JP2001092180A - 重合トナーの製造方法及び製造装置 - Google Patents

重合トナーの製造方法及び製造装置

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JP2001092180A
JP2001092180A JP27170099A JP27170099A JP2001092180A JP 2001092180 A JP2001092180 A JP 2001092180A JP 27170099 A JP27170099 A JP 27170099A JP 27170099 A JP27170099 A JP 27170099A JP 2001092180 A JP2001092180 A JP 2001092180A
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gas
distillation
toner
polymerized toner
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JP27170099A
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English (en)
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Hiroshi Koyama
浩 小山
Takeshi Naka
毅 中
Yoshihiro Nakagawa
義広 中川
Hitoshi Kanda
仁志 神田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸留時の突沸・発泡等を防ぎ、残存モノマー
や副生成物の少ない重合トナーを効率良く製造する方法
を提供することにある。 【解決手段】 少なくとも重合性単量体と着色剤とを含
有する重合性単量体組成物を、重合開始剤により水系媒
体中で重合し、得られる反応系を蒸留して得られる着色
重合体粒子を有する重合トナーを製造する重合トナーの
製造方法であり、蒸留操作中に蒸留操作を行なう蒸留装
置内に空気又は不活性ガスから選ばれる気体10を注入
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潜像を顕像化する
方法に用いられる重合トナーの製造方法及び製造装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は米国特許第2,297,6
91号明細書等に記載されている如く、多数の方法が知
られており、一般には光導電性物質からなる感光体を利
用し、種々の手段により該感光体上に電気的潜像を形成
し、次いで該潜像をトナーを用いて現像を行なって可視
像とし、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写
した後、加熱、圧力、或いは溶剤蒸気等により定着し複
写物または印刷物を得るものである。
【0003】また、トナーを用いて現像する方法、或い
はトナー画像を定着する方法としては、従来各種の方法
が提案され、それぞれの画像形成プロセスに適した方法
が採用されている。
【0004】従来、これらの目的に用いるトナーとし
て、一般に熱可塑性樹脂中に染料及び顔料の如き着色剤
を溶融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置により微
粉砕し、微粉砕物を分級機により分級して所望の粒径を
有するトナーを製造してきた。
【0005】この製造方法はかなり優れたトナーを製造
し得るが、ある種の制限、即ちトナー用材料の選択範囲
に制限がある。例えば樹脂着色剤分散体が充分に脆く、
経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなくては
ならない。ところが、こういった要求を満たすために樹
脂着色剤分散体を脆くすると、該分散体を実際に高速で
微粉砕した場合に形成された粒子の粒径範囲が広くなり
易く、特に比較的大きな割合の微粒子がこれに含まれる
という問題が生ずる。さらに、このように脆性の高い材
料は、複写機等現像用に使用する際、さらなる微粉砕な
いしは粉化を受け易い。
【0006】また、この方法では、着色剤等の固体微粒
子を樹脂中へ完全に均一に分散することは困難であり、
その分散の度合によっては、画像形成時におけるカブリ
の増大、画像濃度の低下や混色性あるいは透明性の不良
の原因となるので、着色剤の分散には十分な注意を払わ
なければならない。また、粉砕粒子の破断面に着色剤が
露出することにより、現像特性の変動を引き起こす場合
もある。
【0007】一方、これら粉砕法によるトナーの問題点
を克服するため、特公昭36−10231号、同43−
10799号及び同51−14895号公報等により懸
濁重合法トナーを初めとして、各種重合法トナーやその
製造方法が提案されている。たとえば、懸濁重合法トナ
ーにおいては、重合性単量体、着色剤および重合開始剤
さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤
を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、
この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相、例え
ば水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、着色単量体粒
子を生成させると同時に重合反応を行なわせ、所望の粒
径を有する着色重合体粒子を得る。得られた着色重合体
粒子を含む懸濁液に酸またはアルカリ等を添加して、分
散安定剤を水相に可溶化させ、次いで、洗浄、脱水、乾
燥を行い、所望のトナー粒子を得る。
【0008】この方法では、粉砕工程が全く含まれない
ため、トナーに脆性が必要ではなく、樹脂として軟質の
材料を使用することができ、また、粒子表面への着色剤
の露出が生ぜず、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得
