JP2001115095A - 抗菌防カビ性塗料組成物 - Google Patents

抗菌防カビ性塗料組成物

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JP2001115095A
JP2001115095A JP29805799A JP29805799A JP2001115095A JP 2001115095 A JP2001115095 A JP 2001115095A JP 29805799 A JP29805799 A JP 29805799A JP 29805799 A JP29805799 A JP 29805799A JP 2001115095 A JP2001115095 A JP 2001115095A
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antibacterial
coating composition
complex
isopropyltropolone
coating film
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Katsuya Shimizu
克也 清水
Shinichi Yamamoto
伸一 山本
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細菌、カビを問わず広範囲の菌種に対して優
れた効果を発揮し、しかも、紫外線などによる変色がな
く、かつ、毒性が低く安全な塗料組成物を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 トロポロン化合物の金属錯体を含有する
ことを特徴とする抗菌防カビ性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた抗菌防カビ
性を有する塗料組成物に関するものである。さらに詳し
くは、住宅、病院などの建造物の内外装用塗装をはじ
め、浴槽、トイレ、倉庫などの住宅設備の塗装などに有
用な、優れた抗菌防カビ性を有する塗料組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】塗料とは、塗装対象面に塗布して塗膜を
形成させることにより、対象面を水分や紫外線などの自
然劣化条件から守るとともに美観を付与するものであ
る。しかし、塗料は構成成分として各種の有機物を含ん
でいるため、製品保存時および塗膜形成後、各種微生物
による被害を受けやすい。すなわち、製品保存時におけ
る細菌やカビによる腐敗、塗膜形成後の細菌の増殖によ
るヒトの健康被害やカビの発生による環境汚染、美観損
傷などが発生し易い。特に近年、その安全性と取り扱い
の容易性から盛んに使用されるようになった水性塗料
は、溶剤型塗料に比べ塗膜面が比較的粗いため、塗膜表
面にカビが発生し易い傾向がある。こうした問題を解決
するため、各種の有機系抗菌剤を添加することが試みら
れている〔抗菌・防黴剤の使用技術と抗菌性試験・評価
(技術情報協会)、p276〕。
【0003】一方、特開平7−11195号公報には種
々の有機系抗菌剤を含有するワックスが開示されてい
る。しかし、これらの有機系抗菌剤は、細菌とカビの両
者に実用的効果を示すものはなく、しかも、比較的毒性
が高いという安全上の問題があった。一方、無機系抗菌
剤を添加する例も知られている。例えば、特開昭60−
202162号公報には抗菌作用を有する金属イオンを
担持したゼオライトを添加する例が、特開平5−593
08号公報には同様の金属イオンを担持したリン酸塩系
化合物を添加する例が開示されている。これらの無機系
抗菌剤のうち銀を用いたものは、適用菌種が比較的広
い。しかし、抗菌性発現の機構が菌との接触殺菌である
ため多量の配合を必要とすること、および銀イオンを含
有するため紫外線などにより変色するという問題があっ
た。このような変色は、上述のように近年盛んに用いら
れるようになった水性塗料において特に顕著である。こ
の変色を防止するため、ビス(ピリジン−2−チオール
−1−オキシド)亜鉛塩を併用する方法が開示されてい
る(特開平8−48917号公報)。しかし、該亜鉛塩
は毒性が比較的高いという問題があった。以上のように
従来技術では、細菌、カビを問わず広範囲の菌種に対し
て優れた効果を発揮し、しかも、紫外線などによる変色
がなく、かつ、毒性が低く安全な塗料組成物を得ること
はできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細菌、カビ
を問わず広範囲の菌種に対して優れた効果を発揮し、し
かも、紫外線などによる変色がなく、かつ、毒性が低く
安全な塗料組成物を提供することを目的とする。更に詳
しくは、住宅、病院などの建造物の内外装用塗装をはじ
め、浴槽、トイレ、倉庫などの住宅設備の塗装などに有
用な優れた抗菌防カビ性と安全性を兼ね備え、しかも、
