JP2001137757A - 電界吐出制御方法および電界吐出ヘッド - Google Patents

電界吐出制御方法および電界吐出ヘッド

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JP2001137757A
JP2001137757A JP32519499A JP32519499A JP2001137757A JP 2001137757 A JP2001137757 A JP 2001137757A JP 32519499 A JP32519499 A JP 32519499A JP 32519499 A JP32519499 A JP 32519499A JP 2001137757 A JP2001137757 A JP 2001137757A
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discharge
ejection
control device
field discharge
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Masahito Okabe
将人 岡部
Masato Idegami
正人 井手上
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被塗工物体にストライプ状の塗工パターンを形
成する場合に、吐出孔と被塗工物体との間隙の許容範囲
が広く、吐出孔の孔径に対する広がりを小さくすること
ができる、電界吐出ヘッド、電界吐出制御装置、電界吐
出塗工装置を提供する。 【解決手段】被吐出物質を導入するための導入部と、直
線状に所定の間隔で配列する複数の吐出孔を形成した吐
出部と、前記導入部より導入した前記被吐出物質を一時
貯蔵し前記吐出部に導く通路となるマニホールドと、前
記吐出部に対して電気的に絶縁しかつ前記マニホールド
の内部に配置した電極(電圧側電極)と、すくなくとも
前記吐出部を外側の電界から遮蔽する遮蔽手段とを有す
るようにした電界吐出ヘッド。およびそれに適用する電
界吐出制御装置と電界吐出塗工装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗工技術の分野に属
する。特に、所定の間隔で直線状に配列するストライプ
状の精密な塗工パターンを被塗工物体に形成する場合に
好適な電界吐出ヘッド、電界吐出制御装置、電界吐出塗
工装置に関する。
【0002】
【従来技術】被塗工物体にストライプ状の塗工パターン
を形成する方法として、吐出ヘッドの吐出孔から被吐出
物質(塗工材料、インキ)を吐出して被塗工物体(ウェ
ブ、基板)に塗工する方法が知られている。このとき、
吐出孔の位置と塗工すべき位置とが一致するように吐出
ヘッドまたは被塗工物体を移動することにより所望の塗
工パターンを得ることができる。また、単位時間当たり
の吐出量や移動距離を調節することにより被塗工物体へ
の塗工量を制御することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
吐出ヘッドを用いる方法では、被吐出物質は吐出孔から
所定の初速度で吐出した後は、表面張力と重力の作用だ
けで決まる成り行きに任せた運動を行う。そのため、吐
出孔と被塗工物体との間隙の許容範囲が狭い、吐出孔の
孔径に対する広がりが大きいという問題がある。
【0004】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、その目的は、被塗工物体にストラ
イプ状の塗工パターンを形成する場合に、吐出孔と被塗
工物体との間隙の許容範囲が広く、吐出孔の孔径に対す
る広がりを小さくすることができる、電界吐出ヘッド、
電界吐出制御装置、電界吐出塗工装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は下記の本発明
によって解決される。すなわち、本発明の請求項1に係
る電界吐出ヘッドは、被吐出物質を導入するための導入
部と、直線状に所定の間隔で配列する複数の吐出孔を形
成した吐出部と、前記導入部より導入した前記被吐出物
質を一時貯蔵し前記吐出部に導く通路となるマニホール
ドと、前記吐出部に対して電気的に絶縁しかつ前記マニ
ホールドの内部に配置した電極(電圧側電極)と、すく
なくとも前記吐出部を外側の電界から遮蔽する遮蔽手段
とを有するようにしたものである。本発明によれば、被
吐出物質は吐出孔から所定の初速度で吐出した後は、表
面張力と重力の作用だけでなく電界の作用を受け、それ
により決まる所定の運動を行うように構成することがで
きる。したがって、吐出孔と被塗工物体との間隙の許容
範囲が広く、吐出孔の孔径に対する広がりを小さくする
ことができる電界吐出ヘッドが提供される。また、電極
をマニホールドの内部に配置するから被吐出物質がその
電極との電気的な接触が保持されるとともに、遮蔽手段
によりすくなくとも吐出部を制御されてない外側の電界
から遮蔽するから、電界の作用が極めて安定する。
【0006】また、本発明の請求項2に係る電界吐出ヘ
ッドは、請求項1に係る電界吐出ヘッドにおいて、前記
遮蔽手段は前記吐出部の外側に設けられたガード電極で
あり、接地されているようにしたものである。本発明に
よれば、吐出部の外側に設けられたガード電極によって
外側の電界から吐出部が遮蔽され電界の作用が極めて安
定する。
【0007】また、本発明の請求項3に係る電界吐出ヘ
ッドは、請求項1または2に係る電界吐出ヘッドにおい
て、前記電極 とガード電極とは前記直線状に配列する
吐出部の配列方向に直線状に延びる形状を有するように
したものである。本発明によれば、吐出部に形成した所
定の間隔で直線状に配列する複数の吐出孔に対する電極
とガード電極の作用を均等にすることができる。
【0008】また、本発明の請求項4に係る電界吐出ヘ
ッドは、請求項1〜3のいずれか記載の電界吐出ヘッド
において、前記マニホールドの内部の前記被吐出物質を
加圧する加圧部を有するようにしたものである。本発明
によれば、電界吐出ヘッドが有する加圧部により被吐出
物質が加圧される。
【0009】また、本発明の請求項5に係る電界吐出制
