JP2001102686A - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

Info

Publication number
JP2001102686A
JP2001102686A JP27579299A JP27579299A JP2001102686A JP 2001102686 A JP2001102686 A JP 2001102686A JP 27579299 A JP27579299 A JP 27579299A JP 27579299 A JP27579299 A JP 27579299A JP 2001102686 A JP2001102686 A JP 2001102686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
semiconductor laser
inp
active layer
composition ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27579299A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunori Abe
克則 安部
Kinya Atsumi
欣也 渥美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP27579299A priority Critical patent/JP2001102686A/ja
Publication of JP2001102686A publication Critical patent/JP2001102686A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製作が容易で且つ目に対する安全性の高い波
長である1.4μm以上の波長で発光可能な構成を得
る。 【解決手段】 n−InP基板1上に次の各層を積層形
成する。n−InPのバッファ層2、n−InPの第1
のクラッド層3、n−InGa1−yAsの第1の光
ガイド層4、Inx1Ga1−x1As層5aおよびI
x2Ga −x2As層5bを交互に積層して量子井
戸構造とした活性層5、p−InGa1−yAsの第
2の光ガイド層6、p−InPの第2のクラッド層7お
よびキャップ層8。メサ形にエッチング形成して絶縁膜
9を形成、電極10、11を形成する。活性層5のIn
組成比x1(>x2)を0.05≦y≦x2<x1≦1
の条件を満たすようにする。In組成比x1を、0.4
1≦x1≦1の条件を満たすようにすることで、発光波
長を1.4μm以上にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大出力のレーザ光
を得ることができ、且つ、目に安全なレーザ光の波長帯
をカバーすることができる材料を用いた半導体レーザに
関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、自動車間の距離
等を計測するための半導体レーザが開発されつつある
が、この場合に、半導体レーザに要求される特性とし
て、100m先に存在する物体が検知できる程度の光出
力が必要とされる。このため、具体的には、パルス駆動
で数十ワットクラスの光出力が要求されており、パルス
電流で数十アンペアもの駆動電流が必要となる。
【0003】一方、このような大出力の半導体レーザを
得るための材料としては、従来では、GaAs基板上に
AlGaAs系材料を結晶成長して形成したものや、I
nP基板上にInGaAsP系材料を結晶成長して形成
したものがある。AlGaAs系材料は、発光波長が7
80〜900nm帯をカバーすることができ、現在では
主としてCD(コンパクトディスク)用のレーザとして
利用されている。
【0004】また、InGaAsP系材料は、発光波長
が1.2〜1.6μm帯をカバーすることができ、主と
して光通信用のレーザとして利用されている。この波長
帯のうちで、特に1.3μmおよび1.55μmの波長
については、光ファイバの伝送損失が最も小さくなる波
長として知られており、この範囲をカバーするのに適し
た材料として利用されている。
【0005】ところで、上述したような従来の半導体レ
ーザを利用して距離測定用の大出力の半導体レーザを形
成する場合に、光出力を強くすると測定距離を長くする
ことができるが、波長の短い側では人の目に悪影響を与
える場合がある。そこで、目に対する安全性の高い波長
帯としてJIS規格などで1.4〜17μmの波長帯が
規定されている。
【0006】この波長帯の発光波長を有する半導体レー
ザとして、例えば、特開平6−53615号公報に示さ
れるものがある。これは、上述したInP基板上にIn
GaAsP系材料を積層形成してなる構成のものであ
る。しかしながら、このようなInGaAsP系材料の
結晶成長は、InP基板に対して格子整合を取りつつ、
かつ所望の波長を得るためにIn,Ga,As,Pの4
元材料のそれぞれの組成を正確に制御する必要があり、
製作するための条件設定が難しいという問題がある。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、目に対する安全性の高い波長帯である
1.4μm以上の発光波長を得ることができ、しかもI
nGaAsP系材料のような4元系の材料を用いないで
製作することができ、条件設定を簡単に行なうことがで
きて製作が容易にすることができる半導体レーザを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、I
nP基板上に、InPからなる第1のクラッド層と、I
Ga1−yAs(0.05≦y<1)からなる光ガ
イド層と、InGa 1−xAs(y<x≦1)層を含
む活性層と、InPからなる第2のクラッド層と順次積
層して構成しており、請求項2の発明では、InP基板
上に、InPからなる第1のクラッド層と、InGa
1−xAs(y<x≦1)層を含む活性層と、In
1−yAs(0.05≦y<1)からなる光ガイド層
と、InPからなる第2のクラッド層とを順次積層して
構成しているので、活性層を構成するInGa1−x
As層のIn組成比xを変化させることでそのバンドギ
ャップエネルギー値を0.36〜1.42eVの範囲で
変化させることができる。
【0009】この場合、第1および第2のクラッド層を
形成しているInPのバンドギャップエネルギー値は
1.35eVであるから、クラッド層による活性層での
キャリアの閉じ込めを行なうためには、活性層のバンド
ギャップエネルギー値をクラッド層よりも小さくする必
要がある。この条件を満たすために、活性層のIn組成
比xの値の下限値として0.05を設定しており、この
範囲内においては、バンドギャップエネルギー値が0.
36〜1.35eVとなり、このときの発光波長は0.
