JP2001139831A - 炭素繊維系バルクモールディングコンパウンド材料および成形体 - Google Patents

炭素繊維系バルクモールディングコンパウンド材料および成形体

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JP2001139831A
JP2001139831A JP32389599A JP32389599A JP2001139831A JP 2001139831 A JP2001139831 A JP 2001139831A JP 32389599 A JP32389599 A JP 32389599A JP 32389599 A JP32389599 A JP 32389599A JP 2001139831 A JP2001139831 A JP 2001139831A
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fiber
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bulk molding
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Takehiko Hirose
武彦 広瀬
Yasuhiro Nishi
泰博 西
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のGF―BMCでは達成が困難であっ
た、軽量でかつ高剛性・高強度を達成し、耐衝撃性・電
磁波シールド性・X線透過性に優れた成形材料および成
形体を提供する。 【解決手段】 本発明は、引張強度が4000MPa以
上、かつ引張弾性率が200GPa以上である連続炭素
繊維を、繊維長1〜25mmの範囲内にカットしてなる
平均単繊維径が2〜20μmの範囲内にある炭素繊維短
繊維と、熱硬化性樹脂とを含み、かつ炭素繊維の重量含
有率Wfが5〜40%の範囲内にある炭素繊維系バルク
モールディングコンパウンド材料、およびその炭素繊維
系バルクモールディングコンパウンド材料を硬化してな
る炭素繊維系バルクモールディングコンパウンド製成形
体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化繊維に炭素繊
維(CF)を使用し、マトリクス樹脂に熱硬化性樹脂を
用いたバルクモールディングコンパウンド(Bulk
MoldingCompound、以下BMCと略す)
材料(以下、CF−BMCと略す)とその成形体に関す
る。特に一般産業用途、スポーツ関連用途、その他機械
部品などに適用される。
【0002】
【従来の技術】強化繊維にガラス繊維(GF)を使用し
たBMC材料(以下GF−BMCと略す)は数多く存在
し、一般産業用途、スポーツ関連用途、重要機械部品な
どの成形材料として広く使用されている。
【0003】ここで、BMCとは、カットした繊維と樹
脂とを混ぜ合わせたものをいう。また、カットしたと
は、刃物による物理的切断以外に熱的又は化学的切断な
ど、カットされた手段は何ら限定されるものではなく、
単に繊維が連続長繊維ではなく、所定の長さに調製され
ていることを意味する。
【0004】GF−BMCには、多くの種類が存在する
が、例えば特開平6−226766号公報には、マトリ
ックス樹脂に不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂を用
いたGF−BMC材料において、GFの長さが異なるも
の、あるいは樹脂添加剤の種類や添加量が異なるものな
どが例示されており、成形性やBMC成形体の機械的強
度等の特徴が述べられている。一般的に、BMC材料
は、樹脂流動性、成形品安定性などに優れており、射出
成形、直圧成形などの各種成形に広く適用されている。
【0005】また、特開平5−69441号公報には熱
可塑性樹脂を用いたCF−BMC材料が提案されてい
る。
【0006】ところで、近年、複雑な形状の成形品が増
加し、またこれに伴い、様々な用途にBMC材料が使用
される機会が多くなっておりBMC材料に要求される特
性も多岐にわたってきた。要求特性としては、(1)高
