JP2001094359A - 歪み補償増幅器 - Google Patents

歪み補償増幅器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のフィードフォワード型の歪み補償増幅
器では、大きな飽和電力を有する副増幅器と遅延器が必
要であり、回路規模を小型化するのは困難であった。 【解決手段】 入力信号を分配する分配器と、分配器の
第1の分配信号を増幅する第1の増幅器と、分配器の第
2の分配信号を増幅する第2の増幅器と、第1及び第2
の増幅器の増幅信号を逆相となる様に合成し、第1の増
幅器の増幅信号に含まれる歪み成分を低減させる結合器
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歪み補償増幅器に係
り、さらに詳しくは、移動体通信用基地局、TV放送局
等の無線送信機等において用いられるフィードフォワー
ド歪み補償回路を備えた電力増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の歪み補償増幅器の一例を
示した回路図である。この歪み補償増幅器は、入力信号
Siを電力増幅して出力信号Soを生成する1次線路
と、1次線路において生ずる歪みを検出し除去するため
の2次線路からなる。すなわち、1次線路は、分配器1
0、主増幅器A1、分配器11、大電力用遅延器12及
び結合器13からなり、2次線路は、移相器20、小信
号用遅延器21、結合器22、副増幅器A2及び移相器
23からなる。
【0003】入力信号Siは、分配器10を介して主増
幅器A1に入力され、電力増幅される。この増幅信号
は、分配器11を介して遅延器12へ入力されるととも
に、分配器11において増幅信号の一部が2次線路側へ
分配され、結合器22へ入力される。また、分配器10
において、入力信号Siの一部が2次線路側へ分配さ
れ、この分配信号は、移相器20においてπ(rad)
移相されて反転し、遅延器21を介して結合器22に入
力されている。
【0004】結合器22は、1次線路からの増幅信号と
2次線路からの反転信号を合成して歪み信号を生成す
る。すなわち、遅延器21の遅延時間を主増幅器A1に
おける遅延時間と略一致させて、結合器22で合成され
る信号の位相を略一致させるとともに、分配器10、1
1及び結合器22の分配率、結合度を調整して、結合器
22で合成される信号の電力レベルを略一致させること
により、主増幅器A1で生じた歪みスペクトルのみを歪
み信号として検出することができる。即ち、移相器2
0、遅延器21および結合器22により、歪み抽出回路
3が構成される。
【0005】次に、分配器11において1次線路側へ分
配された増幅信号は、遅延器12を介して結合器13に
入力される。一方、結合器22の出力する歪み信号は、
副増幅器A2において電力増幅され、移相器23におい
てπ(rad)移相されて反転した歪み信号となり、結
合器13に入力される。結合器13は、これらの入力信
号を合成し出力信号Soを生成している。ここで、遅延
器12の遅延時間を副増幅器A2における遅延時間と略
一致させて、結合器13で合成される信号の位相を略一
致させるとともに、分配器11及び結合器22、13の
分配率、結合度を調整して、結合器13で合成される歪
みスペクトルの電力レベルを略一致させることにより、
主増幅器A1において1次線路側の増幅信号に混入した
歪みスペクトルを結合器13において除去することがで
きる。即ち、遅延器12、結合器13、増幅器A2およ
び移相器23により歪み除去回路が構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この様な歪み補償増幅
器は、フィードフォワード方式と呼ばれ、ダイナミック
に歪みを消去する代表的な方式である。この方式では、
主増幅器A1の歪みスペクトルを増幅信号から検出し、
この歪みスペクトルに基づき、当該増幅信号の歪み補償
を行っている。即ち、被検出信号と被補償信号がともに
同一信号であるため、入力信号の変化による影響を受け
ず、フィードバック方式等に比べ歪み補償性能が優れて
いる。
【0007】ところが、この方式は他の方式に比べて効
率が悪いという欠点がある。すなわち、フィードフォワ
ード歪み補償増幅器では、結合器13の結合度(1次線
路に対する2次線路の結合度)を大きくすれば、歪み信
号(2次線路側の入力信号)の電力レベルが小さくても
