JP2001122092A - 降坂検出装置およびこれを用いた自動制動制御装置 - Google Patents

降坂検出装置およびこれを用いた自動制動制御装置

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JP2001122092A
JP2001122092A JP30250599A JP30250599A JP2001122092A JP 2001122092 A JP2001122092 A JP 2001122092A JP 30250599 A JP30250599 A JP 30250599A JP 30250599 A JP30250599 A JP 30250599A JP 2001122092 A JP2001122092 A JP 2001122092A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長い下り坂を走行していることを自動的に検出
し、補助制動系を有効に利用する。 【解決手段】運転操作による補助制動装置のスイッチに
より正のフラグを立て、アクセルペダルの操作により負
のフラグを立て、このフラグの値を短い周期で繰り返し
読取り、これをカウンタSに累積計数し、計数値が所定
値を越えたときに下り坂検出信号Dを送出する。勾配セ
ンサ出力などの物理量を計測して判定するのではなく、
運転操作の状態から下り坂を走行していることを自動判
定する。 【効果】長い下り坂を走行していることを自動的に判定
し、補助制動系を作動させて、制動エネルギの有効回生
を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車が長い下り
坂を走行していることを自動的に検出する装置に関す
る。本発明は、自動車が長い下り坂を走行しているとき
に、運転操作がなくともリターダなどの補助制動装置の
制動能力を自動的に増大させることができる運転補助装
置に関する。本発明は、大型バスに利用するために開発
された装置であるが、大型バスに限らず運転補助装置と
して広く自動車に利用することができる。本発明は、内
燃機関と電動発電機を併用するハイブリッド自動車ある
いは電気自動車の電気制動系など制動により発生する電
気エネルギをバッテリに回生させる回生制動系を制御す
るために利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来から補助制動装置を自動的に制御す
る技術として、車両が下り坂を走行していることを勾配
センサにより検出する技術が知られている(特公平3−
63653号公報参照)。また、下り坂を走行中に走行
車速がほぼ一定になるように、補助制動装置の制動力を
自動的に加減する制御装置が知られている(特開平10
−264804号公報参照)。
【0003】一方、内燃機関と電動発電機を併用するハ
イブリッド自動車や電気自動車が今後普及することが見
込まれている。ハイブリッド自動車や電気自動車は、電
動発電機を発電機として動作させて、車両に制動力を発
生させるとともに、その発電機出力に現れる電気エネル
ギをバッテリに回生する回生制動を行うことができる。
この回生制動を効率的に利用することにより燃料効率あ
るいは充電効率が大幅に改善される。回生制動を効率的
に利用するには、回生制動の制御を運転者の運転操作に
のみ頼るのではなく、長い下り坂を走行するときなどに
自動的に回生制動を利用するような制御が必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、勾配セン
サを用いて降坂状態を検出する上記技術を試験したが、
勾配センサは車両の停車中に車両の勾配を有効に検出す
ることができるが、車両の走行中には、加速時あるいは
減速時に走行方向の加速度が変化して、これは勾配セン
サの雑音となる。そして、雑音を除去して走行路面の勾
配を演算するための技術はかなり複雑になることがわか
った。
【0005】また、下り坂を走行するときにその車両速
度が一定になるように補助制動装置の制動力を自動的に
加減する技術は優れたものであるが、路面が屈曲するよ
うな下り坂では必ずしもこのような制御に頼ることがで
きない。
【0006】一方、本願出願人が製造販売する大型バス
のユーザから運転をスムーズに行うための補助装置を希
望する意見がある。たとえば景勝のよい観光地などに見
られるカーブの多い下り坂では、運転者はリターダおよ
