JPH04257308A

JPH04257308A - 白色系軽量保温性中空繊維

Info

Publication number: JPH04257308A
Application number: JP3911491A
Authority: JP
Inventors: Tsunekatsu Furuta; 古田　常勝; Kenichi Kamemaru; 亀丸　賢一; Kiyoshi Nakagawa; 清中川
Original assignee: Unitika Ltd
Current assignee: Unitika Ltd
Priority date: 1991-02-08
Filing date: 1991-02-08
Publication date: 1992-09-11

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、防寒衣料，　スポーツ
やレジャー用衣料に適した保温性を有する布帛を得るた
めの白色系軽量保温性中空繊維に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、防寒衣料，　スポーツやレジャー
用衣料では、表地と裏地の間に中綿を入れた３層構造を
形成し、中綿の空気層の厚みによって保温性を得てきた
。このような３層構造の布帛は、特に動きやすさを要求さ
れるスポーツ衣料では、重く嵩ばり、自由な動きが阻害
されるという欠点を有していた。

【０００３】近年、アルミニウムやチタン等の金属を蒸
着した布帛を裏地として用いることにより、体からの熱
を裏地の表面で反射させ、衣服の外に逃げる熱を減少さ
せる保温効果を利用し、用いる中綿の量を少なくしたり
、あるいは全く用いないようにしたりして、その解決を
図ってきた。

【０００４】しかし、このような保温効果のある蒸着裏
地では、アルミニウムやチタン等の金属を布帛表面に蒸
着加工しているので、蒸着加工に伴うコストアツプや蒸
着加工前の準備工程における布帛の微妙な取り扱いによ
る蒸着斑の発生等、いろいろな問題があった。

【０００５】また、本発明者らは、先に、繊維自体に炭
化物系セラミツクス微粒子を含有させることにより布帛
に保温性を付与する方法を提案した　（特開平６３−１
９５３７５号）　が、この方法では、優れた保温効果が
得られるとはいえ、その色調が黒色系であるため、布帛
としての色調が非常に限定されてしまうという問題があ
った。

【０００６】さらに、本発明者らは、色調の問題を解決
するために、繊維自体に光エネルギーを吸収して遠赤外
線を放射する能力を有する白色系微粒子　（以下、単に
白色系微粒子という。）　を含有させたものを提案した
　（特開平１−３１４７１６号）。しかし、この繊維は
、炭化物系セラミツクス微粒子を含有させたものに比べ
ると保温性が若干劣ると共に、白色系微粒子により繊維
が重くなるという問題があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑みて行われたもので、蒸着加工のような後加工
法を用いずに、しかも布帛としての色調が限定されるこ
ともなく、良好な保温性を有する白色系軽量保温性繊維
を提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために鋭意検討の結果、白色系微粒子を含有させ
た繊維において、中空繊維とすることにより保温性が向
上すると共に、軽量化されることを見出し、本発明に到
達した。

【０００９】すなわち、本発明の要旨は次のとおりであ
る。（１）　白色系微粒子を含有する熱可塑性重合体からな
る白色系軽量保温性中空繊維。（２）　白色系微粒子を含有する熱可塑性重合体と該微
粒子を含有しない熱可塑性重合体とからなる白色系軽量
保温性中空繊維。

【００１０】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明における白色系微粒子としては、酸化アンチモンを
ドーピングした酸化第二錫（酸化アンチモン／酸化第二
錫の重量比が０．５／９９．５〜１５／８５）の微粒子
又は酸化アンチモンをドーピングした酸化第二錫を他の
無機物質（酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、炭
酸カルシウム、炭酸亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、アルミナ等）にコーテイングした微粒子（酸化アン
チモン／酸化第二錫／他の無機物質の重量比が０．５／
５／９４．５〜２／１８／８０）等を挙げることができ
る。

【００１１】本発明で用いられる微粒子は、１０μｍ以
下の粒度の粉末で、好ましくは１μｍ以下、さらに好ま
しくは０．５μｍ以下の粒度の微粉末である。粒子が大
きすぎると、保温性に問題が生じるのみならず、繊維に
含有させる場合、製糸工程の濾材における目塞りや糸切
れ等による可紡性の低下等の問題が生じ、たとえ紡糸を
行うことができても、延伸工程での糸切れ発生の問題が
ある。

【００１２】本発明における熱可塑性重合体としては、
ナイロン６、ナイロン６６、ナイロン６１０、ナイロン
４６、ナイロン１１、ナイロン１２等のポリアミド、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等
が挙げられるが、特に好ましいものはポリアミド及びポ
リエステルである。

