JP2001118660A - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ

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JP2001118660A
JP2001118660A JP2000243571A JP2000243571A JP2001118660A JP 2001118660 A JP2001118660 A JP 2001118660A JP 2000243571 A JP2000243571 A JP 2000243571A JP 2000243571 A JP2000243571 A JP 2000243571A JP 2001118660 A JP2001118660 A JP 2001118660A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貴金属発火部の材質が、耐熱性と耐酸化消耗
性との双方において優れ、かつ加工性も良好であり、さ
らに有鉛ガソリンエンジンに適用した場合においても、
貴金属発火部の異常腐食を生じにくいスパークプラグを
提供する。 【解決手段】 スパークプラグ100は、発火部31,
32が、Rhを主成分とし、さらに添加金属元素成分と
して、Re、Ru、Ir、W、Mo及びOsから選ばれ
る1種又は2種以上を3〜38質量%の範囲にて含有す
るRh系貴金属合金を主体に構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関に使用され
るスパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、上述のようなスパークプラグにお
いては、耐火花消耗性向上のために電極の先端にPtや
Ir等を主体とする貴金属チップを溶接して発火部を形
成したタイプのものが多数提案されている。
【0003】しかしながら近年では、内燃機関の高性能
化により燃焼室内の温度も高くなる傾向にあり、また着
火性向上のために、スパークプラグの発火部を燃焼室内
部に突き出させるタイプのエンジンも多く使用されるよ
うになってきている。また、最近では、自動車エンジン
のメンテナンスフリー化対策の一環として、スパークプ
ラグ無交換による例えば16万km以上連続走行等、以
前の状況からは想像もつかないような苛酷な要望も出さ
れるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような状況で
は、いかに貴金属チップを使用しているといえども種々
の問題が生ぜざるを得ない。例えば、Pt系の貴金属チ
ップの場合は、内燃機関の使用状況によっては耐熱性が
やや不足することがあり、例えば発火部での火花発生位
置が偏って局部的にチップ温度が上昇したりすると、チ
ップが部分的に溶融し(以下、これを発汗現象とい
う)、例えばチップ表面に凹凸が生じて局部的に火花放
電ギャップ間隔が狭くなり、ギャップ短絡等の不具合を
生ずる場合がある。他方、Ptよりも高融点のIr系の
貴金属チップを使用した場合、耐熱性は大幅に改善され
るが、Irは高温で酸化揮発しやすい性質を有している
ことから、長時間の高速走行を繰り返してある温度以上
に上昇すると、急激に発火部が消耗し、火花ギャップ間
隔が拡大してしまう欠点がある。また、これとは別の問
題として、Irは常温及び高温のいずれにおいても延性
あるいは展性に乏しいことから、発火部を形成するため
のチップを鍛造、圧延あるいは打抜き等の加工により製
造しようとすると、材料歩留まりと製造能率が低下して
量産性が悪化する欠点がある。
【0005】また、別の問題として、ガソリンエンジン
の燃料の無鉛化が遅れている一部の国や地域では、アン
チノック剤として四メチル鉛などを添加した有鉛ガソリ
ンが現在でも使用されている。そして、これらの国や地
域でも、高級車等においては貴金属チップを使用したス
パークプラグが使用され始めているが、本発明者らの検
討によると、有鉛ガソリンを使用するエンジンに、Pt
系あるいはIr系の発火部を使用したスパークプラグを
適用すると、ガソリン中に含まれるPb(鉛)成分の影
響により発火部が異常腐食し、本来期待されているレベ
ルには程遠い耐久性しか得られなくなってしまうことが
判明した。
【0006】本発明は、貴金属発火部を形成したスパー
クプラグにおいて、耐熱性と耐酸化消耗性との双方にお
いて優れ、かつ加工性も良好な材質により発火部が構成
されたスパークプラグを提供すること、及び、有鉛ガソ
リンエンジンに適用した場合においても、貴金属発火部
の異常腐食を生じにくく、貴金属発火部本来の優れた耐
久性を確保できるスパークプラグを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】本発明の
第一発明に係るスパークプラグは、中心電極と、その中
心電極の外側に設けられた絶縁体と、その絶縁体の外側
に設けられた主体金具と、中心電極と対向するように配
置された接地電極と、それら中心電極と接地電極との少
なくとも一方に固着されて火花放電ギャップを形成する
発火部とを備え、発火部が、Rhを主成分とし、さらに
添加金属元素成分として、Re、Ru、Ir、W、Mo
及びOsから選ばれる1種又は2種以上を3〜38質量
%の範囲にて含有するRh系貴金属合金を主体に構成さ
れたことを特徴とする。
【0008】なお、上記発火部は、上記Rh系貴金属合
金を主体とするチップを、接地電極及び/又は中心電極
に対し溶接により接合して形成することができる。この
場合、本明細書でいう「発火部」とは、接合されたチッ
プのうち、溶接による組成変動の影響を受けていない部
分(例えば、溶接により接地電極ないし中心電極の材料
と合金化した部分を除く残余の部分)を指すものとす
る。
【0009】上記本発明のスパークプラグにおいては、
その発火部を構成するRh系貴金属合金の主金属元素成
分としてRhを使用し、さらにこれに添加金属元素成分
として、Re、Ru、Ir、W、Mo及びOsから選ば
れる1種又は2種以上を3〜38質量%の範囲にて配合
している。Rhの融点は約1960℃であり、少なくと
もPtの1769℃よりは高温であることから、従来の
Pt系の発火部よりは耐熱性が良好である。他方、Rh
は、Irよりは低融点であるが、Rhより高融点のRe
(融点:約3180℃)、Ru(融点:約2250
℃)、Ir(融点:約2443℃)、W(融点:約33
80℃)、Mo(融点:約2630℃)あるいはOs
(融点:約3045℃)からなる添加金属元素成分を上
記の組成範囲で配合していることから、その耐熱性が大
幅に改善される。
【0010】その結果、Pt系貴金属合金の発火部で問
題となる発汗現象等が防止ないし抑制されることはもち
ろん、例えば従来のIr系の発火部と比較しても遜色の
ない耐熱性能が実現される。また、Ir系貴金属合金と
異なり、Rh系貴金属合金は高温での耐酸化消耗性が良
好であるので、発火部の温度上昇が著しい環境下におい
