JP2001138551A - インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのアクチュエータ駆動信号設定方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのアクチュエータ駆動信号設定方法

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JP2001138551A
JP2001138551A JP31880099A JP31880099A JP2001138551A JP 2001138551 A JP2001138551 A JP 2001138551A JP 31880099 A JP31880099 A JP 31880099A JP 31880099 A JP31880099 A JP 31880099A JP 2001138551 A JP2001138551 A JP 2001138551A
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potential
actuator
recording head
pulse
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JP31880099A
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Shunka Cho
俊華 張
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッドのアクチュエータにおける非線形
特性の影響を抑制したインクジェット式記録装置を提供
すること。 【解決手段】 プリンタコントローラ1には、記録ヘッ
ド8の圧電振動子25に対して駆動信号を供給する駆動
信号発生回路9が搭載されている。この駆動信号発生回
路9には、電位情報格納手段12より電位情報が供給さ
れ、前記圧電振動子25に入力される駆動信号における
中間電位(VC)が、前記電位情報格納手段に格納され
た電位情報に基づいて設定されるように構成されてい
る。前記中間電位は、圧電振動子25の非線形特性の影
響を受けにくい範囲に設定され、これにより最良な画像
品質を安定して得ることができる記録装置が提供され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル開口部に連
通した圧力室を膨張および収縮させる圧電振動子を備
え、前記圧電振動子に駆動信号を選択的に供給すること
でノズル開口部からインク滴を吐出させる記録へッドを
備えたインクジェット式記録装置および同装置における
記録ヘッドのアクチュエータ駆動信号設定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は、印刷時の
騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で
形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多
くの印刷に使用されている。このようなインクジェット
式記録装置には、列状に並ベた状態で形成された多数の
ノズル開口部を備え、インクカートリッジからのインク
の供給を受けると共に、主走査方向(記録用紙の幅方
向)に移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドが具
備されており、記録用紙を前記主走査方向と直交する副
走査方向に移動させる紙送り機構との連動により、記録
用紙上にインク滴を吐出することで画像記録が行われ
る。
【0003】前記記録へッドには、ノズル開口部に連通
した圧力室とこの圧力室を膨張および収縮させることで
圧力室内のインク圧力を変化させるアクチュエータ、例
えばピエゾ圧電振動子が備えられている。このような記
録ヘッドでは、一連の駆動信号を前記ピエゾ圧電振動子
に供給することでインク圧力を変化させ、これによりノ
ズル開口部からインク滴を吐出させることができるよう
に構成されている。
【0004】そして、例えばホストコンピュータから送
られる印刷制御データを、プリンコントローラにおいて
ビットマップデータに展開し、このビットマップデータ
に基づいて、各圧力室に配置された前記圧電振動子に対
して駆動信号を印加するか否かが制御され、これにより
所定の画像が印刷される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したピ
エゾ圧電振動子に代表されるアクチュエータにおいて
は、これに印加される駆動電圧に対する機械的な変位
は、非線形性を有している。例えば図8(A)および
(B)はその例を示したものであり、いずれも横軸に駆
動電圧レベルを、縦軸にアクチュエータの機械的な変位
量もって示している。
【0006】一般的にピエゾ素子の多くは、例えば図8
(A)に示されたように駆動電圧が上昇するにしたがっ
て、変位量の増加が少なくなる特性を有している。また
時には、図8(B)に示したように駆動電圧レベルが低
い場合においての変位量は少なく、駆動電圧レベルが上
昇するにしたがって急激に変位量が増大する特性を有し
ているものもある。
【0007】このような種々の非線形特性から理解され
るように、たとえ駆動電圧レベルを合わせても駆動電圧
レベルに応じたアクチュエータの機械的な変位量は個々
に変動し、したがって記録ヘッドのノズル開口部から吐
出されるインク量が変動するという問題を抱えている。
これはバラツキとして製品に残ることになり、このよう
なバラツキが存在していたとしても、容認できるレベル
に抑えているのが現状である。
【0008】一方、この種のインクジェット式記録装置
では、画質の向上と記録速度の向上という相対する要求
を満たすため、同一のノズル開口部から異なる大きさの
インク滴を吐出させる技術が提案されている。例えば、
