JP2001122138A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2001122138A
JP2001122138A JP30967099A JP30967099A JP2001122138A JP 2001122138 A JP2001122138 A JP 2001122138A JP 30967099 A JP30967099 A JP 30967099A JP 30967099 A JP30967099 A JP 30967099A JP 2001122138 A JP2001122138 A JP 2001122138A
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JP
Japan
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ball screw
ball
nut
end cap
rotating nut
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JP30967099A
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Isamu Yoshida
勇 吉田
Yoshinori Ikeda
良則 池田
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1条ねじの場合のエンドキャップの軽量化、
コンパクト化、コストダウン等を図る。 【解決手段】 電動パワーステアリング装置に組込まれ
るボールねじ機構23を、1条ねじのボールねじ軸10
と、一つの貫通穴15を設けた回転ナット11と、両者
間に形成されるボール転動路12に配置された複数のト
ルク伝達用ボール13と、該ボール13を前記貫通穴1
5に反転循環させるための反転溝17a、17bを有
し、前記回転ナット11の両端に装着されるエンドキャ
ップ14a、14bとで構成し、該エンドキャップ14
a、14bを半環状あるいは部分環状に形成し、前記回
転ナット11の両端に半環状あるいは部分環状の凹み1
1c、11dを設けて前記エンドキャップ14a、14
bを嵌合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の電動パワー
ステアリング装置に関し、特にボールねじを介して電動
モータの出力を同軸上のラック部に伝達するようにした
ラックピニオン式電動パワーステアリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のハンドル操舵力をアシストする
動力を、電動モータから得る電動パワーステアリング装
置には種々な形式のものがあるが、ラックピニオン式電
動パワーステアリング装置としては、例えば、特開昭5
9−50864号公報(基本的構成)、特開平9−14
2315号公報(コマ循環方式のボールねじ機構採
用)、特開昭54−47236号公報(チューブ循環
(サーキュレーター)方式のボールねじ機構採用)、特
開平6−201013号公報(樹脂製エンドキャップ方
式及び樹脂製循環パイプ方式採用)等がある。また、電
動モータの出力をラック部に伝達するボールねじにおい
ても種々な形式がある。
【0003】特開平9−142315号公報のものは、
図5の(A)に示すように、外ねじ溝104aが形成さ
れた軸104の周りにボールスクリューナット110が
設けられ、ボールスクリューナット110の内周に形成
された内ねじ溝110bは、外ねじ溝104aと対向し
て、介在するボール112の転動路を形成している。ボ
ールスクリューナット110には、隣接する内ねじ溝1
10b同士を連結する通路であるコマ110dが配置さ
れている。ここでボールスクリューナット110は軸1
04に対して相対的に回転すると、ねじ溝からの反力に
より軸104はボールスクリューナット110に対して
軸方向に移動する。ボール112は、ボールスクリュー
ナット110の回転と軸104の移動に伴い、ねじ溝に
沿って転進して転動路から出てしまうため、回転量に応
じてボールを新たに補充してやる必要がある。そこでコ
マ110dを設けることにより、ねじ溝に沿って転進し
てきたボール112を、コマ110dを介してねじ溝に
戻してやることができる。
【0004】一方、特開昭54−47236号公報のも
のは、図5の(B)(C)に示すように、ボールナット
2の軸方向長さLAまたはLBの範囲のボール群、すな
