JP2001090661A - リニアコンプレッサの駆動制御装置および駆動制御方法 - Google Patents

リニアコンプレッサの駆動制御装置および駆動制御方法

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JP2001090661A
JP2001090661A JP26920999A JP26920999A JP2001090661A JP 2001090661 A JP2001090661 A JP 2001090661A JP 26920999 A JP26920999 A JP 26920999A JP 26920999 A JP26920999 A JP 26920999A JP 2001090661 A JP2001090661 A JP 2001090661A
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JP
Japan
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stroke
piston
predetermined
linear motor
dead center
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Application number
JP26920999A
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English (en)
Inventor
Shinichi Matsumura
新一 松村
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニアモータの最大ストロークを算出して、
リニアモータのストロークを制御するリニアモータの駆
動制御装置を提供する。 【解決手段】 リニアコンプレッサ1の駆動制御部2
は、センサ信号処理回路6、制御回路5およびモータド
ライバ3を有している。制御回路5では、ピストンの変
位を正弦波で近似するとともに、ピストンの所定の部位
が所定のストロークを超えている超過時間を検出する。
その超過時間と近似された正弦波とに基づいて最大スト
ロークを算出する。算出された最大ストロークに基づい
てリニアモータが制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアコンプレッ
サの駆動制御装置および駆動制御方法に関し、特に、リ
ニアコンプレッサにおける最大ストロークを算出するス
トローク算出部を有するリニアコンプレッサの駆動制御
装置と、リニアコンプレッサの駆動制御方法とに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、冷蔵庫のような冷却装置において
は、膨張した冷媒ガスを圧縮する装置として、リニアモ
ータによってピストンをシリンダ内で往復駆動させてガ
ス圧縮を行うリニアコンプレッサの開発が進められてい
る。
【0003】まず、第1の従来技術としてのリニアコン
プレッサについて説明する。リニアコンプレッサにおい
ては、ピストンが上死点に到達したときのピストンヘッ
ドとシリンダの上壁との間隔(トップクリアランス)が
小さいほど、高い体積効率が得られるので、トップクリ
アランスが所定の間隔になるように、リニアモータの制
御が行われる。
【0004】リニアモータの制御においては、ピストン
の変位を測定し、その測定値に基づいてピストンの上死
点が検出される。そして、検出された上死点が目標値に
近づくように、フィードバック制御が行われる。
【0005】ピストンの変位を測定するために、たとえ
ば差動トランスが使われている。差動トランスは、機械
的な変位をその変位に対応した電圧、電流に変換する変
換素子である。この差動トランスにおいては、ピストン
のストロークの全長に渡って設けられているため、その
変位を正確に検出することができるという点で優れてい
る。
【0006】ところが、差動トランスは高価であるた
め、コストが高くなるという欠点があった。
【0007】そこで、このような欠点を解消する第2の
従来技術としてのリニアコンプレッサがある。このリニ
アコンプレッサのセンサは、ピストンのストロークの範
囲内のある所定位置にだけ配置されるマグネットと、ピ
ストンの往復駆動において、そのマグネットが近づいた
ときにだけスイッチがONするように設けられた近接ス
イッチとからなる。
【0008】このようなリニアコンプレッサでは、マグ
ネットがストロークの範囲内の所定位置を通過したこと
を検出することで、ピストンの変位の制御が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第2の
従来技術としてのリニアコンプレッサでは、次に示すよ
うな問題点があった。
【0010】リニアコンプレッサに設けられた近接スイ
ッチでは、マグネットが通過できたことは正確に検出す
ることはできても、ピストンのストロークの大きさを検
出することができなかった。その結果、リニアコンプレ
ッサの冷却能力を最大限に引き出すことができなった。
【0011】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、1つの目的はピストンの最大ストロー
クの大きさを算出して、これをフィードバックすること
のできるリニアコンプレッサの駆動制御装置を提供する
ことであり、他の目的は、そのような駆動制御方法を提
供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るリニアモー
タの駆動制御装置の第1の局面では、センサ部と、スト
ローク算出部と、リニアモータ制御部とを備えている。
センサ部は、リニアモータに連結されたピストン部の所
定の部位が、ピストン部のストロークに対して所定のス
トローク位置近傍を通過したことを検知する。ストロー
ク算出部は、センサ部に電気的に接続され、ピストン部
の最大ストロークを算出する。リニアモータ制御部は、
算出された最大ストロークに応じて、リニアモータを制
御する。ストローク算出部は、ピストン部の変位を正弦
波で近似し、ピストン部の所定の部位が所定のストロー
ク位置を超えている超過時間を検出し、その超過時間に
基づいて近似された正弦波より、ピストン部の最大スト
ロークを算出する。
【0013】この構造によれば、ピストン部の連続的な
変位を検出しなくても、所定のストローク位置を超えて
いる超過時間と近似された正弦波との関係により、ピス
トン部の最大ストロークを算出することができる。そし
て、算出された最大ストロークに基づいてピストン部を
駆動制御することで、リニアコンプレッサの能力を最大
限に引き出すことができる。しかも、センサ部として
