JP2573055B2 - アルミニウムまたはアルミニウム合金の肉盛溶接方法 - Google Patents

アルミニウムまたはアルミニウム合金の肉盛溶接方法

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JP2573055B2 JP8224189A JP8224189A JP2573055B2 JP 2573055 B2 JP2573055 B2 JP 2573055B2 JP 8224189 A JP8224189 A JP 8224189A JP 8224189 A JP8224189 A JP 8224189A JP 2573055 B2 JP2573055 B2 JP 2573055B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面
に肉盛溶接を施すプラズマアーク肉盛溶接方法に関する
ものである。
〔従来の技術とその問題点〕
アルミニウム系材料は鋼に比較して、比重は約1/3と
軽く、熱伝導度も良好なことから、自動車部品、航空機
部品などに使用されている。しかし、アルミニウム系材
料の融点は最高660℃と低く、また、その硬さは、鋼に
比べて非常に低く、その耐熱性および耐摩耗性が劣って
いる。従って、アルミニウム系材料をそのまま耐熱性、
耐摩耗性を要求される部材に適用することができない。
そこで、アルミニウム系材料を耐熱性および耐摩耗性
が要求される部材にも使用できるよう、アルミニウム系
材料に耐熱性、耐摩耗性に優れた異種材料を接合する方
法が考えられている。
このアルミニウム系材料への異種材料を接合する方法
としてろう付などの方法があるが、その接合強度は十分
ではない。最近では、その接合強度を上げるため、冶金
的結合が得られるレーザビームを用いた肉盛溶接方法が
採用されている。
かかる素材の肉盛溶接方法として、特開昭62−16894
号公報に記載されているように、アルミニウム系母材へ
耐熱性、耐摩耗性、耐食性等に優れた銅系肉盛合金材料
を塗布、または送給し、その上にレーザビームを照射す
ることで溶着する肉盛溶接方法が提案されている。しか
し、レーザ肉盛溶接装置のイニシャルコスト、ライニン
グコストは非常に高価なため、その適用部品のコストは
非常に高価となる。
従来から、かかるアルミニウム系材料には次のような
問題が指摘されている。
(1) アルミニウム系材料は、溶接時に非常に酸化し
易く、母材に比べて、高融点の酸化皮膜、アルミナを生
成する。このアルミナが溶接時に存在すると、融合不良
を起こし接合性を劣化させる原因となる。
(2) アルミニウム系材料は溶融状態において、水素
や水蒸気を吸蔵し易く、ピットやブローホールなどの溶
接欠陥を生成し易い。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面
に形成される強固で溶融温度の高い酸化皮膜を除去し、
接合強度の高い冶金的結合が得られるとともに、ブロー
ホール等の溶接欠陥を生成しない安価なプラズマアーク
肉盛溶接方法の提供を目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための、本発明に係るアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金のプラズマアーク肉盛溶接方
法の要旨とするところは、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の肉盛溶接方法において、交流プラズマアーク
を用い、該交流プラズマアークの周波数を300Hz〜5000H
zとし、かつ電圧波形の正極性成分時間をta、逆極性成
分時間をtbとした場合、下式を満足する時間比率で溶接
することを特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム
合金の肉盛溶接方法にある。
〔作用〕 本発明の交流プラズマアーク肉盛溶接方法において、
周波数を300Hz以上、5000Hz以下で肉盛溶接するのは、3
00Hz未満では、極性変換時にアーク切れが発生し易くな
るとともに、ブローホール、ピットが形成されるためで
ある。そして、5000Hzを超えると、高周波特有の金属音