わち2列のボール群の内、何れか一方のボール群が、ボ
ールねじ溝の間に介在する軸方向長さに対応する範囲で
ボールねじ軸1に形成されるねじ溝を転動する。ボール
ナット2に設けた2列のサーキュレーター6A、6Bに
それぞれ案内されて循環する2列のボール3A、3B群
を、ボールナット2のねじ溝2aと、ボールねじ軸1の
ねじ溝1a、1bとの間に介装し、その何れか一方のボ
ール群3Aの各ボールの直径を他のボールの直径より適
度に大径に形成して、自動車の直進走行時に大径のボー
ル群がボールナット2のねじ溝2aと、ボールねじ軸1
の大径部d1 のねじ溝1aとの間で転接し、小径のボー
ル群3Bがボールナット2のねじ溝2aと、ボールねじ
軸1の小径部d2 のねじ溝1bとの間に転接するように
設定されている。したがって、サーキュレーター6Aに
案内される大径のボール群3Aが、ボールナット2のね
じ溝2aと、ボールねじ軸1の大径部d1 のねじ溝1a
との間に、すきまゼロの状態で介在している。そして自
動車の操向操作により、ハンドルを右または左に回動し
てボールねじ軸1を回転させると、各ねじ溝とボール群
3A、3Bを介してボールナット2が右または左に移動
する。
【0005】また、特開平6−201013号公報に
は、ナットの両端にエンドキャップを装着してボールを
循環パイプに戻す点並びにエンドキャップ及び循環パイ
プを樹脂製とする点が開示されている。
【0006】上記コマ循環方式のボールねじ機構を採用
するものは、ボールねじナットの外径を小さくできる利
点はあるが、別体のコマをナットの外径切除部に嵌合装
着しているため、構成部品の点数が多く、また、ナット
外径に循環部品であるコマが配されるため、ボールねじ
ナット外径にモータや軸受等を嵌合させることが困難で
ある。また、上記コマ循環方式は、ナット外径が制限さ
れているボールねじに適用する場合、次のような制約が
ある。即ち、ナット外径を小さくし、かつ小さい断面高
さで高負荷容量を得るには、小さなサイズのボールを数
多く収容する必要がある。この場合、負荷容量を大きく
できる多条ねじを採用することが有利であるが、多条ね
じの場合、ボールリターン用のコマ110dを、隣りの
転走溝を跨いで配置しなければならないので、多条ねじ
を採用することは不可能である。
【0007】一方、チューブ循環(サーキュレーター)
方式のボールねじ機構を採用するものは、ボールねじ内
部を循環するボールの径が同じ場合、ボールねじナット
の外径が大きくなり、自動車等のステアリング装置にお
いては装置全体のスペースが拡大するという課題が残
る。
【0008】また、特開平6−201013号公報のも
のは、循環パイプをナットとは別に樹脂成形しているた
め、部品点数及び組立工数が増加する問題があり、しか
も、エンドキャップ及び循環パイプを樹脂製としている
ため、摩耗等の耐久性や、熱伸縮による寸法変化等によ
ってボールの循環動作が不円滑となる問題があり、その
上、エンドキャップをナットに固定するためのボルトの
締付けトルク管理も難しい。
【0009】また、従来では、エンドキャップをナット
に、ボルトを螺合することで固着させていたが、振動等
によりボルトが緩み、エンドキャップにガタが発生する
恐れがあった。エンドキャップのガタは、ボールのスム
ーズな循環を阻害し、ボールねじの機能が低下する問題
があった。
【0010】上記従来技術の問題点を解消するために本
出願人は、先に、特願平11−27720号及び特願平
11−65139号を出願している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記出
願のものは、エンドキャップの形状をリング状として提
案しており、装置全体の軽量化、コンパクト化、コスト
ダウン等に対する考察が、特定のボールねじ機構を採用
する場合、特に、1条ねじを採用する場合に対しては、
さらに改良の余地が残されていた。
【0012】そこで、本発明の目的は、従来の電動パワ
ーステアリング装置の上述した諸問題点を解消し、装置
全体の軽量化、コストダウン、コンパクト化等を実現し
得るエンドキャップの形状及び構造について改良した電
動パワーステアリング装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、先ず、1条ね
じを採用するボールねじ機構の場合、回転ナットに形成
するボール循環用の貫通穴は一つで良く、従って、エン
ドキャップに形成する反転溝、即ち、ボールねじ軸と回
転ナットの内ねじとの間に形成されるボールの転動路の
