JP2001121267A - チタン及びチタン合金のアーク溶接方法 - Google Patents

チタン及びチタン合金のアーク溶接方法

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JP2001121267A
JP2001121267A JP30070299A JP30070299A JP2001121267A JP 2001121267 A JP2001121267 A JP 2001121267A JP 30070299 A JP30070299 A JP 30070299A JP 30070299 A JP30070299 A JP 30070299A JP 2001121267 A JP2001121267 A JP 2001121267A
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welding
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Toshio Oonawa
登史男 大縄
Tomoyuki Kamiyama
智之 上山
Kenta Watabe
健太 渡部
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Daihen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不活性ガスをシールドガスとしてチタン又はチ
タン合金の消耗電極を使用してパルス溶接電流を通電し
て溶接するチタン及びチタン合金のアーク溶接方法を提
供するものである。 【解決手段】3度乃至20度の後進角を付加したチタン
又はチタン合金の消耗電極に不活性ガスをシールドガス
として供給し、交流パルス溶接電流を通電してチタン又
はチタン合金の薄板を溶接するチタン及びチタン合金の
アーク溶接方法であることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不活性ガスをシー
ルドガスとしてチタン又はチタン合金の消耗電極を使用
してパルス溶接電流を通電して溶接するチタン及びチタ
ン合金のアーク溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタン及びチタン合金は、軽量で耐食性
に優れかつ高温での性質が良好で比重に対する強度が大
であるので、軽量で強度を要求する航空機、船舶、車両
等の材料として、また耐食性を必要とする化学プラント
機器の材料として用途が急拡大しており、近年注目を集
めている材料の一つである。
【0003】チタンは高温において酸素、窒素、水素等
に対して活性な金属であり、これらの元素と反応する
と、溶接部が硬化し靭性が低下する。チタン材料のアー
ク溶接方法として、従来から、不活性ガスでシールドし
て直流TIG(タングステンイナートガス)溶接方法又
は直流ミグ(メタルイナートガス)溶接方法がある。こ
れらの従来の溶接方法は、通常、シールドガスにはヘリ
ウム、アルゴン等の不活性ガスが使用されている。
【0004】これらの従来の溶接方法では、これらの不
活性ガスを使用しても、チタンは高温においてかなり活
性になるために、溶接金属のシールドは十分に行わなけ
ればならない。シールドが完全でなくチタンの溶接部が
大気によって汚染されると、溶接部が着色し汚染の程度
に応じて変色するので、その着色した程度(変色)によ
つて汚染の程度を判別することができる。この判別の基
準はJISZ3805に規定されている。
【0005】チタンの板厚が5[mm]以下の薄板になる
と、TIG溶接以外の方法では、良好な溶接結果を得る
ことが極めて困難である。しかし、このTIG溶接方法
は、ミグ溶接方法に比べ溶融速度が遅いために作業能率
が悪く、フィラをタングステン電極の周辺から供給しな
ければならないために、溶接の自動化も複雑になる。
【0006】逆に、ミグ溶接方法がチタンの薄板溶接に
実用化されていない理由は、入熱が大きくなりすぎるた
めに、溶け落ちが発生するからである。そこで、入熱を
抑えることのできるパルスミグ溶接方法の採用が提案さ
れている。しかし、提案されているパルスミグ溶接方法
では、アークの不安定現象が顕著に現れるために、その
