JP2001089284A - 硫黄コーティング有機質肥料 - Google Patents

硫黄コーティング有機質肥料

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JP2001089284A
JP2001089284A JP25972099A JP25972099A JP2001089284A JP 2001089284 A JP2001089284 A JP 2001089284A JP 25972099 A JP25972099 A JP 25972099A JP 25972099 A JP25972099 A JP 25972099A JP 2001089284 A JP2001089284 A JP 2001089284A
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fertilizers
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Akio Fukuoka
章男 福岡
Kiichi Machitani
喜市 町谷
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MITSUI TOUATSU HIRYO KK
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    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G5/00Fertilisers characterised by their form
    • C05G5/30Layered or coated, e.g. dust-preventing coatings
    • C05G5/36Layered or coated, e.g. dust-preventing coatings layered or coated with sulfur

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  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 かびの発生や異臭が防止され、かつ
害虫の忌避作用を有する硫黄被覆膜を備えた有機質肥料
を提供する。 【解決手段】 造粒された有機質肥料粒子の表面を硫
黄被膜によりコートして硫黄被覆粒状肥料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、かびの発生や異臭
が防止され、かつ害虫の忌避作用を有する硫黄被覆膜を
備えた有機質肥料に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、需要が低迷する無機質肥料(化成
肥料)に比べて、有機質肥料が注目されその需要の伸び
率は著しいものがある。これは、有機質肥料が単に肥料
養分や微量要素を緩効的に供給するばかりでなく、その
分解中間生成物である腐植、アミノ酸、多糖類等が、作
物の生育を促進するとともに、土壌の団粒構造形成を促
進し、通気性、保水性、透水性を向上させ、所謂土壌環
境を改善する効果(地力向上、土つくり)があり、ひい
ては、作物の品質改善、食味向上の効果が大きいと期待
されているためと考えられる。
【0003】また、有機質肥料は、古くから使用されて
いる天然物由来のものが多く、需要者の間では、一般的
に、人工の化成肥料に比較してずっと環境に優しく安全
な肥料であるというプラスイメージないし信仰がある。
最近では専業農家は、自己の野菜製品が有機質肥料を使
用している「有機野菜」であることを差別化の大きなセ
ールスポイントとして積極的に一般需要者にアピールし
ており、一方顧客の方も、より高価であっても安全で美
味しい本物の野菜や果物を味わいたいという「有機志
向」がますます強くなってきている。
【0004】また、専業農家だけでなく、所謂ガーディ
ニングブームもあって、近年家庭園芸や日曜菜園等を楽
しむ園芸愛好家が増加しているように仄聞するが、これ
らのアマチュア園芸家の間にも、できるなら化成肥料で
なく有機質肥料を使用してみようとする機運が大きくも