92〜3.4μmとすることができる。
【0010】そして、半導体レーザの活性層を、このよ
うに3元系材料であるInGa −xAsを用いたシ
ステムとして構成しているので、この波長帯をカバーす
る他の系として用いられているInGaAsP系の4元
系材料と比較してそのIn組成比を決定したり、正確に
組成を保持したりするなどの製造工程が簡便となり、全
体として低コスト化を図ることができるようになる。
【0011】さらに、活性層と第1あるいは第2のクラ
ッド層との間のいずれか一方にIn Ga1−yAs
(0.05≦y<1)からなる光ガイド層を設ける構成
としているので、いわゆるSCH(Separate Confinmen
t Heterostructure )と呼ばれる構造とすることがで
き、これによって、3元系材料による光ガイド層を設け
ることができ、この光ガイド層によってキャリアと光を
分離して閉じ込めることができ、発光効率の向上を図る
ことができるようになる。
【0012】また、この構成を採用することにより、光
が活性層から光ガイド層へしみ出しして光の分布が活性
層内から光ガイド層側にシフトするようになる。これに
より、電流であるキャリアを活性層内に閉じ込めて発光
動作を行なわせ、発光による光強度分布の中心を活性層
からずらすことができるので、電流と光が活性層内に集
中することによる劣化を抑制して長寿命化を図り、信頼
性の高いものとすることができる。
【0013】請求項3の発明によれば、InP基板上
に、InPからなる第1のクラッド層と、InGa
1−yAs(0.05≦y<1)からなる第1の光ガイ
ド層と、InGa1−xAs(y<x≦1)層を含む
活性層と、InGa1−yAs(0.05≦y<1)
からなる第2の光ガイド層と、InPからなる第2のク
ラッド層とを順次積層して構成しているので、上記請求
項1および2の発明と同様にして、活性層および光ガイ
ド層として3元系材料であるInGaAs系の材料を用
いて簡便に製造することができ、しかも、光ガイド層を
設けることで、上述の効果に加えて、活性層内での光密
度を低減させることができ、さらに、光ガイド層の膜厚
を調整することにより、活性層からの光のしみ出しの程
度を調整することができ、垂直方向のFFP(Far Fiel
d Pattern )を制御することができるようになる。
【0014】請求項4の発明によれば、InP基板上
に、InPからなる第1のクラッド層と、Iny1Ga
1−y1As(0.05≦y1<1)からなる第1の光
ガイド層と、InGa1−xAs(y1<x≦1且つ
y2<x≦1でy1≠y2)層を含む活性層と、In
y2Ga1−y2As(0.05≦y2<1)からなる
第2の光ガイド層と、InPからなる第2のクラッド層
とを順次積層して構成しているので、請求項3の発明と
同様の作用効果が得られると共に、第1および第2の光
ガイド層をそれぞれIn組成比y1,y2を異なるよう
に設定しているので、これによって光密度分布をIn組
成比y1あるいはy2のうちの大きい値に設定している
光ガイド層側にシフトさせることができ、光が活性層中
に集中することに起因して発生する劣化を抑制して信頼
性の高い半導体レーザを得ることができるようになる。
【0015】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
において、第1および第2の光ガイド層を、In組成比
が大きい値に設定されている側の光ガイド層の膜厚を厚
くするように形成しているので、活性層内の光密度分布
がIn組成比が大きい方の光ガイド層側へ偏る効果をよ
り大きくすることができ、これによって、長時間駆動し
た場合でも、活性層内に光が集中することに起因した特
性の低下を抑制することができ、信頼性の高い半導体レ
ーザを提供することができる。
【0016】請求項6、請求項8、請求項10および請
求項12の発明においては、上記した請求項1ないし4
の発明の構成において、光ガイド層を活性層側からクラ
ッド層側に向けてIn組成比が減少傾向で変化するよう
に形成しており、また、請求項7、請求項9、請求項1
1および請求項13の発明においては、それら光ガイド
層のIn組成比の変化を連続的に変化するように形成し
ているので、いわゆるGRIN−SCH(Graded Index
Separate Confinment Heterostructure)構造とするこ
とができる。
【0017】この構造を採用することにより、上述した
作用効果に加えて、光ガイド層のバンドギャップエネル
ギーが増加傾向に変化あるいは連続的に変化すること
で、キャリアのオーバフローを抑制することができ、高
温での特性を改善することができるようになる。そし
て、この構成においても前述と同様に、InGaAsの
3元系材料で形成することができるので、製造が簡単に
なり低コスト化が図れるようになる。
【0018】請求項14の発明によれば、請求項12ま
たは13の発明において、第1および第2の光ガイド層
を、活性層に接する側のIn組成比が大きい値に設定さ
れている側の光ガイド層の膜厚を厚くするように形成し
ているので、活性層内の光密度分布が上記したIn組成
比が大きい方の光ガイド層側へ偏る効果をより大きくす
ることができ、これによって、長時間駆動した場合で
も、活性層内に光が集中することに起因した特性の低下
を抑制することができ、信頼性の高い半導体レーザを提
供することができる。
【0019】請求項15の発明によれば、活性層に含ま
れるInGa1−xAs層を、In組成比xを0.4
1≦x≦1の範囲内の値として設定して形成しているの
で、レーザ光の発光波長を1.4〜3.4μmの範囲の
波長帯に設定することができ、この波長帯では、レーザ
光が人の目に入射した場合でも、これよりも低い波長の
レーザ光が入射する場合に比べて目に損傷を与えること
を大幅に低減することができ、したがって3元系材料を
用いた構成でアイセーフレーザを提供することができる
ようになる。
【0020】請求項16の発明によれば、活性層に含ま
れるInGa1−xAs層を、In組成比xを0.5
3に設定して形成しているので、活性層の格子定数をI
nPの格子定数と等しくすることができ、これによって
InPとの格子整合をとることができ、膜厚に無関係に
無転位且つ無歪で結晶性の良好な活性層を形成すること
ができ、高効率で信頼性の高い半導体レーザを得ること
ができる。また、活性層のIn組成比を0.53に設定
することで、レーザ光の発光波長を1.65μmとする
ことができ、したがって3元系材料を用いた構成でアイ
セーフレーザを提供することができるようになる。
【0021】請求項17の発明においては、活性層に含
まれるInGa1−xAs層を、In組成比xを異な
る条件に設定した2種類のInGaAs層を交互に積層
して多重量子井戸構造に形成しており、また、請求項1
8の発明においては、活性層に含まれるInGa
1−xAs層を、そのIn組成比xを0.53としたI
0.53Ga0.47As層とすると共に、これとI
nP層とを交互に積層して多重量子井戸構造に形成して
おり、そして、請求項19の発明においては、活性層に
含まれるInGa1−xAs層を、In0.53Ga