てもその耐久性が顕著に向上する。さらに、発火部を構
成する上記組成のRh系貴金属合金は、Ir系貴金属合
金と比較してはるかに優れた加工性を有し、例えば比較
的低硬度で変形能が大きく、展延性にも富むことを利用
して、発火部を形成するための貴金属チップを極めて能
率よくかつ高歩留まりで製造できることから、製造コス
ト低減にも大幅に寄与する。
【0011】また、発火部が、Rhを主成分とするRh
系貴金属合金を主体に構成された本発明のスパークプラ
グでは、有鉛ガソリンを使用するエンジンに適用した場
合に、ガソリン中の鉛成分に由来する腐食(以下、鉛腐
食と称する)を効果的に抑制することができる。このよ
うに、本発明によれば、Pt系貴金属合金あるいはIr
系貴金属合金による発火部の欠点がことごとく解決され
た、画期的な性能を有するスパークプラグが提供され
る。
【0012】添加金属元素成分の配合量が38質量%を
超えると、有鉛ガソリンエンジンに適用したときの耐鉛
腐食性を十分に確保できなくなる。また、添加金属元素
成分の種類によっては、発火部の耐酸化消耗性が損なわ
れたりすることもある。また、合金の加工性を良好に維
持するためには、添加金属元素成分の配合量を35質量
%以下に留めることが望ましい。例えば、焼結法にてチ
ップを製造する場合のように材料の加工性がそれほど問
題とならない場合は、添加金属元素成分の配合量を38
質量%程度まで増加させ、発火部の耐熱性を一層向上さ
せることも可能である。他方、溶解インゴットの熱間加
工によりチップを製造する場合は、加工性の悪化により
製造能率あるいは歩留まりの低下を招かぬよう、添加金
属元素成分の配合量を35質量%以下に留めることが望
ましい。
【0013】なお、耐酸化消耗性の悪化と加工性低下と
の、どちらの不具合を生ずるかは、添加金属元素成分の
種類によっても異なる。例えば、高温で酸化揮発しやす
いIrの配合量が多くなり過ぎた場合、発火部の耐酸化
消耗性が損なわれるのは当然ともいえる。このほか、揮
発性の酸化物を形成しやすいRuも、過度の配合は同様
の不具合をもたらす。なお、IrやRuほど顕著ではな
いが、ReやWも、上記組成範囲を超えて配合された場
合に、発火部の耐酸化消耗性能の低下を招くことがあ
る。一方、Re、RuあるいはIrは、過度の配合を行
った場合、高温あるいは低温での材料の延性が損なわれ
加工性の低下を招きやすくなる。なお、添加金属元素成
分の配合量は、より望ましくは5〜15質量%の範囲に
て調整するのがよい。例えば、IrやRuのように、高
温(例えば900℃以上)にて揮発性の高い酸化物を生
じやすい金属元素成分については、その配合量を15質
量%以下とすることで、発火部の耐酸化消耗性を一層良
好に確保することができる。また、酸化物の揮発性はこ
れら元素ほどではないが、ReやMoも、比較的低温
(例えば600〜700℃前後)にて酸化物が形成され
やすいことから、配合量を同様に15質量%以下とする
ことが望ましいといえる。
【0014】他方、添加金属元素成分の配合量が3質量
%未満になると、添加金属元素成分配合による耐熱性改
善効果が不十分なものとなる。
【0015】次に、主金属元素成分たるRhの含有量
は、60〜97質量%となっていることが望ましい。R
hの含有量が60質量%未満となった場合、発火部を構
成するRh系貴金属合金の耐酸化消耗性あるいは加工性
が不十分となり、本発明の目的を達成できなくなる。他
方、97質量%を超えてRhが含有されることは、耐熱
性改善のための添加金属元素成分の含有量が不足するこ
とを意味し、これら添加金属元素成分配合による耐熱性
改善効果が不十分なものとなる。一方、耐鉛腐食性をよ
り良好に確保する観点においては、Rhの含有量は上記
よりもやや多い、62〜97質量%の範囲に調整するこ
とが望ましい。
【0016】なお、個々の元素に着目してみた場合、ど
のような性質を優先させるかによって、Rhに対するよ
り望ましい配合範囲が個別に存在する場合がある。例え
ば、発火部の加工性、耐衝撃性、あるいは耐久性を良好
に確保する観点においては、各元素を、3質量%以上で
あってかつRhに対する固溶限以下(固溶限は温度によ
り異なるが、目安としては室温での値)の範囲内にて配
合することが望ましいといえる。固溶限を超えて元素が
配合された場合、複数相が混在した材料組織を呈し、例
えば変形抵抗の増大や延性の低下により加工性や耐衝撃
性が損なわれる場合がある。例えば、Rhが主体となる
相(以下、主成分系相という)と、添加金属元素成分が
主体となる相(以下、添加成分系相という)とが混在す
る組織となる場合、主成分系相は概ね変形能が高いが、
RuあるいはReを主体とする添加成分系相は変形能の
低い稠密六方充填(hcp)構造となるため、加工性が
低下する場合がある。また、Rhとの間に、変形しにく
い中間相を形成する成分(W、Mo)についても、同様
のことがいえる。さらに、hcp構造は示さないが、I
rも生成される添加成分系相の変形能が低いため、加工
性が低下する場合がある。
【0017】他方、耐熱性向上の観点からは、比較的少
量の配合でも顕著な液相線温度の上昇が期待できる成分
が望ましいといえる。この場合、高融点の添加金属元素
成分が耐熱性向上には有利に作用するようにも思われる
が、Rhに対する各成分の公知の二元系平衡状態図(例
えば、Binary Alloy Phase Diagrams (Second Edition
plus Updates version1.0), 1996, ASM Internationa
l)を参照する限り、例えば本発明における添加金属元
素成分の配合量範囲においては、添加金属元素成分の融
点が高くなるほど液相線温度上昇への効果も大きくなる
とは、必ずしも言い切れない側面がある。例えば、添加
金属元素成分のうち、単体状態で最も高融点のWは、上
記組成範囲における1質量%当りの平均の液相線温度上
昇率は5℃程度であるが、それよりやや低融点のReで
は30℃近くにも達する。該液相線温度上昇率は耐熱性
向上効果の大小を示す指標と考えることもでき、この観
点において上記添加金属元素成分の耐熱性向上効果の序
列を示せばRe>Os>Ir>W>Ru>Moとなる。
【0018】なお、Rhに対する室温での固溶限と、耐
熱性向上効果との両観点から、各成分の望ましい配合範
囲を列記すれば、以下のようになる(なお、括弧内は、
前述した望ましい範囲である5〜15質量%との重なり
を取った、さらに望ましい範囲を示している)。 ・Re:3〜20質量%(5〜15質量%)。 ・Ru:5〜34.5質量%(10〜15質量%)。 ・Ir:5〜35質量%(5〜15質量%)。 ・W:5〜23質量%(5〜15質量%)。 ・Mo:5〜8質量%。 ・Os:5〜35質量%(5〜15質量%)。
【0019】また、耐鉛腐食性を確保させる上でより望
ましいRh系貴金属への添加元素は、Re、Mo、Ir
及びRuの4種類である。特にRh系貴金属中のIrに
関しては、その含有量を3〜38質量%とすることが、
発火部の耐熱性と耐鉛腐食性とを両立させる上で望まし
