JP3907954B2 - ボールねじおよびそれを具備する電動パワーステアリング装置 - Google Patents

ボールねじおよびそれを具備する電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、駒式のボールねじ、およびこのボールねじを具備する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の電動パワーステアリング装置は、ハンドルの操舵力を電動モータで補うものであり、種々の形式のものがある。その一つとして、車輪の操舵機構に連結された進退自在な操舵軸に対して、ハンドルからラックピニオン機構等の変換機構を介して軸方向移動力を与えると共に、電動モータの出力を、ボールねじを介して軸方向移動力として与えるようにしたものがある。ボールねじには、ボールの循環形式が異なる種々の形式のものがあり、その一種として、駒式と呼ばれるものがある。
【0003】
図10は、従来の駒式ボールねじ機構の一例を示す。ボールねじ軸51は、外ねじ溝52を外面に有し、回転ナット53は、外ねじ溝52に対応する内ねじ溝54を有していて、両ねじ溝52,54の間に嵌合した多数のボール55を介してボールねじ軸51に螺合している。回転ナット53の円筒胴部には、内外の周面に貫通して内ねじ溝54の一部を切欠く楕円状の嵌合孔56が穿設され、この嵌合孔56に、楕円状の駒57が嵌合している。駒57は、内ねじ溝54の隣合う1周部分同士を連結する連結溝58を形成した部品であり、内ねじ溝54の略1周の部分と連結溝58とで、ボール55の転動路が構成される。転動路内の内外のねじ溝52,54間に介在した多数のボール55は、ねじ溝52,54に沿って転動して、駒57の連結溝58に案内され、ボールねじ軸51のねじ山を乗り越えて隣接する内ねじ溝54に戻り循環可能とされている。
【0004】
図11は、上記のような駒式ボールねじにおける回転ナット53を、内周側から見た展開図を示す。駒式のボールねじにおいては、内ねじ溝54において、略1周分となる各周の転動路(一点鎖線のハッチングで示す)の間において、駒57とその隣の駒57との間に、ボールの存在しない空間である非循環部59(交差した一点鎖線のハッチングで示す)ができる。
【0005】
このような駒式ボールねじ機構の組立過程では、図12に示すように、回転ナット53内に、ボールねじ軸51に替わる仮軸60を、その端部が駒57の位置に合うようにセットしてから、回転ナット53内に前記循環路の1周分のボール55(例えば17個)を挿入し、これらのボール55をピンセットで循環路に導くようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなボールねじ機構では、組立時に非循環部59にボール55が混入することがある。このように非循環部59にボール55が混入したままで使用されると、ボール55の転動路が破損し、ボールねじがロックする危険性がある。
そこで、このような駒式ボールねじ機構の組立では、上述したボール55の挿入作業において、作業者は、ボール55が非循環部59に入らないように目視で注意を払ったり、転動路に入れるボール個数を管理したりしている。しかし、このような管理や、作業時の注意だけでは、非循環部59へのボール55の混入を完全に防止することができず、ボールねじがロックする危険性を十分に回避することが難しい。
【0007】
この発明の目的は、組立時に非循環部にボールが混入することを確実に防止できるボールねじ、およびそれを具備する電動パワーステアリング装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明のボールねじは、ボールねじ軸と、このボールねじ軸に対向して内周に内ねじ溝を有する回転ナットと、上記ボールねじ軸と内ねじ溝との間に形成された転動路に連なって配置され、上記回転ナットとボールねじ軸の間で力を伝達するための複数のボールと、上記回転ナットに取付けられて内ねじ溝同士を連結する連結溝を有する複数の駒部材とを具え、上記転動路のうち、上記駒部材に挟まれ、ボールが循環しない非循環部には、この部分を埋める詰め物を配置している。
この構成によると、非循環部に詰め物が配置されているため、組立時における転動路へのボールの挿入作業時に、内ねじ溝の非循環部にボールが混入することが、詰め物によって阻止される。そのため、組立ミス等により、非循環部にボールが混入することがなく、非潤滑部に混在したボールに起因するボールねじのロックが確実に防止される。
【0009】
この発明において、上記詰め物は、上記非循環部の形状に略等しい形状に形成され、かつ上記駒部材間に弾性装着される別体の弾性部材からなるものとしても良い。