られるという利点がある。また、得られるトナーの粒度
分布が比較的シャープなことから分級工程を省略また
は、分級したとしても、高収率でトナーが得られるた
め、エネルギーの節約、時間の短縮、工程収率の向上
等、コスト削減効果が大きい。また、離型剤として低軟
化点物質を大量にトナー中に内包化できることから、得
られるトナーが耐オフセット性に優れるという利点があ
る。
【0009】しかしながら、この懸濁重合法トナーは、
上述のとおり着色剤,荷電制御剤等のトナー特性付与剤
が溶解又は分散された重合性単量体系の重合反応を行な
うのであるが、これらのトナー特性付与剤の中には、重
合反応を抑制するものが少なくない。特に着色剤,荷電
制御剤などを多量に用いた場合など、得られた重合法ト
ナー粒子中に、未反応の単量体が多く残存したり、副生
成物が生成したりする傾向にある。このような残存モノ
マーや副生成物を多く含んだトナーは、定着時の悪臭、
トナーの流動性低下による画質の低下、耐ブロッキング
性の低下等を招くといった問題点があった。
【0010】これら問題点を解決する手段として半減期
の異なる二種類の重合開始剤を用いる等の提案がなされ
ているが、充分満足の行く方法ではない。また、特開平
1−303450号公報においては、懸濁重合法により
得られた重合生成物を、単量体成分は溶解するが、重合
体成分は溶解しない高揮発性有機溶媒中に浸漬して撹拌
した後、該溶媒中から重合生成物を取り出し、乾燥する
方法が提案されているが、この方法は、固液分離を2回
行なうなど製法が複雑であり、また、有機溶媒に可溶の
トナー特性付与剤が使用できないといった問題がある。
【0011】さらに特開平1−70765号公報におい
ては、懸濁重合後得られる樹脂のTg以上の温度で加熱
し、重合終了時の水量に対して5〜50重量%の水を留
去するトナー用樹脂の製造方法が提案されている。この
方法によれば確かに残存モノマー量の少ない樹脂が得ら
れるが、5〜50重量%の水を留去するためには、大気
圧下にしろ減圧下にしろ沸騰状態を持続して蒸留する必
要がある。しかしながら、残存モノマー等を含む懸濁液
を沸騰させた場合に発生する泡(発泡)は、通常の水系
媒体よりも表面張力が大きいため安定で壊れにくく、液
面上に発泡層を形成してしまう。この発泡層が蒸気の発
生及び系外への排出を阻害して蒸留の効率を悪くするた
め、長時間の蒸留が必要であったり、液面に浮遊してい
た懸濁しない微粉末を泡の表面を介して蒸留器気相部の
内壁に付着させてしまう。この付着物の量が無視できな
い量まで堆積すると、定期的に生産を停止してスケール
を除去する必要が生じ生産性が低下するという問題があ
った。また、減圧下においては突沸の危険が伴なうた
め、やはり安定した生産が行なえないという問題があっ
た。
【0012】さらに特開平5−100485号公報にお
いては、留去操作中に懸濁液の飽和蒸気、水溶性溶媒の
飽和蒸気または水溶性気体を懸濁液中に吹き込みつつ液
媒体を留去する重合法トナーの製造方法が提案されてい
る。この方法によれば確かに残存モノマーの量の少ない
樹脂が得られるが、気体を懸濁液中に注入しているた
め、気相部を減圧して蒸留する場合、気体が懸濁液中か
ら気相部に移動する際に急激な膨張が生じるため、発泡
による液面上昇や泡が壊れる際の懸濁液の飛散が生じ、
蒸留容器の気相部を著しく汚染してしまうという問題が
あった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき問題を解決し、残存モノマー、副生成物の少な
い重合トナーの製造方法及び製造装置を提供することに
ある。
【0014】本発明の他の目的は、蒸留時の突沸・発泡
等を防ぎ、重合トナーを効率良く製造する方法及び製造
装置を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、現像特性の優れた重
合トナーの製造方法及び製造装置を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、蒸留操作中に空気又は不活性ガスから選ばれる気
体を注入することで蒸留時に突沸・発泡等を防ぎ、残存
モノマーや副生成物の少ない重合トナーを効率良く得ら
れることを見い出した。
【0017】すなわち、本発明は、少なくとも重合性単
量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、重合
開始剤により水系媒体中で重合し、得られる反応系を蒸
留して得られる着色重合体粒子を有する重合トナーを製
造する重合トナーの製造方法であり、蒸留操作中に蒸留
操作を行なう蒸留装置内に空気又は不活性ガスから選ば
れる気体を注入することを特徴とする重合トナーの製造
方法に関する。
【0018】また、本発明は、少なくとも重合性単量体
と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、重合開始
剤により水系媒体中で重合し、得られる反応系を蒸留し
て得られる着色重合体粒子を有する重合トナーを製造す
る装置であり、蒸留操作中に蒸留操作を行なう蒸留装置
内に空気又は不活性ガスから選ばれる気体を注入するた
めの注入手段を設けたことを特徴とする重合トナーの製
造装置に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】粒子中の残存モノマー量、副生成
物量を減少させるべく懸濁液を蒸留しようとすると、突
沸・発泡が発生しやすい。これは、大量に水系媒体を留
去するために高温、高真空度、強条件の蒸留操作が必要
なためである。
【0020】そこで、蒸留操作中に空気又は不活性ガス
から選ばれる気体を注入することで蒸留条件、具体的に
は温度や真空度を緩和することが可能になり、突沸・発
泡等を発生することなく大量に水系媒体を留去でき、残
存モノマーや副生成物の少ない重合トナーを効率良く得
られる。
【0021】蒸留操作中に空気又は不活性ガスから選ば
れる気体を注入することで蒸留条件が緩和される理由と
しては、懸濁液より発生した残存モノマーや副生成物を
含んだ水蒸気が、気相部で冷却され再び液体となって懸