弾性・高強度、(2)電磁波シールド性などが挙げられ
るが、従来のGF―BMC材料を用いた成形品では上記
(1)、(2)の材料要求特性を満足することが困難に
なりつつある。BMC成型品の曲げ強度、曲げ弾性率等
の機械的強度を大きくするため、BMC材料中のGFの
繊維重量含有率Wfを高くすると、成型品の重さが重く
なるばかりでなく、表面に繊維のバリが発生するなどの
問題があるため小さな、複雑な形状の成形には用いるの
が難しくなり、Wfは10%程度と小さい値で実施され
るのが一般的である。その結果、GF−BMC材を用い
た成形体ではその弾性率・破壊強度が小さくなるという
問題がある。また近年、パソコン等の発達により、人体
に有害と言われる電磁波に触れる機会が増えているが、
ガラス繊維には電磁波を遮蔽する特性がないため、GF
−BMCをOA機器製品用途に使用するには限界がでて
きている。
【0007】また、熱可塑性樹脂を用いたBMCでは、
それから得られた成形体の耐熱性や機械的強度が充分で
なく、使用される用途が限定され、フィルムなどを巻き
取る芯(ロール)のジャーナルなどに用いることは困難
な状況にあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来のBMC材料の問題点に鑑み、軽量で高い弾性率・強
度を発現し、かつ衝撃特性を飛躍的に向上させることが
できるCF−BMCを提供することを目的とする。
【0009】また、リブなどが数多く存在するような複
雑形状に対応でき、かつ電磁波シールド性ならびにX線
透過性に優れた成形品を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の炭素繊維系バルクモールディングコンパウ
ンド材料は次の構成を有する。すなわち、引張強度が4
000MPa以上、かつ引張弾性率が200GPa以上
である連続炭素繊維を、繊維長1〜25mmの範囲内に
カットしてなる平均単繊維径が2〜20μmの範囲内に
ある炭素繊維短繊維と、熱硬化性樹脂とを含み、かつ炭
素繊維の重量含有率Wfが5〜40%の範囲内にある炭
素繊維系バルクモールディングコンパウンド材料であ
る。また前記課題を解決するために本発明の炭素繊維系
バルクモールディングコンパウンド成形体は次の構成を
有する。すなわち、上記炭素繊維系バルクモールディン
グコンパウンド材料を硬化してなる炭素繊維系バルクモ
ールディングコンパウンド成形体である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
【0012】本発明のCF−BMCに用いる炭素繊維
は、CF−BMC硬化物、すなわち成形体が高強度、高
弾性率を有するために、炭素繊維自身が高強度、高弾性
率であることを必要とする。そのため、連続炭素繊維の
引張強度が4000MPa以上以下、かつ引張弾性率が
200GPa以上であることが好ましい。より好ましく
は引張強度が4000MPa以上7000MPa以下、
かつ引張弾性率が200GPa以上700GPa以下で
あり、さらに好ましくは引張強度が4500MPa以上
7000MPa以下、かつ引張弾性率が230GPa以
上650GPa以下の範囲である。引張強度が4000
MPa以上、かつ引張弾性率が200GPa以上である
ことにより、BMC成形体が充分な曲げ強度、曲げ弾性
率といった機械的強度を発現することができる。なお、
本発明でいう繊維の引張強度、引張弾性率は、JIS
R 7601に従って測定されるストランド引張強度、
ストランド引張弾性率をいう。
【0013】また、本発明において用いられる炭素繊維
は連続繊維をカットしてなる短繊維であるが、その繊維
長は1〜25mmの範囲内にあることが好ましく、より
好ましくは3〜20mmの範囲内、さらに好ましくは3
〜10mmの範囲内である。繊維長が1mmより短いと
補強繊維としての機能を発揮できず、CF−BMC成形
体の機械的強度低下の原因となり、また25mmよりも
長いとCF−BMC材料中、またその成形体中で繊維が
折れ曲がったり、他の繊維と絡み合ったりするので、繊
維が真直に含まれているときと比べて強化繊維としての
利用率が下がりCF−BMC成形体の機械的強度が低下
する。
【0014】また本発明における炭素繊維の単繊維の平