このように、詰め物を回転ナットとは別体の部材としたため、回転ナットに詰め物に相当する部分を加工する必要がなく、回転ナットは、詰め物のない一般のボールねじの回転ナットと同じもので済む。また、詰め物は、非循環部の形状に略等しい形状に形成され、かつ駒部材間に弾性装着されるものとしたため、詰め物の回転ナットへの装着作業も簡単に行える。
【0010】
この発明において、上記駒部材に、上記回転ナットの内ねじ溝に係合してこの駒部材を回転ナットに対して軸方向に位置決めするアームを設け、このアームによって上記非循環部を埋めるようにしても良い。
駒部材の位置決めアームは、駒部材の軸方向の位置決めを確実にするためのものである。このように位置決めアームを、非循環部を埋める詰め物に兼用させることにより、位置決めアームを通常よりも長く形成するだけで良く、専用の詰め物を設ける必要がなくて、部品点数が少なくなり、組立工数も削減できる。
【0011】
上記駒部材は、上記回転ナットに形成された駒部材用開口に回転ナットの内側から嵌め込まれるものとしても良い。このように、内側から嵌め込む構成とすることにより、抜け止めを要することなく、駒部材を簡単に固定できる。
【0012】
上記駒部材は、上記連結溝を複数有するものとしても良い。このように、一つの駒部材に複数の連結溝を形成することより、個々の連結溝毎に駒部材を設ける場合に比べて、内ねじ溝のピッチを小さくすることができる。そのため、回転ナットの軸方向の長さを長くすることなく、ボール循環個数を増やし、負荷容量を増大させることができる。
【0013】
上記駒部材を焼結合金によって形成しても良い。このように駒部材を焼結合金製とする場合、射出成形等による成形と焼結によって製造できる。そのため、旋削や研削等の機械加工が不要で、量産性が良い。これにより、安価な製作が可能である。
【0014】
この発明の電動パワーステアリング装置は、ハウジングと、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、ハンドルからの回転力を、上記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、上記操舵軸の一部がボールねじ軸となるボールねじと、このボールねじの回転ナットに嵌合された電動モータとを具えたものであって、上記ボールねじを、この発明の上記いずれかの構成のボールねじとしたものである。
この構成により、電動モータの出力を伝えるボールねじを、ロックの発生のない安全なものとすることができ、電動パワーステアリング装置の安全性、信頼性が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1に示すように、このボールねじ20は、ボールねじ軸21と、回転ナット22と、複数のボール23とを具え、回転ナット22は、ナット本体22aに駒部材24を取付けて構成されている。ボールねじ軸21は外ねじ溝25を有する。回転ナット22は、円筒状に形成されたナット本体22aの内周に、外ねじ溝25に対向する内ねじ溝26を有する。ボール23は、ボールねじ軸21の外ねじ溝25と回転ナット22の内ねじ溝26との間に形成された転動路27に連なって配置される。回転ナット22は、外周面における周方向の一部に、ローレット加工等による粗面部29が形成してあり、モータロータへの結合等に利用される。
【0016】
駒部材24は、内ねじ溝26の隣合う1周部分同士を連結する連結溝28を設けた部材であり、一つの駒部材24に、連結溝28が複数設けられている。各連結溝28は、各々内ねじ溝26の互いに異なる1周部分同士の連結を行うものとされ、この実施形態では、内ねじ溝26の順次隣合う1周部分同士を連結溝28で連結している。回転ナット22の内ねじ溝26は、連結溝28で連結されることで、1周の連続した周回経路(循環部)となる。したがって、回転ナット22の内ねじ溝26は、駒部材24が設けられた軸方向長さの範囲で、複数条並んだ周回経路(循環部)に分離される。各連結溝28の深さは、ボール23が、連結溝28内でボールねじ軸21の外ねじ溝25のねじ山を越えることができる深さとされている。
【0017】
駒部材24は、軸方向に離れた2か所でナット本体22aに取付けられ、これら2個の駒部材24は、互いに周方向位置が180°離れた位置とされている。2個の駒部材24の連結溝28の本数は、互いに異なっていても良い。図1では一つの駒部材24については連結溝28を3本とし、他の一つの駒部材24については連結溝28を2本としている。一つの回転ナット22に設けられる駒部材24の個数は、3個以上であっても良い。
【0018】