りあがっている。
【0005】しかしながら、この高いイメージにもかか
わらず、有機質肥料は、プロの専業農家であれば格別、
一般的に手軽に使用する肥料としては、実際にはそれ程
取扱いやすいものではない。
【0006】まず一般に有機質肥料は、その原料の有機
物に由来する独特の強烈な異臭を放つものが多く、はな
はだしい場合は、流通過程や店頭での展示の際にも異臭
を伴うのでこれを扱うのを嫌がる業者も多い。かかる異
臭のため、有機志向の園芸愛好家であってもこの購入使
用には二の足を踏むことになる。
【0007】またこの異臭は、ダニ、アブラムシ、ハエ
等の害虫が好むところであって、有機質肥料を使用した
場合、これらの害虫が多く誘引され、極端な場合は、栽
培している野菜が無数のアブラムシやハエ等で覆われる
という事態になりやすい。
【0008】さらに有機質肥料は、その複雑な有機物由
来成分がカビの培地となりやすく、カビが発生すること
を防止するのは困難であると云う問題があり、肥料の保
管過程においても、その商品価値が大幅に低下してしま
うと云う問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題であるかびの発生や異臭が防止され、かつ害虫の
忌避作用を有する、取扱い易い形態の有機質肥料を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、 (1)
造粒された有機質肥料粒子の表面を硫黄の被膜により被
覆してなることを特徴とする硫黄被覆粒状肥料が提供さ
れる。
【0011】また本発明に従えば、 (2) 無機肥料成分
が配合されている (1) 記載の硫黄被覆粒状肥料が提供
される。
【0012】また本発明に従えば、 (3) ワックスが硫
黄被膜のシール材として使用されている (1) または
(2) 記載の硫黄被覆粒状肥料が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0014】本発明においては、有機質肥料を造粒した
粒子を、硫黄コートのための芯材として使用する。
【0015】本発明において有機質肥料とは、主として
植物性及び動物性の天然有機質肥料を主体とする肥料で
あって、植物性有機質肥料としては、例えば大豆油粕及
びその粉末、菜種油粕及びその粉末、綿実油粕及びその
粉末、落花生油粕及びその粉末、あまに油粕及びその粉
末、胡麻油粕及びその粉末、ひまし油粕及びその粉末、
米糠油粕及びその粉末、カポック油粕及びその粉末、豆
腐粕乾燥肥料、玉蜀黍胚芽油粕及びその粉末等、醤油粕
及びその粉末等が挙げられ、また動物性有機質肥料とし
ては、例えば魚粕粉末、魚荒粉末、干魚肥料粉末、カニ
殻粉末、エビ殻粉末等の甲殻類質肥料粉末、肉粕粉末、
肉骨粉末、生骨粉末、蒸製骨粉末、乾血(血粉)、蒸製
蹄角粉末、蒸製皮革粉末、窒素質グアノ等の肥料取締法
(昭和25年法律第127号、以下同じ。)に規定する
普通肥料の範疇に属するものが挙げられる。
【0016】さらにその他、乾燥/醗酵鶏糞、醗酵/乾
燥牛糞、乾燥/醗酵豚糞等の加工家禽糞肥料、乾燥菌体
肥料、アミノ酸粕、コーヒー粕、くず大豆及びその粉
末、たばこくず肥料及びその粉末、よもぎ粕、草木灰、
くん炭肥料、セラック粕、にかわ粕、貝殻粉末、貝灰、
鉱さい、微粉炭燃焼灰、カルシウム肥料、塵芥灰、汚泥
肥料、焼成汚泥、堆肥等の肥料取締法に規定する特殊肥
料に属するものであっても構わない。
【0017】本発明の有機質肥料としては、上記例示し
た有機質肥料の少なくとも一種類を使用する。これらは
単独で使用することもできるし、その二種以上を混合し
て使用してもよい。
【0018】本発明においては、有機質肥料に、さらに
それ以外の無機系の肥料、例えば所謂三要素肥料等を全
体として50重量%以下、好ましくは30重量%以下の
範囲で配合してもよい。これらを配合することにより、
肥効成分のバランスを調整したり、または造粒するため
の造粒性を向上させることができる。
【0019】配合しうる無機系の肥料としては、硫酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝
酸ソーダ、硝酸石灰、尿素、アセトアルデヒド縮合尿
素、イソブチルアルデヒド縮合尿素、硫酸グアニル尿