耐候性に優れた塗料組成物を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、トロポロン化合物の
金属錯体を用いることにより、上記の目的が達せられる
ことを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、以下のとおりである。 (1)トロポロン化合物の金属錯体を含有することを特
徴とする抗菌防カビ性塗料組成物。 (2)トロポロン化合物が4−イソプロピルトロポロン
である上記(1)の抗菌防カビ性塗料組成物。 (3)トロポロン化合物の金属錯体が、4−イソプロピ
ルトロポロンの亜鉛錯体、銅錯体、銀錯体の群より選ば
れる1種または複数の金属錯体である上記(1)または
(2)の抗菌防カビ塗料組成物。 (4)銀イオンを担持させた無機系抗菌剤をさらに含有
する上記(1)から(3)のいずれかの抗菌防カビ性塗
料組成物。 本発明の塗料組成物において、トロポロン化合物の金属
錯体を含有することは必須要件である。
【0006】本発明で言うトロポロン化合物とは、下記
の一般式(1)で表される置換もしくは非置換のトロポ
ロン化合物であり、
【化1】 本発明で言うトロポロン化合物の金属錯体とは、下記の
一般式(2)で表されるものである。
【化2】
【0007】ただし、R1 からR3 は、水素、または直
鎖あるいは分岐のアルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、シクロアルキル基を表し、直鎖状または分岐状を
問わない。また、不飽和結合が含まれていてもかまわな
い。また、酸素、ケイ素、ハロゲンなどのヘテロ原子が
含まれていてもかまわない。アルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペ
ンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メ
チルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペ
ンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4
−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキ
シル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウ
ンデシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−メチル
−2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−
ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。アルケ
ニル基としては一般式−CH=CR4 5 で表され、ア
ルキニル基としては一般式−CHC−R4 で表される。
4 、R5 は水素または炭化水素基であり、例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチル
ブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチ
ル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メ
チルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシ
ル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウン
デシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニ
ル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルな
どが挙げられる。シクロアルキル基としては、例えば、
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−
シクロペンテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−
イル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、1−シ
クロヘキセン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イ
ル、3−シクロヘキセン−1−イル、1,3−シクロヘ
キサジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−
1−イル、シクロヘプチル、1−シクロヘプテン−1−
イル、2−シクロヘプテン−1−イル、3−シクロヘプ
テン−1−イル、4−シクロヘプテン−1−イル、シク
ロオクチル、1−シクロオクテン−1−イル、2−シク
ロオクテン−1−イル、シクロノニル、シクロデシルな