図2は回転ナット22の内径側を示す展開図、図3はその回転ナット22の半部を断面して示す分解斜視図である。
回転ナット22のナット本体22aは、駒部材用開口30が内外周面に貫通して設けられて、この開口30に駒部材24が内径側から嵌め込まれる。
【0019】
駒部材24は、回転ナット22の内ねじ溝26に係合してこの駒部材24を回転ナット22のナット本体22aに対して軸方向に位置決めする一対のアーム31,31を有している。これらアーム31,31は、駒部材24の軸方向の両端に、互いに円周方向の逆方向に突出して設けられている。各アーム31は、内ねじ溝26に嵌合する半円状の断面形状に形成されている。なお、内外のねじ溝25,26の断面形状は、詳しくはゴシックアーチ状である。
【0020】
図1(C)に示すように、駒部材24における回転ナット周方向の両側縁には、外径側へ立ち上がる一対のガイド壁36が、駒部材24の周方向を向く側面に沿って設けられている。これらガイド壁36は、ナット本体22aの駒部材用開口30の対向する一対の内側面に弾性的に接するものである。これらガイド壁36の先端が駒部材用開口30の開口縁に係合する。駒部材24は、ナット本体22aの駒部材用開口30に内径面側から嵌め込まれ、一対のアーム31が内ねじ溝26に嵌合すると共に、ガイド壁36の先端が、駒部材用開口30の開口縁に係合することで、ナット本体22aに固定される。
【0021】
駒部材24の材質は、焼結合金としても良い。駒部材24を焼結合金製とする場合、通常の製造方法の他に、次のメタル・インジェクション・モールディングにより製造されたものとしても良い。メタル・インジェクション・モールディングによる場合、金属粉末を可塑状に調整し、射出成形機で成形することにより行われる。この射出成形に際しては、まず、金属粉と、プラスチックおよびワックスからなるバインダとを混練機で混練し、その混練物をペレット状に造粒する。造粒したペレットは、射出成形機のホッパに供給し、金型内に加熱溶融状態で押し込むことにより成形する。前記金属粉としては、後に浸炭焼入が可能な材質が好ましく、例えば、炭素(C)が0.3%、ニッケル(Ni)が1〜2%、残りが鉄(Fe)からなるものとする。
回転ナット22のナット本体22aも、駒部材24と同様に焼結合金製としても良い。
【0022】
内外のねじ溝25,26の間に形成される転動路27のうち、隣接する周回経路(循環部)の各駒部材24が周方向に隣合って配置される部分(図2に示す内ねじ溝26の展開図では、一方の駒部材24の1つのアーム31と、この駒部材24に隣接する他方の駒部材24の1つのアーム31とで挟まれる部分)は、ボール23が循環しない非循環部32となる。この非循環部32の内ねじ溝26内の部分は、ナット本体22aとは別体の詰め物33を配置することによって埋められる。この詰め物33は、内ねじ溝26の断面形状と略等しい半円形の断面形状となった合成樹脂等の弾性部材からなり、前記非循環部32における内ねじ溝26に弾性装着される。
詰め物33は、弾性部材の代わりに、可撓性を有する部材、つまり容易に塑性変形する部材からなるものとしても良い。また、詰め物33は、自然状態において直線状のものであっても、または内ねじ溝26の曲率に応じた円弧状の湾曲状態に形成されてものであっても良い。詰め物33は弾性部材または可撓性部材からなるため、上記のように直線状のものであっても、内ねじ溝26に嵌め込み状態に装着することができる。
【0023】
この構成のボールねじ20によると、内外のねじ溝25,26で形成される転動路27のうち、2つの駒部材24に挟まれてボールが循環しない部分となる非循環部32に詰め物33を配置したため、組立時に転動路27へボール23を挿入する作業において、非循環部32にボール23が混入してしまうことがない。そのため、非循環部32へのボール23の混入に起因してボールねじ20がロックしてしまうのを確実に防止できる。また、詰め物33は、非循環部32の形状に略等しい形状に形成されて、非循環部32に弾性装着される別体の弾性部材からなるものとしているので、非循環部32への詰め物33の配置を容易に行うことができる。
【0024】
また、駒部材24は、回転ナット22に形成された駒部材用開口30に回転ナット22の内側から嵌め込まれるものとしているので、抜け止めを要することなく、駒部材24を回転ナット22のナット本体22aに簡単に固定できる。この駒部材24は、連結溝28を複数有するものとしているので、内ねじ溝26のピッチを小さくすることができ、そのため回転ナット22の長さを長くすることなくボール循環個数を増やし、負荷容量を増大させることができる。さらに、駒部材24を焼結合金製としているので、射出成形等の成形と焼結によって製造でき、旋削や研削等の機械加工が不要で、量産性が良い。これにより、安価な製作が可能である。