端部まで転動してきたボールを上記回転ナットの貫通穴
に戻す反転溝も一つあればよいので、エンドキャップは
リング状ではなく、半環状や1/4片等の部分環状でも
成り立つことに着目して本発明を完成させたものであ
る。
【0014】そこで、本発明の請求項1に記載の電動パ
ワーステアリング装置は、ハウジングと、車輪を操舵す
る操舵機構に連結された操舵軸と、ハンドルからの回転
力を、該操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換
する変換機構と、前記操舵軸に一体に設けられたボール
ねじ機構と、該ボールねじ機構の回転ナットに嵌合され
た電動モータとからなる電動パワーステアリング装置に
おいて、前記ボールねじ機構が、1条のボールねじ軸
と、内周に該ボールねじ軸に対向して内ねじを有する回
転ナットと、該ボールねじ軸と該内ねじとの間に形成さ
れた転動路に連なって配置され、該回転ナットと前記操
舵軸との間で力を伝達するための複数のボールとからな
り、該ボールを循環させるために、1本の循環用貫通穴
を前記回転ナットに形成すると共に、該回転ナットの両
端に前記貫通穴に連通する反転溝を有する半環状あるい
は部分環状のエンドキャップを装着したことを特徴とす
る。請求項1の構成によれば、エンドキャップが半環状
あるいは部分環状であるため、リング状のものに比べて
軽量化が図れる。
【0015】また、請求項1の構成によれば、貫通穴を
回転ナットの肉厚内に形成して、回転ナットの外径部に
ボール循環機構が突出しないようにすることができるた
め、ボールねじ機構の回転ナットの外径を小さくでき、
しかも、エンドキャップによってトルク伝達用のボール
を回転ナットの貫通穴へ反転させるようにしたことによ
って、トルク伝達用のボールの循環を円滑化でき、さら
に、循環用チューブや循環用パイプのような別部品を使
用するものではないため、部品点数の減少、組立工数の
削減、コストダウン等が図れる。
【0016】本発明の請求項2に記載の電動パワーステ
アリング装置は、前記回転ナットの端面に半環状あるい
は部分環状の凹みを設け、前記エンドキャップを嵌合し
たことを特徴とする。請求項2の構成によれば、エンド
キャップが回転ナットの軸方向寸法内及び径方向寸法内
に収納されるため、ボールねじ機構のコンパクト化が図
れる。しかも、請求項2の構成によれば、ボール転動路
の端部と、エンドキャップの反転溝とのつなぎ部を、回
転ナットの両端面に研削加工あるいは射出成形等によっ
て設けた凹みにエンドキャップを嵌合することによって
容易かつ高精度に接合することができ、両者のつなぎ部
の整合性が向上し、ボールの反転動作、延いてはボール
の循環動作の円滑度を向上させることができる。
【0017】本発明の請求項3に記載の電動パワーステ
アリング装置は、前記エンドキャップを焼結合金によっ
て形成したことを特徴とする。請求項3の構成によれ
ば、エンドキャップの反転溝を含むつなぎ部を金型への
射出成形によって精度良く安価に量産することができ、
混合する金属粉末材料の組合せを選択することによっ
て、強度をアップして耐久性向上も図れる。しかも、エ
ンドキャップが半環状あるいは部分環状であるため、金
型製作費及び焼結合金材料使用量の節約が図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】図4は本発明を適用した電動パワ
ーステアリング装置の概略断面図を示す。この装置は、
ハンドル(図示省略)からの回転力を、操舵軸21を長
手方向に移動させるための力に変換する変換機構22
と、ボールねじ軸10、回転ナット11、トルク伝達用
ボール13等からなるボールねじ機構23と、回転ナッ
ト11を回転させる電動モータ24とからなる。図5の
(A)では省略したが、操舵軸21にはラックが形成さ
れ、該ラックとそれに噛合するピニオンとによって変換
機構22は構成されている。また、ボールねじ機構23
は、ボールねじ軸10と回転ナット11間に複数のトル
ク伝達用ボール13を介装し、回転ナット11の外径に
は電動モータ24のロータ部24a、回転ナット11を
ハウジング25に対して回転自在に支持する転がり軸受
26aが嵌合されている。他方の転がり軸受26bは、
回転ナット11に固着されたスリーブ27に嵌合されて
いる。電動モータ24のステータ部24bは、ロータ部
24aと対応してハウジング25に固着されている。操
舵軸21の両端部は、ハウジング25と一体化された支
持部材28、29に長手方向へ移動可能に支持されてい
る。