御装置は、請求項1〜4のいずれかに係る電界吐出ヘッ
ドに適用する電界吐出制御装置であって、発生する電界
の形態を設定する入力に基づいて設定電界を生成する電
界設定手段と、前記電界吐出ヘッドにおける吐出位置と
被塗工物体における塗工位置との同期を得るための信号
を含む同期信号を入力する同期入力手段と、前記設定電
界と前記同期信号に基づいて所定の形態の電力を生成す
る電力生成手段と、を有するようにしたものである。本
発明によれば、電界設定手段により発生する電界の形態
を設定する入力に基づいて設定電界が生成され、同期入
力手段により電界吐出ヘッドにおける吐出位置と被塗工
物体における塗工位置との同期を得るための信号を含む
同期信号が入力され、電力生成手段により設定電界と同
期信号に基づいて所定の形態の電力が生成される。すな
わち、被吐出物質は吐出孔から所定の初速度で吐出した
後は、表面張力と重力の作用だけでなく電界の作用を受
け、それにより決まる所定の運動を行うように構成する
ことができる。したがって、吐出孔と被塗工物体との間
隙の許容範囲が広く、吐出孔の孔径に対する広がりを小
さくすることができる電界吐出制御装置が提供される。
また、電界吐出ヘッドにおける吐出位置と被塗工物体に
おける塗工位置との同期をとりながら、設定入力に基づ
いて決められた所定の形態の電力が電界吐出ヘッドに供
給される。
【0010】また、本発明の請求項6に係る電界吐出制
御装置は、請求項5に係る電界吐出制御装置において、
前記加圧部において前記マニホールドの内部の前記被吐
出物質を加圧する圧力を入力する圧力入力手段を有し、
前記電界生成手段は前記圧力に基づいて前記電力を生成
するようにしたものである。本発明によれば、電界生成
手段が生成する電力に加圧部における圧力が反映され
る。
【0011】また、本発明の請求項7に係る電界吐出制
御装置は、請求項5または6に係る電界吐出制御装置に
おいて、前記発生する電界の形態は、前記電界吐出ヘッ
ドにおいて連続吐出を行う場合は、矩形波であるように
したものである。本発明によれば、矩形波に含まれる高
周波成分により前述の(請求項1等の)作用効果が顕著
である。
【0012】また、本発明の請求項8に係る電界吐出制
御装置は、請求項7に係る電界吐出制御装置において、
前記矩形波は積分した場合に直流分を含まない交流波形
であるようにしたものである。本発明によれば、被吐出
物質の電離が起きないから被吐出物質に対する制約が小
さい。また、前述の作用効果が顕著である。
【0013】また、本発明の請求項9に係る電界吐出制
御装置は、請求項7または8に係る電界吐出制御装置に
おいて、前記矩形波は電圧振幅Vp-pが100V〜10
kV、周波数Fが1Hz〜10kHzの矩形波であるよ
うにしたものである。本発明によれば、前述の作用効果
が特に顕著である。
【0014】また、本発明の請求項10に係る電界吐出
制御装置は、請求項5または6に係る電界吐出制御装置
において、前記発生する電界の形態は、前記電界吐出ヘ
ッドにおいて間欠吐出を行う場合は、パルスであるよう
にしたものである。本発明によれば、発生する電界の形
態をパルスとすることにより間欠吐出が行われる。
【0015】また、本発明の請求項11に係る電界吐出
制御装置は、請求項1〜4のいずれかに係る電界吐出ヘ
ッドと、請求項5〜10のいずれか係る電界吐出制御装
置とを有する電界吐出塗工装置であって、前記被吐出物
質を前記電界吐出ヘッドの前記導入部に供給する供給手
段と、前記電界吐出ヘッドの前記加圧部を操作して前記
導入部に供給した前記被吐出物質を前記吐出部から吐出
させる加圧吐出制御手段と、前記電界吐出ヘッドが吐出
する前記被吐出物質の吐出状態を制御する電界吐出制御
手段と、前記電界吐出手段および/または前記被塗工物
体を移送するとともに移送状態を示す同期信号を出力す
る移送手段と、前記吐出部に対向する位置に配置した接
地側電極と、を有するようにしたものである。本発明に
よれば、供給手段により被吐出物質が電界吐出ヘッドの
導入部に供給され、加圧吐出制御手段により電界吐出ヘ
ッドの加圧部が操作され導入部に供給した被吐出物質が
吐出部から吐出し、電界吐出制御手段により電界吐出ヘ
ッドが吐出する被吐出物質の吐出状態が制御され、移送
手段により電界吐出手段および/または被塗工物体が移
送されるとともに移送状態を示す同期信号が出力され、
接地電極が吐出部に対向する位置に配置される。すなわ
ち、被吐出物質は吐出孔から所定の初速度で吐出した後
は、表面張力と重力の作用だけでなく電界の作用を受
け、それにより決まる所定の運動を行うように構成する
ことができる。したがって、吐出孔と被塗工物体との間
隙の許容範囲が広く、吐出孔の孔径に対する広がりを小
さくすることができる電界塗工装置が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明について実施の形態
を説明する。本発明における電界吐出ヘッドの構成の一
例を図1に示す。図1(A)は中央部の断面図、図1
(B)は内部を透視した斜視図である。図1において、
1は導入部、2は吐出部、3はマニホールド、4は電
極、5は加圧部、6は境界を示す破線、7a,7bはガ
ード電極である。図1に示すように、電界吐出ヘッド
は、主としてマニホールド3を構成する本体部分に各要
素部分を設けた構造を有する。本体部分は筐体(容器)
であるとともに支持体でもあり、機能においてマニホー
ルド3とは区別される。しかし、すくなくとも図1に示
す一例のような場合にはマニホールド3は本体部分の主
要部分であり、それらを区別することが意味をなさない
場合もある。したがって、ここでは、特に説明しない場
合には、マニホールド3は本体部分も意味するものとす
る。なお、境界6は吐出部2とマニホールド3が同一材
料で一体のものである場合には「仮想の境界」を意味
し、組み合わせたものである場合には「現実の境界」を
意味する。
【0017】導入部1は、被吐出物質を導入するために
ある。導入部1には導入口が開口しており、そこに被吐
出物質を給送するための配管が行われる。被吐出物質に
圧を加えることにより、被吐出物質は管内を移動する。
そして被吐出物質は導入口からマニホールド3の内部に
