JP2001120651A - 放香性マイクロカプセル及びそれを用いた放香性熱変色性積層体 - Google Patents

放香性マイクロカプセル及びそれを用いた放香性熱変色性積層体

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JP2001120651A
JP2001120651A JP30844499A JP30844499A JP2001120651A JP 2001120651 A JP2001120651 A JP 2001120651A JP 30844499 A JP30844499 A JP 30844499A JP 30844499 A JP30844499 A JP 30844499A JP 2001120651 A JP2001120651 A JP 2001120651A
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thermochromic
fragrance
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microcapsule
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JP30844499A
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Nobuaki Matsunami
伸明 松波
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Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手指等の擦過により香気を放出するマイクロ
カプセル、及び、放香性と熱変色性を同時に生起させる
放香性熱変色性積層体を提供する。 【解決手段】 外力によりカプセル膜壁が破壊されて、
香気を放出する放香性マイクロカプセル、及び前記放香
性マイクロカプセルと熱変色性マイクロカプセル顔料を
混合又は個別状態にバインダー樹脂中に分散状態に固着
させた層を支持体表面に積層してなる放香性熱変色性積
層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放香性マイクロカ
プセル及びそれを用いた放香性熱変色性積層体に関す
る。詳細には、外力によりカプセル壁膜が破壊されて、
内包の香料成分による香気を放つ放香性マイクロカプセ
ル、及び前記放香性マイクロカプセルと熱変色性マイク
ロカプセルを併存させて、放香と熱変色を同時に生起さ
せる放香性熱変色性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、外力によりカプセル壁膜を破
壊させて、香気を放出させる香料カプセルに関して、幾
つかの提案が開示されている(特開平3−39300号
公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記した
外力破壊性の放香性マイクロカプセルに関し検討を加
え、生産及び二次加工工程や流通過程等で負荷される外
力では破壊されず、手指や消しゴム等による擦過により
破壊されて香気を放出する、低圧破壊性の放香性マイク
ロカプセルを提供する。更には、前記放香性マイクロカ
プセルと熱変色性マイクロカプセル顔料を併存させて、
放香と熱変色を同時に生起させて、熱変色による視覚効
果と放香による臭覚効果との複合効果を奏する放香性熱
変色性積層体を提供し、玩具や教習分野、特殊印刷分野
等への適用を図ろうとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を図面について説
明する(図1乃至図9参照)。本発明は、外力によりカ
プセル壁膜が破壊されて、内包の香料成分による香気を
放つマイクロカプセルにおいて、香料組成物が香料と保
留剤からなり、前記保留剤が、炭化水素類、ハロゲン化
炭化水素類、スルフィド類、エーテル類、ケトン類、エ
ステル類、酸アミド類、アルコール類、又はワックス類
から選ばれる化合物であり、香料/保留剤=1〜50/
99〜50(重量比)の割合でブレンドされて内包の香
料組成物が構成されており、前記香料組成物が壁膜11
で被覆されて、平均粒子径〔(短径/長径)/2〕が5
〜500μmであり、真円率(短径/長径)が0.6以
上のマイクロカプセル形態となしたことを特徴とする放
香性マイクロカプセル1を要件とする(図1参照)。更
には、外力によりカプセル壁膜11が破壊されて、内包
の香料組成物10による香気を放つ放香性マイクロカプ
セル1と熱変色性マイクロカプセル顔料2を混合状態又
は個別状態にバインダー樹脂中に分散状態で固着させた
層が支持体30表面に積層されてなる放香性熱変色性積
層体3を要件とする(図7参照)。更には、前記放香性
熱変色性積層体3が、放香性マイクロカプセル1をバイ
ンダー樹脂中に分散状態に固着させた放香層31と、熱
変色性マイクロカプセル顔料2をバインダー樹脂中に分
散状態に固着させた熱変色層32とからなること、更に
は、放香層31は熱変色層32上に積層状態にあること
(図8参照)、更には、放香層31と熱変色層32が並
設状態にあること、更には、放香性マイクロカプセル1
と熱変色性マイクロカプセル顔料2とが混合状態でバイ
ンダー樹脂中に分散状態に固着されて放香性熱変色層3
3を形成してなること(図7参照)、更には、熱変色性
マイクロカプセル顔料2は、(イ)電子供与性呈色性有
機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両
者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を含む熱変色
性組成物20をマイクロカプセルに内包させてなる顔料
であること、更には、放香性マイクロカプセル1の保留
剤と、熱変色性マイクロカプセル顔料2の反応媒体は、
炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、スルフィド類、エ
ーテル類、ケトン類、エステル類、酸アミド類、アルコ
ール類、又はワックス類から選ばれる化合物であるこ
と、更には、熱変色性マイクロカプセル顔料2は、非円
形断面形状であること(図3〜図6参照)、更には、熱
変色性マイクロカプセル顔料2は、発色状態からの加熱
により消色し、消色状態からの冷却により発色する加熱
消色型、発色状態又は消色状態を互変的に特定温度域で
記憶保持する色彩記憶保持型、又は、消色状態からの加
熱により発色し、発色状態からの降温により消色状態に
復する加熱発色型のいずれかより選ばれること、等を要
件とする。
【0005】前記における放香性マイクロカプセルは、
香料と保留剤とからなる香料組成物を、公知の手段によ
り壁膜を形成して内包化させてなるものである。前記香
料は、従来より汎用されているものが有効であり、保留
剤は、前記香料を保留させ、カプセル破壊時に適正に放
出させるためのものであり、香料と保留剤との共融温度
が−20℃〜+60℃の範囲が、手指や消しゴム等によ
る擦過による押圧操作により破壊されて香気を放出す
る、本発明の意図する簡易破壊性を満たす。更には、前
記共融温度が10〜60℃の範囲(より好適には、20
