショナの
PID制御アルゴリズムの動作は、比例器(P)、積分
器(I)、微分器(D)から構成され、制御信号MVは
P,I,Dの値を加算した値に、比例ゲインKpを乗算
して得られる。
【0009】比例器(P)は、バルブポジショナの入力
信号SPと、調整弁12の弁開度を弁開度位置センサ1
5で検出してA/D変換器でディジタル値に変換した弁
開度信号PVの値との差、即ち、偏差値で表す。
【0010】積分器(I)は、積分時間Tiで設定され
るパラメータで決まる値で偏差値を積分するものであ
る。
【0011】微分器(D)は、微分時間Td、微分ゲイ
ンγで設定されるパラメータで決まる値で偏差値を微分
するものである。最終的な、制御信号MVは、比例器
(P)、積分器(I)、微分器(D)の値を加算したも
のに対し、比例ゲインKpを乗算した値で算出する。
【0012】図6に戻り、ここに示す制御演算部11
は、弁開度信号PVを入力信号SPに高速かつ正確にト
ラッキングさせるため、上述のような演算を行って制御
信号MVを求めている。例えば、入力信号SPと弁開度
信号PVとに差がある場合は、制御演算部11は弁開度
信号PVと入力信号SPを近づける方向に制御信号MV
の値を変化する。また、入力信号SPと弁開度信号PV
に差がない場合は、制御信号MVの値は変化しない。
【0013】このようなPID制御アルゴリズムは、単
純であるため、本質的に優れているが、制御対象に非線
形性が存在する場合、制御性が著しく悪化する場合があ
る。ここで、制御演算部11によって制御対象となるも
のは、制御信号MVの値が供給される電空変換部16か
ら調整弁12までを指す。
【0014】次に、具体的な制御対象で発生する非線形
性現象について説明する。図6に示すような調整弁12
とバルブポジショナの閉じたループにあって、制御演算
部11から調整弁12の間にはさまざまな信号変換機構
部分が存在し、これらの変換機構の入出力特性にはヒス
テリシス特性が存在する。ここでは、特に、制御演算部
11で演算した制御信号MVをD/A変換した信号を受
け、空気信号に変換するI/Pモジュール13のヒステ
リシス特性を対象とする。I/Pモジュール13は、通
常、ノズル−フラッパ機構でノズル背圧を空気信号とし
て出力し、ノズル−フラッパの位置関係を変化させる駆
動部には電磁アクチュエータが使用される。電磁アクチ
ュエータは、流れる電流に比例した電磁力を発生し、そ
の電磁力でフラッパを駆動するものである。ここで、電
磁アクチュエータが発生する電磁力には、電磁アクチュ
エータの磁性材が有するB−Hカーブにより引き起こさ
れるヒステリシスが存在し、このヒステリシス幅は、電
磁アクチュエータに入力される電流信号の履歴に大きく
依存する。つまり、I/Pモジュール13に入力される
電流信号の基礎となる制御信号MVと、I/Pモジュー
ル13の出力信号であるノズル背圧との関係にあって、
制御信号MVの履歴に大きく依存したヒステリシスが存
在する。
【0015】図8は制御信号MVによる入力電流とノズ
ル背圧との関係において発生するヒステリシスを示した
ものであり、バルブポジショナの性質から供給される電
気的なパワーは少ないので、電空変換機構は小さい信号
で大きな空気圧の変化、つまり高変換ゲインが求められ
る。また、耐環境性、耐外乱性、更に電空変換機構の出
力を受けて空気流量の振幅を行うパイロット・リレーの
流量ゲインを確保するための操作マージン等を考慮する
と、実際の制御限界スパンに対して、静的な動作スパン
は非常に小さく設計されている。
【0016】このようなゲイン配分になっているため、
静的スパンに対して、フラッパの変化は非常に少ない。
ポジショナに10〜90%応答など大きなステップ変化
が与えられた場合は、制御信号MVは一旦飽和した後、
静的スパンのどこかでバランスするので、電磁アクチュ
エータが持つB−Hカーブのヒステリシスは、制御信号
MVが最大に変化した場合、静的スパンに対し数100
%相対的に大きくなる。つまり、制御信号MVの値とノ
ズル背圧間に発生するヒステリシスは、静的な制御信号
MVのスパンに対して数100%相対的に大きくなる。
【0017】
