JP2001140123A - 白色井型断面中空繊維 - Google Patents

白色井型断面中空繊維

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JP2001140123A JP31373699A JP31373699A JP2001140123A JP 2001140123 A JP2001140123 A JP 2001140123A JP 31373699 A JP31373699 A JP 31373699A JP 31373699 A JP31373699 A JP 31373699A JP 2001140123 A JP2001140123 A JP 2001140123A
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Kenichi Hirai
謙一 平井
Yukio Nishimoto
幸雄 西本
Takeshi Nishiyama
武史 西山
Yoshinori Tsukada
吉則 塚田
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保温性が要求される衣料用途などに好適な蓄
熱保温性能を有し、軽量・嵩高性、撥水性などの機能を
有し、かつ光沢を抑え白度に優れた布帛とすることがで
きる井型断面形状の中空繊維を提供する。 【解決手段】 断面形状が四角形であり、中心部付近に
中空部1を有する四角形部3のそれぞれの角に、略直角
をなす2つの突起部2を有する井型断面形状を呈する中
空繊維であって、酸化アンチモンをドーピングした酸化
第二錫微粒子及び/又は酸化アンチモンをドーピングし
た酸化第二錫を他の無機微粒子にコーティングした白色
系微粒子を繊維全体の0.5〜7.0重量%含有し、繊維の横
断面における全面積のうち突起部2の面積の割合が30%
以上、嵩高率が20%以上、光沢が3級以下である白色井
型断面中空繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保温性が要求され
る衣料用途などに好適な蓄熱保温性能を有するととも
に、特殊な断面形状を呈し、軽量・嵩高性、撥水性など
の機能を有し、かつ光沢を抑え白度に優れた布帛とする
ことができる白色井型断面中空繊維に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】保温性が要求される防寒衣料や野外での
スポーツ、レジャー用衣料に好適な繊維として、炭化ジ
ルコニウム微粒子などを配合させ、太陽光を吸収させる
蓄熱保温性の繊維が開発されている(特公平3-9202号公
報)。この繊維は芯鞘形状のものであり、芯部に炭化ジ
ルコニウム微粒子などが配合されている。しかしなが
ら、この繊維は、芯部の炭化ジルコニウム微粒子などの
色が繊維表面に表れて着色しているため、白度の要求さ
れる用途に使用しがたいという問題があった。
【0003】そこで、本発明者らはこの問題を解決する
ものとして、特開平11-43820号公報において、中空部に
炭化ジルコニウム微粒子などを添加した井型断面中空繊
維を提案した。この繊維は井型という特殊な単糸断面形
状により、繊維表面での光の乱反射によって白度を向上
させることができ、さらには単糸形状からくる嵩高性に
より繊維の保温性をより向上させ、軽量・嵩高性や撥水
性などの機能を付与することができる。しかしながら、
炭化ジルコニウム微粒子を用いているため、蓄熱保温剤
を含まない繊維と比べると、この繊維も白度が十分では
なく、また、単糸断面外周の突起部で起こる光の反射に
よって、強い光沢(ぎらつき感)を呈し、用途によって
は使用しがたいという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
点を解決し、蓄熱保温性に優れ、軽量・嵩高性、撥水性
などの機能を有し、かつ光沢が抑制され、白度に優れた
布帛を得ることができる白色井型断面中空繊維を提供す
ることを技術的な課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究の結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明は、断面形状が四角形であり、中心部付
近に中空部を有する四角形部のそれぞれの角に、略直角
をなす2つの突起部を有する井型断面形状を呈する中空
繊維であって、酸化アンチモンをドーピングした酸化第