は、比較的安価なものを用いることができて、コストの
削減も図ることができる。
【0014】上記の超過時間(T)は、ピストン部が一
方の死点に向かって駆動する際に、所定の部位が所定の
ストローク位置を通過する時刻と、ピストン部が一方の
死点を経て、他方の死点に向かって駆動する際に、再び
所定の部位が所定のストローク位置を通過する時刻との
差として算出されることが好ましい。また、最大ストロ
ーク(Max_ST)は、超過時間(T)、リニアモー
タの振動数(f)および所定のストローク位置の大きさ
(Std_ST)に基づき、次の式、 Max_ST=Std_ST/sin(π/2−T・π
・f) より算出されることが好ましい。ピストン部の変位を正
弦波で近似することで、上記式により容易に最大ストロ
ークを算出することができる。
【0015】本発明に係るリニアモータの駆動制御装置
の第2の局面では、センサ部と、ストローク算出部と、
リニアモータ制御部とを備えている。センサ部は、リニ
アモータに連結されたピストン部の所定の部位が、ピス
トン部のストロークに対して所定のストローク位置近傍
を通過したことを検知する。ストローク算出部は、セン
サ部に電気的に接続され、ピストン部の最大ストローク
を算出する。リニアモータ制御部は、算出された最大ス
トロークに応じて、リニアモータを制御する。ストロー
ク算出部は、ピストン部の変位に対応した波形としてリ
ニアモータを駆動する少なくとも出力電圧に基づいた振
動波形を求め、所定のストローク位置に対応する振動波
形の変位と、振動波形の最大振幅とに基づいてピストン
部の最大ストロークを算出する。
【0016】この構造によれば、ピストン部の変位に対
応した波形として振動波形を求め、ピストン部の連続的
な変位を検出することなく、所定のストローク位置にお
ける振動波形の変位とその振動波形の最大振幅との関係
に基づいて、ピストン部の最大ストロークが算出され
る。しかも、この振動波形がリニアモータの少なくとも
出力電圧に基づいていることで、より正確な最大ストロ
ークを算出することができる。
【0017】上記の振動波形は、リニアモータの電圧、
電流、コイル抵抗およびインダクタンスに基づいたピス
トン部の速度波形を積分することにより算出されること
が好ましい。また、最大ストロークは、ピストン部が一
方の死点に向かって駆動する際に、所定の部位が所定の
ストローク位置を通過する第1の時刻と、ピストン部が
一方の死点を経て、他方の死点に向かって駆動する際
に、再び所定の部位が所定のストローク位置を通過する
第2の時刻とを求め、振動波形から、第1の時刻および
第2の時刻における変位をさらに求め、所定のストロー
ク位置の大きさとその変位とに基づいて、振動波形にお
ける最大振幅から算出されることが好ましい。これによ
り、容易に正確な最大ストロークを算出することができ
る。
【0018】ストローク算出部は、ピストン部のストロ
ーク中心からのズレをさらに求めることにより、最大ス
トロークを算出することがより好ましい。
【0019】この場合には、このズレを考慮することで
さらに精度の高い最大ストロークを算出することができ
る。
【0020】上述したセンサ部は、ピストン部の所定の
部位に設けられたマグネット部と、所定のストローク位
置に設けられ、そのマグネット部の磁界を検出する磁気
検出部とを含んでいることが好ましい。
【0021】この場合には、マグネット部の磁界を磁気
検出部で検出することにより、ピストン部の所定の部位
が所定のストローク位置近傍を通過したことを容易に検
出することができる。
【0022】本発明に係るリニアモータの駆動制御方法
の第1の局面は、以下のステップを備えている。センサ
部により、リニアモータに連結されたピストン部の所定
の部位がピストン部のストロークに対して、所定のスト
ローク位置近傍を通過したことを検知する。ピストン部
の変位を正弦波で近似し、ピストン部の所定の部位が所
定のストローク位置を超えている超過時間を検出し、そ
の超過時間に基づいて近似された正弦波よりピストン部
の最大ストロークを算出する。算出された最大ストロー
クに応じて、リニアモータを制御する。
【0023】この方法によれば、ピストン部の変位を正
弦波で近似し、所定のストローク位置を超えている超過
時間を求めることで、ピストン部の連続的な変位を検出
することなく、ピストン部の最大ストロークを容易に算
出することができる。そして、算出された最大ストロー
クに応じて、リニアモータを制御することで、リニアモ
ータの能力を最大限に引き出すことができる。
【0024】本発明に係るリニアモータの駆動制御方法
の第2の局面は、以下のステップを備えている。センサ
部により、リニアモータに連結されたピストン部の所定
の部位がピストン部のストロークに対して、所定のスト
ローク位置近傍を通過したことを検知する。ピストン部
の変位に対応した波形としてリニアモータを駆動する少
なくとも出力電圧に基づいた振動波形を求め、所定のス
トローク位置に対応する振動波形の変位と、振動波形の
最大振幅とに基づいてピストン部の最大ストロークを算
出する。算出された最大ストロークに応じて、リニアモ
ータを制御する。
【0025】この方法によれば、ピストン部の変位に対
応した波形としてリニアモータの少なくとも出力電圧に
基づいた振動波形を求め、ピストン部の連続的な変位を
検出することなく、所定のストローク位置における振動
波形の変位と振動波形の最大振幅との関係に基づいて、
ピストン部のより正確な最大ストロークを容易に算出す
ることができる。そして、算出された最大ストロークに
応じて、リニアモータを制御することで、リニアモータ
の能力をより最大限に引き出すことができる。
【0026】センサ部としては、上述したように、ピス
トン部の所定の部位に設けられたマグネット部と、所定
のストローク位置に設けられ、そのマグネット部の磁界
を検出する磁気検出部とを含んでいることが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)まず、本発明の
実施の形態1に係るリニアコンプレッサの構造について
説明する。図1に示すように、リニアコンプレッサで
は、円筒状のケーシング10の上端部および下端部にそ
れぞれシリンダー11a、11bが設けられている。そ
のシリンダー11a、11b内には、ピストン12a、
12bがそれぞれ嵌挿されている。ピストン12a、1
2bのヘッドとシリンダー11a、11bの上壁との間
には、圧縮室13a、13bが形成されている。
【0028】また、シリンダー11a、11bには、圧
縮室13a、13b内のガス圧に応じて開閉する吸入バ
ルブ14a、14bと吐出バルブ15a、15bが取付
けられている。
【0029】1対のピストン12a、12bは、1本の
ロッド16の一方の端部と他方の端部にそれぞれ連結さ