実用化した事例は報告されていない。
【0007】この提案されているチタンのパルスミグ溶
接においては、チタン被溶接材を陰極とし消耗電極を陽
極としているために、アークの不安定現象が発生する。
その理由は、アークの陰極点形成が容易なチタン被溶接
材の表面酸化物を求めて陰極点が激しく移動する(暴れ
る)ワンダリング(Wandering)現象が生じるためであ
ると考えられる。
【0008】図1は、従来のチタンパルスミグ溶接方法
による溶接ビードの例であり、ワンダリング現象が生じ
た場合の溶接ビードを示すワンダリング現象発生溶接ビ
ード外観図である。同図において、8は溶接ビードであ
り、9はチタン被溶接材であり、10は被溶接材表面に
付着したスパッタである。ワンダリング現象が現れる
と、同図に示すようなスパッタの多い蛇行した溶接ビー
ドになる。従って、チタンをパルスミグ溶接によって作
業能率良く溶接するためには、従来から、第1にワンダ
リング現象の発生を防止すること、第2に溶接部の入熱
の集中を避けるために、アークの指向性を保ちつつ硬直
性を緩和すること、第3に溶接金属の酸化を防止するこ
とが課題であった。
【0009】そこで、本出願人は、上記の従来技術の課
題を解決するために、特願平11ー91098(以下、
本出願人先願技術という)において次の発明を開示して
いる。第1に、不活性ガスを主成分とするシールドガス
中に溶接金属に悪影響を与えない程度に陰極点を安定化
させるための酸化性ガスを付加すること、第2に、入熱
を制限する低電流においてもアークを安定させ、アーク
の指向性を高めるために、直流パルス溶接電流を通電す
ること、第3に、アークの硬直性を緩和するために、パ
ルスの立ち上がり及び立ち下がりの勾配を急峻な矩形波
ではなく、数[ms]程度の時間経過後に立ち上がり及び
立ち下がる台形波のパルス電流を通電すること、第4
に、溶接金属の酸化を防ぐために溶融池近傍を純アルゴ
ンでシールドすることである。パルス溶接電源の波形制
御機能によって数[ms]程度の立ち上がり及び立ち下が
る台形波電流を通電して、ソフトなパルスアークを実現
する。
【0010】図2は、不活性ガスに酸化性ガスを添加し
たシールドガスを供給し、チタン電極ワイヤを垂直(又
は前進角)を形成するように送給する本出願人先願技術
のチタンミグ溶接方法説明図である。同図において、1
はアーク、2は溶滴、3はチタン電極ワイヤ、4はノズ
ル、5はグラスウール、6はシールドガス治具、7は溶
融池、8は溶接ビード、9はチタン被溶接材、10は裏
波ビードである。
【0011】図3は、従来技術及び本出願人先願技術の
溶接方法に適用する直流パルス溶接電流波形図である。
同図において、Ibはベース電流値、Ipはピーク電流
値、Tpはピーク期間、Supはベース電流値Ibから
ピーク電流値Ipへの立ち上がりの勾配(立ち上がり勾
配)であり、Sdnはピーク電流値Ipからベース電流
値Ibへの立ち下がり時の勾配(立ち下がり勾配)であ
る。
【0012】図4は、本出願人先願技術の溶接方法にお
ける酸素混合比率(横軸)と立ち上がり勾配Sup及び
立ち下がり勾配Sdn(縦軸)とを変化させたときに得
られるアーク安定及び溶接ビード良好の範囲を示す酸素
混合比率・電流勾配対応アーク安定・溶接ビード良好範
囲図である。同図において、横軸に示す酸素混合比率が
0.5[%]未満ではアークの不安定現象が発生し、ま
た、2.0[%]を越えるとスパッタの発生、溶接ビー
ドの酸化等が著しくなり、溶接結果が良好ではない。酸
素混合比率が0.5[%]以上で2.0[%]以下の場合
は、スパッタの発生が比較的少なく、またアークの不安
定現象も抑えられていて、良好な溶接結果を得ることが
できる。
【0013】また、縦軸に示す立ち上がり勾配Sup及
び立ち下がり勾配Sdnが70[A/ms]未満では平均
実効電流値が低下するため、アークの電磁力による溶滴
の離脱力が低下することによって、ワイヤ先端の溶滴が
成長しすぎて短絡を生じ、短絡が開放される際にスパッ
タを生成する。また、300[A/ms]を越えると平均
実効電流値が増加して、アークの電磁力及びアーク圧力
による溶滴の落下速度が大きくなり、溶滴が溶融池に落
下した時にスパッタを生じる。立ち上がり勾配Sup及
び立ち下がり勾配Sdnが70[A/ms]以上で300