【0025】
図4は、この発明の他の実施形態にかかるボールねじにおける回転ナットの展開図を示す。この実施形態のボールねじ20は、第1の実施形態(図1〜図3の実施形態)において、駒部材24に設けられた位置決め用のアーム31を長くして、第1の実施形態における詰め物33に兼用し、転動路27における非循環部32の内ねじ溝26側を前記アーム31によって埋めるようにしている。位置決めアーム31の長さは、隣合う駒部部材24の位置決めアーム31の先端間が、相互に接するか、またはボール径よりも小さな隙間となるように近接するものとしてある。
【0026】
この構成の場合も、組立時の転動路27へのボール23の挿入作業において、転動路27における非循環部32にボール23が混入してしまうことがなく、非循環部32へのボール23の混入に起因してボールねじ20がロックしてしまうことを確実に防止できる。また、駒部材24に設ける位置決め用のアーム31を詰め物に兼用して非循環部32を埋めるので、部品点数が少なくなり、組立工数の削減される。
【0027】
図5,図6は、この発明のさらに他の実施形態にかかるボールねじを示す。この実施形態のボールねじ20は、第1の実施形態(図1〜図3の実施形態)において、各駒部材24がそれぞれ1つの連結溝28を有するものとしている。この実施形態における駒部材24は、第1の実施形態の場合のような位置決め用アームを有しないが、全体が楕円状で、回転ナット22に形成された同じく楕円状の駒部材用開口30に、回転ナット22の外径側から嵌め込んで固定するようにされている。
【0028】
回転ナット22は、内径側の展開図を図6に示すように、内外のねじ溝25,26で形成される転動路27のうち、周方向に隣接して並ぶ2つの駒部材24で挟まれる非循環部32の内ねじ溝26側に、第1の実施形態と同様に、合成樹脂等の弾性部材または可撓性部材からなる詰め物33を弾性装着している。この実施形態におけるその他の構成は、第1の実施形態と同じである。
【0029】
この構成の場合も、組立時の転動路27へのボール挿入作業において、転動路27における非循環部32にボール23が混入してしまうことがなく、非循環部32へのボール23の混入に起因してボールねじ20がロックしてしまうことを確実に防止できる。
【0030】
図7,図8は、この発明のさらに他の実施形態にかかるボールねじを示す。この実施形態のボールねじ20は、図5〜6に示すように、各駒部材24が連結溝28を一つだけ有するものとしたボールねじにおいて、各駒部材24に、詰め物となるアーム31を設けたものである。すなわち、この駒部材24は、図8に示すように回転ナット22の内ねじ溝26に嵌合する一対のアーム31を有する。このアーム31により、転動路27のうち、隣接する2つの駒部材24で挟まれる非循環部32の内ねじ溝26側を埋めるようにしている。隣接する2つの駒部材24のアーム31の先端は、相互に接するか、または近接している。この実施形態におけるその他の構成は第1の実施形態と同じである。アーム31は、駒部材24をナット本体22aに対して軸方向に対する位置決め兼用のものであっても、また位置決め機能を有しないものであっても良い。
【0031】
この構成の場合も、組立時の転動路27へのボール挿入作業において、転動路27における非循環部32にボール23が混入してしまうことがなく、非循環部32へのボール23の混入に起因してボールねじ20がロックしてしまうのを確実に防止できる。また、駒部材24に一端に設けるアーム31で非循環部32を埋めるので、部品点数が少なくなり、組立作業も容易になる。
【0032】
つぎに、このボールねじ20を具備した電動パワーステアリング装置の一例を説明する。図9は、この電動パワーステアリング装置の破断側面図である。同図において、ハウジング1は、図示しないブラケットを有していて、車体に固定される。ハウジング1内には操舵軸2が貫通し、操舵軸2はその両端にタイロッド3,4が連結されている。タイロッド3,4は、車輪を操舵する操舵機構(図示せず)に連結される。
ハウジング1の一端の近傍から斜め上方に延びるようにハンドル軸5が設けられ、ハンドル軸5は上端にハンドルが連結される。ハンドル軸5は、回転自在に支持されていて、ハンドル軸5の回転は、その下端から変換機構6を介して操舵軸2に、軸方向の移動力として伝達される。変換機構6は、操舵軸2の長手方向の一部で形成されるラック7と、ハンドル軸5の下端に設けられたピニオン(図示せず)とからなり、上記ピニオンは、ハウジング1内でラック7に噛み合う。ハンドル軸5に対して、その操舵トルクを検出する操舵トルク検出器(図示せず)が設けられている。