く、さらに望ましくは、Irの含有量を13〜30質量
%とするのがよい。
【0020】次に、発火部を形成するための合金チップ
としては、原料を所定の組成となるように配合・溶解し
て得られる溶解合金に対し所定の加工を施して形成され
たものが使用できる。なお、ここでいう「加工」とは、
圧延、鍛造、切削、切断及び打抜きの少なくともいずれ
かを単独で、又は複数を組み合わせてなされるものを意
味するものとする。この場合、圧延、鍛造、あるいは打
抜き等の加工は、合金を所定の温度に昇温して行ういわ
ゆる熱間加工(あるいは温間加工)により行うことがで
きる。その加工温度は合金組成にもよるが、例えば70
0℃以上とするのがよい。本発明のスパークプラグにお
けるチップ材質においては、とりわけ熱間打抜加工に対
する特性が良好であり、例えば溶解合金を熱間圧延によ
り板状に加工し、さらにその板材を熱間打抜加工により
所定の形状に打ち抜いてチップを形成するようにすれ
ば、チップの製造効率が著しく改善され、チップの製造
単価を大幅に低減することができる。なお、溶解合金を
熱間圧延又は熱間鍛造により線状あるいはロッド状に加
工した後、これを長さ方向に所定長に切断してチップを
形成する方法も可能である。
【0021】上記本発明の各構成においては、発火部を
構成するRh系貴金属合金において、その添加金属元素
成分の濃度分布に縞状の濃淡を生じている場合、その濃
淡縞の方向を、例えば発火部における電圧印加方向(す
なわち放電方向)とほぼ平行となるように、当該発火部
を形成することができる(以下、平行態様という)。こ
れによれば、次のような効果が達成される。 縞状の濃淡分布が生ずる場合、その濃淡縞の方向に合
金結晶方位の指向性が生じやすくなる。例えば、添加金
属元素成分の濃度差の大きい領域同士は、熱膨張率にも
差があり、生じた発火部に冷熱サイクルが繰り返される
と、濃淡縞に沿った剥離により発火部の消耗が進むこと
がある。また、濃淡縞の境界付近での局部的な腐食によ
り剥離が進行することも考えられる。しかしながら、い
ずれにしろ、図2(c)に示すように、この剥離は上記
平行態様では濃淡縞(J)の向きである電圧印加方向、
すなわち火花放電ギャップ(g)の間隔方向に生ずる形
になるので、残っている発火部(31)の合金結晶はギ
ャップ間隔方向の寸法を比較的維持しやすい。従って、
多少の消耗が進行しても火花放電ギャップgの間隔が変
化しにくい利点がある。濃淡縞の方向に延びる合金結晶
組織が、板状ではなく繊維状を呈していると、剥離の進
行も鈍くなるので、一層有利であるといえる。
【0022】接地電極側面が中心電極先端面と対向す
る、いわゆる平行型スパークプラグの場合においては、
図2(c)に示すように、中心電極(3)の軸線方向に
発火部(31)の濃淡縞(J)の方向が一致する形とな
り、合金結晶の方位もこの向きに揃いやすくなる。その
結果、発火部(31)は中心電極(3)の軸線方向の伝
熱性が良好となり、発火部の熱引き特性改善に寄与す
る。また、発火部(31)は、長手方向に上記濃淡縞と
ともに繊維状の結晶粒が成長したロッド状の合金(回転
鍛造加工あるいは伸線加工により容易に製造できる)
を、放電加工等によりいわば輪切りにしてチップを製造
でき、例えばチップ製造時に無駄が生じにくく、製造歩
留まりを向上できる。
【0023】他方、上記濃淡縞の方向を、例えば発火部
における電圧印加方向(すなわち放電方向)とほぼ直交
するように当該発火部を形成することもできる(以下、
直交態様という)。これによれば、発火部の消耗自体が
抑制され、火花放電ギャップ幅の増加抑制効果がさらに
向上する。すなわち、図2(b)に示すように、濃淡縞
(J)の方向が放電電圧の印加方向とは交差する形にな
るので、濃淡縞の境界が発火面(31s)にほとんど露
出しなくなる。その結果、濃淡縞境界付近の局部腐食に
よる剥離が抑制され、発火部の消耗が進行しにくくなる
ものと推測される。
【0024】なお、本発明においては、添加金属元素成
分の縞状の濃度分布において、該添加金属元素成分濃度
が合金平均値以上となる領域を添加金属元素系相領域と
いい、同じく合金平均値より小さくなる領域を主成分系
相領域という。この場合、上記Rh系貴金属合金は、例
えば上記主成分元素を主体とする主成分系相領域と、添
加金属元素成分の含有量が主成分系相領域よりも多く、
かつ主成分元素の含有量が主成分系相領域の97%以下
となる添加金属元素系相領域とがそれぞれ偏平形状をな
して、発火部における電圧印加方向に対して略直交する
ように、あるいは略平行となるように、多数層状に積層
された組織を有するものとして構成できる。
【0025】ここで、合金中の個々の主成分系相領域及
び個々の添加金属元素系相領域は、合金を構成する結晶
粒形態と必ずしも関連を有していなくともよく、例え
ば、各領域の少なくとも一部のものが、それぞれ多数の
結晶粒が集合して形成される偏平な集合粒領域となって
おり、その集合粒領域の単位で互いに積層された形態に
なっていてもよい。
【0026】上記本発明のスパークプラグは、具体的に
は次のように構成できる。 (A)接地電極の一端を主体金具に結合するとともに、
他端側を中心電極側に曲げ返して、その側面が中心電極
の先端面と対向するように配置する。発火部は、中心電
極の先端面と当該先端面と対向する接地電極の側面との
少なくともいずれかに形成し、偏平形状をなす主成分系
相領域と添加金属元素系相領域とが、直交態様の場合は
中心電極の軸線方向に積層された組織を有するものと
し、平行態様の場合はこれと略直交する向きに積層され
た組織を有するものとする。
【0027】(B)発火部を、中心電極の先端面に固着
する。接地電極は、その一端を主体金具に結合するとと
もに、他端側を中心電極側に曲げ返して、その先端面が
発火部の側面と対向するように配置する。そして、上記
発火部は、偏平形状をなす主成分系相領域と添加金属元
素系相領域とが、直交態様の場合は中心電極の軸線方向
に積層された組織を有するものとし、平行態様の場合は
これと略直交する向きに積層された組織を有するものと
する。
【0028】なお、本明細書において「偏平形状」と
は、積層方向における最大寸法が、これと直交する任意
の向きにおける寸法の最大値よりも小さいことをいう。
例えば、主成分系相領域と添加金属元素系相領域とは、
それぞれ板状に形成されていてもよいし、一方向に延伸
された棒状ないし繊維状に形成されていてもよい。ま
た、当然のことであるが、本発明において発火部の組織
形態は上記のものに限定されず、例えば上記のような縞
状の成分濃淡が必ずしも明確に生じていなくともよい。
【0029】なお、チップを構成する材料には、元素周
期律表の3A族(いわゆる希土類元素)及び4A族(T
i、Zr、Hf)に属する金属元素の酸化物(複合酸化
物を含む)を0.1〜15質量%の範囲内で含有させる
ことができる。これにより、添加金属元素成分の、特に
Ir、Ru、Re、Wの酸化・揮発による消耗がさらに
効果的に抑制される。上記酸化物の含有量が0.1質量