れている。そのロッド16は、1対の軸受け17a、1
7bおよびコイルばね18a、18bによって、ケーシ
ング10およびシリンダー11a、11b内を往復動自
在に支持されている。
【0030】また、リニアコンプレッサには、ピストン
12a、12bを往復駆動するためのリニアモータ20
が設けられている。このリニアモータ20はボイスコイ
ルモータであって、ヨーク部10aおよび永久磁石21
を含む固定部と、コイル23および円筒状の支持部材2
4を含む可動部とを備えている。ヨーク部10aはケー
シング10の一部をなしている。永久磁石21はヨーク
部10aの内周壁に固定されている。
【0031】支持部材24の一方の端部は、永久磁石2
1と本体胴部12の外周壁の間の円筒状空間に遊挿さ
れ、他方の端部はロッド16の中央部に連結されてい
る。コイル23は、支持部材24の一方の端部に取付け
られ、永久磁石21に対向している。ロッド16の中央
に突設したアーム160には、たとえばストローク中心
を挟んで2つのマグネット42a、42bが固定されて
いる。
【0032】一方、ケーシング10の内面に形成された
突部100には、マグネット42a、42bに対向する
ように磁気検出部41が取付けられている。磁気検出部
41およびマグネット42a、42bによって有無検出
センサ4が構成されている。なお、マグネットとして2
つのマグネット42a、42bを設けているが、1つの
マグネットだけでもよい。
【0033】磁気検出部としては、ホール素子またはM
R素子が望ましい。また、上述した磁気を利用したセン
サの他に、渦電流を利用した近接センサを用いてもよ
い。
【0034】上述したリニアコンプレッサでは、ピスト
ン12a、12b、ロッド16、コイル23および支持
部材24の質量、圧縮室13a、13bのガスのばね定
数、コイルばね18のばね定数等から決まる共振周波数
を有している。この共振周波数は、通常、商用電力の周
波数(たとえば60Hz)付近に設定される。この共振
周波数でリニアモータ20を駆動することにより、一対
の圧縮室13a、13b内で交互にガスを圧縮すること
ができる。
【0035】次に、上述したリニアコンプレッサには、
図2に示すように、モータドライバ3、制御回路5およ
びセンサ信号処理回路6からなる駆動制御部2が接続さ
れている。
【0036】リニアコンプレッサのピストンの変位に応
じて有無検出センサ4から出力されるセンサ信号(有無
信号)は、センサ信号処理回路6に入力される。このセ
ンサ信号は、リニアコンプレッサのストロークが一定の
位置(基準ストローク)を超えたことを示す信号であ
る。センサ信号処理回路6では、このセンサ信号から位
置データPaが作成される。この位置データPaは制御
回路5に送られる。
【0037】制御回路5では、入力された位置データP
aに応じて制御信号φcが作成され、その制御信号φc
はモータドライバ3に送られる。モータドライバ3で
は、制御信号φcに応じて出力電流が制御され、その出
力電流はリニアモータに供給される。
【0038】次に、駆動制御部2における制御回路5の
主要部の構成を図3に示す。図3に示すように、制御回
路5は、電流指令値基本値生成部30、電流指令値生成
部31、電流ゲイン制御部34、振幅中立位置制御部3
5、上下死点検出部32、電流・位置位相差検出部33
および周波数制御部36から構成されている。
【0039】電流指令値基本値生成部30では、電流指
令値基本値が生成される。その電流指令値基本値は電流
指令値生成部31に送られる。
【0040】電流指令値生成部31では、電流指令値基
本値生成部30で生成された電流指令値基本値と、電流
ゲインとに基づいて電流指令値が生成される。さらに、
電流指令値が制御信号φcに変換されてモータドライバ
3に出力される。
【0041】上下死点検出部32では、センサ信号処理
回路6からの位置データPaに基づいて、ピストンの最
大変位(最大ストローク)のタイミングのデータ(以
下、「タイミングデータ」と記す。)が生成される。さ
らに、後述するように、ピストンの上死点と原点との間
の上死点側振幅と、下死点と原点との間の下死点側振幅
とが検出される。上死点側振幅および下死点側振幅の検
出は、図8に示すように、たとえば電流指令値1往復振
動が最大値付近を通過するごとに行われる。
【0042】電流・位置位相差検出部33では、上下死
点検出部32で生成されたタイミングデータと電流指令
値生成部31で生成された電流指令値との位相差が検出
される。位相差の検出は、図8に示すように、たとえば
電流指令値1往復振動が最小値付近を通過するごとに行
われる。
【0043】電流ゲイン制御部34では、上下死点検出
部で検出された上死点側振幅および下死点側振幅が比較
され、上死点側振幅および下死点側振幅のうちいずれか
大きい方を最大振幅現在値として、この最大振幅現在値
があらかじめ設定された最大振幅目標値に一致するよう
に、電流指令値生成部31で用いられる電流ゲインの値
がピストンの往復駆動の1サイクルごとに制御される。
【0044】振幅中立位置制御部35では、上下死点検
出部32で検出された上死点側振幅および下死点側振幅
が比較され、上死点側振幅と下死点側振幅との差が小さ
くなるように、電流指令値基本値生成部30で用いられ
るシフト量が電流指令値基本値の1サイクルが終了する
ごとに制御される。
【0045】すなわち、振幅中立位置制御部35では、
上死点側振幅の方が下死点側の振幅よりも大きい場合に
は、シフト量が負側(下方向)に補正され、上死点側振
幅の方が下死点側の振幅よりも小さい場合には、シフト
量は正側(上方向)に補正される。
【0046】周波数制御部36では、電流・位置位相差
検出部33によって検出された位相差があらかじめ設定
された許容値を超えているかどうかが判断される。位相
差が許容値を超えている場合には、位相差がなくなるよ
うに電流指令値基本値生成部30で用いられる角周波数
が補正される。
【0047】図8に示すように、位相差は、たとえば、
電流指令値がゼロクロス点を通過するタイミングと、ピ
ストンの位置が最大ストロークとなるタイミングとがほ
ぼ一致するように制御される。ピストンの位置が最大ス
トロークとなるタイミングは、同図に示すように、有無
検出センサ4がONとなった時間に、基準ストローク位
置を超えている時間T(超過時間)の半分の時間を加え
ることで推定される。
【0048】次に、制御回路5の動作を図4〜図7に示
されたフローチャートに従って説明する。
【0049】まず、電流指令値基本値生成部30におい
て電流指令値基本値が生成される。電流指令値生成部3
1において制御信号φcが生成される。モータドライバ
3からリニアモータのコイルに電流が供給されると、リ
ニアモータの可動部が往復駆動を開始して、ガスの圧縮