どが挙げられる。また、酸素が含まれるものとしては、
今まで述べた基に一般式−OR6 や一般式−COOR7
で表される置換基を有するものが挙げられる。R6 やR
7 は水素または炭化水素基であり、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メ
チルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、
1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−
メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペン
チル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オ
クチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n
−ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテ
ニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられ
る。また今まで述べた基にケイ素やフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素のようなハロゲンが含まれていてもかまわな
い。
【0008】上記一般式(1)で表されるトロポロン化
合物の中で、4位にイソプロピル基を有する4−イソプ
ロピルトロポロン(別名ヒノキチオール)や4−位にイ
ソプロペニル基を有するβ−ドラブリンは、青森ヒバや
台湾ヒノキの精油中に含まれる天然物であり、その安全
性の高さから、本発明の金属錯体を形成するトロポロン
化合物として好ましい。最も好ましいのは4−イソプロ
ピルトロポロンである。本発明のトロポロン化合物の金
属錯体を形成する金属の種類〔一般式(2)のM〕とし
ては、該化合物と錯体を形成し得るものであれば特に制
限はなく、Na、Ag、Mn,Cu、Zn、Fe、C
a、Mg、Ba、Al、Co、Ni、Mo、Bi、T
i、Ptなどの中から適宜選択すればよいが、抗菌性に
優れると言う意味でZn、Cu、Agが好ましい。該金
属錯体を形成する金属イオンの価数〔一般式(2)の
n〕は、各イオンが自然界に安定に存在し得る価数であ
ればいくつでもよい。該金属錯体における金属イオンに
対するトロポロン化合物のモル比〔一般式(2)のm〕
は特に制限はないが、2もしくは1が好ましい。
【0009】本発明のトロポロン化合物としては、天然
物や合成品の市販品や公知の方法で合成したものを使用
することができる。本発明のトロポロンの金属錯体を合
成する方法は特に制限はないが、例えば、トロポロン化
合物自身もしくはそのNa塩と上記金属の塩(例えば、
塩化物や硝酸塩)を反応させることにより合成できる。
また、トロポロン化合物自身もしくはそのNa塩と金属
石鹸(例えば、金属ステアレート)を反応させことによ
っても合成できる。
【0010】本発明において、塗料組成物にトロポロン
化合物の金属錯体を配合する方法も特に制限はないが、
例えば、上記のような方法で予め合成したトロポロン化
合物の金属錯体を塗料組成物に配合する方法の他、塗料
組成物中で該金属錯体を発生させてもよい。例えば、塗
料組成物に対し、金属塩(もしくは金属石鹸など)とト
ロポロン化合物のNa塩を別々に添加して、塗料組成物
中で該金属錯体を発生させる方法や、金属塩(もしくは
金属石鹸など)とトロポロン化合物をそれぞれ別々の塗
料成分に配合しておき、該成分を用いて塗料組成物を調
製することにより、塗料組成物中にトロポロン化合物の
金属錯体を発生させる方法などを採用することができ
る。
【0011】本発明における塗料組成物において、塗膜
形成要素、塗膜形成助要素などに特に制限はない。すな
わち、本発明は、水性塗料および有機溶剤型塗料をはじ
め、粉体塗料などの無溶剤型塗料にも適用できる。ま
た、これらにおける塗膜形成主要素(樹脂)の種類も問
わず、合成樹脂、天然樹脂のいずれでもよい。また、本
発明は、無機塗料にも適用することができる。水性塗料
としては、水溶液型とエマルジョン型があげられ、樹脂
成分としては、例えば、アルキド樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコ
ン樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、
ウレタン樹脂およびこれらの変性樹脂などがあげられ、
これらは単独もしくは2種以上組み合わせて用いること
ができる。なお、この中には、架橋型アクリルエマルジ
ョンや該エマルジョンと水性ポリウレタン樹脂との併用
による架橋型エマルジョンも含まれる。一方、有機溶剤
型塗料の樹脂成分としては、例えば、アルキド樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素
樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メ
ラミン樹脂、ウレタン樹脂およびこれらの変性樹脂など
があげられ、これらは単独もしくは2種以上組み合わせ
て用いることができる。また、これらの中には架橋型の
樹脂も含まれる。有機溶剤型塗料における溶剤の種類も
何ら制限はなく、用途に応じて適宜選択できる。例え
ば、脂肪族系および芳香族系溶剤、植物性溶剤、アルコ
ール類溶剤、エステル系溶剤、ケトン系・エーテル系溶
剤、塩素化合物溶剤などがあげられる。
【0012】本発明の塗料組成物としては、床などに塗
布するワックス類も包含され、それらに応用された場合
においても、本発明の効果が得られる。また、固体材料
を接合・固着させるために対象物表面に処理する接着媒
体として使用される接着剤も、呼称が異なるとはいえ、
実際の使用場面では対象物表面に処理被膜を形成させる
という本質的に同じ使われ方がなされ、組成上も共通点
が多いことから、広義の塗料組成物と考えることがで
き、本発明の効果が得られる分野である。
【0013】本発明の塗料組成物において、トロポロン
化合物の金属錯体を含有する量は、塗料組成物に対して
0.01重量%から20重量%が好ましい。0.01重
量%未満では十分な抗菌、防カビ効果が得られず、20
重量%を越えると塗膜形成能力や色調が損なわれる。該
化合物のさらに好ましい含有量は0.02重量%から1
5重量%であり、最も好ましい含有量は0.05重量%
から10重量%である。
【0014】本発明の塗料組成物は、トロポロン化合物
の金属錯体に加え、必要に応じ銀イオンを担持させた無
機系抗菌剤をさらに含有することが好ましい。該無機系
抗菌剤をさらに含有させることにより持続性がさらに向
上し、適用菌種もさらに広くなる。該無機系抗菌剤とし
ては特に制限はなく、公知のものを用いればよい。例え
ば、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライト、
ヒドロキシアパタイト、リン酸ジルコニウム、リン酸チ
タン、チタン酸カリウム、含水酸化ビスマス、含水酸化
ジルコニウム、ハイドロタルサイトなどに銀イオンを担
持させたものがあげられる。該無機系抗菌剤を含有させ
る量は、塗料組成物に対して0.01重量%から20重
量%が適当であり、されに好ましくは0.05重量%か
ら10重量%である。本発明の塗料組成物には、トロポ
ロン化合物の金属錯体に加え、必要に応じベンゾトリア
ゾール系やシアノアクリレート系の紫外線吸収剤やヒン
ダードアミン系光安定剤を配合することができる。ま
た、ヒンダードフェノール系やリン系、イオウ系の酸化
防止剤も、用途に応じて配合することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、実施例などを挙げて本発
明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施
例などにより何ら限定されるものではない。なお、本発
明の実施例などにおける各種試験は、以下の方法で実施
した。 〈塗料組成物の防腐試験〉約1×106 /mlに希釈し
た黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、クロカビの混合懸
濁液1mlを塗料組成物を含む容器に接種した。容器を
密閉し、28℃×7日間培養した後、塗料組成物中の生
菌数を調べた。 〈塗膜の抗菌防カビ試験〉30×30mmのろ紙に、塗
料組成物を刷毛で塗布し、室温で7時間乾燥させて試験
片を作成した。該試験片を寒天入りブイヨン培地の入っ
たプラスチックシャーレ中央に置き、これに塗料組成物
の防腐試験と同じ混合懸濁液1mlを接種した。37℃
で7日間培養した後、該シャーレ内の菌生育の程度を調
べた。 〈塗膜の耐候性試験〉30×30mmのガラス板2枚
に、塗料組成物を刷毛で塗布し、室温で2時間乾燥させ
た後、さらに、その上に該塗料組成物を同様な方法で塗
布し、室温で7日間乾燥させて試験塗板2枚を得た。該
試験塗板の1枚に対し紫外線殺菌灯を24時間照射し、
もう一枚の試験塗板と色調を比較した。
【0016】
【参考実施例1】本発明の実施例で使用するトロポロン
化合物の亜鉛錯体の合成法を以下に示す。純水20.5
2gに96%水酸化ナトリウム0.277gを溶解して
水酸化ナトリウム水溶液を調製した。該水溶液に4−イ
ソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)1.089g
を加え、50℃で10分間撹拌して溶解させ、4−イソ
プロピルトロポロンのNa塩の水溶液を得た。該水溶液
に対し、塩化亜鉛0.451gを純水10.117gに
溶解して調製した塩化亜鉛水溶液を滴下し、4−イソプ
ロピルトロポロン亜鉛錯体を析出させた。析出した錯体
をろ過、乾燥し、4−イソプロピルトロポロン亜鉛錯体
を得た。
【0017】