複数の波形要素を接続して構成された一連の駆動信号か
ら、必要な波形要素をスイッチ手段によって適宜選択
し、この選択した波形要素を圧電振動子に供給すること
により、重量が異なる複数種類のインク滴、例えば紙面
上において大ドット、中ドット、および小ドットを形成
するインク滴を選択的に吐出させるようになされる。こ
れにより高品位の多階調印刷を実現させることができ
る。
【0009】このような多階調印刷を実現させる場合に
おいては、前記したように複数の波形要素を接続して構
成された一連の駆動信号から、必要な波形要素をスイッ
チ手段によって適宜選択する手法がとられるために、先
の駆動信号の終端電位と、次に印加される始端電位を同
一レベルに合わせる必要がある。
【0010】すなわち、前記したピエゾ圧電振動子に代
表されるアクチュエータは、一般にコンデンサの特性を
有しており、したがって先の駆動信号の終端電位をセグ
メント電圧として保持している。そこで、次に印加され
る始端電位のレベルが先の駆動信号の終端電位に一致し
ない場合には、圧電振動子のセグメント電位が瞬間的に
変動することとなり、この結果、圧電振動子に急激な変
形が生じ、インク滴を誤って吐出させてしまうという問
題が発生する。
【0011】また、圧電振動子には所定以上の大電流が
流れて、時にはこの大電流により圧電振動子の機能を劣
化させたり、極端な場合には圧電振動子を破壊してしま
う場合も発生し得る。
【0012】そこで、前記したような多階調印刷を実現
させる場合においては、先の駆動信号の終端電位と、次
に印加される始端電位とを同一レベルに合わせるため
に、例えば駆動信号の中間電位VCを管理し、前記中間
電位VCが常に一定となるように制御する手段を採用す
るようになされる。
【0013】しかしながら、前記したように紙面上にお
いて大ドット、中ドット、および小ドットを形成させる
多階調表現を実現させる場合における前記したようなア
クチュエータの非線形特性は、中間電位VCの変動でヘ
ッド特性に影響を与え、結果として多階調表現において
要求される正確なドットの大小制御を困難とし、常に最
良な画像品質を安定して得ることが困難になるという問
題を含んでいる。
【0014】本発明は前記した問題点に鑑みてなされた
ものであり、アクチュエータの非線形特性に起因して発
生する画像品質の変動を抑制し、常に最良な画像品質を
安定して得ることができるインクジェット式記録装置を
提供することを目的とするものである。
【0015】また、本発明は個々の記録装置において最
良な画像品質を安定して得るようにするために、記録ヘ
ッドのアクチュエータに加える駆動信号を設定するため
の管理技術を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装
置は、ノズル開口部に連通した圧力室を膨張および収縮
させるアクチュエータを備えた記録へッドと、前記アク
チュエータを駆動するための駆動信号を発生する駆動信
号発生手段と、前記駆動信号発生手段により得られる駆
動信号を前記アクチュエータに供給することで、アクチ
ュエータを変形させてノズル開口部よりインク滴を吐出
させる駆動信号供給手段とを備えたインクジェット式記
録装置であって、前記駆動信号発生手段によって発生さ
れる駆動信号は、インク滴をそれぞれ吐出するための複
数の波形要素を含み、前記各波形要素のうちのいずれか
一つまたは複数の波形要素を前記アクチュエータに対し
て入力させるスイッチ手段と、前記駆動信号発生手段に
対して電位情報を与える電位情報格納手段とが具備さ
れ、前記アクチュエータに入力される駆動信号における
中間電位が、前記電位情報格納手段に格納された電位情
報に基づいて設定されるように構成される。
【0017】この場合、好ましくは前記駆動信号発生手
段より異なった重量のインク滴を吐出するための複数の
波形要素を接続して構成された一連の駆動信号が生成さ
れ、前記各波形要素の始端電位および終端電位が、ほぼ
同一レベルの中間電位となるように制御される。
【0018】また、前記電位情報格納手段は書き換え可
能な不揮発性メモリにより構成されていることが望まし
い。そして、好ましくは前記記録ヘッド周辺における温
度情報を取得する温度情報取得手段がさらに具備され、
前記温度情報取得手段によって得られた温度情報に基づ
いて、前記駆動信号発生手段によって発生される駆動信
号の出力レベルを制御するように構成される。
【0019】そして、前記したいずれの構成において
も、前記アクチュエータとして、ピエゾ圧電振動子によ
り構成された記録ヘッドを用いた記録装置に好適に利用
することができる。さらに、好ましい実施の形態におい
ては、前記中間電位の情報を格納する電位情報格納手段
が、プリンタコントローラに配置された構成とされる。
一方、本発明にかかるインクジェット式記録装置におけ
る記録ヘッドのアクチュエータ駆動信号設定方法は、個
々の記録装置に搭載された記録ヘッドにおけるアクチュ
エータの変位特性を測定する変位特性測定ステップと、
前記アクチュエータの変位特性に応じて、個々の記録装
置をいずれかのグループに定義するグループ化ステップ
と、前記各グループに応じて、グループ毎に最適な中間
電位を設定する中間電位設定ステップと、前記中間電位
選択ステップによって選択された中間電位の情報を前記
電位情報格納手段に格納する格納ステップとを順次実行
するようになされる。
【0020】この場合、前記変位特性測定ステップにお
いては、1ドットのインク重量が所定の値となるように
駆動信号レベルを測定し、当該駆動信号レベルに応じて
アクチュエータの変位特性を求めるようになされる。ま
た、前記した駆動信号設定方法においては、前記グルー
プの数が1であるように設定される場合もある。
【0021】以上のように構成されたインクジェット式
記録装置によると、駆動信号発生手段に対して電位情報
格納手段より電位情報を与えられ、駆動信号発生手段に