が行われる。
【0050】リニアモータの駆動部が往復駆動を始める
と、有無検出センサ4によるセンサ信号がセンサ信号処
理回路6に送られる。
【0051】ステップS1では、センサ信号処理回路6
からのデータの読み込みが行われる。
【0052】ステップS2では、電流指令値基本値生成
部30において生成された電流指令値基本値と、電流ゲ
イン制御部34おいて生成された電流ゲインに基づき、
電流指令値生成部31において電流指令値が算出され
る。
【0053】ステップS3では、算出された電流指令値
に応じた電流指令データ、すなわち制御信号φcがモー
タドライバ3に出力される。
【0054】ステップS4では、位置補正量および周波
数設定値に基づき、電流指令値基本値生成部30におい
て電流指令値基本値が生成される。
【0055】ステップS5では、電流指令値1往復振動
がたとえば最大値付近を通過したか否かが判断される。
すなわち、電流指令値1往復振動が終了したか否かが判
断される。このステップS5において、電流指令値1往
復振動が終了したと判断されない場合には、ステップS
19にまでジャンプする。
【0056】一方、電流指令値1往復振動が終了したと
判断される場合には、ステップS6〜S11に移行し、
上下死点検出部32によって、ピストンの上死点側振幅
および下死点側振幅が算出される。
【0057】ここで、その算出手続について詳しく説明
する。ピストンの変位を正弦波と仮定すると、ピストン
の変位は、図9に示すように、一定周波数を有する正弦
波を描くことになる。このとき、基準ストロークを超え
ている時間をT、この時間Tに対応する円座標上の角度
をθとし、角度θ’を図のようにとると、θ’は次式で
与えられる。
【0058】θ’=π/2−θ/2 また、角度θ’の正弦は次式で与えられる。
【0059】sinθ’=Std_ST/Max_ST さらに時間Tは、周波数をFreqとすると、次式で与
えられる。
【0060】T=θ/(2・π・Freq) これより、最大ストロークMax_STは次式で与えら
れる。
【0061】Max_ST=Std_ST/sin(π
/2−T・π・Freq) このようにして、基準ストロークStd_ST、超過時
間Tおよび周波数Freqにより、最大ストロークMa
x_STが算出される。
【0062】なお、超過時間Tは、より具体的には、次
のようにして求められる。すなわち、駆動制御部2に内
蔵されたクロック(図示せず)により、たとえば上死点
側では、ピストンが上死点に向かって駆動する際に、所
定の部位に設けられたマグネット42a、42bが磁気
検出部41の近傍を通過する時刻t1と、ピストンが上
死点を経て、下死点へ向かって駆動する際に、再びマグ
ネット42a、42bが磁気検出部41の近傍を通過す
る時刻t2を検出し、その差(t2−t1)として求め
られる。下死点側についても、同様である。この処理
は、たとえばセンサ信号処理回路6で行われるのが望ま
しい。
【0063】また、図9では、上死点側の最大ストロー
クについて示したが、下死点側の最大ストロークも上死
点側の最大ストロークと同様に算出することができる。
【0064】そこで、まずステップS6において、上死
点側のカウント値が0を超えているか否かが判断され
る。このカウント値は、ピストンの所定の部位が上死点
側および下死点側の基準ストロークを超えている間はカ
ウントが進み、基準ストロークを超えていない間は0と
される。
【0065】上死点側のカウント値が0を超えていない
と判断される場合には、ステップS7に進む。このステ
ップS7では、上死点側基準ストロークが最大ストロー
ク(上死点側振幅)とされる。
【0066】一方、上死点側のカウント値が0を超えて
いると判断される場合には、ステップS8に進む。この
ステップS8では、上述した算出手続により上死点にお
ける変位(最大ストローク)が算出される。
【0067】次に、ステップS9において、下死点側の
カウント値が0を超えているか否かが判断される。下死
点側のカウント値が0を超えていないと判断される場合
には、ステップS10に進む。このステップS10で
は、下死点側基準ストロークが最小ストローク(下死点
側振幅)とされる。
【0068】一方、下死点側のカウント値が0を超えて
いると判断される場合には、ステップS11に進む。こ
のステップS11では、上述した算出手続により下死点
における変位(最小ストローク)が算出される。
【0069】ステップS12では,上死点側振幅と下死
点側振幅の大小関係が比較される。このとき、上死点側
振幅の方が下死点側振幅よりも大きい場合には、ステッ
プS13に進む。
【0070】ステップS13では、振幅中立位置制御部
35によりシフト量の補正量として負の補正量が設定さ
れる。
【0071】次のステップS14では、最大振幅として
上死点側振幅が設定される。一方、ステップS12にお
いて、上死点側振幅の方が下死点側振幅よりも小さい場
合には、ステップS15に進む。
【0072】ステップS15では、振幅中立位置制御部
35によりシフト量の補正量として正の補正量が設定さ
れる。
【0073】次のステップS16では、最大振幅として
下死点側振幅が設定される。ステップS17では、電流
ゲイン制御部34において、最大振幅が目標振幅に一致
するように電流ゲインが制御設定される。
【0074】次のステップS18では、上死点側のカウ
ンタがリッセトされるとともに、下死点側のカウンタが
リセットされる。
【0075】次のステップS19では、ピストンの変位
が上死点側基準ストロークを超えているか否かが判断さ
れる。ピストンの変位が上死点側基準ストロークを超え
ていると判断される場合には、ステップS20に進み、
上死点側カウンタがインクリメントされる。
【0076】一方、ステップS19において、ピストン
の変位が上死点側基準ストロークを超えていると判断さ
れない場合には、ステップS20を実行することなくス
テップS21に進む。
【0077】ステップS21では、ピストンの変位が下
死点側基準ストロークを超えているか否かが判断され
る。ピストンの変位が下死点側基準ストロークを超えて
いると判断される場合には、ステップS22に進み、下
死点側カウンタがインクリメントされる。
【0078】一方、ステップS21において、ピストン
の変位が上死点側基準ストロークを超えていると判断さ
れない場合には、ステップS22を実行することなくス
テップS23に進む。
【0079】ステップS23では、電流指令値1往復振
動がたとえば最小値付近を通過したか否かが判断され
る。すなわち、電流指令値1往復振動が終了したか否か
が判断される。電流指令値1往復振動が終了したと判断
されない場合には、ステップS30までジャンプする。
【0080】一方、ステップS23において、電流指令
値1往復振動が終了したと判断される場合には、ステッ