【参考実施例2】本発明の実施例で使用するトロポロン
化合物の銅錯体の合成法を以下に示す。純水25.42
5gに96%水酸化ナトリウム0.308gを溶解して
水酸化ナトリウム水溶液を調製した。該水溶液に4−イ
ソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)1.212g
を加え、50℃で10分間撹拌して溶解させ、4−イソ
プロピルトロポロンのNa塩の水溶液を得た。該水溶液
に対し、硝酸銅3水和物0.893gを純水1.529
gに溶解して調製した硝酸銅水溶液を滴下し、4−イソ
プロピルトロポロン銅錯体を析出させた。析出した錯体
をろ過、乾燥し、4−イソプロピルトロポロン銅錯体を
得た。
【0018】
【参考実施例3】本発明の実施例で使用するトロポロン
化合物の銀錯体の合成法を以下に示す。純水21.95
9gに96%水酸化ナトリウム0.286gを溶解して
水酸化ナトリウム水溶液を調製した。該水溶液に4−イ
ソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)1.127g
を加え、50℃で10分間撹拌して溶解させ、4−イソ
プロピルトロポロンのNa塩の水溶液を得た。該水溶液
に対し、硝酸銀1.170gを純水1.279gに溶解
して調製した硝酸銀水溶液を滴下し、4−イソプロピル
トロポロン銀錯体を析出させた。析出した錯体をろ過、
乾燥し、4−イソプロピルトロポロン銀錯体を得た。
【0019】
【実施例1】アクリルエ系樹脂43%含有エマルジョン
70%、二酸化チタン10%、4%ヒドロキシエチルセ
ルロース10%、25%デモールEP(花王(株)製)
8%、水2%からなるアクリル樹脂系エマルジョン塗料
100gをガラス製容器に入れた。該塗料に対し、参考
実施例1の方法で合成した4−イソプロピルトロポロン
亜鉛錯体を1.0重量%添加し、撹拌混合して得られた
塗料組成物につき防腐試験を行った結果、生菌数は0で
あった。また、塗膜の抗菌防カビ試験の結果、菌の生育
は全く認められなかった。さらに、塗膜の耐候性試験に
おける変色も全く認められなかった。本実施例は本発明
の必須要件であるトロポロン化合物の金属錯体を含有し
ているので、塗料組成物ならびに塗膜の抗菌防カビ効果
が優れているのみでなく、紫外線照射による変色も全く
認められない。
【0020】
【実施例2】実施例1において、4−イソプロピルトロ
ポロン亜鉛錯体の代わりに参考実施例2の方法で合成し
た4−イソプロピルトロポロン銅錯体を1.0重量%添
加した以外は、実施例1と同様の方法で調製した塗料組
成物につき防腐試験を行った結果、生菌数は0であっ
た。また、塗膜の抗菌防カビ試験の結果、菌の生育は全
く認められなかった。さらに、塗膜の耐候性試験におけ
る変色も全く認められなかった。本実施例は本発明の必
須要件であるトロポロン化合物の金属錯体を含有してい
るので、塗料組成物ならびに塗膜の抗菌防カビ効果が優
れているのみでなく、紫外線照射による変色も全く認め
られない。
【0021】
【実施例3】実施例1において、4−イソプロピルトロ
ポロン亜鉛錯体の代わりに参考実施例3の方法で合成し
た4−イソプロピルトロポロン銀錯体を0.5重量%添
加した以外は、実施例1と同様の方法で調製した塗料組
成物につき防腐試験を行った結果、生菌数は0であっ
た。また、塗膜の抗菌防カビ試験の結果、菌の生育は全
く認められなかった。さらに、塗膜の耐候性試験におけ
る変色も全く認められなかった。本実施例は本発明の必
須要件であるトロポロン化合物の金属錯体を含有してい
るので、塗料組成物ならびに塗膜の抗菌防カビ効果が優
れているのみでなく、紫外線照射による変色も全く認め
られない。
【0022】
【実施例4】アクリル系樹脂エマルジョン31重量%、
スチレンマレイン酸共重合体エマルジョン5重量%、低
分子量ポリエチレンエマルジョン5.78重量%、グリ
コールエーテル6.34重量%、トリブトキシエチルホ
スフェイト1.11重量%、消泡剤0.02重量%、レ
ベリング剤1.85重量%、香料0.09%、水48.
55重量%からなる塗料(ワックス)100gをガラス
容器に入れた。該塗料に対し、参考実施例1の方法で合
成した4−イソプロピルトロポロン亜鉛錯体を1.0重
量%添加し、撹拌混合して得られた塗料組成物につき防
腐試験を行った結果、生菌数は0であった。また、塗膜
の抗菌防カビ試験の結果、菌の生育は全く認められなか
った。さらに、塗膜の耐候性試験における変色も全く認
められなかった。
【0023】
【実施例5】酢酸ビニル樹脂40重量%、二酸化チタン
5重量%、クレー12重量%、ジブチルフタレート10
重量%、ポリビニルアルコール5重量%、アニオン界面
活性剤0.5重量%、ノニオン界面活性剤0.5重量
%、金属塩2.5重量%、キシレン10重量%、水1
4.8重量%からなる塗料(接着剤)をガラス容器に入
れた。該塗料に対し、参考実施例1の方法で合成した4
−イソプロピルトロポロン亜鉛錯体を1.0重量%添加