【発明が解決するための課題】しかしながら、電空変換
機構を使用した場合、電空変換機構で生じるヒステリシ
スは、調整弁の弁開度制御において、制御ループのルー
プゲイン分の1となり、定常偏差として現れる。例え
ば、ループゲインが100倍であったしても、その定常
偏差の値は、最大数パーセントとして現れる。この偏差
を除去するには、PID制御機能を有する制御演算部の
積分器で補償するしかない。定常偏差を補償し、ステム
を目標値まで素早く持っていくには、積分時間を短くす
ればよいが、通常積分器の積分時間は系の安定性を考慮
すると極端に短くできないので、積分器でヒステリシス
を戻す間は、調整弁のステムはゆっくりと目標値に近づ
き整定性が悪くなるという問題がある。また、ステップ
応答等で行き過ぎが生じると制御演算部はこれを戻そう
とするための制御演算を行うが、ここでもヒステリシス
が生じ、戻すためには長い時間が必要となる。また、ヒ
ステリシスが大きくかつ遅れ時間が長い系になると最悪
の場合行き過ぎを戻す際に、更に逆方向に行き過ぎが生
じ、これを繰り返す発振現象を起こす場合がある。この
現象を従来のPIDで解決するには、比例ゲインを極端
に下げ、積分時間を極端に長く設定するしかなく、この
調整は調整弁の応答特性を著しく悪化させるという問題
もある。
【0018】従って、制御対象が持つヒステリシス、例
えば、I/Pモジュールが持つ、磁性材のB−Hカーブ
等のヒステリシスを低減する機能を制御演算部に適宜加
えることができる点に課題を有するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、次の通りである。 (1)調整弁の弁開度の目標値を設定する入力信号SP
を受信する受信手段と、前記弁開度を検出する位置セン
サ手段と、前記位置センサ手段で作成された弁開度信号
PVと前記入力信号SPとの偏差に基づいて弁開度位置
を制御する制御信号MVを演算出力する制御演算手段
と、前記制御信号MVに基づいて前記調整弁の駆動信号
を送出する変換手段とからなるバルブポジショナであっ
て、前記制御演算手段は、前記弁開度信号PVと前記目
標値との間に一定値以上の偏差が生じた際に、前記制御
信号MVの履歴にかかわらず、前記制御信号MVの最終
目標値で整定する方向が常に同一方向になるようなヒス
テリシス除去信号を前記制御信号MVに重畳することを
特徴とするバルブポジショナ。 (2)調整弁の弁開度の目標値を設定する入力信号SP
を受信する受信手段と、前記弁開度を検出する位置セン
サ手段と、前記位置センサ手段で作成された弁開度信号
PVと前記入力信号SPとの偏差に基づいて弁開度位置
を制御する制御信号MVを演算出力する制御演算手段
と、前記制御信号MVに基づいて前記調整弁の駆動信号
を送出する変換手段とからなるバルブポジショナであっ
て、前記入力信号SPの変化を検出してこの変化検出の
時点から前記制御信号MVの履歴を観測してヒステリシ
ス除去信号を演算し、前記入力信号SPと前記弁開度と
の偏差に基づいて前記ヒステリシス信号を前記制御信号
MVに重畳するか否かを判定する判断手段を有すること
を特徴とするバルブポジショナ。 (3)前記ヒステリシス除去信号は、前記調整弁の動作
に影響しない程度の短いパルス信号であることを特徴と
する(1)または(2)記載のバルブポジショナ。 (4)調整弁の弁開度の目標値を設定する入力信号SP
を受信する受信手段と、前記弁開度を検出する位置セン
サ手段と、前記位置センサ手段で作成された弁開度信号
PVと前記入力信号SPとの偏差に基づいて弁開度位置
を制御する制御信号MVを演算出力する制御演算手段
と、前記制御信号MVに基づいて前記調整弁の駆動信号
を送出する変換手段とからなるバルブポジショナであっ
て、前記制御演算手段は、前記入力信号SPと前記弁開
度信号PVとの偏差に基づいて高次演算した信号を前記
制御信号MVに加算することを特徴とするバルブポジシ
ョナ。 (5)前記高次演算した信号は、前記偏差の値をn次乗
算(nは整数)することにより求めた値であることを特
徴とする(4)記載のバルブポジショナ。
【0020】このように、制御対象特有のヒステリシス
を考慮し、このヒステリシスを低減する一定の操作量を