十分な歪み除去を行うことができる。ところが、結合器
13の性質上、結合度を大きくすれば、同時に1次線路
上での損失も大きくなって、主増幅器A1の電力利得に
比べ回路全体の電力利得(So/Si)は小さくなって
しまう。
【0008】この様な事情から、従来のほとんどのフィ
ードフォワード歪み補償増幅器では、経験的に結合器1
3として10dB結合程度のものが用いられている。す
なわち、2次線路の信号を10dB低減させ、1次線路
の信号と合成している。この様な10dB結合器を用い
た場合、十分な歪み除去を行うには副増幅器A2の出力
電力を大きな値にする必要がある。
【0009】しかも、副増幅器A2において歪みが生じ
て、歪み信号(主増幅器A1の歪みスペクトル)に別の
歪みスペクトル(副増幅器A2の歪みスペクトル)が混
入したのでは、結合器13において十分に歪み除去を行
うことができなくなる。増幅器において混入する歪みス
ペクトルは、増幅器の飽和電力特性と相関があるため、
副増幅器A2において歪みスペクトルが混入するのを防
止するには、副増幅器A2として大きな飽和電力を有す
る増幅器を用いる必要がある。
【0010】また、上記構成の歪み補償回路では、2つ
の遅延器12、21が必要となる。このため、歪み補償
増幅器を含むシステムが大型化するという問題があっ
た。さらに、大電力用遅延器12はその挿入損失が大き
いので、回路全体の電力利得の低下を招くという問題も
あった。
【0011】すなわち、従来のフィードフォワード型の
歪み補償増幅器では、その原理上、システムの大型化
と、総合効率の低下は避けられず、この様な歪み補償増
幅器が適用される無線基地局、放送局等の設備の大型
化、必要電源能力の大型化の要因になっている。
【0012】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、副増幅器を小型化できるフィードフォワード
型の歪み補償増幅器を提供することを目的とする。ま
た、結合器において同期をとるための遅延器を削減可能
なフィードフォワード型の歪み補償増幅器を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による歪み補償増
幅器は、入力信号を分配した分配信号を、第1及び第2
の増幅器で増幅し、結合器で両増幅信号を逆相となる様
に合成している。すなわち、第2の増幅器の歪み特性を
積極的に利用することにより、第1の増幅器の歪み特性
を補償している。このため、従来のフィードフォワード
型歪み補償増幅器に比べて簡単な回路構成により、歪み
補償増幅器を実現することができる。
【0014】また、第2の増幅器の増幅信号の歪み率
を、第1の増幅器の増幅信号の歪み率よりも大きくする
ことにより、歪み補償機能の高い増幅器を実現すること
ができる。特に、約10倍以上とすることにより実用上
のより好ましい効果が得られる。
【0015】また、第1及び第2の増幅器がFETから
なる場合には第2の増幅器のゲート幅を第1の増幅器の
ゲート幅よりも狭くすることにより、あるいは、第2の
増幅器の飽和電力を第1の増幅器の飽和電力よりも小さ
くすることにより、第2の増幅器の増幅信号の歪み率
を、第1の増幅器の増幅信号の歪み率よりも大きくする
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明に
よる歪み補償増幅器の一構成例を示したブロック図であ
る。この歪み補償増幅器は、入力信号Siを電力増幅し
て出力信号Soを生成する1次線路と、1次線路におい
て生ずる歪みを求め、除去するための2次線路からな
る。1次線路は、分配器10、主増幅器A1及び結合器
13からなり、2次線路は、ベクトル調整器24、イコ
ライザ25、副増幅器A2及び移相器23からなる。
【0017】分配器10は、入力信号Siをほぼ等電力
となる様に分配する2分配器であり、約3dB低下した
入力信号Siが、1次線路及び2次線路へそれぞれ出力
される。主増幅器A1は、分配器10の1次線路側の出
力信号(分配信号)を増幅するFETであり、飽和電力
が+56dBm、総合利得が60dBである。副増幅器
A2は、分配器10の2次線路側の出力(分配信号)を
増幅するFETであり、飽和電力が+45dBm、総合
利得が55dBである。結合器13は、10dB結合器
であり、移相器23で反転された副増幅器A2の出力を
10dB低下させて、主増幅器A1の出力と合成し、出
力信号Soを生成する。