%未満になると、当該酸化物添加による添加金属元素成
分の酸化・揮発防止効果が十分に得られなくなる。一
方、酸化物の含有量が15質量%を超えると、チップの
耐熱性が却って損なわれてしまうことがある。なお、上
記酸化物としては、Yが好適に使用されるが、こ
のほかにもLa、ThO、ZrO等を好まし
く使用することができる。
【0030】本発明のスパークプラグは、接地電極は側
面が中心電極の先端面と対向する形にて配置された、い
わゆる平行対向型スパークプラグとして構成することが
できる。このような平行対向型スパークプラグにおいて
は、有鉛ガソリンエンジンに使用したときの鉛腐食の問
題が、電極温度の上がりやすい接地電極側にてより生じ
やすく、極端な場合、接地電極側の発火部だけが鉛腐食
の影響を大きく受けるといったこともありうる。この場
合、該接地電極側に固着される接地電極側発火部をRh
系貴金属合金を主体に構成することが望ましい。
【0031】他方、上記平行対向型スパークプラグにお
いては、中心電極の先端面に中心電極発火部が固着され
る構成を採用することができる。そして、該中心電極側
発火部が鉛腐食の影響をそれほど受けない場合、これ
を、より耐熱性に優れたIrを主成分とするIr系貴金
属合金を主体に構成することができる。
【0032】また、第二発明に係るスパークプラグは、
中心電極と、その中心電極の外側に設けられた絶縁体
と、その絶縁体の外側に設けられた主体金具と、側面が
中心電極の先端面と対向するように配置された接地電極
と、接地電極の側面に固着されるとともに、Rhを主成
分とするRh系貴金属を主体に構成された接地電極側発
火部と、中心電極の先端面に固着されるとともにIrを
主成分とするIr系貴金属を主体に構成された中心電極
側発火部とを備え、それら接地電極側発火部と中心電極
側発火部との間に火花放電ギャップを形成したことを特
徴とする。
【0033】鉛腐食の影響を受けやすい接地電極側発火
部を耐鉛腐食性に優れたRh系貴金属合金を主体に構成
し、逆に鉛腐食の影響を受けにくい中心電極側発火部は
耐熱性の高いIr系貴金属合金を主体に構成すること
で、発火部の耐鉛腐食性と耐熱性とを一層高いレベルに
て両立させることが可能となる。特に、中心電極側が負
となる極性にてスパークプラグを使用する場合は、火花
消耗の生じやすい中心電極側発火部を、耐火花消耗性の
より優れたIr系貴金属合金にて構成することで、発火
部のさらなる長寿命化を図ることが可能となる。また、
接地電極側発火部は、温度上昇は大きいものの、極性が
正となることで、極性が負となる中心電極側よりは火花
消耗が抑制される。その結果、接地電極側発火部を構成
するRh系貴金属は、耐熱性改善を目的とした前述の添
加金属元素成分の含有量を3質量%以下とすること、あ
るいはRh含有量を97質量%以上とすること(例え
ば、不可避不純物を除いてRhのみで構成すること)が
可能である。後者の場合、Rh含有量が高くなる分だ
け、耐鉛腐食性改善にはより有利であるともいえる。
【0034】中心電極側発火部を構成するIr系貴金属
合金としては、例えば、次のようなものを使用できる
が、これらに限定されるものではない。 (1)Irを主体としてRhを1〜50重量%(ただし
50重量%は含まない)の範囲で含有する合金を使用す
る。該合金の使用により、高温でのIr成分の酸化・揮
発による発火部の消耗がさらに効果的に抑制され、ひい
ては、より耐久性に優れたスパークプラグが実現され
る。
【0035】上記合金中のRhの含有量が1重量%未満
になると、Rh添加によるIrの酸化・揮発の抑制効果
が顕著でなくなる。一方、Rhの含有量が50重量%以
上になると合金の融点が低下し、Ir合金特有の耐熱性
改善効果が不十分となる。
【0036】ここで、合金中のRhの含有量は上記範囲
内において多くなるほど、発火部の酸化・揮発抑制効果
は高められる。この観点において、酸化・揮発抑制効果
が最も顕著となるのは、Rh含有量が7〜30重量%、
より望ましくは15〜25重量%、最も望ましくは18
〜22重量%においてである。しかしながら、本発明に
おいては、発火部を構成するIr系金属中の炭素含有量
を前述のレベルにまで低減することによる酸化消耗抑制
効果が大きいため、Rhの含有量が比較的小さくとも、
Ir系金属により発火部を構成した従来のスパークプラ
グと比較して遜色ない、あるいはそれ以上の酸化・揮発
効果が達成される。その結果、高価なRhの含有量を削
減しつつも、発火部の耐酸化消耗性をに優れたスパーク
プラグが実現可能となる。例えば、前述のようにIr系
金属中のIrの含有量を85重量%以上となす場合、R
hの含有量は、望ましくは1〜15重量%、さらに望ま
しくは3〜10重量%の範囲にて調整することが望まし
い。
【0037】(2)Irを主体としてPtを1〜50重
量%の範囲で含有する合金を使用する。該合金の使用に
より、高温でのIr成分の酸化・揮発による発火部の消
耗がさらに効果的に抑制され、ひいてはより耐久性に優
れたスパークプラグが実現される。なお、上記合金中の
Ptの含有量が1重量%未満になるとIrの酸化・揮発
の抑制効果が不十分となり、発火部が消耗しやすくなる
ためプラグの耐久性が低下する。一方、Ptの含有量が
50重量%以上になると合金の融点が低下し、Ir合金
特有の耐熱性改善効果が不十分となる。例えば、前述の
ようにIr系金属中のIrの含有量を85重量%以上と
なす場合、Ptの含有量は、望ましくは1〜15重量
%、さらに望ましくは3〜10重量%の範囲にて調整す
ることが望ましい。
【0038】(3)Irを主成分とし、Nbを0.5重
量%以上含有する合金を使用する。該合金を使用するこ
とにより、高温でのIr成分の酸化・揮発による消耗が
さらに効果的に抑制され、ひいては、より耐久性に優れ
たスパークプラグが実現される。合金中のNbの含有量
が0.5重量%未満になると、Nb添加によるIrの酸
化・揮発の抑制効果が顕著でなくなる。Nbの含有量
は、望ましくは1重量%以上、さらに望ましくは5重量
%以上とするのがよい。
【0039】この場合、さらに望ましくは、NbをIr
に対する固溶限以下の範囲で含有する合金を使用するの
がよい。NbがIrに対する固溶限を超えて含有された
場合、IrNb等の脆弱な金属間化合物が形成され、
発火部の耐久性や耐衝撃性に問題を生ずる場合がある。
例えば、室温におけるNbのIrに対する固溶限は約6
重量%であることから、Nbを単独含有させる場合に
は、それぞれ上記値よりも小さい含有量に設定すること
が望ましいといえる。ただし、上記金属間化合物の形成
量が一定以下で、発火部の耐久性等に及ぼす影響が小さ
い場合には、Nbの含有量が上記固溶限を多少超えた値
となっていてもさしつかえない。以上から、例えばNb
を単独で含有させる場合、その含有量を7重量%以下、
望ましくは6重量%以下とするのがよい。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の、いくつかの実施
の形態を、図面を用いて説明する。図1に示す本発明の