【0019】図1は、本発明に係るボールねじ機構の概
略断面図である。図1において、本発明に係るボールね
じ機構23は、外径面10aに1条ねじ形状で形成され
た螺旋状のボール転走面10bを有するボールねじ軸1
0と、これに対応して、内径面11aに1条ねじ形状で
形成された螺旋状のボール転走面11bを有する回転ナ
ット11と、これらのボール転走面10b、11b間に
形成されるボール転動路12に連なって配置された複数
のトルク伝達用ボール13とで構成される。そして、ト
ルク伝達用ボール13は、例えば、図1において、回転
ナット11の左端において、エンドキャップ14aに形
成された反転溝17aで反転され、回転ナット11に形
成された軸方向に延びる貫通穴15を同図右方向に転動
し、右端のエンドキャップ14bに至り、このエンドキ
ャップ14bに形成された反転溝17bを経由してボー
ルねじ軸10と回転ナット11間に形成されるボール転
動路12に順次戻されて循環する。上記貫通穴15は、
1条ねじに対応して1本だけ、回転ナット11の肉厚内
に軸方向に貫通して形成される。このように、本発明で
は、ボール転動路12の両端を連通するボール循環用通
路となる反転溝17a、17bと貫通穴15とを前記回
転ナット11と、この回転ナット11の両端に装着した
エンドキャップ14a、14bとで形成している。そし
て、本発明では、ボールねじ機構23に1条ねじを採用
するため、回転ナット11に形成する貫通穴15は1本
だけでよく、この貫通穴15とボール転動路12とを接
続連通するための反転溝17a、17bも1つ設けばよ
いので、エンドキャップ14a、14bを、図3の
(A)に示すように、略半環状あるいは、図2の(A)
〜(F)に示すように、1/4片等の部分環状に形成し
たものである。
【0020】先ず、図2の(A)〜(F)に示す実施形
態は、エンドキャップ14a、14bを1/4片の部分
環状に形成し、かつ、回転ナット11の両端面に上記エ
ンドキャップ14a、14bを嵌合する1/4環状の凹
み11c、11dを形成し、この凹み11c、11d
に、前記エンドキャップ14a、14bを嵌合したもの
である。
【0021】上記エンドキャップ14a、14bは、図
2の(A)に示すように、回転ナット11の両端の凹み
11c、11dに嵌合され、図2の(G)に示すよう
に、六角穴付きボルト等の固定用ボルト16で回転ナッ
ト11の両端に固着される。エンドキャップ14a、1
4bの固定用ボルト16の装着部は、回転ナット11の
貫通穴15への連通位置を中心として、その両側の略対
称位置に形成されている。そして、それらの位置には、
図2の(D)(E)(G)に示すように、座ぐり部19
が形成され、固定用ボルト16の頭部がエンドキャップ
14a、14bの端面から突出しないようにしている。
符号16aと16bは、エンドキャップ14a、14b
と回転ナット11に設けたボルト穴とねじ穴である。
【0022】また、エンドキャップ14a、14bに形
成する反転溝17a、17bは、回転ナット11の端面
に向けて開放させて形成するもので、図2の(F)は一
方のエンドキャップ14aに形成した反転溝17aの斜
視図を示している。他方のエンドキャップ14bの反転
溝17bも同様である。この反転溝17a、17bは、
回転ナット11の貫通穴15の設置位置と対応し、該貫
通穴15の端部とボール転動路12とを円滑に連通させ
るように、ボールねじ軸10の回りに、ボール転動路1
2の螺旋方向に沿って円弧状乃至接線状に形成されてい
る。
【0023】さらに、両側のエンドキャップ14a、1
4bに形成する反転溝17a、17bは、ボール13の
外径より僅かに大きい内径の断面略半円弧溝状に形成さ
れ、その溝深さが、貫通穴15との連通部では最も深
く、ボール転動路12との連通部では最も浅くなるよう
に、例えば、溝深さを連続的に変化させてボールねじの
リード角との整合性も考慮して傾斜溝状に形成されてい
る。なお、図2に示す実施形態では、エンドキャップ1
4a、14bを1/4環状としたものであるため、回転
ナット11への固定用ボルト16との干渉を避けるため
に、前記貫通穴15との連通部となる反転溝17a、1
7bの端部を、1/4環状の略中央部に設定している
が、該端部を反転溝17a、17bが長くできる方向に
ずらせて設定してもよい。
【0024】反転溝17a、17bは、図2の(B)
(C)に示すように、回転ナット11の端面にも貫通穴
15と連通させて形成しておいてもよい。なお、反転溝
17a、17bは、図2の実施形態では、回転ナット1
1の端面とエンドキャップ14a、14bとに跨って形