導入される。
【0018】吐出部2は、本体部分の先端に配置される
(言い換えると、本体部分の先端部分を構成する)。吐
出部2には、複数の吐出孔が形成されており、その複数
の吐出孔は所定の間隔で直線状に配列している。勿論、
この吐出孔の寸法形状、個数、配列間隔、等は電界吐出
ヘッドによって塗工を行う目的、条件、等に応じて適正
に決定する(設計する)性質ものである。マニホールド
3の内部に導入した被吐出物質は、塗工が行われるとき
には、これら複数の吐出孔から吐出する。
【0019】マニホールド3は、導入部1より導入した
被吐出物質を一時貯蔵し吐出部2に導く通路となる。そ
の通路は、図1においては、簡略化して示してある。実
際の通路は、吐出部2に形成された複数の吐出孔のすべ
てにおいて所定の吐出量が得られ、不均衡とならないよ
うな形状を有する。
【0020】電極4は、マニホールド3の内部に配置さ
れ、直線状に配列する吐出部2の配列方向に直線状に延
びる形状を有する。図1に示す一例においては、電極4
は長方形の板電極であり、その板電極の中央付近からリ
ード端子が本体部分の外側に現れる構造となっている。
電界吐出ヘッドにおける電界を生成するための給電は、
そのリード端子から行われる。
【0021】加圧部5は、マニホールド3の内部に導入
した被吐出物質を加圧する。導入部1から導入した被吐
出物質の上面は供給量と吐出量との均衡でマニホールド
3の内部において上下に移動する。通常、その上下の移
動範囲は、電極4の上辺部分よりも上方かつ加圧部5よ
りも下方の範囲にあるように制御が行われる。図1に示
す一例において加圧部5には圧縮空気が導入される。そ
の圧縮空気によって被吐出物質の上面は加圧される。こ
の圧縮空気の圧力を制御することによって、吐出量を制
御することができる。
【0022】ガード電極7a,7b は、外側の電界か
ら吐出部2を遮蔽する遮蔽手段の形態の1つである。図
1に示すように、ガード電極7a,7bは吐出部2の外
側に設けられている。吐出部2から吐出する被吐出物質
はその周囲に形成されている電界の作用を受けて運動を
行う。この電界が所定の制御された電界である場合に
は、所定の運動を行う。すなわち、被塗工物体の所定の
位置に正確に塗工が行われる。ところが、所定の制御さ
れた電界に外乱となる電界が重畳される場合には、その
外乱の影響を受けることとなり、所定の運動とは異なっ
た、予想できない運動を行う。すなわち、被塗工物体の
所定の位置に正確に塗工を行うことができなくなる。ガ
ード電極7a,7b は、吐出部2を制御されてない外
側の電界から遮蔽するから、電界の作用が極めて安定す
る。
【0023】このガード電極7a,7b は、電極4と
同様に、直線状に配列する吐出部2の配列方向に直線状
に延びる形状を有する。この形状により、吐出部に形成
した所定の間隔で直線状に配列する複数の吐出孔に対す
る電極とガード電極の作用を均等にすることができる。
【0024】吐出部2にガード電極7a,7b が接触
している場合には、吐出部2が電気的に完全な絶縁体で
ない限り、電極4、被吐出物質、吐出部2、ガード電極
7a,7bと経由して漏洩電流が流れることとなる。図
1に示す一例においては、ガード電極7a,7b は、
吐出部2には接触しないように設けられている。この場
合には、吐出部2とガード電極7a,7b との間の空
気層が電気的な絶縁層となって漏洩電流を防止する。
【0025】ガード電極7a,7bはその電位を安定さ
せる必要がある。ガード電極7a,7bが電気的に電界
吐出ヘッドから絶縁されている、すなわち宙に浮いてい
る状態は好ましくない。その場合には、外界の電界を遮
蔽する能力がないか小さく、また帯電を起すと電位が定
まらない不安定な電界を生じ、塗工に悪影響を及ぼす恐
れがある。このような理由で、図1には示されていない
が、ガード電極7a,7bは接地しておく。電位を安定
させるためには接地がもっとも好適であるが、他の電位
であってもよい。
【0026】電界吐出ヘッドの上述の構成において、す
くなくとも吐出部2は電極4に対して電気的に絶縁され
ている。さらに吐出部2だけでなくマニホールド3も電
極4に対して電気的に絶縁すると好適である。ここで電
気的に絶縁されているとは、すなわちその定義は、静的
な状態において電流(直流電流)が流れないことを意味
する。動的な状態において電流(変位電流)が流れる状
態であっても、上記の定義が満たされれば、ここでは電
気的に絶縁されているものと見なされる。
【0027】この電気的に絶縁されている状態を実現す
るためには、たとえば、電極4とマニホールド3との間
に電気的な絶縁体を介在させればよい。しかし、吐出部
2とマニホールド3を電気絶縁材料によって形成すれ
ば、生成される電界はほとんど電極の特性や形状によっ
て決定するからより好適である。その材料としては、た
とえば、プラスチックやセラミック系の材料を適用する
ことができる。
【0028】被吐出物質については詳細を後述するが、
被吐出物質は電気的には完全な絶縁性を有するものでも
なく金属のような良好な電導性を有するものでもない。
本発明においては、電界吐出ヘッドにおいては、電極4
が被吐出物質に接触する部位において電極4から被吐出
物質へ電流の流出が可能なように構成する。その一方
で、被吐出物質を媒体とする電流の廻り込み、漏洩を防
ぐ必要がある。そのため、吐出部2とマニホールド3と
が電導性を有する材料である場合において、電極4に対
する電気的な絶縁を得るためには、すくなくとも吐出部
2、好適には吐出部2とマニホールド3の内面に対して
絶縁性の被覆を行うことが必要とされる。
【0029】次に、電界吐出制御装置について説明す
る。電界吐出塗工装置の構成をブロック図として図2に
示してあるが、電界吐出制御装置の構成は、その図2の
20に示してある。図2の20において、20は電界吐
出装置、21は電界設定手段、22は圧力入力手段、2
3は同期入力手段、24は電力生成手段、25はモニタ
ーである。電界吐出制御装置20は電界吐出ヘッドに制
御された電力を供給する装置である。
【0030】電界設定手段21は、発生する電界の形態
を設定する入力に基づいて設定電界(データ)を生成す
る。発生する電界の形態としては直流も交流も含まれ