一例たるスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、
先端部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌
め込まれた絶縁体2、先端に形成された中心電極側発火
部31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた
中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合
されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面
が中心電極3の先端部(ここでは、先端面)と対向する
ように配置された接地電極4等を備えている。また、接
地電極4には上記中心電極側発火部31に接地電極側発
火部32が形成されており、それら中心電極側発火部3
1と、接地電極側発火部32との間の隙間が火花放電ギ
ャップgとされている。
【0041】絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化
アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、そ
の内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込む
ための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭
素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパーク
プラグ100のハウジングを構成するとともに、その外
周面には、プラグ100を図示しないエンジンブロック
に取り付けるためのねじ部7が形成されている。
【0042】なお、中心電極側発火部31及び接地電極
側発火部32のいずれか一方を省略する構成としてもよ
い。この場合には、中心電極側発火部31又は接地電極
側発火部32及び接地電極4又は中心電極3との間で火
花放電ギャップgが形成される。
【0043】中心電極3及び接地電極4の本体部3a及
び4aはNi合金で構成されている。一方、上記中心電
極側発火部31及び接地電極側発火部32は、主金属元
素成分として62〜97質量%のRhを含有し、さらに
添加金属元素成分として、Re、Ru、Ir、W、Mo
及びOsから選ばれる1種又は2種以上を3〜38質量
%、例えばIrを13〜30質量%の範囲にて含有する
Rh系貴金属合金を主体に構成されている。
【0044】図2(a)に示すように、中心電極3の本
体部3aは先端側が縮径されるとともにその先端面が平
坦に構成され、ここに中心電極側発火部31の上記合金
組成が得られるように組成調整された円板状のチップ3
1'を重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレ
ーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接部
Bを形成してこれを固着することにより中心電極側発火
部31が形成される。また、接地電極側発火部32は、
中心電極側発火部31に対応する位置において接地電極
4にチップ32'を位置合わせし、その接合面外縁部に
沿って同様に溶接部Wを形成してこれを固着することに
より形成される。
【0045】これらチップは、例えば所期の組成となる
ように各合金成分を配合・溶解することにより得られる
溶解合金を熱間圧延により板状に加工し、図4に示すよ
うに、その板材300を熱間打抜加工により所定のチッ
プ形状に打ち抜いて形成されたものを使用できる。図2
(b)は、このようなチップを用いて中心電極側発火部
31及び接地電極側発火部32(以下、両者を総称する
場合には、発火部31,32とも記す)を形成した例を
模式的に示すものである。なお、チップは、図5に示す
ように、合金を熱間鍛造、熱間圧延及び熱間伸線の1種
又は2種以上の組合せにより線状あるいはロッド状の素
材210に加工した後、これを長さ方向に所定長に切断
して形成したものを使用してもよい。例えば、熱間鍛造
によりロッド状に加工した後、溝付圧延ロールによる熱
間圧延と、熱間スエージングによりさらに縮径し、最終
的に熱間伸線により1mm以下の線径の線材に加工する
ことができる。図2(c)は、このようなチップを用い
て発火部31,32を形成した例を模式的に示すもので
ある。
【0046】以下、スパークプラグ100の作用につい
て説明する。すなわち、スパークプラグ100は、その
ねじ部7においてエンジンブロックに取り付けられ、燃
焼室に供給される混合気への着火源として使用される。
ここで、その火花放電ギャップgを形成する中心電極側
発火部31及び接地電極側発火部32を構成するRh系
貴金属合金は、いずれも主金属元素成分としてRhを使
用し、さらにこれに添加金属元素成分として、Re、R
u、Ir、W、Mo及びOsから選ばれる1種又は2種
以上を3〜38質量%の範囲にて配合していることか
ら、耐熱性及び耐酸化消耗性が良好である。発火部3
1,32を構成する上記組成のRh系貴金属合金は、I
r系貴金属合金と比較してはるかに優れた加工性を有
し、発火部を形成するためのRh系貴金属合金チップを
極めて能率よくかつ高歩留まりで製造できることから、
製造コスト低減にも大幅に寄与する。さらに、Rh系貴
金属合金は耐鉛腐食性に優れており、発火部31,3
2、特に接地電極側発火部32の鉛腐食による消耗を極
めて効果的に抑制することができる。
【0047】次に、上記の発火部31,32は、図3に
ごく模式的に示すように、そのRh系貴金属合金が以下
のような組織を呈するものとなるように構成できる。す
なわち、主成分元素たるRhを主体とする主成分系相領
域50と、添加金属元素成分の含有量が主成分系相領域
よりも多く、かつ主成分元素の含有量が主成分系相領域
の97%以下となる添加金属元素系相領域51とがそれ
ぞれ偏平形状あるいは繊維状をなして、中心電極側発火
部31における電圧印加方向(すなわち、図1において
中心電極3の軸線Oの方向)に対し、これと略直交ある
いは略平行となるように、多数層状に積層された組織と
する。
【0048】例えば合金原料を所期の比率で配合し、こ
れを溶解して合金インゴットを作った場合、相分離や成
分偏析等により前述の主成分系相領域50と添加金属元
素系相領域51とが形成されることが多い。この合金イ
ンゴットを、図4に示すように、例えば700℃前後に
加熱して熱間圧延により板材300にすると、該板材3
00中には、主成分系相領域50と添加金属元素系相領
域51とが、板厚方向に多数積層された組織が生ずる。
このような板材300は、例えば熱間打抜きにより円板
状に打ち抜くことにより、あるいは放電加工により円板
状に切り出すことにより、軸方向に主成分系相領域50
と添加金属元素系相領域51とが積層されたチップ15
0が得られる。