〜50℃)にあっては、常態では固体状であり、外圧緩
衝作用を有し、破壊し難いが、擦過等による加熱で液状
化すると前記外圧緩衝性が低下し、擦過による外力と共
働して、手指等による擦過程度の比較的低圧力の負荷に
より壁膜が破壊され、香気を放出させることができる。
前記香料/保留剤=1〜50/99〜50(重量比)、
更に、好ましくは、5〜25/95〜75(重量比)の
範囲が、保留と香気発散性を満足させる。前記保留剤
が、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、スルフィド
類、エーテル類、ケトン類、エステル類、酸アミド類、
アルコール類、又はワックス類から選ばれる化合物であ
り、これらのうちの化合物の一種又は二種以上を混合さ
せて使用することができる。前記保留剤は、後出の熱変
色性材料の反応媒体と同様な化合物から選択して適用で
きる。前記マイクロカプセル化は、従来より汎用の手段
により形成され、平均粒子径〔(短径/長径)/2〕が
5〜500μm、好適には、10〜50μm程度のもの
が実用性を満たし、真円率(短径/長径)が0.6以上
のマイクロカプセル形態の系にあっては、外部応力によ
り弾性変形する許容性に乏しく、従って、外部応力を直
接的に受容し、手指等の擦過による易破壊性に効果的に
機能する。前記真円率が0.6未満の系にあっては、外
部応力による弾性変形の許容度が大であり、適宜に弾性
変形して応力を緩和し、破壊が抑制される。
【0006】次に香料について述べる。香料は、油溶性
の汎用の香料が好適に使用できる。前記香料は、一般的
には下記に例示する如き化合物の混合物であり、単独で
使用することは特殊の例を除き、適用されない。以下に
化合物を例示するが、これに限らず、香料特性を発現さ
せるものであれば有効である。アセト酢酸エチル、アセ
トフェノン、アニスアルデヒド、ジャスミナール、アン
スラニル酸イソアミル、イソオイゲノール、イソ吉草酸
イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリ
ル、ウンデカラクトン、エチルヴァリニン、エナント酸
エチル、オイゲノール、オクチルアルデヒド、カプリン
酸エチル、カプリン酸エチル、カプロン酸、カプロン酸
アリル、カプロン酸エチル、蟻酸イソアミル、蟻酸ゲラ
ニル、蟻酸シトロネリル、桂皮アルコール、桂皮アルデ
ヒド、桂皮酸、桂皮酸エチル、桂皮酸メチル、ゲラニオ
ール.酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸ゲラニル、酢
酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミ
ル、酢酸テルピニル、酢酸フェニルエチル、酢酸ブチ
ル、酢酸ベンジル、酢酸メンチル、酢酸リナリル、サリ
チル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シ
トロネラール、シトロネロール、シトラール、テルピネ
オール、デシルアルコール、デシルアルデヒド、ノナラ
クトン、pーメチルアセトフェノン、ヴァニリン、ヒド
ロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメ
チルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミ
ル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、プ
ロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオ
ン酸ベンジル、ペリラアルデヒド、ベンジルアルコー
ル、ベンズアルデヒド、ボルネオール、マルトール、メ
チルβーナフチルケトン、Nーメチルアンスラニル酸メ
チル、メントール、シネオール、ヨノン、酪酸イソアミ
ル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、リ
ナロール等が挙げられる。前記した香料成分は、天然、
合成配合品を問わず、使用することができる。
【0007】前記した化合物を組み合わせて調製した香
料成分は、保留剤とブレンドされて香料組成物を構成
し、前記組成物を汎用のマイクロカプセル化手段によ
り、マイクロカプセルに内包させて放香性マイクロカプ
セルを構成する。前記保留剤は、炭化水素、ハロゲン化
炭化水素類、スルフィド類、エーテル類、ケトン類、エ
ステル類、酸アミド類、アルコール類、又はワックス類
から選ばれる。以下に具体的に例示する。
【0008】以下に保留剤を例示する。炭化水素類とし
ては、鎖式炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化
水素類等があり、飽和鎖式炭化水素類としては、ペンタ
デカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、
ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、
トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサ
ン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリア
コンタン等が例示できる。不飽和鎖式炭化水素類として
は、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタ
デセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイ
コセン、1−ヘンエイコセン、1−ドコセン、1−トリ
コセン、1−テトラコセン、1−ペンタコセン、1−ヘ
キサコセン、1−ヘプタコセン、1−オクタコセン、1
−ノナコセン、1−トリアコンテン等が例示できる。脂
環式炭化水素類としては、シクロオクタン、シクロドデ
カン、n−ペンタデシルシクロヘキサン、n−オクタデ
シルシクロヘキサン、n−ノナデシルシクロヘキサン、
デカヒドロナフタレン等が例示できる。芳香族炭化水素
類としては、ドデシルベンゼン、ビフェニル、エチルビ
フェニル、4−ベンジルベンゼン、フェニルトリルメタ
ン、ジフェニルエタン、1,3−ジフェニルベンゼン、
ジベンジルトルエン、メチルナフタレン、2,7−ジイ
ソプロピルナフタレン、メチルテトラリン、ナフチルフ
ェニルメタン等を例示できる。
【0009】ハロゲン化炭化水素類としては、1−ブロ
モデカン、1−ブロモウンデカン、1−ブロモドデカ
ン、1−ブロモトリデカン、1−ブロモテトラデカン、
1−クロロテトラデカン、1−ブロモペンタデカン、1
−ブロモヘキサデカン、1−クロロヘキサデカン、1−
ヨードヘキサデカン、1−ブロモヘプタデカン、1−ブ
ロモオクタデカン、1−クロロオクタデカン、1−ヨー
ドオクタデカン、1−ブロモエイコサン、1−クロロエ
イコサン、1−ブロモドコサン、1−クロロドコサン等
を例示できる。
【0010】スルフィド類としては、ジ−n−オクチル
スルフィド、ジ−n−ノニルスルフィド、ジ−n−デシ
ルスルフィド、ジ−n−ドデシルスルフィド、ジ−n−
テトラデシルスルフィド、ジ−n−ヘキサデシルスルフ
ィド、ジ−n−オクタデシルスルフィド、オクチルドデ
シルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジベンジルス
ルフィド、ジトリルスルフィド、ジエチルフェニルスル
フィド、ジナフチルスルフィド、4,4′−ジクロロ−
ジフェニルスルフィド、2,4,5,4′−テトラクロ
ロ−ジフェニルスルフィド等を例示できる。
【0011】エーテル類としては、総炭素数10以上の
脂肪族エーテル類、例えば、ジペンチルエーテル、ジヘ
キシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエー
テル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデ
シルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエー
テル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテ
ル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテ
ル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオ
ールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエー
テル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジ
オールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチル
エーテル等。脂環式エーテル類として、s−トリオキサ
ン等。芳香族エーテル類として、フェニルエーテル、ベ
ンジルフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ジ−p
−トリルエーテル、1−メトキシナフタレン、3,4,
5−トリメトキシトルエン等が例示できる。
【0012】ケトン類としては、総炭素数が10以上の
脂肪族ケトン類、例えば、2−デカノン、3−デカノ
ン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノ
ン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、6−ウンデ
カノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、4−ドデカ
ノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデ
カノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、8
−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデ
カノン、9−ヘプタデカノン、2−ペンタデカノン、2
−オクタデカノン、2−ノナデカノン、10−ノナダカ
ノン、2−エイコサノン、11−エイコサノン、2−ヘ
ンエイコサノン、2-ドコサノン、ラウロン、ステアロン
等。総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン
類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデ
カノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタ
デカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−
ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−
n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、
4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノ
ン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノ
ン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェ
ノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノ
フェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−
シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチル
プロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペン
チルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、
ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフ
ェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセト
フェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、
シクロペンチルフェニルケトン等。アリールアリールケ
トン類、例えば、ベンゾフェノン、ベンジルフェニルケ
トン、ジベンジルケトン等。脂環式ケトン、例えば、シ
クロオクタノン、シクロドデカノン、シクロペンタデカ
ノン、4−tert−ブチルシクロヘキサノン等が例示
できる。
【0013】エステル類としては、炭素数10以上のエ
ステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を
有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環
を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られ
るエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多
価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する
一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステ
ル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボ
ン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アル
コールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙
げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オク
チル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、
カプリン酸ステアリル、カプリン酸ドコシル、ラウリン
酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸n−デシル、ミリス
チン酸3−メチルブチル、ミリスチン酸セチル、パルミ