び排気ブレーキの加減操作をしばしば操舵輪の操作と同
時に行うことが必要になる。ところが、リターダおよび
排気ブレーキの調節レバーは操舵輪の下側に装備されて
いて、操舵輪の操作が忙しく、リターダおよび排気ブレ
ーキの調節操作が遅れることがあり、また調節操作を行
うことができないこともある。このようなときには必然
的にフートブレーキを使用することになり、急なカーブ
とともに急な減速が行われて、乗客が不快になりあるい
は不安になることがある。これは乗客の車酔いの原因に
もなる。このような場合に、下り坂の状況に応じてリタ
ーダおよび排気ブレーキを自動的に加減してくれる装置
があれば、景色のよい所を滑らかな運転で心地よく乗客
を案内することができる、とのユーザの意見である。
【0007】ハイブリッド自動車(または電気自動車)
の場合には、このようなフートブレーキの使用は回生可
能なエネルギを無駄にするものであって、エネルギの利
用効率のうえからも望ましいことではない。
【0008】また、高速道路などでの長い下り坂を走行
するときには、有効なエネルギ回生を行うための重要な
機会であり、回生制動の加減レバー、さらに具体的には
リターダの加減レバーおよび排気ブレーキの操作レバー
が適正な位置に設定されていることが重要である。これ
を運転操作により設定することにすると、操作が遅れた
り設定位置が適当でなかったりすることになる。したが
ってこれを運転操作にのみ頼るのではなく、走行状態を
自動的に検出して回生効率を良くするために自動的な最
適設定をすることが望ましい。
【0009】本発明はこのような背景に行われたもので
あって、車両が長い坂道を走行していることを自動的に
かつ適正に検出する装置を提供することを目的とする。
本発明は、カーブの多い長い坂道を走行するときなど
に、リターダの調節レバーを頻繁に操作する必要のない
自動制動制御装置を提供することを目的とする。本発明
は、ハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動を
有効に作動させてエネルギの利用効率を良くすることを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は勾配センサを利
用するという従来の思想から離れて、運転操作により設
定される補助制動装置の「オン」状態の時間を計数し、
これが相応の時間に達したときに長い下り坂を走行して
いるものと判定するものである。さらに具体的には排気
ブレーキおよびまたはリターダが「オン」状態に操作さ
れている時間に重み係数を付して計数手段により累積加
算し、一方、アクセルペダルが踏まれた時間に重み係数
を付してこの計数手段から累積減算し、累積加算した計
数値がある値に達したときに長い下り坂を走行している
と判定するものである。
【0011】すなわち本発明の第一の観点は降坂状態検
出装置であって、排気ブレーキまたはリターダを含む制
動装置が制動状態に操作されている期間にわたりフラグ
b(bは定数)を立てる手段と、アクセルペダルが踏ま
れている期間にわたりフラグa(aは定数)を立てる手
段と、あらかじめ設定された周期t毎に前記フラグbお
よびaを読取り(b−a)を累積加算する計数手段と、
この計数手段の計数値Sがあらかじめ設定された判定値
Sjを越えている期間にわたり降坂状態を示す出力信号
を送出する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】本発明では、下り勾配にあることを自動的
に検出するのではなく、運転者が操作により補助制動装
置を利用したこと、これが所定の時間にわたり長く利用
されたことを長い下り坂を走行している状態と判定する
ものである。そしてアクセルペダルが踏まれたことは、
下り勾配が緩やかになった状態であると判定するもので
ある。これも運転操作にただちに反応するのではなく、
時間を累積加算することにより判定するものである。
【0013】ここで判定値Sjは、Sj1 、Sj2 、の
ように複数段階的に設けるとともに、下り坂検出信号を
その段階的な判定値Sj1 、Sj2 越える毎にレベル
(1)、レベル(2)のように送出する構成とすること
ができる。
【0014】この補助制動装置は排気ブレーキおよびま
たはリターダであり、フラグbを立てる手段は、排気ブ
レーキが制動状態に操作されている期間にわたりフラグ
1を立てる手段と、リターダが制動状態に操作されて
