JP2001103969A - サイクロデキストリン・デンドリマー結合体及びその使用 - Google Patents

サイクロデキストリン・デンドリマー結合体及びその使用

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JP2001103969A
JP2001103969A JP28879299A JP28879299A JP2001103969A JP 2001103969 A JP2001103969 A JP 2001103969A JP 28879299 A JP28879299 A JP 28879299A JP 28879299 A JP28879299 A JP 28879299A JP 2001103969 A JP2001103969 A JP 2001103969A
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dendrimer
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cyd
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Hidetoshi Arima
英俊 有馬
Fumihiro Kihara
史博 木原
Kanehito Kamikama
兼人 上釜
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Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
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Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非ウイルス性ベクターとして機能する新規な
デンドリマー−サイクロデキストリン結合体の提供。デ
ンドリマー−サイクロデキストリン結合体を用いた遺伝
子導入方法及び遺伝子導入に用いるベクターの提供。 【解決手段】 サイクロデキストリンとデンドリマーと
の結合体であって、前記サイクロデキストリンがα、β
又はγサイクロデキストリンであり、前記デンドリマー
がポリアミドアミン型であるサイクロデキストリン・デ
ンドリマー結合体。導入すべき遺伝子とサイクロデキス
トリン・デンドリマー結合体とを細胞ともにインキュベ
ーションする、細胞に遺伝子を導入する方法。サイクロ
デキストリン・デンドリマー結合体からなる遺伝子導入
用ベクター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なサイクロデ
キストリン・デンドリマー結合体、サイクロデキストリ
ン・デンドリマー結合体を用いて細胞に遺伝子を導入す
る方法、及び遺伝子導入用ベクターに関する。
【0002】
【従来の技術】種々の疾病の原因が遺伝子レベルで明ら
かにされるようになり、その治療も対症療法や酵素補充
療法から、その上流に位置するメッセンジャーやDNA レ
ベルでの制御を企図した “遺伝子の治療” へと進歩
しようとしている。 遺伝子に欠陥のある細胞に外部か
ら遺伝子を補って疾病を治療しようとする遺伝子治療は
全世界ですでに約 4000 例の臨床研究が行われている。
一方、わが国では重症複合型免疫不全症児に対しアデノ
シンデアミナーゼ遺伝子を投与した遺伝子治療が1995年
に初めて実施され、おおむね初期の目的を達した結果が
得られている。また最近、腎臓癌への遺伝子治療が行わ
れたのを初め、肺癌や脳腫瘍など癌に対する遺伝子治療
を行いたいとの申請が相次いで出されている。また、19
99年2月、これまで「生命を脅かす」病気に限られてい
た遺伝子治療の対象を慢性関節リウマチなどの慢性病に
も広げる方針を文部省の学術審議会が発表するなど次世
代における疾病の治療として遺伝子治療が発展・普及す
ることは明らかである。しかし、欧米の治療実績を見て
も、残念ながらめざましい結果が出ているとはいえない
のが現状である。この原因の一つとして遺伝子導入効率
の低さが指摘され、その改善を企図して遺伝子導入用ベ