0.47As層およびInwGa1−wAs(0.05
≦w<1且つw≠0.53)層を交互に積層して多重量
子井戸構造に形成しており、さらに、請求項20の発明
においては、請求項1ないし3の構成の活性層として、
In0.53Ga0.47As層およびInGa
1−yAs(0.05≦y<1)層を交互に積層して多
重量子井戸構造に形成しているので、いずれの構成にお
いても、量子効果によりレーザ発振のしきい値電流を小
さくすることができ、これによって高効率の半導体レー
ザを得ることができるようになる。
【0022】請求項21の発明によれば、活性層におけ
る発光領域のストライプ幅が100μm以上となるよう
に形成しているので、数十ワットクラスの大出力半導体
レーザを得ることができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
をInGaAs系の多重量子井戸形の活性層を有する大
出力用の半導体レーザに適用した場合の第1の実施形態
について図1ないし図3を参照しながら説明する。
【0024】図1は断面構造を模式的に示すもので、半
導体基板であるn−InP(導電型がn型のInP)基
板1上に次の各半導体層が順次積層形成されている。ま
ず、InP基板1上には、膜厚0.5μmのn−InP
層からなるバッファ層2が積層され、この上には、膜厚
1μmのn−InP層からなる第1のクラッド層3が積
層され、この上に、膜厚1μmのn−InGa1−y
As層からなる第1の光ガイド層4が積層されている。
【0025】この場合、第1の光ガイド層4のIn組成
比yは、 0.05≦y<1 …(1) の条件を満たす範囲で設定されており、次に積層する活
性層5との関係で適切な値に設定される。ここで、In
組成比yの条件を示す式(1)において、下限値である
y=0.05は、その組成比のIn0.05Ga
0.95AsのバンドギャップエネルギーEg(In
0.05Ga0.95As)が第1のクラッド層3を構
成するInPのバンドギャップエネルギーEg(In
P)=1.35eVと等しくなる条件であり、このEg
(InP)よりも小さくなるように設定するためにこの
ような条件を設定しているのである(図3参照)。
【0026】第1の光ガイド層4の上には、活性層5が
積層形成されている。活性層5は、膜厚15nmのIn
x1Ga1−x1As層5aと膜厚7.5nmのIn
x2Ga1−x2As層5bとを、それぞれ6層および
5層として交互に積層形成することにより多重量子井戸
構造となるように形成したもので、この場合に活性層5
の全体の膜厚は、各層の膜厚を合計した値である12
7.5nmとなる。
【0027】この場合、活性層5を構成する2種類の層
5a,5bのIn組成比x1,x2は、 y≦x2<x1≦1 …(2) の条件を満たす範囲で設定されており、この条件によ
り、各層のエネルギーバンドギャップEgの値は、逆の
大小関係となる。すなわち、 Eg(InP)(=1.35eV) ≧ Eg(InGa1−yAs) ≧ Eg(Inx2Ga1−x2As) > Eg(Inx1Ga1−x1As) …(3) となる。
【0028】エネルギーバンドギャップ値Egが小さい
方のInx1Ga1−x1As層5aを井戸層とし、大
きい方のInx2Ga1−x2As層5bを障壁層とし
てこれらを交互に形成することにより多重量子井戸構造
を形成している。この構造を採用することで、採用しな
い構造のダブルヘテロレーザと比べると、量子効果によ
り、しきい値電流を低減することができるようになり発
光効率を向上させることができる。
【0029】なお、活性層5の発光波長は、井戸層であ
るInx1Ga1−x1As層5aのIn組成x1を 0.41≦x1≦1 …(4) の範囲に設定することで、1.4μm以上(1.4〜
3.4μm)に設定することができる(図3参照)。そ
して、この1.4μm以上の波長範囲は人の目に入射し
ても損傷を与えることがほとんどない波長領域として規
定されているので(JIS規格)、目に安全なアイセー
フレーザとして構成することができるようになる。
【0030】また、このアイセーフレーザとして規定さ
れた1.4μm以上の波長のうちで、1.65μmの波
長となるようにIn組成比x1を設定すると、Inx1
Ga 1−x1Asは、InP基板1と格子整合をとるこ
とができる条件となる。この条件のIn組成比x1の値
は、x1=0.53である(図3参照)。
【0031】この活性層5の上には、膜厚1μmのp−
InGa1−yAs層が第2の光ガイド層6として積
層され、この上には、膜厚1μmのp−InP層が第2
のクラッド層7として積層されている。そして、この上
には膜厚0.8μmのp−InGaAs層8がキャップ
層として積層されている。そして、前述した第1のクラ
ッド層3を含んでこれよりも上に位置する半導体層3〜
8は、全体として図中横方向に対してはメサ状に形成さ
れており、図示の断面図に垂直な方向に対してはこの形
状を延長したストライプ状に形成されている。
【0032】また、このようなメサ状をなす部分にはそ
の表面にSiOなどの絶縁膜9が被膜形成されてい
る。p−InGaAs層8の上面には、所定のストライ
プ幅(100μm以上で例えば400μm)で絶縁膜9
に開口部9aが形成されており、p−InGaAs層8
の上面と共に全面に渡ってp型用電極10が被膜されて
いる。このp型用電極10は、例えば、Cr/Pt/A
u(膜厚は、例えば、15nm/300nm/600n
m)の各金属を3層に積層形成したもので、これによっ
て、キャップ層8とオーミックコンタクトを形成してい
る。
【0033】また、n−InP基板1の裏面(下面)側
には、n型用電極11が被膜形成されている。このn型
用電極11は、例えば、AuGe/Ni/Auの各金属
を順次積層して3層構造に形成したもので、これによっ
てp−InP基板1とオーミックコンタクトを形成して
いる。さらに、n型用電極11の下面側には、接合用金
属層12が形成されている。この接合用金属層12は、
例えば、Au/Snを積層形成したもので、図示しない
銅(Cu)製の台座と接合する際に適したものである。
【0034】上述の構成の半導体レーザは、次のように
して製造される。n−InP基板1に形成する各半導体
層2〜8は、MBE(Molecular Beam Epitaxy;分子線
エピタキシー)法あるいはMOCVD(Metal Organic
Chemical Vapor Deposition)法などにより順次積層形
成される。
【0035】すなわち、n−InP基板1上に、膜厚
0.5μmのn−InP層(バッファ層2)、膜厚1μ
mのn−InP層(第1のクラッド層3)、膜厚1μm
のn−InGa1−yAs層(第1の光ガイド層
4)、Inx1Ga1−x1As/Inx2Ga
1−x2Asの多重量子井戸構造を持つ活性層5、膜厚
1μmのp−InGs1−yAs層(第2の光ガイド
層6)、膜厚1μmのp−InP層(第2のクラッド層
7)および膜厚0.8μmのp−InGaAs層(キャ
ップ層8)の各半導体層が順次積層形成される。
【0036】さて、半導体層2〜8を形成した後に、エ
ッチング処理を行なうことにより、メサ部を形成する。