いる期間にわたりフラグb2を立てる手段とを含む構成
とすることができる。この場合にフラグbの値は(b 1
+b2 )となる。
【0015】前記計数手段には計数値Sの最小値Smin
(望ましくは零)が設定され、計数値が前記最小値Smi
n を下回るときにはこの最小値Smin を計数値Sとする
手段を含む構成とすることができる。また前記計数手段
には計数値Sの最大値Smaxが設定され、計数値が最大
値以上になるときにこの最大値を計数値とする手段を含
む構成とすることができる。すなわち、計数値Sの値は 0≦S≦Smax であり、0を下回るときは零、Smax を上回るときはS
max とする構成がよい。これは発明者が試験の結果気づ
いた考え方であり、長い下り坂がある程度継続したら下
り坂が終わったときに、それを検出するには原則的に下
り坂の継続時間の長さによらないことにするものであ
る。
【0016】ちなみに、実用的な数値を一例として示す
と、a=3,b=1,t=10mS,S=3000、S
min =0、Smax =7000である。この一例による
と、リターダがオンにされると10mS毎にカウンタに
1を加算してゆく、これが30秒間継続すると下り坂検
出信号が送出される。時速50kmで走行しているとこ
の30秒間に約420m走行することになる。70秒間
継続するとそれ以上カウンタの計数値は増えない。リタ
ーダがオンのままアクセルペダルが踏まれると、この計
数値は10mS毎に2づつ減算される。リターダがオフ
になってアクセルペダルが踏まれると、計数値は10m
S毎に3づつ減算される。計数値が3000を下回ると
下り坂検出信号はなくなる。そして計数値が0になると
それより減算されることはなくなる。
【0017】前記判定手段では、計数値Sの増大する時
の判定値が減少する時の判定値より大きく設定され、す
なわち判定値にヒステリシスを設けて判定結果が目まぐ
るしく変化しないように構成することが望ましい。すな
わち、補助制動装置のオン・オフを行うと車両が前後方
向にわずかに揺れるから、乗客の乗り心地のためには、
その判定値にヒステリシスを設けておき頻繁にオン・オ
フを繰り返すことがないようにするものである。
【0018】本発明の降坂状態検出装置では、その計数
値を相応の条件により初期値(一般には零)にリセット
する構成をとることが望ましい。リセットの条件は、エ
ンジン・キースイッチが「オフ」状態になったとき、車
速が零になったとき、または車速がきわめて小さく(例
えば時速5km以下)になったとき、車速が小さいとき
にフートブレーキが使われたとき、その他であり、この
ような条件では長い下り坂であってもそれを検出する必
要がない、あるいは補助制動装置がオンになっていても
道路の渋滞であり長い下り坂ではない、とするものであ
る。
【0019】本発明の第二の観点は自動制動制御装置で
あって、上記降坂状態検出装置と、前記降坂状態を示す
出力信号にしたがって補助制動装置の制動力を増大させ
る制御手段とを備えたことを特徴とする。この補助制動
装置は、制動により発生する電気エネルギをその車両に
搭載された電池に回生させる手段を含むものでは、この
ような制御はさらに有効である。
【0020】この制動力を増大させる制御手段は、前記
降坂状態を示す出力信号が送出されている期間にわた
り、補助制動装置の制動力を操作位置にかかわらず最大
値に設定する手段を含む構成とすることができる。
【0021】本発明の装置は本質的に、勾配センサなど
の計測された物理量に基づいて長い下り坂を走行してい
ることを判定するのではなく、運転操作により操作され
た補助制動装置の設定操作とその継続時間に基づいて判
定を行うものである。本発明の降坂状態検出装置の検出
出力は、そのまま検出出力として利用するほかに、利用
目的に応じて、勾配センサの出力、車輪回転速度(車
速)、内燃機関の回転速度、設定されているギヤ位置、
サービスブレーキ(フートブレーキ)の利用信号、ヨー
レイト検出信号、その他の信号を併せて補助制動制御装
置の制御に利用することができる。
【0022】本発明の装置は走行試験の結果、長い下り
坂を走行している状態を相当程度に正しく認識すること
ができることがわかった。本発明の装置を適正に動作さ
せるための上記定数(a,b,t,Sの判定値など)
は、適応車種に応じて異なるものであり、それぞれ試験
により設定することが望ましい。本発明の装置を利用す
ると、運転者はカーブにさしかかったときに補助制動装
置をオン・オフする操作から解放されることになり、余