【0033】
ハウジング1は、円筒状に形成されたものであり、中央の筒体1aの両端に端部材1b,1cを結合して構成される。ハウジング1内の軸方向の中央部には、電動モータ8のステータ9が設けられている。ステータ9は、コアおよびステータコイルで構成される。ステータ9の内周側には、電動モータ8のロータ10がギャップを介して設けられている。ロータ10は、磁性体により円筒状に形成されていて、スリーブ11の外周に、このスリーブ11と一体に回転するように取付けられる。このスリーブ11内に、操舵軸2が軸方向移動自在に挿通されている。電動モータ8は、図示しないモータ制御回路により、前記操舵トルク検出器の検出値に従って制御される。
【0034】
スリーブ11の一端、この例ではハンドル軸5側の端部は、軸受12によりハウジング1内に回転自在に支持されている。軸受12は、単独の軸受であっても、複数個を組み合わせて配置したものであっても良く、全体としてラジアル荷重おおびスラスト荷重の支持が可能なものとされる。
【0035】
電動モータ8の回転は、ボールねじ20を介して、操舵軸2に軸方向に移動させる力として伝えられる。ボールねじ20は、操舵軸2の軸方向の一部がボールねじ軸21となるものである。ボールねじ20の回転ナット22は、その外径部が軸受16でハウジング1内に回転自在に支持され、かつ電動モータ8のロータ10の一端が外径面に嵌合している。ロータ10の回転ナット22側の端部は、スリーブ11よりも突出していて、この突出部分が回転ナット22に嵌合する。また、回転ナット22は、前記のように外径面に粗面部29(図1(A))を有していて、この粗面部29にロータ10の内径面に嵌合する。
軸受16は、単独の軸受であっても、複数個を組み合わせて配置したものであっても良く、全体としてラジアル荷重およびスラスト荷重の支持が可能なものとされる。軸受16は、例えばアンギュラ玉軸受等の転がり軸受が用いられ、内輪、外輪、および両輪間に介在した転動体を有するものとされる。
【0036】
上記構成の動作および作用を説明する。車両が直進状態にあり、ハンドルの回転を停止しているときは、ハンドル軸5の操舵トルク検出器(図示せず)からトルク信号が出力されず、モータ制御手段(図示せず)により電動モータ8は回転停止状態とされる。したがって、この電動パワーステアリング装置は補助操舵力を出力しない状態にある。
ハンドルを操舵すると、ハンドル軸5の操舵トルク検出器からトルク信号が出力され、モータ制御回路の制御により、電動モータ8はロータ10を回転させる。ロータ10が回転すると、ロータ10と共にボールねじ20の回転ナット22が回転し、ボールねじ軸21で一部が構成される好打軸2が軸方向に移動させられ、帆樹操舵力が発生する。
このとき、ボールねじ20のボール23は、回転ナット22の回転に伴い、内外のねじ溝25,26間で形成される転動路内で転動する。
このようにして、ハンドルの操舵力が電動モータ8で補われる。
【0037】
この電動パワーステアリング装置は、このように主要な構成部品であるモータ出力の伝達用のボールねじ20を上記の構成のものとしたため、ボールねじにおけるロックの発生を防止でき、電動パワーステアリング装置の安全化が図れる。
【0038】
【発明の効果】
この発明のボールねじは、転動路のうち、駒部材に挟まれ、ボールが循環しない非循環部に、この非循環部を埋める詰め物を配置したため、組立時の上記転動路へのボールの挿入作業において、転動路における非循環部にボールが混入してしまうことがなく、非循環部へのボールの混入に起因するボールねじのロックを確実に防止できる。
詰め物が、非循環部の形状に略等しい形状に形成され、かつ駒部材間に弾性装着される別体の弾性部材からなる場合は、非循環部への詰め物の配置を容易に行うことができる。
また、駒部材に、回転ナットの内ねじ溝に係合してこの駒部材を回転ナットに対して軸方向に位置決めするアームを設け、このアームによって非循環部を埋めるようにした場合は、駒部材に設ける位置決め用のアームで非循環部を埋めるので、部品点数が少なくなり、組立作業も容易になる。
駒部材が、回転ナットに形成された駒部材用開口に回転ナットの内側から嵌め込まれるものとした場合は、抜け止めを要することなく、駒部材を簡単に固定できる。
駒部材を、連結溝を複数有するものとした場合は、内ねじ溝のピッチを小さくすることができ、そのため回転ナットの長さを長くすることなくボール循環個数を増やし、負荷容量を増大させることができる。
駒部材を焼結合金によって形成した場合は、射出成形等の成形と焼結によって製造でき、旋削や研削等の機械加工が不要で、量産性が良く、安価な製作が可能である。