【００１３】白色系微粒子を熱可塑性重合体に含有させ
るには、溶融状態にある重合体に微粒子を添加して混合
すればよい。

【００１４】白色系微粒子の添加量は、重合体に対して
０．１〜２０重量％、好ましくは０．５〜１０重量％、
さらに好ましくは１〜７重量％とするのが適当である。この添加量が０．１重量％未満では目的とする保温性が
得られず、２０重量％を超えると製糸性が悪くなり、し
かも十分な強伸度特性を有する繊維が得られない。

【００１５】本発明の繊維は、白色系微粒子を含有させ
た熱可塑性重合体を単独で又は該微粒子を含有しない熱
可塑性重合体と共に複合して、中空繊維用溶融紡糸装置
を使用して紡糸し、延伸することにより得られる。

【００１６】複合紡糸する場合には、白色系微粒子を含
有させた熱可塑性重合体が繊維断面の内側、該微粒子を
含有しない熱可塑性重合体が外側　（鞘）　となるよう
にするのがよい。このように複合紡糸すると製糸性が向
上すると共に、保温性を損なうことなく白色系微粒子の
含有量を少なくすることができる。

【００１７】本発明の繊維において、中空率は３〜５０
％とするのが適当である。中空率があまり小さいと中空
部の空気層が少ないため、保温性向上効果が不十分とな
り、逆に中空率があまり大きいと繊維の後加工時に割繊
現象が起こり、加工性が悪くなる。

【００１８】本発明の繊維は、フイラメント糸又はステ
ープルフアイバーの形で、単独であるいは他の繊維と混
用して用いられる。他の繊維と混用する場合、混繊、混
紡、混編、交織、交編等の手段が採用される。

【００１９】本発明の繊維を用いた布帛は、必要に応じ
て染色、樹脂加工等の種々の加工が施されて種々の用途
に使用される。

【００２０】本発明の繊維を用いた布帛は軽量で、かつ
優れた保温性を有しているので、軽量保温性の要求され
るスキージヤケツト、スキー用ワンピース、スキーパン
ツ等のスキーウエア（表地、裏地のいずれにも使用可能
）をはじめ、スウエツトウエア、スウエツトシヤツ、シ
ヤツ、タイツ、ウインドブレーカ、トレーニングウエア
、アンダーウエア、水着、ウエツトスーツ、ウエツトス
ーツの内張り等のスポーツ衣料、登山、フイツシング、
ハンテイング等のアウトドアスポーツ用防寒衣料（表地
、裏地のいずれにも使用可能）、ウインタースポーツ用
シユーズのライニング・中敷、帽子や手袋の表地、裏地
等のスポーツ用グツズ、日常使用する防寒衣、作業着、
冷え防止肌着、腹巻、腹帯、ソツクス等の一般衣料品、
靴・ブーツ・手袋等の内張り用材、毛布、電気毛布、シ
ーツ、マツトレス、敷きぶとん等の寝装具、カーテン、
カーペツト、ホツトカーペツト用生地、こたつ掛け、こ
たつ敷き、膝掛け、座ぶとん等のインテリア製品、テン
ト、寝袋、農業用保温材、保温用カバー材、手袋用合成
皮革の基布等の各種各様の用途に用いることができる。

【００２１】

【作用】本発明の繊維は、電子構造に起因する光エネル
ギーを吸収して遠赤外線を放射する能力を有し、保温効
果を発揮する白色系微粒子を含有しており、繊維が中空
になっているため、該白色系微粒子が繊維の外部のみで
なく、中空内部の空気に対しても有効に寄与し、優れた
保温効果を発揮するものと認められる。また、繊維が中
空になっているため、見掛けの比重が小さく、軽量であ
る。

【００２２】

【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、実施例における布帛の保温性能の測定は
次の方法で行った。２０℃、６０ＲＨ％の恒温室内にお
いて、エネルギー源として写真用１００Ｗ白色光源を用
い、布帛の表面温度をサーモビュア（赤外線センサー、
日本電子社製）によって測定した。

【００２３】実施例１及び比較例１〜２（実施例１）酸
化アンチモンをドーピングした酸化第二錫（酸化アンチ
モン／酸化第二錫の重量比＝１０／９０）からなる粒径
０．１μｍの白色系微粒子とナイロン６とを２／９８の
重量比で均一に溶融混合して白色系微粒子含有ナイロン
６組成物を得た。