クターの改良が活発に行われている。
【0003】これまでの遺伝子治療で用いられてきたベ
クターのほとんどは遺伝子の導入効率が比較的高いとい
う特色を有するウイルス性ベクターである。しかし、ウ
イルス性ベクターは、ウイルスに備わっている細胞への
感染能力を利用しているため、ベクターの中から増殖能
力があるウイルスを完全に除外できる保証が得られない
こと、さらに導入遺伝子を含むウイルスのゲノムが染色
体に組み込まれる際に他の遺伝子を不活性化したり活性
化したりする可能性を有することなどの欠点が指摘され
ている。一方、ウイルスを使わずに遺伝子を細胞に導入
する、非ウイルス性ベクターの開発研究も盛んに行わ
れ、カチオニックリポソーム、カチオニックリピッド、
カチオニックペプチドなどのいわゆるカチオニックキャ
リアーに関する報告が数多くなされている。
【0004】非ウイルスベクターによる細胞内への取り
込みは、外来物質を細胞内に特異的に取り入れるエンド
サイトーシス経路を通して行われることが報告されてい
る。しかしながら、エンドサイトーシス経路によって取
り込まれた物質はライソゾーム中において分解され細胞
質内への遺伝子導入効率が著しく低下してしまうため、
エンドソームからDNAをいかに効率よく脱出させるかが
遺伝子発現効率において重要となる。実際、カチオニッ
クリポソームなどはエンドソーム膜との融合により、ま
たカチオニックペプチドはエンドソーム膜の破壊をもた
らすことによりエンドソーム膜からのDNA 放出を促進
し、細胞内への遺伝子導入効率の改善をもたらしている
ことが報告されている。しかるに、カチオニックキャリ
アーは、化学的安定性に乏しく、また高価である等の欠
点もあり、カチオニックキャリアーに代わる非ウイルス
性ベクターの開発が待たれている。
【0005】スターバーストデンドリマー (Dendrimer)
はアンモニアあるいはエチレンジアミンをコア分子と
し、その分子にマイケル付加反応でアクリル酸メチルお
よびエチレンジアミンを付加し、この反応を繰り返すこ
と (Generation) により得られる高度に枝分かれした樹
枝状構造を特徴とし、その末端に多数の一級アミノ基を
有した新しいタイプの合成ポリマーである。このデンド
リマーは負に帯電した核酸と静電的相互作用により複合
体を形成することから、遺伝子やアンチセンス核酸のキ
ャリアーとして注目を集めている。環状マルトオリゴ糖
であるサイクロデキストリン (CyD) は分子内に疎水性
の空洞を有し、空洞径に応じて種々のゲスト分子を取り
込んで包接複合体を形成することが知られている。CyD
の超分子的な包接特性は、化粧品、臨床検査試薬、繊
維、樹脂など多方面で利用されており、薬剤学・製剤学
領域では、医薬品の安定化、溶解性や放出性の制御、バ
イオアベイラビリティの向上、局所刺激性の軽減などに
有効利用されてきた。しかしながら、CyDはDNAとの相互
作用が弱く、また遺伝子を細胞内に導入する能力は有し
ていない。ある種のデンドリマーとCyDとの結合体は知
られている(J.Suhら, BIOORGANICCHEMISTRY 25, 63-75
(1997))。しかるに、この報告では、得られたデンドリ
マーとCyDとの複合体が非ウイルス性ベクターとして機
能することについての記載はない。
【0006】デンドリマー-CyD結合体は、わずか2段階
の反応で合成できることから、カチオニックペプチドに
比べコスト的に有利であると考えられる。しかし、上記
のようにデンドリマー-CyD結合体を用いた遺伝子導入に
関する研究は報告例がない。またデンドリマーの種類や
Generationおよび他の CyD誘導体を利用することにより
多様なデンドリマー-CyD結合体の構築が可能であること
から、ウイルスベクターを凌駕する優れた非ウイルスベ
クターが見いだせる可能性を有している。
【0007】このような背景のもと、本発明の目的は、
1)DNA と複合体を形成する、2)DNAを細胞内に効率よく
導入する、3)細胞質内及び核内に DNAを積極的に送り込
むことが可能な、非ウイルス性ベクターとして機能する
新規なデンドリマー-CyD結合体を提供することを目的と
する。さらに本発明の目的は、デンドリマー-CyD結合体