予め演算しておき、弁開度信号PVと目標値または入力
信号SPとの偏差に基づいて、予め演算しておいた操作
量を、制御信号MVに重畳させるようにしたことによ
り、ヒステリシスの削減又は縮小させることが可能にな
る。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるバルブポジ
ショナの実施例について図面を参照して説明する。尚、
従来技術で説明したものと同じものには、同一符号を付
けて説明する。
【0022】本発明に係る第1の実施例であるバルブポ
ジショナは、基本的には図6で説明した構成と同じであ
り、その調整弁特有のヒステリシスを低減する方式に特
徴を有するものである。従って、従来技術で説明した図
6及び図7はそのまま引用する。
【0023】電空変換部(電空変換手段)16における
I/Pモジュール13のヒステリシスは、図1に示すよ
うに、制御信号MVの履歴に対してノズル背圧への影響
が大きい、磁性材のB−Hカーブによるヒステリシスで
ある。このヒステリシスは、初期値(A点)から電磁ア
クチュエータに与える電流を飽和させ、初期値と同じノ
ズル背圧に戻す場合、入力される電流の変化量に応じる
ものである。その後、逆側に電流を飽和させ、初期値と
同じノズル背圧に戻す場合、初期値の電流に戻る。この
ように、磁性材のB−Hカーブの特性は、制御信号MV
の履歴が大きな影響を及ぼす。
【0024】このように、制御信号MVがD/A変換さ
れた信号である入力電流信号変化の履歴でヒステリシス
が生じるので、ステップ応答などで、電流が大きく変化
した場合、ステムが整定する前に、空気圧が影響しない
程の短い電流変化を、逆側に適切な量だけ入力させるこ
とにより、電磁アクチュエータの磁気回路は、常に、同
じ履歴を通って出力信号を整定させることができるの
で、ヒステリシスの発生を大幅に低減することができ
る。
【0025】つまり、図2に示すように、ステップ応答
等で入力信号SPの値が排気側に変化した場合、制御信
号MVの初期値はA点であるが、ステップ入力直後は、
入力信号SPと弁開度信号PVの偏差が大きいので、制
御演算部11はバルブから空気を排気する方向B点に向
かって制御信号MVを大きく変化させる。制御信号MV
の変化に伴い、弁開度信号PVは入力信号SPに近づく
ので、偏差は減少し、この偏差に比例して制御信号MV
はC点に近づく。ここで、制御信号MVがC点で整定す
る前に、給気側に出力圧が変化しない程度の短い周期の
パルス信号(ヒステリシス除去信号)をD点にて制御信
号MVに重畳させ、制御信号をA点付近に整定させるこ
とにより、ヒステリシスを減少させることができる。給
気側のステップ入力が与えられた場合、制御信号MVは
D点に変化し、A点付近に戻ってくるので問題はない。
このように、排気側に制御信号MVが変化したとき、制
御信号MVにヒステリシス除去信号を給気側に与えるこ
とにより、常に同じ方向から制御信号MVは整正するの
で、ヒステリシスを減少させることができる。
【0026】図3(A),(B),(C)は、入力信号
SPと弁開度信号PVの推移、偏差の推移、制御信号M
Vに重畳させるヒステリシス除去信号HRを示す図であ
る。入力信号SPが変化して、偏差が設定値を超えた場
合(図の下方向に偏差が変化した場合)、制御信号MV
の履歴を観測し、弁開度信号PVが入力信号SPに近づ
き、偏差が設定値よりも小さくなったとき、観測した制
御信号MVの履歴からヒステリシス除去信号HRを計算
し、制御信号MVに重畳させる。これにより、応答特性
には影響を与えず、I/Pモジュール13のヒステリシ
スのみを除去することができる。
【0027】このように偏差値に基づいたヒステリシス
だけを除去する手法について図3を参照し、図4に示す
フローチャートを参照して以下、更に詳細に説明する。
【0028】まず、制御演算部11の制御演算におい
て、入力値の変化が排気方向であるかどうかを検出す
る。入力値の変化が排気方向の場合は入力値の変化幅が
設定値よりも大きいか否かを検出する(ステップST1
00,ST110)。
【0029】入力値の変化幅が設定値よりも大きい場合