裕をもってスムーズな運転をすることができることが確
かめられた。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明実施例装置のハード
ウエアブロック構成図である。この実施例装置は観光用
の大型バスに実施するための設計であり、本発明実施例
の降坂状態検出装置と、この降坂状態検出装置の出力信
号により作動するリターダ制御装置とを備えた構成であ
る。
【0024】制御装置ECU(Electronic Control Uni
t) はプログラム制御回路により構成され、これに本発
明の降坂状態検出装置が実装されている。リターダスイ
ッチRSWは操舵輪の下に設けられたレバーにより運転
者によって切替操作されるスイッチであり、OFF、レ
ベル(1)〜(4)のポジションがあり、運転者の判断
操作によりこのいずれかが選択設定される。リターダ制
御回路RCはこのリターダスイッチのポジションにした
がって、リターダの界磁巻線(図外)に電流を供給す
る。このリターダを使用することにより発生する電気エ
ネルギは、この車両に搭載されている電池に回生され
る。
【0025】アクセルスイッチASWは運転者がアクセ
ルペダルを解放しているときにON状態になり、アクセ
ルペダルを踏んだときにOFF状態となるスイッチであ
る。図1には連動する2系統のスイッチが描かれてい
る。排気ブレーキスイッチESWは、同じく運転者によ
り操作されるスイッチであり、これをON状態に操作す
ることにより、排気ブレーキバルブ用コイルEVに電流
が供給されて、内燃機関の排気通路に設けられた排気ブ
レーキバルブが閉じて排気ブレーキが作動状態となる。
【0026】リレーRy1およびRy2は制御装置EC
Uが送出する下り坂検出信号Dにより入出力回路I/O
を介して付勢される。この実施例装置では、リレーRy
1が付勢されるとリターダスイッチRSWのポジション
がどこに設定されていても、制動力が最大となるポジシ
ョン(4)に強制的に転換されるように構成されてい
る。リターダRy2が付勢されると排気ブレーキスイッ
チESWが操作されてなくとも、排気ブレーキバンクー
バEVに電流が供給され、排気ブレーキが作動状態にな
る。
【0027】制御装置ECUはその入力に入出力回路I
/Oを介して、フートブレーキの作動表示brk、アク
セルペダルの作動表示acc、リターダの作動表示re
t、排気ブレーキの作動表示exhなどの信号を取込
む。これらの作動表示は作動表示ランプを点灯させる電
流を分岐することにより得られる。また制御装置ECU
はその入力に、車速センサの出力Vref操舵角センサの
出力δ、ヨーレイトセンサの出力φを取込む。これらの
センサ出力は、姿勢制御装置の入力信号を利用すること
ができる。この実施例では、車両に姿勢制御装置を備え
ていて、これらのセンサ出力はその姿勢制御装置の入力
信号を分岐して利用するものである。
【0028】制御装置ECUの内部には、ソフトウエア
により次のように本発明の実施例装置が設定される。す
なわち、排気ブレーキスイッチESWが操作されたこと
により、排気ブレーキ作動表示exhがONになると、
フラグb1 =0.5が立つ。リターダスイッチRSWが
操作され、これがOFF以外のポジションに設定される
と、リターダ作動表示retがONになり、フラグb2
=0.5が立つ。アクセルペダルが踏まれるとアクセル
ペダルの作動表示accがONになり、フラグa=3が
立つ。そしてこの実施例では周期t=10mS毎にこれ
らのフラグを読取り、(b1 +b2 −a)を演算してこ
れをカウンタSに累積加算する。
【0029】このカウンタSの計数値が3000(S
j)を越えると、下り坂検出信号Dを連続的に送出す
る。そしてこのカウンタSの計数値が3000を下回る
と下り坂検出信号Dの送出を停止する。、厳密にはこの
下り坂検出信号Dの送出停止にはややヒステリシスを持
たせてあり、カウンタSの計数値が2800を下回ると
下り坂検出信号Dを送出停止するようになっていて、カ
ウンタSの計数値が3000付近で変動するような場合
に、頻繁に下り坂検出信号の送出および停止がが繰り返
されないように配慮されている。このカウンタSの計数
値の最大値(Smax)は7000であり、これを越えても
加算は行われない。このカウンタSの計数値の最小値
(Smin)は零であり、これを下回ることはない。この動
作については図2にフローチャートにより表示する。