プS24に進む。
【0081】ステップS24では、電流・位置位相差検
出部33において、電流指令値とタイミングデータとの
位相差が検出される。
【0082】次のステップS25では、位相制御のカウ
ント値がインクリメントされる。ステップS26では、
位相制御のカウント値が設定値に到達したか否かが判断
される。位相制御のカウント値が設定値に到達したと判
断されない場合には、ステップS30にジャンプする。
【0083】一方、ステップS26において、位相制御
のカウント値が設定値に到達したと判断される場合に
は、ステップS27に進む。
【0084】ステップS27では、電流指令値とタイミ
ングデータとの位相差が許容値の範囲内か否かが判断さ
れる。電流指令値とタイミングデータとの位相差が許容
値の範囲内でないと判断される場合には、ステップS2
8に進む。
【0085】ステップS28では、周波数制御部36に
おいて、位相差がなくなるように電流指令値基本値生成
部30で用いられる角周波数が補正される。
【0086】一方、ステップS27において、電流指令
値とタイミングデータとの位相差が許容値の範囲内であ
ると判断される場合には、ステップS28を実行するこ
となくステップS29に進む。
【0087】ステップS29では、位相制御のカウント
値がリセットされる。次のステップS30では、制御手
続を終了するか否かが判断される。制御手続を終了する
場合には、手続が終了する。
【0088】一方、ステップS30において制御手続を
終了しない場合には、再びステップS1に戻って、同様
の手続を繰り返す。
【0089】本実施の形態に係るリニアコンプレッサは
上記のように動作する。このリニアコンプレッサによれ
ば、ピストンの変位を正弦波で近似し、所定のストロー
ク位置を超えている超過時間を検出し、その超過時間と
正弦波との関係に基づいてピストンの最大ストロークを
算出することができる。すなわち、ピストンの連続的な
変位を検出しなくても、最大ストロークを算出すること
ができる。
【0090】その算出された最大ストロークに基づいて
ピストンのストロークを制御することができる。特に、
最大ストロークを制御することで、リニアコンプレッサ
の能力を最大限に引き出すことができる。しかも、セン
サとしては、比較的安価な有無検出センサ4を用いるこ
とで、従来のリニアコンプレッサの場合と比較すると、
製造コストの削減も図ることができる。
【0091】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2に係るリニアコンプレッサについて説明する。
【0092】本リニアコンプレッサでは、ピストンの変
位に対応した波形としてリニアモータの振動波形を求
め、所定のストローク位置に対応する振動波形の変位と
振動波形の最大振幅とに基づいて、より精度の高い最大
ストロークを求めることができる。
【0093】すなわち、有無検出センサ4からの有無信
号に加えて、リニアモータの出力電圧等に対応した信号
が制御回路に入力される。より具体的には、図10に示
すように、リニアコンプレッサに接続されている、モー
タドライバ3、制御回路5およびセンサ信号処理回路6
からなる駆動制御部2のうち制御回路5に、センサ信号
処理回路6から送られる位置データPaに加えて、モー
タドライバ3から出力電圧値等に対応した信号が送られ
る。
【0094】なお、リニアコンプレッサ自体の構造は、
前述した図1に示すリニアコンプレッサの構造と同様な
ので、その説明を省略する。
【0095】次に、駆動制御部2における制御回路5の
主要部の構成を図11に示す。図11に示すように、制
御回路5は、電流指令値基本値生成部30、電流指令値
生成部31、電流ゲイン制御部34、振幅中立位置制御
部35、上下死点検出部32、電流・位置位相差検出部
33および周波数制御部36から構成されている。
【0096】特に、モータドライバ3から送られる出力
電圧値に対応した信号は上下死点検出部32に入力され
る。他の各部の構成については実施の形態1に係るリニ
アコンプレッサと同様なので、その説明を省略する。
【0097】次に、制御回路5の動作を図12〜図16
に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0098】まず、実施の形態1の場合と同様に、電流
指令値基本値生成部30において電流指令値基本値が生
成され、電流指令値生成部31において制御信号φcが
生成される。モータドライバ3からリニアモータのコイ
ルに電流が供給されて、リニアモータの可動部が往復駆
動を開始し、有無検出センサ4によるセンサ信号がセン
サ信号処理回路6に送られる。
【0099】ステップS51では、センサ信号処理回路
6からのデータの読み込みが行われる。次のステップ5
2では、上下死点検出部32において、モータドライバ
3からの出力電圧値に対応した信号の読み込みが行われ
る。
【0100】ステップS53では、電流指令値基本値生
成部30において生成された電流指令値基本値と、電流
ゲイン制御部34おいて生成された電流ゲインに基づ
き、電流指令値生成部31において電流指令値が算出さ
れる。
【0101】ステップS54では、算出された電流指令
値に応じた電流指令データ、すなわち制御信号φcがモ
ータドライバ3に出力される。
【0102】ステップS55では、位置補正量および周
波数設定値に基づき、電流指令値基本値生成部30にお
いて電流指令値基本値が生成される。
【0103】ステップS56では、電流指令値1往復振
動がたとえば最大値付近を通過したか否かが判断され
る。すなわち、電流指令値1往復振動が終了したか否か
が判断される。電流指令値1往復振動が終了したと判断
されない場合には、ステップS74にまでジャンプす
る。
【0104】一方、ステップS56において、電流指令
値1往復振動が終了したと判断される場合には、ステッ
プS57に進む。
【0105】ステップS57では、リニアモータの電圧
値に対応した信号および電流指令値保持値に基づいて、
ピストン速度の変動波形が計算される。
【0106】具体的には次のようにして計算される。リ
ニアモータの電圧E、電流i、推力定数K、インダクタ
ンスLおよびコイル抵抗Rより、リニアモータのピスト
ンの速度dx/dtは次式で表される。なお、推力定数
K、インダクタンスLおよびコイル抵抗Rの値は、あら
かじめインストールされている値が適用される。 dx/dt=1/K・(E−L・di/dt−Ri) 次にステップS58では、上記ピストン速度の変動波形
に基づいて、ピストン位置の変動波形形状が計算され
る。すなわち、上式を積分することにより、ピストン位
置の変動波形f(t)は、次式で与えられ、図17に示
すように、正弦波に近い波形を描く。 f(t)=∫dx/dt・dt このとき、f(t)の最大振幅の絶対値は1とされる。
