JP2001113912A

JP2001113912A - 車両用セグメント

Info

Publication number: JP2001113912A
Application number: JP29949299A
Authority: JP
Inventors: Eiji Tsuru; 栄次鶴; Hiroyuki Matsumoto; 浩幸松本
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1999-10-21
Filing date: 1999-10-21
Publication date: 2001-04-24

Abstract

(57)【要約】【課題】建設車両、土木車両、オフロード車両などの車
両において、車輪リムの外周面に取付けられて車両を構
成するゴム製の車両用セグメントに関する。【解決手段】車輪のリムの外周面に固定する装着部と、
該装着部から外側に立ち上がる両側壁部と、両側壁部相
互間にわたり延びる踏面部とを備えるゴム弾性体と、該
ゴム弾性体内部を貫通する中空部と、前記装着部中に埋
設されるプレートと当該プレートに設けられたリムとの
間の固定手段とを有する車輪用のセグメントであって、
前記プレートは車輪のリム外周面の中央部より外側部が
車輪の軸方向に向かって湾曲又は屈曲する側端部を有す
る車両用セグメント。３１‥リム、１０‥車両用セグメ
ント、１１‥装着部、１２‥側壁部、１３、１３ａ、１
３ｂ‥踏面部、１４‥ゴム弾性体、１５‥中空部、１６
‥固定手段、１７‥金属製プレート、１７ａ‥金属製プ
レートの湾曲又は屈曲側、１８‥固定用ボルト。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、建設車両、土木
車両、オフロード車両などの車両において、車輪リムの
外周面に取付けられて車両を構成するゴム製の車両用セ
グメントに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の車両用セグメントとしては、例
えば、出願人が先に特開平１０ー１５９１０２号公報と
して提案したものがある。このセグメントは、図５に斜
視図として示すように、車輪３０のリム３１の外周面で
周方向に順次に装着するものであり、リム３１に固定さ
れる装着部３２と、この装着部３２のリム幅方向の左右
に立ち上がる側面部３３と、両側面部３３、３３を結ぶ
踏面部３４を設けると共に、これら各部３２、３３、３
４によって中空部３５が形成され、リム３１への装着に
供されるボルト３６を、装着部３２に埋設した補強プレ
ート３７を介して設けると共に、装着部３２から中空部
３５内へ突出する***部３８を設けたものである。な
お、図中、符号３９は、補強プレート３７から突出して
***部３８を補強するサポーター示す。

【０００３】かかる構成のセグメントを適用した車輪で
は、走行中の車両の垂直方向のばね定数を、リム３１の
周方向に延びる中空部３５の作用の下に柔らかくするこ
とで、車両の乗心地性能を高めると共に、突起乗越し時
の衝撃を緩和することができ、また、車両の荷役中の負
荷の作用に当っては、踏面部３４の内面が***部３８周
面へ当接することにより、車輪の余剰の圧漬変形を防止
することができる一方、負荷の解放に際しては、中空部
３５内面と***部３８周面との摩擦によるエネルギー吸
収に基づき、車両に生じる振動を有効に減衰させること
ができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この種のセ
グメントを有する車輪は上述したように際立つ効果を発
揮する一方で、この車輪を装着した車両が、特に高速走
行で、一般路面や作業現場の硬質路面に形成された轍内
走行から通常路面へ移動する時、車両のオペレータの意
図とは無関係に、車両が左右に振られる現象が生じるこ
とが分かった。この現象は、一般にワンダリングと呼ば
れ、オペレータに余分な疲労を強いるばかりか、時には
事故などの危険をもたらすこととなる。従って、この発
明の請求項１〜５に記載した発明は、上記した利点を保
持した上で、耐ワンダリング性を向上させた車輪用セグ
メントを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は以上の課題を解
決するためになされたものであって、その要旨は、車輪
のリムの外周面に固定する装着部と、該装着部から外側
に立ち上がる両側壁部と、両側壁部相互間にわたり延び
る踏面部とを備えるゴム弾性体と、該ゴム弾性体内部を
貫通する中空部と、前記装着部中に埋設されるプレート
と当該プレートに設けられたリムとの間の固定手段とを
有する車輪用のセグメントであって、前記プレートは車
輪のリム外周面の中央部より外側部が車輪の軸方向に向
かって湾曲又は屈曲する側端部を有することを特徴とす
る。

【０００６】そして、前記両側壁部が装着部から放射方
向外側に延びており、中空部は好ましくはゴム弾性体の
長手方向に形成されているものである。そして、特にプ
レートの湾曲又は屈曲する外側部が車両の外側に配置さ
れることによってより優れた効果がもたらさせるもの
で、更に、車輪のリムの外周面が、前記プレートに対応
して湾曲又は屈曲する形状とされた構造のものが良い。