よって発生される駆動信号における中間電位は、前記電
位情報格納手段に格納された電位情報に基づいて設定さ
れるようなされる。
【0022】したがって、個々の記録装置においては電
位情報格納手段に設定された電位情報によって特定され
た中間電位を有する駆動波形が生成される。これにより
駆動波形全体が上下動することによる非線形特性の影響
を抑制させることができる。
【0023】一方、前記した構成の記録装置において
は、前記したアクチュエータ駆動信号の設定方法を採用
することが好適であり、個々の記録装置に搭載された記
録ヘッドにおけるアクチュエータの変位特性を測定し、
アクチュエータの変位特性に応じて、非線形特性の影響
を受け難い中間電位を設定することができる。
【0024】したがって、特に多階調表現において要求
されるドットの大小制御を正確に実現させることがで
き、常に最良な画像品質を安定して得ることができる記
録装置が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるインクジェ
ット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づい
て説明する。図1は記録装置の全体構成をブロック図に
よって示したものである。このインクジェット式記録装
置は、大きく別けてプリンタコントローラ1とプリント
エンジン2とから構成されている。
【0026】プリンタコントローラ1は、ホストコンピ
ュータ(図示せず)等からの印刷データ等を受信するイ
ンターフェース3と、各種データの記憶等を行うRAM
4と、各種データ処理のための制御ルーチン等を記憶し
たROM5と、CPU等からなる制御部6と、発振回路
7と、後述する記録へッド8へ供給する駆動信号を発生
する駆動信号発生回路9と、ドットパターンデータ(ビ
ットマップデータ)に展開された印字データや駆動信号
等をプリントエンジン2に送信するためのインターフェ
ース10と、後述する記録へッド周辺における温度情報
を取得するセンサからの検出信号を、デジタルデータに
変換して制御部6に出力するA/D変換回路11と、前
記駆動信号発生回路9に対して電位情報を供給し、駆動
信号発生回路9より出力される駆動信号の中間電位を設
定する電位情報格納手段12とを備えている。なお、駆
動信号発生回路9と制御部6は、本発明における駆動信
号発生手段を構成している。
【0027】インターフェース3は、例えばキャラクタ
コード、グラフィック関数、イメージデータのいずれか
1つのデータまたは複数のデータからなる印刷データを
ホストコンピュータ等から受信する。また、インターフ
ェース3は、ホストコンピュータに対してビジー(BU
SY)信号やアクノレッジ(ACK)信号等を出力する
ことができる。
【0028】RAM4は、受信バッファ4a、中間バッ
ファ4b、出力バッファ4cおよびワークメモリ(図示
せず)等として利用されるものである。受信バッフア4
aには、インターフェース3が受信したホストコンピュ
ータからの印刷データが一時的に記憶される。また中間
バッファ4bには、制御部6によって中間コードに変換
された中間コードデータが記憶される。さらに出力バッ
フア4cには、後述するようにドットパターンデータが
展開される。
【0029】ROM5は、前記したように制御部6によ
って実行される各種制御ルーチン、フォントデータ、お
よび、グラフィック関数等を記憶している。また制御部
6は、受信バッファ4a内の印刷データを読み出して中
間コードに変換し、変換した中間コードデータを中間バ
ッファ4bに記憶させる機能を備えている。そして、制
御部6は、中間バッファ4bから読み出した中間コード
データを、ROM5内のフォントデータおよびグラフィ
ック関数等を参照してドットパターンデータに展開する
機能を備えている。そして、この展開されたドットパタ
ーンデータは、必要な装飾処理が行われた後、出力バッ
ファ4cに記憶される。
【0030】そして、記録へッド8による印字の1行分
に相当するドットパターンデータが得られると、この1
行分のドットパターンデータは、インターフェース10
を介して記録へッド8にシリアル伝送される。また、出
力バッファ4cから1行分のドットパターンデータが出
力されると、中間バッファ4bの内容が消去されて、次
の中間コードに対する展開が行われる。ここで、ドット
パターンデータに展開された印字データは後述するよう
に各ノズル毎の階調データとして例えば4ビットで構成
されている。
【0031】さらに、制御部6はA/D変換回路11か
ら出力されたセンサ出力(記録へッド周辺における温度
情報)に基づいて、ROM5に記憶されたデータテーブ
ルを参照し、前記駆動信号発生手段9によって発生され
る駆動信号の出力レベルを制御するように構成されてい
る。
【0032】一方、プリントエンジン2は、記録ヘッド
8と、紙送り機構14と、キャリッジ機構15とから構
成されている。紙送り機構14は、紙送りモータおよび
紙送りローラ等からなり、記録用紙を順次送り出すよう
に作用する。すなわち、紙送り機構14は記録動作にお
ける副走査を行う。またキャリッジ機構15は、記録へ
ッド8を搭載するキャリッジと、このキャリッジをタイ
ミングベルト等を介して走行させるパルスモータ等から
なる。このキャリッジ機構15は、記録動作における主
走査を行う。
【0033】記録へッド8は、副走査方向に例えば64
個の多数のノズル開口部16(図2参照)を有し、図示
せぬインクカートリッジから供給されるインクを、各ノ
ズル開口部16からインク滴として吐出させるように機
能する。
【0034】ドットパターンデータに展開された印字デ
ータは、発振回路7からのクロック信号(CK)に同期
して、インターフェース10を通じてシフトレジスタ2
1にシリアル伝送される。このシリアル転送された印字
データ(SI)は、一旦、ラッチ回路22によってラッ
チされる。そして、ラッチされた印字データは、電圧増
