JP2001140029A - エネルギー吸収部材 - Google Patents

エネルギー吸収部材

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車用エネルギー吸収部材について、強度
を高くし、同時に横方向に衝突の圧縮荷重を受けたとき
の割れを防止して高いエネルギー吸収量を確保する。 【構成】 エネルギー吸収部材が、Mg:0.5〜1.
6%、Zn:4.0〜7.0%、Ti:0.005〜
0.3%、Cu:0.05〜0.6%を含有し、さら
に、Mn:0.2〜0.7%、Cr:0.03〜0.3
%、Zr:0.05〜0.25%のうち1種又は2種以
上を含有し、残部Al及び不可避不純物からなるアルミ
ニウム合金押出材であり、これが繊維状組織を有し、か
つ時効処理して得られる耐力の最高値の0.7倍以上の
耐力をもつように過時効処理されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエネルギー吸収部材
に関し、詳しくは横方向の圧縮荷重を受ける自動車用の
エネルギー吸収部材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の衝突安全性の向上のため、エネ
ルギー吸収部材が用いられている。例えば軽衝突時の車
体の損傷を緩和するためのエネルギー吸収部材として、
自動車用バンパー補強材があり、これには、軽量化の観
点からアルミニウム合金押出材の使用が検討されている
(特開平7−70688号公報、特開平8−17013
9号公報等)。このバンパー補強材は、例えば断面矩形
の中空押出材として成形されるもので、いわゆるクラッ
シャブル材であり、衝突などにより外部からエネルギー
が与えられたとき、その衝突エネルギーを中空部分の変
形(潰れ)により吸収し、他の部材が極力破損しないよ
うにするものである。図1は中空矩形断面(フランジ部
1a、1b及びウエブ部1c、1d)を有するバンパー
補強材1の変形過程を示すもので、バンパー補強材1の
外側フランジ部1a側に対し垂直に圧縮荷重が加えられ
ると、主として対向するウエブ部1c、1dが変形する
ことにより中空矩形断面が変形し(仮想線参照)、その
変形の過程で荷重によるエネルギーが吸収される。
【0003】このようなバンパー補強材が吸収すべきエ
ネルギーの大きさ(最小値)は法規格などによって決ま
っており、一方、バンパー補強材により吸収可能なエネ
ルギーの大きさが余りに大きいと、過剰設計となって重
量が過大となってしまう。従って、バンパー補強材は必
要なエネルギーを吸収することができるように、しかも
過剰設計となって重量が過大とならないように設計され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、エネルギ
ー吸収部材を代表するバンパー補強材には、エネルギー
吸収量が大きく、かつ軽量であることが要求される。こ
の要求に対処するため、最近では、バンパー補強材を構
成するアルミニウム合金押出材の材料強度を高くするこ
とが試みられている。しかし、前記公報に記載された7
000系(Al−Mg−Zn系)アルミニウム合金のよ
うに、高強度化した材料を用いた場合、ウエブ部に割れ
が生じやすくなり、割れが生じたときは逆にエネルギー
吸収力が低下する。すなわち、アルミニウム合金押出材
のエネルギー吸収力と軽量化のための高強度化は相矛盾
する課題であり、これまで、これを合金成分、組織等、
冶金的に解決することは難しかった。
【0005】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たもので、横方向の圧縮荷重を受ける自動車用のエネル
ギー吸収部材について、Al−Mg−Zn系アルミニウ
ム合金の高強度材を用いて強度を高め、同時に衝突時の
割れを防止して高いエネルギー吸収量を確保することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエネルギー
吸収部材は、Mg:0.5〜1.6%、Zn:4.0〜
7.0%、Ti:0.005〜0.3%、Cu:0.0
5〜0.6%を含有しさらに、Mn:0.2〜0.7
%、Cr:0.03〜0.3%、Zr:0.05〜0.