【0030】このカウンタSは車速センサ出力Vref が
時速5km以下になったときには自動的にリセットされ
る。これは運転者がリターダあるいは排気ブレーキを継
続的にONに操作している状態であっても、下り坂を走
行しているものではなく、例えば渋滞道路を走行してい
るような場合であり、このときには下り坂走行の判定を
行わないようにするものである。
【0031】このように構成された装置の動作を説明す
ると、本発明実施例装置を装備した大型バスは、運転者
が排気ブレーキスイッチESW(およびまたはリターダ
スイッチRSW)をONに操作すると、制御装置ECU
の内部に設けられたカウンタSが計数を開始する。この
計数入力は、排気ブレーキスイッチESWがON状態の
ときには毎10mSに0.5であり、リターダスイッチ
RSWがON状態のときにはさらに毎10mSに0.5
であり、アクセルペダルが踏まれると各10mSに3だ
け減算される。
【0032】このカウンタSの計数値が3000を越え
ると下り坂検出信号Dが送出されて、リレーRy1 およ
びRy2 が作動する。これにより運転者の運転操作にか
かわらず、自動的にリターダ制御回路RCはリターダの
最大レベル(4)に設定され、排気ブレーキがON状態
となる。この回路Sの計数値が2800を下回ると、下
り坂検出信号Dは送出を停止し、この状態は解除されて
運転者が操作により設定してある状態に戻る。
【0033】運転状態に併せてこれを説明すると、運転
者が下り坂であることを意識して、アクセルペダルを放
した状態にしたまま走行し、排気ブレーキスイッチES
WをONに操作したものとする。その状態で運転者がア
クセルペダルを踏むことなく、30秒経過すると下り坂
検出信号Dが送出されてリターダレベルが自動的に最大
レベル(4)に切替えられる。この30秒は車速が時速
36kmのときは車両が300mを走行する時間であ
り、車速が時速72kmのときには車両が150mを走
行する時間である。このリターダレベルが最大レベル
(4)に設定された状態で走行をつづけ、運転者がアク
セルペダルを踏むと下り坂検出信号Dは消滅して運転者
が操作設定してある状態に復帰する。アクセルペダルを
ただちに解放した場合にはすぐに、またリターダレベル
が最大レベル(4)に戻る。アクセルペダルを長く踏み
つづけると、その時間に応じてリターダレベルが最大レ
ベル(4)に戻るまでの時間が長くなる。
【0034】この実施例装置では、図1に示すように車
速センサの出力Vref 、操舵輪の操舵角センサの出力
δ、ヨーレイトセンサの出力φ、およびフートブレーキ
の使用状態brkなどを制御装置ECUの入力として取
込むように設計されていて、これら入力により制御論理
が一時的に変更されるなど、制御論理のバリエーション
を設定できるようになっている。例えば、(1)車速が
時速5km以下になったときには、ただちにカウンタS
をリセットするのではなく、大きい数値の負のフラグを
立てて(例えば−100)周期t毎にカウンタSの計数
値を減算する、(2)車速が零になったときにはただち
にカウンタSをリセットする、(3)運転者がフートブ
レーキを放した後の所定時間内に(例えば3秒)操舵輪
を所定角度以上回転させたときには、屈曲路面を走行し
ているものとして、正のフラグ(例えば+5)を立てて
これを周期t毎にカウンタSの計数値に加算計数する、
(4)ヨーレイトセンサの出力が所定値を越えるときに
は大きい正のフラグを立て、これも周期t毎にカウンタ
Sの計数値に加算計数する、(5)下り坂検出信号Dの
送出後に車速が所定割合だけ(例えば10%)減速した
場合には下り坂検出信号Dの送出を停止する、(6)下
り坂検出信号Dの送出後に所定時間(例えば7秒)が経
過したときには下り坂検出信号Dの送出をいったん中止
して運転者の新たな操作を促すなどである。これらの制
御論理はこの装置の運転試験による運転者の意見により
採用したものであり、車両の使用目的にしたがって適宜
設定変更することができる。また上記実施例では下り坂
検出信号Dは一種類として二つのリレーRy1 およびR
y2 が同時に作動するものとしたが、カウンタSの判定
値Sjを複数設定し、二つのリレーを別の判定値で作動
させるように構成することも有効である。下り坂検出信
号Dにより自動制動制御を行うに限らず、下り坂検出信
号Dを姿勢制御装置の入力として利用することもでき
る。下り坂検出信号Dが送出されていることにより、リ