幅器であるレベルシフタ23によってスイッチ手段とし
てのスイッチ回路24を駆動可能な電圧まで昇圧し、こ
の昇圧されたスイッチング信号をスイッチ回路24に供
給するように構成されている。
【0035】前記スイッチ回路24の入力側には、駆動
信号発生回路9からの駆動信号(COM)が入力されて
おり、スイッチ回路24の出力側には、ピエゾ素子によ
る圧電振動子25が接続されている。
【0036】前記した印字データは、スイッチ回路24
の動作を制御する。例えば、スイッチ回路24に加わる
印字データが“1”である期間中は、駆動信号が圧電振
動子25に供給され、この駆動信号に応じて圧電振動子
25は変形する。一方、スイッチ回路24に加わる印字
データが“0”の期間中は、圧電振動子25への駆動信
号の供給が遮断される。このような圧電振動子25の変
形に伴って、ノズル開口部16からインク滴が吐出され
る。
【0037】また、前記記録ヘッド8には、温度情報取
得手段としての温度センサ26が具備されており、この
温度センサ26による検出信号は、前記したとおりA/
D変換回路11にもたらされ、前記駆動信号発生手段9
によって発生される駆動信号の出力レベル(VH)を制
御するように構成されている。これにより温度変化に基
づくインクの粘度の変化を補正し、後述するような多階
調印刷を実行するに際しての各インク滴の重量が、環境
温度に依存されるのを抑制するようになされている。
【0038】次に、前記した記録へッド8の具体的な構
成について、図2に示す断面図に基づいて説明する。図
2に例示した記録へッド8は、たわみ振動モードの圧電
振動子25を取り付けた記録ヘッドである。この記録ヘ
ッド8は、圧力室31を形成したアクチュエータユニッ
ト32と、このアクチュエータユニット32の前面に接
合された流路ユニット33と、アクチュエータユニット
32の背面に、圧力室31に対応させて形成されたピエ
ゾ圧電振動子25とを備えている。
【0039】アクチュエータユニット32は、圧力室3
1が形成された圧力室形成基板34と、この圧力室形成
基板34の前面に接合された蓋部材35と、圧力室形成
基板34の背面に接合されて圧力室31の背面側開口面
を塞ぐ振動板36とから構成されている。振動板36
は、例えば、弾性を有する薄いセラミック板によって構
成されている。また蓋部材35には、圧力室31に連通
した第1インク流路37および第2インク流路38が形
成されている。
【0040】流路ユニット33は、インク室形成基板4
0と、インク室形成基板40の前面に接合されたノズル
プレート41と、インク室形成基板40の背面に接合さ
れた供給口形成板42とから構成されている。
【0041】インク室形成基板40には共通インク室4
3とノズル連通口44とが形成されており、またノズル
プレート41にはノズル開口部16が列状に並べられた
状態で多数穿設されている。そして、各ノズル開口部1
6は、対応するノズル連通口44にそれぞれ連通されて
いる。また、供給口形成板42には、共通インク室43
と第1インク流路37とを連通するインク供給口45が
形成されており、さらにノズル連通口44と第2インク
流路38とを連通する連通口46が形成されている。
【0042】そして、前記した構造を有する記録へッド
8には、共通インク室43から、インク供給口45、第
1インク流路37、圧力室31、第2インク流路38、
連通口46、および、ノズル連通口44を通ってノズル
開口部16に至る一連のインク流路が形成されている。
【0043】圧電振動子25は、振動板36を挟んで圧
力室31の背面側に配置されている。この圧電振動子2
5の前面には下部電極50が形成され、背面には圧電振
動子25を覆うようにして上部電極51が形成されてい
る。
【0044】また、アクチュエータユニット32の両端
部には、基端部分が各圧電振動子25の上部電極51に
導通する接続端子52が配設されている。この接続端子
52の先端面には、フレキシブル回路基板53が接合さ
れており、接続端子52および上部電極51を介して圧
電振動子25に駆動信号が供給されるように構成されて
いる。
【0045】このように構成された記録へッド8におい
ては、後述するような駆動信号が供給されると上部電極
51と下部電極50との間に電位差が生じる。この電位
差により圧電振動子25は例えば、電界とは直交する方
向に収縮し、圧電振動子25および振動板36は、圧力
室31側に突出するように撓んで圧力室31を収縮させ
る。
【0046】そして、ノズル開口部16からインク滴を
吐出させる場合には、例えば、圧力室31を急激に収縮
させる。すなわち、圧力室31が急激に収縮されると圧
力室31内のインク圧力が上昇し、この圧力上昇に伴っ
てノズル開口部16からはインク滴が吐出される。ま
た、インク滴の吐出後に、上部電極51と下部電極50
との間の電位差をなくすと、圧電振動子25および振動
板36が元の状態に戻る。これにより、収縮されていた
圧力室31内が膨張し、共通インク室43からインク供
給口45および第1インク流路37を通して圧力室31
内にインクが補給される。
【0047】次に、記録へッドの電気的な構成について
説明する。この記録へッド8は、図1に示すように、シ
フトレジスタ21、ラッチ回路22、レベルシフタ2
3、スイッチ回路24、および圧電振動子25等を備え
ている。そしてさらに詳細には、図3に示すようにこれ
らのシフトレジスタ21、ラッチ回路22、レベルシフ
タ23、スイッチ回路24、および圧電振動子25は、
それぞれ、各ノズル開口部16毎に対応させて、それぞ
れシフトレジスタ21a〜21n、ラッチ回路22a〜
22n、レベルシフタ23a〜23n、スイッチ回路2
4a〜24n、および圧電振動子25a〜25nを具備
している。
【0048】この実施の形態においては印字データは、
後述するように“1010”,“0100”等の如く、
各ノズル毎に最上位のビット3から最下位のビット0ま
での合計4ビットデータで構成されている。