には、フラグをセットしヒステリシス除去信号HRの演
算をする(ステップST120,ST130)。偏差が
設定値よりも小さい場合には、演算したヒステリシス除
去信号HRを出力しフラグをリセットする(ステップS
T140,ST150)。
【0030】ステップST110に戻って、入力値の変
化が排気方向でない場合には、フラグがセットされてい
て、偏差が設定値よりも小さい場合には演算したヒステ
リシス除去信号HRを出力してフラグをリセットする
(ステップST160,ST140,ST150)。
【0031】このようにして、入力信号SPと弁開度信
号PVを利用してヒステリシスを少なくする方向に制御
することができる。
【0032】次に、本発明の第2の実施例について、図
5を参照して説明する。
【0033】第2の実施例は、弁開度信号PVと入力信
号SPとの偏差に基づいて高次の演算手段により得られ
た信号を制御信号MVに供給するようにしたことであ
る。
【0034】上述した第1の実施例であるバルブポジシ
ョナと同様に、調整弁の空気アクチュエータの容量が大
きく、かつヒステリシスが大きい場合、系を安定させる
ために、比例ゲインKp(図7参照)を下げ、かつ積分
器(I)の積分時間を長く設定しなければならない場合
がある。このような場合、偏差に対して制御信号MVの
ゲインが下がっているので、応答性が悪化する。しか
し、応答特性を改善しようとすると、系が安定しないの
で応答特性と安定性とのトレードオフが要求される。こ
の解決法としては、偏差が大きい時は応答特性の改善の
為、高ゲインが必要になり、偏差が小さい時は安定性確
保の為、低ゲインを実現すればよい。
【0035】従って、入力信号SPと弁開度信号PVの
偏差により、ゲインが変化する演算器を別途追加すれば
よいことになる。即ち、偏差に対して高次の演算器を設
ければ良い。この演算器を高次器と呼びH(Higho
rder)で表す。具体的には、偏差を二乗した演算器
である。偏差を二乗すると極性がなくなるので、極性を
考慮した高次器とする。また、高次器Hのゲインは比例
ゲインKpとは連動させないように、独自の比例ゲイン
αとすると高次器Hは次の式で表すことができる。 高次器H=偏差×|偏差|×α
【0036】従って、制御演算部における制御信号MV
は次の式で表すことができる。 制御信号MV=Kp×(P+I+D)+H
【0037】この積分器Iと微分器Dのような、時間で
決まる演算の影響を除いた偏差ゲインは、図5及び次の
式で表すことができる。 制御信号MV=Kp×P+P×|P|×α
【0038】このように、偏差が少ない時は、制御信号
MVのゲインは少ないが、偏差が大きくなると制御信号
MVのゲインは上がる。従って、ヒステリシスが大きく
調整弁の容量が大きい場合、系の安定性のため比例ゲイ
ンを上げられない場合でも応答特性が良い制御が実現で
きる。もちろん偏差の二乗だけでなく、n乗(nは整
数)でも良い。また、nが奇数の場合には極性を考慮し
なくとも良い。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるバ
ルブポジショナは、ステップ入力等で、操作量MVが大
きく変化した時に、変化した方向と逆方向に磁性材のB
−Hカーブにより生じるヒステリシスを低減するに足る
大きさでかつポジショナの出力圧に大きな影響を与えな
いような短い信号を電空変換機構に与えることにより、
電空変換機構で発生するヒステりシスを低減することが
でき、良好な制御性を得ることができるという効果があ
る。
【0040】また、入力信号SPと弁開度信号PVとの
偏差に基づいた高次演算された信号を制御信号MVに加
えるようにしたことにより、偏差が小さい時はゲインが
低く、制御量が必要な偏差が大きな場合はゲインが高く
できることにより、安定性、即応性の両方を満たした優
れた制御性を実現できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施例のバルブポジショ
ナのヒステリシスを減少させた時の制御信号の入力電流
とノズル背圧との関係を示したグラフである。
【図2】同制御信号の入力電流とノズル背圧との関係に