【0018】副増幅器A2の前段には、ベクトル調整器
24およびイコライザ25が設けられている。ベクトル
調整器24は、可変アッテネータ240と可変移相器2
41の直列回路からなり、2次線路側の信号の振幅又は
位相を調整することができる。また、イコライザ25
は、2次線路側の信号の周波数特性を調整することがで
きる。これらの調整作業は、出力信号Soを周波数アナ
ライザなどで観察することにより、手動で、あるいは、
CPUなどの制御部(不図示)からの制御信号に基づい
て行われる。
【0019】次に、動作について説明する。分配器10
において分配された一方の分配信号は主増幅器A1で増
幅され、他方の分配信号は副増幅器A2で増幅される。
すなわち、略同一の信号が増幅器A1、A2へ入力さ
れ、各増幅器A1、A2において、所定の電力利得によ
り増幅されるとともに、所定の歪みスペクトルが混入す
る。
【0020】そして、結合器13において、主増幅器A
1の増幅信号と、副増幅器A2の増幅信号とを逆相とな
る様に合成することにより、主増幅器A1の増幅信号に
混入した歪み成分を低減することができる。結合器13
として10dB結合器を用いる場合、2次線路側の入力
信号に含まれる歪み成分は、1次線路側の入力信号に含
まれる歪み成分よりも略10dB大きいければ、歪み成
分を十分に除去することができる。
【0021】ここで、増幅器A1、A2は、副増幅器A
2の増幅信号における歪み率が、主増幅器A1の増幅信
号における歪み率よりも大きくなるデバイスにより構成
されている。歪み率とは、信号成分に対する歪み成分の
電力比であり、歪み成分とは、歪みスペクトルを構成す
る全成分であっても主な成分(例えば、最大電力の歪み
成分)であってもよい。
【0022】増幅器A1、A2の増幅信号の歪み率が異
なる場合、結合器13において合成される信号(1次線
路側については入力信号、2次線路側については10d
B減衰後の信号であり、これらを合成信号と呼ぶ)に関
し、歪み成分の電力比と、合成信号の信号成分の電力比
とが異なることになる。
【0023】従って、結合器13において、合成信号の
歪み成分の電力レベルを略一致させ、逆相となる様に合
成すれば、信号成分の電力レベル差に相当する信号成分
を取り出すことができる。この時、副増幅器A2の歪み
率が主増幅器A1よりも大きければ、合成信号の信号成
分の電力レベルは2次線路側よりも1次線路側の方が大
きくなって、結合器13の出力信号は、歪み成分の低減
した1次線路の増幅信号となる。
【0024】両増幅器A1、A2の歪み率の差が大きく
なれば、合成器13で得られる信号成分の電力レベルも
大きくなり、歪み補償増幅器としての電力利得(So/
Si)が向上する。特に、歪み成分の電力レベルを略一
致させた場合、2次線路側の信号成分の電力レベルは、
1次線路側の信号成分に対し1/10以下であることが
望ましい。即ち、第2の増幅器の増幅信号の歪み率が、
第1の増幅器の増幅信号の歪み率の10倍以上であるこ
とが望ましい。
【0025】上述の通り、増幅信号の歪み率と増幅器の
飽和電力Psatの間には相関があり、主増幅器A1と比べ
て飽和電力Psatの小さなデバイスを副増幅器A2に用い
ることにより、副増幅器A2の歪み率を主増幅器A1の
歪み率に比べ大きくすることができる。実験によれば、
副増幅器A2の飽和電力が主増幅器A1の飽和電力に対
し約1/10の場合に顕著な効果が得られ、1/10以
下であることがより望ましい。また、結合器13として
結合度が約20dBのものを使用した場合には、この比
率が1/100〜1/1000であることが望ましい。
【0026】分配器10の分配率、結合器13の結合度
を適切な値にすることにより、結合器13において合成
される歪み成分の電力レベルを一致させることもできる
が、ベクトル調整器24を用いることにより、より容易
にこの調整を行うことが可能となる。
【0027】ベクトル調整器24は、2次線路側の増幅
信号の位相、振幅(電力レベル)を調整する。即ち、可
変移相器20により移相量を任意に調整することがで
き、結合器13において合成される信号の位相を容易に
一致させることができる。また、可変アッテネータ21
により電力レベルを任意に調整することができ、結合器
13において合成される歪み信号の電力レベルを容易に
一致させることができる。従って、ベクトル調整器24
により、結合器13の出力電力を増大させ、歪み補償増
幅器としての電力利得を増大させることができる。