素、オキサミド、石灰窒素等の窒素質肥料;過リン酸石
灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥、焼成リン肥、リン酸
アンモニウム等のリン酸質肥料;硫酸カリ、塩化カリ、
硫酸カリ苦土、重炭酸カリ等のカリ肥料;生石灰、消石
灰、炭酸カルシウム肥料等の石灰質肥料;鉱さいケイ酸
質肥料、ケイ灰石肥料等のケイ酸質肥料;硫酸苦土肥
料、水酸化苦土肥料等の苦土肥料;硫酸マンガン肥料等
のマンガン質肥料;ホウ酸塩肥料、ホウ酸肥料、ほう砂
等のホウ酸質肥料;熔成微量要素複合肥料、液体微量要
素複合肥料、混合微量要素肥料等の微量要素複合肥料等
が挙げられる。
【0020】本発明のおいて、有機質肥料同士の配合又
はこれと無機系肥料との配合は、スクリューミキサー、
パンミキサー、パグミキサー等の粉体混合機もしくはニ
ーダにより混練することにより行うことが好ましい。
【0021】本発明においては、これらの有機質肥料
(または有機質肥料と無機系肥料との混合物)(以下、
有機質肥料粉体と称することがある。)を造粒して粒状
の粒子とする。
【0022】造粒は、それ自身公知の造粒操作により行
うことができる。代表的な成型方法としては、例えば
(1) 転動造粒、 (2) 圧縮造粒、 (3)押出し造粒が挙
げられるが、いずれも好適に本発明に適用することがで
きる。
【0023】(1) 転動造粒は、転動造粒装置を使用す
るもので、傾けて配置された回転する皿(パン)または
円筒(ドラム)の上部から、有機質肥料粉体を供給する
とともに、水(及び澱粉、PVA、CMC、ゼラチン等
の水溶性高分子からなるバインダーを含んでいてもよ
い)を当該転動する粉体上に噴霧することにより、粉体
を毛管吸引力により付着・凝集・成長せしめて、球状の
粒子に成型するものである。この場合は、粒子は転動し
ながら成長するので、球形の粒子が得られる特徴があ
る。
【0024】(2) 圧縮成型は、ブリケッターと称する
装置を使用するもので、ペレットに対応する溝(ポケッ
ト)が形成された二個のロールを互いにかみ合わせて回
転させ、当該ロール間に有機質肥料粉体を連続的に供給
して、当該ポケット中に圧縮充填して成型し所謂ブリケ
ット形状とするものである。有機質肥料粉体中の水分量
が比較的低い場合に好適に適用できる。
【0025】(3) 押出し造粒は、ペレッターと称する
装置を使用するもので、有機質肥料粉体をダイス(又は
金網)から押出し、円筒状あるいは顆粒状のペレットに
成型する。肥料粉体の水分含量等の物性に応じて、粉体
を押し出す方式を選択し、プランジャー(スクリュ
ー)押出しのエクストルーダーか、ロール押出しのデ
ィスクペレッターの何れかを採用する。
【0026】エクストルーダーを使用する場合は、有機
質肥料粉体の水分含量を比較的高くに調整し(15〜2
0重量%程度)、この高水分含量の肥料粉体をバレル内
に供給しスクリューにより加圧圧送して先端のダイスか
ら押し出してペレット化する。また、ディスクペレッタ
ー使用の場合は、肥料粉体の水分含量を上記含量より低
い低水分含量とし、この肥料粉体をロールの回転により
円筒形状または平板形状のダイスから加圧下に押し出し
てペレットとする。なお、一組の円筒形状のダイス(ロ
ーラリングダイ)を互いにかみ合わせることにより、有
機質肥料粉体を圧縮する方式とすることもできる。
【0027】なお、その他の造粒方法として、有機質肥
料粉体をニーダー中で混練して塊状物とし、これを粉砕
することによってもよい。この場合は、成型粒子は、不
定形状となる。
【0028】本発明において、造粒した有機質肥料粒子
としては、粒状であればよく、その粒径や形状は特に限
定するものではない。不定形状、角型状、柱状、ペレッ
ト状、球状、平板状、鱗片状等その形状は問わないが、
取扱い性や、硫黄の被膜の形成し易さのためには、粒径
0.5〜15mm、好ましくは、2〜8mm程度の球状
または略球状のものが最も望ましい。ここに云う略球状
とは、ラクビーボールのごとき形状のものをも包含する
意味である。
【0029】従って、本発明においては、造粒操作とし
ては、球状の粒子が得られる転動造粒装置により造粒す
ることがもっとも好ましい。さらに、後記する硫黄のコ