[A/ms]以下の条件のとき、アークが最も安定してス
プレー移行をさせることができ、スパッタ発生も極めて
少ない。
【0014】図5は、本出願人先願技術の溶接方法で使
用する直流パルス電流の立ち下がり勾配Sdn(横軸)
と立ち上がり勾配Sup(縦軸)とを変化させたときに
得られるアーク安定及び溶接ビード良好の範囲を示す立
ち上がり立ち下がり勾配対応アーク安定・溶接ビード良
好範囲図である。同図において、横軸に示す立ち下がり
勾配Sdnが70[A/ms]未満になると溶滴移行が不
安定になり、300[A/ms]を越えるとアーク力が過
大となって溶融池からスパッタが発生する。また、縦軸
に示す立ち上がり勾配Supが70[A/ms]未満では
溶滴移行が不安定になり、300[A/ms]を越えると
アーク力が過大となって溶融池からスパッタが発生す
る。
【0015】図6は、酸素混合比率(横軸)と従来技術
及び本出願人先願技術で溶接して測定した溶接ビードの
ブローホール数(縦軸)との関係を示す混合比率対従来
技術・本出願人先願技術ブローホール数図である。同図
において、点線は従来技術で溶接して測定した溶接ビー
ドのブローホール数であり、実線は本出願人先願技術の
方法で溶接した溶接ビードのブローホール数である。従
来技術では点線で示すように、酸素混合比率が0.5
[%]未満でもブローホールが発生するが、本出願人先
願技術の方法で溶接すると、酸素混合比率が2.0
[%]になってもブローホールの無い良好な溶接ビード
が得られている。
【0016】上記の図4及び図5に示した良好溶接ビー
ドが得られる条件においては、図6に示すように、シー
ルドガスの酸素混合比率が2.0[%]まではブローホ
ールの無い良好な溶接ビードが得られている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本出願人先願技術にお
いては、従来技術が有している3つの課題を解決してい
るが、不活性ガスを主成分とするシールドガス中に酸化
性ガスを付加しているために、アークにより高温に熱せ
られたチタン被溶接材9が、この酸化性ガスと反応して
チタン化合物を生成する場合があり、この場合、溶接ビ
ード外観が図7に示した着色を生じ、溶接部の外観の美
観が損なわれるばかりでなく、溶接不良と判定されると
いう不具合を有する。また、着色されたチタンは非常に
硬化していて、被溶接材9の表面の薄い層だけではある
が、機械的性質の劣化が溶接設計上の要求を満たさない
可能性が考えられる。また、JISZ3805が規定す
るチタン溶接部の変色程度及びチタン溶接検定試験の合
否判定基準において、溶接金属部に金属光沢を有して、
不合格になる着色を生じていなくても、溶接金属が酸化
性ガスと反応して硬化している場合がある。
【0018】また、図2に示す本出願人先願技術におい
ては、直流パルス溶接電流を通電しているために被溶接
材9の溶融量が多くなり、裏波ビード余盛りが過多とな
る傾向にある。その結果、裏波ビード10の止端部への
応力集中が生じるために継手の疲労強度が低下したり、
裏波ビード余盛りが他の裏波ビードと接触する部材と干
渉する可能性がある。その場合、裏波ビード余盛りをグ
ラインダで研磨すること等によって削除するという後工
程を必要とし、溶接作業の能率が低下するという不具合
を有する。
【0019】
【課題を解決するための手段】出願時請求項1の溶接方
法は、チタン又はチタン合金の消耗電極に不活性ガスを
シールドガスとして供給し、交流パルス溶接電流を通電
してチタン又はチタン合金の薄板を溶接するチタン及び
チタン合金のアーク溶接方法である。
【0020】出願時請求項2の溶接方法は、出願時請求
項1の溶接方法において、チタン又はチタン合金の消耗
電極に3度乃至20度の後進角を付加したチタン及びチ
タン合金のアーク溶接方法である。
【0021】出願時請求項3の溶接方法は、出願時請求
項1又は2の溶接方法において、交流パルス溶接電源を
用い、交流パルス溶接電流波形をパルスに同期した安定
な溶滴移行が得られ、かつワンダリング現象が抑えられ
た安定したビード形成が得られる勾配を持った台形波と
して消耗電極に印加するチタン及びチタン合金のアーク
溶接方法である。
【0022】出願時請求項4の溶接方法は、出願時請求
項1又は2の交流パルス溶接電流としてベース電流値か