均繊維径は2〜20μmの範囲内である。2μmより小
さい平均繊維径では、繊維が細すぎて繊維座屈などを起
こしやすく、繊維自身の機械的強度低下の原因になり、
補強効果が低下する。また、平均繊維径が20μmより
大きければ、BMC成形体が重くなるだけでなく、炭素
繊維を製造する際に繊維の表面と中心で炭素繊維構造に
内外層差が生じるため、繊維自身の機械的強度の低下の
原因になり、補強効果が低下する。平均単繊維径は好ま
しくは4〜15μm、さらに好ましくは5〜10μmで
ある。
【0015】炭素繊維のCF−BMC中の重量含有率W
fは5〜40%の範囲内、好ましくは10〜40%範囲
内である。Wfが5%より少ないと繊維量が少ないた
め、CF−BMC成形体の曲げ強度や曲げ弾性率などの
機械的強度が充分発揮できず、40%より多いと繊維量
が多くなりすぎるためBMC成形体が重くなるだけでな
く、繊維に対する樹脂の含浸が悪くなり成形性が低下す
るなどの問題が生じる。
【0016】また、本発明におけるCF−BMCで用い
る炭素繊維は、いかなる原料、製法で得られるものでも
構わないが、繊維自身の引張弾性率が高い場合において
も、比較的高い引張強度を持つポリアクリロニトリル
(以下PANと略す)系炭素繊維がより好ましく使用で
きる。なお、ここで言うPAN系炭素繊維とは、アクリ
ロニトリルを重合してなるPAN、あるいはその共重合
体を主成分として含む繊維を加熱焼成処理して得られる
ものである。PAN系炭素繊維の場合、その引張強度、
弾性率を支配する要因として、炭素繊維の結晶サイズL
cと結晶配向度π 002が重要なパラメータとなる。な
お、ここで言う結晶サイズLc、および結晶配向度π
002は以下の方法で求められるものである。 (結晶サイズの測定)X線源として、Niフィルターで
単色化されたCuのKa線を用いた広角X線回折スペク
トル、2θ=26.0°付近に観察される画指数(00
2)のピークを赤道方向にスキャンして得られたピーク
からその半価幅を求め、次式により結晶サイズ(Lc)
が求まる。 Lc=λ/(β0cosθ) β0 2e 2−βl 2 ただし、λ:X線の波長、θ:回折角、β0:真の半価
幅、βe:みかけの半価幅、βl:装置定数。 (結晶配向度の測定)結晶サイズと同じ方法で測定した
X線回折スペクトル(002)回析の最高強度を含む子
午線方向のプロフィールの広がりの半価幅(H)から、
次式を用いて結晶配向度π002(%)が求まる。 π002=[(180−H)/180]×100 すなわち炭素繊維が所望の強度、弾性率を得るには、結
晶サイズLcは1.5〜6.2nmの範囲内であること
が好ましく、1.7〜5.5nmの範囲内がより好まし
い。また、結晶配向度π002は80〜95%の範囲内で
あることが好ましく、80〜92%の範囲内がより好ま
しい。
【0017】本発明に用いられる炭素繊維は、CF−B
MC成形体における炭素繊維自身の機械的強度を十分に
発揮させるため、マトリクス樹脂との接着力が良好なも
のが好ましい。すなわち、好ましく用いられるのは、光
電子分光技術(Electron Spectrosc
opy for Chemical Analysis
すなわちESCA)において得られる炭素繊維表面の表
面酸素濃度O1s/C1sが0.02以上0.2以下の範囲
にある炭素繊維である。また、用いる炭素繊維は、繊維
表面とCF−BMCに用いる樹脂との親和性を高めるこ
とを目的とした表面改質処理を施したものであっても良
い。この表面改質処理とは、炭素繊維を酸化処理するこ
とで繊維表面にカルボキシル基、水酸基などの極性の高
い官能基を生成する方法であったり、あるいは繊維表面
に樹脂と親和性の高い化合物を結合あるいは吸着させる
方法、またはそれらを組み合わせた方法であっても良
い。この様な処理を施すことによって、CF−BMC硬
化物における炭素繊維と樹脂との接着力が良好となり、
CF−BMC硬化物、すなわち成形体において、さらに
高い機械的強度を発現することが期待できる。
【0018】本発明で用いられる樹脂は熱硬化性樹脂を
主成分とするものである。熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹
脂に比べその樹脂硬化物の機械的特性や耐熱性が優れる