【0028】また、イコライザ25を用いて2次線路側
の増幅信号の周波数スペクトル(周波数−振幅特性)を
調節することができる。このため、主増幅器A1、副増
幅器A2の歪みスペクトルの形状に差違がある場合で
も、両者を容易に一致させることができ、出力信号に残
留する歪み成分を低減することができる。なお、イコラ
イザ25を用いて、可変アッテネータ21と同様の電力
レベル調整を行うこともできるのはもちろんである。ベ
クトル調整器24及びイコライザ25は、2次線路上に
あればよく、副増幅器A2の後段に設けてもよい。ま
た、ベクトル調整器24及びイコライザ25は、必要に
応じて設けられ省略することもできる。
【0029】以上の説明により理解される通り、飽和電
力の異なる2つの増幅器を並列接続し、分配信号を各増
幅器において増幅すれば、歪み率の異なる増幅信号が得
られる。これらの増幅信号を互いに逆相となる様に結合
器で合成すれば、一方の増幅信号に含まれる歪み成分を
低減することができる。この場合、結合器で合成される
信号の位相を略一致させることにより、歪み除去を効果
的に行うことができる。また、合成される信号中の歪み
成分の電力レベル及びスペクトル形状を略一致させるこ
とにより、理想的な歪み除去を行うことができる。
【0030】なお、増幅器の遅延時間に大きな差はない
ため、従来の歪み補償増幅器の様に1次線路上、2次線
路上に遅延器を設ける必要はない。このため、回路を小
型化することが可能となる。また、1次線路の効率を向
上させることができるため、歪み補償増幅器における消
費電力を低減することができる。
【0031】図2の(a)〜(e)は、図1に示した歪
み補償増幅器おける主要信号の電力スペクトルの一例を
示した図である。いずれも横軸に周波数をとり、縦軸に
電力(dBm)をとっている。図中の(a)は入力信号
Siのスペクトルを示している。ここでは、異なる周波
数成分f1、f2からなるマルチキャリア信号を入力信号
Siとして入力した場合に生ずる3次相互変調ひずみに
ついて説明する。
【0032】図中の(b)は、主増幅器A1の出力の電
力スペクトルを示した図であり、増幅された信号成分f
1、f2と、歪み成分fx、fyからなる。一般に、周波数
成分f1、f2からなるマルチキャリア信号が増幅器に入
力されると、相互変調(inter modulation)により、m
1±nf2(m,n:0,1,2,…)の絶対値の周波
数成分からなるスペクトルが生成される。このスペクト
ルに含まれる信号成分f1、f2を以外の周波数成分が歪
み成分となる。
【0033】これらの歪み成分の電力は隣接チャネル漏
洩電力(ACP)と呼ばれ、隣接チャネルを含む他のチ
ャネルに悪影響を及ぼす電力成分である。高出力の無線
送信を行う移動体通信基地局やデジタル放送局の場合、
不要電波の送出を防止するためにACPを低減する必要
がある。ここでは無数に生ずる歪み成分のうち、電力レ
ベルが最大となる3次の歪み成分fx=2f1−f2、fy
=2f2−f1のみを図示している。
【0034】入力信号Siの電力レベルが−11dBm
であれば、2分配された分配信号は−14dBm(=−
11dBm−3dB)となる。この分配信号は、主増幅
器A1において+46dBm(=−14dBm+60d
B)に増幅される。主増幅器A1の歪み率は、通常、−
30dB程度であるため、この増幅信号は+16dBm
程度の歪みスペクトルが混入して劣化する。
【0035】図中の(c)は、副増幅器A2の出力信号
のスペクトルを示した図である。−14dBmの分配信
号は、副増幅器A2において+41dBm(=−14d
Bm+55dB)に増幅されるとともに、+26dBm
程度の歪みスペクトルが混入して劣化する。ここで、副
増幅器A2における歪みスペクトルの電力が、主増幅器
A1のそれに比べて大きくなるのは、副増幅器A2の方
が飽和電力が小さく、歪み率が−15dBと大きくなっ
ているからである。
【0036】図中の(d)は、1次線路側の増幅信号
((b)に示した信号)と合成される2次線路側の増幅
信号のスペクトルである。すなわち、結合器13におい
て10dB低減された信号であり、信号成分が+31d
Bm、歪み成分が+16dBmである。
【0037】図中の(e)は、結合器13の生成する出
力信号Soのスペクトルを示している。1次線路側と2
次線路側では、信号が逆相であり、歪み成分の電力が一
致しているので、合成により歪み成分は除去される。一
方、信号成分は、1次線路側が+46dBm(=39.