チン酸イソプロピル、パルミチン酸ネオペンチル、パル
ミチン酸ノニル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステア
リン酸n−ブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ス
テアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリ
ン酸n−ウンデシル、ステアリン酸ペンタデシル、ステ
アリン酸ステアリル、ステアリン酸シクロヘキシルメチ
ル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン
酸ラウリル、ベヘン酸ベヘニル、安息香酸セチル、p−
tert− ブチル安息香酸ステアリル、フタル酸ジミ
リスチル、フタル酸ジステアリル、シュウ酸ジミリスチ
ル、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジセチル、コハク酸ジ
ラウリル、グルタル酸ジラウリル、アジピン酸ジウンデ
シル、アゼライン酸ジラウリル、セバシン酸ジ−(n−
ノニル)、1,18−オクタデシルメチレンジカルボン
酸ジネオペンチル、エチレングリコールジミリステー
ト、プロピレングリコールジラウレート、プロピレング
リコールジステアレート、ヘキシレングリコールジパル
ミテート、1,5−ペンタンジオールジミリステート、
1,2,6−ヘキサントリオールトリミリステート、
1,4−シクロヘキサンジオールジデシル、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールジミリステート、キシレング
リコールジカプリネート、キシレングリコールジステア
レート等が例示できる。
【0014】又、飽和脂肪酸と分枝脂肪族アルコールの
エステル、不飽和脂肪酸又は分枝もしくは置換基を有す
る飽和脂肪酸と分岐状であるか又は炭素数16以上の脂
肪族アルコールのエステル、酪酸セチル、酪酸ステアリ
ル及び酪酸ベヘニルから選ばれるエステル化合物も有効
である。具体的には、酪酸2−エチルヘキシル、ベヘン
酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシ
ル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,
5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5
−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリ
メチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリ
ル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、
パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エ
チルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン
酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシ
ル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−
メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプ
リン酸2−メチルペンチル、ラウリン酸2−メチルペン
チル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2
−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステ
アリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチ
ル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチ
ルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸
1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチ
ル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1
−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、
ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−
メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ス
テアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘ
キシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリス
チン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7
−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオ
クチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン
酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステア
リル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7−ジメチル
オクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリ
ル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステア
リル、12−ヒドロキシステアリン酸2−メチルペンチ
ル、18−ブロモステアリン酸2−エチルヘキシル、2
−ケトミリスチン酸イソステアリル、2−フルオロミリ
スチン酸2−エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステア
リル、酪酸ベヘニル等が例示できる。
【0015】更には、特公平4−17154号公報に開
示したカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置
換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環
を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコール
のエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン
酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アル
コール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪
酸と分岐脂肪族アルコールのエステル、ジカルボン酸と
芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステ
ル、ケイ皮酸ベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピ
ン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミ
リスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリ
ル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、
ジミリスチン、ジステアリン等が挙げられる。
【0016】炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコー
ルと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪
酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘ
プチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族
カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸
エステル化合物も有効である。具体的には、酢酸n−ペ
ンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシ
ル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデ
シル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノ
ニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリ
デシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−
ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウン
デシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペ
ンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−
ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウン
デシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペ
ンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸
n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸
n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリス
チン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、
パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、
パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデ
シル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n
−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸
n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイ
コサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデルシ、エ
イコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデ
シル、ベヘン酸n−ノニル、ベヘン酸n−ウンデシル、
ベヘン酸n−トリデシル、ベ ヘン酸n−ペンタデシル
が挙げられる。
【0017】アルコール類としては、例えば、デシルア
ルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコー
ル、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、
ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘ
プタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、エイ
コシルアルコール、ドコシルアルコール等の脂肪族一価
の飽和アルコール、アリルアルコール、オレイルアルコ
ール等の脂肪族不飽和アルコール、シクロペンタノー
ル、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、シクロ
ドデカノール、4−tert−ブチルシクロヘキサノー
ル等の脂環式アルコール、4−メチルベンジルアルコー
ル、ベンツヒドロール等の芳香族アルコール、ポリエチ
レングリコール等の多価アルコールを例示できる。
【0018】酸アミド類としては、以下に示す化合物が
例示できる。アセトアミド、プロピオン酸アミド、酪酸
アミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリ
ン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、
パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸ア
ミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベンズアミ
ド、カプロン酸アニリド、カプリル酸アニリド、カプリ
ン酸アニリド、ラウリン酸アニリド、ミリスチン酸アニ
リド、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アニリド、
ベヘニン酸アニリド、オレイン酸アニリド、エルカ酸ア
ニリド、カプロン酸N−メチルアミド、カプリル酸N−
メチルアミド、カプリン酸N−メチルアミド、ラウリン
酸N−メチルアミド、ミリスチン酸N−メチルアミド、
パルミチン酸N−メチルアミド、ステアリン酸N−メチ
ルアミド、ベヘン酸N−メチルアミド、オレイン酸N−
メチルアミド、エルカ酸N−メチルアミド、ラウリン酸
N−エチルアミド、ミリスチン酸N−エチルアミド、パ
ルミチン酸N−エチルアミド、ステアリン酸N−エチル
アミド、オレイン酸N−エチルアミド、ラウリン酸N−
ブチルアミド、ミリスチン酸N−ブチルアミド、パルミ
チン酸N−ブチルアミド、ステアリン酸N−ブチルアミ
ド、オレイン酸N−ブチルアミド、ラウリン酸N−オク
チルアミド、ミリスチン酸N−オクチルアミド、パルミ
チン酸N−オクチルアミド、ステアリン酸N−オクチル
アミド、オレイン酸N−オクチルアミド、ラウリン酸N
−ドデシルアミド、ミリスチン酸N−ドデシルアミド、
パルミチン酸N−ドデシルアミド、ステアリン酸N−ド