25%のうち1種又は2種以上を含有し、残部Al及び
不可避不純物からなるアルミニウム合金押出材であり、
これが繊維状組織を有し、かつ時効処理して得られる耐
力の最高値(σ0.2max)の0.7倍以上の耐力をもつよ
うに過時効処理されていることを特徴とする。このエネ
ルギー吸収部材は横圧壊特性に優れ、横方向の圧縮荷重
を受けるバンパー補強材、フレーム、ドアビーム等の自
動車用部材として用いることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】上記Al−Mg−Zn系アルミニ
ウム合金押出材に対し過時効処理を行うことにより、材
料強度(耐力)は多少低下するが、横圧縮(押出軸方向
に垂直な方向の荷重)に対して圧壊割れを発生すること
なく安定して潰れ変形するようになり、エネルギー吸収
量も向上して、総合的な横圧壊特性は向上する。また、
衝突時の初期荷重が抑えられ、かつ圧壊割れが発生しな
くなることで有効ストローク内の平均荷重が大きくな
り、圧壊に伴うエネルギー吸収量が向上する。ここで、
初期荷重とは、図4及び図5に示す荷重−変位曲線に付
記したように、有効ストローク内(図4及び図5では3
5mm)の初期の最大荷重、すなわち座屈開始荷重を意
味する。有効ストローク内で確実に高いエネルギー吸収
量を得るためには、この荷重−変位曲線において、最大
荷重が有効ストローク内の初期(図4参照)ではなく、
終期(図5参照)に発生することが望まれている。
【0008】本発明でいう過時効処理とは、最高強度
(耐力)が得られる時効処理条件より高い温度又は長い
時間時効処理を行うことである。具体的には、例えば、
処理温度T℃で時効処理した場合にHminでT
℃での最高強度が得られるとすれば、T℃×(H
α)minの処理条件を施す。また、処理時間Hで時
効処理した場合にT℃でHminでの最高強度が得
られるとすれば、(T+β)℃×Hminの処理条
件を施す。ここで、α、βは正の値である。このよう
に、過時効処理は温度と時間の兼ね合いで決まるため、
低温であっても時間さえ長くすれば一応過時効とするこ
とができる。しかし、生産性等を考えると、上記組成の
アルミニウム合金押出材において、(150〜180)
℃×(6〜12)hr程度が工業的には望ましい。ある
いは、例えば最高強度を得たところでいったん時効処理
を停止し、再度加熱して時効処理を行った場合も、本発
明でいう過時効処理になる。この場合、後工程の時効処
理として、自動車組立時の塗装焼付け工程を利用するこ
とができる。
【0009】本発明では、この過時効処理により、過時
効処理後の耐力が、アルミニウム合金押出材を時効処理
して得られる耐力の最高値(σ0.2max)の約0.7倍以
上になるように調整する。これ以上過時効処理を行うと
強度の低下が大きくなり、平均荷重が低下しエネルギー
吸収量が低下して実用的といえなくなる。一方、過時効
処理後の耐力は、上記σ0.2maxの約0.9倍以下が望ま
しい。過時効処理の程度がこれより小さいと耐圧壊割れ
性の改善が少なく、エネルギー吸収量の向上が余り見込
めないためである。
【0010】なお、過時効処理したアルミニウム合金押
出材をエネルギー吸収部材として用いることが特開平1
1−106879号公報に記載されている。しかし、同
公報に記載されたエネルギー吸収部材は、押出軸方向に
圧縮荷重を受けたとき蛇腹状に収縮変形するサイドメン
バーやバンパーステイに関するもので、横方向に圧縮荷
重を受け変形形態も異なるバンパー補強材等の横圧壊特
性を向上させることを示唆するものではない。また、特
開平5−25595号公報にはアルミニウム合金押出材
を過時効処理し、これを曲げ加工用ワークとして用いる
ことが記載されている。しかし、同公報に記載された技
術は6000系(Al−Mg−Si系)アルミニウム合
金押出材に関するものであり、かつ過時効処理により高
すぎる引張強さ、耐力を低下させ、曲げ加工精度を向上
させるというものであるから、横方向に圧縮荷重を受け
て圧壊するエネルギー吸収部材の横圧壊特性を向上させ
ることを示唆するものではない。
【0011】そのほか、前記アルミニウム合金押出材を