を用いた遺伝子導入方法及び遺伝子導入に用いるベクタ
ーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、サイクロデキ
ストリンとデンドリマーとの結合体であって、前記サイ
クロデキストリンがα、β又はγサイクロデキストリン
であり、前記デンドリマーがポリアミドアミン型である
ことを特徴とするサイクロデキストリン・デンドリマー
結合体に関する。さらに本発明は、導入すべき遺伝子と
サイクロデキストリン・デンドリマー結合体とを細胞と
もにインキュベーションすることを特徴とする細胞に遺
伝子を導入する方法に関する。加えて本発明は、サイク
ロデキストリン・デンドリマー結合体からなる遺伝子導
入用ベクターに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】〔サイクロデキストリン・デンド
リマー結合体〕発明のサイクロデキストリン・デンドリ
マー結合体は、デンドリマーがポリアミドアミン型であ
ることを特徴とする。前出のJ.Suhらが報告したサイク
ロデキストリン・デンドリマー結合体は、デンドリマー
がポリエチレンイミン型であり、この点で本発明と異な
る。ポリアミドアミン型デンドリマーは、アンモニアに
アクリル酸メチルとエチレンジアミンとを反応させて
(アンモニア:アクリル酸メチル:エチレンジアミン=
1:3:3(モル比))、ジェネレーション0(G0)
と呼ばれる中心核を合成する。ジェネレーション0はア
ンモニアに由来する窒素の周りに、アクリル酸メチルと
エチレンジアミンの縮合体(アミドアミン)が3つ結合
した形を有する。ジェネレーション0(G0)のアミド
アミンの末端にエチレンジアミンの一方のアミノ基が存
在する。そこで、この中心核(ジェネレーション0(G
0))にアクリル酸メチル:エチレンジアミン=3:3
(モル比)を反応させることで、上記アミドアミンの末
端のアミノ基に2つのアクリル酸メチルとエチレンジア
ミンの縮合体(アミドアミン)が結合する。このように
G0のアミノ基由来の窒素に2つのアクリル酸メチルと
エチレンジアミンの縮合体(アミドアミン)が結合した
ものは、ジェネレーション1(G1)と呼ばれる。この
ようにして順次、アクリル酸メチルとエチレンジアミン
の縮合体を結合させていくことで、ジェネレーション
2、3、4、5、6(G2、G3、G4、G5、G6)
が得られる。この状態を下記の反応スキームに示す。
【0010】
【化1】
【0011】ポリアミドアミン型デンドリマーは、市販
さており、市販品を容易に入手できる本発明の結合体に
用いるデンドリマーは、ポリアミドアミン型デンドリマ
ーであれば特に制限はないが、例えば、G2に属するもの
であることができる。
【0012】一方、サイクロデキストリン・デンドリマ
ー結合体を構成するサイクロデキストリンは、α、β又
はγサイクロデキストリンである。これらα、β又はγ
サイクロデキストリンは、化学修飾型または非修飾型の
サイクロデキストリンであることもできる。これらα、
β又はγサイクロデキストリンは市販品を容易に入手で
きる。
【0013】サイクロデキストリン・デンドリマー結合
体は、後述の実施例で示すように、トシル化(トルエン
スルホニル化)α若しくはβサイクロデキストリンまた
はナフタレンスルホニル化γサイクロデキストリンとデ
ンドリマーとを加温条件下で数時間反応させることで合
成できる。トシル化(トルエンスルホニル化)α又はβ
サイクロデキストリンは、p−トルエンスルホニルクロ
ライドとα又はβサイクロデキストリンとをピリジン中
で反応させることで得られる。また、ナフタレンスルホ
ニル化γサイクロデキストリンは、p−ナフタレンスル
ホニルクロライドとγサイクロデキストリンとをピリジ
ン中で反応させることで得られる。サイクロデキストリ
ン・デンドリマー結合体の製造の反応スキームを下記に
示す。
【0014】
【化2】
【0015】〔細胞に遺伝子を導入する方法〕本発明の
遺伝子導入方法は、導入すべき遺伝子とサイクロデキス
トリン・デンドリマー結合体とを細胞ともにインキュベ
ーションすることを特徴とする。ここで用いるサイクロ