ーティングを行う場合も転動コーターを使用すれば、有
機質肥料の造粒とこの硫黄コーティングを同一の装置で
行うこともできるため好都合である。
【0030】本発明においては、以上のごとく造粒して
得られた有機質肥料粒子の表面を硫黄の被膜により被覆
する。
【0031】硫黄の被覆は連続被膜となっているものが
最も好ましいが、場合によっては連続的な被膜を形成せ
ず、離散的にその表面を覆っているものであってもよ
い。
【0032】被覆する硫黄の量は、施用する有機質肥料
の原料の種類、肥効成分量、悪臭の度合い、施用する土
壌環境、土壌の温度、施用季節、降雨量、対象とする植
物の種類等により、任意に調整可能であるが、通常、有
機質肥料粒子100部に対して、5〜50部、好ましく
は10〜40部、さらに好ましくは15〜35部程度で
ある。
【0033】本発明で使用する硫黄は、元素硫黄であれ
ば、結晶形あるいは無定形のいずれでもよく、石油精製
工程で生じる回収硫黄、硫化鉱精錬の排ガスよりの回収
硫黄、フラッシュ法硫黄等いずれであってもかまわな
い。これら各種供給分野からの硫黄は安価かつ容易に入
手することが可能である。
【0034】本発明においては、硫黄の被膜を形成する
際に、硫黄被膜にさらにワックスをシール材( シーラン
ト )として使用することが好ましい。ワックスで硫黄被
膜層をコートしたり、および/または、ワックスを該硫
黄被膜層の空隙部等に充填することにより、硫黄被膜と
してのシール能力を向上せしめ、悪臭封止力を高めると
ともに、肥料成分の溶出パターンを変化させることもで
きる。
【0035】本発明で使用するワックスとしては、植害
のないものであれば特に限定されないが、木ロウ、ホホ
バ油、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデ
リラワックス等の植物ワックス;ラノリン、みつろう、
鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、セレシ
ン、オゾケライト等の鉱物ワックス;パラフィンワック
ス、ペトロラタム、マイクロクリスタリンワックス等の
石油ワックスの他、フィッシャー・トロプシェワック
ス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックスや
硬化ひまし油等の水素化ワックス等が使用可能である。
なかでも、常温から100℃程度、好ましくは50〜6
0℃程度の温度範囲で溶融するような、溶融温度の低い
ワックスは、溶剤に溶解することなく、そのまま、同じ
装置中で、硫黄被膜粒状肥料表面にスプレーすることが
できるのでより好ましい。
【0036】ワックスの使用量は、有機質肥料粒子10
0部に対して、0.01〜20部、好ましくは、0.1
〜10部程度である。
【0037】なお、硫黄の被膜中には、さらに無機粉体
をフィラーとして含ませてもよい。このようなフィラー
としては、シリカ、タルク、セリサイト(絹雲母)、雲
母、クレー、炭酸カルシウム、ケイソウ土等が挙げられ
る。これらの使用量は、有機質肥料粒子100部に対し
て、0.01〜10部、好ましくは、0.1〜5部程度
である。
【0038】本発明においては硫黄の被膜は、溶融硫黄
を有機質肥料粒子表面に噴霧( スプレー )することによ
り行われる。
【0039】スプレー塗布に特に適した装置としては、
例えば、回転パン( 転動パン )式コーターや回転ドラム
(転動ドラム)式コーターのような転動コーターのほか
に、回転落下式コーター、攪拌翼を使用する形式のヘン
シェルミキサーコーター、噴流層型コーター、流動層型
コーター等も使用可能である。
【0040】ここで、回転パンコーターや回転ドラム式
コーターを使用する場合は、回転パンや回転ドラム中で
有機質肥料粒子を転動させながら、溶融硫黄をパンやド
ラムの適当な位置に配設されたスプレーノズルから、噴
霧する。なお、シーラントとしてワックスを使用する場
合は、溶融硫黄の噴霧に引続き、溶融ワックスを噴霧す
ればよい。引続き冷風を送って溶融硫黄(及び溶融ワッ
クス)を冷却して硫黄被膜を形成することができる。
【0041】
【作用】本発明においては、造粒された有機質肥料粒子
の表面を、硫黄の被膜により被覆しているので、有機質