これは、一般的なフォトリソグラフィ処理を用いること
によりエッチングマスクをパターニングした状態で化学
エッチング処理を行なって形成するもので、n−InP
層2の表面までエッチングして図示のような断面で長手
方向にストライプ状の形状を得ることができる。
【0037】次に、メサ部の表面およびバッファ層2の
表面を覆うように絶縁膜9としてSiO膜を形成す
る。この絶縁膜9は、例えば、プラズマCVDなどの方
法により成膜形成する。続いて、キャップ層8の表面に
形成されている絶縁膜9を所定のストライプ幅として4
00μmの幅寸法で除去する。これは、上述同様に、フ
ォトリソグラフィ処理を行なうことによってパターニン
グした状態でSiO膜のエッチング処理を行なって窓
部9aを形成する。
【0038】窓部9aを形成した状態で、この上に全面
にp型用電極10を形成する。このp型用電極10は、
電子ビーム(EB)蒸着法などにより、例えば、p型用
電極材料としてCr(クロム)/Pt(白金)/Au
(金)の各金属膜を、それぞれ膜厚として15nm/3
00nm/600nm程度に順次成膜して積層形成した
ものである。成膜後に熱処理(例えば360℃程度)を
行なうことにより、絶縁膜9が除去された部分において
キャップ層8に対してオーミックコンタクトを形成す
る。
【0039】一方、n−InP基板1の裏面側には、全
面にn型用電極11を形成する。このn型用電極11
は、上述同様に電子ビーム蒸着法などにより、n型用電
極材料としてAuGe(金ゲルマニウム)/Ni(ニッ
ケル)/Au(金)の各金属膜を、所定の膜厚で順次成
膜して積層形成したものである。同様にして、成膜後に
熱処理を行なってn−InP基板1とオーミックコンタ
クトを形成する。この後、n型用電極11の表面に、接
合用金属層12を形成する。これは、上述同様にして電
子ビーム蒸着法などにより形成するもので、Au(金)
/Sn(スズ)の各金属膜を所定の膜厚で順次成膜して
積層形成するか、あるいはAu−Snを合金として直接
蒸着することにより形成する。
【0040】最後に、端面を劈開して図示のような半導
体レーザチップを得る。この場合、劈開により得るチッ
プのサイズは、例えば、500μm×800μmであ
る。これにより、活性層5は、ストライプ状に電極を形
成することにより幅寸法が設定され、対向する劈開面に
より共振の反射鏡を構成するキャビティを設けた状態と
なる。
【0041】このように形成された半導体レーザチップ
は、熱伝導特性が良い材料として、例えば銅製の台座に
裏面の接合用金属層12を固定して電気的に接続してマ
ウントし、上面側のp型用電極10との間にも電気的接
続を得ることにより、活性層5のストライプ幅が400
μm(大出力用途として100μm以上設けることが必
要)でストライプ長が500μmの半導体レーザ装置と
して形成される。
【0042】次に、上記構成の作用について説明する。
まず、本実施例においては、第1の光ガイド層4と第2
の光ガイド層6とのIn組成比yを、前述したように、
式(1)の条件(0.05≦y<1)を満たすように設
定しており、また、活性層5の層5a,5bのIn組成
比x1,x2を、式(2)の条件(y≦x2<x1≦
1)を満たすように設定している。ここで、InGa
1−xAsのIn組成比xとバンドギャップエネルギE
gおよび発光波長との間には、図3に示すような関係が
ある。
【0043】これにより、各層をバンドギャップエネル
ギEgの値に応じて示すと、図2に示すバンドダイヤグ
ラムのようになる。前述のように、In組成比が0.0
5以下の場合にはバンドギャップエネルギEgがInP
のバンドギャップエネルギ1.35eVよりも大きくな
るので、レーザ動作をするための条件を外れることか
ら、下限値として0.05が設定されている。また、こ
の実施形態においては、第1の光ガイド層4および第2
の光ガイド層6のIn組成比yの値は、活性層5を構成
する障壁層としての層5bのIn組成比x2と同じ値に
設定している(y=x2)。
【0044】なお、InGaAs系の材料においては、
In組成比の値を大きくするとその層のバンドギャップ
エネルギーが小さくなると共に光学的特性として屈折率
が大きくなる性質を有しているので、各層を屈折率の関
係で示した場合には、バンドダイアグラムの図2とは大
小関係が逆となるように示される。これにより、活性層
5にて発生した光を活性層5から光ガイド層4,6にし
み出させつつ、クラッド層3および7の間に閉じ込めて
おくことができる。
【0045】一方、活性層5に注入する電流について
は、活性層5がダブルヘテロ構造に形成されていること
および多重量子井戸構造を採用していることから、キャ
リアを活性層5の領域内に効率良く閉じ込めることがで
きると共に、量子効果によってしきい値電流を小さくす
ることができ、全体として発光効率を向上させることが
できる。
【0046】この結果、電流は活性層5に閉じ込められ
るが、光密度分布は第1および第2の光ガイド層4およ
び6側まで広げて分布させることができ、活性層5に集
中するのを避けることができるようになる。これによっ
て、エネルギーの活性層5への集中を回避して転位など
の発生による劣化を防止することができるようになり、
長時間駆動に対する信頼性が向上するようになる。
【0047】なお、上記構成において、光ガイド層4,
6の膜厚を適当に選定して形成することにより、出力光
の垂直方向のビーム広がり角を所望の角度に設定するこ
とができる。さらに、上述の関係を満たすように各半導
体層のIn組成比を設定する限りにおいては、上述した
値に限らず、適宜のIn組成比の値に設定することがで
きるし、各半導体層の膜厚についても適宜の寸法に設定
することができる。
【0048】このような本実施形態によれば、活性層5
としてInGaAsの3元系材料を用いてアイセーフレ
ーザとしての波長帯1.4以上の波長帯をカバーするこ
とができる半導体レーザを提供することができ、これに
よって、4元系材料を用いる構成のものと異なり、In
組成比xを調整することで比較的簡単に製造条件を設定
することができる。
【0049】また、本実施形態によれば、光ガイド層
4,6を設ける構成としているので、光を活性層5より
も広い範囲に分布させて活性層5中に光が高い密度で分
布するのを避ける構成とすることができ、また、活性層
5を、In組成比が異なる2つの層5a,5bを交互に
積層して量子井戸構造を形成しているので、キャリアは
活性層5中に有効に閉じ込める構成とすることができ、
効率良くしかも信頼性の高いものとすることができる。
【0050】(第2の実施形態)図4および図5は、本
発明の第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態と
異なるところは、光ガイド層を第1の光ガイド層4を残
して第2の光ガイド層6を設けない構成としたところで
ある。すなわち、図4に示すように、活性層5に対して
片側のみに光ガイド層4を設ける構成としている。
【0051】前述と同様にバンドギャップエネルギーE
gからみたバンドダイヤグラムは図5に示すようにな
る。この構成の場合には、活性層5に対して光ガイド層