らピーク電流値への立ち上がり時及びピーク電流値から
ベース電流値への立ち下がり時の勾配が70[A/ms]
以上で700[A/ms]以下となる台形波を用いるチタ
ン及びチタン合金のアーク溶接方法である。
【0023】出願時請求項5の溶接方法は、出願時請求
項1又は2又は3又は4の交流パルス溶接電流の波形が
交流パルス電流と直流電流とから成る溶接電流の波形で
あるチタン及びチタン合金のアーク溶接方法である。
【0024】出願時請求項6の溶接方法は、出願時請求
項1又は2又は3又は4又は5の交流パルス溶接電流の
1周期のパルス波形において、負極性期間の電流値と時
間軸で囲まれる面積を正極性期間の電流値と時間軸で囲
まれる面積及び負極性期間の電流値と時間軸で囲まれる
面積の全面積で徐した負極性入熱比(EN)を変化させ
て被溶接材への入熱量を抑えたチタン及びチタン合金の
アーク溶接方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】図8は不活性ガスをシールドガス
として供給し、電極ワイヤを後進角を形成するように送
給する本発明の溶接方法を説明するための図である。同
図において、図2と同様の機能を有する部分に同一符号
を付して説明を省略する。同図において、ノズル4から
シールドガスとして純アルゴンガスを噴出させ、溶接ト
ーチに後進角を付加し、交流パルス電力を溶接トーチと
被溶接材9との間に供給してパルスミグ溶接を行う。溶
接トーチに付加する後進角は、発明者らの実験により後
進角が3度未満では、アークが不安定になり陰極点が溶
接ビード寄りの溶融池に形成されてアークが溶接方向に
引きずられ、また、後進角が20度を超えると被溶接材
への入熱が不足して溶融不良となる。従って、後進角は
3度乃至20度が適切である。この結果、本出願人先願
技術のように不活性ガスに微量の酸化性ガスを添加した
シールドガスを使用する代わりに純アルゴンガスを使用
することにより、溶接金属や被溶接材9が硬化したり、
着色されることを防止できる。
【0026】図2に示した本出願人先願技術のように溶
接トーチを被溶接材9に対して垂直又は前進角を付加さ
せたミグ溶接方法では、アーク1が不安定になり陰極点
が溶接ビード8寄りの溶融池に形成されてアークが溶接
方向後方に引きずられていた。これに対して、本願発明
は図8に示すように溶接トーチに後進角を付加すること
により、陰極点が溶接ビード8寄りの溶融池7に形成さ
れてアーク3が溶接方向に引きずられることが緩和され
る。この結果、図9に示すように、溶接ビードが蛇行す
ることがなく、またスパッタが発生しない美麗な溶接ビ
ード8を形成することができる。
【0027】図10は本発明の溶接方法に適用する直流
併用交流パルス溶接電流波形図である。同図において、
Ipは正極性ピーク電流値、Tpは正極性ピーク期間、
Ibは正極性ベース電流値、Inは負極性ピーク電流
値、Tnは負極性電流期間、Supはベース電流値から
ピーク電流値への立ち上がり勾配、Sdnはピーク電流
値からベース電流値への立ち下がり勾配である。このパ
ルス溶接電流波形図における1周期のパルス波形におい
て、負極性期間の電流値と時間軸で囲まれる面積を正極
性期間の電流値と時間軸で囲まれる面積及び負極性期間
の電流値と時間軸で囲まれる面積の全面積で徐したもの
を負極性入熱比(ENという)とすると、EN=(In
×Tn)/(Ip×Tp+Ib×Tb+In×Tn)と
示される。
【0028】図11は負極性入熱比(EN)を変化させ
たときの溶接ビードの溶け込み形状の傾向を示す図であ
る。同図において、負極性入熱比(EN)が0%乃至4
0%の場合を示しているが、負極性入熱比(EN)が大
きいほどチタン被溶接材9への入熱量を抑えることがで
きるため、裏波ビード余盛りの高さを小さくすることが
でき、また、酸化し易い領域又は熱影響部の領域を小さ
くすることができる。特に、薄板においては、被溶接材
への入熱量を抑えるためには、負極性入熱比(EN)を
適正に設定することが必要である。
【0029】図12は立ち上がり勾配Sup(縦軸)及
び立ち下がり勾配Sdn(横軸)を変化させたときに得
られるアークが安定でかつ溶接ビードが良好である範囲
を示す図である。同図において、立ち上がり勾配Sup