過時効処理することにより、通常の時効処理材(最高強
度材)に比べ、耐応力腐食割れ性(耐SCC性)、
一般耐食性、曲げ加工性が改善し、さらにエネルギ
ー吸収部材を薄肉化できるなどの利点が出てくる。これ
らを以下、簡単に説明する。 耐SCC性;自動車のバンパー補強材やフレームは曲
げ加工を施すことが多く、本発明のようなAl−Mg−
Zn合金の場合、残留応力等の影響で曲げ加工部にSC
Cが発生しやすい。このSCCは結晶粒界の析出物と結
晶粒内の電位差によって粒界の析出物が溶出して発生す
るといわれているが、時効処理材では粒界にMgZn
の析出物が微細に連続的に析出しており、一方、過時効
処理材では時効処理材に比べると析出物が粗大化して不
連続となっており、同じように析出物が溶出しても、過
時効処理材の場合、溶出が粒界に沿って不連続に起こる
ので、比較的SCCが起こりにくいものと考えられる。
【0012】一般耐食性 SCCと同様に、粒界の析出物が粗大化して不連続にな
ることから、時効処理材に比べ一般耐食性が向上する。 曲げ加工性 特にバンパー補強材やフレームなどの曲げ加工におい
て、きびしい曲げ条件(曲げ半径が小さい等)では、時
効処理材に比べ過時効処理材は局部伸びが大きいため加
工割れが発生しにくい。従って、過時効処理材の方がよ
りきびしい加工を必要とする製品に使用できる。 薄肉化 一般に薄肉となるほど衝突のとき圧壊割れが発生しやす
くなる。従って、強度的に過剰設計で薄肉化が望ましい
ときでも、割れ防止の観点からエネルギー吸収部材を薄
肉化するのは難しいが、過時効処理材は時効処理材に比
べて圧壊割れを起こしにくいので、薄肉化が可能であ
る。
【0013】続いて、本発明に係るアルミニウム合金押
出材の各成分の添加理由及び組成限定理由について説明
する。 Zn ZnはMgと共存して合金に時効性を与え、人工時効に
より強度を向上させる作用を有する。Znの含有量が
4.0%未満では強度の向上が十分でなく、エネルギー
吸収量が少なくなる。一方、7.0%を超えると押出性
が低下するとともに、伸び及び曲げ加工性が低下する。
さらに耐SCC性及び一般耐食性が低下する。従って、
Znの含有量は4.0〜7.0%とし、なかでも6.0
〜7.0%がより好ましい。 Mg Mgはアルミニウム合金の強度を高める主要な元素であ
る。しかし、Mgの含有量が0.5%未満では強度を向
上させる効果を十分に得ることができず、エネルギー吸
収量が少なくなる。一方、1.6%を超えると押出性が
低下するとともに伸びも低下する。さらに耐SCC性、
曲げ加工性が低下する。従って、Mgの含有量は0.5
〜1.6%とし、なかでも0.6〜1.0%がより好ま
しい。
【0014】Ti Tiはアルミニウム合金鋳塊中の結晶粒を微細化する効
果がある。しかし、含有量が0.005%未満ではその
効果を十分得ることができず、また0.3%を超えると
結晶粒微細化効果が飽和して巨大化合物が発生してしま
う。従って、Tiの含有量は0.005〜0.3%とす
る。 Cu Cuはアルミニウム合金の強度を高める作用があり、目
標とする高強度を得るため添加される。また、Cuは耐
SCC性を改善する作用がある。しかし、Cu含有量が
0.05%未満ではその効果が不十分で、エネルギー吸
収量が少なく、耐SCC性に劣るようになる。一方、
0.6%を超えると押出性が悪くなり、さらに焼入れ感
受性を高め強度低下を招くとともに、曲げ加工性及び一
般耐食性を劣化させる。また、溶接性も悪くなる。従っ
て、Cuの含有量は0.05〜0.6%、望ましくは
0.1〜0.2%である。
【0015】Mn、Cr、Zr これらの元素はアルミニウム合金押出材に繊維状組織を
形成し、合金を強化する作用があるため、1種又は2種
以上が添加される。しかし、それぞれ、0.2%、0.
03%、0.05%未満ではその効果が不十分であり、
一方、それぞれ0.7%、0.3%、0.25%を超え
ると押出性が悪くなり、さらに焼入れ感受性を高め強度
低下を招く。従って、Mn:0.2〜0.7%、Cr:
0.03〜0.3%、Zr:0.05〜0.25%の範
囲とする。Zrは0.1〜0.2%が望ましい。繊維状
組織を形成するためには1種又は2種以上を合計で0.