4を片側に設けることから、活性層5で発生する光は光
ガイド層4側のみにしみ出すようになり、光の密度分布
は、活性層5から光ガイド層4側にずれるようになる。
したがって、活性層5に光が集中することに起因して発
生する劣化を抑制し、信頼性の高い半導体レーザ装置を
提供することができる。
【0052】なお、この実施形態においては光ガイド層
4を設ける構成としたが、これに代えて活性層5と第2
のクラッド層7との間の第2の光ガイド層6を残して第
1の光ガイド層4を設けない構成としても良い。そし
て、この構成によっても上述と同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0053】(第3の実施形態)図6および図7は本発
明の第3の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異
なるところは、第1の光ガイド層4を構成するn−In
y1Ga1−y1As層を前述のn−InGa1−y
As層のIn組成比と同じにした第1の光ガイド層4a
とし、第2の光ガイド層6を構成するp−Iny2Ga
1−y2As層のIn組成比を異なる値となるように形
成した第2の光ガイド層6aを設ける構成としたところ
である。
【0054】すなわち、図6に示すように、第1の光ガ
イド層4aをn−Iny1Ga1− y1As(0.05
≦y1<1)から形成し、第2の光ガイド層6aをp−
In y2Ga1−y2As(0.05≦y2<y1)か
ら形成した構成としている。なお、活性層5を形成する
量子井戸構造のInx1Ga1−x1As層5aおよび
Inx2Ga1−x2As層5bのIn組成比x1、x
2に対しては、 0.05≦y2<y1≦x2<x1≦1 …(5) という関係を満たすように形成している。そして、この
構成の場合においては、y1=x2に設定して形成して
いる。
【0055】上記構成とすることにより、第1の実施例
の効果に加えて、光密度分布がIn組成比の大きい第1
の光ガイド層4のn−Iny1Ga1−y1As層側へ
シフトさせることができ、光が活性層5中に集中するこ
とに起因して発生する劣化を抑制することができ、信頼
性の高い半導体レーザ装置を提供することができるよう
になる。
【0056】また、同様に、第1の光ガイド層4aおよ
び第2の光ガイド層6aのIn組成比y1,y2の関係
について、上述と逆の関係つまり、 0.05≦y1<y2≦x2<x1≦1 …(5a) となるように設定することもできる。この場合には、光
密度分布はIn組成比の大きい第2の光ガイド層6aの
p−Iny2Ga1−y2As層側へシフトさせること
になり、同様の作用効果を得ることができる。
【0057】また、上述の実施形態において、第1の光
ガイド層4aおよび第2の光ガイド層6aは膜厚を同じ
に設定しているが、光密度分布がシフトする側つまりI
n組成比y1またはy2の大きい値に設定している方の
層を厚い膜厚に設定することができる。これにより、光
密度分布のシフトする量を大きくして活性層5中での光
の集中を抑制する効果を向上させることができるように
なる。
【0058】(第4の実施形態)図8は本発明の第4の
実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところ
は、第1の光ガイド層4および第2の光ガイド層6に代
えて、第1の光ガイド層4b,第2の光ガイド層6bを
設ける構成としたところである。
【0059】すなわち、図8において、バンドダイヤグ
ラムで示すように、それぞれの光ガイド層4b,6bは
活性層5と接する部分においてそのIn組成比yは活性
層5の障壁層となるInx2Ga1−x2As層5bの
In組成比x2と同じ値となるように形成されている。
そして、各光ガイド層4b,6bのIn組成比yは、活
性層5から遠ざかるにしたがって連続的に減少するよう
に変化させられ、クラッド層3あるいは7と接する部分
においてそれらのバンドギャップエネルギと同じになる
ようにIn組成比yは0.05となるように形成されて
いる。また、In組成比yの上限値を設定する値である
In組成比zは、 0.05≦z≦x2<x1≦1 …(6) であり、ここでは上式(6)のz=x2の条件を採用し
ている。
【0060】これは、いわゆるGRIN−SCH構造と
呼ばれる構造で、このような構成を採用することによ
り、第1の実施形態における効果に加えて、活性層5中
でのキャリアのオーバフローを効果的に抑制することが
できるようになり、これにより、高温での特性を改善す
ることができるようになる。
【0061】上記構成においては、光ガイド層4b,6
bのバンドギャップを活性層5に接する側からクラッド
層3,7に接する側に向けて連続的に減少するように変
化した構成としているが、減少傾向となるように変化さ
せる構成であれば適宜の組成比の変化として設定するこ
ともできる。
【0062】(第5の実施形態)図9は本発明の第5の
実施形態を示すもので、第4の実施形態と異なるところ
は、光ガイド層を第1の光ガイド層4bを残して第2の
光ガイド層6bを設けない構成としたところである。す
なわち、図9にバンドダイヤグラムで示すように、活性
層5に対して片側のみに光ガイド層4bを設ける構成と
している。
【0063】この構成の場合には、活性層5に対して光
ガイド層4bを片側に設けることから、活性層5で発生
する光は光ガイド層4b側のみにしみ出すようになり、
光の密度分布は活性層5から光ガイド層4b側にずれる
ようになる。したがって、活性層5に光が集中すること
に起因して発生する劣化を抑制し、信頼性の高い半導体
レーザ装置を提供することができる。
【0064】さらに、このようなGRIN−SCH構造
を採用することにより、活性層5中でのキャリアのオー
バフローを効果的に抑制することができるようになり、
これにより、高温での特性を改善することができるよう
になる。この結果、本実施形態により、第2の実施形態
および第4の実施形態の両方の特徴を兼ね備えたものと
して構成することができる。
【0065】なお、この実施形態においても、光ガイド
層4bを設ける構成に代えて活性層5と第2のクラッド
層7との間の第2の光ガイド層b6を残して第1の光ガ
イド層4bを設けない構成としても良い。そして、この
構成によっても上述と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0066】(第6の実施形態)図10は本発明の第6
の実施形態を示すもので、第4の実施形態と異なるとこ
ろは、第1の光ガイド層4bを構成するn−Iny1
1−y1As層を前述のGRIN−SCH構造のn−
InGa1−yAs層のIn組成比と同じにした第1
の光ガイド層4cとし、第2の光ガイド層6bを構成す
るp−Iny2Ga1−y2As層のIn組成比y2の
活性層5と接する側の値を異なる値となるように形成し
た第2の光ガイド層6cを設ける構成としたところであ
る。
【0067】すなわち、図10に示すように、第1の光
ガイド層4cを構成するn−In Ga1−y1As
層を、そのIn組成比y1を活性層5と接する側から第
1のクラッド層3と接する側に至る間で、z1から0.