ため、結果としてBMC成形体の耐熱性や機械的強度を
高める効果がある。
【0019】本発明において用いられる熱硬化性樹脂
は、特に限定されることなく選ぶことができる。その中
でもフェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。す
なわち、耐熱性に優れる点で、フェノール樹脂が好まし
く、あるいは、炭素繊維との接着性がより良好である点
でビニルエステル樹脂が好ましく、CF−BMCを成形
する際の低い収縮性や高い流動性を有する点で不飽和ポ
リエステル樹脂が好ましく、炭素繊維との接着性が良く
力学的特性にも優れる点でエポキシ樹脂も好ましく用い
られる。
【0020】また、本発明において用いられる熱硬化性
樹脂は、樹脂硬化剤、充填剤、樹脂増粘剤等、加熱によ
り樹脂が硬化し成形体となるものであれば特に限定され
ず、これらを添加して用いても良い。
【0021】上記硬化剤は、熱硬化性樹脂の反応を開始
し、樹脂が3次元架橋することにより硬化するものであ
れば特に限定されるものではない。例えば、不飽和ポリ
エステル樹脂やビニルエステル樹脂を用いる場合、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イド等の過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等を用
いることができ、フェノール樹脂では、例えばノボラッ
ク系フェノール樹脂ではテトラメチレンテトラミンのよ
うに加熱によりホルムアルデヒドを発生するようなもの
を用いることもでき、またレゾール系フェノール樹脂で
はリン酸、芳香族スルホン酸などの酸、有機酸、あるい
はアンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリを用いる
こともできる。エポキシ樹脂では、酸、有機酸、酸無水
物、無機アルカリやエチレンジアミン等の有機塩基、ま
たフェノール樹脂、尿素樹脂ポリアミド樹脂等の樹脂も
用いることができる。
【0022】上記充填材とは、CF−BMC成形体を製
造する際に樹脂の流動性を高め、小さな、また複雑な形
状のものに対しても成形性を良好にならしめるためのも
のであり、例えば、水酸化アルミニウム、酸化アルミニ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、石英ガラス、チタン酸鉛、二酸化
ケイ素などが挙げられ、好ましくは、CF−BMC成形
体の熱膨張を小さく抑制するため、熱膨張係数の小さい
水酸化アルミニウム、石英ガラス、チタン酸鉛が挙げら
れる。
【0023】上記樹脂増粘剤とは、CF−BMCを製造
する際に樹脂と繊維を混練し、均質化したものが、その
後成形時等に繊維が移動して不均一な状態になりCF−
BMC成形体の機械的強度が低下するのを抑制するため
のものであり、例えば酸化マグネシウム(MgO)や水
酸化カルシウム(Al(OH)2)が挙げられるが、成
形後の表面平滑性に優れる点で酸化マグネシウムが好ま
しく用いられる。
【0024】本発明において、CF−BMCを製造する
際に上記の樹脂とカットした炭素繊維とを混ぜ合わせる
手法は特に限定されるものではないが、繊維への樹脂の
含浸性、繊維の分散性など、生産性の点から加圧ニーダ
によって行うことが好ましい。この際、必要に応じて加
熱しながら行っても良いが、樹脂が硬化を始める温度以
下、好ましくは10〜35℃で行うことが望ましい。ま
たこの際、圧力は特に大気圧以上にかける必要はない
が、樹脂粘度が高い場合、樹脂が空気を取り込み混練さ
れ、繊維への樹脂含浸が困難になる場合は大気圧以上の
圧力をかけて行っても良い。
【0025】次に本発明のCF−BMCを硬化してなる
成形体について説明する。本発明の成形体は、圧縮成
形、移送成形、射出成形等のいずれの成形方法によって
も良いが、本発明で用いられる樹脂は室温付近で樹脂粘
度が高い場合が多いことから、所定の形状の金型などに
本発明のBMCを圧入してした後、金型を加熱および加
圧することで硬化せしめる圧縮成形を用いることで、複
雑な形状、例えばフィルム巻き取り用ロールを両側で支
えるジャーナル、自転車や自動車のホイールなどの形状