又は立ち下がり勾配Sdnの何れかが70[A/ms]未
満では平均実効電流値が低下するために、アークの電磁
力による溶滴の離脱力が低下して、ワイヤ先端の溶滴が
成長しすぎて短絡を生じ、短絡が開放される際にスパッ
タを生成する。また、700[A/ms]を超えると平均
実効電流値が増加して、アークの電磁力又はアーク圧力
による溶滴の落下速度が大きくなり、溶滴が溶融池に落
下したときにスパッタが生成する。従って、立ち上がり
勾配Sup及び立ち下がり勾配Sdnを70[A/ms]
以上で700[A/ms]以下の範囲で変化させるとアー
クが安定でかつ良好な溶接ビードを得ることができる。
【0030】
【発明の効果】出願時請求項1のチタン及びチタン合金
のアーク溶接方法は、チタン又はチタン合金の消耗電極
に不活性ガスをシールドガスとして供給し、交流パルス
溶接電流を通電してチタン又はチタン合金の薄板を溶接
することによって、良好な溶接結果を能率良く得ること
ができる。
【0031】出願時請求項2のチタン及びチタン合金の
アーク溶接方法は、出願時請求項1の溶接方法におい
て、チタン又はチタン合金の消耗電極に3度乃至20度
の後進角を付加することによって、良好な溶接結果を能
率良く得ることができる。
【0032】出願時請求項3のチタン及びチタン合金の
アーク溶接方法は、出願時請求項1又は2の溶接方法に
おいて、交流パルス溶接電源を用い、交流パルス溶接電
流波形をパルスに同期した安定な溶滴移行が得られ、か
つワンダリング現象が抑えられた安定したビード形成が
得られる勾配を持った台形波として消耗電極に印加する
ことによって、良好な溶接結果を能率良く得ることがで
きる。
【0033】出願時請求項4のチタン及びチタン合金の
アーク溶接方法は、出願時請求項1又は2の交流パルス
溶接電流としてベース電流値からピーク電流値への立ち
上がり時及びピーク電流値からベース電流値への立ち下
がり時の勾配が70[A/ms]以上で700[A/ms]
以下となる台形波を用いることによって、溶接金属や被
溶接材9が硬化したり、着色されることを防止できる。
また、アーク1が不安定になることがなく、陰極点が溶
接ビード8寄りの溶融池7に形成されてアークが溶接方
向後方に引きずられることが緩和され、溶接ビード8が
蛇行することがない美麗な溶接ビード8を形成すること
ができる。
【0034】出願時請求項5のチタン及びチタン合金の
アーク溶接方法は、出願時請求項1又は2又は3又は4
の交流パルス溶接電流の波形を交流パルス電流と直流電
流とから成る溶接電流の波形にすることによって、良好
な溶接結果を能率良く得ることができる。
【0035】出願時請求項6のチタン及びチタン合金の
アーク溶接方法は、出願時請求項1又は2又は3又は4
又は5の交流パルス溶接電流の1周期のパルス波形にお
いて、負極性期間の電流値と時間軸で囲まれる面積を正
極性期間の電流値と時間軸で囲まれる面積及び負極性期
間の電流値と時間軸で囲まれる面積の全面積で徐した負
極性入熱比(EN)を変化させて被溶接材への入熱量を
抑えることによって、良好な溶接結果を能率良く得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のチタンパルスミグ溶接方法による溶接ビ
ード外観図である。
【図2】不活性ガスに酸化性ガスを添加したシールドガ
スを供給し、チタン電極ワイヤを垂直(又は前進角)を
形成するように送給する本出願人先願技術のチタンミグ
溶接方法説明図である。
【図3】従来技術及び本出願人先願技術の溶接方法に適
用する直流パルス溶接電流波形図である。
【図4】本出願人先願技術の溶接方法における酸素混合
比率(横軸)と立ち上がり勾配Sup及び立ち下がり勾
配Sdn(縦軸)とを変化させたときに得られるアーク
安定及び溶接ビード良好の範囲を示す酸素混合比率・電
流勾配対応アーク安定・溶接ビード良好範囲図である。
【図5】本出願人先願技術の溶接方法で使用する直流パ
ルス電流の立ち下がり勾配Sdn(横軸)と立ち上がり
勾配Sup(縦軸)とを変化させたときに得られるアー
ク安定及び溶接ビード良好の範囲を示す立ち上がり立ち
下がり勾配対応アーク安定・溶接ビード良好範囲図であ
る。
【図6】酸素混合比率(横軸)と従来技術及び本出願人
先願技術で溶接して測定した溶接ビードのブローホール