二錫微粒子(微粒子A)及び/又は酸化アンチモンをド
ーピングした酸化第二錫を他の無機微粒子にコーティン
グした白色系微粒子(微粒子B)を含有する熱可塑性ポ
リマーからなり、全微粒子含有量が繊維全体の0.5〜7.0
重量%であり、繊維の横断面における全面積のうち突起
部の面積の割合が30%以上、嵩高率が20%以上、光沢が
3級以下であることを特徴とする白色井型断面中空繊維
を要旨とするものである。
【0006】なお、本発明における繊維の嵩高率とは、
横断面における中空部と突起部で形成されるデッドエア
ー部の面積の割合をいう。測定法は、ニコン社製マイク
ロフォトS光学顕微鏡に顕微鏡写真撮影装置を取り付
け、5本の単糸について、単糸断面の横断面形状を撮影
し、図3の本発明の井型断面中空繊維の断面模式図に示
すように、面積Aと面積Bの値を算出し、次のようにし
て求めるものであり、5本の平均値とする。 嵩高率(%)=〔(面積A)/((面積A)+(面積
B))〕×100
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の白色井形断面中空繊維の四角形部と突起
部を構成する熱可塑性ポリマーとしては、ナイロン6、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン
66、ナイロン610等及びこれらを主成分とするポリ
アミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等及びこれらを主成分とするポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン等及びこれらを主成
分とするポリオレフィン等が挙げられる。そして、本発
明の効果を損なわない範囲であれば、艶消し剤、改質
剤、制電剤、抗菌剤、消臭剤、顔料等を添加してもよ
い。
【0008】特に、ナイロンを中心とするポリアミドを
熱可塑性ポリマーとして用いた場合、従来のポリアミド
繊維にはみられない独特のドライタッチな風合いの繊維
を得ることができる。そして、四角形部と突起部の熱可
塑性ポリマーは、層間での剥離を防ぐために同種のもの
とすることが好ましい。
【0009】次に、本発明の繊維の形状について図面を
用いて説明する。図1、図2は本発明の井型断面中空繊
維の実施態様を示す断面模式図である。図1、2は、断
面形状が四角形であり、中心部付近に中空部1を有する
中空繊維の四角形部3のそれぞれの角に、略直角をなす
2つの突起部2を有する井型断面形状を呈するものであ
る。
【0010】そして、本発明の繊維は、図1に示すよう
な、四角形部3と突起部2からなる井型断面形状の全体
に微粒子A及び/又はBを含有するものと、図2に示す
ような、四角形部3のみに微粒子A及び/又はBを含有
するものである。
【0011】本発明の井型断面中空繊維の全体、又は四
角形部に含有させる微粒子には、光エネルギーを吸収
し、遠赤外線を放射する能力を有する白色系微粒子とし
て、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二錫微粒子
(微粒子A)、酸化アンチモンをドーピングした酸化第
二錫を他の無機微粒子にコーティングした白色系微粒子
(微粒子B)を用い、微粒子Aと微粒子Bを単独あるい
は併用して用いる。
【0012】微粒子A、Bは、光エネルギーを吸収し、
遠赤外線を放射する能力、いわゆる蓄熱保温性を有する
白色系微粒子であり、酸化アンチモンをドーピングする
ことによってこの効果が出るものであり、酸化アンチモ
ンと酸化第二錫との割合は、重量比で、酸化アンチモ
ン:酸化第二錫=0.5:99.5〜15.0:85.0とすることが
好ましい。酸化アンチモンをドーピングしない微粒子を
含有させた繊維の場合、通常の繊維とほとんど保温性が
変わらなくなる。
【0013】微粒子Bにおいて、酸化アンチモンをドー
ピングした酸化第二錫をコーティングする無機微粒子と
しては、光エネルギーを吸収して遠赤外線を放射する能
力を阻害しないものであればよく、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ等が挙げられ、中
でも、白度に優れた酸化チタン微粒子が好ましく用いら
れる。酸化アンチモン及び酸化第二錫と、コーティング
する無機微粒子の割合は、重量比で、酸化アンチモン:
酸化第二錫:無機微粒子=0.5:5.0:94.5〜2.0:18.