05まで連続的に減少するように変化させるように設定
する。また、同様に、第2の光ガイド層6cを構成する
p−Iny2Ga1−y2As層を、そのIn組成比y
2を活性層5と接する側から第2のクラッド層7と接す
る側に至る間で、z2から0.05まで連続的に減少す
るように変化させるように設定する。
【0068】y1およびy2の上限値を設定するIn組
成比z1およびz2は、 0.05≦z2<z1≦x2<x1≦1 …(7) となる関係を満たすように設定している。なお、この構
成の場合においては、z1=x2に設定して形成してい
る。
【0069】このように構成することで、第4の実施形
態と同様にして、キャリアのオーバフローを効果的に抑
制することができ、しかも、光密度分布がIn組成比z
1,z2のうちの大きい値z1に設定される第1の光ガ
イド層4cのn−Iny1Ga1−y1As層側へシフ
トさせることができ、光が活性層5中に集中することに
起因して発生する劣化を抑制することができ、信頼性の
高い半導体レーザ装置を提供することができるようにな
る。
【0070】この場合においても、前述同様に、第1の
光ガイド層4cおよび第2の光ガイド層6cのIn組成
比z1,z2の関係について、上述と逆の関係つまり、 0.05≦z1<z2≦x2<x1≦1 …(7a) となるように設定することもできる。この場合には、光
密度分布は、In組成比を大きい値z2に設定した第2
の光ガイド層6cのp−Iny2Ga1−y2As層側
へシフトさせることになり、同様の作用効果を得ること
ができる。
【0071】また、上述の実施形態において、第1の光
ガイド層4cおよび第2の光ガイド層6cは膜厚を同じ
に設定しているが、光密度分布がシフトする側つまりI
n組成比z1またはz2の大きい値に設定している方の
層を厚い膜厚に設定することができる。これにより、光
密度分布のシフトする量を大きくして活性層5中での光
の集中を抑制する効果を向上させることができるように
なる。
【0072】本発明は、上記実施形態にのみ限定される
ものではなく、次のように変形また拡張できる。上記各
実施形態においては、n−InP基板1を用いて各層2
ないし8の導電形を設定しているが、これに代えて、p
−InP基板を用いて各層2ないし8を異なる導電形に
設定した構成とすることもできる。すなわち、第1のク
ラッド層および第1の光ガイド層をp形の層として形成
し、第2の光ガイド層および第2のクラッド層をn形の
層として形成し、各電極膜もそれぞれの導電形に適した
ものとするように形成しても良い。
【0073】上記実施形態においては、第1のクラッド
層3および第2のクラッド層7、第1の光ガイド層4お
よび第2の光ガイド層6を共に1μmに設定している
が、これに限らず、1μm以上あるいは以下の適宜の膜
厚に設定して形成することができるし、それぞれが異な
る膜厚に設定することもできる。
【0074】また、活性層5は、井戸層として15nm
の層5aを形成しているが、この膜厚に限定されること
はなく、量子効果を期待できる30nm以下の範囲の膜
厚であれば良く、要求される特性や成膜の均一性を考慮
して2.5〜20nmの範囲で設定することが好まし
い。
【0075】活性層5は、量子井戸構造のものを用いる
場合について説明したが、単一のIn組成比xのIn
Ga1−xAs層で構成しても良い。この場合に、その
In組成比xを、前述の式(4)で示した条件0.41
≦x≦1の範囲に設定すると、アイセーフレーザとして
形成することができる。また、In組成比xを0.53
に設定すると、InP基板1と格子整合をとるようにす
ることができる。
【0076】さらに、InGa1−xAs層は、In
Pに対してIn組成比xが前述したように0.53のと
きに格子整合を取ることができるが、このような構成整
合条件以外に、本実施形態におけるように量子井戸構造
を採用したり、あるいは敢えて格子整合条件を外すよう
にして形成した場合でも、格子整合ととるようにしたも
のと比べて特性上で必ずしも劣るものとなるとは限ら
ず、適宜の条件によって作成することが可能である。例
えば、積極的に圧縮および引張が発生するように多重量
子井戸構造を形成して、応力を調整することにより、所
望の特性を得る構造とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す模式的断面図
【図2】エネルギーバンドダイヤグラム
【図3】InGa1−xAsのIn組成比xとバンド
ギャップエネルギおよび発光波長との関係
【図4】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図5】図2相当図
【図6】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
【図7】図2相当図
【図8】本発明の第4の実施形態を示す図2相当図
【図9】本発明の第5の実施形態を示す図2相当図
【図10】本発明の第6の実施形態を示す図2相当図
【符号の説明】
1はn−InP基板(InP基板)、2はバッファ層、
3は第1のクラッド層、4,4a,4b,4cは第1の
光ガイド層、5は活性層、6,6a,6b,6cは第2
の光ガイド層、7は第2のクラッド層、8はキャップ
層、9は絶縁膜、10はp形用電極、11はn形用電極
である。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 InPからなる第1のクラッド層と、 InGa1−yAs(0.05≦y<1)からなる光
    ガイド層と、 InGa1−xAs(y<x≦1)層を含む活性層
    と、 InPからなる第2のクラッド層とをInP基板上に順
    次積層して構成したことを特徴とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 InPからなる第1のクラッド層と、 InGa1−xAs(y<x≦1)層を含む活性層
    と、 InGa1−yAs(0.05≦y<1)からなる光
    ガイド層と、 InPからなる第2のクラッド層とをInP基板上に順
    次積層して構成したことを特徴とする半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 InPからなる第1のクラッド層と、 InGa1−yAs(0.05≦y<1)からなる第
    1の光ガイド層と、 InGa1−xAs(y<x≦1)層を含む活性層
    と、 InGa1−yAs(0.05≦y<1)からなる第
    2の光ガイド層と、 InPからなる第2のクラッド層とをInP基板上に順
    次積層して構成したことを特徴とする半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 InPからなる第1のクラッド層と、 Iny1Ga1−y1As(0.05≦y1<1)から