る。また交流波形としては、正弦波、三角波、矩形波、
パルス、その他の波形が含まれ特に制限はない。ここ
で、矩形波とは所定のパルス幅、所定の周期を有するパ
ルス列のことであり、パルスとは定常状態から振幅が遷
移し有限の時間だけ持続して元の状態に戻る波形のこと
である。発生する電界の形態の設定項目には、上記の波
形の種類だけでなく、周波数、振幅値、開始条件、終了
条件、等が含まれる。また開始から終了までの間におい
て、時刻の経過とともに周波数、振幅値、波形の種類、
等を所定のパターンで変化させるように設定することが
できる。
【0031】このような発生する電界の形態は、プリセ
ットデータとして複数を記憶装置に記憶しておく。そし
て、複数のプリセットデータの内から塗工条件に適合す
るプリセットデータを選択することにより設定が行われ
る。この選択は、オペレータの操作によって行うモード
と、または外部から指示データを入力して行うモードの
いずれかによって行われる。電界設定手段21は、その
入力に基づいて設定電界(データ)を生成する。
【0032】圧力入力手段22は、加圧部5がマニホー
ルド3の内部に導入された被吐出物質に加える圧力を入
力する。この圧力は、電界吐出制御装置20において、
電界生成手段24が設定電界を生成するときに参照する
データとして使用される。
【0033】同期入力手段23は、電界吐出ヘッドにお
ける吐出位置と被塗工物体における塗工位置との同期を
得るための信号を含む同期信号を入力する。電界吐出ヘ
ッドには吐出孔が直線状に一次元の配列をしており、2
次元の表面に対して塗工を行う場合には、電界吐出ヘッ
ドによって被塗工物体を走査する必要がある。その走査
において相対的な移動が行われるわけであるが、その移
動は、勿論、電界吐出ヘッドと被塗工物体のいずれが移
動してもよく、また両方が移動してもよい。この走査に
おいて、同期入力手段23は、吐出を開始する位置の信
号、吐出を終了する位置の信号、走査速度の信号、等を
同期信号として入力する。
【0034】電力生成手段24は前述の設定電界(デー
タ)と同期信号に基づいて所定の形態の電力を生成す
る。電力生成手段24は、基本的には、設定電界によっ
て決められる電界の形態そのままを電力として生成する
のではあるが、そのとき同期信号に基づいて同期をと
る。たとえば、吐出を開始するとき、吐出の途中、吐出
を終了するときには、それらに適合する電力の制御が行
われる。
【0035】また、電界生成手段24は、塗工条件に適
合するように発生する電界の形態を変更する機能を有す
る。たとえば、電界吐出ヘッドから吐出される被吐出物
質の吐出量は、マニホールド3の内部の圧力によって決
まる。しかし、それだけによって決まるのではなく、詳
細は後述するが、吐出量は設定電界の影響を受ける。し
たがって、たとえば、プリセットデータのパラメータの
一つである振幅値を塗工条件のパラメータの一つである
マニホールド3の内部圧力に適合するように変更する。
【0036】モニター25は電力生成手段24が出力す
る電力の波形を表示する。また、電界設定手段21の設
定電界の表示、圧力入力手段22が入力する圧力の表
示、同期入力手段23は入力する同期信号の表示、等を
行う。これらの表示は、オペレータが電界吐出制御装置
20を操作したり、その状態を確認するために利用され
る。
【0037】電界吐出制御装置20の上述の構成におい
て、次に、電界吐出制御装置20の動作の一例(その
1)を説明する。まず、連続塗工の場合を説明する。電
界設定手段21において、電圧振幅Vp-pが1kV、周
波数Fが1kHzの矩形波が設定されその設定電界が生
成される。電力生成手段24はその設定電界を入力す
る。一方、同期入力手段22は電界吐出ヘッドによる被
塗工物体の走査における同期信号を入力し続けている。
電界生成手段24はその同期信号も入力する。
【0038】吐出を開始する走査タイミングに合わせ
て、またはその少し前において電界生成手段24は前述
の設定電界に基づく電力(電圧波形)を生成し電界吐出
ヘッドに供給する。吐出の途中においては、電界生成手
段24はその電力を維持する。そして、吐出を終了する
走査タイミングに合わせて、またはその少し後において
電界生成手段24は電界吐出ヘッドへの電力の供給を停
止する。
【0039】上述のような連続塗工において、吐出孔と
被塗工物体との間隙の許容範囲が広く、吐出孔の孔径に
対する広がりを小さくすることができる条件について説
明する。電界の形態としては、正弦波や三角波よりも矩
形波が適している。その理由としては、正確なところは
明らかでないが、矩形が高調波成分を多く含むことと関
係があるものと推察される。
【0040】また、その矩形波は電圧振幅Vp-pが10
0V〜10kV、周波数Fが1Hz〜10kHzの範囲
であると適正である。吐出の安定性や電圧制御の容易さ
からは、1から7kVの範囲であるとさらに好適であ
る。また、被吐出物質の粘度や材料組成にもよるが、電
気伝導率が異なると最適な周波数も変化する。多くの場
合においては、電気伝導率の上昇につれて最適な周波数
は高くなる。周波数が低いと、電極への析出等が発生し
易く好ましくない。また、周波数が高いと、電源の性能
上制御が困難となるという問題もある。好ましい周波数
の範囲は1Hz〜10kHzである。吐出の連続性と電
圧制御の観点からは、100Hz〜4kHzであること
がさらに好適である。
【0041】また、交流に限らず直流を適用することが
できる。直流の場合には、100V〜10kVの範囲で
あると適正である。直流の場合において極性は、いずれ
であっても、特に問題はない。
【0042】上述の構成において、電界吐出制御装置2
0の動作について説明する。まず、動作の一例(その
2)として間欠塗工の場合を説明する。電界設定手段2
1において、電圧の絶対値Vaが1kV、外部同期発振
の1msec幅のパルスが設定されその設定電界が生成
される。電力生成手段24はその設定電界を入力する。
一方、同期入力手段22は電界吐出ヘッドによる被塗工
物体の走査における同期信号を入力し、圧力入力手段2
2は加圧部5によるマニホールド3の内部の圧力を入力
し続けている。電界生成手段24はその同期信号と圧力
も入力する。