0:80.0程度が好ましい。
【0014】また、本発明の繊維においては、微粒子
A、Bに加えて、酸化ジルコニウム微粒子を含有させる
ことが好ましい。酸化ジルコニウム微粒子を添加するこ
とで、より蓄熱保温効果が向上する。これは、酸化ジル
コニウムの蓄熱保温性と、微粒子A、Bの蓄熱保温性と
の相乗効果により効果が増すものであり、微粒子A、B
と酸化ジルコニウム微粒子との割合〔(微粒子A及び/
又はB):酸化ジルコニウム微粒子〕は、95:5〜5:95
とすることが好ましい。
【0015】これらの微粒子A、Bや酸化ジルコニウム
微粒子としては、平均粒径が5μm以下のものが好まし
く、さらには1μm以下がよい。平均粒径が5μmを超え
ると、紡糸工程においてろ材の目詰まりが生じやすく、
これに起因して糸切れが生じやすくなる。
【0016】以上のように、本発明の繊維においては、
繊維全体あるいは四角形部3に蓄熱保温効果を有する微
粒子を含有させるが、含有させる微粒子には、微粒子A
のみ、微粒子Bのみ、微粒子AとB、微粒子Aと酸化ジ
ルコニウム微粒子、微粒子Bと酸化ジルコニウム微粒
子、微粒子AとBと酸化ジルコニウム微粒子を含む6つ
の場合がある。これらのいずれの場合においても微粒子
の総含有量は、繊維全体に対して0.5〜7.0重量%、さら
に好ましくは0.7〜5.0重量%とする。微粒子の含有量が
0.5重量%未満であると、十分な蓄熱保温性を付与するこ
とができず、一方、含有量が7.0重量%を超えると、保温
性の効果は飽和し、コストが高くなり、また、紡糸性が
低下しやすくなる。
【0017】本発明の井型断面中空繊維は、繊維の横断
面における全面積のうち突起部2の面積の割合が30%以
上であることが重要である。突起部の面積の割合が30%
未満であると、繊維全体に占める突起部の割合が少なく
なり、井型断面中空繊維が持つ本来の特性である、十分
な嵩高性や保温性、撥水性といった機能が発現しにくく
なる。突起部の面積の割合の上限は特に限定されるもの
ではないが、60%程度とすることが好ましい。面積の割
合が60%を超えると、繊維の形状の維持が難しくなりや
すい。
【0018】さらに、断面積における中空部と突起部で
形成される繊維間のデッドエアー部の面積の割合であ
る、繊維の嵩高率が20%以上であることが重要である。
嵩高率が20%未満である場合、形成されるデッドエアー
部が少なくなりすぎ、この繊維より得られた布帛は、保
温性が不十分であり、軽量感にも乏しいものとなる。嵩
高率の上限は、特に限定されるものではないが、40%程
度とすることが好ましい。嵩高率が40%を超える場合、
中空部が大きすぎる場合は中空割れの生じた繊維となり
やすく、突起部の長さが長すぎる場合は、繊維の形状の
維持が難しくなり、また、得られた布帛の品位が低下し
やすい。
【0019】また、図1及び図2に示す両形態の場合に
おいて、層間での剥離をなくし、繊維の形成性を向上さ
せるために、四角形部と突起部を構成する熱可塑性ポリ
マーは同種とすることが好ましい。
【0020】さらに、本発明の繊維は、光沢が3級以下
の繊維である。本発明でいう光沢とは、評価する繊維の
丸編み地を作成し、酸化チタン微粒子を0.3重量%含有
する丸断面繊維で同様に作成された丸編み地の光沢を1
級、微粒子A及び他の艶消剤等を含有していない、突起
部の面積の割合が40%、嵩高率が30%の井型断面中
空繊維で同様に作成された丸編み地の光沢を5級として
比較評価を行ったものであり、光沢が強いほど判定級が
大きくなるように目視にて10段階で評価したものであ
る。
【0021】本発明においては、蓄熱保温性を有する微
粒子が白色であるので、艶消し剤と同様に作用するとと
もに、井型断面形状の突起部の光の反射に起因するぎら
つき感のある光沢をも抑制することができ、光沢評価が
3級以下の光沢を抑えた繊維となる。
【0022】炭化ジルコニウムのような着色した微粒子
を使用する繊維の場合は、白度を向上させるために、で
きるだけ繊維の中心部付近に微粒子を含有させることが
必要であったが、本発明の場合は、繊維全体に蓄熱保温
性の微粒子を含有させていてもよく、ぎらつき感のある
光沢を抑制することができる。
【0023】なお、図2に示すような四角形部のみに微
粒子A又はBを含有させている場合においても、四角形
部の一部は繊維表面にあるためぎらつき感のある光沢を
抑制でき、光沢評価が3級以下の繊維とすることができ
る。特に、図2に示す形状の場合は、製造工程における
製糸性に優れる。
【0024】さらに、本発明の繊維において、繊維全体
に通常、艶消剤として使用される酸化チタンを含有させ
ることにより、さらに繊維の光沢を抑え、白度に優れた
繊維とすることができる。