81W)、2次線路側が+41dBm(1.26W)で
あるため、出力信号の電力レベルは、+45.86dB
m(=38.55W=39.81−1.26)となり、
ほとんど低下していない。
【0038】この様に、結合器13で合成される際の1
次線路側と2次線路側の信号について、歪みスペクトル
の周波数および電力を略一致させることにより、歪みを
除去することがきる。特に、主要な歪み成分(例えば、
最大電力の歪み周波数成分)について、周波数および電
力を略一致させれば、主な歪み成分を除去することがで
きる。
【0039】そして、結合器13で合成される際の1次
線路側と2次線路側の信号について、信号成分の電力レ
ベルに差があれば、その電力差に相当する信号成分を取
り出すことができる。ここでは、反転している2次線路
側の信号成分が、1次線路側の信号成分よりも電力レベ
ルが十分に小さいために、結合器13でほとんど電力レ
ベルを低下させることなく、主増幅器A1の出力信号の
信号成分を出力信号Soとして出力することができる。
【0040】従来のフィードフォワード型の歪み補償増
幅器では、1次線路の増幅信号からひずみ成分を抽出し
て2次線路の信号を生成していたのに対し、本実施の形
態では、主増幅器A1よりも飽和電力の小さなデバイス
を副増幅器とA2として用い、2次線路の歪み率を1次
線路の歪み率よりも大きくすることにより、歪みを補償
している。
【0041】このため、簡単な回路構成により、歪み補
償増幅器を実現することができる。また、2次線路にお
いて積極的に歪み成分を混入させるため、大きな飽和電
力を有する副増幅器A2が必要なくなる。更に、増幅器
ごとの遅延時間に大きな差はないので、大型で損失の大
きな遅延器を設ける必要もない。このため、総合効率を
向上させることができ、システムを小型化することがで
きる。
【0042】なお、本実施の形態では、分配器10とし
て、ほぼ等電力の分配信号を出力する2分配器を用いた
場合について説明したが、本発明による分配器はこれに
限定されず、適切な分配率を有する方向性結合器を用い
ることができる。また、本発明では、結合器13とし
て、10dB結合器を用いた場合について説明したが、
本発明による結合器はこれに限定されず、増幅器A1、
A2の特性等に応じた適切な結合度を有する方向性結合
器を用いることができる。
【0043】また、移相器23は、特別の回路を設ける
ことなく、接続ケーブルの長さを調節して実現すること
もできる。さらに、結合器13が2次線路側の逆相信号
と1次線路側の正相信号とを合成する方向性結合器であ
れば、独立した移相器23を設ける必要はない。
【0044】また、本実施の形態では、入力信号Siが
2つのマルチキャリア信号からなる場合を例に説明した
が、本発明は、さらに多くのキャリアを有する信号や所
定の帯域幅を有する帯域信号(例えばデジタル変調信
号)を増幅する歪み補償増幅器にも適用でき、上記効果
と同様の効果を得ることができる。
【0045】実施の形態2.図3は、本発明による歪み
補償増幅器の他の構成例を示した図である。この歪み補
償増幅器は、ベクトル調整器24とイコライザ25を備
えることなく構成されるとともに、所定の関係にある主
増幅器A1と副増幅器A2が用いられる点で図1に示し
た歪み補償増幅器とは異なる。
【0046】すなわち、副増幅器A2の出力信号に含ま
れる歪みスペクトルが、主増幅器A1の出力信号に含ま
れる歪みスペクトルと略相似な関係となり、副増幅器A
2の飽和電力が主増幅器の飽和電力よりも小さくなる様
に、主増幅器A1と副増幅器A2が選択される。ここ
で、増幅信号に含まれる歪みスペクトルが略相似とは、
電力レベルを問わず、歪みスペクトルの形状(電力レベ
ルの比較的大きな歪み成分のみに関するスペクトルの形
状であってもよい)が略同一であることをいう。
【0047】図4の(a)、(b)は、略相似な歪みス
ペクトルの一例を示した説明図であり、所定の帯域幅を
有する信号、例えば、デジタル変調された音声信号を電
力増幅した場合の増幅信号の一例を示した図である。図
中のハッチング部分が信号成分であり、その両端に形成
されるハッチングなしの領域が歪み成分である。
(a)、(b)は、同一信号を異なる増幅器に入力した
場合の増幅信号をそれぞれ示している。両者を比較する
と、信号成分の電力レベルのみならず、歪み成分の電力
レベルも異なっているが、歪みスペクトルの形状は略同
一となっている。即ち、歪みスペクトルは略相似になっ
ている。
【0048】例えば、増幅器A1、A2を略同一又は類
似する半導体プロセス(材料及び工程)により製造する
ことにより、両増幅器の歪みスペクトルを略相似にする