この発明の電動パワーステアリング装置は、電動モータの出力を伝えるボールねじに、この発明のボールねじを用いたため、ボールねじにおけるロックの発生を防止でき、電動パワーステアリング装置の安全化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、各々この発明の一実施形態にかかるボールねじの正面図、断面図、およびその駒部材の斜視図である。
【図2】同ボールねじにおける回転ナットの内径側を示す展開図である。
【図3】同回転ナットの半部を示す分解斜視図である。
【図4】この発明の他の実施形態にかかるボールねじにおける回転ナットの内径側を示す展開図である。
【図5】(A),(B)はそれぞれこの発明のさらに他の実施形態にかかるボールねじの正面図および断面図である。
【図6】同ボールねじにおける回転ナットの内径側を示す展開図である。
【図7】この発明のさらに他の実施形態にかかるボールねじにおける回転ナットの内径側を示す展開図である。
【図8】(A)〜(D)は、各々同ボールねじにおける駒部材の背面図、側面図、正面図、およびアーム端面図である。
【図9】この発明の一実施形態にかかる電動パワーステアリング装置の破断正面図である。
【図10】従来のボールねじの断面図である。
【図11】同ボールねじにおける回転ナットの内径側を示す展開図である。
【図12】同ボールねじ組立時のボール挿入作業の説明図である。
【符号の説明】
1…ハウジング
2…操舵軸
5…ハンドル軸
6…変換機構
7…ラック
8…電動モータ
9…ステータ
10…ロータ
11…スリーブ
20…ボールねじ
21…ボールねじ軸
22…回転ナット
23…ボール
24…駒部材
25…外ねじ溝
26…内ねじ溝
27…転動路
28…連結溝
30…駒部材用開口
31…アーム
32…非循環部
33…詰め物

Claims (6)

  1. ボールねじ軸と、このボールねじ軸に対向して内周に内ねじ溝を有する回転ナットと、上記ボールねじ軸と内ねじ溝との間に形成された転動路に連なって配置され、上記回転ナットとボールねじ軸の間で力を伝達するための複数のボールと、上記回転ナットに取付けられて内ねじ溝同士を連結する連結溝を有する複数の駒部材とを備えたボールねじにおいて、
    上記転動路のうち、上記駒部材に挟まれ、ボールが循環しない非循環部に、この非循環部を埋める詰め物を配置し、上記詰め物は、上記非循環部の形状に略等しい形状に形成され、かつ上記駒部材間に弾性装着される別体の弾性部材からなることを特徴とするボールねじ。
  2. ボールねじ軸と、このボールねじ軸に対向して内周に内ねじ溝を有する回転ナットと、上記ボールねじ軸と内ねじ溝との間に形成された転動路に連なって配置され、上記回転ナットとボールねじ軸の間で力を伝達するための複数のボールと、上記回転ナットに取付けられて内ねじ溝同士を連結する連結溝を有する複数の駒部材とを備えたボールねじにおいて、
    上記転動路のうち、上記駒部材に挟まれ、ボールが循環しない非循環部に、この非循環部を埋める詰め物を配置し、この詰め物として、上記駒部材に、上記回転ナットの内ねじ溝に係合してこの駒部材を回転ナットに対して軸方向に位置決めするアームを設け、このアームによって上記非循環部を埋めるようにしたボールねじ。
  3. 上記駒部材は、上記回転ナットに形成された駒部材用開口に回転ナットの内側から嵌め込まれるものとした請求項1または請求項2に記載のボールねじ。
  4. 上記駒部材は、上記連結溝を複数有するものとした請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のボールねじ。
  5. 上記駒部材を焼結合金によって形成した請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のボールねじ。
  6. ハウジングと、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、ハンドルからの回転力を、上記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、上記操舵軸の一部がボールねじ軸となるボールねじと、このボールねじの回転ナットに嵌合された電動モータとを備えた電動パワーステアリング装置において、上記ボールねじを、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のボールねじとしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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