1%以上含有することが望ましく、特に空冷によるプレ
ス焼入れを行う場合、焼入れ感受性の低下を防ぐため合
計で0.4%以下が望ましい。
【0016】不可避不純物 不可避不純物のうちFeはアルミニウム地金に最も多く
含まれる不純物であり、0.35%を超えて合金中に存
在すると鋳造時に粗大な金属間化合物を晶出し、合金の
機械的性質を損なう。従って、Feの含有量は0.35
%以下に規制する。また、アルミニウム合金を鋳造する
際には地金、添加元素の中間合金等様々な経路より不純
物が混入する。混入する元素は様々であるが、Fe以外
の不純物は単体で0.05%以下、総量で0.15%以
下であれば合金の特性にほとんど影響を及ぼさない。従
って、これらの不純物は単体で0.05%以下、総量で
0.15%以下とする。なお、不純物のうちBについて
はTiの添加に伴い合金中にTiの1/5程度の量で混
入するが、より望ましい範囲は0.02%以下、さらに
0.01%以下が望ましい。
【0017】なお、本発明に係るエネルギー吸収部材に
おいて、アルミニウム合金押出材の結晶組織は繊維状組
織を有するものとする。ここで、繊維状組織とは、押出
材にみられる熱間加工組織で、押し出し方向に長く伸ば
された結晶粒組織のことであり、等軸再結晶組織に比べ
て強度を高め、過時効処理後の横圧壊割れ性を向上させ
る。また、アルミニウム合金押出材の断面形状は特に限
定されるわけではないが、適宜の閉断面形状、例えば荷
重方向にほぼ垂直に向く前後のフランジ部、及びそれら
を連結し荷重方向にほぼ平行に向く一対のウエブ部から
なる略矩形断面とされる。
【0018】
【実施例】表1に示す化学成分のAl−Mg−Zn系合
金を常法により溶解し、半連続鋳造法により直径200
mmの鋳塊に鋳造した。この鋳塊を均質化処理した後、
図2に示す断面形状に押し出し、押出加工時の高温状態
(460℃)から空冷により焼入れ(プレス焼入れ)し
た。ただし、No.15については、空冷では焼きが入
らなかったため、水冷による焼入れを行った。下記表2
においてNo.15のデータは水冷のものであり、空冷
のデータをカッコ内に参考として示している。続いて、
この押出材を短尺に切断し、同じく表1に示す熱処理を
施して供試材とした。なお、T5処理は時効処理(最高
強度σ0.2max)、T7処理は過時効処理を意味する。
【0019】
【表1】
【0020】この供試材のウエブ部(幅40mmの側)
から長さ方向にJIS13号B試験片を採取して引張試
験を行い、各供試材の機械的性質を測定した。また、3
0ton万能試験機を用い、図3に示すように、専用ス
テイ2(供試材取付面:長さ方向80mm×幅方向50
mm)に両面テープで固定した供試材3の上面より剛体
4を押し付け、横圧壊試験を行った(変位量35mm=
有効ストロークまで)。各供試材の機械的性質、横圧壊
試験による各供試材の初期荷重、最大荷重、有効ストロ
ーク内の平均荷重及び吸収エネルギーとその圧壊割れラ
ンクを表2に示す。また、供試材No.1、2の変位−
荷重曲線を図4及び図5に示す。表2に示す圧壊割れラ
ンクは、ウエブ部の割れ性を5段階で評価したもので、
1:割れなし、2:肉厚貫通なしの割れあり、3:肉厚
貫通ありの部分割れあり、4:肉厚貫通ありの割れによ
る分断あり、5:割れ全分断、である。なお、No.1
〜5については押出速度を7m/分とし、No.6〜1
6については、No.1〜5と同等の表面品質が得られ
る限界押出速度を測定し、この押出速度がNo.1〜5
に対し同等のもの(No.1〜5の90%以上の場合)
を○、70〜89%の場合を△、69%以下の場合を×
と評価した。その結果を同じく表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】さらに、表1に示す化学成分のAl−Mg
−Zn系合金鋳塊を、前記の押出材と同じ製造条件で押
出成形−プレス焼入れし、2mm×150mmの押出材
(フラットバー)を得、これに同じ熱処理を施して供試
材とした。各供試材について、耐SCC性、曲げ加工
性、耐食性を下記要領にて測定した。 ・耐SCC性 SCC試験は、クロム酸水溶液(純水1リットル中、無
水クロム酸36g、重クロム酸カリ30g、塩化ナトリ
ウム3g)を試験液として用い、各供試材から押出直角