数(縦軸)との関係を示す混合比率対従来技術・本出願
人先願技術ブローホール数図である。
【図7】本出願人先願技術の溶接方法によるチタン被溶
接材が酸化性ガスと反応して変色域を発生した溶接ビー
ド外観図である。
【図8】不活性ガスをシールドガスとして供給し、電極
ワイヤを後進角を形成するように送給する本発明の溶接
方法を説明するための図である。
【図9】本発明の溶接方法による変色域を発生していな
い溶接ビード外観図である。
【図10】本発明の溶接方法に適用する直流併用交流パ
ルス溶接電流波形図である。
【図11】本発明の溶接方法で負極性入熱比(EN)を
変化させたときの溶接ビードの形状の傾向を示す図であ
る。
【図12】本発明の溶接方法で立ち上がり勾配(縦軸)
及び立ち下がり勾配(横軸)を変化させたときに得られ
るアークが安定でかつ溶接ビードが良好である範囲を示
す図である。
【符号の説明】 1 アーク 2 溶滴 3 チタン電極ワ
イヤ 4 ノズル 5 グラスウール 6 シールドガス治具 7 溶融池 8 溶接ビード 9 チタン被溶接材 10 裏波ビード Sup 立ち上がり勾配 Sdn 立ち下がり勾配
フロントページの続き (72)発明者 渡部 健太 大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会 社ダイヘン内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB06 BB08 CB04 DD01 DE01 DE03 DE04 EA01 4E082 AA01 AA04 BA01 BA02 BA04 DA01 EA01 EF05 EF14 EF15 EF28 JA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン又はチタン合金の消耗電極に不活
    性ガスをシールドガスとして供給し、交流パルス溶接電
    流を通電してチタン又はチタン合金の薄板を溶接するチ
    タン及びチタン合金のアーク溶接方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の溶接方法において、前記チタ
    ン又はチタン合金の消耗電極に3度乃至20度の後進角
    を付加したチタン及びチタン合金のアーク溶接方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の溶接方法において、交
    流パルス溶接電源を用い、交流パルス溶接電流波形をパ
    ルスに同期した安定な溶滴移行が得られ、かつワンダリ
    ング現象が抑えられた安定したビード形成が得られる勾
    配を持った台形波として消耗電極に印加するチタン及び
    チタン合金のアーク溶接方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の交流パルス溶接電流と
    してベース電流値からピーク電流値への立ち上がり時及
    びピーク電流値からベース電流値への立ち下がり時の勾
    配が70[A/ms]以上で700[A/ms]以下となる
    台形波を用いるチタン及びチタン合金のアーク溶接方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2又は3又は4の交流パル
    ス溶接電流の波形が交流パルス電流と直流電流とから成
    る溶接電流の波形であるチタン及びチタン合金のアーク
    溶接方法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2又は3又は4又は5の交
    流パルス溶接電流の1周期のパルス波形において、負極
    性期間の電流値と時間軸で囲まれる面積を正極性期間の
    電流値と時間軸で囲まれる面積及び負極性期間の電流値
    と時間軸で囲まれる面積の全面積で徐した負極性入熱比
    (EN)を変化させて被溶接材への入熱量を抑えたチタ
    ン及びチタン合金のアーク溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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