【0049】そして、発振回路7からのクロック信号
(CK)に同期して、ドットパターンデータを構成する
印字データ(SI)が出力バッファ4cからシリアル伝
送され、各シフトレジスタ21a〜21nに順次セット
される。この場合、まず全てのノズル開口部16の印字
データにおける最上位ビットのデータがシリアル伝送さ
れ、この最上位ビットのデータのシリアル伝送が終了す
ると、上位から2番目のビットのデータがシリアル伝送
される。以下同様に、下位ビットのデータが順次シリア
ル伝送される。
【0050】そして、当該ビットの印字データが全ての
ノズル開口部16に対応した分だけ各シフトレジスタ2
1a〜21nにセットされたならば、制御部6は、所定
のタイミングで各ラッチ回路22a〜22nへラッチ信
号(LAT)を出力する。このラッチ信号により、各ラ
ッチ回路22a〜22nは、それぞれのシフトレジスタ
21a〜21nにセットされた印字データをラッチす
る。
【0051】この各ラッチ回路22a〜22nがラッチ
した印字データは、それぞれに対応するレベルシフタ2
3a〜23nに供給される。このレベルシフタ23a〜
23nでは、印字データが例えば“1”の場合に、スイ
ッチ回路24a〜24nが駆動可能な電圧値、例えば、
数十ボルトまでこの印字データを昇圧する。そして、こ
の昇圧された印字データはアナログスイッチとして機能
するスイッチ回路24a〜24nにスイッチング信号と
して供給され、印字データ“1”が供給されたスイッチ
回路24a〜24nは、この印字データにより接続(オ
ン)状態になる。
【0052】そして、各スイッチ回路24a〜24nに
は、駆動信号発生回路9よりもたらされる駆動信号(C
OM)も入力されており、スイッチ回路24a〜24n
がそれぞれオン状態とされることにより、各スイッチ回
路24a〜24nに接続された圧電振動子25a〜25
nに駆動信号が供給される。
【0053】このように、この記録へッド8では、印字
データによって各圧電振動子25a〜25nに駆動信号
を入力するか否かを制御することができる。例えば、印
字データが“1”の状態においては、それに対応した各
スイッチ回路24a〜24nがオン状態となるので、駆
動信号がそれに対応した圧電振動子25a〜25nに供
給される。そして、この駆動信号によって圧電振動子2
5a〜25nが変形する。
【0054】また、印字データが“0”となった状態に
おいては、それに対応するスイッチ回路24a〜24n
が非接続(オフ)状態となり、圧電振動子25a〜25
nへの駆動信号の供給は遮断される。
【0055】次に記録ヘッドに供給される駆動信号と、
これにより吐出されるインク滴および階調表現方法の一
例について図4を参照しつつ説明する。図4には駆動信
号の波形と、これらの各波形の印加タイミングによる階
調表現の制御方法が示されている。駆動信号発生回路9
より生成される駆動信号は、第1の駆動信号としての波
形要素を含んだ第1パルスと、第2の駆動信号としての
波形要素を含んだ第2パルスと、第3の駆動信号として
の波形要素を含んだ第3パルスと、第4の駆動信号とし
ての波形要素を含んだ第4パルスから構成されている。
【0056】ここで、第1パルスおよび第3パルスは同
一のパルス形状を有しており、例えば10ngの中程度
のインク滴を吐出させるためのものである。第2パルス
は、第1パルスと第3パルスの間に位置しており、例え
ば2ngの小さなインク滴を吐出させるためのものであ
る。第3パルスと第1パルスとの間に位置する第4パル
スは、ノズル開口部16付近のインクに微振動を与えて
インク粘度の増加を防止させるためのものであり、した
がって、この第4パルスによってはインク滴は吐出され
ない。
【0057】図4に示す第1パルスは、その電圧値が中
間電位VCからスタートし(P11)、中間電位VCか
ら所定の電圧勾配θDMで、第1の最低電位VLMまで
下降し(P12)、最低電位VLMを所定時間維持する
(P13)。次に第1パルスの電圧値は最低電位VLM
から所定の電圧勾配θCMをもって最高電位VHまで上
昇する(P14)。
【0058】ここで放電時の電圧勾配θDMよりも、充
電時の電圧勾配θCMの方が大きくなるように設定され
ている。また、第1パルスの電圧値が最低電位VLMか
ら最高電位VHまで上昇するのに要する時間は、圧電振
動子17の固有振動周期TAとほぼ同一に設定されてい
る。なお、最低電位VLMは圧電振動子17の分極反転
を防止するために、基準電位(0V)と同じか、あるい
はプラス電位であることが好ましい。
【0059】そして、第1パルス電圧値は最高電位VH
を所定時間保持した後(P15)、再び中間電位VCま
で下降する(P16)。ここで、最低電位VLMからの
電圧上昇の開始から最高電位VHの維持終了までの時間
は、インクの固有周期(ヘルムホルツ周期)とほぼ同一
に設定されている。
【0060】続いて第2パルスの電圧値は、第1パルス
と同様に中間電位VCからスタートし(P21)、所定
の電圧勾配θDSで、第2の最低電位VLSまで下降す
る(P22)。この第2パルスの最低電位VLSは、第
1パルスの最低電位VLMよりもその電位レベルは大き
く設定されている。そして、第2パルスの電圧値は、最
低電位VLSを所定時間だけ維持した後(P23)に、
所定の電圧勾配θCSをもって中間電位VCまで上昇す
る(P24)。なお、第2パルスでは放電時の電圧勾配
θDSの方が、充電時の電圧勾配θCSよりも大きくな
るように設定されている。
【0061】第3パルスは、前記したとおり第1パルス
と同一波形であり、その説明は省略するが、第1パルス
と第3パルスの合計の時間は、印刷周期の半分となって
いる。すなわち、記録用紙上に大ドットを形成すべく第
1パルスおよび第3パルスを選択した場合に、中ドット
相当のインク滴が時間的に等間隔で吐出されるようにな
っている。具体的には例えば印刷周期を14.4kHz
とすると、中ドット相当のインク滴の吐出周期は28.