【0043】吐出を開始する走査タイミングに合わせて
電界生成手段24は前述の設定電界に基づく電力(電圧
波形)を生成し電界吐出ヘッドに供給する。その際、電
圧の絶対値Vaの1kVは前述の圧力に応じて修正を受
ける。吐出量が設定電界の影響を受けることを前述した
が、電界吐出ヘッドにおいて被吐出物質が吐出するの
は、マニホールド3の内部において被吐出物質に加えら
れる圧力とともに電界の強度にも関係する。電界吐出ヘ
ッドにおいて、被吐出物質を吐出させるためには所定の
圧力を超える圧力を加える必要がある。この閾値となる
圧力に達しないがそれに近い圧力において所定の電界を
加えると被吐出物質は吐出する。
【0044】その電界の印加を停止すると、そのときの
条件によって吐出し続ける場合と吐出が停止する場合と
があるが、ここでは(この一例では)停止するものとす
る。その場合において、設定電界がパルスであるから、
パルスに対応して間欠的に被吐出物質が吐出することと
なる。これにより、間欠塗工を行うことができる。この
ような吐出動作を行わせるときの電界は、圧力と同様で
あって、閾値となる電界を超える電界を加える必要があ
る。電界生成手段24における電圧の絶対値Vaの圧力
に応じた修正は、この閾値となる電界に対して、それを
超える適正な電界を加えるような電力を生成するように
行われる。
【0045】吐出の途中においては、間欠吐出を行う走
査タイミングに合わせて電界生成手段24は前述の設定
電界と圧力に基づく電力を生成し電界吐出ヘッドに供給
する。そして、吐出を終了する走査タイミングに合わせ
て電界生成手段24は電界吐出ヘッドへの電力の供給を
停止する。
【0046】上述のように、電圧の絶対値Vaが閾値電
圧Vt以上の場合に吐出が生じることを利用し、電圧強
度で吐出量を制御することができる。この連続塗工にお
いて、吐出孔と被塗工物体との間隙の許容範囲が広く、
吐出孔の孔径に対する広がりを小さくすることができる
条件について説明する。閾値電圧Vtの大きさは被吐出
物質や電極配置にもよるが、100V〜3kVの範囲と
すると適正である。吐出電圧は連続吐出の場合と同様1
00〜10kVであること適正であり、1〜7kVの範
囲にあるとさらに好適である。
【0047】次に、電界吐出塗工装置について説明す
る。電界吐出塗工装置の構成をブロック図として図2に
示す。図2において、20は電界吐出装置、21は電界
設定手段、22は圧力入力手段、23は同期入力手段、
24は電力生成手段、25はモニター、31a,31
b,31c,31dは電界吐出ヘッド、32は直線移動
機構、33は供給手段、34は加圧吐出制御手段であ
る。電界吐出塗工装置を構成する部分の内、電界吐出ヘ
ッド31a,31b,31c,31dと電界吐出制御装
置20については上述の説明と重複するからここでは説
明を省略する。
【0048】電界吐出ヘッド31a,31b,31c,
31dは、直線移動機構32の支持体に取り付けられて
いる。図2においてこの部分は上面図となっており、電
界吐出ヘッド31a,31cは支持体の一方の側面に設
けられ、電界吐出ヘッド31b,31dは支持体の他方
の側面に設けられている。電界吐出ヘッドの側面におい
ては吐出孔を形成することは不可能である。このよう
に、一つ置きに電界吐出ヘッドを設けることで、一台の
電界吐出ヘッドでは実現できない全長を有する吐出孔の
配列を実現する。
【0049】直線移動機構32は、支持体と、その支持
体の長手方向に対して直角方向に支持体の移動を案内す
るリニアガイド(図示せず)と、その支持体を移動する
駆動部(図示せず)とを有する。駆動部には、原点から
の移動距離、移動速度、等を制御する制御装置が含まれ
ている。この駆動部の制御装置は塗工時において支持体
を移動する制御を行うとともに、支持体の位置や移動速
度に関する信号を出力する。この信号は、前述の同期入
力手段23が入力する同期信号である。
【0050】図2には示してないが、直線移動機構32
の下には板形状の被塗工物体を載せる平坦なステージが
設けられている。そのステージは、被塗工物体の位置決
めと固定とを行う構成を有している。位置決めは、たと
えば、板形状の被塗工物体をその辺において当接させ位
置を決める当て機構が適用される。また固定は、たとえ
ば、板形状の被塗工物体の背面を真空にしてステージに
吸着固定する真空吸引機構が適用される。また、電界ヘ
ッドの吐出部に対向するそのステージの位置、またはそ
のステージの全面には接地側電極が配置されている。
【0051】供給手段33は被吐出物質を電界吐出ヘッ
ド31a,31b,31c,31dの導入部に供給す
る。通常、被吐出物質にはその製造過程において空気の
泡を抱き込むため細かな泡は抜けきらないで残ってい
る。供給手段33にはその空気の泡を抜きとる脱泡装置
が含まれている。また、供給手段33にはポンプが含ま
れており、脱泡が行われた被吐出物質はそのポンプによ
り配管を通じて電界吐出ヘッド31a,31b,31
c,31dの導入部に供給される。
【0052】加圧吐出制御手段34は電界吐出ヘッド3
1a,31b,31c,31dの加圧部5を操作して導
入部に供給した被吐出物質を吐出部から吐出させる。す
なわち、マニホールド3の内部に圧縮空気を送り込み被
吐出物質を加圧して吐出させ、また、圧縮空気を逃がし
て被吐出物質の加圧を解き吐出を停止させる。また、加
圧吐出制御手段34は、マニホールド3の内部の空気圧
を圧力信号として出力する。この圧力信号は前述の圧力
入力手段22によって入力される圧力に相当する。
【0053】電界吐出塗工装置の上述の構成において、
次に、電界吐出塗工装置の動作の一例として、隔壁が形
成されているプラズマディスプレイパネルの基板(被塗
工物体)に蛍光体を連続塗工する場合を説明する。基板
としては、通常は、ガラス基板が用いられる。そのガラ
ス基板に、ガラス材料を主成分とする隔壁が形成されて
いる。隔壁は、たとえば幅50μm、高さ150μm、
ピッチ300μmの寸法を有し、ガラス基板の表面に平
行に複数(多数)形成される。
【0054】この塗工における被吐出物質は蛍光体を組
成に含むインキ(蛍光体インキ)である。隣接する隔壁
間にその蛍光体インキを塗工し、乾燥(焼成)して隔壁