デキストリン・デンドリマー結合体としては、上記本発
明のサイクロデキストリン・デンドリマー結合体を挙げ
ることができる。但し、これらに限らず、遺伝子導入能
を有するサイクロデキストリン・デンドリマー結合体で
あれば良い。即ち、サイクロデキストリン・デンドリマ
ー結合体は、サイクロデキストリンが、例えば、非修飾
型又は化学修飾型のα、β又はγサイクロデキストリン
であり、デンドリマーが例えば、ポリアミドアミン型ま
たはポリ(エチレンイミン)型であることができ、デン
ドリマーは例えば、G2、G3、G4、G5、G6、G7また
はG8に属するものであることができる。
【0016】導入すべき遺伝子には制限はない。例え
ば、遺伝子治療に有用な遺伝子や、植物及び動物の品種
改良に有用な遺伝子等を挙げることができる。遺伝子導
入の条件は、例えば、遺伝子を導入すべき細胞を含有す
る培地0.5〜1ml(細胞量約2×105個)に、導
入すべき遺伝子を含有する溶液とサイクロデキストリン
・デンドリマー結合体含有溶液を添加する。導入すべき
遺伝子を含有する溶液は、例えば、遺伝子量が1〜2μ
g/μlとなるように添加し、サイクロデキストリン・
デンドリマー結合体含有溶液は、例えば、サイクロデキ
ストリン・デンドリマー結合体が1mMとなるように添
加する。添加後、約24時間インキュベートすることに
より、トランスフェクションすることができる。遺伝子
を導入すべき細胞を含有する培地の種類や量は、使用す
る細胞に応じて適宜決定することができ、また、遺伝子
及びサイクロデキストリン・デンドリマー結合体の添加
量やインキュベーション時間も適宜変化させることがで
きる。
【0017】〔遺伝子導入用ベクター〕本発明の遺伝子
導入用ベクターは、サイクロデキストリン・デンドリマ
ー結合体からなる。サイクロデキストリン・デンドリマ
ー結合体は、前記サイクロデキストリンが、例えば、非
修飾型又は化学修飾型のα、β又はγサイクロデキスト
リンであり、デンドリマーが例えば、ポリアミドアミン
型またはポリ(エチレンイミン)型であることができ、
またデンドリマーが例えば、G2、G3、G4、G5、G
6、G7またはG8に属するものであることができる。こ
のベクターは上記のように、細胞への遺伝子の導入に使
用することができる。
【0018】
〔合成法〕
<合成>すり付き試験管にポリアミドアミン型デンドリマ
ーであるPAMAM Dendrimer (G2.0) を 0.39 mLとり、試
験管エバポレーターにより、MeOHを完全に取りのぞき、
その後6-モノトシル-α-CyDを26mg加え、ジメチルスル
ホキシドを 0.5 mL 加えた後、voltexにより軽く混和
し、試験管内を窒素置換後、油浴中、60℃で6時間攪拌
した。 <精製>精製はゲル濾過法と、アルコール沈殿により行っ
た。まず上記の反応物をTOSOH TskGel HW-40S (5.3 cm2
×70 cm、溶出バッファー: 0.1 M 炭酸水素アンモニウ
ム)によりゲル濾過を行い、得られたフラクション画分
を濃縮した後、得られた濃縮液を 0.5 mL の水に再溶解
し、MeOH 3 mL を加え、十分に白濁するまでvoltexの
後、1500 rpm、 15 min で遠心分離し、上清のMeOHを取
り除き、再びMeOH3 mL を添加しvoltexの後、同様に遠
心分離し、上清を取り除いた後、試験管エバポレーター
によりMeOHを完全に取り除いた。 〔結果・収率〕1H-NMRよりPAMAM G 2.0とα-CyDは、お
よそモル比 1:1で結合していることが確認された。(図
1) 収率: 18 mg ( 18 %)
【0019】実施例2 PAMAM G 2.0-β-CyD結合体の合成 〔合成法〕 <合成>すり付き試験管にPAMAM Dendrimer (G 2.0)を0.3
9mLとり、試験管エバポレーターにより、MeOHを完全に
取りのぞき、その後6-モノトシル-β-CyDを30 mg加え、
ジメチルスルホキシドを 0.5 mL 加えた後、voltexによ
り軽く混和し、試験管内を窒素置換後、油浴中、60℃で
6時間攪拌した。 <精製>PAMAM G 2.0-α-CyD結合体と同様の精製法により