【0107】次にステップS59では、実際のピストン
位置変動波形の振幅の大きさ(倍率a)および中立のず
れ(偏差b)が推定される。すなわち、基準ストローク
Std_STに関して、次式を満足する倍率aおよび偏
差bが求められる。 af(t1)+b=af(t1+Tu)+b af(t3)+b=af(t3+Tl)+b ステップS60において、上死点側のカウント値が0を
超えているか否かが判断される。上死点側のカウント値
が0を超えていないと判断される場合には、ステップS
61に進む。このステップS61では、上死点側基準ス
トロークが最大ストローク(上死点側振幅)とされる。
【0108】一方、ステップS60において、上死点側
のカウント値が0を超えていると判断される場合には、
ステップS62に進む。このステップS62では、上死
点における変位(最大ストローク)が算出される。その
最大ストローク(Max_ST)は次式で表される。 Max_ST=af(t)max−b 次に、ステップS63において、下死点側のカウント値
が0を超えているか否かが判断される。下死点側のカウ
ント値が0を超えていないと判断される場合には、ステ
ップS64に進む。このステップS64では、下死点側
基準ストロークが最小ストローク(下死点側振幅)とさ
れる。
【0109】一方、ステップS63において、下死点側
のカウント値が0を超えていると判断される場合には、
ステップS65に進む。このステップS65では、下死
点における変位(最小ストローク)が算出される。その
最小ストローク(−Max_ST)は次式で表される。 −Max_ST=−af(t)max+b ステップS66では,上死点側振幅と下死点側振幅の大
小関係が比較される。このとき、上死点側振幅の方が下
死点側振幅よりも大きい場合には、ステップS67に進
む。
【0110】ステップS67では、振幅中立位置制御部
35によりシフト量の補正量として負の補正量が設定さ
れる。
【0111】次のステップS68では、最大振幅として
上死点側振幅が設定される。一方、ステップS66にお
いて、上死点側振幅の方が下死点側振幅よりも小さい場
合には、ステップS69に進む。
【0112】ステップS69では、振幅中立位置制御部
35によりシフト量の補正量として正の補正量が設定さ
れる。
【0113】次のステップS70では、最大振幅として
下死点側振幅が設定される。ステップS71では、電流
ゲイン制御部34において、最大振幅が目標振幅に一致
するように電流ゲインが制御設定される。
【0114】次のステップS72では、上死点側のカウ
ンタがリセットされるとともに、下死点側のカウンタが
リセットされる。次のステップS73では、1周期分の
出力電圧値に対応した信号、電流指令値の保持値が消去
される。次のステップS74では、1周期分の出力電圧
値に対応した信号、電流指令値が順次保持される。
【0115】次のステップS75では、ピストンの変位
が上死点側基準ストロークを超えているか否かが判断さ
れる。ピストンの変位が上死点側基準ストロークを超え
ていると判断される場合には、ステップS76に進み、
上死点側カウンタがインクリメントされる。
【0116】一方、ステップS75において、ピストン
の変位が上死点側基準ストロークを超えていると判断さ
れない場合には、ステップS76を実行することなくス
テップS77に進む。
【0117】ステップS77では、ピストンの変位が下
死点側基準ストロークを超えているか否かが判断され
る。ピストンの変位が下死点側基準ストロークを超えて
いると判断される場合には、ステップS78に進み、下
死点側カウンタがインクリメントされる。
【0118】一方、ステップS77において、ピストン
の変位が上死点側基準ストロークを超えていると判断さ
れない場合には、ステップS78を実行することなくス
テップS79に進む。
【0119】ステップS79では、電流指令値1往復振
動がたとえば最小値付近を通過したか否かが判断され
る。すなわち、電流指令値1往復振動が終了したか否か
が判断される。電流指令値1往復振動が終了したと判断
されない場合には、ステップS86までジャンプする。
【0120】一方、ステップS79において、電流指令
値1往復振動が終了したと判断される場合には、ステッ
プS80に進む。
【0121】ステップS80では、電流・位置位相差検
出部33において、電流指令値とタイミングデータとの
位相差が検出される。
【0122】次のステップS81では、位相制御のカウ
ント値がインクリメントされる。ステップS82では、
位相制御のカウント値が設定値に到達したか否かが判断
される。位相制御のカウント値が設定値に到達したと判
断されない場合には、ステップS86にジャンプする。
【0123】一方、ステップS82において、位相制御
のカウント値が設定値に到達したと判断される場合に
は、ステップS83に進む。
【0124】ステップS83では、電流指令値とタイミ
ングデータとの位相差が許容値の範囲内か否かが判断さ
れる。電流指令値とタイミングデータとの位相差が許容
値の範囲内でないと判断される場合には、ステップS8
4に進む。
【0125】ステップS84では、周波数制御部36に
おいて、位相差がなくなるように電流指令値基本値生成
部30で用いられる角周波数が補正される。
【0126】一方、ステップS83において、電流指令
値とタイミングデータとの位相差が許容値の範囲内であ
ると判断される場合には、ステップS84を実行するこ
となくステップS85に進む。
【0127】ステップS85では、位相制御のカウント
値がリセットされる。次のステップS86では、制御手
続を終了するか否かが判断される。制御手続を終了する
場合には、手続が終了する。
【0128】このリニアコンプレッサによれば、ピスト
ンの変位に対応した波形としてリニアモータの出力電圧
等に基づいた振動波形を求め、所定のストローク位置に
おける振動波形の変位と、その振動波形の最大振幅との
関係に基づいてピストン部の最大ストロークが算出され
る。すなわち、ピストンの連続的な変位を検出すること
なく、最大ストロークを算出することができる。
【0129】しかもこの場合、振動波形がリニアモータ
の少なくとも出力電圧に基づいていることで、実施の形
態1において説明したピストンの変位を正弦波で近似す
るよりも、さらに正確な最大ストロークを算出すること
ができる。
【0130】なお、この実施の形態では、センサとして
ピストンのストローク中心を挟んで所定のストローク位
置にそれぞれマグネットを配置させたが、いずれか一方
にのみマグネットを配置させてもよい。その場合には、
偏差bはないものとして取扱うことで、より簡単に最大
ストロークを求めることができる。
【0131】また、各実施の形態では、リニアコンプレ