間に蛍光体層を形成する。通常、蛍光体は発光色がR,
G,Bの三色のものが使用される。ここでは、三回の塗
工を行って順番にそれらの発光色の蛍光体層を形成す
る。隔壁のピッチが300μmとすると、特定色の蛍光
体層のピッチは900μmである。したがって、電界吐
出ヘッドの吐出孔の配列ピッチは900μmとする。
【0055】あらかじめ、隔壁が形成されているプラズ
マディスプレイパネルの基板を電界吐出塗工装置のステ
ージに載せ、位置合わせを行って、真空吸着し固定す
る。電界吐出ヘッドの吐出部の先端とその基板との間に
は所定の間隙が確保される。また、蛍光体インキを供給
手段33によって配管を通じて電界吐出ヘッドの導入部
1に供給する。蛍光体インキは、マニホールド3の内部
に導入され、電極4と加圧部5との間に蛍光体インキの
上面が達したところでインキ供給手段による供給を停止
する。また、電界吐出塗工装置の移動機構の支持体を原
点位置に復帰させておく。この原点位置は、塗工すべき
位置よりも、支持体の移動方向に対して少し手前の位置
となっている。
【0056】次に、塗工開始指示入力に基づいて、電界
吐出塗工装置の移動機構が動作し、電界吐出ヘッドを取
り付けた支持体の移動を開始する。塗工すべき位置の直
前まで移動したところで、加圧吐出制御手段34は圧縮
空気を加圧部5に供給しマニホールド3の内部を加圧す
る。このとき、マニホールド3の内部の圧力は、蛍光体
インキを吐出部2から吐出させる圧力である。この加圧
と同時に電界吐出制御装置20はあらかじめ設定されて
いる設定電界に基づいて電力を出力する(前述の電界吐
出制御装置20の説明を参照)。その電力は電界吐出ヘ
ッドの電極4に供給される。
【0057】電界吐出ヘッドは蛍光体インキを吐出し、
蛍光体インキは隔壁と隔壁の間に流れ落ち、塗工が行わ
れる。電界吐出ヘッドと隔壁が形成されているプラズマ
ディスプレイパネルの基板とは相対的な移動を行ってい
るから、隔壁と隔壁の間を満たすようにストライプ状の
塗膜が形成される。このとき、電界の効果により、吐出
孔と被塗工物体との間隙の許容範囲が広く、吐出孔の孔
径に対する広がりを小さくすることができる。したがっ
て、精度の高い塗工を安定して行うことができる。
【0058】塗工を終了する位置の直前まで移動したと
ころで、加圧吐出制御手段34は圧縮空気を加圧部5に
供給するのを停止し、マニホールド3の内部の圧縮空気
を解き放つ。このとき、マニホールド3の内部の圧力は
下がり、蛍光体インキを吐出部2から吐出させない圧力
となる。この減圧と同時に電界吐出制御装置20か電力
の出力を停止する。したがって、電力は電界吐出ヘッド
の電極4に供給されなくなる。次に、移動停止位置に達
すると、電界吐出塗工装置の移動機構は電界吐出ヘッド
を取り付けた支持体の移動を停止する。
【0059】次に、被吐出物質について説明する。被吐
出物質は動作温度で液状であり伝導性を有する物質であ
る。好ましくは、粘度が1000〜1000000cp
sの範囲にあり、電気伝導率が10-10〜10-4Ω-1
-1の範囲にある物質である。被吐出物質の組成は、基
本的には、有機または無機液体とバインダーと用途に応
じて決まるパターニングしたい成分(目的物質)とから
構成する。また、その組成に、必要に応じて、分散剤、
消泡剤、揺変剤、等の各種添加剤を混合する。
【0060】被吐出物質に用いることができる液体とし
ては、たとえば、無機液体としては、水、COCl2
HBr、HNO3、H3PO4、H2SO4、SOCl2、S
2Cl2、FSO3H、等が挙げられる。
【0061】有機液体としては、メタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メ
チル−1−プロパノール、tert−ブタノール、4−
メチル−2−ペンタノール、ベンジルアルコール、α−
テルピネオール、エチレングリコール、グリセリン、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、等のア
ルコール類;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾ
ール、p−クレゾール、等のフェノール類;ジオキサ
ン、フルフラール、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセル
ソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブ
チルカルビトールアセテート、エピクロロヒドリン、等
のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メ
チル−4−ペンタノン、アセトフェノン、等のケトン
類;ギ酸、酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、等の
脂肪酸類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−3
−メトキシブチル、酢酸−n−ペンチル、プロピオン酸
エチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、マロン酸ジエチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、炭酸ジエチ
ル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、セルソルブアセテ
ート、ブチルカルビトールアセテート、アセト酢酸エチ
ル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、等のエステ
ル類;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリ
ル、プロピオ二トリル、スクシノ二トリル、バレロニト
リル、ベンゾニトリル、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンジアミン、アニリン、N−メチルアニリ
ン、N,N−ジメチルアニリン、o−トルイジン、p−
トルイジン、ピペリジン、ピリジン、α−ピコリン、