【０００７】

【発明の実施の形態】一般に、タイヤが路面に形成され
る轍の凹凸などの傾斜路面を乗り上げる向きに進入角を
もって横断しようとするとき、図３に示すように、タイ
ヤには路面からの反力ＦＲと傾斜路面との間に発生する
キャンバースラストＦＣによる横力ＦＹが働く。ここで
タイヤが例えばラジアルタイヤであると、従来のバイア
スタイヤに比べてタイヤの径方向剛性及び幅方向剛性が
高くなることから、前記反力ＦＲが大きく、キャンバー
スラストＦＣが小さくなるため、タイヤに働く横力ＦＹ
が大きくなる。即ち、傾斜路面を乗り上げるためには進
入角を大きくしなければならず、スムーズな乗り上げが
できないためワンダリング現象が発生することが判明し
ている。従って、かかるワンダリング現象を抑制するた
めには、キャンバースラストＦＣを増加させることによ
り、横力ＦＹを減少させることが有効である。そこで発
明者はこの点の検討を更に行い以下の知見を得た。

【０００８】このことを車両用セグメントについて更に
言えば、図４に示すように、キャンバースラストＦＣ
は、タイヤが傾斜路面に接地して撓み変形をしたときに
発生する側壁部７の倒れ込み変形がトレッド端近傍での
トレッド曲げ変形ｂ・ｓを起こし、この変形によるトレ
ッドの剪断変形Ｓ・ｓによって発生する傾斜路面を乗り
上げる向きの横力Ｆ・ｓの寄与が大きいのである。そこ
で、キャンバースラストＦＣを増加させるためには、前
記倒れ込み変形のトレッド端近傍への伝達によるトレッ
ドの曲げ変形ｂ・ｓを増加させれば良い。又、トレッド
端近傍の踏面が、特に傾斜路面に接触した時により広く
接地するようにすれば良いのである。

【０００９】以上の知見に基づいてなされた本発明は、
トレッド近傍でプレートを軸方向に湾曲又は屈曲させる
ことにより轍の傾斜面でトレッド端近傍の踏面が轍の斜
面に広く接触するようになる。この点、従来のセグメン
トではトレッド端の剛性が高すぎて変形しずらいため、
轍の傾斜面に合わせて広く接触できなかったものであ
る。尚、本発明におけるプレートの傾斜面は角度が７〜
１５度好ましくは１０度程度とするのが良い。

【００１０】この結果、前記倒れ込み変形のトレッド端
近傍への伝達によるトレッドの曲げ変形ｂ・ｓが増加す
るため、キャンバースラストＦＣを増加させることがで
き、又、トレッド端近傍の踏面が、特に傾斜路面に接地
した時により広く接地することができることとなる。従
って、傾斜路面をスムーズに乗り上げることができるの
である。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の実施例を図１及び図２に基
づき説明する。図１は本発明の車両用セグメントの断面
図である。この車輪用セグメント１０は、リム３１の外
周面に固定する装着部１１と、装着部１１から放射方向
外側に延びる両側壁部１２と、両側壁部１２相互に渡り
延びる踏面部１３とを備えるゴム弾性体１４と、このゴ
ム弾性体１４の内部を長手方向に貫通する二つの中空部
１５ａ、１５ｂと、装着部１１とリム３１との間の固定
手段１６を有する。尚、装着部１１より***したゴムス
トッパー（図示せず）を備えていても良い。尚、中空部
１３をこの逆門形としても良い。

【００１２】そして、車輪３０のリム３１に固定するプ
レート１７をリム３１の外周面の中央部より外側部が車
輪の軸方向に向かって湾曲又は屈曲する側端部１７ａを
有することとしたものである。特に図例をもって言え
ば、ゴム弾性体１４は常態の走行時にあっては走行路面
に対し接触する踏面１３ａと、轍に乗り上げる際にこれ
に接触する湾曲又は屈曲した踏面１３ｂとを備えること
となるものである。尚、湾曲又は屈曲する側端部１７ａ
側の中空部１５ｂは正常の側の中空部１５ａと比べてそ
の断面大きさはやや大きいものとするもので、轍の傾斜
面に対して踏面部１３端近傍を広く接触しやすくしてあ
る。このため、Ｆｃの増加は著しくそれだけ轍の傾斜面
を上り易くしたものである。