ッサとして2ピストン型のものを例に挙げたが、1ピス
トン型のリニアコンプレッサにも同様に適用することが
できる。
【0132】さらに、各実施の形態において説明したリ
ニアモータのストロークを制御する装置あるいはその制
御方法は、リニアコンプレッサのリニアモータに限られ
ず、広くリニアモータのストローク制御に適用すること
ができる。
【0133】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0134】
【発明の効果】本発明に係るリニアモータの駆動制御装
置の第1の局面によれば、ピストン部の連続的な変位を
検出しなくても、ピストン部の変位を正弦波で近似し、
所定のストローク位置を超えている超過時間を求めるこ
とで、ピストン部の最大ストロークを算出することがで
きる。そして、算出された最大ストロークに基づいてピ
ストン部を駆動制御することで、リニアコンプレッサの
能力を最大限に引き出すことができる。しかも、センサ
部としては、比較的安価なものを用いることができて、
コストの削減も図ることができる。
【0135】上記の超過時間(T)は、ピストン部が一
方の死点に向かって駆動する際に、所定の部位が所定の
ストローク位置を通過する時刻と、ピストン部が一方の
死点を経て、他方の死点に向かって駆動する際に、再び
所定の部位が所定のストローク位置を通過する時刻との
差として検出されることが好ましい。また、最大ストロ
ーク(Max_ST)は、ピストン部の変位を正弦波で
近似することで、超過時間(T)、リニアモータの振動
数(f)および所定のストローク位置の大きさ(Std
_ST)に基づき、次の式、 Max_ST=Std_ST/sin(π/2−T・π
・f) より算出されることが好ましい。
【0136】本発明に係るリニアモータの駆動制御装置
の第2の局面によれば、ピストン部の連続的な変位を検
出することなく、ピストン部の変位に対応した波形とし
て振動波形を求め、所定のストローク位置における振動
波形の変位と、その振動波形の最大振幅とに基づいてピ
ストン部の最大ストロークが算出される。しかも、この
振動波形がリニアモータの少なくとも出力電圧に基づい
ていることで、より正確な最大ストロークを算出するこ
とができる。
【0137】上記の振動波形は、リニアモータの電圧等
に基づいたピストン部の速度波形を積分することにより
算出されることが好ましい。また、最大ストロークは、
ピストン部が一方の死点に向かって駆動する際に、所定
の部位が所定のストローク位置を通過する第1の時刻に
おける変位と、ピストン部が一方の死点を経て、他方の
死点に向かって駆動する際に、再び所定の部位が所定の
ストローク位置を通過する第2の時刻における変位とを
求め、所定のストローク位置の大きさ、その変位、振動
波形における最大振幅に基づいて算出されることが好ま
しい。これにより、容易に正確な最大ストロークを算出
することができる。
【0138】ストローク算出部は、ピストン部のストロ
ーク中心からのズレをさらに求めることにより、最大ス
トロークを算出することで、さらに精度の高い最大スト
ロークを算出することができる。
【0139】上述したセンサ部は、ピストン部の所定の
部位に設けられたマグネット部と、所定のストローク位
置に設けられ、そのマグネット部の磁界を検出する磁気
検出部とを含んでいることで、マグネット部の磁界を磁
気検出部で検出することにより、ピストン部の所定の部
位が所定のストローク位置近傍を通過したことを容易に
検出することができる。
【0140】本発明に係るリニアモータの駆動制御方法
の第1の局面によれば、ピストン部の変位を正弦波で近
似し、所定のストローク位置を超えている超過時間を求
めることで、ピストン部の連続的な変位を検出すること
なく、ピストン部の最大ストロークを容易に算出するこ
とができる。そして、算出された最大ストロークに応じ
て、リニアモータを制御することで、リニアモータの能
力を最大限に引き出すことができる。
【0141】本発明に係るリニアモータの駆動制御方法
の第2の局面によれば、ピストン部の変位に対応した波
形としてリニアモータの少なくとも出力電圧に基づいた
振動波形を求め、所定のストローク位置における振動波
形の変位とその振動波形の最大振幅とに基づいてピスト
ン部のより正確な最大ストロークを、ピストン部の連続
的な変位を検出することなく容易に算出することができ
る。そして、算出された最大ストロークに応じて、リニ
アモータを制御することで、リニアモータの能力をより
最大限に引き出すことができる。
【0142】センサ部としては、上述したように、ピス
トン部の所定の部位に設けられたマグネット部と、所定
のストローク位置に設けられ、そのマグネット部の磁界
を検出する磁気検出部とを含んでいることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1または2に係るリニア
コンプレッサの一縦断面図である。
【図2】 実施の形態1に係るリニアコンプレッサの駆
動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 同実施の形態において、図2に示す制御回路
のブロック図である。
【図4】 同実施の形態において、制御回路の動作を示
すフローチャートの第1の図である。
【図5】 同実施の形態において、制御回路の動作を示
すフローチャートの第2の図である。
【図6】 同実施の形態において、制御回路の動作を示
すフローチャートの第3の図である。
【図7】 同実施の形態において、制御回路の動作を示
すフローチャートの第4の図である。
【図8】 同実施の形態において、最大ストロークを算
出する手続を示す第1の図である。
【図9】 同実施の形態において、最大ストロークを算
出する手続を示す第2の図である。
【図10】 実施の形態2に係るリニアコンプレッサの
駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図11】 同実施の形態において、図10に示す制御
回路のブロック図である。
【図12】 同実施の形態において、制御回路の動作を
示すフローチャートの第1の図である。
【図13】 同実施の形態において、制御回路の動作を
示すフローチャートの第2の図である。
【図14】 同実施の形態において、制御回路の動作を
示すフローチャートの第3の図である。
【図15】 同実施の形態において、制御回路の動作を
示すフローチャートの第4の図である。
【図16】 同実施の形態において、制御回路の動作を
示すフローチャートの第5の図である。
【図17】 同実施の形態において、最大ストロークを
算出する手続を示す図である。
【符号の説明】
1 リニアコンプレッサ、2 駆動制御装置、3 モー
タドライバ、4 有無検出センサ、5 制御回路、6