濁液中に還流することなく気体とともに確実に系外に排
出されるためで、効率の良い蒸留が可能となるからであ
る。従って、強い蒸留操作、すなわち激しい沸騰状態を
保持しなくても必要量の水系媒体の留去を行なえるの
で、発泡や突沸のない蒸留が可能となるのである。
【0022】図1及び図2は、本発明の実施の形態の一
例をあらわす蒸留装置の模式図である。
【0023】気体10は、必要により設けられる加熱装
置1で加熱される。蒸留容器3の気相部4に注入される
場合は導入管2(図1)を、懸濁液5中に注入される場
合は導入管2’(図2)を経て蒸留容器3内に注入され
る。懸濁液5は撹拌機6にて撹拌されていることが一般
的である。蒸留容器3内に注入された気体10は、排気
管7を経て系外へ排出される。排出された気体10は水
蒸気と残留モノマーを含んでいるため、コンデンサー等
の濃縮器8を用いて湿分を除くことが一般的である。気
相部4を減圧して蒸留する場合は真空ポンプ9が濃縮器
8の下流に配置される。
【0024】なお、本発明は図1及び図2に限定される
ものではなく、必要に応じ各種機器を設け実施される。
また、本発明の蒸留装置は、前工程である重合装置と兼
用しても、独立して設けてもよい。
【0025】本発明に使用される気体10としては、経
済性の観点から空気が好ましい。重合物によっては空気
中の酸素が重合を阻害するため、蒸留中であっても若干
の重合が進行する可能性がある場合は、不活性ガスを用
いることが好ましい。不活性ガスとは、希ガス類や窒素
等の反応性の乏しい気体を言い、これらの中では窒素が
やはり経済性の面から好ましい。
【0026】注入する気体10の温度は、常温でも加熱
装置1等を用いて加熱して使用してもよい。気体10を
加熱しないと気相部4の雰囲気温度を若干ではあるが下
げてしまい、蒸留効率を悪化させてしまうので、加熱し
た気体10を注入することが好ましい。
【0027】気体10の注入量としては水系媒体の留去
量に対して、5モル%以上50モル%以下が好ましい。
【0028】ここで、モル%の計算方法は、
【0029】
【数1】 であり、気体注入量および水系媒体の留出速度の単位
は、共に[mol/時]である。
【0030】5モル%未満では効果が少なく、気体10
を加熱しない場合は10mol%未満でも効果が少な
い。50モル%を超える場合では気相部4の真空度を維
持するために大容量の真空ポンプ9が必要となり経済的
ではない。また、気体10を加熱しない場合、25mo
l%以上では雰囲気温度の低下による蒸留効率の低下が
生じる。
【0031】従って、気体10を加熱しない場合は、よ
り好ましくは10モル%以上25モル%以下である。
【0032】気体の注入方法としては、導入管2を用い
て蒸留容器3の気相部4に注入してもよいし、導入管
2’を用いて懸濁液5中に注入してもよい。懸濁液5中
に注入する場合、気体10が排気管7へショートパスす
ることなく注入できるので蒸留効率が良化する利点はあ
るものの、気相部4を減圧して蒸留する場合、気体10
が懸濁液5中から気相部4に移動する際に急激な膨張が
生じるため、発泡や泡が壊れる際の懸濁液5の飛散が生
じ、蒸留容器3の気相部4を汚染してしまう。これに対
し、気相部4に気体10を注入する場合は、液面を泡立
てずに注入することができる。従って、気相部4を減圧
して蒸留する場合、気体10は蒸留容器3の気相部4に
注入することが好ましい。
【0033】水系媒体の留去量は、蒸留前の残存モノマ
ー量や蒸留後に所望する残存モノマー量にもよるが、2
〜100重量%であることが一般的である。2重量%よ
り低いと気体を注入してもトナー中の残存モノマーが充
分少なくならない。逆に100重量%を超えた場合、残
存モノマー量の減少は、もはやほとんど認められず、ま
た、残存モノマー量としては本発明の目的を達するに充
分である。
【0034】また、留去を行なうことで、懸濁液5の固
液比が大きくなり、粒子同士の合一、また、蒸留装置3
の内壁への粒子の付着等の発生を防ぐために、固液比が
変化しないように、水系媒体を添加しつつ、留去を行な
っても良い。
【0035】懸濁液量の5〜100重量%の水系媒体を
留去する方法としては、得られるトナーの、示差走査熱
量計(DSC)測定による吸熱ピークのピークトップ温
度以上に加熱しながら留去する方法が挙げられる。
【0036】ここで、トナー粒子の物性上、留去温度を
あまり上げられない場合が多い。そこで、水系媒体の沸
騰温度を下げる目的で減圧下で水系媒体を留去すること
が一般的である。水系媒体の沸騰温度すなわち留去温度
を下げることで、粒子同士の合一、蒸留装置3の内壁へ
の粒子付着を防ぐことが可能となる。
【0037】ただし、この場合もなるべく吸熱ピークト
ップ温度に近い温度で留去するのが好ましい。これは吸
熱ピークトップ温度以下ではトナー中の残存モノマーが
トナー中に閉じ込められ、残存モノマーを除去しにくく
なるためである。
【0038】本発明に使用される重合性単量体系を構成
する重合性単量体、及び着色剤等のトナー特性付与剤と
しては、以下のものが挙げられる。
【0039】重合性単量体としては、スチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のス
チレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アク
リル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アク
リル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノエチル等の
メタクリル酸エステル類;その他アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、アクリルアミド等の単量体が挙げら
れる。
【0040】これらの単量体は単独又は混合して使用し
得る。上述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘
導体を単独で、又は他の単量体と混合して使用すること
がトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
【0041】本発明では、単量体系に、極性基を有する
樹脂を添加して重合しても良い。本発明に使用できる極
性樹脂を以下に例示する。
【0042】(1)カチオン性重合体としては、メタク
リル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル酸ジエチルア
ミノエチルなどの含窒素単量体の重合体もしくはスチレ
ン,不飽和カルボン酸エステル等との共重合体が挙げら
れる。
【0043】(2)アニオン性重合体としては、アクリ
ロニトリル等のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハ
ロゲン系単量体、アクリル酸・メタクリル酸等の不飽和
カルボン酸、その他不飽和二塩基酸・不飽和二塩基酸無
水物、ニトロ系単量体等の重合体もしくはスチレン系単
量体等との共重合体が挙げられる。これら極性樹脂は、
トナーの表面付近に局在化することで、トナーの耐ブロ
ッキング性を向上する。
【0044】本発明で用いられる着色剤としては、公知
のものが使用でき、例えば、カーボンブラック、鉄黒の
他、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクト
レッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.べーシ
ックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.
I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー
2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブル
ー15、C.I.べーシックブルー3、C.I.べーシ
ックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.
ダイレクトグリーン6、C.I.べーシックグリーン
4、C.I.べーシックグリーン6等の染料;黄鉛、カ
ドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブ
ルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエロー
G、パーマネントイエローNCG、タートラジンレー
キ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGT
R、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマ
ネントレッド4R、ウォッチングレッドカルシウム塩、
ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレットB、
メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、ア
ルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、キナク
リドン、ローダミンレーキ、フタロシアニンブルー、フ
ァーストスカイブルー、ピグメントグリーンB、マラカ
イトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等
の顔料がある。
【0045】本発明においては重合法を用いてトナーを
得るため、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意
を払う必要があり、好ましくは、表面改質、例えば、重
合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほう
が良い。特に、染料系やカーボンブラックは、重合阻害
性を有しているものが多いので使用の際に注意を要す
る。染料系を表面処理する好ましい方法としては、あら
かじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめ
る方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体系に添
加する。また、カーボンブラックについては、上記染料
と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反
応する物質、例えば、ポリオルガノシロキサン等でグラ
フト処理を行っても良い。
【0046】本発明では、磁性体を添加してもよいが、
これも表面処理を行って用いるのが好ましい。
【0047】また、本発明において熱ロール定着時の離
型性を良くする目的で、トナー中に炭化水素系化合物等
一般に離型剤として用いられているワックス類を配合し
ても良い。本発明に用いられるワックス類としては、パ
ラフィン・ポリオレフィン系ワックス及びこれらの変性
物、例えば、酸化物やグラフト処理物の他、高級脂肪酸
及びその金属塩、アミドワックスなどが挙げられる。こ
れらワックスは環球法(JIS K2531)による軟
化点が40〜130℃、好ましくは50〜120℃を有
するものが望ましく、軟化点が40℃未満ではトナーの
耐ブロッキング性及び保形性が不十分であり、130℃
を超える場合では離型性の効果が不十分となる。これら
離型剤の添加量としては一般に重合性単量体100重量
部あたり1.0〜100重量部使用することが好まし
い。
【0048】本発明においては、トナーの帯電性を制御
する目的でトナー材料中に荷電制御剤を添加しておくこ
とが望ましい。これら荷電制御剤としては、公知のもの
のうち、重合阻害性・水相移行性の殆ど無いものが用い
られ、例えば正荷電制御剤としてニグロシン系染料・ト
リフェニルメタン系染料・四級アンモニウム塩・アミン
系及びポリアミン系化合物等が挙げられ、負荷電制御剤
としては、含金属サリチル酸系化合物・含金属モノアゾ
系染料化合物・スチレン−アクリル酸共重合体・スチレ
ン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0049】重合開始剤としては、いずれか適当な重合