デシルアミド、オレイン酸N−ドデシルアミド、ジラウ
リン酸アミド、ジミリスチン酸アミド、ジパルミチン酸
アミド、ジステアリン酸アミド、ジオレイン酸アミド、
トリラウリン酸アミド、トリミリスチン酸アミド、トリ
パルミチン酸アミド、トリステアリン酸アミド、トリオ
レイン酸アミド、コハク酸アミド、アジピン酸アミド、
グルタル酸アミド、マロン酸アミド、アゼライン酸アミ
ド、マレイン酸アミド、コハク酸N−メチルアミド、ア
ジピン酸N−メチルアミド、グルタル酸N−メチルアミ
ド、マロン酸N−メチルアミド、アゼライン酸N−メチ
ルアミド、コハク酸N−エチルアミド、アジピン酸N−
エチルアミド、グルタル酸N−エチルアミド、マロン酸
N−エチルアミド、アゼライン酸N−エチルアミド、コ
ハク酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−ブチルアミ
ド、グルタル酸N−ブチルアミド、マロン酸N−ブチル
アミド、アジピン酸N−オクチルアミド、アジピン酸N
−ドデシルアミド等。
【0019】ワックス類及び中分子量ポリマー類として
は、融点50〜120℃のパラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス、ペトロラクタム、酸化パラフ
ィンワックス、酸化ペトロラクタム。セラック、サトウ
キビロウ、カルナバワックス、キャンデリラワックス、
カスターワックス、牛脂硬化油、魚脂硬化油、菜種硬化
油、モンタンロウ、パームロウ、チュウハクロウ、ハゼ
ロウ、羊毛脂等。酸化ポリエチレンワックス、モンタン
酸ワックス、エチレン酢ビ共重合ワックス、エチレンア
クリル共重合ワックス、ビニールエーテルワックス等。
パーム油、ババス油、流動パラフィン、ポリブテン、ポ
リブタジエン、ポリスチレンオリゴマー等が例示でき
る。
【0020】放香性マイクロカプセルは、バインダー樹
脂を含む水性又は油性ビヒクル中に分散されて印刷イン
キ又は塗料形態となして芳香層を形成する。ここで、放
香性マイクロカプセルは、バインダー樹脂100重量部
に対して、5〜100重量部の割合(好ましくは、10
〜60重量部)で配合される。5重量部以下では、放香
性が不十分であり、100重量部以上では過剰であり、
不経済である。
【0021】前記バインダー樹脂は、具体的には、アイ
オノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹
脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹
脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン
共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化
ビニリデン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、
塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエ
チレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポ
リアクリル酸樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エ
ポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェ
ノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性ア
ルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、スチレ
ン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミ
ノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレ
ン−ブタジエン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、スチレン
−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリル酸エステル
系エマルジョン樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素
樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水
溶性ポリブタジエン樹脂、酢酸セルローズ、エチルセル
ローズ等のセルローズ誘導体が挙げられる。
【0022】前記熱変色性マイクロカプセル顔料は、
(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)前記化合物
を呈色させる電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の
呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を含
む、従来より公知のものが有効であり、具体的には、本
出願人が提案した、特公昭51−44706号公報、特
公昭51−44707号公報、特公平1−29398号
公報等に記載のものが利用できる。前記は所定の温度
(変色点)を境としてその前後で変色し、変色点以上の
温度域で消色状態、変色点未満の温度域で発色状態を呈
し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか
存在しえない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発
現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持
されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で
呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性
(ΔHA =1〜7℃)を有する加熱消色型(A)を挙げ
ることができ、特にΔHA が3℃以下の系〔特公平1−
29398号公報に示す、3℃以下のΔT値(融点−曇
点)を示す脂肪酸エステルを(ハ)成分として適用〕に
よるものは、変色点を境に温度変化に鋭敏に感応して高
感度の加熱消色性を示し、目的に応じて効果的に適用で
きる。
【0023】又、本出願人が提案した特公平4−171
54号公報、特開平7−179777号公報、特開平7
−33997号公報、特開平8−39936号公報等に
記載されている大きなヒステリシス特性(ΔHB =8〜
50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化
をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低
温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温
側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿っ
て変色し、低温側変色点以下で発色状態を呈し、高温側