    なる第1の光ガイド層と、 InGa1−xAs(y1<x≦1且つy2<x≦1
    でy1≠y2)層を含む活性層と、 Iny2Ga1−y2As(0.05≦y2<1)から
    なる第2の光ガイド層と、 InPからなる第2のクラッド層とをInP基板上に順
    次積層して構成したことを特徴とする半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の半導体レーザにおい
    て、 前記第1および第2の光ガイド層は、前記In組成比が
    大きい値に設定されている側の光ガイド層の膜厚を厚く
    するように形成していることを特徴とする半導体レー
    ザ。
  6. 【請求項6】 InPからなる第1のクラッド層と、 InGa1−yAs(0.05≦y<1)からなる光
    ガイド層と、 InGa1−xAs(y<x≦1)層を含む活性層
    と、 InPからなる第2のクラッド層とをInP基板上に順
    次積層して構成され、 前記光ガイド層は、前記In組成比yが上記条件を満た
    す範囲内で、前記活性層に接する側から前記第1のクラ
    ッド層に接する側に向けて組成比yの値が減少傾向で変
    化するように形成されていることを特徴とする半導体レ
    ーザ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体レーザにおい
    て、 前記光ガイド層は、前記In組成比yが前記条件を満た
    しつつ連続的に変化するように形成されていることを特
    徴とする半導体レーザ。
  8. 【請求項8】 InPからなる第1のクラッド層と、 InGa1−xAs(y<x≦1)層を含む活性層
    と、 InGa1−yAs(0.05≦y<1)からなる光
    ガイド層と、 InPからなる第2のクラッド層とをInP基板上に順
    次積層して構成され、 前記光ガイド層は、前記In組成比yが上記条件を満た
    す範囲内で、前記活性層に接する側から前記第2のクラ
    ッド層に接する側に向けて組成比yの値が減少傾向で変
    化するように設定されていることを特徴とする半導体レ
    ーザ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の半導体レーザにおい
    て、 前記光ガイド層は、前記In組成比yが前記条件を満た
    しつつ連続的に変化するように形成されていることを特
    徴とする半導体レーザ。
  10. 【請求項10】 InPからなる第1のクラッド層と、 InGa1−yAs(0.05≦y<1)からなる第
    1の光ガイド層と、 InGa1−xAs(y<x≦1)層を含む活性層
    と、 InGa1−yAs(0.05≦y<1)からなる第
    2の光ガイド層と、 InPからなる第2のクラッド層とをInP基板上に順
    次積層して構成され、 前記第1および第2の光ガイド層は、前記In組成比y
    が上記条件を満たす範囲内で、前記活性層に接する側か
    らそれぞれ前記第1および第2のクラッド層に接する側
    に向けて組成比yの値が減少傾向で変化するように設定
    されていることを特徴とする半導体レーザ。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の半導体レーザにお
    いて、 前記第1および第2の光ガイド層は、前記In組成比y
    が前記条件を満たしつつ連続的に変化するように形成さ
    れていることを特徴とする半導体レーザ。
  12. 【請求項12】 InPからなる第1のクラッド層と、 Iny1Ga1−y1As(0.05≦y1<1)から
    なる第1の光ガイド層と、 InGa1−xAs(y1<x≦1且つy2<x≦1
    でy1≠y2)層を含む活性層と、 Iny2Ga1−y2As(0.05≦y2<1)から
    なる第2の光ガイド層と、 InPからなる第2のクラッド層とをInP基板上に順
    次積層して構成され、 前記第1および第2の光ガイド層は、それぞれ前記In
    組成比y1およびy2が上記条件を満たす範囲内で、前
    記活性層に接する側からそれぞれ前記第1および第2の
    クラッド層に接する側に向けて組成比y1およびy2の
    値が減少傾向で変化するように設定されていることを特
    徴とする半導体レーザ。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の半導体レーザにお
    いて、 前記第1および第2の光ガイド層は、前記In組成比y
    1およびy2がそれぞれ前記条件を満たしつつ連続的に
    変化するように形成されていることを特徴とする半導体
    レーザ。
  14. 【請求項14】 請求項12または13に記載の半導体
    レーザにおいて、 前記第1および第2の光ガイド層は、前記活性層に接す
    る側の前記In組成比が大きい値に設定されている側の
    光ガイド層の膜厚を厚くするように形成していることを
    特徴とする半導体レーザ。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし14のいずれかに記載
    の半導体レーザにおいて、 前記活性層は、前記In組成比xが0.41≦x≦1の
    範囲内に設定された層として形成されていることを特徴
    とする半導体レーザ。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし14のいずれかに記載
    の半導体レーザにおいて、 前記活性層は、前記In組成比xが0.53に設定され
    た層として形成されていることを特徴とする半導体レー
    ザ。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし14のいずれかに記載
    の半導体レーザにおいて、 前記活性層は、前記In組成比xが異なる条件に設定さ
    れた2種類のInGaAs層を交互に積層して多重量子
    井戸構造に形成されていることを特徴とする半導体レー
    ザ。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし14のいずれかに記載
    の半導体レーザにおいて、 前記活性層は、In0.53Ga0.47As層および
    InP層を交互に積層して多重量子井戸構造に形成され
    ていることを特徴とする半導体レーザ。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし14のいずれかに記載
    の半導体レーザにおいて、 前記活性層は、In0.53Ga0.47As層および
    InGa1−wAs(0.05≦w≦1且つw≠0.