【００２４】この白色系微粒子含有ナイロン６組成物を
エクストルーダー型溶融紡糸機に供給して常法により溶
融紡糸し、延伸して、中空率が３０％で５５ｄ／２４ｆ
（７０ｄの非中空糸と同じ太さ）の中空糸を得た。

【００２５】（比較例１）ナイロン６を溶融紡糸し、延
伸して、中空率が３０％で５０ｄ／２４ｆ（７０ｄの非
中空糸と同じ太さ）の中空糸を得た。

【００２６】（比較例２）実施例１の白色系微粒子含有
ナイロン６組成物を溶融紡糸し、延伸して、７０ｄ／２
４ｆの非中空糸を得た。

【００２７】上記３種の糸をそれぞれ経糸、緯糸の双方
に用いて製織し、経糸密度１２０本／インチ、緯糸密度
９０本／インチの白色の平織物を得た。

【００２８】得られた織物について、保温性と軽量性（
単位面積当たりの重量）を評価した結果を次表に示す。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　保
温性（℃）　　　　　　軽量性（ｇ／ｍ２）　　　　　
　　　実施例１　　　　　　　　　　２７．５　　　　
　　　　　　　　　　　　　５４　　　　　　　　比較
例１　　　　　　　　　　２５．２　　　　　　　　　
　　　　　　　　５０　　　　　　　　比較例２　　　
　　　　　　　２６．６　　　　　　　　　　　　　　
　　　７７

【００２９】実施例２及び比較例３〜４（実施例２）酸
化アンチモンをドーピングした酸化第二錫を酸化チタン
にコーテイングした微粒子（酸化アンチモン／酸化第二
錫／酸化チタンの重量比＝１．５／１３．５／８５）か
らなる粒径０．２μｍの白色系微粒子とポリエチレンテ
レフタレートとを３／９７の重量比で均一に溶融混合し
、白色系微粒子含有ポリエチレンテレフタレート組成物
を得た。

【００３０】この白色系微粒子含有ポリエチレンテレフ
タレート組成物とポリエチレンテレフタレートとを３／
２の重量比で別々の溶融押出機で溶融し、中空複合繊維
用紡糸装置に供給し、前者が内側、後者が外側になるよ
うに複合紡糸し、延伸して、中空率が３０％で５５ｄ／
２４ｆ（７５ｄの非中空糸と同じ太さ）の中空複合糸を
得た。

【００３１】（比較例３）ポリエチレンテレフタレート
を溶融紡糸し、延伸して、中空率が３０％で５０ｄ／２
４ｆ（７５ｄの非中空糸と同じ太さ）の中空糸を得た。

【００３２】（比較例４）実施例２の白色系微粒子含有
ポリエチレンテレフタレート組成物とポリエチレンテレ
フタレートとを３／２の重量比で別々の溶融押出機で溶
融し、通常の複合紡糸装置を用いて、前者が芯部、後者
が鞘部となるように溶融紡糸し、延伸して、７５ｄ／２
４ｆの非中空複合糸を得た。

【００３３】上記３種の糸をそれぞれ経糸、緯糸の双方
に用いて製織し、経糸密度１１０本／インチ、緯糸密度
９０本／インチの白色の平織物を得た。

【００３４】得られた織物について、保温性と軽量性を
評価した結果を次表に示す。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　保
温性（℃）　　　　　　軽量性（ｇ／ｍ２）　　　　　
　　　実施例２　　　　　　　　　　２７．６　　　　
　　　　　　　　　　　　　６０　　　　　　　　比較
例３　　　　　　　　　　２５．３　　　　　　　　　
　　　　　　　　５７　　　　　　　　比較例４　　　
　　　　　　　２６．８　　　　　　　　　　　　　　
　　　８４

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、特にスポーツ用衣料と
して非常に有用な布帛を与える保温性に優れ、かつ、軽
量、白色の保温性繊維が提供される。そして、本発明で
は、繊維の製造工程で白色系微粒子を含有させるので、
後加工でのコストアツプ等の問題や性能斑がなく、しか
もその色調が白色であるので、その後の染色による色展
開に限定されることもない。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　遠赤外線を放射する能力を有する白色
系微粒子を含有する熱可塑性重合体からなる白色系軽量
保温性中空繊維。
【請求項２】　　遠赤外線を放射する能力を有する白色
系微粒子を含有する熱可塑性重合体と該微粒子を含有し
ない熱可塑性重合体とからなる白色系軽量保温性中空繊
維。