【0049】このようなチップを用いることで、例えば
図2(b)に模式的に示すように、発火部31,32
は、中心電極3の軸線方向(あるいは、放電電圧の印加
方向)において、偏平形状をなす主成分系相領域50と
添加金属元素系相領域51とが多数積層された構造を有
するものとなる。この構成では、添加金属元素成分の分
布に縞状の濃淡が生じ、その濃淡縞の方向を、発火部に
おける電圧印加方向(すなわち放電方向)とほぼ直角と
することができる。これにより、両発火部31,32の
消耗を効果的に抑制することができ、ひいては火花放電
ギャップgの幅の増加を効果的に抑制できる。
【0050】なお、図4において、熱間圧延加工により
板材300中に上記層状組織が形成される理由として
は、次のようなことが考えられる。まず、合金原料はい
ずれも非常に高融点の貴金属であるから、次のような手
法による少量バッチ生産方式を採用するのが有利である
と考えられる。すなわち、図6(a)に示すように、耐
火性の容器62に各原料金属60を所期の組成となるよ
うに配合し、誘導加熱コイル(あるいは、レーザービー
ム、プラズマアークビーム等でもよい)等の熱源63に
より、原料配合物を局所溶解させ、同図(b)に示すよ
うに、その溶解領域200aを所定の方向に徐々に移動
させることにより全体を溶解させる。なお、均質な合金
を得るためには、該方式の溶解を複数回繰り返すことが
望ましい。
【0051】ここで、溶解領域200aは、既に凝固済
みの合金部分200bによって指向的に冷却されるた
め、主成分系相領域50中に添加金属元素系相領域51
が析出形成される場合、これら各相は冷却方向に優先析
出しやすくなると考えられる。その結果、得られる合金
インゴット200は、図6(c)に示すように、添加金
属元素系相領域51が主成分系相領域50中において、
熱源63の移動方向に長く延びた層状(あるいは柱状)
の組織を呈するものになると考えられる。
【0052】そして、図7に示すように、これを、添加
金属元素系相領域51と主成分系相領域50との積層方
向が圧下方向となるように1ないし複数回熱間圧延する
と(温度:例えば約700℃)、インゴット200は厚
みを減じて板材300となる。このとき、添加金属元素
系相領域51と主成分系相領域50とは、その厚みを減
ずる形でもとの積層構造は維持するものと考えられるか
ら、結果的に板材300は図6のような層状組織を有す
るものになると推測される。
【0053】なお、合金インゴット200の結晶粒は、
前述の指向性冷却の影響で圧延前の状態では、添加金属
元素系相領域51と主成分系相領域50とに対応して、
長く引き伸ばされた形状になっていることも考えられ
る。しかしながら、これに上述の温度域で熱間圧延を施
すと、いわゆる動的再結晶によって結晶粒が微細化する
こともある。その一方で、上記熱間圧延温度は、多くの
系において合金が単相化する温度よりはかなり低いた
め、結晶の微細化とは関係なく、添加金属元素系相領域
51と主成分系相領域50との層状構造は少なくとも部
分的に維持される可能性が高い。その結果、図8に示す
ように、各領域50及び51の少なくとも一部のもの
が、それぞれ多数の結晶粒50aないし51aが集合し
て形成される偏平な集合粒領域となり、その集合粒領域
の単位で互いに積層された組織が形成されることもあり
うる。
【0054】なお、図9(a)に示すように、インゴッ
トの状態で添加金属元素系相領域51と主成分系相領域
50とが層状形態をなさず、例えば等軸晶に比較的近い
組織を有していた場合でも、熱間圧延により潰れて、同
図(b)に示すような層状組織が形成されることもあり
うる。
【0055】また、別の推測される機構としては、熱間
圧延中あるいは圧延後の冷却過程において、添加金属元
素系相領域51が主成分系相領域50中に層状形態に析
出することも考えられる。
【0056】一方、上記発火部31,32を構成するチ
ップとして、例えば図5に示すように、主成分系相領域
50と添加金属元素系相領域51とが、それぞれ一方向
に延伸された棒状ないし繊維状に形成されたチップ15
0を使用するようにしてもよい。このようなチップを用
いると、例えば図2(c)に模式的に示すように、発火
部31,32は、中心電極3の軸線方向(あるいは、放
電電圧の印加方向)と直交する向きにおいて、偏平形状
あるいは繊維状をなす主成分系相領域50と添加金属元
素系相領域51とが多数積層された構造を有するものと
なる。この構成でも、添加金属元素成分の分布に縞状の
濃淡が生じるが、その濃淡縞の方向は、発火部における
電圧印加方向(すなわち放電方向)とほぼ平行となる。
この態様においては、例えば剥離消耗発生時に火花放電
ギャップgの間隔を維持しやすい効果が達成される点に
ついては既に説明した通りである。また、上記チップ1
50は、例えば図6に示す方法により製造された前述の
インゴット200を、図5に示すように熱間鍛造(例え
ば熱間スエージング)等により円柱状に加工してロッド
210とし、さらに熱間圧延あるいは熱間伸線により線
材となして、これを放電加工等により軸方向に所定の厚
さで切断することにより、高歩留まりにて製造すること
ができる。
【0057】また、図10に示すような構造とすること
もできる。すなわち、このスパークプラグ100では、
中心電極3の先端面に上記チップ150を固着して中心
電極側発火部31を形成する一方、接地電極4は複数設
けられ、それぞれ一端が主体金具1に結合されるととも
に、他端側が中心電極3側に曲げ返されて、その先端面
が中心電極側発火部31の側面と対向するように配置さ
れる。この場合、中心電極側発火部31は、偏平形状を
なす主成分系相領域50と添加金属元素系相領域51と
が、中心電極3の軸線方向とほぼ直交する向きに(すな
わち、電圧印加方向とは略平行に)積層された組織を有
するものとして形成できる。これにより、放電面となる
中心電極側発火部31の側面における消耗を効果的に抑
制することができる。
【0058】なお、発火部を形成するチップは、また、
アトマイズ法等により製造した球状粒子を用いて形成し
てもよい。具体的には、合金溶湯をガスアトマイズ法に
より球状粒子化し、所定範囲の寸法のものをフルイ等に
より分級した後、各球状粒子をプレス等により扁平化し
てチップとすることができる。
【0059】図11は、接地電極側発火部32の種々の
形成方法を示すものである。図11(a)に示すよう
に、前記した方法により製造されたRh系貴金属合金か
らなるチップ150を接地電極4の側面に重ね合わせ、
両者を挟圧しながらその挟圧方向に通電して抵抗発熱す
ることにより、(b)に示すように、チップ150はそ
の重ねあわせ面に対応して界面溶接部W2が形成され、
接合されて接地電極側発火部32となる。接地電極4の
母材はNi合金、例えば高温強度や耐腐食性を確保する
ために、INCONEL600やINCONEL601(いずれも、英国INCO
社の商標名)などのNi基耐熱合金にて構成できる。R
h系貴金属合金の融点は接地電極母材のNi基耐熱合金