成した場合を示しているが、エンドキャップ14a、1
4b側にのみ形成してもよい。
【0025】貫通穴15とエンドキャップ14a、14
bに形成された反転溝17a、17bとの位置合せのた
めに、図2の(F)(H)に示すように、貫通穴15の
位置において、環状の位置決め突部18aとこれに嵌合
する位置決め凹部18bとを形成して、これらを嵌合さ
せることにより、位置決めさせるのが好ましい。
【0026】回転ナット11の外径面には、図4のハウ
ジング25に対し、回転ナット11を回転自在に支持す
る転がり軸受26aが嵌合する面11e(図2の(A)
参照)と、電動モータ24のロータ部24aが嵌合する
面11f(図2の(A)参照)が夫々形成されている。
嵌合面11eには、図2の(A)に示すように、位置決
め用の肩部を構成するフランジ11gが突設され、一
方、嵌合面11fは、前記ロータ部24aの回転クリー
プを防止するために、軸線に平行な平目状のローレット
が形成されている。上記フランジ11gは、図2の
(B)(C)に示すように、平坦面を有するリング状と
し、回転ナット11の凹み11c、11dへのエンドキ
ャップ14a、14bの組付け時の基準面等に利用す
る。
【0027】図3の(A)は、本発明に係るエンドキャ
ップの別の実施形態を示す一方のエンドキャップ14a
の正面図であって、前記実施形態の1/4環状よりも大
きく、1/2環状よりもやや小さい部分環状(例えば、
150°/360°程度)としたものである。なお、他
方のエンドキャップ14bについても同様な構成とされ
る。この実施形態においては、回転ナット11の両端面
に、上記エンドキャップ14a、14bを嵌合すべき凹
み11c、11dを部分環状に設け、その凹み11c、
11dにエンドキャップ14a、14bを嵌合し、固定
用ボルト16を用いて2個所で回転ナット11に固定す
るように構成される。この実施形態においても、固定用
ボルト16の装着部には座ぐり部19を設け、さらに、
座ぐり部19の周辺に凸部19aを適宜数(図3の
(A)は2個の場合を例示)形成し、図3の(C)に示
すように、固定用ボルト16の螺合後、該凸部19aを
適宜の加締工具(図示省略)で加締めて塑性変形させ、
図3の(D)に示すように、廻り止め部19a’を形成
するようにしている。このようにすることによって、自
動車の振動等による固定用ボルト16の緩みを防止でき
る。なお、図3の(A)(B)において、符号20は位
置決め突起を示し、エンドキャップ14aの円弧の略中
央部に回転ナット11の端面側に向けて突出形成してお
り、これに対応して、回転ナット11の端面に位置決め
凹部(図示省略)が設けられる。
【0028】図3の(A)に示す実施形態においても、
回転ナット11の貫通穴15の位置において、環状の位
置決め突部18aとこれに嵌合する位置決め凹部18b
をエンドキャップ14a、14b及び回転ナット11の
貫通穴周囲に形成されるものである。この実施形態にお
いては、回転ナット11の貫通穴15に連通させる反転
溝17aの端部を、部分環状をなすエンドキャップ14
aの周方向端部付近に形成させており、これによって、
反転溝17aの周方向の長さを長く形成でき、回転ナッ
ト11の端面側に貫通穴15へのボール13の反転溝を
跨って設けることを省略乃至軽減できる。
【0029】本発明において、ボールねじ軸10に形成
するボール転走面10b及び回転ナット11のボール転
走面11bは転造にて、また、エンドキャップ14a、
14bはMIM(メタル・インジェクション・モール
ド)にて形成する。
【0030】上記MIMは、金属粉末を可塑状に調整
し、射出成形機で成形することにより製品を製造するも
のである。この射出成形による製造方法は、先ず、金属
粉末とプラスチック及びワックスからなるバインダーと
を混練機で混練し、その混練物をペレット状に造粒す
る。上記金属粉末としては、後に浸炭焼入れが可能な材
質が好ましく、例えば、炭素(C)が0.3%、ニッケ
ル(Ni)が1〜2%、残りが鉄(Fe)からなるもの
とする。
【0031】上記のように造粒したペレットは、公知の
射出成形機のホッパーに供給し、金型内に加熱溶融状態
で押込むことによりエンドキャップ14a、14bを成
形する。成形後、金型から取り出されて焼結炉に送ら
れ、焼結される。焼結後、エンドキャップ14a、14
bの座ぐり部19にはボルト穴16aが明けられる。こ
の後、必要に応じて、浸炭焼入れが行われる。
【0032】なお、エンドキャップ14a、14bの焼