センサ信号処理回路、30 電流指令値基本値生成部、
31 電流指令値生成部、32 上下死点検出部、33
電流・位置位相差検出部、34 電流ゲイン制御部、
35 振幅中立位置制御部、36 周波数制御部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リニアモータを有するリニアコンプレッ
    サの駆動制御装置であって、 前記リニアモータに連結されたピストン部の所定の部位
    が、前記ピストン部のストロークに対して所定のストロ
    ーク位置近傍を通過したことを検知するセンサ部と、 前記センサ部に電気的に接続され、前記ピストン部の最
    大ストロークを算出するストローク算出部と、 算出された前記最大ストロークに応じて、前記リニアモ
    ータを制御するリニアモータ制御部とを備え、 前記ストローク算出部は、 前記ピストン部の変位を正弦波と近似し、前記ピストン
    部の所定の部位が前記所定のストローク位置を超えてい
    る超過時間を検出し、該超過時間に基づいて近似された
    前記正弦波より、前記ピストン部の前記最大ストローク
    を算出する、リニアコンプレッサの駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記超過時間(T)は、 前記ピストン部が一方の死点に向かって駆動する際に、
    前記所定の部位が前記所定のストローク位置を通過する
    時刻と、前記ピストン部が一方の死点を経て、他方の死
    点に向かって駆動する際に、再び前記所定の部位が前記
    所定のストローク位置を通過する時刻との差として検出
    され、 前記最大ストローク(Max_ST)は、 前記超過時間(T)、前記リニアモータの振動数(f)
    および前記所定のストローク位置の大きさ(Std_S
    T)に基づき、次の式、 Max_ST=Std_ST/sin(π/2−T・π
    ・f) より算出される、請求項1記載のリニアコンプレッサの
    駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 リニアモータを有するリニアコンプレッ
    サの駆動制御装置であって、 前記リニアモータに連結されたピストン部の所定の部位
    が、前記ピストン部のストロークに対して所定のストロ
    ーク位置近傍を通過したことを検知するセンサ部と、 前記センサ部に電気的に接続され、前記ピストン部の最
    大ストロークを算出するストローク算出部と、 算出された前記最大ストロークに応じて、前記リニアモ
    ータを制御するリニアモータ制御部とを備え、 前記ストローク算出部は、 前記ピストン部の変位に対応した波形として前記リニア
    モータを駆動する少なくとも出力電圧に基づいた振動波
    形を求め、前記所定のストローク位置に対応する前記振
    動波形の変位と前記振動波形の最大振幅とに基づいて前
    記ピストン部の最大ストロークを算出する、リニアコン
    プレッサの駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記振動波形は、 前記リニアモータの電圧、電流、コイル抵抗およびイン
    ダクタンスに基づいた前記ピストン部の速度波形を積分
    することにより算出され、 前記最大ストロークは、 前記ピストン部が一方の死点に向かって駆動する際に、
    前記所定の部位が前記所定のストローク位置を通過する
    第1の時刻と、前記ピストン部が一方の死点を経て、他
    方の死点に向かって駆動する際に、再び前記所定の部位
    が前記所定のストローク位置を通過する第2の時刻とを
    求め、 前記振動波形から、前記第1の時刻および前記第2の時
    刻における変位をさらに求め、 前記所定のストローク位置の大きさおよび前記変位と、
    前記振動波形における最大振幅との関係から算出され
    る、請求項3記載のリニアコンプレッサの駆動制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記ストローク算出部は、 前記ピストン部のストローク中心からのずれをさらに求
    めることにより、前記最大ストロークを算出する、請求
    項4記載のリニアコンプレッサの駆動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記センサ部は、 前記ピストン部の前記所定の部位に設けられたマグネッ
    ト部と、 前記所定のストローク位置に設けられ、前記マグネット
    部の磁界を検出する磁気検出部とを含む、請求項1〜5
    のいずれかに記載のリニアコンプレッサの駆動制御装
    置。
  7. 【請求項7】 リニアモータを有するリニアコンプレッ
    サの駆動制御方法であって、 センサ部により、前記リニアモータに連結されたピスト
    ン部の所定の部位が前記ピストン部のストロークに対し
    て、所定のストローク位置近傍を通過したことを検知す
    るステップと、 前記ピストン部の変位を正弦波で近似し、前記ピストン
    部の所定の部位が前記所定のストローク位置を超えてい
    る超過時間を検出し、その超過時間に基づいて前記ピス
    トン部の前記最大ストロークを算出するステップと、 算出された前記最大ストロークに応じて、前記リニアモ
    ータを制御するステップとを備えた、リニアコンプレッ
    サの駆動制御方法。
  8. 【請求項8】 リニアモータを有するリニアコンプレッ
    サの駆動制御方法であって、 センサ部により、前記リニアモータに連結されたピスト
    ン部の所定の部位が前記ピストン部のストロークに対し
    て、所定のストローク位置近傍を通過したことを検知す
    るステップと、 前記ピストン部の変位に対応した波形として前記リニア
    モータを駆動する少なくとも出力電圧に基づいた振動波
    形を求め、前記所定のストローク位置に対応する振動波
    形の変位と、前記振動波形の最大振幅とに基づいて前記
    ピストン部の最大ストロークを算出するステップと、 算出された前記最大ストロークに応じて、前記リニアモ
    ータを制御するステップとを備えた、リニアコンプレッ
    サの駆動制御方法。
  9. 【請求項9】 前記センサ部は、 前記ピストン部の前記所定の部位に設けられたマグネッ
    ト部と、 前記所定のストローク位置に設けられ、前記マグネット
    部の磁界を検出する磁気検出部とを含む、請求項7また
    は8に記載のリニアコンプレッサの駆動制御方法。
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