し、撹拌混合して得られた塗料組成物につき防腐試験を
行った結果、生菌数は0であった。また、塗膜の抗菌防
カビ試験の結果、菌の生育は全く認められなかった。さ
らに、塗膜の耐候性試験における変色も全く認められな
かった。本実施例は本発明の必須要件であるトロポロン
化合物の金属錯体を含有しているので、塗料組成物なら
びに塗膜の抗菌防カビ効果が優れているのみでなく、紫
外線照射による変色も全く認められない。
【0024】
【比較例1】実施例1において、4−イソプロピルトロ
ポロン亜鉛錯体の代わりに2−(4−チアゾリル)ベン
ツイミダゾール(TBZ)を1.0重量%添加した以外
は、実施例1と同様の方法で調製した塗料組成物につ
き、防腐試験および塗膜の抗菌防カビ試験を行った結
果、黄色ブドウ球菌、大腸菌および緑膿菌の生育が認め
られた。また、塗膜の耐候性試験の結果、塗膜の変色が
認められた。本比較例は本発明の必須要件であるトロポ
ロン化合物の金属錯体を含有していないので、塗料組成
物ならびに塗膜の抗菌効果が不十分である。また、外線
照射による変色も認められる。
【0025】
【比較例2】実施例1において、4−イソプロピルトロ
ポロン亜鉛錯体の代わりにビス(ピリジン−2−チオー
ル−1−オキシド)亜鉛塩(ZPT)を1.0重量%添
加した以外は、実施例1と同様の方法で調製した塗料組
成物につき、防腐試験および塗膜の抗菌防カビ試験を行
った結果、緑膿菌の生育が認められた。また、塗膜の耐
候性試験の結果、塗膜の変色が認められた。本比較例は
本発明の必須要件であるトロポロン化合物の金属錯体を
含有していないので、塗料組成物ならびに塗膜の抗菌効
果が不十分である。また、外線照射による変色も認めら
れる。
【0026】
【比較例3】実施例1において、4−イソプロピルトロ
ポロン亜鉛錯体の代わりに銀イオン担持合成ゼオライト
(シナネンニューセラミックス社製)を1.0重量%添
加した以外は、実施例1と同様の方法で調製した塗料組
成物につき、防腐試験および塗膜の抗菌防カビ試験を行
った結果、クロカビの生育が認められた。また、塗膜の
耐候性試験の結果、塗膜の変色が認められた。本比較例
は本発明の必須要件であるトロポロン化合物の金属錯体
を含有していないので、塗料組成物ならびに塗膜の抗菌
効果が不十分である。また、外線照射による変色も認め
られる。
【0027】
【発明の効果】本発明により、細菌、カビを問わず広範
囲の菌種に対して優れた効果を発揮し、しかも、紫外線
などによる変色がなく、かつ、毒性が低く安全な抗菌防
カビ性塗料組成物を提供することが可能となる。さらに
詳しくは、住宅、病院などの建造物の内外装用塗装をは
じめ、浴槽、トイレ、倉庫などの住宅設備の塗装などに
有用な優れた抗菌防カビ性と安全性を兼ね備え、しか
も、耐候性に優れた塗料組成物を提供することが、本発
明により可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 HA026 HA066 HA216 HA246 HA296 HA406 HA416 HA446 HA466 HA556 JC38 KA07 NA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロポロン化合物の金属錯体を含有する
    ことを特徴とする抗菌防カビ性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 トロポロン化合物が4−イソプロピルト
    ロポロンである請求項1記載の抗菌防カビ性塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 トロポロン化合物の金属錯体が、4−イ
    ソプロピルトロポロンの亜鉛錯体、銅錯体、銀錯体の群
    より選ばれる1種または複数の金属錯体である請求項1
    または2記載の抗菌防カビ塗料組成物。
  4. 【請求項4】 銀イオンを担持させた無機系抗菌剤をさ
    らに含有する請求項1から3のいずれかに記載の抗菌防
    カビ性塗料組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009029491A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Toyo Aluminum Ekco Products Kk 食品の鮮度を保持するための包装紙
WO2012013967A3 (en) * 2010-07-28 2013-10-10 Evocutis Plc New uses
WO2024122293A1 (ja) * 2022-12-08 2024-06-13 Dic株式会社 紙基材用又はプラスチック基材用コーティング剤、並びに該コーティング剤のコーティング層を有する紙基材、プラスチック基材、容器及び包装材

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