変色点以上で消色状態を呈し、前記低温側変色点と高温
側変色点の間の温度域で、前記発色状態と消色状態を互
変的に記憶保持する色彩記憶保持型(B)を適用でき
る。
【0024】又、加熱発色型(C)の組成物として、消
色状態からの加熱により発色する、本出願人の提案(特
開平11−129623号公報、特開平11−5973
号公報)による、(ロ)電子受容性化合物として、炭素
数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定の
アルコキシフェノール化合物を適用した系を挙げること
ができる。
【0025】前記した三つのタイプ(A、B、C)の熱
変色性組成物を含む顔料を目的に応じて選択して適用す
ることにより、多様な変色形態を有する感温変色性要素
を構成できる。
【0026】(ハ)前記(イ)、(ロ)による電子授受
反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体
である化合物としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水
素類、スルフィド類、エーテル類、ケトン類、エステル
類、酸アミド類、アルコール類、ワックス類等の従来よ
り汎用の反応媒体が総て有効であり、中分子量ポリマー
類の如く、半液状物質であっても良く、これらの化合物
の一種又は二種以上を適用できる。前記保留剤として例
示した化合物をそのまま適用できる。本発明に適用の熱
変色性組成物は、従来より汎用の前記(イ)、(ロ)、
(ハ)成分を必須成分とし、各成分の割合は、濃度、変
色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般
的に所望の特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対
して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜2
0、(ハ)成分1〜200、好ましくは5〜100の範
囲である(前記割合はいずれも重量部である)。
【0027】前記熱変色性組成物を内包したマイクロカ
プセル顔料は、粒子径0.1〜100μm、好ましくは
3〜30μmの範囲が実用性を満たす。熱変色性顔料の
平均粒子径〔(長径+短径)/2〕は、0.5μm〜3
0μmの範囲、好ましくは、0.5〜15μm、更に好
ましくは、0.5〜10μmの範囲にあることが、変色
の鋭敏性、持久性、加工適性等の面で有効である。
【0028】前記マイクロカプセル顔料は、真円形断面
のものの適用を拒まないが、非円形断面形状を有するも
の、更に具体的には外面の少なくとも一部に窪みを有す
る非真円形の断面形状のもの(図3〜図6参照)を効果
的に適用することができる。即ち、非真円形態の偏平状
の顔料であるので圧力や熱の負荷に対して、適宜に弾性
変形して応力を緩和できるため、カプセル壁膜の破壊に
対して抑制効果を果たす。又、本発明のカプセル化され
た熱変色性顔料にあっては、可逆熱変色性組成物/壁膜
=7/1〜1/1(重量比)の範囲にあることが望まし
い。熱変色性組成物の比率が前記範囲より大になると壁
膜の厚みが肉薄となり過ぎ、内包した熱変色性組成物の
保護機能の低下がみられる。一方、壁膜の比率が前記範
囲より大になると発色濃度の低下を余儀なくされ、好ま
しくない。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の放香性マイクロカプセル
は、バインダー樹脂中に分散状態にブレンドされ、支持
体表面に固着させて使用できるが、熱変色性マイクロカ
プセル顔料との併用による積層体の形態として実用化さ
れる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を示す。尚、実施例中の部は重
量部である。
【0031】実施例1 レモンオイル50部、ミリスチルアルコール50部(両
者の共融状態における融点33.0℃)からなる香料成
分100部に対してエポキシ樹脂5部を溶解し、60℃
の10%ゼラチン水溶液に乳化し、外径が5μmになる
よう調整攪拌し、アミン系硬化剤2.5部を加え、80
℃にて3時間反応させて得た放香性マイクロカプセルを
遠心分離により単離し、前記放香性マイクロカプセル3
3部にエチレンー酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン6
7部を加え、放香性インキを得た。熱変色性マイクロカ
プセル顔料(33℃以上にて無色、33℃以下にて黄緑
色を呈す加熱消色型)40部、エチレンー酢酸ビニル樹
脂エマルジョン60部からなる熱変色性インキを用い、
一般色にて印刷されたレモン図柄上にスクリーン印刷を
行なって、熱変色層を形成し、次いで放香性インキをグ
ラビア印刷により塗工して放香層を形成した。前記印刷
物は、室温では黄緑色の未熟なレモンの様相を呈してい
るが、指先で摩擦することによって黄色に変色すると同
時に、レモンの香りを放出し、恰もレモンが完熟したか
のような様相を呈した。
【0032】実施例2 合成アップル香料2部、ステアリン酸ラウリル98部
(両者の共融状態における融点 42℃)からなる香料
成分100部に対してイソシアネート樹脂55部を溶解
し、60℃の3%ゼラチン水溶液に乳化し、外径が30
0μmになるよう調整攪拌し、次いで80℃に昇温して
3時間反応させた後、濾過して放香性マイクロカプセル
を単離した。熱変色性マイクロカプセル顔料(42℃以
上にて無色、42℃以下にて桃色を呈する)20部、前
記放香マイクロカプセル20部、アクリル系エマルジョ
ン60部を混合し、放香性熱変色性布用インキを得た。
綿製タオル表面に前記放香性熱変色性インキを用いてス
クリーン印刷を施して、室温では桃色を呈し、浴温によ
り無色に変化し、身体を拭くことによってリンゴの芳香
を放つ、特異な入浴用タオルを得ることができた。
【0033】実施例3 天然ラベンダー香料25部、カプリン酸ステアリル75
部(両者の共融状態における融点33℃)からなる香料
成分100部に対してイソシアネート樹脂25部を溶解
し、60℃の3%ゼラチン水溶液に乳化し、外径が20
μmになるよう調整攪拌し、次いで80℃に昇温して6
時間反応させた。一晩放置後、浮上した放香性マイクロ
カプセルを単離した。熱変色性マイクロカプセル顔料
(33℃以上にて無色、33℃以下にて緑色を呈する加
熱消色型)20部、前記放香マイクロカプセル20部、
ウレタン系エマルジョン30部、水30部を混合して放
香性熱変色性水性スプレーインキを得た。ラベンダーの
造花の花部分に前記放香性熱変色性水性スプレーインキ
をスプレー塗工して放香性熱変色性造花を得た。前記造
花は、手で触わると花部分が緑色から紫色に変化すると
同時に、ラベンダーの芳香を放った。
【0034】実施例4 ソーセージフレーバー40部、カプリン酸セチル60部
(両者の共融状態における融点30℃)からなる香料成
分100部に対してイソシアネート樹脂10部を溶解
し、60℃の5%ポリビニルアルコール水溶液に乳化
し、外径が50μmになるよう攪拌し、次いで90℃に
昇温して3時間反応させた。反応後、遠心分離により放
香性マイクロカプセルを単離した。熱変色性マイクロカ
プセル顔料(30℃以上にて無色、30℃以下にて黒色
を呈す加熱消色型)20部、前記放香マイクロカプセル