ことができる。さらに、両増幅器A1、A2は同一ウエ
ハ上に形成された半導体チップを用いて構成されること
が望ましい。
【0049】一方、半導体チップ上に形成されるトラン
ジスタのパターン(形状又はサイズ)を異ならせること
により、トランジスタの飽和電力を制御できる。例え
ば、チャネル幅の狭いFETは、一般に飽和電力が小さ
くなる。従って、同一ウエハ上にチャネル幅の異なる2
種類のFETを形成すれば、スペクトル形状が略一致
し、かつ、飽和電力レベルの異なる1対のトランジスタ
を容易に製造することができる。
【0050】増幅器A1、A2の歪みスペクトルが略相
似形であれば、結合器13において合成信号の電力レベ
ルを一致させると、歪みスペクトルを効果的に除去する
ことができるので、2次線路上のイコライザ25を省略
することができる。また、分配器10、11及び結合器
22の分配率、結合度を調整することにより、図1の2
次線路上のベクトル調整器24も省略することができ
る。
【0051】本実施の形態によれば、増幅器A1、A2
の歪みスペクトルを略相似形とすることにより、増幅器
A1において生じた歪み成分をより効果的に除去するこ
とができる。また、イコライザ、ベクトル調整器を省略
することができ、簡単な回路構成で高精度の歪み補償を
行うことができ、小型で安価な歪み補償増幅回路を実現
することができる。
【0052】なお、本実施の形態では、イコライザ、ベ
クトル調整器を設けない構成例について説明したが、調
整作業を容易にするため、これらを必要に応じて設ける
こともできるのは当然である。
【0053】
【発明の効果】本発明による歪み補償増幅器は、第2の
増幅器の歪み特性を積極的に利用することにより、第1
の増幅器の歪み特性を補償している。このため、副増幅
器を小型化したフィードフォワード型の歪み補償増幅器
を提供することができる。また、本発明による歪み補償
増幅器は、結合器において同期をとるための遅延器を省
略できる。このため、小型のフィードフォワード型の歪
み補償増幅器を提供することができる。また、総合効率
の向上により、消費電力を低減した歪み補償増幅器を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による歪み補償増幅器の一構成例を示
したブロック図である。
【図2】 図1に示した歪み補償増幅器おける主要信号
の電力スペクトルの一例を示した図である。
【図3】 本発明による歪み補償増幅器の他の構成例を
示した図である。
【図4】 略相似な歪みスペクトルの一例を示した説明
図である。
【図5】 従来の歪み補償増幅器の一例を示した回路図
である。
【符号の説明】
A1 主増幅器、 A2 副増幅器、10 分配
器、 13 結合器、24 ベクトル調整器、
25 イコライザ、Si 入力信号、 So 出
力信号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を分配する分配器と、分配器の
    第1の分配信号を増幅する第1の増幅器と、分配器の第
    2の分配信号を増幅する第2の増幅器と、第1及び第2
    の増幅器の増幅信号を逆相となる様に合成し、第1の増
    幅器の増幅信号に含まれる歪み成分を低減させる結合器
    からなる歪み補償増幅器。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の増幅器がFETからな
    り、第2の増幅器のゲート幅が第1の増幅器のゲート幅
    よりも狭いことを特徴とする請求項1に記載の歪み補償
    増幅器。
  3. 【請求項3】 第2の増幅器の飽和電力が、第1の増幅
    器の飽和電力よりも小さいことを特徴とする請求項1に
    記載の歪み補償増幅器。
  4. 【請求項4】 第2の増幅器の増幅信号の歪み率が、第
    1の増幅器の増幅信号の歪み率よりも大きいことを特徴
    とする請求項1に記載の歪み補償増幅器。
  5. 【請求項5】 第2の増幅器の増幅信号の歪み率が、第
    1の増幅器の増幅信号の歪み率の10倍以上であること
    を特徴とする請求項4に記載の歪み補償増幅器。
  6. 【請求項6】 入力信号を分配する分配器と、分配器の
    第1の分配信号を増幅する第1の増幅器と、飽和電力が
    第1の増幅器よりも小さく、分配器の第2の分配信号を
    増幅する第2の増幅器と、第1及び第2の増幅器の増幅
    信号を逆相となる様に合成する結合器からなることを特
    徴とする歪み補償増幅器。
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