2,6−ルチジン、キノリン、プロピレンジアミン、ホ
ルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセ
トアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピ
オンアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、
N−メチルピロリドン、等の含窒素化合物類;ジメチル
スルホキシド、スルホラン等の含硫黄化合物類;ベンゼ
ン、p−シメン、ナフタレン、シクロヘキシルベンゼ
ン、シクロヘキサン、等の炭化水素類;1,1−ジクロ
ロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、
1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエ
タン、1,2−ジクロロエチレン(cis−)、テトラ
クロロエチレン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−
メチルプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、ブ
ロモメタン、トリブロモメタン、1−ブロモプロパン、
等のハロゲン化炭化水素類、等が挙げられる。
【0062】上記の物質の内、室温下で固体のものは、
その融点以上に加熱して液体としてからヘッドに供給す
ればよい。このような方式は、たとえば、ホットメルト
タイプのインクジェット記録方式で一般的なものである
が、記録装置にヒーター部を設ける必要がある点と、ウ
ォーミングアップに時間がかかる点から、速乾性を必要
とするような特殊な用途以外には用いられない。
【0063】液体の沸点は開口部での目詰まりの程度に
影響するため重要である。好ましい沸点の範囲は105
℃〜300℃であり、さらに好ましくは180℃〜25
0℃である。150℃よりも低いと乾燥による目詰まり
が発生しやすく、300℃よりも他界と記録後の乾燥に
時間がかかり好ましくない。このような高沸点の液体
は、被吐出物質中の全液体50質量%以上を占めること
が好ましく、70質量%以上を占めることがさらに好ま
しい。
【0064】上述の液体に溶解または分散させる目的物
質は、ノズルで目詰まりを発生するような粗大粒子を除
けば特に制限されない。たとえば、従来公知の有機また
は無機着色顔料、蛍光体、染料、磁性体、光輝性顔料、
マット顔料、導電性物質、セラミックスおよびその前駆
体、等が挙げられる。
【0065】上記の目的物質を記録媒体上に強固に接着
させるために、各種バインダーを添加するのが好まし
い。用いられるバインダーとしては、たとえば、エチル
セルロース、等のセルロースおよびその誘導体;アルキ
ッド樹脂;ポリメタクリル酸、等の(メタ)アクリル樹
脂およびその金属塩;ポリN−イソプロピルアクリルア
ミド等のポリ(メタ)アクリルアミド樹脂;ポリスチレ
ン等のスチレン系樹脂;飽和、不飽和の各種ポリエステ
ル樹脂;ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリ
カーボネート樹脂;エポキシ系樹脂;ポリウレタン系樹
脂;ポリアセタール樹脂;ベンゾグアナミン等のアミド
樹脂;尿素樹脂;メラミン樹脂;ポリビニルアルコール
樹脂、およびそのアニオンカチオン変性;ポリビニルピ
ロリドンおよびその共重合体;ゼラチン、大豆蛋白等の
天然あるいは半合成樹脂等を用いることができる。これ
らの樹脂は、単独としてだけではなく、相溶する範囲で
2種以上をブレンドして用いてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に係る
電界吐出ヘッドによれば、吐出孔と被塗工物体との間隙
の許容範囲が広く、吐出孔の孔径に対する広がりを小さ
くすることができる電界吐出ヘッドが提供される。ま
た、電極をマニホールドの内部に配置するから被吐出物
質がその電極との電気的な接触が保持されるとともに、
遮蔽手段によりすくなくとも吐出部を制御されてない外
側の電界から遮蔽するから、電界の作用が極めて安定す
る。また、本発明の請求項2に係る電界吐出ヘッドによ
れば、吐出部の外側に設けられたガード電極によって外
側の電界から吐出部が遮蔽され電界の作用が極めて安定
する。また、本発明の請求項3に係る電界吐出ヘッドに
よれば、吐出部に形成した所定の間隔で直線状に配列す
る複数の吐出孔に対する電極とガード電極の作用を均等
にすることができる。また、本発明の請求項4に係る電
界吐出ヘッドによれば、電界吐出ヘッドが有する加圧部
により被吐出物質が加圧される。また、本発明の請求項
5に係る電界吐出制御装置によれば、吐出孔と被塗工物
体との間隙の許容範囲が広く、吐出孔の孔径に対する広
がりを小さくすることができる電界吐出制御装置が提供
される。また、電界吐出ヘッドにおける吐出位置と被塗
工物体における塗工位置との同期をとりながら、設定入
力に基づいて決められた所定の形態の電力を電界吐出ヘ
ッドに供給することができる。また、本発明の請求項6
に係る電界吐出制御装置によれば、電界生成手段が生成
する電力に加圧部における圧力を反映することができ
る。また、本発明の請求項7に係る電界吐出制御装置に
よれば、矩形波に含まれる高周波成分により前述の(請
求項5等の)作用効果が顕著である。また、本発明の請
求項8に係る電界吐出制御装置によれば、被吐出物質の
電離が起きないから被吐出物質に対する制約が小さい。
また、前述の作用効果が顕著である。また、本発明の請
求項9に係る電界吐出制御装置によれば、前述のい作用
効果が特に顕著である。また、本発明の請求項10に係
る電界吐出制御装置によれば、発生する電界の形態をパ
ルスとすることにより間欠吐出を行うことができる。ま
た、本発明の請求項11に係る電界吐出制御装置によれ
ば、吐出孔と被塗工物体との間隙の許容範囲が広く、吐
出孔の孔径に対する広がりを小さくすることができる電
界塗工装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電界吐出ヘッドの構成の一例を
示す図である。
【図2】電界吐出塗工装置の構成をブロック図として示