が発生し、溶接作業者にとって、耐え難い作業環境とな
るとともに、アルミニウム系母材への希釈が大きくな
り、一層盛で所定成分の肉盛金属が得られず、実用に供
し得なくなるからである。そこで周波数の範囲を300Hz
〜5000Hzとした。
又、本発明の交流プラズマアーク溶接法における正極
性と逆極性成分の時間比率が母材表面に形成された酸化
皮膜を除去する清浄効果と母材の希釈率とに密接な関係
があることが分かった。両者の関係において、逆極性成
分は母材に形成された酸化膜を除去し、正極性成分は母
材の希釈を大きくするが、電極を冷却し、電極の損傷を
防止する効果がある。従って、第1図の如く、電極印加
電圧の正極性成分時間(ta)と逆極性成分時間(tb)の
比率を所定の範囲に設定することにより、電極の損傷を
防止するとともに、母材の希釈を抑制し、適正な清浄効
果域幅を確保できる。
第2図に本発明に係わる交流プラズマアーク肉盛溶接
における正極性成分と逆極性成分の時間比率と清浄効果
域幅および希釈率との関係を示すグラフを提示する。正
極性成分時間比率 が60%未満では、電極の発熱量は逆極性成分時に母材か
ら発生した電子が電極に衝突し、電極の発熱量が急激に
増大し、電極が損傷するため、アークが不安定となり、
健全な肉盛溶接ができなくなる。また、正極性成分時間
比率が上限90%を超えると、母材への希釈率が大きくな
るとともに、清浄効果が認められなくなり、表面酸化皮
膜に起因する融合不良等の溶接欠陥が発生する。上記理
由により、正極性成分時間比率 は60%以上、90%以下の範囲が適正である。
(実施例) 次に本発明の肉盛溶接方法を第3図に基づいて説明す
る。
第3図は、交流電源を用いて、アルミニウム合金板の
表面に粉体肉盛材料を肉盛溶接するのに適した、交流プ
ラズマアーク溶接装置の一例を示す説明図である。
第3図において、1はプラズマアーク溶接トーチの先
端部を示し、該プラズマアーク溶接トーチ1には、中心
部にタングステン電極2を配備してあり、この電極2の
外側には、トーチ内筒3およびトーチ外筒4が配設され
ている。そしてタングステン電極2とトーチ内筒3との
間にプラズマ作動ガス通路15およびトーチ内筒3とトー
チ外筒4との間にシールドガス通路16および粉体肉盛材
料11を供給する粉体送給パイプ5が配設されている。プ
ラズマ作動ガス通路15はアルゴンガスなどの不活性ガス
がプラズマ作動ガスとして供給される。シールドガス通
路16はアルゴンガスなどの不活性ガスが供給されるよう
になっており、肉盛金属を大気からシールドするように
なっている。以上のように構成された、プラズマアーク
溶接トーチ1の下方に、被肉盛溶接材料のアルミニウム
合金板13が配設されている。そして、プラズマアーク12
の中に、粉体肉盛材料11を粉体送給パイプ5を通じて、
アルゴンガスなどの不活性ガスを送給ガスとして供給
し、アルミニウム合金板13表面上に順次肉盛金属14が形
成される。
なお、タングステン電極2とトーチ内筒3との間に
は、パイロット電源6から所定のパイロット電流が供給
されるようになっている。また、タングステン電極2と
アルミニウム合金板13との間には、正極性と逆極性の時
間比率を任意に調整できる正極逆極性時間比率調整装置
9と、周波数を任意に調整できる周波数調整装置10を取
付けたメイン交流電源7から、所定の溶接電流が供給で
きるようになっている。更に、タングステン電極2とト
ーチ内筒3との間にはプラズマアーク点火用の高周波発
生器8が配設されている。
次に、本発明に基づく効果を確認するために、第1表
に示した、アルミニウム板およびアルミニウム合金板
に、第2表に示した耐熱性、耐摩耗性に優れた粉体肉盛
材料と組合せて、第3図に示した本発明の一実施態様の
交流プラズマアーク肉盛溶接装置を用いて肉盛溶接を行
った。下記の溶接条件で得られた肉盛溶接金属について
接合性およびブローホール、ピット等の溶接欠陥の発生
状況を調査した。その結果を第3表に示す。
肉盛溶接条件;溶接電流 90A 溶接速度 80mm/min プラズマ作動ガス流(Ar) 2/min シールドガス流量(Ar) 20/min 粉体送給ガス流量(Ar) 2/min 第3表における、No.1〜No.10は第3図に示した交流