結合金による成形は、上記MIM以外の他の成形固化技
術で実施してもよい。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、エンドキャッ
プが半環状あるいは部分環状であるため、リング状のも
のに比べて軽量化が図れる。
【0034】請求項2の発明によれば、エンドキャップ
が回転ナットの軸方向寸法内及び径方向寸法内に収納さ
れるため、ボールねじ機構のコンパクト化が図れる。し
かも、ボール転動路の端部とエンドキャップの反転溝と
を容易かつ高精度に接合することができ、両者のつなぎ
部の整合性が向上し、ボールの反転動作、延いてはボー
ルの循環動作の円滑度を向上させることができる。
【0035】請求項3の発明によれば、エンドキャップ
を精度良く安価に量産することができ、混合する金属粉
末材料の組合せを選択することによって、強度をアップ
して耐久性向上も図れる。しかも、エンドキャップが半
環状あるいは部分環状であるため、金型製作費及び焼結
合金材料使用量の節約が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボールねじ機構の実施形態を示す
概略断面図。
【図2】本発明に係るボールねじ機構の一実施形態を示
し、(A)は回転ナットの断面図、(B)と(C)はそ
の両側の端面図、(D)と(E)は回転ナットの両端面
に嵌合されるエンドキャップの正面図、(F)は一方の
エンドキャップの背面側から見た斜視図、(G)はエン
ドキャップと回転ナットとの固定部分の説明用断面図、
(H)はエンドキャップの反転溝と回転ナットの貫通穴
との接合部の構成を示す拡大断面図。
【図3】(A)は本発明に係るエンドキャップの別の実
施形態を示す正面図、(B)はそのエンドキャップの背
面に形成した位置決め突起を示す部分側面図、(C)と
(D)は(A)に示すエンドキャップの固定用ボルトの
装着部の部分拡大断面図で、(C)はボルト螺合後にお
ける凸部の加締前を示し、(D)はその加締後の状態を
示す。
【図4】本発明を適用した電動パワーステアリング装置
の実施例を示す概略断面図。
【図5】(A)は従来のコマ循環方式のボールねじ機構
の概略断面図、(B)は従来のチューブ循環方式のボー
ルねじ機構の概略平面図、(C)はその概略断面図。
【符号の説明】
10 ボールねじ軸 11 回転ナット 11c 凹み 11d 凹み 12 ボール転動路 13 トルク伝達用ボール 14a、14b エンドキャップ 15 貫通穴 16 固定用ボルト 17a、17b 反転溝 21 操舵軸 22 変換機構 23 ボールねじ機構 24 電動モータ 25 ハウジング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、車輪を操舵する操舵機構
    に連結された操舵軸と、ハンドルからの回転力を、該操
    舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機
    構と、前記操舵軸に一体に設けられたボールねじ機構
    と、該ボールねじ機構の回転ナットに嵌合された電動モ
    ータとからなる電動パワーステアリング装置において、
    前記ボールねじ機構が、1条のボールねじ軸と、内周に
    該ボールねじ軸に対向して内ねじを有する回転ナット
    と、該ボールねじ軸と該内ねじとの間に形成された転動
    路に連なって配置され、該回転ナットと前記操舵軸との
    間で力を伝達するための複数のボールとからなり、該ボ
    ールを循環させるために、1本の循環用貫通穴を前記回
    転ナットに形成すると共に、該回転ナットの両端に前記
    貫通穴に連通する反転溝を有する半環状あるいは部分環
    状のエンドキャップを装着したことを特徴とする電動パ
    ワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記回転ナットの端面に半環状あるいは
    部分環状の凹みを設け、前記エンドキャップを嵌合した
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリ
    ング装置。
  3. 【請求項3】 前記エンドキャップを焼結合金によって
    形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動
    パワーステアリング装置。
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