を短時間で得ることが可能である。同様なホイールを成
形する方法としてシートモールディングコンパウンド
(SMC)が代表的であるが、この方法であると金型に
シート状のプリプレグなどをしわにならないように貼り
付けていくなど、多大な時間を必要とする。また、BM
Cでは樹脂の中に繊維がランダム配向しているため、B
MC自体が疑似等方性材料になっており、BMCの粘度
などを調整することで、表面状態が滑らかな製品を成形
できる。SMCで疑似等方性にするためには、一方向の
シートを各方向に多量に配する必要がある。つまりBM
Cを用いた成形では短時間、安価、等方性部材で表面状
態が滑らかな製品を得ることができる大きな利点があ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。BMC材作製に用いた強化繊維およびその特性を表
1に、またBMC材作製に用いた樹脂組成物の材料およ
び配合量を表2にまとめた。尚、以下「部」とあるのは
「重量部」を意味する。 (実施例1)マトリクス樹脂として不飽和ポリエステル
樹脂リゴラック157BQT−2(昭和高分子(株)
製)100部に、酸化マグネシウム(MgO)0.25
部、水酸化アルミニウム(Al(OH)2)25部、お
よび硬化剤パーメックN(日本油脂(株)製)0.5部
を添加してなる樹脂組成物に、平均単繊維系7μm、結
晶サイズLc=1.8nm、結晶配向度π002=80%
の炭素繊維(ストランド引張強度4900MPa、スト
ランド引張弾性率235GPa)を繊維長6mmにカッ
トした繊維を繊維重量含有率Wf=30重量%になるよ
うに配合したものを、加圧ニーダーにて大気圧下、25
℃で混練しCF−BMC材料を得た(表1に記載)。得
られたCF−BMC材料は、圧縮成型法により、300
mm×300mm、厚み2mmの板を得るための金型に
圧入された後、圧力10MPaにて、120℃で3時間
硬化し、得られた成形板をダイヤモンドカッターにて曲
げ強度試験用の幅25mm、長さ100mm、厚み2m
mのCF−BMC成形体試験片を得た。その成形体の特
性を表2に示す。 (実施例2)マトリクス樹脂をフェノール樹脂ショウノ
ールBRL−240(昭和高分子(株)製)に変更し、
これを100部、硬化剤をFRH−30(昭和高分子
(株)製)に変更し、これを10部とした以外は実施例
1と同様に作製したCF−BMC材料を、実施例1と同
じ金型に圧入した後、圧力10MPa、160℃で2時
間硬化し、得られた成形板をダイヤモンドカッターにて
曲げ強度試験用の幅25mm、長さ100mm、厚み2
mmのCF−BMC成形体試験片を得た。その成形体の
特性を表2に示す。 (実施例3)マトリクス樹脂をビニルエステル樹脂デラ
ケーン411−C−45(ダウケミカル(株)製)に変
更し、これを100部、硬化剤パーメックN(日本油脂
(株)製)を1部とした以外は実施例1と同様に作製し
たCF−BMC材料を、硬化温度を120℃、硬化時間
を3時間とした以外は実施例1と同様にして曲げ試験用
試験片を得た。その成形体の特性を表2に示す。 (実施例4)マトリクス樹脂をエポキシ樹脂Ep828
(油化シェル(株)製)に変更し、これを100部、硬
化剤を3フッ化ホウ素モノエチルアミンに変更し、これ
を3部とした以外は実施例1と同様に作製したCF−B
MC材料を、硬化温度を170℃、硬化時間を2時間と
した以外は実施例1と同様にして曲げ試験用試験片を得
た。その成形体の特性を表2に示す。 (実施例5)繊維重量含有率Wfを40%に変更した以
外は実施例2と同じとした。 (実施例6)繊維長を10mmに変更した以外は実施例
1と同じとした。 (比較例1)繊維を炭素繊維から平均単繊維径15m
m、繊維長6mmのEガラス繊維に変更した以外は実施
例1と同じとした。 (比較例2)繊維長を0.5mmに変更した以外は実施
例1と同じとした。 (比較例3)繊維重量含有率Wfを5%に変更した以外
は実施例1と同じとした。 (比較例4)繊維を平均単繊維系4.6μm、結晶サイ
ズLc=6.4nm、結晶配向度π 002=96%の炭素
繊維(ストランド引張強度3700MPa、ストランド
引張弾性率635GPa)以外は実施例1と同じとし
た。
【0027】なお、本発明におけるBMC成形体の曲げ