開始剤、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−
カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾ
イルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、
ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロ
ペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤
が挙げられる。これら重合開始剤は、重合性単量体の
0.5〜20重量%の添加量が好ましい。
【0050】本発明では、架橋剤を添加してもよく、好
ましい添加量としては、0.001〜15重量%であ
る。
【0051】本発明で用いられる各種特性付与を目的と
した添加剤は、トナーに添加した時の耐久性の点から、
トナー粒子の重量平均径の1/10以下の粒径であるこ
とが好ましい。この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡にお
けるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を
意味する。
【0052】これら特性付与を目的とした添加剤として
は、例えば、以下のようなものが用いられる。
【0053】1)流動性付与剤:金属酸化物(酸化ケイ
素,酸化アルミニウム,酸化チタンなど)・カーボンブ
ラック・フッ化カーボンなど。それぞれ疎水化処理を行
ったものが、より好ましい。
【0054】2)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロ
ンチウム,酸化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マグ
ネシウム,酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素な
ど)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシ
ウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウムなど)など。
【0055】3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニ
リデン,ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金
属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムな
ど)など。
【0056】4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化
錫,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化アルミニ
ウムなど)・カーボンブラックなど。
【0057】これら添加剤は、トナー粒子100重量部
に対し、0.1〜10重量部が用いられ、好ましくは
0.1〜5重量部が用いられる。これら添加剤は、単独
で用いても、また、複数併用しても良い。
【0058】本発明において用いられる水系媒体には、
いずれ適当な安定化剤を添加する。例えば、無機化合物
として、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン
酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミ
ナ等が挙げられる。有機化合物として、ポリビニルアル
コール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキ
シプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及び
その塩、デンプン等を水相に分散させて使用できる。こ
の安定化剤は、重合性単量体100重量部に対して、
0.2〜20重量部を使用することが好ましい。
【0059】また、これら安定化剤の微細な分散のため
に、0.001〜0.1重量部の界面活性剤を使用して
もよい。これは上記分散安定剤の所期の作用を促進する
ためのものであり、その具体例としては、ドデシルベン
ゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペ
ンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、
オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステア
リン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられ
る。
【0060】これら分散安定剤の中で、無機化合物を用
いる場合、市販のものをそのまま用いても良いが、より
細かい粒子を得るために、水系媒体中にて該無機化合物
を生成させても良い。例えばリン酸カルシウムの場合、
高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カル
シウム水溶液を混合するとよい。
【0061】本発明で用いられる重合トナーは、以下の
如き方法にて得られる。即ち、重合性単量体中に離型
剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を
加え、ホモジナイサー・超音波分散機等によって均一に
溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有す
る水系媒体中に通常の撹拌機又はホモミキサー・ホモジ
ナイサー等により分散せしめる。好ましくは単量体液滴
が所望のトナー粒子のサイズ、一般に30μm以下の粒
径を有するように撹拌速度・時間を調整し造粒する。そ
の後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、