精製した。 〔結果・収率〕1H-NMRよりPAMAM G 2.0とβ-CyDは、お
よそモル比 1:1で結合していることが確認された。(図
1) 収率: 25 mg (24 %)
【0020】実施例3 PAMAM G 2.0-γ-CyD結合体の合成 〔合成法〕 <合成>すり付き試験管に PAMAM Dendrimer (G 2.0)を
0.39 mLとり、試験管エバポレーターにより、MeOHを完
全に取りのぞき、その後モノ-6-ナフタレンスルホニル-
γ-CyDを35 mg加え、ジメチルスルホキシドを 0.5 mL
加えた後、voltexにより軽く混和し、試験管内を窒素置
換後、油浴中、60℃で 6時間攪拌した。 <精製>PAMAM G 2.0-α-CyD結合体と同様の精製法により
精製した。 〔結果・収率〕1H-NMRよりPAMAM G 2.0とγ-CyDは、お
よそモル比 1:1で結合していることが確認された。(図
1) 収率: 28 mg ( 26 %)
【0021】実施例4 PAMAM G 2.0-α, β, γ-CyD結合体を用いたトランスフ
ェクション能の検討 〔実験方法〕 <細胞へのトランスフェクション>約70 %コンフルエント
に成長したマウス繊維芽細胞由来 Cell line NIH 3T3細
胞をトリプシン処理により、またマウスマクロファージ
由来 Cell line RAW 264.7をセルスクレーパーによりそ
れぞれ回収し、それぞれ10 % FCS含有DMEM培地、および
10 % FCS含有RPMI 1640培地に懸濁し、35 mm ディッシ
ュあたり 2×105個になるように細胞をまき、CO2インキ
ュベーター中 37℃、 5 % CO2 条件下で 6時間インキュ
ベートした。その後、FCS Free DMEM 培地 (NIH 3T
3)、 FCS Free RPMI1640培地 (RAW 264.7) 1 mL で、細
胞を2回洗浄し、次に示すDNA/PAMAM-CyD 結合体の複合
体を添加後、CO2インキュベーター中、37℃、5 % CO2
下にて1 時間インキュベートしトランスフェクションを
行った。その後、10 % FCSを含有した、各種培地を 1.5
mL 添加後、CO2インキュベーター中、37℃、5 % CO2
にて24時間インキュベートを行った。
【0022】<遺伝子発現の解析> -細胞抽出液の調製- pGL3-Control DNAをトランスフェクションした各種細胞
をPBS (-) 2 mLで2 回洗浄後、Reporter lysis緩衝液(p
romega) 200 μLを添加し、15分間室温でインキュベー
トにより細胞を溶解し、得られた細胞溶解液を、10,000
rpm、5 min で遠心分離した。これにより得られた上清
を細胞抽出液とした。 -細胞抽出液のタンパク定量- BCA Protein Assay kitによりタンパク定量を行った。
細胞抽出液 25 μL にBCA Assay kit solutionを 200μ
L 添加し、30秒攪拌後、37℃、 30 min インキュベート
した。その後、560 nmにおける吸光度を測定した。なお
Reporter lysis緩衝液でBSAを希釈したものを標準液と
し検量線を作製し、タンパク濃度を算出した。 -ルシフェラーゼ活性測定- 細胞抽出液 20 μL をルミノメーター用試験管に採取
し、これにルシフェリン、コエンザイム A、ATPなどを
含む基質液 (Promega)を 100μL 添加しその30秒後に、
ルミノメーター(Lumat: LB 9507)にて10秒間の発光量を
測定した。ここで得られた値と、上記で得られたタンパ
ク濃度より Relative Light Unit (RLU)を算出した。
結果を図2〜5に示す。図2は、マウス繊維芽細胞由来
Cell line NIH 3T3細胞に対するDNA/PAMAM-CyD結合体
の複合体の影響を示す。図3は、マウス繊維芽細胞由来
Cell line NIH 3T3細胞に対するDNA/PAMAM/CyD混合物
の影響を示す。図4は、マウスマクロファージ由来 Cel
l line RAW 264.7に対するDNA/PAMAM-CyD結合体の複合
体の影響を示す。図5は、マウスマクロファージ由来 C