方向(LT方向)に応力がかかるように試験片を採取
し、試験温度95℃、3点曲げの要領で材料耐力の10
0%及び75%の負荷を与える条件で実施した。評価基
準は、360分浸漬後、拡大鏡にて25倍で観察し、材
料表面の亀裂の有無で評価した。亀裂のないものを○、
100%負荷試験片のみ亀裂発生の場合は△、75%負
荷試験片にも亀裂発生の場合は×と評価した。
【0023】・曲げ加工性 曲げ加工性評価は、供試材から採取した肉厚2mmの試
験片を曲げ半径2mmの治具を用い、3点曲げの要領で
180゜曲げを行い、曲げ先端部を目視観察し、表面の
亀裂の有無にて評価した(亀裂なし:○、微細亀裂:
△、貫通割れ×)。 ・耐食性 耐食性評価は、供試材から試験片を採取し、JISZ2
371塩水噴霧試験方法に従い、2000時間の腐食減
量を測定した。No.1、2、4、5、10〜14はN
o.3を基準とし、No.6はNo.7を基準とし、N
o.8はNo.9を基準とし、それぞれ腐食減量が基準
とする供試材の腐食減量の+15%以内を○、+30%
以内を△、+31%以上を×として評価した。
【0024】表2に示すように、過時効処理を行ったN
o.2〜5は、通常のT5処理を行ったNo.1(最高
強度材)に比べて耐力が低下するが、圧壊割れランク及
び吸収エネルギーが向上している。また、No.1では
初期荷重=最大荷重であり、初期荷重と平均荷重の差が
大きく出たが、No.2〜5では初期荷重が小さく、平
均荷重に近くなっている。このうちNo.3、4は、圧
壊割れランク、エネルギー吸収量とも特に優れている
が、No.5は過時効が進んで耐力の低下が大きく、吸
収エネルギーの向上が少ないため実用的とはいえない。
なお、No.2〜4において耐力が低いにも関わらずエ
ネルギー吸収量が向上しているのは、圧壊割れ性が改善
されたことで、図5に示されるように、変位後半(25
〜35mm)においても荷重の低下が少ないか、全くな
いためである。
【0025】No.6と7、No.8と9を比較する
と、適度に過時効処理されたNo.7、9は圧壊割れラ
ンク、エネルギー吸収量とも優れ、他の特性も優れてい
る。また、No.10は過時効処理されているが、M
n、Cr、Zrを含有しないため、結晶組織が等軸晶と
なり、圧壊割れランク、エネルギー吸収量とも劣る。耐
SCC性、曲げ加工性も劣る。他の成分が本発明の規定
範囲外のNo.11〜16は、圧壊割れランクは比較的
よいが、エネルギー吸収量及び他の特性のいずれかが劣
る。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、高強度アルミニウム合
金押出材を使用することで強度を高め、同時に横方向に
衝突の圧縮荷重を受けたときの横圧壊特性に優れる自動
車用エネルギー吸収部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バンパー補強材の変形前(実線)及び変形過
程の一形態(仮想線)を示す図である。
【図2】 実施例に使用したエネルギー吸収部材の断面
形状を示す図である。
【図3】 実施例の横圧壊試験方法を示す図である。
【図4】 実施例の横圧壊試験で得られた荷重−変位曲
線(No.1)である。
【図5】 実施例の横圧壊試験で得られた荷重−変位曲
線(No.2)である。
【符号の説明】
2 ステイ 3 供試材 4 剛体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg:0.5〜1.6%(質量%、以下
    同じ)、Zn:4.0〜7.0%、Ti:0.005〜
    0.3%、Cu:0.05〜0.6%を含有し、さら
    に、Mn:0.2〜0.7%、Cr:0.03〜0.3
    %、Zr:0.05〜0.25%のうち1種又は2種以
    上を含有し、残部Al及び不可避不純物からなるアルミ
    ニウム合金押出材であり、これが繊維状組織を有し、か
    つ時効処理して得られる耐力の最高値(σ0.2max)の
    0.7倍以上の耐力をもつように過時効処理されている
    ことを特徴とする横圧壊特性に優れるエネルギー吸収部
    材。
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