よりも相当高いため、抵抗溶接時には接地電極母材側が
先に軟化し、チップ150は接地電極母材に一部が埋め
込まれる形で接合される。
【0060】また、接地電極母材を構成するNi合金
は、Rh系貴金属合金との間で熱膨張率にかなりの開き
があることから、燃焼室内にて特に高温に曝されやすい
接地電極4側の接地電極側発火部32は、その冷熱サイ
クルにより剥がれ等の問題を生じる場合がある。この場
合、図11(d)に示すように、接地電極側発火部32
は、前記接地電極母材よりもNi含有率の低いNi含有
合金(例えばIr−40質量%Ni合金)からなる応力
緩和層161を介して母材に接合することができる。応
力緩和層161は、接地電極母材と接地電極側発火部3
2との中間の熱膨張率を有し、これを両者の間に介在さ
せることで、接地電極側発火部32の接合側の界面に過
度の熱応力が集中することが防止され、発火部剥離等の
不具合を生じにくくすることができる。
【0061】応力緩和層161は、例えば図11(c)
に示すように、応力緩和層161の形成素材となる金属
板材160を挟む形でチップ150を接地電極4上に重
ね、同様に抵抗溶接することにより形成することができ
る。この場合、金属板材160は接地電極母材側に圧入
されつつ界面溶接部W4を介して接合され、応力緩和層
161となる。また、チップ150はこの応力緩和層1
61に界面溶接部W3を介して接合され、接地電極側発
火部32となる。
【0062】なお、接地電極側発火部32は、図11
(e)に示すように、接地電極4の側面の先端縁側に寄
せて形成してもよい。また、図2において、接地電極側
発火部32のみRh系貴金属合金にて構成し、中心電極
側発火部31をIr系貴金属合金にて構成してもよい。
さらに、接地電極4の母材中に、CuあるいはCu合金
にて構成された熱引き改善用の芯材4aを埋設すること
もできる。これにより、接地電極側発火部32の鉛腐食
あるいは火花消耗を一層効果的に抑制することができ
る。なお、図1に示すように、中心電極3の母材中にも
同様の芯材3aを埋設することができる。
【0063】また、図2の構成では、接地電極側発火部
32の外径は0.6〜1.6mm、厚さを0.2〜0.
8mmとすることが望ましい。いずれも上限値を超える
ことは、発火部の寸法が不必要に大きくなりすぎて材料
の無駄が生じやすくなる不具合につながる。他方、発火
部32の外径が0.6mm未満になると、中心電極側発
火部31に対し、接地電極側発火部32の中心軸を位置
合わせしにくくなり、中心電極側発火部31の偏消耗等
を生じやすくなる。また、接地電極側発火部32の厚さ
が0.2mm未満になると、接地電極側発火部32の寿
命を十分に確保することが難しくなる。
【0064】
【実施例】(実施例1)Rhに対し、Re、W、Ru、
Ir、Os及びMoを各種比率にて配合・溶解すること
により、表1の各種組成を有する合金を作製した。この
合金に対し、温度700℃で熱間圧延を行い、厚さ0.
5mmの板材に加工した。次いで、上記得られた板材を熱
間打抜加工(温度700℃以上)することにより、直径
0.7mm、厚さ0.5mmの円板状のチップを得た(番号
1〜23)。なお、比較例として、Pt−13質量%I
r合金(番号21)、Ir−5質量%Pt(番号22)
の2種類の溶解合金を用いて、同様のチップを作製し
た。また、公知の粉末焼結法により、Ir−1.7質量
%Y合金のチップも作製した(番号23)。な
お、圧延中は試料温度が常に700℃以上に保持される
よう、一定パス毎に所定の炉を用いて試料を加熱した。
なお、各合金の加工性の評価は次のようにして行った。
すなわち、上記得られた板材を700℃以上に保持し、
その状態で所定の金型により直径0.7mm、厚さ0.5
mmの円板状のチップを打ち抜く加工を連続して行った。
そして、打抜きを1000回以上繰り返しても正常に打
抜きが行えたものを「○」、800回程度でチップに割
れや欠けが生じたり金型に損傷が生じたものを「△」、
100回未満でチップに割れや欠けが生じたり金型に損
傷が生じたものを「×」として評価した。
【0065】次に、表記各組成のチップを、大気中にて
1050℃で20時間保持した後、各試験片の重量減少
を測定することにより、耐酸化性の評価を行った。ま
た、それらチップを用いて、図1に示すスパークプラグ
100の中心電極側発火部31及び接地電極側発火部3
2を火花放電ギャップgの幅が1.1mmとなるように形
成するとともに、耐火花消耗性試験を以下の条件にて行
った。すなわち、プラグを試験用チャンバに取り付ける
とともにフルトランジスタ型イグナイタに接続し、チャ
ンバ内空気圧0.4MPa(約4気圧)、最大電圧30
kVにて周波数100Hzの交流電圧を250時間印加
し、火花放電ギャップgの幅の増加量を測定した。ま
た、各プラグの実機耐久性試験を以下の条件にて行っ
た。すなわち、6気筒ガソリンエンジン(排気量200
0cc)にそれらプラグを取り付け、スロットル全開状
態、エンジン回転数5000rpmにて、中心電極側が
負となる極性にて400時間運転を行なった。なお、燃
料は、Pb含有率が1ppm未満の無鉛ガソリンを使用
した。火花放電ギャップgの拡大量が0.2mm未満の
ものを優(◎)、0.2〜0.5mmのものを良
(○)、0.6〜0.9mmのものを可(△)、0.9
mmを超えるものを不可(×)として評価した。以上の
結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】チップ材料として、本発明の請求項の範囲
内にある合金を使用した場合は、耐酸化性、耐火花消耗
性、加工性及び実機耐久性の全てにおいて良好な結果が
得られていることがわかる。一方、比較例については、
Pt系の合金を使用した番号16において、発火部の発
汗現象によるものと思われるギャップ縮小が見られた。
また、Ir系の合金を使用した番号17及び18におい
ては、耐酸化消耗性が不十分となった。
【0068】(実施例2)接地電極側発火部形成用のチ
ップを以下のようにして製造した。まず、Rhに対しI
rを2〜80質量%の各種比率にて配合・溶解すること
により、各種組成のIr−Rh合金を作製した。この合
金を、1200℃にて熱間鍛造、熱間圧延及び熱間スエ
ージングし、さらに熱間伸線することにより、外径1m
mの合金線材を得た。これを長手方向に切断すること
に、各組成について直径1mm、厚さ0.3mmの円板状の
チップを得た。また、中心電極側発火部形成用のチップ
は、合金組成をIr−5質量%Ptとして、同様の方法
により直径0.7mm、厚さ0.3mmの円板状のチップを
得た。接地電極側発火部形成用のチップは、INCONEL600
製の接地電極母材に抵抗溶接により溶接し、中心電極側
発火部形成用のチップは、INCONEL600製の中心電極母材
にレーザー溶接により溶接して、図1ないし図2に示す
形態のスパークプラグを製造した。
【0069】そして、各スパークプラグは、6気筒ガソ
リンエンジン(排気量2000cc)に取り付け、4メ