且つ粒子の沈降・浮遊が防止される程度の撹拌を行えば
良い。反応終了後、懸濁液に水系媒体を添加しつつ、水
系媒体を留去して、分散安定剤を除去し、生成したトナ
ー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁重合
法においては、通常単量体系100重量部に対して水3
00〜3000重量部を分散媒として使用するのが好ま
しい。
【0062】上記工程において、重合温度は40℃以
上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行
う。また、重合反応後半に昇温しても良い。
【0063】本発明における粒度分布測定について述べ
る。測定装置としてはコールターカウンターTA−II
型(コールター社製)を用い、個数平均分布・体積平均
分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX
−1パーソナルコンピューター(キヤノン製)を接続
し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl
水溶液を調製する。
【0064】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはア
ルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さ
らに測定試料を0.5〜50mg加える。
【0065】試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約
1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンター
TA−II型により、アパチャーとして100μmアパ
チャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定し
て体積平均分布・個数平均分布を求める。これら求めた
体積平均分布・個数平均分布より、重量平均粒径を得
る。
【0066】本発明における吸熱ピークトップ温度は、
DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いて昇温速度
10℃/minで行ない、1回目の昇温時のDSCカー
ブにおいて最大の吸熱を示すピークから求めた。
【0067】また残留重合性単量体及び副生成物量の定
量は、トナー0.2gをTHF4mlに溶解したもの
を、ガスクロマトグラフィーにて以下の条件で内部標準
により測定した。
【0068】G.C.条件 測定装置:N2,2kg/cm2 50ml/min. sp1it比 1:60,線速度 30mm/sec. カラム:ULBON HR−1 50m×0.25mm 昇温:50℃ 5min.hold ↓ 10℃/min. 100℃ ↓ 20℃/min. 200℃ hold 試料量:2μl 標示物質:トルエン
【0069】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき本発明を具
体的に説明する。
【0070】<実施例1>イオン交換水95kgに12
35gのNa3PO4・12H2Oを投入し60℃に加温
した後、クレアミックス撹拌機(エム・テクニック製)
を用いて3,700rpmにて撹拌した。これに、71
6gのCaCl2・2H2Oを5kgのイオン交換水に溶
解した水溶液を徐々に添加し、Ca3(PO42を含む
水系媒体を得た。 ・スチレン 12000g ・n−ブチルアクリレート 2500g ・C.I.ピグメントブルー15:3 1100g ・パラフィンワックス(m.p.70℃) 2200g ・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 150g 上記処方を60℃に加温し、均一に溶解、分散した。こ
れに、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)440gを溶解し、重合性単
量体系を調製した。前記水系媒体中に上記重合性単量体
系を投入し、60℃,N2雰囲気下において、クレアミ
ックス撹拌機(エム・テクニック製)を用いて3,70
0rpmで10分間撹拌し、重合性単量体系を造粒し
た。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃で5時
間反応させた後、液温を80℃とし、3時間反応させ
た。
【0071】重合反応終了後、液温は80℃のままで、
80℃に加熱した窒素ガスを34.6mol/時の流量
で蒸留装置の気相部に注入しつつ、蒸留装置内を45.
8kPaの減圧下に保つ、という条件で蒸留操作を行な
った。
【0072】発泡及び突沸もなく、従って、蒸留器気相
部の付着もなく、水の留出速度は4.10kg/時すな
わち228mol/時であった。よって、水の留去量に
対する窒素流量は13.2モル%であった。
【0073】この蒸留操作で、懸濁液の15wt%分を
留去するのに、4.4時間を要した。
【0074】その後、冷却し、塩酸を加えCa3(P
42を溶解させ、濾過、乾燥を行ない、重合トナーを
得た。得られたトナーの粒径は重量平均径8.5μmで
シャープな粒度分布を有していた。また、DSC測定に
よる吸熱ピークトップ温度は70℃であった。また、残
存モノマーと副生成物(ベンズアルデヒド)の量は、合
計で50ppmであった。
【0075】得られたトナー100重量部に対して、B
ET法による比表面積が200m2/gである疎水性シ
リカ0.7重量部を外添した。このトナー7重量部に対
して、アクリルコートされたフェライトキャリア93重
量部を混合し、現像剤とした。
【0076】この現像剤及び外添トナーを用いて、キヤ
ノン製フルカラー複写機CLC−500改造機で画出し
を行なったところ、臭気は発生せず良好な画像が得られ
た。
【0077】<実施例2>重合反応までは実施例1と同
様の操作で懸濁液を作製した。
【0078】重合反応終了後、液温は80℃のままで、
80℃に加熱した窒素ガスを4.51mol/時の流量
で蒸留装置の気相部に注入しつつ、蒸留装置内を45.