肥料の有する悪臭が硫黄被膜により遮断され、実質的に
極めて取扱い易い無臭の肥料粒子の形態となっている。
【0042】また、硫黄被膜が、有機質肥料粒子の表面
を外気から遮断しているので、粒子表面にかびが発生・
成長することがない。
【0043】さらに本発明においては、有機質肥料粒子
の表面を硫黄被膜で被覆しているため、害虫の好む有機
物特有の臭気が周囲に揮散することなく、また、硫黄自
体の有する臭いをダニやハエ等の害虫が忌避することと
あいまって、害虫が有機肥料粒子に誘引されることが防
止される。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。ただ
し、これらは単なる実施の態様の一例であり、本発明の
技術的範囲が、これらによってなんら制限的に解釈され
るものではない。
【0045】A.評価用硫黄被覆肥料粒子試料の調製 〔実施例1〕
【0046】(1)有機質肥料粉体の調整 蒸製骨粉末、蒸製皮革粉末、菜種油粕、硫酸カリ、硫酸
アンモニウム及びリン酸アンモニウムを表1に示した重
量部でミキサーでよく混合し有機質肥料粉体(プレミッ
クス)を得た。
【0047】(2) 造粒操作 造粒装置としては、リフター付の転動ドラムコーターを
使用した。造粒温度50〜70℃、有機質肥料粉体を供
給してドラムコーター中で転動させながら、有機質肥料
粉体100重量部に対して、造粒のためのバインダーと
してCMCを含む水を20重量部噴霧しながら造粒を行
い、粒径約3mmφの球状の有機質肥料粒子を得た。
【0048】(3) 硫黄コーティング この肥料粒子を予め55〜60℃に予熱し、造粒に使用
したリフター付の回転ドラムコーター中に供給し、転動
させながら、肥料粒子100部に対し、150℃で溶融
させた溶融硫黄を20重量部噴霧し、ひき続いて、溶融
パラフィンワックスを1重量部噴霧し、つぎに冷風を送
って、70〜80℃からワックスの融点以下の温度であ
る40℃にまで冷却し、パラフィンワックスを含む硫黄
を被膜を形成した。得られた硫黄被覆粒状肥料の分析値
を表1に示した。
【0049】〔比較例1〕硫黄コーティングを行わない
ほかは、実施例1と同様の粒状肥料を得た。
【0050】〔実施例2〕魚粕粉末、蒸製皮革粉末、綿
実油粕、硫酸カリ、硫酸アンモニウム及びリン酸アンモ
ニウムを表1に示した重量部でミキサーでよく混合し有
機質肥料粉体(プレミックス)を得た。
【0051】この有機質肥料粉体を使用して実施例1と
同様にして造粒および硫黄コーティングを行った。得ら
れた硫黄被覆粒状肥料の分析値を表1に示した。
【0052】〔比較例2〕硫黄コーティングを行わない
ほかは、実施例2と同様の粒状肥料を得た。
【0053】〔実施例3〕蒸製骨粉末、乾血、ひまし油
粕、硫酸カリ、硫酸アンモニウム及びリン酸アンモニウ
ムを表1に示した重量部でミキサーでよく混合し有機質
肥料粉体(プレミックス)を得た。この有機質肥料粉体
を使用して実施例1と同様にして造粒および硫黄コーテ
ィングを行った。得られた硫黄被覆粒状肥料の分析値を
表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】〔比較例3〕硫黄コーティングを行わない
ほかは実施例3と同様の粒状肥料を得た。
【0056】B.評価試験 実施例1〜3、比較例1〜3で得た硫黄被覆粒状肥料に
ついて以下のごとくして評価した。
【0057】臭気 容量500ccの密栓付のガラス瓶を6個用意し、それ
ぞれに実施例1〜3、比較例1〜3で得られた粒状肥料
を200gづつ挿入し、放置した。10日毎に密栓をあ
けて臭気の状態を測定し、直ちに密栓を閉じて7回測定
を行った。臭気の状態は5人の専門パネラーが行った。
【0058】この結果、実施例1〜3の粒状肥料は、何
れの測定時においても臭気が全くないか極めて弱い臭気
のものである。これに対して、比較例1〜3の粒状肥料
は、いずれもはじめから終始強い不快臭を有するもので
あり歴然たる差があることがわかった。
【0059】かび発生 ポット6個を用意し、それぞれ土壌500mlを充填し
水を加えて十分湿らせた。それぞれに実施例1〜3、比
較例1〜3で得られた粒状肥料約50粒を半分埋めるよ
うにして置き、さらに加水した。
【0060】このポットを恒温槽に収容し、湿度80