プラズマアーク肉盛溶接装置を用いて、肉盛溶接を行っ
たものである。No.11、No.12は一般に用いられている正
極性プラズマアーク肉盛溶接法で、比較のため行ったも
のであり、溶接条件は、上記の交流プラズマアーク肉盛
溶接法と同一条件で行った。
No.1〜No.6は本発明の要件を満たし、母材への希釈が
小さく、溶接部に融合不良、ブローホール、ピット等の
溶接欠陥が認められず、良好な接合性およびビード形状
が得られた。
No.7〜No.10は交流プラズマアーク肉盛溶接法で行っ
たものであるが、No.7、No.8は正極性成分時間比率 が本発明の範囲を外れている例である。No.7は正極性成
分時間比率が本発明範囲の下限より低く、電極の損傷が
激しく、溶接途中でアークが不安定となり、中止した。
No.8は正極性成分時間比率が上限を超えており、清浄効
果は小さく、融合不良が認められた。又、母材の希釈も
大きく、接合部界面に介在物、化合物相が生成してお
り、割れが認められた。
No.9、No.10は周波数が本発明の範囲を外れている例
である。No.9は周波数が本発明範囲の下限より低く、溶
接途中でアーク切れが数回発生し、ブローホール、ピッ
トも多数発生した。No.10は周波数が本発明範囲の上限
を超えたもので、母材の希釈が大きくなり、接合部界面
に化合物相とともに割れが認められた。又、高周波特有
の金属音が発生し、溶接作業に耐えられるものではなか
った。
No.11、No.12は正極性プラズマアーク肉盛溶接法によ
る比較例である。いずれも、表面酸化皮膜に起因する融
合不良およびブローホール等の溶接欠陥が発生してお
り、満足できる接合性、ビード形状が得られなかった。
〔発明の効果〕 以上のことにより、本発明のアルミニウムまたはアル
ミニウム合金の肉盛溶接方法によれば、アルミニウムま
たはアルミニウム合金の肉盛溶接部の接合性を劣化させ
る、母材表面の酸化膜を除去し、融合不良、ブローホー
ル、ピット等の溶接欠陥が発生せず、良好な肉盛溶接が
行なえる。従って、耐熱性、耐摩耗性等の諸特性に優れ
た異種材料を肉盛したアルミニウム系部品を得ることが
でき、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電極に印加する電圧波形を示すグラ
フ、第2図は正極性成分時間比率と清浄効果域幅および
母材の希釈率との関係を示すグラフ、第3図は交流電源
を用いたアルミニウム系材料の肉盛溶接を実施する装置
の一例を示した説明図である。 1……プラズマアーク溶接トーチ、2……タングステン
電極、3……トーチ内筒、4……トーチ外筒、5……粉
体送給パイプ、6……パイロット電源、7……メイン交
流電源、8……高周波発生器、9……正極逆極性時間比
率調整装置、10……周波数調整装置、11……粉体肉盛材
料、12……プラズマアーク、13……アルミニウム合金
板、14……肉盛金属、15……プラズマ作動ガス通路、16
……シールドガス通路。
フロントページの続き (72)発明者 中田 康俊 東京都中央区築地3丁目5番4号 日鐵 溶接工業株式会社内 (72)発明者 小池 弘之 東京都中央区築地3丁目5番4号 日鐵 溶接工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−21465(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムまたはアルミニウム合金の肉
    盛溶接方法において、交流プラズマアークを用い、該交
    流プラズマアークの周波数を300Hz〜5000Hzとし、かつ
    電圧波形の正極性成分時間をta、逆極性成分時間をtb
    した場合、下式を満足する時間比率で溶接することを特
    徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金の肉盛溶
    接方法。
JP8224189A 1989-03-31 1989-03-31 アルミニウムまたはアルミニウム合金の肉盛溶接方法 Expired - Lifetime JP2573055B2 (ja)

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