8kHzに設定される。したがって第1パルスと第3パ
ルスの合計の時間は、記録ヘッド8の最大駆動周期に設
定されている。
【0062】第4パルスの電圧も、第1〜第3パルスと
同様に中間電位VCからスタートして(P41)、第3
の最低電位VLNまで下降する(P42)。そして、こ
の最低電位VLNを所定時間維持した後(P43)、中
間電位VCまで上昇する。ここで、第4パルスはインク
滴を吐出しない程度の微振動を与えるものであるから、
第4パルスの最低電位VLNは、第2パルスの最低電位
VLSよりも中間電位VCに近いレベルに設定されてい
る。また、第4パルスによる放電時の電圧勾配と充電時
の電圧勾配とはほぼ等しくなるように設定されている。
【0063】次に前記した第1パルス(中ドット)、第
2パルス(小ドット)、第3パルス(中ドット)、第4
パルス(微振動)を一または複数選択して多階調表現す
る方法を図3および図4を参照して説明する。
【0064】前記したように、各シフトレジスタ21a
〜21nから、ラッチ回路22a〜22n等を経てスイ
ッチ回路24a〜24nに加わる印字データのビットが
“1”の期間中には、駆動信号が圧電振動子25a〜2
5nに印加され、圧電振動子25a〜25nは駆動信号
の波形に応じて伸縮する。一方、印字データのビットが
“0”の期間中は、圧電振動子25a〜25nへの駆動
信号の供給が遮断される。
【0065】したがって、図4に示すように繰り返して
発生する一連の駆動信号の発生タイミングに合わせて、
印字データのビットを“1”または“0”に設定するこ
とによって、第1〜第4パルスのうちのいずれか1つあ
るいは複数のパルスを選択することができる。例えば、
ドットを形成しない無ドットの場合(階調値1)、小ド
ットのみを形成する場合(階調値2)、1個の中ドット
のみを形成する場合(階調値3)、2個の中ドットで大
ドットを形成する場合(階調値4)の4パターンで記録
用紙上にドットを形成すれば、4段階のドット階調を得
ることができる。
【0066】なお、前記したような4階調の場合、図4
に示すように階調値1を“00”、階調値2を“0
1”、階調値3を“10”、階調値4を“11”のよう
に、各階調値を2ビットデータで表わすことができる。
【0067】インク滴を吐出しない無ドットの階調値1
の場合は、図4に○印で示したように微振動を発生させ
るだけの第4パルスを圧電振動子25a〜25nに供給
すればよい。したがって階調値1の場合は、スイッチ回
路24a〜24nに対して、第1〜第3パルスの発生期
間中は“0”を印加する一方、第4パルスの発生タイミ
ングに同期させて“1”を印加すれば、第4パルスのみ
を圧電振動子25a〜25nに加えることができる。
【0068】すなわち、階調値1を示す2ビットのデー
タ“00”を4ビットデータ“0001”に翻訳(デコ
ード)することにより、インク滴を吐出しない第4パル
スのみを圧電振動子25a〜25nに印加することがで
き、これにより無ドットの階調値1を実現することがで
きる。
【0069】同様に、スイッチ回路24a〜24nに対
して第1パルス、第3パルスおよび第4パルスの発生期
間中に“0”を与え、同様に○印で示したように第2パ
ルスの発生タイミングに同期させて“1”を印加すれ
ば、第2パルスのみが圧電振動子25a〜25nに供給
される。これも同様に階調値2を示す2ビットのデータ
“01”を4ビットデータ“0100”に翻訳すること
により、小ドットを形成する第2パルスのみを圧電振動
子25a〜25nに印加することができ、これにより小
ドットの階調値1を実現することができる。
【0070】同様に、階調値3を示す2ビットのデータ
“10”を4ビットデータ“1000”に翻訳し、これ
をスイッチ回路24a〜24nに与えれば、第1パルス
のみが圧電振動子25a〜25nに印加され、記録用紙
に中ドットが1個形成されて階調値3が実現される。
【0071】さらに、階調値4を示す2ビットのデータ
“11”を4ビットデータ“1010”に翻訳し、これ
をスイッチ回路24a〜24nに与えれば、中ドットを
形成する第1パルスおよび第3パルスのみが圧電振動子
25a〜25nに印加される。これにより、記録用紙上
に中ドット相当のインク滴が続けて2回吐出され、各イ
ンクが混じり合って紙面上には実質的に1つの大ドット
を形成させる階調値4を実現することができる。
【0072】図5および図6は、前記したように第1パ
ルス(中ドット)、第2パルス(小ドット)、第3パル
ス(中ドット)、第4パルス(微振動)を一または複数
選択して多階調表現する場合において、1つのアクチュ
エータにもたらされる駆動信号の印加タイミングを示し
たものである。
【0073】まず、図5(A)は印刷の1周期において
第1パルスおよび第3パルスを2回吐出させて紙面上に
大ドットを形成させる場合が示されている。前記したよ
うに、この場合においては第1パルスおよび第3パルス
の発生タイミングにおいて、スイッチ回路24a〜24
nがオン状態とされる。
【0074】そして、図5(A)に示すように第2パル
スの発生区間および第4パルスの発生区間においては、
スイッチ回路24a〜24nはオフ状態とされ、記録ヘ
ッドの駆動信号としての各パルス信号は選択されない。
【0075】次に図5(B)は、印刷の1周期において
第1パルスを1回吐出させて紙面上に中ドットを形成さ
せる場合が示されている。この場合においては第1パル
スの発生タイミングにおいて、スイッチ回路24a〜2
4nがオン状態とされる。そして、第2パルス、第3パ
ルスおよび第4パルスの発生区間においては、スイッチ
回路24a〜24nはオフ状態とされ、記録ヘッドの駆
動信号としての各パルス信号は選択されない。
【0076】図6(A)は、印刷の1周期において第2
パルスを1回吐出させて紙面上に小ドットを形成させる