す図である。
【符号の説明】
1 導入部 2 吐出部 3 マニホールド 4 電極 5 加圧部 6境界 7a,7b ガード電極 20 電界吐出装置 21 電界設定手段 22 圧力入力手段 23 同期入力手段 24 電力生成手段 25 モニター 31a,31b,31c,31d 電界吐出ヘッド 32 直線移動機構 33 供給手段 34 加圧吐出制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 2/06 B41J 3/04 103G Fターム(参考) 2C057 AF22 AG12 AG16 AG74 AG84 AG92 AG93 AG99 AH05 AH15 AH20 AJ10 AM03 AM15 AM17 AM21 AM22 AM25 AM40 AN01 AR04 AR08 BD07 4D075 AA09 AA25 AA33 AA34 AA53 AA65 AA83 BB22X CB26 DC22 EA33 EB01 EC07 EC30 4F033 AA14 BA03 CA04 DA02 DA03 DA04 DA05 EA01 GA07 GA11 HA02 LA01 LA13 NA01 4F035 AA03 BA02 BA23 4F041 AA06 AB02 BA05 BA13 BA36 BA47 CA02 CA11 CA23

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被吐出物質を導入するための導入部と、
    直線状に所定の間隔で配列する複数の吐出孔を形成した
    吐出部と、前記導入部より導入した前記被吐出物質を一
    時貯蔵し前記吐出部に導く通路となるマニホールドと、
    前記吐出部に対して電気的に絶縁しかつ前記マニホール
    ドの内部に配置した電極(電圧側電極)と、すくなくと
    も前記吐出部を外側の電界から遮蔽する遮蔽手段とを有
    することを特徴とする電界吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電界吐出ヘッドにおい
    て、前記遮蔽手段は前記吐出部の外側に設けられたガー
    ド電極であり、接地されていることを特徴とする電界吐
    出ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の電界吐出ヘッド
    において、前記電極とガード電極とは前記直線状に配列
    する吐出部の配列方向に直線状に延びる形状を有するこ
    とを特徴とする電界吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか記載の電界吐出
    ヘッドにおいて、前記マニホールドの内部の前記被吐出
    物質を加圧する加圧部を有することを特徴とする電界吐
    出ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電界吐
    出ヘッドに適用する電界吐出制御装置であって、発生す
    る電界の形態を設定する入力に基づいて設定電界を生成
    する電界設定手段と、前記電界吐出ヘッドにおける吐出
    位置と被塗工物体における塗工位置との同期を得るため
    の信号を含む同期信号を入力する同期入力手段と、前記
    設定電界と前記同期信号に基づいて所定の形態の電力を
    生成する電力生成手段と、を有することを特徴とする電
    界吐出制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電界吐出制御装置におい
    て、前記加圧部において前記マニホールドの内部の前記
    被吐出物質を加圧する圧力を入力する圧力入力手段を有
    し、前記電界生成手段は前記圧力に基づいて前記電力を
    生成することを特徴とする電界吐出制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の電界吐出制御装
    置において、前記発生する電界の形態は、前記電界吐出
    ヘッドにおいて連続吐出を行う場合は、矩形波であるこ
    とを特徴とする電界吐出制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の電界吐出制御装置におい
    て、前記矩形波は積分した場合に直流分を含まない交流
    波形であることを特徴とする電界吐出制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載の電界吐出制御装
    置において、前記矩形波は電圧振幅Vp-pが100V〜
    10kV、周波数Fが1Hz〜10kHzの矩形波であ
    ることを特徴とする電界吐出制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項5または6記載の電界吐出制御
    装置において、前記発生する電界の形態は、前記電界吐
    出ヘッドにおいて間欠吐出を行う場合は、パルスである
    ことを特徴とする電界吐出制御装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜4のいずれかに記載の電界吐
    出ヘッドと、請求項5〜10のいずれか記載の電界吐出
    制御装置とを有する電界吐出塗工装置であって、前記被
    吐出物質を前記電界吐出ヘッドの前記導入部に供給する
    供給手段と、前記電界吐出ヘッドの前記加圧部を操作し
    て前記導入部に供給した前記被吐出物質を前記吐出部か
    ら吐出させる加圧吐出制御手段と、前記電界吐出ヘッド
    が吐出する前記被吐出物質の吐出状態を制御する電界吐
    出制御手段と、前記電界吐出手段および/または前記被
    塗工物体を移送するとともに移送状態を示す同期信号を
    出力する移送手段と、前記吐出部に対向する位置に配置
    した接地側電極と、を有することを特徴とする電界吐出
    塗工装置。
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