【0025】光沢が3級以下の繊維とすることで、得ら
れる布帛は単糸断面形状による強い光沢感が抑えられ、
優れた白度を有するものとなる。
【0026】本発明の白色井型断面中空繊維は、合成繊
維の製造の常法に従い製造することができ、四角形部に
のみ微粒子を含有する複合繊維の場合は、通常使用され
ている複合紡糸装置を用いて製造することができる。生
産性よく製造するためには、高速溶融紡糸法を採用する
ことが好ましい。
【0027】
【作用】本発明の白色井型断面中空繊維は、蓄熱保温性
を有する無機微粒子として、微粒子A及び/又は微粒子
Bを含有するため、蓄熱保温性に優れ、また、これらの
微粒子自体が白色であるため、単糸断面形状に起因する
ぎらつき感のある光沢を抑え、繊維を白度の優れたもの
とすることができる。そして、中空部と突起部により形
成されたデッドエアー部により、蓄熱保温性を有する無
機微粒子によって蓄熱された熱を逃しにくくなり、得ら
れる布帛は保温性に優れ、軽量感にも優れたものとな
る。さらに、単糸断面の突起部によって、布帛に付着し
た水滴との接触面積が低くなり、撥水性にも優れるもの
となる。
【0028】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、繊維の断面形状、色調及び蓄熱保温性の評価
は次のようにして行い、繊維の嵩高率及び光沢の評価は
前記の方法で行った。 〔繊維の断面形状〕ニコン社製マイクロフォトS光学顕
微鏡に顕微鏡写真撮影装置を取り付け、5本の単糸につ
いて、単糸の横断面形状を撮影し、突起部の面積の割合
を算出し、その平均値とした。 〔色調〕得られた繊維を経、緯糸として用い、経密度11
3本/2.54cm、緯密度77本/2.54cmの平織物を製織し、
この織物の色調について目視で判断した。 〔蓄熱保温性〕得られた繊維を経、緯糸として用い、経
密度113本/2.54cm、緯密度77本/2.54cmの平織物を製
織し、20℃、65%RHの恒温室内において1.5mの距離から
500W白色電球の光を照射し、照射開始3分後に反対側の
表面温度を日本電子社製赤外センサー:サーモビュアに
よって測定した。
【0029】実施例1 相対粘度(96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dl、温度25
℃で測定した。)3.5のナイロン6ペレット96重量部
と、酸化アンチモンをドーピングした粒径0.08μmの酸
化第二錫(重量比 酸化アンチモン:酸化第二錫=10:
90)の微粒子Aを4重量部とを均一に溶融混合してマス
ターペレットを得た。このマスターペレット(四角形部
を形成)と、微粒子Aを含有しない相対粘度3.5のナイ
ロン6ペレット(突起部を形成)をそれぞれ別のエクス
トルーダーに供給した。そして、複合紡糸口金装置に導
入し、紡糸温度270℃で溶融紡糸し、ローラー間で延伸
を施し、3500m/分の速度で巻き取り、図2に示すよう
な井型断面形状の中空繊維(65d/16f)を得た。得ら
れた繊維の形状、嵩高率、色調、光沢、蓄熱保温性の評
価を表1に示す。
【0030】実施例2 四角形部を形成するポリマーに、酸化アンチモンをドー
ピングした酸化第二錫を酸化チタンにコーティングした
粒径0.2μmの微粒子Bを4重量部と、相対粘度3.5のナイ
ロン6ペレット96重量部とを均一に溶融混合したマスタ
ーチップを用いた以外は実施例1と同様に行った。得ら
れた繊維の形状、嵩高率、色調、光沢、蓄熱保温性の評
価を表1に示す。
【0031】実施例3 四角形部を形成するポリマーに、酸化アンチモンをドー
ピングした酸化第二錫を酸化チタンにコーティングした
粒径0.2μmの微粒子Bを3.6重量部、粒径0.2μmの酸化
ジルコニウム微粒子0.4重量部、及び相対粘度3.5のナイ
ロン6ペレット96重量部とを均一に溶融混合したマスタ
ーチップを用いた以外は実施例1と同様に行った。得ら
れた繊維の形状、嵩高率、色調、光沢、蓄熱保温性の評
価を表1に示す。
【0032】実施例4 繊維全体を実施例3で用いた四角形部を形成するポリマ
ーで構成し(微粒子の含有量は2.0重量%)、図1に
示すような繊維とした以外は、実施例3と同様に行っ
た。
【0033】比較例1〜2 微粒子Aの含有量を表1に示す値に種々変更した以外
は、実施例1と同様にして行った。得られた繊維の形
状、嵩高率、色調、光沢、蓄熱保温性の評価を表1に示
す。
【0034】比較例3 繊維の断面形状を突起部を有していない丸断面形状とし
た以外は、実施例1と同様にして行った。得られた繊維
の形状、嵩高率、色調、光沢、蓄熱保温性の評価を表1
に示す。
【0035】比較例4 四角形部を形成するポリマーに、粒径0.2μmの炭化ジル
コニウム微粒子を4重量部と、相対粘度3.5のナイロン6