場合が示されている。この場合においては第2パルスの
発生タイミングにおいて、スイッチ回路24a〜24n
がオン状態とされる。そして、第1パルス、第3パルス
および第4パルスの発生区間においては、スイッチ回路
24a〜24nはオフ状態とされ、記録ヘッドの駆動信
号としての各パルス信号は選択されない。
【0077】さらに、図6(B)は、印刷の1周期にお
いて第4パルスを与えて、記録ヘッドのノズル開口部付
近のインクに微振動を与える場合が示されている。この
場合においては第4パルスの発生タイミングにおいて、
スイッチ回路24a〜24nがオン状態とされる。そし
て、第1パルス、第2パルスおよび第3パルスの発生区
間においては、スイッチ回路24a〜24nはオフ状態
とされ、記録ヘッドの駆動信号としての各パルス信号は
選択されない。
【0078】この実施の形態においては、図5(A)
(B)および図6(A)(B)に示されたように、駆動
信号としての各パルスの始端電位および終端電位は、ほ
ぼ同一レベルの中間電位(VC)となるように制御され
ている。これは、後述するように個々の記録装置におい
て、図1に示した電位情報格納手段12に格納された電
位情報に基づいて設定されている。
【0079】したがって、前記したように間欠的に繰り
返して駆動パルスがアクチュエータに印加された場合に
おいて、前の駆動パルスの終端電位(VC)と、次に印
加される駆動パルスの始端電位(VC)とはほぼ同レベ
ルとなるために、前記スイッチ回路24a〜24nのオ
ン制御によって、圧電振動子に急激な変形を発生させて
インク滴を誤吐出させるなどの不都合が発生するのを防
止できる。
【0080】次に図7は、前記した構成の個々の記録装
置において、記録ヘッドのアクチュエータに加える駆動
信号を設定する手順を説明するものである。前記した実
施の形態に示す記録装置においては、電位情報格納手段
12より駆動信号発生回路9に対して電位情報を供給
し、この電位情報に基づいて駆動信号発生回路9により
生成される駆動信号の中間電位(VC)が制御されるよ
うに構成されている。
【0081】これは、既に図8において説明したように
アクチュエータには非線形性によるバラツキがあるた
め、個々の記録装置においてアクチュエータに加える駆
動信号の最適な中間電位(VC)を設定させることで、
アクチュエータの非線形性によるバラツキの影響を抑え
るようになされるものである。
【0082】したがって、前記電位情報格納手段12に
は、アクチュエータの変位特性に応じて分類し、それぞ
れに中間電位(VC)の情報を書き込むステップが実行
される。それ故、電位情報格納手段12は、書き換え可
能な不揮発性メモリにより構成されていることが望まし
い。この不揮発性メモリとしては、例えばプログラマブ
ルROM(PROM)を用いることができ、またこれ以
外にEEPROMやフラッシュメモリなどを用いること
もできる。
【0083】その手順について図7に基づいて説明す
る。まず、個々の記録装置における記録ヘッドにおける
アクチュエータの変位特性が測定される。これは、例え
ば1ドットのインク重量が所定の値となるように駆動信
号レベルを測定することによって求めることができる。
すなわち、1ドットのインク重量が所定の値となる駆動
信号レベルが小さい場合には、アクチュエータの変位特
性が大きく、また1ドットのインク重量が所定の値とな
る駆動信号レベルが大きい場合には、アクチュエータの
変位特性が小さいと言うことができる。
【0084】このような手法によって個々にアクチュエ
ータの変位特性を求め、個々の記録装置をいずれかのグ
ループに定義する(グループ化ステップ)。図7におい
ては、便宜上、グループとしてG1,G2,G3,……
Gnの符号で示されている。続いて、前記のようにして
グループ化された各グループに応じて、最適な中間電位
(VC)が設定される(中間電位設定ステップ)。この
場合、前記変位量の大きいグループから小さいグループ
(または、逆に変位量の小さいグループから大きいグル
ープ)にしたがって、それに応じた中間電位(VC)が
設定される。図7においては、便宜上、中間電位として
VC−1,VC−2,VC−3,……VC−nの符号で
示されている。
【0085】この場合、変位特性が大きなグループにお
ける記録装置には、比較的高レベルの中間電位が設定さ
れ、変位特性が小さなグループにおける記録装置には、
比較的高レベルの中間電位が設定される。これにより、
アクチュエータの非線形性による影響を受けにくい電位
設定を行うことができる。
【0086】続いて、前記のようにして設定された中間
電位に応じて、当該グループに対応する記録装置におけ
る各電位情報格納手段12に対して中間電位の電位情報
をインストールする作業(格納ステップ)が実行され、
これにより個々の記録装置における電位情報格納手段1
2に対する電位情報の書き込みが終了する。
【0087】このようにして得られる記録装置による
と、アクチュエータの変位特性に応じて個々に駆動信号
の中間電位が設定されるため、前記したアクチュエータ
の非線形性によるバラツキの影響を抑えることができ
る。
【0088】
【発明の効果】この発明によるアクチュエータ駆動信号
設定方法を採用したインクジェット式記録装置による
と、駆動信号発生手段に対して電位情報格納手段より電
位情報が与えられ、駆動信号発生手段によって発生され
る駆動信号における中間電位は、前記電位情報格納手段
に格納された電位情報に基づいて設定されるようなされ
る。したがって、個々の記録装置においては電位情報格
納手段に設定された電位情報によって特定された中間電
位を有する駆動波形が生成され、これにより駆動波形全
体が上下動することによる非線形特性の影響を抑制させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるインクジェット式記録装置の全