ell line RAW 264.7に対するDNA/PAMAM/CyD混合物の影
響を示す。尚、図2〜5に示すTF(TransFast)及びLP(Li
pofectin)は、いずれも下記に示す混合物である。ま
た、各値は、5〜11回の実験の平均±S.E.である。
【0023】
【化3】
【0024】<DNA/PAMAM-CyD結合体の複合体作製法>1.5
mLエッフェンドルフチューブに各種培地を添加し、TE
に溶解したプラスミドDNA 2 μL (1μg/μL)を添加し、
10秒間ボルテックスにより攪拌した。その後各種結合体
あるいは PAMAMを添加し、10秒間ボルテックスにより攪
拌後、15分間室温でインキュベートした。これを、先に
示したDNA/PAMAM-CyD結合体の複合体としてトランスフ
ェクション実験に用いた。(詳細な各試薬量については
表 1を参照)
【0025】
【表1】
【0026】<DNA-PAMAM-CyD混合物の作製法>1.5 mLエ
ッフェンドルフチューブに各種培地を添加し、TEに溶解
したプラスミドDNA 2 μL (1μg/μL)を添加し、10秒間
ボルテックスにより攪拌した。その後PAMAM および HBS
S緩衝液に溶解した各種 CyDを添加し、10秒間ボルテッ
クスにより攪拌した後、15分間室温でインキュベートし
た。これを、先に示したDNA/PAMAM/CyD混合物としてト
ランスフェクション実験に用いた。(詳細な各試薬量に
ついては表2を参照)
【0027】
【表2】
【0028】実施例5 PAMAM G 2.0-α, β, γ-CyD結合体を用いたDNAの細胞
内への取り込み効率の検討 〔実験方法〕 <ニックトランスレーション法によるDNAのラベル化>日
本ジーン社製ニックトランスレーションキットII、およ
びAmersham pharmacia製 [α-32P] dCTPを用い、 pGL3
-Control DNA のRI標識を行った。1.5 mLエッフェンド
ルフチューブに dNTP/10x Nick Translation Buffer 4
μL、 pGL3-Control DNA 1μg、 [α-32P] dCTP (〜80
0 Ci/mmol) 10 μL、ddH2O 25μL を加え、氷上で冷却
した。その後、酵素溶液 (DNA polymerase I、 DNase
I) を10μL 添加し、15℃で2 時間インキュベートした
のち、反応停止液 2μL を加え、70℃で10分間加熱によ
り酵素を失活させた。その後、 QIAGEN 製 QIAquick PC
RPurification Kitを用いて、未反応の[α-32P] dCTPを
取り除き、ラベル化DNAを得た。なお実際の実験で用い
たDNA は Cold のpGL3-Control DNAとの混合により、濃
度1μg/μL、放射活性5x104cpm/μL になるように調製
したものを用いた。
【0029】<細胞へのトランスフェクション>先に示し
た、遺伝子発現での方法に準ずる。 <ラベル化DNA/PAMAM-CyD 結合体の複合体作製法>先に示
した、 DNA/PAMAM-CyD結合体の複合体作製法に準ずる。 <ラベル化DNAの細胞内取り込み量の定量>上記のラベル
化したDNA をトランスフェクションした各種細胞の上清
を全量回収し、さらに氷冷した PBS (-) 0.5 mL にて2
回洗浄し、この得られた洗浄液は先に回収した上清とよ
く混合した後、その1 mL を標準サイズのシンチレーシ
ョンバイアルへ移した。その後、シンチレーションカク
テル(Hionic-Fluor:PACKARD) 9 mL を加え、均一な溶解
液になるまでよく混合した後、液体シンチレーションカ
ウンタにて測定し、得られた計数効率 (cpm)より上清に
含まれているDNA 量を定量した。
【0030】細胞内に取りこまれた DNA量については、
上記で洗浄した細胞に、1N NaOH 0.5 mLを加え、室温、
Overnightでインキュベートした。その後溶解液全量を
回収した後、PBS (-) 0.5 mLを加え、ディッシュを洗浄
した後、その洗浄液全量を先に回収した溶解液ととも