10部、SBR系エマルジョン70部からなる放香性熱
変色性水性インキを用いて、一般色を用いてソーセージ
の図柄を印刷した印刷物に隠蔽印刷を行なった。前記印
刷物は、室温では、黒色を呈しているが、指先で摩擦す
ることにより、ソーセージの図柄が現れると同時に、ソ
ーセージの香りを放った。
【0035】
【発明の効果】本発明の放香性マイクロカプセルは、常
態では香気を放出しないが、手指等による擦過による簡
易な手段でカプセルが破壊されて香気を放出するもので
あり、前記擦過による摩擦熱で変色する、30℃〜60
℃の温度域に変色点をもつ熱変色性要素と組み合わせ
た、本発明の積層体は、放香による臭覚効果と熱変色に
よる視覚効果を同時に発現させて、複合的効果を奏する
新たな放香性熱変色性積層体として、玩具、教材、絵
本、文房具、ファンシーグッズ、ファブリック、毛糸等
の服飾品、造花、絵画等の装飾要素、カレンダー、グリ
ーティングカード等のカード類、偽造防止等、多様な分
野に適用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用の放香性マイクロカプセルの一実
施例の、(A)外観、及び(B)断面の拡大説明図であ
る。
【図2】本発明に適用の放香性マイクロカプセルの他の
実施例の、(A)外観、及び(B)断面の拡大説明図で
ある。
【図3】本発明に適用の熱変色性マイクロカプセル顔料
の、一実施例の(A)外観、及び(B)断面の拡大説明
図である。
【図4】本発明に適用の熱変色性マイクロカプセル顔料
の、他の実施例の(A)外観、及び(B)断面の拡大説
明図である。
【図5】本発明に適用の熱変色性マイクロカプセル顔料
の、他の実施例の(A)外観、及び(B)断面の拡大説
明図である。
【図6】本発明に適用の熱変色性マイクロカプセル顔料
の、他の実施例の(A)外観、及び(B)断面の拡大説
明図である。
【図7】本発明の放香性熱変色性積層体の一実施例の縦
断面説明図である。
【図8】本発明の放香性熱変色性積層体の他の実施例の
縦断面説明図である。
【図9】本発明の放香性熱変色性積層体の他の実施例の
縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 放香性マイクロカプセル 10 香料組成物 11 壁膜 2 熱変色性マイクロカプセル顔料 20 熱変色性組成物 21 壁膜 3 放香性熱変色性積層体 30 支持体 31 放香層 32 熱変色層 33 放香性熱変色層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C080 AA04 BB03 HH05 HH10 JJ03 LL03 QQ03 4F100 AK01A AK68 AR00A AR00C AS00A AS00C AT00B BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B CA13A CA13C CA30A DE04A DE04C GB90 HB31 JA20A JC00 JC00A YY00A 4H059 BA01 BA04 BA12 BA15 BA22 BA30 BA49 BA64 BB51 CA54 CA72 DA08 DA09 DA15 EA31

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外力によりカプセル壁膜が破壊されて、
    内包の香料成分による香気を放つマイクロカプセルにお
    いて、香料組成物が香料と保留剤からなり、前記保留剤
    が、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、スルフィド
    類、エーテル類、ケトン類、エステル類、酸アミド類、
    アルコール類、又はワックス類から選ばれる化合物であ
    り、香料/保留剤=1〜50/99〜50(重量比)の
    割合でブレンドされて内包の香料組成物が壁膜で被覆さ
    れて、平均粒子径〔(短径/長径)/2〕が5〜500
    μmであり、真円率(短径/長径)が0.6以上のマイ
    クロカプセル形態となしたことを特徴とする放香性マイ
    クロカプセル。
  2. 【請求項2】 外力によりカプセル壁膜が破壊されて、
    内包の香料組成物による香気を放つ放香性マイクロカプ
    セルと熱変色性マイクロカプセル顔料を混合状態又は個
    別状態にバインダー樹脂中に分散状態で固着させた層が
    支持体表面に積層されてなる放香性熱変色性積層体。
  3. 【請求項3】 放香性マイクロカプセルをバインダー樹
    脂中に分散状態に固着させた放香層と、熱変色性マイク
    ロカプセル顔料をバインダー樹脂中に分散状態に固着さ
    せた熱変色層とからなる請求項2記載の放香性熱変色性
    積層体。
  4. 【請求項4】 放香層は熱変色層上に積層状態にある請
    求項3記載の放香性熱変色性積層体。
  5. 【請求項5】 放香層と熱変色層が並設状態にある請求
    項3記載の放香性熱変色性積層体。
  6. 【請求項6】 放香性マイクロカプセルと熱変色性マイ
    クロカプセル顔料とが混合状態でバインダー樹脂中に分
    散状態に固着されて放香性熱変色層が形成されてなる請
    求項2記載の放香性熱変色性積層体。
  7. 【請求項7】 放香性マイクロカプセルは、請求項1記
    載の放香性マイクロカプセルを適用した請求項2乃至6
    記載のいずれか1項に記載の放香性熱変色性積層体。
  8. 【請求項8】 熱変色性マイクロカプセル顔料は、
    (イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性
    化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決
    める反応媒体を含む熱変色性組成物をマイクロカプセル
    に内包させてなる顔料である請求項2、3又は6記載の
    放香性熱変色性積層体。
  9. 【請求項9】 放香性マイクロカプセルの保留剤と、熱
    変色性マイクロカプセルの反応媒体は、炭化水素類、ハ
    ロゲン化炭化水素類、スルフィド類、エーテル類、ケト
    ン類、エステル類、酸アミド類、アルコール類、又はワ
    ックス類から選ばれる化合物である請求項2記載の放香
    性熱変色性積層体。
  10. 【請求項10】 請求項2、3、6、7、8又は9記載
    のいずれか1項に記載の熱変色性マイクロカプセル顔料
    は、非円形断面形状である。
  11. 【請求項11】 熱変色性マイクロカプセル顔料は、発
    色状態からの加熱により消色し、消色状態からの冷却に
    より発色する加熱消色型、発色状態又は消色状態を互変
    的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、又は、
    消色状態からの加熱により発色し、発色状態からの降温
    により消色状態に復する加熱発色型のいずれかより選ば
    れる請求項2乃至10のいずれか1項に記載の放香性熱
    変色性積層体。
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