ターダの制動レベルが増強されることを考慮して、姿勢
制御装置の作動閾値を変更するなどの姿勢制御装置の制
御論理の変更を行うこともできる。
【発明の効果】本発明は勾配センサなどの物理量を計測
し下り坂走行を検出するものではなく、運転者の操作に
基づく量を判定の基礎とするものであり、運転者はこれ
を認識して運転操作を行うことにより、判定は正確にな
るとともに、リターダなど補助制動装置のこまかい操作
からかなりの程度解放されることがわかった。長い下り
坂であってカーブの多い道路では、本発明の装置を装備
することにより、フートブレーキを使用する頻度はいち
じるしく小さくなることがわかった。本発明の装置を使
用することにより、速度の急激な変動や前後方向の揺れ
が小さくなることがわかった。長い坂道を走行している
ことを、勾配センサなどから判定するものに比べて、本
発明は雑音成分の除去など複雑なロジックを必要としな
いことから装置構成が簡単かつ安価になる。本発明の装
置を装備した車両では、ハイブリッド自動車または電気
自動車の回生制動を有効に作動させてエネルギの利用効
率を大きく改善することができる。特にエネルギの回生
効率が、運転者の個性によらずに大きく改善することが
できる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置のハードウエアブロック構成
図。
【図2】本発明実施例装置の制御論理を説明するフロー
チャート。
【符号の説明】
ECU 制御装置 S カウンタ(カウンタSの計数値もSと表わす) RC リターダ制御回路 RSW リターダスイッチ ESW 排気ブレーキスイッチ ASW アクセルペダルスイッチ EV 排気ブレーキバルブ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】補助制動装置が制動状態に操作されている
    期間にわたりフラグb(bは定数)を立てる手段と、ア
    クセルペダルが踏まれている期間にわたりフラグa(a
    は定数)を立てる手段と、あらかじめ設定された周期t
    毎に前記フラグbおよびaを読取り(b−a)を累積加
    算する計数手段と、この計数手段の計数値Sがあらかじ
    め設定された判定値Sjを越えている期間にわたり降坂
    状態を示す出力信号を送出する判定手段とを備えたこと
    を特徴とする降坂状態検出装置。
  2. 【請求項2】補助制動装置は排気ブレーキおよびまたは
    リターダであり、前記フラグbを立てる手段は、排気ブ
    レーキが制動状態に操作されている期間にわたりフラグ
    1 を立てる手段と、リターダが制動状態に操作されて
    いる期間にわたりフラグb2 を立てる手段とを含み、前
    記フラグbの値は b=b1 +b2 とする請求項1記載の降坂状態検出装置。
  3. 【請求項3】前記計数手段には計数値Sの最小値Smin
    が設定された請求項1または2記載の降坂状態検出装
    置。
  4. 【請求項4】前記計数手段には計数値Sの最大値Smax
    が設定された請求項1または2記載の降坂状態検出装
    置。
  5. 【請求項5】前記判定手段は、計数値Sが増大する時の
    判定値が減少する時の判定値より大きく設定された請求
    項1ないし4のいずれか記載の降坂状態検出装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の降坂
    状態検出装置と、前記降坂状態を示す出力信号にしたが
    って補助制動装置の制動力を増大させる制御手段とを備
    えたことを特徴とする自動制動制御装置。
  7. 【請求項7】前記補助制動装置は、制動により発生する
    電気エネルギをその車両に搭載された電池に回生させる
    手段を含む請求項6記載の自動制動制御装置。
  8. 【請求項8】制動力を増大させる制御手段は、前期降坂
    状態を示す出力信号が送出されている期間にわたり補助
    制動装置の制動力を操作にかかわらず最大値に設定する
    手段を含む請求項6記載の自動制動制御装置。
JP30250599A 1999-10-25 1999-10-25 降坂検出装置およびこれを用いた自動制動制御装置 Expired - Fee Related JP3938644B2 (ja)

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