体構成を示したブロック図である。
【図2】記録へッドの機械的構造を示した断面図であ
る。
【図3】記録へッド駆動回路の要部を示したブロック図
である。
【図4】記録へッドに供給される一連の駆動信号の例を
示した波形図である。
【図5】記録ヘッドに大ドット駆動信号および中ドット
駆動信号を供給した場合におけるタイミング図である。
【図6】記録ヘッドに小ドット駆動信号および微振動信
号を供給した場合におけるタイミング図である。
【図7】個々の記録装置において、記録ヘッドのアクチ
ュエータに加える駆動信号の中間電位を設定する手順を
説明する図である。
【図8】記録ヘッドのアクチュエータが有する駆動電圧
と機械的な変位量との関係を示した特性図である。
【符号の説明】
1 プリンタコントローラ 2 プリントエンジン 3 インターフェース 4 RAM 5 ROM 6 制御部 7 発振回路 8 記録ヘッド 9 駆動信号発生回路 10 インターフェース 11 A/D変換回路 12 電位情報格納手段 14 紙送り機構 15 キャリッジ機構 16 ノズル開口部 21 シフトレジスタ 22 ラッチ回路 23 レベルシフタ 24 スイッチ回路 25 圧電振動子 26 温度センサ 31 圧力室 32 アクチュエータユニット 33 流路ユニット 34 圧力室形成基板 35 蓋部材 36 振動板 41 ノズルプレート 44 ノズル連通口 45 インク供給口 50 下部電極 51 上部電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口部に連通した圧力室を膨張お
    よび収縮させるアクチュエータを備えた記録へッドと、
    前記アクチュエータを駆動するための駆動信号を発生す
    る駆動信号発生手段と、前記駆動信号発生手段により得
    られる駆動信号を前記アクチュエータに供給すること
    で、アクチュエータを変形させてノズル開口部よりイン
    ク滴を吐出させる駆動信号供給手段とを備えたインクジ
    ェット式記録装置であって、 前記駆動信号発生手段によって発生される駆動信号は、
    インク滴をそれぞれ吐出するための複数の波形要素を含
    み、前記各波形要素のうちのいずれか一つまたは複数の
    波形要素を前記アクチュエータに対して入力させるスイ
    ッチ手段と、前記駆動信号発生手段に対して電位情報を
    与える電位情報格納手段とが具備され、前記アクチュエ
    ータに入力される駆動信号における中間電位が、前記電
    位情報格納手段に格納された電位情報に基づいて設定さ
    れるように構成したインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動信号発生手段より、異なった重
    量のインク滴を吐出するための複数の波形要素を接続し
    て構成された一連の駆動信号が生成され、前記各波形要
    素の始端電位および終端電位が、ほぼ同一レベルの中間
    電位となるように制御される請求項1に記載のインクジ
    ェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記電位情報格納手段は書き換え可能な
    不揮発性メモリにより構成されてなる請求項1または請
    求項2に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッド周辺における温度情報を
    取得する温度情報取得手段がさらに具備され、前記温度
    情報取得手段によって得られた温度情報に基づいて、前
    記駆動信号発生手段によって発生される駆動信号の出力
    レベルを制御するように構成した請求項1乃至請求項3
    のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記中間電位の情報を格納する電位情報
    格納手段が、プリンタコントローラに配置されてなる請
    求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット
    式記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    されたインクジェット式記録装置における記録ヘッドの
    アクチュエータ駆動信号設定方法であって、 個々の記録装置に搭載された記録ヘッドにおけるアクチ
    ュエータの変位特性を測定する変位特性測定ステップ
    と、 前記アクチュエータの変位特性に応じて、個々の記録装
    置をいずれかのグループに定義するグループ化ステップ
    と、 前記各グループに応じて、グループ毎に最適な中間電位
    を設定する中間電位設定ステップと、 前記中間電位選択ステップによって選択された中間電位
    の情報を前記電位情報格納手段に格納する格納ステップ
    とを順次実行するインクジェット式記録装置における記
    録ヘッドのアクチュエータ駆動信号設定方法。
  7. 【請求項7】 前記変位特性測定ステップにおいては、
    1ドットのインク重量が所定の値となるように駆動信号
    レベルを測定し、当該駆動信号レベルに応じてアクチュ
    エータの変位特性を求めるようになされた請求項6に記
    載のインクジェット式記録装置における記録ヘッドのア
    クチュエータ駆動信号設定方法。
  8. 【請求項8】 前記グループの数が1であることを特徴
    とする請求項6に記載のインクジェット式記録装置にお
    ける記録ヘッドのアクチュエータ駆動信号設定方法。
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