8kPaの減圧下に保つ、という条件で蒸留操作を行な
った。
【0079】発泡及び突沸もなく、従って、蒸留器気相
部の付着もなく、水の留出速度は1.55kg/時すな
わち86.0mol/時であった。よって、水の留去量
に対する窒素流量は5.0モル%であった。
【0080】この蒸留操作で、懸濁液の15wt%分を
留去するのに、11.6時間を要した。
【0081】その後、冷却し、塩酸を加えCa3(P
42を溶解させ、濾過、乾燥を行ない、重合トナーを
得た。得られたトナーの粒径は重量平均径8.5μmで
シャープな粒度分布を有していた。また、DSC測定に
よる吸熱ピークトップ温度は70℃であった。また、残
存モノマーと副生成物(ベンズアルデヒド)の量は、合
計で50ppmであった。
【0082】蒸留後の操作は再び実施例1と同様に行な
ったところ、得られたトナーの性能は実施例1と同様で
臭気は発生せず良好な画像が得られた。
【0083】<実施例3>重合反応までは実施例1と同
様の操作で懸濁液を作製した。
【0084】重合反応終了後、液温は80℃のままで、
常温の窒素ガスを11.3mol/時の流量で蒸留装置
の気相部に注入しつつ、蒸留装置内を45.8kPaの
減圧下に保つ、という条件で蒸留操作を行なった。
【0085】発泡及び突沸もなく、従って、蒸留器気相
部の付着もなく、水の留出速度は1.8kg/時すなわ
ち101mol/時であった。よって、水の留去量に対
する窒素流量は10.0モル%であった。
【0086】この蒸留操作で、懸濁液の15wt%分を
留去するのに、9.9時間を要した。
【0087】その後、冷却し、塩酸を加えCa3(P
42を溶解させ、濾過、乾燥を行ない、重合トナーを
得た。得られたトナーの粒径は重量平均径8.5μmで
シャープな粒度分布を有していた。また、DSC測定に
よる吸熱ピークトップ温度は70℃であった。また、残
存モノマーと副生成物(ベンズアルデヒド)の量は、合
計で50ppmであった。
【0088】蒸留後の操作は再び実施例1と同様に行な
ったところ、得られたトナーの性能は実施例1と同様で
臭気は発生せず良好な画像が得られた。
【0089】<実施例4>重合反応までは実施例1と同
様の操作で懸濁液を作製した。
【0090】重合反応終了後、液温は80℃のままで、
常温の窒素ガスを3.38mol/時の流量で蒸留装置
の気相部に注入しつつ、蒸留装置内を45.8kPaの
減圧下に保つ、という条件で蒸留操作を行なった。
【0091】発泡及び突沸もなく、従って、蒸留器気相
部の付着もなく、水の留出速度は1.2kg/時すなわ
ち64mol/時であった。よって、水の留去量に対す
る窒素流量は5.0モル%であった。
【0092】この蒸留操作で、懸濁液の15wt%分を
留去するのに、15.6時間を要した。
【0093】その後、冷却し、塩酸を加えCa3(P
42を溶解させ、濾過、乾燥を行ない、重合トナーを
得た。得られたトナーの粒径は重量平均径8.5μmで
シャープな粒度分布を有していた。また、DSC測定に
よる吸熱ピークトップ温度は70℃であった。また、残
存モノマーと副生成物(ベンズアルデヒド)の量は、合
計で50ppmであった。
【0094】蒸留後の操作は再び実施例1と同様に行な
ったところ、得られたトナーの性能は実施例1と同様で
臭気は発生せず良好な画像が得られた。なお、性能面で
は問題無いものの、15.6時間の蒸留は生産性の観点
からは、許容範囲の上限である。
【0095】<実施例5>重合反応までは実施例1と同
様の操作で懸濁液を作製した。
【0096】重合反応終了後、液温は80℃のままで、
80℃に加熱した空気を34.8mol/時の流量で蒸
留装置の気相部に注入しつつ、蒸留装置内を45.8k
Paの減圧下に保つ、という条件で蒸留操作を行なっ
た。
【0097】発泡及び突沸もなく、従って、蒸留器気相
部の付着もなく、水の留出速度は4.15kg/時すな
わち231mol/時であった。よって、水の留去量に
対する窒素流量は13.1モル%であった。
【0098】この蒸留操作で、懸濁液の15wt%分を
留去するのに、4.3時間を要した。
【0099】その後、冷却し、塩酸を加えCa3(P
42を溶解させ、濾過、乾燥を行ない、重合トナーを
得た。得られたトナーの粒径は重量平均径8.5μmで
シャープな粒度分布を有していた。また、DSC測定に
よる吸熱ピークトップ温度は70℃であった。また、残
存モノマー、副生成物(ベンズアルデヒド)量は、合計
で50ppmであった。
【0100】蒸留後の操作は再び実施例1と同様に行な
ったところ、得られたトナーの性能は実施例1と同様で
臭気は発生せず良好な画像が得られた。
【0101】<比較例1>重合反応までは実施例1と同
様の操作で懸濁液を作製した。
【0102】重合反応終了後、液温は80℃のままで、
窒素などの気体は注入せずに、蒸留装置内を45.8k
Paの減圧下に保つ、という条件で蒸留操作を行なっ
た。
【0103】発泡及び突沸はなく、従って、蒸留器気相
部の付着もないものの、水の留出速度は0.1kg/時
以下であった。
【0104】この蒸留操作で、懸濁液の15wt%分を
留去するのはあきらめ、16時間で蒸留操作を終了した
ところ、懸濁液の4wt%を留去するにとどまった。
【0105】その後、冷却し、塩酸を加えCa3(P
42を溶解させ、濾過、乾燥を行ない、重合トナーを
得た。得られたトナーの粒径は重量平均径8.5μmで
シャープな粒度分布を有していた。また、DSC測定に
よる吸熱ピークトップ温度は70℃であった。また、残
存モノマーと副生成物(ベンズアルデヒド)の量は、合
計で210ppmであった。
【0106】得られたトナー100重量部に対して、B
ET法による比表面積が200m2/gである疎水性シ
リカ0.7重量部を外添した。このトナー7重量部に対
して、アクリルコートされたフェライトキャリア93重