に、標準サイズのシンチレーションバイアルへ移した。
その後、シンチレーションカクテル(Hionic-Fluor:PACK
ARD) 9 mL を加え、均一な溶解液になるまでよく混合し
た後、液体シンチレーションカウンタにて測定し、得ら
れた計数効率 (cpm)より細胞内に含まれているDNA 量を
定量した。
【0031】以上の操作より得られた、上清および、細
胞内の計数効率の和をTotal の計数効率とし、細胞内で
のとりこみ量を%として計算した。結果を図6に示す。
尚、図6に示す結果は、2回の実験の平均である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 PAMAM G 2.0 とPAMAM G 2.0-α, β, γ-CyD
結合体の1H-NMRスペクトル。
【図2】マウス繊維芽細胞由来 Cell line NIH 3T3細胞
に対するDNA/PAMAM-CyD結合体の複合体の影響を示す。
【図3】マウス繊維芽細胞由来 Cell line NIH 3T3細胞
に対するDNA/PAMAM/CyD混合物の影響を示す。
【図4】マウスマクロファージ由来 Cell line RAW 26
4.7に対するDNA/PAMAM-CyD結合体の複合体の影響を示
す。
【図5】マウスマクロファージ由来 Cell line RAW 26
4.7に対するDNA/PAMAM /CyD混合物の影響を示す。
【図6】ラベル化DNAの細胞内取り込み量の定量結果を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上釜 兼人 熊本県熊本市大江本町5−1 熊本大学薬 学部内 Fターム(参考) 4B024 AA20 CA01 EA10 FA11 HA01 HA20 4C084 AA13 NA13 4C090 AA02 BA09 BD34 DA09 DA22 DA23 DA40 4J001 DA10 DB06 DB10 DC06 DD13 EC02 EC05 EE30A FA01 FB01 FC03 GA20 GE01 JA20 4J031 BA22 BA29 BB01 BB03 BD03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サイクロデキストリンとデンドリマーとの
    結合体であって、前記サイクロデキストリンがα、β又
    はγサイクロデキストリンであり、前記デンドリマーが
    ポリアミドアミン型であることを特徴とするサイクロデ
    キストリン・デンドリマー結合体。
  2. 【請求項2】デンドリマーがG2に属する請求項1に記載
    の結合体。
  3. 【請求項3】導入すべき遺伝子とサイクロデキストリン
    ・デンドリマー結合体とを細胞ともにインキュベーショ
    ンすることを特徴とする細胞に遺伝子を導入する方法。
  4. 【請求項4】サイクロデキストリン・デンドリマー結合
    体は、サイクロデキストリンが非修飾型又は化学修飾型
    のα、β又はγサイクロデキストリンであり、デンドリ
    マーがポリアミドアミン型またはポリ(エチレンイミ
    ン)型である請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記デンドリマーがG2、G3、G4、G5、
    G6、G7またはG8に属する請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】サイクロデキストリン・デンドリマー結合
    体からなる遺伝子導入用ベクター。
  7. 【請求項7】サイクロデキストリン・デンドリマー結合
    体は、サイクロデキストリンが非修飾型又は化学修飾型
    のα、β又はγサイクロデキストリンであり、デンドリ
    マーがポリアミドアミン型またはポリ(エチレンイミ
    ン)型である請求項6に記載のベクター。
  8. 【請求項8】前記デンドリマーがG2、G3、G4、G5、
    G6、G7またはG8に属する請求項7に記載のベクタ
    ー。
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