    53)層を交互に積層して多重量子井戸構造に形成され
    ていることを特徴とする半導体レーザ。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし3のいずれかに記載の
    半導体レーザにおいて、 前記活性層は、In0.53Ga0.47As層および
    InGa1−yAs(0.05≦y<1)層を交互に
    積層して多重量子井戸構造に形成されていることを特徴
    とする半導体レーザ。
  21. 【請求項21】 請求項1ないし20のいずれかに記載
    の半導体レーザにおいて、 前記活性層における発光領域のストライプ幅が100μ
    m以上となるように形成したことを特徴とする半導体レ
    ーザ。
JP27579299A 1999-09-29 1999-09-29 半導体レーザ Pending JP2001102686A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27579299A JP2001102686A (ja) 1999-09-29 1999-09-29 半導体レーザ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27579299A JP2001102686A (ja) 1999-09-29 1999-09-29 半導体レーザ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001102686A true JP2001102686A (ja) 2001-04-13

Family

ID=17560489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27579299A Pending JP2001102686A (ja) 1999-09-29 1999-09-29 半導体レーザ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001102686A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8437375B2 (en) 2008-10-31 2013-05-07 Optoenergy, Inc Semiconductor laser element

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0374891A (ja) * 1989-08-17 1991-03-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体発光素子
JPH05243668A (ja) * 1992-02-27 1993-09-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体レーザ装置
JPH0653615A (ja) * 1992-08-03 1994-02-25 Seiko Epson Corp 光センシング装置および光センシング装置用半導体レーザ
JPH088494A (ja) * 1994-04-19 1996-01-12 Nippondenso Co Ltd 半導体レーザ
JPH0832171A (ja) * 1994-07-19 1996-02-02 Nippondenso Co Ltd 半導体レーザ
JPH08195526A (ja) * 1995-01-13 1996-07-30 Nec Corp 半導体レーザとその製造方法
JPH08288586A (ja) * 1995-04-17 1996-11-01 Nec Corp 2μm帯半導体レーザ
JPH09148682A (ja) * 1995-11-20 1997-06-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 半導体光素子
JPH1022561A (ja) * 1996-06-28 1998-01-23 Sanyo Electric Co Ltd 半導体レーザ素子
JPH1197790A (ja) * 1997-09-17 1999-04-09 Nippon Sanso Kk 半導体レーザ
JPH11243259A (ja) * 1997-12-25 1999-09-07 Denso Corp 半導体レーザおよび半導体レーザの駆動方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0374891A (ja) * 1989-08-17 1991-03-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体発光素子
JPH05243668A (ja) * 1992-02-27 1993-09-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体レーザ装置
JPH0653615A (ja) * 1992-08-03 1994-02-25 Seiko Epson Corp 光センシング装置および光センシング装置用半導体レーザ
JPH088494A (ja) * 1994-04-19 1996-01-12 Nippondenso Co Ltd 半導体レーザ
JPH0832171A (ja) * 1994-07-19 1996-02-02 Nippondenso Co Ltd 半導体レーザ
JPH08195526A (ja) * 1995-01-13 1996-07-30 Nec Corp 半導体レーザとその製造方法
JPH08288586A (ja) * 1995-04-17 1996-11-01 Nec Corp 2μm帯半導体レーザ
JPH09148682A (ja) * 1995-11-20 1997-06-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 半導体光素子
JPH1022561A (ja) * 1996-06-28 1998-01-23 Sanyo Electric Co Ltd 半導体レーザ素子
JPH1197790A (ja) * 1997-09-17 1999-04-09 Nippon Sanso Kk 半導体レーザ
JPH11243259A (ja) * 1997-12-25 1999-09-07 Denso Corp 半導体レーザおよび半導体レーザの駆動方法

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010011170, P. Rees 他, "The temperature dependence of threshold current of chemical beam epitaxy grown InGaAs−InP lasers", Journal of Applied Physics, 19950801, Vol. 78, No. 3, 1804−1807 *
JPN6010011172, Larsson 他, "Room−Temperature Operation of MOCVD−Grown GaInAs/InP Strained−Layer Multiquantum−Well Lasers in the", IEEE TRANSACTION ON ELECTRON DEVICES, 199211, Vol. 39, No. 11, 2662 *
JPN6010011173, S. Forouhar 他, "ROOM−TEMPERATURE OPERATION OF MOCVD−GROWN GaInAs/InP STRAINED−LAYER MULTIQUANTUM WELL LASERS IN 1.8", ELECTRONICS LETTERS, 19920507, Vol. 28, No. 10, 945−947 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8437375B2 (en) 2008-10-31 2013-05-07 Optoenergy, Inc Semiconductor laser element
JP5485905B2 (ja) * 2008-10-31 2014-05-07 オプトエナジー株式会社 半導体レーザ素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7260130B2 (en) Semiconductor laser device and method of fabricating the same
US6707071B2 (en) Semiconductor light-emitting device
US20130301667A1 (en) Semiconductor laser device and manufacturing method of the same
US9356432B2 (en) Semiconductor laser device
US5675601A (en) Semiconductor laser device
JPH11243259A (ja) 半導体レーザおよび半導体レーザの駆動方法
EP1553670B1 (en) Semiconductor device having a quantum well structure including dual barrier layers, semiconductor laser employing the semiconductor device and methods of manufacturing the semiconductor device and the semiconductor laser.
JP4583058B2 (ja) 半導体レーザ素子
JP2003069144A (ja) 分布帰還型半導体レーザ素子
US7852893B2 (en) Semiconductor laser device
JP3864634B2 (ja) 半導体発光装置及びその製造方法
US5586136A (en) Semiconductor laser device with a misoriented substrate
JP3857294B2 (ja) 半導体レーザ
JP5381692B2 (ja) 半導体発光素子
JP2004179206A (ja) 光半導体装置および光伝送モジュール、光増幅モジュール
JP2812273B2 (ja) 半導体レーザ
JP2001102686A (ja) 半導体レーザ
JPH1187764A (ja) 半導体発光装置とその製造方法
US6738405B1 (en) Semiconductor laser
JP3505780B2 (ja) 半導体発光素子
JPH09181398A (ja) 半導体発光素子
EP1104945A2 (en) Improved semiconductor laser
JPH0832171A (ja) 半導体レーザ
JP4240085B2 (ja) 半導体発光装置及びその製造方法
JP2002217493A (ja) 半導体レーザ素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100629