おいてヒステリシスを減少させるようすを示したグラフ
である。
【図3】同制御信号MVと入力信号SPとから設定した
設定値に基づいてヒステリシス除去信号を発生させるた
めのタイミングチャートである。
【図4】同制御信号に重畳させるヒステリシス除去信号
を発生させるためのフローチャートである。
【図5】本願発明に係る第2の実施の形態におけるバル
ブポジショナにおける高次器における制御信号MVの信
号を示したグラフである。
【図6】バルブポジショナの略示的な構成を示したブロ
ック図である。
【図7】PID制御器を示した略示的なブロック図であ
る。
【図8】従来における制御信号MVとノズル背圧との間
で発生するヒステリシスを示したグラフである。
【符号の説明】
11 制御演算部 12 調整弁 13 入力モジュール 14 パイロットリレー 15 弁開度位置センサ 16 電空変換部(電空変換手段) SP 入力信号 PV 弁開度信号 MV 制御信号 I 積分器 P 比例器 D 微分器 Kp 比例ゲイン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】調整弁の弁開度の目標値を設定する入力信
    号SPを受信する受信手段と、前記弁開度を検出する位
    置センサ手段と、前記位置センサ手段で作成された弁開
    度信号PVと前記入力信号SPとの偏差に基づいて弁開
    度位置を制御する制御信号MVを演算出力する制御演算
    手段と、前記制御信号MVに基づいて前記調整弁の駆動
    信号を送出する変換手段とからなるバルブポジショナで
    あって、前記制御演算手段は、前記弁開度信号PVと前
    記目標値との間に一定値以上の偏差が生じた際に、前記
    制御信号MVの履歴にかかわらず、前記制御信号MVの
    最終目標値で整定する方向が常に同一方向になるような
    ヒステリシス除去信号を前記制御信号MVに重畳するこ
    とを特徴とするバルブポジショナ。
  2. 【請求項2】調整弁の弁開度の目標値を設定する入力信
    号SPを受信する受信手段と、前記弁開度を検出する位
    置センサ手段と、前記位置センサ手段で作成された弁開
    度信号PVと前記入力信号SPとの偏差に基づいて弁開
    度位置を制御する制御信号MVを演算出力する制御演算
    手段と、前記制御信号MVに基づいて前記調整弁の駆動
    信号を送出する変換手段とからなるバルブポジショナで
    あって、前記入力信号SPの変化を検出してこの変化検
    出の時点から前記制御信号MVの履歴を観測してヒステ
    リシス除去信号を演算し、前記入力信号SPと前記弁開
    度との偏差に基づいて前記ヒステリシス信号を前記制御
    信号MVに重畳するか否かを判定する判断手段を有する
    ことを特徴とするバルブポジショナ。
  3. 【請求項3】前記ヒステリシス除去信号は、前記調整弁
    の動作に影響しない程度の短いパルス信号であることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載のバルブポジシ
    ョナ。
  4. 【請求項4】調整弁の弁開度の目標値を設定する入力信
    号SPを受信する受信手段と、前記弁開度を検出する位
    置センサ手段と、前記位置センサ手段で作成された弁開
    度信号PVと前記入力信号SPとの偏差に基づいて弁開
    度位置を制御する制御信号MVを演算出力する制御演算
    手段と、前記制御信号MVに基づいて前記調整弁の駆動
    信号を送出する変換手段とからなるバルブポジショナで
    あって、前記制御演算手段は、前記入力信号SPと前記
    弁開度信号PVとの偏差に基づいて高次演算した信号を
    前記制御信号MVに加算することを特徴とするバルブポ
    ジショナ。
  5. 【請求項5】前記高次演算した信号は、前記偏差の値を
    n次乗算(nは整数)することにより求めた値であるこ
    とを特徴とする請求項4記載のバルブポジショナ。
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