【００１３】かかるセグメントは図示するように１列或
いは複数列をもって車輪３０のリム３１の外周面に配置
されるものであって、車輪のリム３１の車両の外側にプ
レート１７の表面形状に合致させた湾曲又は折り曲げ形
状としておくのが良く、この例では、車輪のリム３１の
外周面が前記プレートに対応して湾曲又は屈曲する形状
３１ａとされたものを用いた。勿論２列の場合には２条
の湾曲又は折り曲げ形状３１ａを備えることとなる。こ
のようなリム３１の使用は、プレート１７の固定に便な
らしめるため、かつ轍に対抗するために有効である。図
中、符号１３ｃは踏面部１３に形成された周溝である。

【００１４】固定手段１６は、リム３１の外周面の半径
と略同心円の半径を有し、車輪３０の回転軸線（図示せ
ず）と平行に延びる金属製プレート１７と固定用ボルト
１８とを有するもので、プレート１７と固定用ボルト１
８とは装着部１１内に埋設され、特に固定ボルト１８は
湾曲部又は折り曲げ部にこれを用いるのが良く、これに
よってプレート１７の浮き上がりの防止効果をも奏する
ことができる。

【００１５】図２は本発明の第２例を示す断面図であ
り、プレート１７は完全にゴム弾性体１４中に埋設され
たもので、プレート１７の一方側が外側に向けて湾曲又
は屈曲１７ａしたものである。この場合には、プレート
１７の内側にまでゴム弾性体１４が廻り込んで接着され
ることとなり、リム３１は平坦な面を形成していれば良
いこととなる。図中、中空部は省略してある。尚、固定
ボルト１８は直立させる必要から座部又はスぺーサー１
８ａをかましてその直立性を支持するのが好ましい。

【００１６】更に、図１の場合も同様であるが、プレー
ト１７の湾曲又は折り曲げ側１７ａの先端のゴム弾性体
１４は剥離の発生が生じ易いが、プレート１７ａの先端
を覆う形にてゴム弾性体１４を加硫接着することによっ
て剥離の発生をも抑えることが可能となる。別の例で言
えば、湾曲側のプレート１７ａの先端を更に深く湾曲さ
せることにより、この部位に接着するゴム弾性体１４の
剥離が阻止できることとなる。

【００１７】

【発明の効果】この発明の請求項１〜５に記載した発明
によれば、車両の良好な乗り心地性能、突起乗り越し時
の優れた衝撃緩和性、車輪の余剰の圧潰変形防止性、負
荷解放時における車両の優れた振動減衰特性など、従来
のセグメントが有する性能を十分に保持した上で、優れ
たワンダリング性を発揮することができる車両用セグメ
ントを提供できたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の車両用セグメントの断面図であ
る。

【図２】図２は本発明の車両用セグメントの別例を示す
断面図である。

【図３】図３は一般のタイヤにおける傾斜路面を乗り上
げる際の説明図である。

【図４】図４は車両用セグメントにおける図３と同様の
説明図である。

【図５】図５は従来の車両用セグメントの説明図であ
る。

【符号の説明】

１０‥車両用セグメント、１１‥装着部、１２‥側壁部、１３、１３ａ、１３ｂ‥踏面部、１４‥ゴム弾性体、１５‥中空部、１６‥固定手段、１７‥金属製プレート、１７ａ‥金属製プレートの湾曲又は屈曲側、１８‥固定用ボルト、３０‥車輪、３１‥リム、３１ａ‥リムの湾曲又は屈曲形状。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｂ６０Ｃ 7/26 Ｂ６０Ｃ 7/26

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】車輪のリムの外周面に固定する装着部
と、該装着部から外側に立ち上がる両側壁部と、両側壁
部相互間にわたり延びる踏面部とを備えるゴム弾性体
と、該ゴム弾性体内部を貫通する中空部と、前記装着部
中に埋設されるプレートと当該プレートに設けられたリ
ムとの間の固定手段とを有する車輪用のセグメントであ
って、前記プレートは車輪のリム外周面の中央部より外
側部が車輪の軸方向に向かって湾曲又は屈曲する側端部
を有することを特徴とする車両用セグメント。
【請求項２】両側壁部が装着部から放射方向外側に延
びる請求項１記載の車両用セグメント。
【請求項３】中空部がゴム弾性体の長手方向に形成し
た請求項１記載の車両用セグメント。
【請求項４】プレートの湾曲又は屈曲する外側部が車
両の外側に配置される請求項１記載の車両用セグメン
ト。
【請求項５】車輪のリムの外周面が、前記プレートに
対応して湾曲又は屈曲する形状とされた請求項１記載の
車両用セグメント。