量部を混合し、現像剤とした。
【0107】この現像剤及び外添トナーを用いて、キヤ
ノン製フルカラー複写機CLC−500で画出しを行な
ったところ、トナーの流動性が悪く、画質も劣ってお
り、臭気も発生した。
【0108】<比較例2>重合反応までは実施例1と同
様の操作で懸濁液を作製した。
【0109】重合反応終了後、液温は80℃のままで、
窒素などの気体は注入せずに、蒸留装置内を44.7k
Paの減圧下に保つ、という条件で蒸留操作を行なっ
た。
【0110】激しい発泡現象が認められ、水の留出速度
は3.8kg/時すなわち211mol/時であった。
【0111】この蒸留操作で、懸濁液の15wt%分を
留去するのに、4.7時間を要した。
【0112】その後、冷却し、塩酸を加えCa3(P
42を溶解させ、濾過、乾燥を行ない、重合トナーを
得た。得られたトナーの粒径は重量平均径8.5μmで
シャープな粒度分布を有していた。また、DSC測定に
よる吸熱ピークトップ温度は70℃であった。また、残
存モノマーと副生成物(ベンズアルデヒド)の量は、合
計で50ppmであった。
【0113】蒸留後の操作は再び実施例1と同様に行な
ったところ、得られたトナーの性能は実施例1と同様で
臭気は発生せず良好な画像が得られた。
【0114】しかしながら、蒸留時の発泡現象のため、
蒸留装置内の汚れ付着が激しく、分解清掃の必要が生じ
連続生産は不可能であった。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、蒸留操作中に空気又は
不活性ガスから選ばれる気体を注入することで蒸留時に
突沸・発泡等を防ぎ、残存モノマーや副生成物の少ない
重合トナーを効率良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】気体を気相部に注入する場合の模式図である。
【図2】気体を懸濁液中に注入する場合の模式図であ
る。
【符号の説明】
1 加熱装置 2,2’ 導入管 3 蒸留容器 4 気相部 5 懸濁液 6 撹拌装置 7 排出管 8 濃縮器 9 真空ポンプ 10 気体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 義広 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 神田 仁志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AB06 EA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも重合性単量体と着色剤とを含
    有する重合性単量体組成物を、重合開始剤により水系媒
    体中で重合し、得られる反応系を蒸留して得られる着色
    重合体粒子を有する重合トナーを製造する重合トナーの
    製造方法であり、蒸留操作中に蒸留操作を行なう蒸留装
    置内に空気又は不活性ガスから選ばれる気体を注入する
    ことを特徴とする重合トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 該蒸留操作が、加熱と減圧を伴なうこと
    を特徴とする請求項1に記載の重合トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 注入する気体が、窒素ガスであることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の重合トナーの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 注入する気体が、加熱した気体であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の重合
    トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 注入する気体の流量が、水系媒体の留去
    量に対して、5モル%以上50モル%以下であることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の重合トナ
    ーの製造方法。
  6. 【請求項6】 気体を蒸留装置の気相部に注入すること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の重合ト
    ナーの製造方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも重合性単量体と着色剤とを含
    有する重合性単量体組成物を、重合開始剤により水系媒
    体中で重合し、得られる反応系を蒸留して得られる着色
    重合体粒子を有する重合トナーを製造する装置であり、
    蒸留操作中に蒸留操作を行なう蒸留装置内に空気又は不
    活性ガスから選ばれる気体を注入するための注入手段を
    設けたことを特徴とする重合トナーの製造装置。
  8. 【請求項8】 該蒸留操作を行なうにあたり、加熱手段
    と減圧手段を設けたことを特徴とする請求項7に記載の
    重合トナーの製造装置。
  9. 【請求項9】 注入する気体を加熱する手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項7又は8に記載の重合トナーの製
    造装置。
  10. 【請求項10】 気体を蒸留装置の気相部に注入する手
    段を設けたことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか
    に記載の重合トナーの製造装置。
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