チル鉛を0.04質量%含有する有鉛ガソリンを燃料と
して、スロットル全開状態、エンジン回転数5000r
pmにて、中心電極側が負となる極性にて100時間運
転を行なった。運転終了後、接地電極の軸線を含む断面
を光学顕微鏡にて観察し、図12(a)に示すように、
チップ寸法から見積もられる初期発火部断面寸法から
の、断面腐食部面積を測定した。結果を図12(b)に
示す。すなわち、Ir含有量が2〜38質量%、すなわ
ちRh含有量が62〜98質量%の範囲にて、腐食部発
生に伴う断面腐食部面積が小さく、耐鉛腐食性が向上し
ていることがわかる。
【0070】(実施例3)実施例1と同じスパークプラ
グを用いて、四メチル鉛を0.04質量%含有する有鉛
ガソリンを燃料とし、試験時間を90時間とした以外
は、実施例1と同じ条件によりの実機耐久試験を行い、
これを耐鉛腐食性とした。そして、接地電極側発火部に
ついて、チップ寸法から見積もられる初期発火部断面寸
法からの断面腐食部面積が、0.05mm未満のもの
を優(◎)、0.05mm以上0.1mm未満のも
のを良(○)、0.1mm以上0.15mm未満の
ものを可(△)、0.15mm以上のもののものを不
可(×)として評価した。以上の結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】表1の結果と対照させることにより、発火
部の合金組成として、Rh含有量が62質量%以上とな
るように添加金属元素量を調整したものは、耐火花消耗
性と耐鉛腐食性とを両立できていることがわかる。
【0073】(実施例4)実施例1と同形のスパークプ
ラグを、接地電極側の発火部をRh系貴金属により、ま
た、中心電極側の発火部をIr系貴金属により、以下の
3種類にて作製した(接地電極側発火部組成/中心電極
側発火部組成にて表す): Rh−38質量%Ir/Ir−20質量%Rh; Rh−38質量%Ir/Ir−5質量%Pt; 純Rh(純度99質量%以上)/Ir−5質量%P
t。
【0074】上記3つのスパークプラグにつき、実施例
1と同じ条件の実機耐久性試験及び実施例3と同じ耐鉛
腐食性試験をそれぞれ行ない、同様に評価した。その結
果、耐鉛腐食性に関しては、が○、が○、が◎、
実機耐久性に関しては、、、ともに○であり、い
ずれも良好な結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパークプラグの一実施例を示す正面
部分断面図。
【図2】その要部を示す拡大断面図。
【図3】その発火部の合金組織の模式図。
【図4】発火部形成用のチップの、製造方法の一例を示
す説明図。
【図5】同じくその変形例を示す説明図。
【図6】チップの原料合金インゴットの、製造方法の一
例を示す工程説明図。
【図7】チップ製造用の合金板材の製造工程説明図。
【図8】発火部の合金組織の一例を拡大して示す模式
図。
【図9】圧延により組織が偏平化する様子を示す模式
図。
【図10】本発明のスパークプラグの変形例を示す正面
図。
【図11】接地電極側発火部の形成方法をいくつか例示
して示す説明図。
【図12】実施例2の鉛腐食評価方法の説明図及び実験
結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 主体金具 2 絶縁体 3 中心電極 4 接地電極 31 発火部 32 対向する発火部 g 火花放電ギャップ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心電極と、その中心電極の外側に設け
    られた絶縁体と、その絶縁体の外側に設けられた主体金
    具と、前記中心電極と対向するように配置された接地電
    極と、それら中心電極と接地電極との少なくとも一方に
    固着されて火花放電ギャップを形成する発火部とを備
    え、 前記発火部が、Rhを主成分とし、さらに添加金属元素
    成分として、Re、Ru、Ir、W、Mo及びOsから
    選ばれる1種又は2種以上を3〜38質量%の範囲にて
    含有するRh系貴金属合金を主体に構成されたことを特
    徴とするスパークプラグ。
  2. 【請求項2】 前記発火部が、主金属元素成分として6
    0〜97質量%のRhを含有し、さらに添加金属元素成
    分として、Re、Ru、Ir、W、Mo及びOsから選
    ばれる1種又は2種以上を3〜35質量%の範囲にて含
    有するRh系貴金属合金を主体に構成された請求項1記
    載のスパークプラグ。
  3. 【請求項3】 前記添加金属元素成分を5〜15質量%
    の範囲にて含有する請求項1記載のスパークプラグ。
  4. 【請求項4】 前記添加金属元素成分は、Re、Mo、
    Ir及びRuの少なくともいずれかを主体とするもので
    ある請求項1ないし3のいずれかに記載のスパークプラ
    グ。
  5. 【請求項5】 前記発火部のRhの含有量が62〜97
    質量%である請求項1ないし4のいずれかに記載のスパ
    ークプラグ。
  6. 【請求項6】 前記接地電極は側面が前記中心電極の先
    端面と対向する形にて配置され、該接地電極側に固着さ
    れる接地電極側発火部が前記Rh系貴金属合金を主体に
    構成される請求項1ないし5のいずれかにに記載のスパ
    ークプラグ。
  7. 【請求項7】 前記中心電極の先端面に中心電極発火部
    が固着され、該中心電極側発火部がIrを主成分とする
    Ir系貴金属合金を主体に構成される請求項6記載のス
    パークプラグ。
  8. 【請求項8】 中心電極と、その中心電極の外側に設け
    られた絶縁体と、その絶縁体の外側に設けられた主体金
    具と、側面が前記中心電極の先端面と対向するように配
    置された接地電極と、前記接地電極の側面に固着される
    とともに、Rhを主成分とするRh系貴金属を主体に構
    成された接地電極側発火部と、前記中心電極の先端面に
    固着されるとともにIrを主成分とするIr系貴金属を
    主体に構成された中心電極側発火部とを備え、それら接
    地電極側発火部と中心電極側発火部との間に火花放電ギ
    ャップを形成したことを特徴とするスパークプラグ。
  9. 【請求項9】 前記Rh系貴金属はIrを3〜38質量
    %含有するものである請求項8記載のスパークプラグ。
  10. 【請求項10】 前記Rh系貴金属はIrを13〜30
    質量%含有するものである請求項8記載のスパークプラ
    グ。
  11. 【請求項11】 前記接地電極の母材がNiを主成分と
    するNi系貴金属合金にて構成され、前記接地電極側発
    火部は、前記接地電極母材よりもNi含有率の低いNi
    含有合金からなる応力緩和層を介して前記母材に接合さ
    れている請求項1ないし10のいずれかに記載のスパー
    クプラグ。
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