強度、曲げ弾性率、熱膨張係数は以下のJIS規格に従
って求めた。 (曲げ強度、曲げ弾性率)JIS K 7074に従って
測定されるコンポジット3点曲げ強度、曲げ弾性率であ
る。 (熱膨張係数)JIS K 7197に従って測定される
プラスチックの線膨張係数である。
【0028】実施例1〜6、比較例1〜3の強化繊維の
種類、特性、樹脂、硬化剤、添加物、および配合量につ
いて表1にまとめた。
【0029】表3に示すように、本発明のCF−BMC
成形体はGF−BMCに比べて(1)比重が小さい
(2)熱膨張係数が小さい(3)曲げ強さが大きい
(4)曲げ弾性率が大きいなどの特徴がある。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】本発明のCF―BMCは、上述した通り
の構成を有することによりフィルム巻き取り用のロール
を両側で支えるジャーナルや自動車などのホイール、カ
メラの外枠や三脚、歯車など、小さな凹凸や多角形の部
分を複数有するなど複雑な形状の成形を得るために使用
することが可能である。
【0034】また、本発明の成形体は、従来のGF―B
MCでは達成が困難であった軽量かつ高剛性・高強度を
達成し、耐衝撃性、電磁波シールド性、X線透過性に優
れた成形材料となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:12 B29K 307:04 307:04 C08L 101/00 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB10 AB14 AB15 AB17 AB34 AD13 AD23 AD33 AD38 AE02 AE11 AE12 AG03 AH04 AK03 AK14 AK15 AK17 AL01 AL02 AL04 AL16 4F204 AA36 AA37 AA39 AA41 AB16 AB18 AB25 AE03 AG02 AH05 AH17 AH33 AH59 FA01 FB01 FE18 FE30 FF06 FF21 FG07 4J002 CC041 CD001 CD201 CF211 DA016 FA046 FD140 GC00 GM00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張強度が4000MPa以上、かつ引
    張弾性率が200GPa以上である連続炭素繊維を、繊
    維長1〜25mmの範囲内にカットしてなる平均単繊維
    径が2〜20μmの範囲内にある炭素繊維短繊維と、熱
    硬化性樹脂とを含む、炭素繊維の重量含有率Wfが5〜
    40%の範囲内にある炭素繊維系バルクモールディング
    コンパウンド材料。
  2. 【請求項2】 炭素繊維がポリアクリロニトリル系炭素
    繊維であることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維
    系バルクモールディングコンパウンド材料。
  3. 【請求項3】 炭素繊維は、その結晶サイズLcが1.
    5〜6.2nmの範囲内にあり、かつ、その結晶配向度
    π002が80〜95%の範囲内にあることを特徴とする
    請求項1または2に記載の炭素繊維系バルクモールディ
    ングコンパウンド材料。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂がフェノール樹脂、ビニル
    エステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂
    から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維系バルクモール
    ディングコンパウンド材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊
    維系バルクモールディングコンパウンド材料を硬化して
    なる炭素繊維系バルクモールディングコンパウンド製成
    形体。
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