ペレット96重量部とを均一に溶融混合したマスターチッ
プを用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた繊
維の形状、嵩高率、色調、光沢、蓄熱保温性の評価を表
1に示す。
【0036】参考例 四角形部を形成するポリマーに、蓄熱保温性を有する微
粒子を含まない、相対粘度3.5のナイロン6ペレットを
用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた繊維の
形状、嵩高率、色調、光沢、蓄熱保温性の評価を表1に
示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1より明らかなように、実施例1〜4の
繊維は、蓄熱保温性に優れ、光沢が抑えられ優れた白度
の布帛を得ることができた。一方、比較例1の繊維は、
蓄熱保温性を有する微粒子の含有量が少なすぎたために
蓄熱保温性が低く、得られた布帛は白度に劣り、光沢を
十分に抑えることができなかった。比較例2の繊維は、
微粒子の含有量が多すぎたために紡糸中に糸切れ等のト
ラブルが生じ、毛羽発生の多いものであった。また、比
較例3の繊維は、突起部を有していない丸断面形状の繊
維であったため、得られた繊維は嵩高性が低く、風合に
劣るものであった。比較例4の繊維は、蓄熱保温性を有
する微粒子として炭化ジルコニウムを用いているため、
得られた繊維の色調は、ぎらつき感のある光沢を有する
灰色であり、白度にも劣るものであった。
【0039】
【発明の効果】本発明の白色井型断面中空繊維は、製編
織すれば、蓄熱保温性に優れると同時に、軽量・嵩高
性、撥水性等の機能を有し、かつぎらつき感のある光沢
が抑制され、優れた白度を有する布帛を得ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の井型断面中空繊維の一実施態様を示す
断面模式図である。
【図2】本発明の井型断面中空繊維の他の実施態様を示
す断面模式図である。
【図3】本発明の井型断面中空繊維の嵩高率の算出方法
を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 中空部 2 突起部 3 四角形部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 吉則 京都府宇治市宇治戸ノ内5 ユニチカ株式 会社宇治工場内 Fターム(参考) 4L035 AA08 BB31 DD05 DD20 EE01 JJ04 JJ05 KK01 4L045 AA05 BA03 BA14 BA24 BA50 BA51 BA52 BA60 CA25 DA42 DC03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面形状が四角形であり、中心部付近に
    中空部を有する四角形部のそれぞれの角に、略直角をな
    す2つの突起部を有する井型断面形状を呈する中空繊維
    であって、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二錫
    微粒子(微粒子A)及び/又は酸化アンチモンをドーピ
    ングした酸化第二錫を他の無機微粒子にコーティングし
    た白色系微粒子(微粒子B)を含有する熱可塑性ポリマ
    ーからなり、全微粒子含有量が繊維全体の0.5〜7.0重量
    %であり、繊維の横断面における全面積のうち突起部の
    面積の割合が30%以上、嵩高率が20%以上、光沢が3級
    以下であることを特徴とする白色井型断面中空繊維。
  2. 【請求項2】 四角形部が酸化アンチモンをドーピング
    した酸化第二錫微粒子(微粒子A)及び/又は酸化アン
    チモンをドーピングした酸化第二錫を他の無機微粒子に
    コーティングした白色系微粒子(微粒子B)を含有する
    熱可塑性ポリマーからなる、請求項1記載の白色井型断
    面中空繊維。
  3. 【請求項3】 酸化アンチモンをドーピングした酸化第
    二錫微粒子(微粒子A)または酸化アンチモンをドーピ
    ングした酸化第二錫を他の無機微粒子にコーティングし
    た白色系微粒子(微粒子B)に加えて酸化ジルコニウム
    微粒子を含有し、これらの割合〔(微粒子A及び/又は
    B):酸化ジルコニウム微粒子〕が、95:5〜5:95であ
    り、これらの総含有量が繊維全体の0.5〜7.0重量%であ
    る、請求項1又は2記載の白色井型断面中空繊維。
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