%、温度30℃で一週間保持した後、かびの発生状況を
観察した。
【0061】実施例1〜3においては、いずれもかびの
発生は全く認められなかった。これに対して比較例1〜
3では、いずれも肥料粒子全面がびっしりと白かびで覆
われるとともに、その周囲の土壌にもかびが及んでいる
ことが認められた。
【0062】害虫の忌避性 直径9cmのシャーレ内にネダニが繁殖している培地を
入れ、直径13cmの大型シャーレをかぶせて、大型シ
ャーレ内に相当数のダニが這いだして安定するまで待っ
た。
【0063】この大型シャーレ3個を用意し、それぞれ
に直径5cmのシャーレを二つセットし、その一つには
実施例1〜3で得られた肥料粒子を約50粒、他は比較
例1〜3で得られた肥料粒子約50粒を入れて、この肥
料粒子を入れたシャーレに這い上がってくるダニの数を
観察した。比較例1〜3の肥料粒子の場合は、常時30
〜60匹のダニが肥料粒子上に誘引されていたが、実施
例1〜3の肥料粒子に対しては時に数匹程度が這い上が
るだけであった。すなわち、本発明の硫黄被覆された肥
料粒子は、ダニ等の害虫に対してほぼ100%近い忌避
を示しているのに対して、硫黄被覆のない比較例の有機
質肥料粒子の場合は、かなりの害虫の誘引を示すことが
確認された。
【0064】C.植生試験 実施例1〜3、比較例1〜3で得られた有機質肥料粒子
を用いて小松菜の植生試験を行った。
【0065】赤玉土4重量部に、有機質肥料粒子1部を
混合して5号ポットに入れ、小松菜3本ずつを植え付け
て45日間栽培した。栽培後、刈り取って生育調査(重
量)を行った。なお、ポットは18個用意し、各実施
例、比較例について試験区は3個(No.1、No.
2、No.3)とした。
【0066】結果を表2に示した。本発明の硫黄被覆有
機質肥料粒子は、硫黄被覆のない有機質肥料粒子に比較
して、肥効性の点でもむしろ高いことが認められた。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】本発明の硫黄被覆有機質肥料粒子は、有
機質肥料の有する悪臭が硫黄被膜により遮断され、実質
的に極めて取扱い易い無臭の肥料粒子の形態となってい
る。
【0069】また、硫黄被膜が、有機質肥料粒子の表面
を外気から遮断しているため、粒子表面にかびが発生・
成長することがない。
【0070】さらに本発明においては、有機質肥料粒子
の表面の硫黄被膜で被覆しているので、害虫が有機肥料
粒子に誘引されることが防止される。
【0071】なお、本発明の硫黄被覆有機質肥料粒子
は、肥効の点でも、硫黄被覆の無い有機質肥料粒子対し
て、全く劣ることはないことも特筆される。
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Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造粒された有機質肥料粒子の表面を硫黄
    の被膜により被覆してなることを特徴とする硫黄被覆粒
    状肥料。
  2. 【請求項2】 無機肥料成分が配合されている請求項1
    記載の硫黄被覆粒状肥料。
  3. 【請求項3】ワックスが硫黄被膜のシール材として使用
    されている請求項1または2記載の硫黄被覆粒状肥料。
JP25972099A 1999-09-14 1999-09-14 硫黄コーティング有機質肥料 Withdrawn JP2001089284A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007022732A1 (fr) * 2005-08-26 2007-03-01 Nanjing University Of Science And Technology Engrais composite enrobé à libération lente ne polluant pas l'environnement
JP2013518564A (ja) * 2010-02-05 2013-05-23 ランジョウ チンフーラー バイオテクノロジー カンパニー リミテッド 栽培構造及び栽培方法
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